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2018
計画中止受け一部用地売却 つくば市竹園、公務員宿舎跡地 「一体的な再生困難」と懸念
2018年4月6日
【鈴木宏子】昨年8月に計画が中止になったつくば市竹園3丁目、国家公務員宿舎の「再構築事業」区域の一部が、今年度中に売却されることになった。周辺住民からは、老朽化などが問題になっている学校や商業施設を一体的にリニューアルして再生することが難しくなると懸念の声が出ている。 売却されるのは都市再生機構(UR)が所有する宇宙航空研究開発機構(JAXA)宿舎跡地の約9900㎡。幼稚園と小中学校に囲まれた位置にあり、計画では小中一貫校の建設予定地だった。 UR茨城業務部によると、国の方針で2018年度までに土地を処分しなければならないため売却するという。URは昨年3月、市に通知。さらに今年2月に、土地処分について市に照会した。これを受けて市は、庁内に土地利用の意向があるか諮ったが、購入したいと回答した部署は無かったという。 URによると今後、4月中にホームページに売却情報を掲載し、6月ぐらいに入札を実施したい意向だ。同地区は高さ制限なく建物を建てられるが、文教地区のため基本的に戸建て住宅として売却する方針だという。 敷地境界には桜並木が10本程度あり、以前から残してほしいという要望が住民から出ているため、現在、残していく方向で市と協議中という。 課題残るも具体的な動きなし 一方、国家公務員宿舎跡地のまちづくりをどうするかという課題は残されたままだ。竹園地区は市内の公務員宿舎の中で最初の1974年ごろに完成した。公共施設も40年以上経過し老朽化が目立っている。05年から公務員宿舎の処分が始まり、緑地が減るなど筑波研究学園都市の特徴だった緑豊かなゆとりある街が変貌しつつある。中止になった再構築計画には、老朽化した公共施設などを一体的にリニューアルし、統一のとれた街並みを再創出しようという狙いがあった。 同地区に住む女性(55)は「小中学校も交流センターも児童館も新しく建て替えられてきれいになるという思いがあった。しかし市長が交代して計画が中止になり、政争の具にされてしまったのかなと思っている。まちが生まれ変わる絶好のチャンスを生かせなかったのではないか」と話す。 同地区のまちづくりについて議会で一般質問などをしてきた山中真弓市議は「JAXA宿舎跡地は竹園3丁目の中心にあり、まちづくりをする上でひじょうに重要。この土地なしでの再構築は考えられない」とし「周辺の住宅開発に伴い、小中学校は児童生徒数が増え、子供たちの外遊びや部活動が制限されている。保育所や児童館は老朽化や定員超過問題が深刻。市は地域住民と協議し、30年後、40年後を見据えて責任あるまちづくりを進めていくべき」と指摘する。 昨年8月、市は計画中止を発表した住民説明会で「(同地区の)課題を整理していくことは必要」だとして「今後の在り方について引き続き検討を進めていく」と説明していた。しかし現時点で、再開発などの具体的な計画はないという。公共施設の老朽化に対して市は、その都度、担当課で対応していくことになるとしている。 ※メモ 【竹園3丁目地域拠点再構築事業】同3丁目地区の中心部に集積する小中学校、幼稚園、保育所、児童館、交流センター、公園、ショッピングセンターなどを土地区画整理事業などの手法で一体的にリニューアルしていく計画。市所有地などを売却して事業費をねん出し、既存施設を閉鎖せず4年ほどかけて順次、玉突きで別の位置に新施設を建設していくという構想で、市は14~16年度に調査を実施し、15、16年には地域住民が参加してワークショップを開くなどした。一方、計画に小中一貫校の建設などが盛り込まれたことから、住民の間で意見が分かれた面もあった。その後16年11月に、市長が市原健一氏から五十嵐立青氏に交代。事業費を試算したところ、市の持ち出しがないとされていたが、約17億1800万円(竹園西小中一貫校の建設費を除く)の持ち出しがあることが判明し、当初予定した事業計画が成立しないこと、市は小中一貫校の見直しを検討していることなどから事業中止に至った。
