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2021
国が宇宙天気防災の議論を開始 《食う寝る宇宙》100
2021年12月25日
【コラム・玉置晋】2017年にスタートしたコラム「食う寝る宇宙」も100回に到達しました。開始時に「宇宙天気防災研究者」という肩書をいただいたものの、宇宙天気は研究の世界のもので、防災という現実世界に出るのはもう少し時間がかかるかなと考えていました。 あれから4年。2021年12月20日に総務省から「宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会」を発足させるとの発表がありました。これは、宇宙天気予報について、分野横断的に国の観測・分析能力や対処の在り方を検討するというものです。 本コラムの執筆中に、僕は宇宙ビジネスサロン「ABLab」で宇宙天気プロジェクトを立ち上げました。そして、組織にはカリスマリーダーが必要と考え、テレビで気象キャスタを務める気象予報士の斉田季実治さんを、プロジェクトマネージャにお迎えしました。その斉田さんが検討会のメンバーに選ばれました。国として宇宙天気防災に立ち向かう機が熟したといえます。 本コラムは今回が最終回となります。2025年の太陽活動サイクル極大に向けて、すでに準備は始めています。僕はこれから大学院で博士の学位を取りに行きます。そして、本格的に宇宙天気防災に取り組んでいきたいと思います。学位をとったら、また戻ってきますね。 過去20回のタイトル一覧 100宇宙天気防災を国で議論開始 99~97太陽フレアの情報 96宇宙天気防災戦略 95宇宙で髪を切る 94宇宙天気キャスタ 93宇宙天気を朝ドラに出すぞ 92地球温暖化が宇宙ゴミを増やす 91国際宇宙ステーションから放たれた謎の物体 90理科の自由研究をどうしよう 89未確認飛行物体と遭遇 88「大気の窓」と3ミリの宇宙服 87宇宙の物質は弱虫とマッチョ 86宇宙の最前線に迷い込むハチ 85トランポリンで宇宙へ 84宇宙が観光地へ 83桜の開花と宇宙天気キャスタ 82「知識」と「知恵」の違い 81衛星のクリーンルームに住みたい 80火星探査「魔の7分間」 1~79を含めこれまでのコラムは、トップ画面の最上部にある「コラム」をクリックして「コラム一覧」に入り、さらに「玉置晋」をクリックすると、全てただで読むことができます。「NEWSつくば」って便利だな~。(宇宙天気防災研究者)
ひとりテントが集まる冬キャンプ盛況【人と仕事の回顧録’21】1
2021年12月24日
コロナ禍の2021年を駆け抜けた人と仕事にスポットを当てて振り返る歳末シリーズ。22年の展望は見えているだろうか。 田園プラン 根本裕輔さん つくば市 キャンプもテントもバーベキューも、俳句の世界では夏の季語だ。けれど今シーズン、「夏の間、暑くって勢いのなかったテントキャンプが秋から盛り返して、冬キャンプの申し込みは引きも切らずの状態になった」とつくば市吉瀬で「フォンテーヌの森」キャンプ場を運営する根本裕輔さん(38)はうれしい悲鳴をあげる。 きょう日、コロナ禍で密を避けた屋外のレジャーとして、キャンプがちょっとしたブームになっている。「父親がキャンプ場を始めた90年代、オートキャンプに代表されるアウトドアブームがあったのだけど、今回は様相が大分変わってきている」という。 90年代はファミリー客がメーンだったとすると、今回はソロキャンプが目立って増えている。「たとえば3人でやって来てキャンプサイトを1区画申し込む。そこに一人用のテントを3つ張って焚き火を囲み、飲食しておしゃべりをして、夜になるとそれぞれのテントに引っ込む」スタイルだ。1泊して近くの観光地などに出かける様子もみられない。 フォンテーヌの森でいえば、数年前まで土浦の花火大会の見物客が泊まりに来た10月初旬の土曜日を最後に、ほぼシーズンオフに入っていた。ところがコロナ禍以降、働き方も自由度を増しているから、週末にこだわることなく、平日に集まれるようになった。夏場にぎわった那須(栃木)や軽井沢(長野)が冷え込む今の時期、房総(千葉)や茨城県南のキャンプ場に客足が向かう形になっている。 来年はキャンプ場開設30周年 「おかげで空前の売り上げですよ」と根本さん。