TX土浦延伸へ決起集会 市民参加で競合2団体に対抗
つくば市が始発・終点になっているTX(つくばエクスプレス)を土浦市まで延ばしてもらおう、と「TX土浦延伸を実現する会」(会長・安藤真理子土浦市長)の決起集会が12日午後、クラフトシビックホール土浦(市民会館)で開かれた。集会には、経済団体関係者、国会議員、県会議員、市会議員のほか、市民約600人が参加。土浦市内でのTX―常磐線接続の実現に向け、盛り上がった。
TXの県内延伸については、茨城県がすでに4案を示し、今年度中に1つに絞り込む方向で調査を開始している。2月に県が公表した延伸先案は、①筑波山(つくば市)、②水戸市、③茨城空港(小美玉市)、④土浦市―の4方向。
これを受け、延伸先への経路がかかる市や町の誘致運動が活発化、③を実現させたい石岡市は「TX石岡延伸推進協議会」を5月17日に立ち上げた。水戸市、かすみがうら市、小美玉市、茨城町も5月23日、②③の実現を目指し、「TX水戸・茨城空港延伸促進協議会」(石岡市も重複参加)を立ち上げた。いずれも、土浦市の「実現する会」同様、市長・町長、地元経済関係者、国会議員、県会議員、市・町会議員が名を連ねている。
土浦の「実現する会」は、4月5日に幹事会が立ち上がり、4月12日と5月11日に実行委員会を開いてきたが、他の2団体の活動に負けまいと署名運動を繰り広げながら、12日の大集会にこぎつけた。
延伸経費:国が3分の1、残りは県と自治体
安藤市長はあいさつの中で「以前から『つくばでストップってどうして』と思っていた。県内の活性化のためにも、土浦延伸を実現させたい」「茨城空港に結ぶ形で地域活性化につながればよい」と述べ、土浦市内で常磐線に交差させ、茨城空港に延ばす構想を提案した。
国光文乃衆院議員(茨城6区・小選挙区)は「延伸には数千億円かかるだろう。そのうち国が全体の3分の1を負担する。残りは県と地元自治体が負担しなければならないが、(TXが通過している)東京都、埼玉県、千葉県にも負担してもらう」と延伸経費やその分担に踏み込んだ。
青山大和衆院議員(茨城6区・比例)は「常磐線は東京駅乗り入れで便利になった。まさにTX延伸も同じこと。今、TXの会社は8両化を進めているが、それが完了したら、次は県内延伸だ」とスケジュールに踏み込んだ。
「県都と学園都市がつながるメリットは大」
決起大会の前に、TXに関する著作もある塚本一也県会議員(つくば市区)が「つくばエクスプレス県内延伸の考え方」の演題で基調講演を行い、県内延伸の視点を提供した。
この中で、「何のために延伸するのか、茨城県のメリットは何か、土浦延伸で県にどう貢献できるか―考える必要がある」とし、国の支援を得るには「それによって茨城県が持つ財産を最大限生かす視点が必要だ」と述べ、具体的には茨城空港を挙げた。
また、延伸によって県都と学園都市がつながること、水戸が東京通勤圏に組み込まれることのメリットを強調。さらに、常磐線とTXが県内でつながれば、①どちらかに事故があった場合に振替輸送が可能になる、②相互乗り入れにより利用者の利便性がアップする―と述べた。(岩田大志)
水上のバリアフリーを実践 霞ケ浦でパラカヌー体験会
障害のある人に水上スポーツへの関心を高めてもらいたい-と障害者カヌーの体験イベント「パラカヌー体験会」が、12日、霞ケ浦畔のラクスマリーナ(土浦市川口)で開かれた。体験会は「パラカヌーサポーター講習会」と合わせて2日間行うもので、日本障害者カヌー協会が昨年度から始めた。今年度は東京都や佐賀県、県内のかすみがうら市など全国5カ所での開催を予定しているという。
体験会には8人が参加し、15人のスタッフのサポートで思い思いにパラカヌーを楽しんだ。県障害者カヌー協会代表でパラカヌー選手の朝日省一さんがパドルの使い方などを教えた。参加者らはサポートスタッフの手伝いでカヌーに乗り込み、順番に出艇。初体験の参加者もすぐに慣れ、1時間ほどパドルの操縦を楽しんだ。
ラクスマリーナは障害者が使いやすい多目的トイレはじめ、スロープの通路などの設備が整うパラスポーツのバリアフリー拠点となっている。
都内から友人と一緒に参加した女性は「1人で乗って自分で漕いで、どこでも自由に行けるのが楽しかった。バランス感覚が身に付くと思う。2人乗りも違った楽しさがあり、朝日さんが後ろに乗ってくれて2人乗りした時は、いろいろとレクチャーしてくれて練習になった」という。
