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2018
「よいお正月を」 高齢者におせち届ける 土浦市社協
2018年12月28日
【谷島英里子】お正月を前に、土浦市社会福祉協議会のボランティアが28日、手作りのおせちを作り、市内の一人暮らしの高齢者154世帯に届けた。今年で23回目を迎える年末の恒例行事で、高齢者の安否確認や触れ合いを兼ねている。 料理は宅配や会食の食事サービスを行うボランティア38人が、午前8時30分から同市大和町の市総合福祉会館で作った。大鍋で紅白なますと筑前煮の2品を作り、容器にていねいに盛り付けたあと、昆布巻き、だて巻き、栗きんとん、紅白かまぼこを詰めておせちセットに仕上げた。そして市内の小中学生や六中地区公民館の折り紙同好会がデザインした包装紙で包んだ。包装紙にはイノシシの絵や縁起の良い正月言葉が添えられ、新年を祝う気持ちが込められた。 その後、ボランティアたちが高齢者宅を訪問し、「体に気をつけて良いお年を迎えてください」と手渡した。毎年、おせち料理の配布を心待ちにしている山本忠さん(81)は「とてもうれしい。楽しみながら少しずつ食べたい。来年も体を大切にしていきたいですね」と話していた。 この配布は1世帯400円で、2018年度地域歳末たすけあい募金(12月1日~31日)の一部を活用しているという。
小3男子を平手打ち 元児童館長を停職処分 つくば市
2018年12月27日
【鈴木宏子】口答えをした小学3年生の男子児童の頬を平手打ちしたなどとして、つくば市は27日、当時児童館長だった男性職員(50)=現こども部こども育成課課長補佐=を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。 元館長は、今年5月31日午後4時ごろ、外でおにごっこをしていた児童から、仲間外れにされたという訴えを受け、グループを庭に集めて注意した。そのうちの1人が口答えをしたことから左頬を平手打ちした。男子児童のほおは赤くなったが、けがはなかったという。当時、児童館は117人の利用があり、ごった返していたという。 保護者から訴えがあり、元館長の暴力行為が発覚した。元館長は昨年4月に赴任した。訴えを受けた後、本庁勤務に異動になったという。 一方その後の調べで元館長は、昨年7月から12月までに男女の児童に対し、平手打ちをした、胸ぐらをつかんだ、部屋に閉じ込めたなど計5件の不適切な行為をしていたことが分かり、公務員にふさわしくない行為があったとして処分に至ったという。 併せて管理監督責任があったとして、17年度と18年度のこども部長、同次長などを訓告処分にした。 五十嵐立青市長は「児童への暴力という非違行為により、児童、保護者、市民の信頼を裏切り、多大なる御迷惑をお掛けしたことを深くお詫びし、信頼を回復できるよう取り組んでいきます」などとするコメントを発表した。
Jリーグへ5選手 筑波大蹴球部
2018年12月27日
【池田充雄】つくば市天王台の筑波大学で26日、同大蹴球部から来季Jリーグのクラブへ進む各選手の合同記者会見が開かれた。内定が決まった5人のうち、インフルエンザで欠席した小笠原佳祐選手を除く4人が、プロサッカー選手としての目標や意気込みなどを語った。 卓越したテクニックでトップ下を務めた西澤健太選手は、ジュニアユースとユースの6年間を過ごした清水エスパルス(J1)でプロデビューが決まった。下部組織から大学経由でトップチームに入るのは、同クラブでは初めての例だそうだ。入団コメントでは「大学を経たからこそできることがあるという姿を、後輩たちに示すのが自分の役割だと思っている」と語っている。 センターバックの鈴木大誠選手とボランチの鈴木徳真選手は共にJ2の徳島ヴォルティスに内定。大学の同期で同じプロチームに進む希有な例だ。高校では徳真選手が前橋育英、大誠選手が星稜の主将同士で選手権の決勝を戦った仲でもある。「進路について相談したことはなく、それぞれにベストの選択をした結果。だが人生に大事な刺激を与えてくれる仲間であり、安心感や心の支えにもなっていると思う」(大誠選手)と互いを認め合う。 FC岐阜(J2)へ進むのは、左右のサイドバックおよびサイドハーフもこなすユーティリティープレーヤーの会津雄生選手。「クラブではどこでも求められるポジションで、自分なりのいいプレーをしていきたい」と話す。運動量が豊富でボール扱いにも長けるテクニカルな選手であり、岐阜はしっかりとボールを保持し、ショートパスをつなぎながらプレーを組み立てていくスタイルなので、相性の良さを感じているという。 