創業者の先代の後を継ぎ、田園プラン社の社長に昨年就いた。キャンプ場運営事業にはほぼ10年間、携わってきた。売り上げの推移をたどる経年変化の棒グラフを見せてもらったが、2021年の売り上げは7000万円に迫っている。「一昨年初めて6000万円を超えて喜んだのだけど、昨年は新型コロナの影響でさすがに減った。それが一年で盛り返し、過去最高を更新した」 内訳を見てもテントキャンプの伸びが目立っている。「バーベキューも一定のシェアはあるけど、小人数の集まりが主。企業や団体の利用はすっかり止まっている。来年以降に期待したい」という。 この勢いがこの先続く保証はない。「集計をグラフ化するようになって以降、いつもガクッて落ち込む心配が頭をよぎるようになった」と新機軸を考慮中。バカンスとリモートワークをこなす滞在空間「ワーケーション」として利用してもらえないか、など模索している。 「お正月についても問い合わせは多く、予約を受け付ければお客さんには来てもらえるのは確実だろうけど、ごめんなさい」。暮れは27日まで営業、正月は5日までの休業を決めた。フル回転した頭と体を休ませる。来年はキャンプ場開設30周年になる。(相澤冬樹)
2台ピアノで奏でるオーケストラ 年明けのつくばリサイタルで実現
2021年12月23日
「2台ピアノで奏でるオーケストラ~名曲を旅する」をテーマに、第11回つくばリサイタルシリーズ(同シリーズ実行委員会主催)が来年1月23日、つくばカピオホール(つくば市竹園)で開かれる。筑波大学の有志学生が「つくばの地で市民や学生に気軽にクラシックを楽しんでもらいたい」と毎年開催している公演。今回は、国内外で活躍する中井恒仁&武田美和子ピアノ・デュオを迎え、ピアノで奏でるオーケストラの名曲を聴く。 実行委員会の佐藤祐人さん(筑波大人文学類2年)によれば、「一流の演奏を一般1000円、学生無料という手頃さで堪能できるのは、つくばリサイタルシリーズならでは。普段あまりコンサートになじみのない学生にも、気軽に足を運んでほしい」という。 今回はピアノが主役で、管弦楽を中心的に扱ってきたリサイタルシリーズ10年の歩みにとっても新鮮な公演となる。国内外問わずその深く誠実な音楽性で高い評価を得るピアニスト夫妻、中井恒仁・武田美和子の連弾と二重奏が彩る。「中井さんと武田さんは日本のピアノデュオ界をけん引し続けている演奏家。プログラムにはベートーベン『歓喜の歌』をはじめ世界中で広く親しまれている名曲を取り揃えており、クラシック初心者から通な人まで楽しめるコンサートになっている」と佐藤さん。 実行委員会の岩永彩花さん(同 比較文化学類3年)は「前回の公演が終わってから、ピアノが主役のコンサートをやってみたいという声があがっていた。ピアノを自ら演奏する実行委員もいる。多くの人にとって身近な楽器であり、関心が強かった」と話す。「通常はピアノが1台のカピオに、さらに東京から1台持ってくる。カピオホールでピアノが2台というのは迫力の舞台になるはず。その響きをぜひ実際に体験してほしい」。 今回のテーマは「旅」。「プログラムの曲は、ウィーン、プラハ、パリなどヨーロッパの由緒ある美しい都市を彷彿(ほうふつ)させる。演奏を聴きながらまるでヨーロッパを旅している気持ちになれるはず。コロナ禍でなかなか旅行に行けないが、コンサートで晴れやかな気分になってもらえたらうれしい」と岩永さん。(山口和紀) ◆中井恒仁&武田美和子ピアノ・デュオ(第11回つくばリサイタルシリーズ) 2022年1月23日(日)午後2時開演。プログラムは、連弾でJ. シュトラウスII世「美しく青きドナウ」ほか、2台ピアノでベートーベン「歓喜の歌」(交響曲第9番第4楽章)ほか。チケットは一般1000円、学生無料。未就学児入場不可。チケットの予約はこちら。つくばリサイタルシリーズ公式ブログはこちら
ブラタモリで紹介された地質標本館《遊民通信》31
2021年12月23日
