水曜日, 5月 18, 2022
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春を探しに学園都市を散歩 《ポタリング日記》6

【コラム・入沢弘子】庭先の梅が香りはじめました。梅の別名は春告草。今日はポタリングで春を探しにいきましょう。つくば市の洞峰公園に車を止め、折りたたみ自転車「BROMPTON(ブロンプトン)」を組み立てたらスタート。

つくばでは老舗の洋食店、パン屋などが並ぶ洞峰公園通りを進んでいくと、左手に筑波宇宙センター、右手に産業技術総合研究所つくばセンター。東大通りを渡ると、左手に物質・材料研究機構の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点、右手に産総研つくばセンターつくば東事業所と続きます。

この並木地区は、世界有数の研究機関が隣接する地域。垣根のない芝生の庭に造られた低層の公務員宿舎、電線のない街並み、縦横に整備された車線の多い道路は、まるでシリコンバレー周辺の景観のようでした。30年前にパロアルト(米カリフォルニア州)からつくばに引っ越した際、違和感がなかったのはそのためでしょう。

直進していくと視界が開けました。畑が広がり筑波山がくっきり見えています。花室川の橋の上で振り返ると、つくばセンターの三井ビルと高層マンション群。下は枯れ草に覆われた川辺に遊ぶカモの群れ。花室川流域の地層は約3万年前に形成されたもので、ナウマンゾウの化石が発見された場所。新旧が混在したこの景色を眺めるのが好きです。

ここは難読地名で有名な、大角豆(ささぎ)地区。農家の家屋、道端の石碑や祠(ほこら)に癒されます。あぜ道にははうようにタンポポが咲いていました。河川沿いに田園地区を抜け、桜南小学校に出ます。約150年続く歴史ある小学校です。学校裏手から再び田園地帯へ向かうと、畑や雑木林の周辺に建設中の住宅が増えてきました。藤沢荒川沖線を渡り、並木地区に戻ると景色が一変しています。

数年離れていると「浦島太郎」に

段階的に売却が進められていた公務員宿舎の跡地には、分譲住宅地やマンションが完成していました。桜南スポーツ公園や並木公園の周辺も、すべて一般住宅地。並木ショッピングセンターの隣には、新業態スーパー「ブランデ」ができています。この地域に約1800戸あった公務員宿舎が消え、新しいまちに生まれ変わっていました。数年離れていると、浦島太郎の気分になるのではないでしょうか。

藤沢荒川沖線に戻り国道を渡ると、「いちご狩り」の看板。田村農園はミニチュアホースのいる農産物直売所です。イチゴを買って元の道へ。梅の木通りの梅の香りを楽しみながら東大通りを渡り、ペデストリアンデッキを進みます。

梅園公園に到着しました。小山の上に腰を降ろし、梅林を見渡します。花は3分咲きぐらいでしょうか。ここは、つくばに越してきたころから変わらない景色。梅の木は高く、大きくなりましたね。甘酸っぱいイチゴを口に含むと、懐かしい記憶がよみがえってきました。

お弁当持参で散歩した日、ベビーカーを押して日光浴をした日…。激変するつくば市内ですが、変わらない場所を見つけるとホッとします。

梅園公園から赤塚公園を経由し、洞峰公園に至るつくば公園通りも、以前の面影をとどめています。思い出に浸りながら戻るといたしましょう。(広報コンサルタント)

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