インストラクターを務めた朝日さんは「家に閉じこもって外に出ない障害者がまだまだ多い。表に出てパラカヌーというスポーツがあると知ってもらえたら。自分もパラカヌーの選手になるまでは霞ケ浦でカヌーができる場所があるということを知らなかった。ここでカヌーに乗れるということを知ってほしい」と話す。
サポートスタッフとして参加したつくば国際大学4年の加藤綾花さんは、理学療法士を目指している。「昨日講習を受けてサポートスタッフとして登録し、今日初めて参加している。講習でも練習したが、今日実際にサポートした方が難しく感じた。理学療法学科で学んでいるが、コロナ禍で実技の勉強がほとんどできなかった。この体験会で勉強し、学んだスキルを就職した時に活かしたいと思っている」
日本障害者カヌー協会は、水の上に出ようと「Let‘s out on the water!!」を掲げる。とにかく日常生活と違うことにチャレンジしようがテーマ。事務局長の上岡央子さんは「まずは水の上に出て水上の世界を知ってもらいたい」と話した。さらに、遊びながらSDGs(持続可能な開発目標)にも関心を持ってほしい、として環境への取り組みも忘れない。集まった参加者らはカヌー講習の前に、ビニール袋と清掃用トングを持って湖岸のゴミ拾いにも汗を流した。(田中めぐみ)
「3つの公園」問題と流れ者 《映画探偵団》56
【コラム・冠木新市】今、つくば市に「3つの公園」問題が起きている。1つめは「洞峰公園」のリニューアル問題をめぐる、大井川県知事と五十嵐市長の対立。 市民団体が結成され、県に協議会設置を求める署名用紙が区会を通じ私の所に送られて来た。明確に反対を主張していないので、パスした。
2つめは「高エネ研跡地をめぐる運動公園」問題。7年前に反対署名してから推移を見守ってきたが、市は迷走を続け、大多数の市民が一括売却反対なのに、市議会は賛否を問うことなく、民間企業に売却を進めようとしている。
3つめはセンタービル内の施設「co-en」問題。比較は不幸の始まりとは知りながらも、「誰でも通れる通路」を歩くと、旧アイアイモールの広くて頑丈な作りを思い返してしまう。通路は大学の廊下みたいな印象で、「会議室」や「コワーキングスペース」が教室に見える。
また、「カフェ」は大学食堂の趣で、若い人や若者気分の大人たちには心地よい空間だろう。通路両脇に波打つ「小上り」だが、以前のベンチのように気楽には座れない。人を会場内に寄せつけない仕掛けなのかもしれない。
大問題なのは、ビル内から広場への出入口が閉じられ、特別会員やイベント関係者しか利用できなくなってしまったことだ。普通の市民の出入口はカフェ側にあるが、お客の間を通るので気兼ねする。 昨年、「つくばセンター研究会」でデータを取ったが、ここが一番人の動きの多い出入口であった。「誰でも通れる出入口」に戻すべきである。
通路からホテルへは一直線につながり、ロビーにモンローチェア2脚が飾られ、説明文と手を触れないでくださいとのプレートが置かれていた。
『つくばセンタービル謎解きツアー』で「そのうち座れなくなりますよ」と予言したが、ようやく文化財として認知されたようだ。五十嵐市長の「意匠を大事に」との口癖の効果が表れた。すごい実績である。できれば、子どもたちの遊び場で、長い間放ったらかしになっている水景の、外れた石段を直してもらいたいものだ。
渡哲也主演の『東京流れ者』
そんなこんなで通路を通るうちに、ここは映画スタジオのセットではないかと思えてきた。
1960年代に、よく分からない映画を作ると言われた鈴木清順監督が日活からクビになった。今では世界的に評価を受けているが、当時はセット美術の木村威夫とコンビを組み、次々に奇妙な野心作を作り、大学生に熱狂的に支持された。私は清順作品の中でも『東京流れ者』(1966)が好きで、繰り返し見た。
やくざから堅気になった倉田が所有する倉田ビルを奪おうと、大塚組が謀略をめぐらし、倉田組の不死鳥の哲(渡哲也)を痛めつけ、反応をうかがう。
義理人情を重んじる不死鳥の哲は倉田を信じ我慢するが、大塚組の罠(わな)にハマった倉田は「哲を殺れ」と指示を出す。裏切られた哲が倉田の運営するクラブ「アルル」に乗り込み、白い壁際沿いの狭い通路やってくる。哲は、寝返った倉田に「それが親分という者の正体だったのか、サカヅキは返すぜ!」と絶縁宣言する。
こう書くと、ただのやくざ映画にしか思えないだろうが、奇妙なカット割り演出と赤や黄色の照明で安っぽいセットを面白く見せ、ポップな仕上がりなのである。