【コラム・田口哲郎】 前略 つくば市東に産業技術総合研究所(産総研)があり、その敷地内に地質標本館があります。先日、NHKでブラタモリの「つくば」編が放映され、国土地理院とともに紹介されていました。地質標本館は産総研・地質調査総合センターの中の一組織です。1882(明治15)年に設立された、初の国立研究所である地質調査所を前身としています。地質にかかわる研究を行い、地質図を作成し、国民の利用に供することが使命だそうです。 ブラタモリでは、ボーリング調査(長い筒で地面を掘り地盤を調べる)で筒の中に残るコア資料の収蔵庫、地質資料調整グループなどが紹介されていました。地質資料調整グループには岩石を30ミクロンという厚さの薄片にまで削る技術があり、これであのゴツゴツした岩石の成分を顕微鏡で見ることができるようになります。 地質標本館の使命は日本の地下の地質を調べること。全国各地から採取された岩石の成分を調べられることは、発信する地質情報の証拠を取ることになります。薄片を作るという地道な作業は、標本館、ひいては産総研の研究を支える中核事業なんですね。 地質の研究者が全国の山や谷を、道なき道を分け入り、苦労して採取してきた岩石を、高度な技術で薄くして、調べて地質図にする。その成果が立体地質図として展示されています。日本列島の立体模型にプロジェクションマッピングで、様々な地質情報を映します。これは圧巻ですし、一見に値すると思います。 博物館は収集好きのあこがれ さて、ブラタモリでは紹介されていませんでしたが、私が心ひかれた展示は岩石・鉱物・化石の分類展示です。美しく珍しい石から、火山活動でできた灰色の岩、そして古代生物の化石がずらりと並べられています。 パワーストーンでおなじみの水晶やアメジストなどの大きな原石や、私たちが住む大地をつくり上げている岩石があり、アンモナイトやナウマンゾウの歯の化石があります。あらゆる石には標本館が保証するプロフィールがきちんとつけられているのです。たくさんの石に囲まれて、私はなんともいえない幸福感に包まれました。 博物館の第一の役目は資料の収集と保存です。最近、博物館は魅力的な企画展、イベントでしっかりアピールして、来館者数を増やすことが求められているそうです。来館者にとっては楽しみが増えて学べるのでよいと思います。でも、モノを集めてめでるというオーソドックスな使命もやはり博物館の醍醐味(だいごみ)だと思うのです。 私は文学研究をしていますが、本を集めるのが好きです。読み切れない本が部屋に積み上がり、机は本に埋もれそうです。読書よりも買書だねとからかわれます。でも、好きなものに囲まれる幸せは何にもかえがたいです。断捨離(だんしゃり)もよいですが、モノにあふれた空間が妙に落ち着く人間もいます。博物館はそういう意味で収集家の憧れの場所でもあります。ごきげんよう。 草々(散歩好きの文明批評家)
現金10万円を年内一括給付に変更 つくば、土浦市
2021年12月22日
18歳以下の子供に1人当たり10万円相当を給付する国の子育て世帯臨時特別給付金について、つくば、土浦市はいずれも現金10万円を年内に一括給付する方針に変更した。つくば市は24日、土浦市は23日に振り込む。県内では44市町村のうち、つくば、土浦市を含む29市町村が現金10万円を年内に一括給付するという。 両市とも当初は、年内に現金5万円、年明けに残り5万円を、児童手当を受給している中学生までの世帯などに給付する予定だった。手続きを早め、年内一括給付で間に合わせた。 つくば市は12月議会最終日の22日、本会議に追加予算を提案し、一括給付に変更することを決めた。24日に対象となる世帯に振り込む。5万円を先行給付する通知を14日に発送していたが、一括給付に変更する通知を24日に改めて送付する。 一方、児童手当給付対象外の高校生のみの世帯などに対しては、来年1月4日に申請書を発送し、申請書類が届き次第、所得制限などを審査した上で、1月下旬から現金10万円を一括で給付する。 給付対象となるつくば市の18歳以下の子供は約2万5000世帯の約4万人で、給付総額は約39億7800万円となる。 土浦市はあす23日、対象となる児童手当受給世帯などに現金10万円を一括で振り込む。給付金額を10万円に変更する通知はきょう22日発送した。 一方、児童手当給付対象外の高校生のみの世帯などに対しては、来年1月4日に申請書を送付する。申請書は市ホームページでもダウンロードできるようにして4日から申請を受け付け、所得制限などを審査した上で1月中旬ごろから現金10万円の一括給付を開始する。 給付対象となる土浦市の18歳以下の子供は約1万3000世帯の約2万1000人で、同市の給付総額は約21億円になる。
人口減の土浦に夢と元気は如何にして《土着通信部》48
