水曜日, 5月 18, 2022
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露のウクライナ侵攻に思うこと 《つくば法律日記》20

【コラム・堀越智也】前回のコラム(1月5日付)で、ソ連邦成立100周年に触れました。こう書くと、ロシアのウクライナ侵攻を示唆していたように聞こえるかもしれません。しかし実は、100周年といってもロシア関連のニュースはそんなにないだろうなと思い、資本主義の話に持っていったわけです。

100周年だから、何か重大事が起きるかもしれないと書いていれば、預言者になれたのですが…。

1月のコラムを読み返して、先見の明のなさを感じながら、正月に何気なく勉強した、ソ連邦の知識を思い出しています。東欧の社会主義圏が消滅し、ソ連邦が解体された後、その構成国がどうなったのか、もやもや状態だったのをすっきりさせたくて、世界史の教科書を読みながら地図を眺めました。

いろいろな文献には、ソ連邦解体後のことについて、早々に独立したバルト3国を除く12の独立国家共同体=緩やかな連合体と書かれています。一方で、プーチンが「強いロシア」の再建を主張して、長期政権となったとも書かれています。

緩やかな連合体の中心に強くなろうとする国がいたら、何が起こるか想像に難くありません。経済的に脆弱(ぜいじゃく)な国は、強い国に依存するか、飲み込まれます。経済的自立ができる国は、強くなろうとする国と対立するようになります。

ロシアから見たウクライナの存在が日本の奈良と京都の関係に近いことが、ウクライナ侵攻の1つの理由に挙げられることがあります。確かに、ウクライナの首都はキエフで、ロシアという国の歴史をさかのぼると、キエフ公国に行きつきます。

ただ、キエフ公国を建てたのはノルマン人ですし、そのキエフ公国はモンゴルに滅ぼされているので、ウクライナが奈良―京都的関係であることは大きな理由になりません。いずれにしても、武力侵攻という手段を取ったことは過ちです。

国際法による抑止力の議論を

ウクライナがロシアに侵攻されたことで、日本も核を保有して抑止力を持つことが必要だという意見が増えています。核保有の正否はともかく、抑止力を有するのは核だけではありません。法律にも罰則があれば抑止力になります。

各国には罰則付きの法律があり、国民の犯罪を抑止します。ロシアのウクライナ侵攻は国際法違反と言われますが、グローバリゼーションが進展した今でも、全ての国を規制する法はなく、武力侵攻をピンポイントで抑止する法はありません。

学生のころ、地球上で文化が異なる国々を同じ法でまとめることに違和感を持っていました。しかし、人が生まれたらその地の法律に従わなければならないように、地球上に国をつくった以上、従わなければならない法があるべきなのではないか―。国際法の父・グロティウスが「戦争と平和の法」を著したのは1625年でした。

それ以来、国際法の「母も子」も現れていません。そろそろ、核による抑止力だけでなく、普遍的に適用される国際法による抑止力について、深い議論ができないものでしょうか。(弁護士)

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