中でも、クラブの壁際沿いの通路が「co-en」の感じと似ている。『東京流れ者』に夢中になった当時の大学生は、現在80代だ。「co-en」をどう見るだろうか。いや、東京からつくばに流れて来た新住民は、「3つの公園」問題に何を感じるのか。
今、つくば市民は「3つの公園」問題に巻き込まれている。問題の根は深く、「筑波研究学園都市」が誕生して以来、つくば市は史上最大の岐路に立っている。不死鳥の哲が、つくばに流れて来る日も近い。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)
つくば駅周辺「県をけん引する成長エンジンに」県議会で知事
茨城県議会第2回定例会の一般質問が11日行われた。つくば駅周辺で国家公務員宿舎の廃止などにより空洞化が進行し、にぎわいの低下が懸念されている問題について大井川和彦知事は「つくば駅周辺を新たな価値を生むビジネスの街、世界に伍するイノベーション拠点へと変革させ、茨城県をけん引する成長エンジンとして再生したい」とする考えを示した。
つくばエクスプレス(TX)沿線のまちづくりに対する塚本一也県議(自民党、つくば市区)の一般質問に答えた。
大井川知事はさらに「私とつくば市長が共同会長を務めるコンソーシアム(つくばスマートシティ協議会)を母体に、研究シーズが世界中のヒト・モノ・カネと結び付いて事業化し、成長が促進される仕掛けとなるエコシステムの形成に取り組んでいく」と答弁した。
塚本県議は、沿線開発の人口急増に追いつかない学校施設や道路渋滞などのインフラ問題への対応についてただした。さらに県民の大きな関心事であるTX延伸について、年度内に方向性を決めるための調査費1800万円が計上されたことから、「延伸の課題の解決策を見出すためにまちづくり評価の総括が必要」だと訴えた。
宅鉄法の目的達成されつつある
大井川知事は沿線のまちづくりの評価について「これまで県有地の約8割に当たる約320ヘクタールの売却に至った」とし「近年では宅地を中心に年間目標面積を大きく上回る土地処分が進んだ」などと強調。「沿線3市ではTX開業時と比較し約7万4000人の人口増となり、魅力あるまちとして、宅鉄法の所期の目的が達成されつつある」と評価した。
一方、学校建設が追い付かない事態や慢性的な交通渋滞の発生、つくば駅周辺の空洞化などの課題もあるとして「未整備の県保有地の造成・販売の前倒しやスマートシティモデル街区といった次世代型のまちづくりを進める一方、教育施設等の公共施設が適切に整備されるよう地元市と連携を深め、今後の整備を進めたい」とした。
莫大な総工費が予想されるTX県内延伸については「茨城県のみの費用負担では実現が困難」だとし、「国からの支援や、TXの出資者である各都県からも費用負担の在り方を含む事業スキームに関する合意を得る必要があり、解決しなければならない難しい課題が山積している」とする認識を示し、「客観的な調査を進め、有識者の意見も聞きつつ、将来世代にメリットのあるような選択をしていきたい」とした。
半年ぶりの休日議会
11日の一般質問は、2021年11月に次いで2回目の休日議会となり、平日開催では来場できない県民が多数訪れた。初めて傍聴したという県立水戸一高3年で生徒会副会長の佐藤舞佳さんは「内容的に難しいこともあったが、大学進学や病院の収支など身近なことが話し合われていて、議会に興味を持つことにつながると思った」と話していた。
ぼくたちの名前付けて! セントバーナード子犬6匹 つくばわんわんランド
日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久社長)が、超大型犬、セントバーナードの子犬6匹の名前を募集している。
今年のGW(ゴールデンウイーク)にデビューした生後3カ月半の雌2匹と雄2匹(4月27日付)、5月22日に新たに仲間入りした生後2カ月半の雄2匹の計6匹が対象。
GWにデビューした子犬は現在、体重20キロ、体高50センチと2倍の大きさに成長した。新たに仲間入りした2匹は現在、体重12.5キロ、体高40センチ。
今回、まだ名前が付いていない子犬6匹の名前を、11日から26日まで募集する。
6匹はそれぞれ性格が異なり、甘えん坊だったり、おっとり系だったり、かまってちゃんだったりするという。