2021年12月22日
【コラム・相澤冬樹】土浦市の「広報つちうら」12月15日号は、かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソンの来年4月17日開催決定について、フロントページで大々的に報じていた。NEWSつくばには記事がなかったなあ、などと思いながら、ページをめくっていると、「パブリックコメントを実施します」とある一覧表に目が留まった。 3本の計画案について、市民(市内在住・在勤・在学者)の意見も求めるものだが、2本目に「第9次土浦市総合計画について」(案)があがっていて、これは見逃しちゃいけないと思った。総合計画は将来のまちづくりの指針で、22年度から5年間の市政運営の基本方針となる。表には担当は政策企画課、コメントの提出期限は16日から1月12日までとあったが、情報はそれだけともいえ、マラソンの参加者募集に比べたら素っ気ない。 実は、同課には約ひと月前、メールによる問い合わせをしたばかりだ。2020年に行われた国勢調査の結果概要が11月30日に公表され、同市の人口は14万2074人で、前回調査(2015年)から1270人(0.9%)の増加に転じていたのが気になった。増加理由の分析と「下げ止まったと見られるか」を質問した。 回答は、増加傾向に転じた要因として「外国人の技能実習生や留学生等の増加、土浦駅周辺への転入者の増加、土浦協同病院の移転に伴う、おおつ野地区における医療従事者や看護学生等の転入者の増加、宅地造成が市内の複数箇所で進み、分譲が開始されたことによる転入者の増加、老人福祉施設が増設されたことによる入居者の増加」などをあげた。 しかし、「常住人口は、2000年をピークに減少に転じており、住民基本台帳人口においても緩やかな減少が続いていることから、今回の国勢調査の結果をもって、少子高齢化の進行による人口減少に歯止めがかかったとは受け止めておりません」との回答だった。なるほど、市の常住人口は12月1日現在13万7802人、すでに14万人を割り込んでいる。 パブコメ募集中 年を越す課題 で、総合計画である。人口の見通しこそは、計画の根幹をなす。パブコメ向けに市のホームページにアップされている「計画(案)」をのぞくと、人口動態を事細かに分析している統計データを見ることができる。それらから、総合計画の将来目標人口(2031年)は12万8000人とはじき出されていた。 第9次総合計画は「夢のある、元気のある土浦」を将来像に掲げる。しかし、右肩上がりの人口増を見込めないなかで、地域経済やコミュニティー活動に夢や元気が易々と出現するわけもない。実際「人口の社会移動の推移をみると、特に、20歳代後半から30歳代といった若い世代において転出超過の傾向が顕著な状況が継続」しているのが現状といえる。 計画(案)を読み進めていくと、人口の量的拡大が難しいなかで、質的な拡張を意図していることがうかがえる。市外からの来訪者である「交流人口」、さらに地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」を拡大させる必要がある-と説いたりしている。マラソン大会の人集めは大事なのだ。 計画(案)は4つのリーディングプロジェクトを示し、数字をあげて成果指標を示し、具体的な取り組みを書き込んでいる。ただし、読みこなすにはマラソンランナー並みの持久力がいりそうだ。そのうえで、12日までにパブコメ提出するとなると、正月休みはほぼ返上だ。若年人口には取り組めそうにない、年を越す課題である。(ブロガー)
私立幼稚園のおかず代補助申請案内を53人に誤送付 つくば市
2021年12月21日
つくば市は20日、私立幼稚園に通う園児のおかず代を補助する申請案内を、給付対象とならない53人に送ってしまったと発表した。 市幼児保育課によると、16日に通知を出した際、名簿の対象者の抽出を誤ってしまったことが原因という。 おかず代補助(副食費の補足給付事業)は、私立保育園に通う、世帯年収360万円未満相当の世帯と、第3子以降の子供が対象で、ごはんやパンなどの主食を除いた、おかずやおやつ、牛乳などの副食の食材費を月額4500円分まで補助する制度。 同市では本来、幼保連携型など子ども・子育て支援新制度に対し未移行の、市内の私立幼稚園5園などに通う園児327人が対象になる。 20日、通知を受け取った利用者から問い合わせがあり、対象とならない認可外保育施設や対象外の私立幼稚園の利用者に送付していたことが分かった。 市は21日付で、誤って送付してしまった53人に謝罪の通知を出すとしている。 さらに再発防止策として、通知の発送時にチェックシートを作成し、複数の職員で発送内容の確認を徹底するとしている。 【訂正】22日、記事中「副食の食材費4500万円」は4500円の誤りです。訂正します。