野の花や失われゆく植物描く 三浦ひろ子さん個展 つくば
2018年4月5日
【鈴木萬里子】見慣れた野の花や絶滅危惧種、日本固有種などを精密に描いた「植物画の世界 三浦ひろ子個展」がつくば市竹園の筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリーで開かれている。初日の3日には100人近い来場者が訪れ、精密に描かれた作品の数々に感嘆の声が上がっていた。 植物画は花びら、がく片、葉の形、花や葉の色合いなどの特徴を細かく、正確に、実寸で描く。写真技術が発達する以前には植物標本として描かれていたため、精密さが要求されている。 三浦さんが描いたきっかけは、バブル期に大規模開発に伴う動植物の環境調査に関わったこと。「失われゆく動植物、特に野草に心を動かされ、確かに存在した事実を残したかった」との強い思いからだ。環境省の2017年レッドリストには、植物だけでも絶滅危惧種は2267種あるという。 個展は今回で4回目。初めて開催した時、三浦さんは「華やかな花ではなく野の花ばかりで来場者が落胆するのではないか」と心配していた。ところが「地味でも克明に描かれた野草が魅力」との声が上がり安堵したという。 会場には作品42点が展示され、そのうち14点は絶滅危惧種、準絶滅危惧種、日本固有種などだ。 熱心に作品を見ていた土浦市の70代の夫婦は「作品が素晴らしいのはもちろんだが、絶滅危惧種への取り組みに三浦さんの人間性が垣間見えて素晴らしい」と話していた。「普段見逃してしまいそうな所まで正確に描かれていて感動した」「心が穏やかになった」などの感想が寄せられているという。 ◆会期は9日(月)まで、時間は午前10時~午後5時(最終日は午後3時)、土日も開催。入場無料。問い合わせは090・8873・0590(鮎澤さん)
体操 宮地選手を東京五輪へ つくばで後援会発足
2018年4月5日
【大志万容子】2020年の東京オリンピック出場を目指す筑波大学大学院2年の体操、宮地秀享選手(23)を応援しようと、つくば市で後援会が発足した。宮地選手は昨年、カナダで開かれた世界選手権、男子鉄棒で最高難度の新技を成功させた。新技は国際体操連盟から「ミヤチ」と命名されるなど期待の新星だ。後援会長の廣瀬正さんは「頑張る選手を地元で応援したい」と支援を呼び掛ける。 成功した新技は、I難度の「伸身コバチ2回ひねり」。棒上で後方伸身2回宙返りをする間に2回ひねって鉄棒をつかむ。「1回ひねった技でも、日本でできる人はほとんどいない。さらにもう1回ひねるのは全く違う次元の技術と回転力が必要となる」と宮地選手。 愛知県出身。大学時代は「学生の中では強いレベルでしかなかった」。大学院では指導者を目指してコーチングを学んでいたが、昨年、全日本体操競技種目別選手権でこの大技を決め、9月に初めて日本代表に選ばれたことで、状況が一変した。「東京オリンピックが夢ではなく目標になった。全く無名からのスタートなので余裕はないが、後悔のないよう精一杯やりたい」 代表に選ばれたことで、日本体操協会から国際大会の遠征費は出るようになったが、国内大会は自己負担。また生活費もかかることから、市内の茗渓学園で非常勤講師をしたり、体操クラブで子どもたちを教えたりと、週3~4日はアルバイトに従事する。 そんな宮地選手を応援しようと、市内の不動産会社会長、廣瀬正さんら有志が後援会を立ち上げた。2年前に知人の紹介で知り合った廣瀬さんは、「当時は普通の大学体操部の選手だったが、昨年からメキメキと頭角を現してきた。オリンピックを狙うためにも、今がいちばん大事な時期」と話し、「バイトを辞めて練習に集中できる環境を作ってあげたい。つくばで頑張っている選手を地元が応援し、みんなで東京オリンピックを目指す夢を共有できれば」と支援を呼び掛ける。 宮地選手は「応援してくださる方がいることは励みになる。代表入りして試合で感じるプレッシャーも大きくなったが、それを力に変えて頑張りたい」と意気込んでいる。 ◆後援会では寄付金を募っている。振込先は「ゆうちょ銀行」の〇六八(ゼロロクハチ)支店(店番:068)普通預金4519650 ミヤチヒデタカコウエンカイ。問い合わせは同後援会(電話)029・896・3285、メール:htaka.miyachi@gmail.com。