同園は「かわいい子犬たちにぴったりな名前を付けてあげてほしい」としている。
応募方法は、所定の用紙に名前を書いて、園内に設置された応募箱に投函する。6匹すべての名前を書いても、気に入った1匹だけの名前を書いても可能。応募は1人1回のみ。ただし園内にいる犬と同じ名前は選考の対象外という。
6匹の名前は7月1日に同園のホームページで公表する。採用者全員につくばわんわんランドのペア招待券を贈呈するほか、抽選で1人に筑波山中腹の温泉ホテル「つくばグランドホテル」のぺア宿泊券を贈呈する。
応募期間中の土・日曜(11、12、18、19、25、26日)は、正午からと午後3時からの1日2回、同園の子犬展示館脇の芝生広場などで、セントバーナードの子犬と触れ合うイベントを開催する。
同園は「セントバーナードはすぐに大きくなり、かわいい子犬に会えるのは今だけ。ぜひ会いに来てほしい」としている。
◆問い合わせは同園ホームページまたは電話029-866-1001へ。
茎崎庁舎跡地に小売店誘致 保健センターは存続 つくば市
庁舎解体後、更地のままになっているつくば市の茎崎庁舎跡地(同市小茎)について市は、2年前に住民に示した案(20年8月7日付)を見直し、跡地に食料品や日用品を販売する1000平方メートル規模の小売店を誘致する方針を明らかにした。前回、解体するとしていた隣接の茎崎保健センターは解体せず存続させる。
10日と11日、地元説明会を開き、新たな方針を説明した。10日の説明会では参加者から「大賛成」「一刻も早く誘致してほしい」などの意見が相次いだ。
誘致する小売店は、跡地約2700平方メートルに、建築面積1000平方メートル程度の店舗を誘致する。店舗は平屋建て、駐車場は30台程度となる。土地は市が事業者に貸し付ける。賃料は固定資産税評価額の1000分の25という。7月中旬ごろから事業者を公募し、9月中旬ごろまでにプロポーザル方式で選定する。来年6月ごろまでのオープンを目指す。
市公有地利活用推進課は小売店の選定について、自宅に宅配する、地元産品を扱うなど、地域住民のライフスタイルに合わせた評価基準を示した上で、学識経験者、住民代表、市職員で構成する候補者選定委員会を開いてより優れた事業者を選定したいとした。
保健センターでは、集団健診や健康相談などを引き続き実施する。2階建ての建物は耐震基準を満たしている一方、老朽化していることから、トイレや冷暖房などの設備を一部改修したり、市民のたまり場となるオープンスペースを設置したり、会議室の貸し出し手順を見直し利用しやすくするなどを検討しているという。保健センターの改修も小売店の出店と同時進行で進める。ただし改修時期は未定。
出店、20年以上
10日の説明会では参加者から、小売店に対し「生鮮食品を売ってほしい」「重いものを配送してくれる事業者を誘致してほしい」「防災協定を締結して、災害時に水やティッシュ、タオルなどを市が買い上げる体制をつくってほしい」などの意見が出た。「バスを待つ時間、風雨をしのげるスペースをつくってほしい」「条件など付けず早くオープンしてほしい」などの声もあった。「人口が減少している地域で本当に定着してくれる見通しはあるのか」という質問に対し、市は「20年以上くらい(定着の)見込みがあると考えている」とした。
一方、保健センターの改修に対しては「エレベーターを設置してほしい、和式トイレを洋式にしてほしい、エアコンを取り換えてほしい、塗装し直してほしい、フェンスがみすぼらしい―などすでに15項目の要望を出しているのでお願いしたい」「前回の計画(2020年時点)では相当額(保健センター解体、埋蔵文化財調査、商業施設内の公共施設整備など計7億円)を考えていただいた。相当額で保健センターを改修してほしい」「改修内容を開示してほしい」などの意見が出た。
複数事業者が可能と回答
茎崎庁舎跡地は2010年4月に閉庁、16年1月に解体され、現在、跡地の一部はバスロータリーとなっている。
跡地利活用について市は20年8月、庁舎跡地に隣接する茎崎保健センターを解体し、庁舎跡地と保健センター敷地を一体的に活用して商業施設を誘致し、商業施設内に公共施設を併設させる案を住民に説明した。住民の間では、商業施設誘致に賛成する意見と、保健センターを存続してほしいとする意見の両方が出た。
一方、当初案について市が20年に事業者15社に聞き取りした結果「市の計画案は施設規模が過大で、建設費用、運営コスト、商圏を分析すると採算性が見込めない」などの調査結果が出て、市は利活用案の見直しを実施していた。