来季J3で戦うロアッソ熊本に内定したのが小笠原佳祐選手。全日本大学選抜の経験もあるDFだが、今季は主将としてチームの得点力不足に悩み、自らFWへのポジション変更を願い出た。「東福岡高校ではFWとしても活躍したが、4年のいまそれをやることで、DFとしての評価は下がるかもしれない。それでもチームが勝つためと決断し、実際に点も決めてくれた。感謝しかない」と小井土正亮監督。なお、熊本ではDFとして獲得されている。 小井土監督は各選手について「自分の強みや弱みを知り、上へ行くために何が足りないかを考えて努力してきた選手ばかり。考え方も一人一人違い、すり合わせるのにひと苦労だが、方向性が合ったときは大きな力を発揮してきた。プロの世界でも周りとぶつかりながら、成長を続けていってほしい」と期待を語った。
土浦ブランド 新たに6品認定 魅力発信してにぎわい創出を
2018年12月25日
【谷島英里子】土浦市の名産品を認定する「土浦ブランド」第3期分の6点が選ばれ、25日、同市役所で認定式が行われた。新たに加わった名産品はワカサギの加工品やみそなどで第1、2期分と合わせて計32点。市はイベントなどを活用してPRを行い、まちの活性化につなげていく考えだ。 土浦ブランドは、市の魅力を知ってもらうことでブランド力を向上させ、多くの人に訪れてもらうことを目的に、名産の農林水産物とその加工品を「土浦ブランド」として認定している。 第3期として認定品に加わったのは、▽土浦農業協同組合の「梨」▽吉田農園の「吉田農園のれんこん」▽小松屋食品の「わかさぎのエスカペッシュ」▽スイーツ・アトリエレガルの「れんこんショコラ」▽土浦市農業公社の「土浦小町みそ」▽どら焼き志ち乃の「紫峰しょうゆばにら」の6点。いずれも土浦を代表する名産品として引けを取らないが、土浦一高生が発案し老舗の柴沼醤油と志ち乃がコラボした「紫峰しょうゆばにら」は、土浦みやげとして人気を呼んでいる。 認定式で中川清市長は「土浦ブランドを積極的に活用して魅力を発信していただき、地域の活性化や交流人口の増加につながることを期待している」とあいさつ。企業や団体の代表者に認定証を手渡した。 認定品は、食品にかかわる有識者らでつくる「土浦ブランドアッププロジェクト推進協議会」が独自性や品質などを選考基準に審査した結果、応募のあった6点全てがブランドに決まった。会長の原忠信さん=筑波大学芸術系准教授=はこれまでの認定品も含め、「土浦の気候や風土、歴史、自然を感じられる名産品がさらに充実した」と話した。 式後には、出席した同協議会会員や市議らが認定品を試食した。わかさぎのエスカベッシュは、新鮮なワカサギとニンジン、タマネギ、パプリカが入った洋風の南蛮漬け。「さっぱりとした酸味がいい」と好評だった。紫峰しょうゆばにらどらは、甘さとしょっぱさのバランスが絶妙という。 認定品の包装には「土浦ブランド」のマーク入りのステッカーが使用できるほか、同市のふるさと納税の返礼品やシティプロモーションなどでも優先的に活用できる。
住民目線で市長にまちづくり提案 研究学園地区に市民団体発足 つくば
2018年12月25日
【橋立多美】人口が急増する一方、交通渋滞や公共施設の不足などの課題を抱える、つくば市の副都心、研究学園葛城地区に、住民目線でまちづくりを提案していこうと、市民団体「新しい街・研究学園地区を住みやすくする会」(室生勝代表)が発足した。 同地区に住む60~80代の有志6人が発起人となって10月に発足した。初会合として商業施設イーアスつくば内のイーアスホールで15日、「市長と語る会」を開催した。 同地区のまちづくりに関心のある住民65人が参加。同会事務局を務める山本進二さんは「研究学園駅周辺の当地区には公立保育園や幼稚園、図書館、保健センターは皆無で公共施設は市役所以外何もない。公共サービスの地域間格差をなくし、全世代が住みやすい街にするために住民たちで議論して市に提案していく」と狙いを説明した。 「市長と語る」で課題になったのは、来春の学園の森義務教育学校の教室不足への懸念、公立幼稚園への送迎バスの運行、TXのガード下に地域コミュニティセンターの設置、谷田部地区区会連合会からの分離、イーアスの横を南北に結ぶ幹線道路の立体交差化など。課題は発起人らが幅広い世代から要望を聞き取ったもので、活発に意見交換が行われた。 五十嵐市長は学園の森義務教育学校の教室不足について「新1年生の増加でプレハブ校舎を増築しないと無理な状況にある。都市計画の失敗。学校を分散すべきだった」と述べた。本庁舎北側に建設中の市庁舎コミュニティ棟(仮称)内の地域交流センターとは別に、TXガード下(現在は駐輪場)にサンダル履きで行けるコミュニティセンターについては「考えていきたい」。 