「街をワクワクさせたい」 つくば市の3女性が古本市 14、15日
2018年4月4日
【橋立多美】「ワクワクする楽しいことをやろう」と、つくば市の女性3人が活動する「ワンダホー」。市民が家に眠っている本を持ち寄り、店主として販売する古本市「ブック・フェス」を14、15日の2日間、同市大角豆(ささぎ)のカフェ・ギャラリー「メモリーズ」で開催する。 メンバーは、ジュエリーショップ「メモリーズ」を営む傍ら彫金教室を主宰する鳥山玲子さんと、同教室を介して知り合った丹野雅子さんと齋藤多賀子さん。「すてきと思うことを実現させたい3人が集まった」と丹野さんはいう。 活字離れや電子書籍の台頭などの影響で街の本屋が消え、欲しい本はネットで買う時代になった。3人は「読書の楽しみは本に触れ、手に取った出合いにこそあるのでは。家庭で眠っている本を街に循環させて読み手をつなごう」と昨年2月、初めて古本市を企画した。今年は2回目で、「かつて感動した本が、この街の誰かをまた感動させるかもしれません」と出店を呼び掛ける。 古本市は各出店者が屋号を決めて本を並べるフリーマーケット形式。各自が20冊以上を持ち込み、自由に本の値付けをする。昨年は100円または500円に値付けされた古本が多く、延べ約100人が来場したという。今年も小説や料理、旅行、美術など、さまざまなジャンルの古本がそろいそうだ。 今年は新たに、出店者が屋号をアレンジした図案を彫って、はんこを手作りした。「売り上げカード(スリップ)」に押して、販売する本にはさむ予定だ。 1日、同ギャラリーで約10人がはんこ作りに取り組んだ。篆刻(てんこく)用の石を使ったはんこで、鳥山さんの夫で彫刻家の鳥山豊さんが指導した。牛久市の松川啓さんと妻の香苗さんは「オリジナルのはんこ作りにひかれて古本市に参加する。思ったより石が柔らかくて驚いた。古本市には子どもたちが愛読していた絵本を出品するつもり」と話した。 ◆開催時間は14日(土)、15日(日)両日とも午前11時30分~午後5時まで。メモリーズは同市大角豆2012-788。障害者の自立支援に取り組んでいる「ごきげんファーム」運営のレストラン「ごきげんキッチン」内にある。本を片手にゆったりとした時間が過ごせる。問い合わせは電話029-852-8286
G20貿易・デジタル閣僚会合 来年、つくば市開催決定
2018年4月3日
【鈴木宏子】G20貿易・デジタル経済大臣会合が来年、つくば市で開催されることが決まった。開催日や市内の開催場所は未定だが、1泊2日の日程で開かれるという。20カ国の経済産業大臣らが集まる。 2019年6月28、29日に大阪で開かれるG20サミットに併せて、全国8カ所で開かれる関係閣僚会合の一つ。大臣級の会合がつくば市で開かれるのは、16年5月につくば国際会議場で開催されたG7科学技術大臣会合以来。 県が昨年秋ごろから誘致していた。県営業戦略部グローバル戦略チームは「前回のG7科学技術大臣会合を経験していること、つくばは自動運転技術など先端技術が集積していること、東京から近いことなどをアピールしてきたので、それらが評価されたのだと思う」と話している。 16年の科学技術大臣会合には7カ国とEUの大臣と政府関係者56人が参加した。県は、研究機関や経済団体などで受け入れ態勢をつくり、最先端の研究を紹介したり、県産の食材をふんだんに使った料理を提供したり、伝統工芸品のお土産を用意するなどのおもてなしをしてきた。一般市民も参加できる記念シンポジウムや、ロボットなど国内最先端技術製品などを一堂に展示するミニ博覧会、各国大臣の研究機関の視察なども実施した。 来年の会合について県は「今後、テーマや内容が決まるので、内容を踏まえ、おもてなしなどを検討していきたい」としている。 G7会合では大臣らが市内に宿泊したことから、県が補助金を出して、市内のホテルにスイートルームの整備も進められた。来年のG20貿易・デジタル経済大臣会合は20カ国・地域の大臣と政府関係者が出席するため、宿泊環境の整備もさらに必要になるとみられる。 一方で厳重な警備体制が敷かれ、周辺道路が通行止めになるなど、市民生活に影響が及ぶ側面もあった。 つくば市の五十嵐立青市長は4日開かれた定例会見で「レガシー(遺産)をどうつくっていくかというゴールを明確にもった上で、県や筑波大などと相談しながら目標をもって取り組んでいきたい。G7のときは市民とのつながりに課題があったので、市民が置いてきぼりにならないようにしたい」などと話した。