見直し案を再検討する中、市が21年に事業者5社から聞き取り調査をした結果、複数の事業者から、1000平方メートル規模の小売店なら出店可能との回答を得たという。(鈴木宏子)
地方の企業が絶対にやってはいけないこと 《地方創生を考える》23
【コラム・中尾隆友】先日、つくば市において、近隣の企業経営者や市町村幹部の方々に対して、「2020年代における企業の経営戦略」という題目で講演をさせていただいた。要約すると、以下の通りとなる。
これから、日本には3つの大きな波、すなわち、「人口減少」「デジタル化」「脱炭素化」の波が訪れる。
1つ目の人口減少については、日本の2045年の人口は2015年と比べて16.2パーセント減少するのに対して、茨城県は23.4パーセント減少とかなり大きい。TX(つくばエクスプレス)沿線を中心に人口が増える県南地域と、人口が激減する県北地域の、2極化が進む見通しだ。人口減にどう対応していけばいいのか? 今から考えておく必要がある。
2つ目に、日本では人手不足が進む中で、デジタル化によって効率性を上げなければならない。しかし地方は、大都市圏よりも中小零細企業の割合が多く、デジタル化が遅れがちだ。企業の商品・サービスの商圏を広げる上でも、地方の企業こそ創意工夫をしてデジタル化を進めるべきだ。
3つ目の脱炭素化は、環境にとって必要不可欠だが、企業にとっては大きな負担となる。特に日本は、脱炭素化の国際的ルール作りにうまく関わることができていないので、長期的に見て、国際競争で不利になる可能性が高い。加えて、脱炭素化に関連する法律や商慣習が固まってくるのはまだ先のことで、不確実性が大きい。
「自分が成長できるか」「やりがいがあるか」
これら3つの流れを踏まえた上で、経営者が最もやってはいけないのは、根性や気合いといった、マンパワーに依存することだ。従業員が疲弊し、採用ができなくなってしまうからだ。地方ではこの手の経営が多いので注意が必要だ。
とりわけ、今の若者は、仕事に対して「自分が成長できるか」「やりがいがあるか」を重視する。優秀な人材ほど、この傾向が強い。その意味では、若者に仕事の裁量権をある程度与えたうえで、モチベーションを引き上げたり、下からの意見を吸い上げたりする仕組みをつくることが求められる。
近年、野村ホールディングスや電通といった業界最大手の企業でさえ、マンパワー依存の経営に頼り過ぎたために、危機の一歩手前まで追い込まれた。企業の価値は「最後は人」になる。経営者にとって重要なのは、国や自治体のアシストを受けながら、デジタル化が進んでも職を失わない、スキルを持つ人材を育てることだ。(経営アドバイザー)
小児がんの子供たちと家族に笑顔を 遺族ら1杯100円のレモネード販売
12日、つくばセンター広場
小児がんと闘う子供たちや家族を支援する「小児がん支援のためのチャリティーマルシェ」が12日、つくば駅に隣接するつくばセンター広場(同市吾妻)で開催される。2年前、2歳の次男を小児がんで亡くしたつくば市の高校教員、照井美穂さん(40)が代表を務める支援団体「HiStar'Snow Tsukuba(ヒスターズナウつくば)」が主催する。
小児がんに対する支援の輪を広げる6月12日の「レモネードスタンドの日」に合わせて、1杯100円でレモネードを販売し、売り上げを研究グループなどに寄付する。
突然、宣告
照井さんの次男、善高(よしたか)ちゃんの病気が分かったのは2020年3月。前日に急にふらつき、掛かり付け医に連れて行った。その日のうちに大きな病院を紹介され、脳幹組織に悪性腫瘍ができる小児脳幹部グリオーマと診断された。1年生存率50%の小児がんで、余命10カ月と宣告された。前日まで普通に歩いていた。
すぐに筑波大学附属病院に入院し陽子線治療を始めた。照井さんは仕事を休み、病院に寝泊まりしながら24時間付きっきりで看病に当たった。しかし新型コロナの感染拡大が始まり、家族は面会すらできなかった。
1カ月半の治療が終わり、家族と一緒に過ごさせたいと退院。自宅に戻ると少しずつ回復し、大好きなお兄ちゃんとおもちゃで遊べるようになった。
病気について調べる中、照井さんは、小児がんになった米国の4歳の女の子が、がんの薬をつくってほしいと、2000年6月12日、自宅前でレモネードを販売し売り上げを小児がんの研究に寄付する「レモネードスタンド」を始め、米国で取り組みが広がっていることを知った。日本でも2019年に支援団体が「レモネードスタンドの日」を定め、活動が始まったばかりだった。