「ありがとうの1年でした」 コロナ禍、食材無料配布続けた冨山香織さん つくば
2021年12月20日
コロナ禍、アルバイトが減った学生やひとり親家庭などに食材の無料配布を続けてきたつくば市の市民団体「学生応援プロジェクト@つくばPEACE」の活動が12月で1年を迎えた。冨山香織代表(40)にインタビューし、1年間で何が見えてきたのか聞いた。 ―つくばPEACEの発足のきっかけは何ですか。 冨山 私自身が筑波大近くで飲食店を経営していて、困窮している学生を目の当たりにして、何かやってあげられることはないかと思い、知人や友人に声を掛けたのが始まりです。コロナ禍でバイトがなくなってしまった人や仕送りがなくなったという声も行動を起こすきっかけとなりました。 ―1年経った感想はいかがですか。 冨山 初めはこんなに続くと思っていませんでした。この活動が続くということはそれだけ困窮している学生がいるということでもあり、素直に喜ぶことはできませんが、カンパをくれたり野菜を届けてくれる支援者がいてこそ活動が続けられたので、とても感謝しています。配布を受ける学生の人数に波はあったものの、頼れる場所になることができてよかったと思います。支援者の皆さんには本当に感謝しかありません。しかし、支援物資の提供を頼んだ時に「大学生ってそんなに生活に困ってないでしょ」と、困窮している大学生がいるという実情を知らない人もいました。一方でカンパを寄せてくれた人から、顔も知らないのに「活動応援しています。がんばって」という励ましのメールをもらったこともありました。支援する立場であるはずが、逆に励まされることもたくさんありました。 ―1年を通して印象に残った出来事は何ですか。 冨山 ある学生に食材配布を行ったらお礼のメールが来て、その学生はもらったものをすべて実家に送っていることを知ったことです。実家には幼い弟と身体的に不自由な母がいて、その学生は自分のことよりも弟と母親を優先させていることに涙が出てきてしまいました。その状況に胸が痛くなりました。その学生は、自分に時間があったら手伝いたいとも言ってくれました。自分自身が生きるのに精一杯なのに。心からの優しさを感じ、私自身も視野が広がりました。 ―活動を通して周囲にどんな変化がありましたか。 冨山 私たちの活動がSNSや口コミで地域に知れ渡り、支援してくれる人が増えました。私自身も今まではカンパを集めることに必死でしたが、今では少し心の余裕ができました。また、利用者が増加し、延べ3200人になりました。リピーターも多いです。 ―活動を通してうれしかったことは何ですか。 冨山 学生たちが笑顔で(食材を)持って帰ってくれること。顔を合わせて直接話せることもうれしいです。この活動を通して地域住民や大学生、農家の方や企業などとも関わることができました。また、今年5月ごろから学生スタッフが増えました。スタッフになってくれた学生は、最初は自分が支援される立場として配布会に来て、「何かお手伝いできることはありませんか」と自ら声を掛けてくれた人たちです。一緒にダイコンを配ったこともありました。懐かしい。いろいろな人と出会うことができました。 ―ほかに印象に残ったエピソードがあれば教えてください。 冨山 支援者の中には10万円を匿名で持ってきてくれた人がいました。その方は名前こそ教えてくれませんでしたが、「前からこの活動を気にかけていました。支援のきっかけを作ってくれてありがとう」とおっしゃった。またメディアに載ったことで今年1月と2月にカンパが増えました。配った食材でつくった料理をSNSでアップして報告してくれた学生もいました。そんなツイートを見かけるとうれしくなります。スタッフも10代から70代まで本当に幅広い人たちに支えてもらいました。一年間走り続けてきて、支援者とスタッフには感謝しきれません。たくさんのありがとうをもらいました。 ―今後について聞かせてください。 冨山 これからも学生支援を引き続き実施できるよう努力していきたいと思います。皆さまのご支援、よろしくお願いします。本当にありがとうございます。 聞き手・武田唯希