筑波山神社で御座替祭 色とりどりの装束で華やかに
2018年4月2日
【富永みくに】筑波山山頂と中腹の神が住まいを替えるとされる筑波山神社(つくば市筑波)恒例の祭り、御座替祭(おざがわりさい)が1日行われ、地元住民や見物客でにぎわった。翌2日には、山中にある約20の末社で神職が祝詞をあげる末社祭も行われている。 最大の見どころ、神幸祭(じんこうさい)では、祭りの開始を知らせる号砲とともに、色とりどりの衣服をまとった神職や担ぎ手ら約150人が、山裾から拝殿に向けて出発。太鼓や雅楽器の音に合わせてゆっくりと歩みを進めた。日本の道百選にも選ばれている「つくば道」を経由、勾配の急な坂や石段では、担ぎ手が互いに声を掛け合いながら慎重に難所を乗り越えた。 毎年担ぎ手として参加しているつくば市の男性によると、昨年は積雪が見られ足を滑らせた参加者もあったという。「去年は雪、今年は桜吹雪」と笑みをこぼしながら「御座替祭に桜が満開になるのは珍しい」と話した。 拝殿の大鳥居周辺では、近くの子供会などによる子供みこしや稚児行列も加わって、県指定文化財の御神橋(ごしんきょう)をにぎやかに渡った。 市内在住の中野潤子さんは「つくば市に長く住んでいるが見たのは初めて。筑波山の長い伝統が感じられる」と話した。祭り見物は2回目というインド出身の留学生は「とても興味深い」と目を輝かせていた。
【シルバー団地の挑戦】1 自治会スリム化へ模索 つくば市森の里 高齢化で地域力衰え
2018年4月1日
【橋立多美】高齢化が進み、役員のなり手不足や加入率の低下など自治会を取り巻くさまざまな課題が指摘される中、自治会の役割を根本から見直そうという動きが、つくば市内でも始まっている。 深刻な高齢化と人口減少に直面している同市茎崎地区にある森の里自治会は、3月25日に開かれた総会で、これからの自治会のあり方を検討する委員会を自治会内に設置することを決めた。これまでの活動を継続していくほどの体力が地域にはないということが背景にあるという。 総会で、新年度会長の倉本茂樹さん(75)は「高齢化が進む中で、自治会運営を検討する委員会を設置する」とあいさつした。演壇に立った倉本さんは「これからも高齢者支援は続けていくが、役員だけで運営していくには無理がある。検討委員会を含めて住民の力を貸してほしい」と呼び掛けた。 また「夏祭りを続けるか、アンケート調査をした上で決めたい」とも述べ、住民の意見を尊重しつつ、運営をスリム化する考えを示唆した。 空き家に転入も入会断られ 市南端の茎崎地区(旧茎崎町)は、筑波研究学園都市の建設に伴って九つの住宅団地が造成され、純農村地域は首都圏のベッドタウンとなった。 住宅団地の中で市内最大規模の森の里(約1300世帯)は1980年代に約5000人が住んでいたが、今では子どもたちが独立し人口は当時の6割の約3000人に減少した。さらに入居時、働き盛りだった世代が一斉に老いたことで、65歳以上の高齢者人口は4割を超える1388人(2017年4月時点)に上っている。このうち184人が一人暮らしという。 約1300世帯中、自治会に加入している世帯は1071世帯。昨年1年間で退会した世帯は27件、死亡による退会は18件あった。高齢化と人口減少が、自治会加入者の減少と空き家の増加を招いているという。 自治会退会の理由の多くが、会費の徴収や回覧板の配布に歩き回るのが辛いというもの。加入している世帯数に応じて市から補助金(事務委託料)が出るため、退会されると会費収入と委託料を同時に失うことになる。 16年10月から、市が市内全域を対象に実施した「空家等実態調査」では森の里の空き家は55件だった。