また、週末や休日はイーアスの買い物客でスーパーとりせん前の交差点が終日渋滞し、緊急車両が走行できない幹線道路の立体交差化について市長は「県は渋滞対策はしない方向で高架、地下化を問わず造れないと思う。イーアスに集中している状況を変えていくほうが早い」と話した。 発起人の石井勇治さんは「9年前にマンション購入を契約した際に『将来道路が渋滞した時の改善策として立体交差の用地を確保している』と言われた。今も片側2車線の道路の中央にリザーブ用地があり、立体交差を望む住民は多い」とする。 19日には同地区のマンションで、会のメンバーたちが市長と語る会の総括と今後の取り組みについて意見を出し合った。「市長と語る会」で配ったアンケートは参加者の86㌫にあたる56人が回答。回答者の半数を70代以上の高齢者が占めたためか、TXガード下のコミュニティセンター設置への関心度が最も高く、次いで幹線道路の立体交差化、図書館の順だった。また「市長のざっくばらんな話が聞けてよかった」「シルバー層と若者が共存し、暮らしやすい街に」などの意見があった。 今後は文字が薄くなった道路標示の明示や通学路の安全対策など、市が時間とお金をかけずに取り組めることから要望していく計画。山本さんは「半年ごとに会を開いて住民の意見を聞き、建設的な提言につなげたい」としている。
【直売所めぐり】4 野菜ソムリエがアドバイス JAつくば桜農産物直売所
2018年12月24日
【田中めぐみ】開店直後の朝9時、この日はあいにくの冷たい雨で品出しが遅れているとのこと。にもかかわらず、来店者は途切れることがない。今回はJAつくば市桜農産物直売所を訪れた。産直課の小岩勇太さんによると、今年で開店25周年を迎えるという。直売所ブームが起こる前から地域に親しまれてきた店舗だそうだ。つくばセンターから車で10分弱という立地もあり、研究学園地区からの来店者も多いという。 店内に入り真っ先に目につくのがみずみずしい葉物野菜。11月から暖かい日が続いたため生長がよく、値段も安くなった。生産者の市村典子さんがちょうど品出ししていたのはサラダほうれん草にレッドマスタード、サラダからし菜、ルッコラ、ワサビ菜の5種類が入ったサラダセットだ。葉の種類は手書きで丁寧に書かれている。ベビーリーフのセットはよくスーパーで見かけるが、このように大きく生育し茎まで付いたセットは珍しい。そう思って市村さんに聞くと「ベビーリーフだとひとつひとつの香り、味わいが少ないので、もっとしっかり野菜を味わってほしいと思いこのセットを作ったんです」と話してくれた。野菜ソムリエの資格を持っているという。 店内を回り、さらに市村さんが薦めてくれたのは、葉付きの立派な大根。この日はなんと1本50円から100円だった。繊維の多い皮はきんぴらにするとおいしく、中はおでんや煮物に、葉は下ゆでして冷凍し汁物の具や炒め物にと余すところなく味わえるとのこと。色とりどりのパプリカも肉厚で甘くお薦めという。緑のパプリカを追熟させたものが赤や黄色のパプリカなのだそうだ。 サツマイモの人気品種の「紅はるか」は水分が多く糖度が高いので干し芋や焼き芋に向いているという。もし、てんぷらにしたいのなら「紅はるか」ではなくほっこりとした「紅あずま」を薦めるという市村さん。とにかくその知識の豊富さに舌を巻く。品出しの時、運よく市村さんに会うことができたなら、ぜひ相談してみてほしい。その日の献立にぴったりの品種を教えてくれるそうだ。 「どうも」と笑顔で挨拶しながら入店してきたのは、常連客の吉田和夫さん(71)。「ここは自分の家みたいなもの。自分の好みのものを好きに買って顔見知りにあいさつをする、それが元気の秘訣かな」と話す。吉田さんのお気に入りはつくば美豚の切り落としや豚白もつ。「もつはネギとショウガ、ニンニクを入れて漬け込み、日本酒を入れて炒めるのが最高だよ」と教えてくれた。寒い朝だったが、市村さんの野菜への熱い思いに丁寧なアドバイス、吉田さんの明るい笑顔に心がほっこりとあたたまる、そんな直売所巡りだった。 JAつくば市 桜農産物直売所 住所▽つくば市古来1608-1 電話▽029-867-8290 営業時間▽午前9時~午後6時 定休日▽水曜日・お盆・年末年始
高安に歓声 大相撲土浦・牛久場所 稀勢の里は欠場
2018年12月22日