つくバスが接触 つくばセンターの風よけ強化ガラス落下
2021年12月20日
つくば市は20日、同市吾妻、つくば駅前のつくばセンターバスローターリーで18日午後7時15分ごろ、市が運行するコミュニティバス「つくバス」が、バス乗り場の風よけスクリーンの支柱に接触し、強化ガラス3枚が車道側のロータリーに落下したと発表した。けが人はおらず、バスの運行時間の遅れもなかったという。 市総合交通政策課によると、強化ガラスは3枚が重なっており、1枚当たりの大きさは縦97センチ、横162センチ。重さは不明。いずれもガラスは割れなかった。 接触事故を起こしたのは、つくばセンター発筑波山口行きの北部シャトルで、つくばセンター3番乗り場に停車する際、乗り場に寄り過ぎてしまい、バスのサイドミラーが接触してしまったという。 市は運行を委託している関東鉄道に対し、安全運行の徹底と再発防止を指示した。一方、風よけ強化ガラスの修復がいつ行われるかは20日時点で未定としている。
総合運動公園問題 つくば市政の重荷《吾妻カガミ》122
2021年12月20日
【コラム・坂本栄】今年もいろいろなことを取り上げてきました。最終回はつくば市の総合運動公園用地跡処理問題を話題にします。五十嵐さんを市長に押し上げる強力なテコになった運動公園問題。今では五十嵐市政迷走のシンボルになっています。因果な話です。 用途限定・一括・民間売却 市長5年目の五十嵐さん、このほど用地跡処理の最終案(?)をまとめました、市民の反応を踏まえ、この案に沿った形で「GO !」を出したいようです。その概要と意見聴取の手続きについては、記事「…運動公園用地を一括民間売却へ … 防災拠点は大幅縮小」(11月11日掲載)、同「売却の目安は68億5000万円…」(12月1日掲載)をご覧ください。 ポイントは、事業提案による土地の利用を「工業団地」「物流倉庫」など4分野に絞り、民間にまとめて売却し、敷地内に防災倉庫と防災広場をつくってもらい、それを市が借り上げる―というものです。入札に際しては、用地取得額+借入金利息=68.5億円を念頭に置いてほしいと言っています。 この処理案については様々な声が聞こえてきます。市が保有し続けてスポーツ施設などに活用すべきだ、学園都市らしく研究機関用に残すべきだ―など民間売却に反対する意見。工業団地や物流倉庫は周囲の雰囲気になじまない―など利用形態への異議。市は売り払って財政難対策の足しにしたいと言っているが本当か―など売却の理屈に対する疑問。 反対、異議、疑問はありますが、この「用途限定・一括・民間売却+賃借防災倉庫」案は五十嵐さんの勝負玉と言えるでしょう。 「成功」に潜む「不調」のタネ 五十嵐さんは運動公園問題を上手に利用しました。前市長が立てた計画(UR都市再生機構から買った土地に陸上競技場+総合体育館+サッカー・ラグビー場を整備)に反対する市民運動を盛り上げ、住民投票で計画を葬ったこと。そして、「運動公園問題の完全解決」を目玉公約に掲げ、市長選挙で勝利したこと。大成功です。 ところが、市長就任後は問題解決に苦労しています。主公約の柱「用地返還交渉」は不調に。その後「民間売却」案を示したものの、価格面で市民に反対され頓挫(とんざ)。代わりにまとめた「3分の1・市有防災施設+3分の2・民間売却」も引っ込め、現案を公表。大不調・迷走です。どうしてこんなことになったのでしょうか? 成功の中に不調・迷走のタネが潜んでいたからです。前市長の運動公園計画を撤回に追い込んだことで、自前の計画に陸上競技場などを組み込むのが政治的に難しくなりました。結果、用地利用の選択肢が狭められ、民間売却案の周りをグルグル回っています。成功の高揚感からか、「用地返還」を主公約にしたものの、売買契約上無理とわかり、対UR交渉は失敗に終わりました。結果、公約の信頼性が失われました。(経済ジャーナリスト) <参考> 総合運動公園用地問題・市民説明会(12月10日、同12日)全記録
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