が、連日団地内の空き家や空き地の見守りをしている自警団は99件あると報告している。最近はリフォームされた家を借りて住む人が出てきた。自治会役員が訪ねて入会を勧めても断られる上にごみ出しのルールを守らない人もいて、役員たちの頭痛の種になっている。 新たな負担次々 自治会活動を担う役員自らも高齢者で、行事運営が負担になってきていることも挙げられる。街路灯のチェックや維持管理、清掃美化、ごみ集積所の管理といった暮らしに関わる活動のほか、7年前から高齢者の見守りや粗大ごみ出し支援、閉じこもりを防ぐための行事や交流サロンなど、高齢者対策を実践している。会員間の親睦を図る夏まつりは恒例の一大イベントだが、後期高齢者が多い実行委メンバーたちは血圧や健康状態を確認して本番に臨むという。 運営をスリム化し、時代に合った役割に切り替えるか。森の里自治会の模索は始まったばかりだ。 ◇NEWSつくばは、高齢社会の抱える課題が顕在する森の里自治会の動きに密着し、人口減少と超高齢社会へのアプローチを「シルバー団地の挑戦」とワッペンを付けて報道する。
【桜花爛漫】 2000本が春の山に彩り 雪入
2018年3月31日
【鈴木萬里子】雪入地区はかすみがうら市西部に位置し、雪入山、浅間山を中心とした山地に自然豊かな林が広がる。ここに2000本を超える山桜が点在し、春の山に彩りを添える。雪入山南側の成沢には山桜の自生林があり「茨城の自然百選」に選ばれている。 「山桜がこんなにあるのに注目されてこなかった。たくさんの人に知ってほしい。豊かな自然と山桜をPRしたい」と雪入山麓にあるふれあいの里公園ネイチャーセンター所長の川崎慎二さんは話す。 例年の満開はソメイヨシノより1週間ほど遅い4月10日頃だが、今年は早足に春がやってきているという。訪れるなら早めがお薦め。同センターや三ツ石森林公園もりの小屋で、公園内マップの入手やトイレ使用も可能だ。 山桜は日本に自生する野生種の1種。花は白色や淡紅色が多いが、白色に淡紅色が混じったものなども見られる。葉は最初は赤く、徐々に緑色になっていくが、最初から緑色の葉もある。 自然交配により生まれ、鳥や虫の糞から排出された種が地に落ち芽を出す。交配した条件、根付いた土壌、育った環境により開花時期、花の色や新芽の色など様々な違いが出るのだという。 平均寿命は100~400年。中には500年を超える山桜もあるそうで、寿命60年とされるソメイヨシノの比ではない。山中で芽吹き、たくましく育った山桜に「生命力の強さを感じる」という人の多いのもうなずける。ハイカーの60代女性は「凛(りん)と咲き誇る姿が孤高の人のようでひかれる」と話した。 4月7日に山桜ウォーク 4月7日(土)に開催される今年で6回目となる春の一大イベント。毎回500人もの参加者が桜を愛でながら山里を歩く。山全体の桜を下から眺める「里コース」(5㎞)と、尾根から満開の山桜を眺める「尾根コース」(10㎞)がある。コース途中の三ツ石森林公園で幹回り1mの山桜約200本が迎えてくれる。「眺望大桜」「天空桜」「美肌桜」など、命名木に出合うのもウォーキングの楽しみになっている。 申し込みは▽里コース=定員200人、℡0299-59-7000(雪入ふれあいの里公園)▽尾根コース=定員300人、℡029-862-3500(県立中央青年の家) =【桜花爛漫】終わり
【桜花爛漫】SNSで拡散、科学の街に新名所 東光台研究団地
2018年3月30日
【橋立多美】開花した桜花がライトアップされ、幻想的な光景が繰り広げられている―。ここはつくば市東光台研究団地のウシオライティング(本社東京都中央区)つくば事業所で、科学の街らしい夜桜見物の新名所だ。 主に舞台やコンサート会場の演出照明を手がける同社エンタテインメント事業部が、専門技術を生かしてソメイヨシノ8本を美しく染め上げた。最新の高出力LED照明機器をセットした2階の窓から光が放たれ、15秒程度の間隔で鮮やかなピンクやオレンジ、緑、白色、黄、青、紫へと変わっていく。 ライトアップのきっかけは同事業所センター長の細居秀人さんら3人。竣工後に植樹された樹齢27年のソメイヨシノを見上げながら「我々だけで花を楽しむのはもったいない。