退院から3週間後の2020年6月、照井さんは祖父が経営する市内の店舗前で、家族で「レモネードスタンド」を初めて実施した。前日にSNSで告知しただけだったが、用意した200杯すべて完売し、売り上げを小児がんの研究グループなどに寄付した。
「息子が亡くなった後、息子を思いながら自分がどうやって生きていけばいいか考える中、レモネードスタンドは自分が立ち上がるきっかけになった」と当時を振り返る。
善高ちゃんはその後も入退院を繰り返し、その年の9月、主治医から余命1カ月と告げられた。1年前の2歳の誕生日に、照井さんは「3歳の誕生日にディズニーランドに行こう」と善高ちゃんに約束していた。約束を守ってあげられないことが心残りだと病院で話したところ、主治医から「行った方がいい」と背中を押され、2泊3日で家族旅行をした。
1カ月後の10月、3歳の誕生日を前に善高ちゃんは自宅で息を引き取った。
2人で結成
闘病中、奇跡が起きたらいいとずっと願ったという。照井さんはかなわなかったが、小児がんに苦しみ、不安でいっぱいの子供たちや家族に、今この時、笑顔でいてほしいと、21年5月、同じ病院で知り合った平沼美里さんと、「HiStar'Snow Tsukuba」を結成した。
会では、県内各地のさまざまイベントでレモネードスタンドを開催し小児がんの啓発活動をしているほか、家族交流会を開いたり、入院中の家族を支援したりしている。
12日のチャリティーマルシェで開催するレモネードスタンドは、10回目になる。1杯100円のレモネードを1000杯用意し、売り上げを小児がん研究の支援グループに寄付する。照井さんの活動を支援する友人らが焼き菓子や雑貨を販売したり、ワークショップを開くなどし、売り上げの一部を寄付する。併せて「みんなで知ろうがんのこと」をテーマに、小児がんの子供たちの絵画を展示したり、がん検診を知るイベントを開くなどする。
◆「小児がん支援のためのチャリティーマルシェ」は6月12日(日)午前10時~午後3時。問い合わせはメールhistarsnowtsukub@gmail.com。
サイクリング事始め《夢実行人》9
【コラム・秋元昭臣】友人から譲リ受けたママチャリのスポーツタイプは車齢25歳超の貴重品です。ヨット仲間の友人が毎月15回も、「つくば霞ケ浦りんりんロード」の土浦~岩瀬を自転車に乗っていると聞き、私もやる気が出ました。
サイクリングを始めた昨年5月は、土浦~筑波休憩所の片道20キロ。これは土浦~岩瀬の半分です。ある日調子がよかったので、終点の岩瀬まで完走。その後は、筑波、真壁、雨引休憩所で休んで、岩瀬休憩所で折り返しています。
多少風が吹いても、往復80キロを5時間で走れるようになりました。坂道は、上れば下りますが、行きが向かい風だから帰りが追い風とは限りません。自然の気まぐれは「本職」のヨットと同じですから、最近は風を楽しんでいます。
友人の話では「マイペースが一番」とのこと。それがわかるまでの1年間、「尻が痛い」「腕が痛い」「手がしびれる」「肩がこる」「足がパンパン」などを経験。ベテランのアドバイスでサドル高さを調整したり、姿勢やこぎ方を変えて改善しました。
「暴走老人」と言われながら
転倒、パンク、チェーン切れ、タイヤバースト、サドル金物破損などもありましたが、一つ一つ、自転車屋さんの指導を受けました。工具も持つようになり、前後輪が同時パンクしたときは、パンク修理を楽しみながらやりました。
着るものも、夏の暑さは何とかなりましたが、真冬の手指やつま先の冷たさには苦戦。手袋はミントの下に毛糸のもの。靴下は2枚で対応しましたが、15キロ先の小田休憩所でようやく温もりが。首にはネックウォーマー。体は薄くて軽いカッパで、冷えないように。
夏はペットボトル3本飲んでも、汗をかき、WCいらず。しかし冬は、1本でも飲んだ分は出てしまいました。これでわかったことは、体幹の温度調節は下半身でできること。
手の指が暖まるのは最後ですが、そこを温めたり冷やすことは効果があります。夏は水に浸したタオルを首に巻き、軍手には水をかけました。冷たい手で顔を拭うのは快感です。
皆さんには「暴走老人」との言われましたが、「つくば霞ケ浦りんりんロード」が、サイクリング、ランニング、ウォーキング、通勤通学、生活道路などとして役立っていることも実感しました。(元ラクスマリーナ専務)
工事費増額、増資を検討 つくばまちなかデザイン
市議会に決算報告
つくば市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)が6月議会開会日の9日開かれた。市が出資するまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」の内山博文社長が、2022年3月期(21年4月-22年3月)決算と今後の見通しについて報告した。
つくばセンタービル1階東側と4階吾妻交流センターを改修して貸しオフィスなどにする改修事業費について、昨年12月時点では約4億7700万円としていたが、1階の改修の際、想定していない構造体等があったこと、設備改修に想定より費用を要したことなどから、家具や備品費などを圧縮しても事業費が約3000万円増え、約5億700万円になるとする見通しを示した。
今後さらに、4階の吾妻交流センターをオフィスにする改修工事などを予定していることなどから、増資を検討するとした。
「順調」
4月にオープンした貸しオフィス7区画については、現在3社が4区画に入居することが決まっているとした。残り3区画は3社と契約手続き中で、そのうち1社は6月中に入居、2社は7月をめどに入居する予定で満室になるとした。昨年12月の事業収支見通しでは空室率15%(稼働率85%)を想定していたが、100%稼働するという。
5月にオープンしたコワーキングスペース(共同仕事場)は、利用料を無料とした5月は129人302件の利用があったとした。有料利用がスタートする6月は、3日時点で月額個人会員28人、月額法人会員4社、ビジター会員6件から申し込みがあり、個人会員15人、法人会員1社と契約したという。当初想定目標は個人会員30人、法人13社であったことから、内山社長は「順調に申し込みが入っている」と強調した。
一方、設立1年目の2022年3月期決算は、つくばセンタービル1階東側の貸しオフィスなど「co-en(コーエン)」が開業前であったことから、売り上げ収益約1100万円に対し、人件費や家賃、水道光熱費などの経費(販売費及び一般管理費)が約4100万円かかり、営業損失約3000万円と赤字になった。
設立2年目の2023年3月期(22年4月-23年3月)のco-enは、約5300万円の売り上げを目指すとした。(鈴木宏子)
◆9日の調査特別委員会での主なやり取りは以下の通り。
山中真弓市議(共産) 今年(22年4月-23年3月)の売り上げ目標が5300万円ということだが、内訳を教えてほしい。
内山社長 5300万円は売り上げであり、利益ではない。(5300万円の内訳は)シェアオフィス(貸しオフィス)が3000万円強、コワーキングスペースが2500万円弱。地下駐車場事業の売り上げは入ってない。カフェ&バーの収入は家賃が月14万円、プラス、歩合として売り上げの8%を見込める。月500万円の売り上げとするとプラス40万円が入り、予想をかなり上回る。
山中市議 昨年12月(に議会に出された資料)の「働く人を支援する場」の事業収支の資料では2022年3月期は営業利益が134万円の赤字となっている。今回の決算は3000万円の赤字となっている。どうして差が発生するのか。
内山社長 昨年12月の事業収支はセグメント(区分)ごとの収支。働く人を支援する場の事業収支を切り取って示した数字で、一般管理費は(事業収支に)落としてない。(一般管理費は)開業後(2022年4月以降の事業収支)に織り込んでいる。決算と性質が違う。
山中市議 四半期ごとに決算を議会に報告してほしい。
内山社長 半期に1回ぐらいは報告できる。収益改善には第2期(吾妻交流センターをオフィスにする改修工事)が行われないとプラスに転じない。ここ(1階)の部分だけでは厳しい。
川久保皆実市議(つくばチェンジチャレンジ) co-enが5月にオープンしたが子連れワーキングスペースができてなかった。今後の方針はどうか。
内山社長 協働実施を予定していたNPO法人と1、2月の、直前まで協議していた。NPO法人に経営上の問題が発生したので、NPO法人と協議し、いったん中断した。3月の判断なので代替の事業者の検討が進んでいない。これまでいろいろな事業者とコミュニケーションをとる中で委託費が払われないと実施できないということだったこともあり、代替の事業者が見つかってない。具体的な話ができない。