ライトアップして地域の人たちにも楽しんでもらったらどうだろう」と意見がまとまった。 照明機材の扱いは慣れているが、照明をセットする建物と8本の桜の位置が平行でないため光を当てるのに苦労したそうだ。培った技術を駆使してライトアップに成功したのが2013年春だった。「地域社会との調和」を基本方針にしている同社は細居さんらの提案を受け入れ、翌年春から本格的にライトアップがスタートした。 8本の桜は、社員がレクリエーションで使う広さ約1650㎡の芝生に植えられている。今年もライトアップが始まると、家族連れや、三脚をセットしてシャッターチャンスをうかがう人たちでにぎわい始めた。 稲敷市の50代の夫婦は「初めて来たが見事の一言。桜の季節の楽しみができた」。つくば在住で1歳の子どもを連れてきた30代の夫婦は「今年で2回目。夜桜は昼間見る桜と違って味わい深い」と話した。3世代で阿見町から訪れた女性は「ここで撮る写真は家族のいい記念になりそう」とスマートフォンを手に顔をほころばせた。 ライトアップの時間帯は同事業所敷地内の駐車場が開放され、多くの車が出入りする。細居さんは「SNSが普及して一気に来場者が増えた。群馬や千葉、横浜のナンバープレートを付けた車もある」という。 桜の開花時期は年度末。会社は多忙を極めるときだが、来場者から元気をもらっているという。「朝出社して芝生周辺を見回るが、これまでごみ一つ落ちていたことがない。『楽しんだよ』の気持ちが伝わってきてうれしいし、続けていく元気の源になっている」と細居さんは話してくれた。 ライトアップは4月2日(月)までの午後6時~同10時。開花状況により日程変更あり。いろいろな角度から見るのがお薦め。つくば事業所は東光台5-2-4(東光台研究団地内の幹線道路沿い) https://youtu.be/CIitYRvUg9w
【桜花爛漫】貴族の衣まとい淡緑色 森林総合研究所
2018年3月30日
【富永みくに】森林総合研究所(つくば市松の里)には、限られた場所でしか見られない桜がある。その一つが「桜はピンク色」という常識を覆す淡緑色のギョイコウ(御衣黄)だ。今つぼみがふくらみ始めている。 ギョイコウの栽培は江戸時代から始まり、名前は貴族の衣服の萌黄(もえぎ)色に近いことに由来する。花は大輪八重咲。濃い緑と淡い黄色が混ざった花弁が特徴的だが、満開を過ぎると花弁の中心部から徐々に赤く染まる。 遺伝子的にはヤマザクラとオオシマザクラの雑種系統で、花期はソメイヨシノより遅く、今年の見頃は4月中旬ごろまで。同研究所の吉丸博志研究員は「一般的にはソメイヨシノが咲く頃が桜の季節とされるが、ソメイヨシノよりも後に満開を迎える栽培品種の方が種類は多い。後から咲く花も含めて長く桜の季節を楽しんでほしい」と語る。 同研究所に植えられている樹木は約640種類。そのうち桜は野生種が7種、栽培品種が15種ある。ギョイコウのほかにも、京都市左京区の盆地、市原にゆかりがあり、開花した枝が虎の尾のように見える「市原虎の尾」などの珍しい桜がある。 敷地内には研究材料として利用するための樹木園が二つあり、このうち自由に見学可能な第1樹木園(面積3.28ha)にはヨウキヒ(楊貴妃)、イチヨウ(一葉)、カンザン(関山)など、さまざまな品種の桜が植樹されたサクラコーナーが設けられている。花見客でにぎわう場所が多い中、ゆったりと樹木の中を散策しながら多彩な桜を鑑賞できる貴重なスポットだ。 桜は当日正門守衛室で受付すればだれでも見学できる。見学可能日時は平日午前9時~午後5時。科学技術週間の4月20日に開催される「春の一般公開」では、研究者のガイド付きで樹木園内が見学できる。 見学に関する問い合わせは、同研究所ホームページ(https://www.ffpri.affrc.go.jp/facilities/jumokuen/)へ。敷地内のサクラの開花状況については「サクラ開花ビジュアルマッピング」(http://www.ffpri-tmk.affrc.go.jp/sakurazensen/2018/)で確認できる。
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