川久保市議 スケジュールはどうか。
内山社長 できるだけ早く、秋口ぐらいまでにはめどを立てたいと思っているが(子連れワーキングスペースのみの)事業収支はプラスマイナスゼロを見込んでいる。収支を大きく左右する部分ではないので、内容にこだわって検討したい。
川久保市議 コワーキングスペースの個室(ウェブ会議等をする部屋)だが、音が外に聞こえていた。防音の必要があるのではないか。
内山社長 音が反響するという意見をいただいており、吸音対策の方が急務かと思っている。
川久保市議 ウェブ会議での秘匿性の高い内容が外に漏れてしまうのではないか。
内山社長 具体的なご意見をいただきならが検討したい。
川久保市議 秘匿性がある会議はミーティング室を利用すればよいか。
内山社長 そちらの方もある。
川久保市議 授乳室のところに2段の段差がある。ベビーカーをどこに置けばいいのか。
内山社長 左手にベビーカー置き場がある。
ヘイズ委員長 (つくばまちなかデザインから出されている)報告に関する質問にだけにしてほしい。
川久保市議 情報発信だが、(つくばまちなかデザインが発信する)「つくまちノート」は2件しか更新がない。
内山社長 3月まではハードの整備にスタッフの労力を注力した。マンパワーに限りがある。
山中市議 コロナ禍で工事費が増え(1階の改修工事に)3億2000万円かかったということだが、決算書の有形固定資産は2億6000万円しか計上されてないのはどうしてか。
内山社長 工事完了は5月なので、すべてを有形固定資産として計上するのは今期(2023年3月期決算)になる。部分的に支払ったものが3月までに計上されている。シェアオフィスは安定収益につながる。増設することで3期目から8000万円を超える売り上げになる。増資を図ることで資金確保を図り安定経営につなげたい。
山中市議 出資者を新たに募るということか。
内山社長 (現在の)株主に事業報告が必要になるが。
鈴木富士雄市議(自民党政清クラブ) 決算書の「販売費及び一般管理費」だが、売り上げ収益1100万円に対し、役員報酬1170万円となっている。役員は非常勤が3人、常勤が2人。従業員給与は457万1000円となっている。スタート時は厳しい面があるが、年間売り上げ収益と役員報酬が同じということに疑義を感じる。
内山社長 株主やつくば市から、出向という形で、各社に人件費を負担いただいている。役員報酬は2人分、従業員報酬は実質的に1人。かなり抑えながら進めている。
飯岡宏之市議(自民党政清クラブ) 今回は(設立から)1期目なので、2期目に注目したい。去年12月ごろ(100万円しか出資してない株主の)LIGHTz(ライツ)のいい報告ができると聞いていたが。
内山社長 中長期の中で(増資の)話をすることを再開したい。
飯岡市議 連携事業者の(市内でコワーキングスペースを運営する)シビックパワーはどうか。
内山社長 限定的な委託先として考えており、コワーキングスペース全体(の運営)ではない。(コワーキングスペースの)ユーザーを引き継いでいただくなど協力いただいた。月1回程度のイベントを実施していただくことで150万円程度の委託を行いながら運営に協力していただく。
橋本佳子市議(共産) 次の段階(吾妻交流センターをオフィスにする改修計画)に進めることにゴーサインを出せるか慎重になってしまう。シェアオフィス(貸しオフィス)の需要が高いという根拠をもう少し説明してほしい。
内山社長 この段階で(貸しオフィスの)契約すべてが完了していることが何よりの実績。シェアオフィスは当初想定より値上げし、家賃を坪1万5000円に設定している。近辺より高い設定だがすべて埋まった。現場ではかなりの問い合わせがあり、第2期工事を実施することが会社にとって急務だと考える。
塩田尚市議(山中八策の会)増資を図るということだが、LIGHTzに増資してもらうということか。
内山社長 LIGHTzも一つ。もともと立ち上げの際、7~8社の出資を目指していた。様々な株主の開拓を含めて検討したい。
塩田市議 3セクなので(増資すると)つくば市が持っている議決権割合が下がるのではないか。
内山社長 その辺りは(つくば市と)協議を重ねた結果、増資も一つの手段だとご理解を得ていると思っている。人材等、様々な立場で協力いただける会社を募っていきたい。