【崎山勝功】2018年冬巡業大相撲土浦・牛久場所(同実行委員会主催)が22日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開かれた。土浦市出身の大関・高安が横綱・白鵬を寄り切り、約3600人の来場者を前に健在ぶりをアピールした。牛久市出身の横綱・稀勢の里はけがの治療を最優先させるため欠場した。 高安は午前中の公開稽古で、土俵上で精力的にぶつかる姿を見せた。結びの一番の横綱・白鵬との対戦では、「高安頑張れ」の応援が飛び交う中、寄り切りで勝つと、場内から大歓声と拍手が沸き起こった。 観戦した高安土浦後援会の折本明副会長は「生で見ると迫力が違う。高安には1月場所で優勝して2月には(横綱の)綱を張ってもらいたい。親方衆もみんな期待している」と述べた。土浦ロータリークラブの交換留学生としてカナダから来日している高校生のソフィア・ラミレスさんは「初めて力士を見た。本当に面白い」と日本の相撲に関心を示していた。 中川清土浦市長は「ぜひ来年はいいスタートを切ってもらい、常に優勝争いに加わってほしい。そのためには心技体をもっと磨いていただきたい」と期待を寄せた。 報道各社の取材に応じた高安は「たくさんの方から直接励ましの言葉をいただいた。なかなか茨城に帰ってこれなかったので(言葉を)いただけてうれしい」と、地元ファンに感謝の意を示した。 一方、稀勢の里の休場について根本洋治牛久市長は「欠場は寂しい。でも稀勢の里の回復が一番。(欠場の)寂しさを我々が我慢しないといけない時期」と述べ「高安関もいるので(稀勢の里と)2人で千秋楽をにぎわせてくれるのが我々の望み。お互いに頑張ってほしい」とエールを送った。 高安が幼児らと交流 同巡業では高安が幼児を抱っこし、ファンとの交流を深めた。事前に申し込みをしていた約30組の親子が、まわし姿の幼児を高安に抱っこしてもらい記念写真を撮るなどした。 妊娠6カ月の青山りつこさん(33)=土浦市荒川沖=は、1歳7カ月の息子、虎ノ介ちゃんを連れて参加した。お目当ては高安に虎ノ介ちゃんを抱っこしてもらい、妊娠中のお腹をなでてもらうこと。古来から「強い力士に抱っこされると赤ん坊が丈夫で元気に育つ」「力士が妊婦のお腹を触ると安産になる」という言い伝えがあるという。 まわし姿の虎ノ介ちゃんは高安に抱っこされた途端、驚いて泣き出してしまったが、お腹をなでてもらった青山さんは「高安の手は大きくて温かかった。子どもは泣き出してしまったけど元気に育ちそう」と満足げな表情を見せた。 高安からサインをもらったという土浦相撲倶楽部の村野太紀キャプテン(12)=小学6年、つくば市=は「将来は力士を目指している。押し相撲ができる力士になり3役に入りたい。横綱・貴乃花のようになりたい」と話した。
冬至に火渉祭 桜川・加波山神社
2018年12月22日
【相澤冬樹】火をかき分け炎熱の道を素足で通り抜ける「火渉(ひわたり)祭」が22日、桜川市真壁町長岡の加波山神社本宮(宮本昌明宮司)で行われた。修験(しゅげん)の山、加波山伝来の神事で、応永年間(1394-1428年)に復興したと言われ、今では冬至の恒例行事となっている。 境内には大量の薪(まき)が積み上げられ、社殿で祈とうの神事が始まった正午過ぎには参拝者らが二重三重に人垣をつくった。薪は加波山から切り出したマツ材で、白装束の修験者らが祭文を唱えながら火をたくと、威勢よく燃えあがった。 火焔(かいん)という炎で、火勢が弱まりが熾火(おきび)となると、修験者らが薪をかき分け幅50㌢、長さ5㍍ほどの道をつくる。先達の先導で、厄払い無病息災を祈り素足で通り抜けるのが火渉。信徒はじめ一般の参加者らはこわごわと足を踏み入れ、手を合わせながら小走りで次々に渡っていった。 つくば市からの参加した女性は「急ぎ足でお祈りする余裕もなかった。足裏の熱さを感じなかったが、全身の火照りがすごかった。来年はいい年にしたい」と感想を語っていた。
【クレオ再生問題】キュートとモグ 筑波都市整備が日本エスコンに譲渡 つくば駅前
2018年12月22日
【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設キュート(Q't)とモグ(MOG)が20日、不動産会社の日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)に売却された。両施設を所有していた筑波都市整備(つくば市竹園、石原孝社長)と、新たに取得した日本エスコンが同日、それぞれのホームページで発表した。 日本エスコンは全国でマンションや商業施設、ホテルなどの開発を手掛けるデベロッパー。キュートもモグも引き続き商業施設として運営し、名称も当面変更はないという。 西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退した後、空き店舗となり閉鎖されているクレオについても、キュートやモグと一体で日本エスコンに売却する方向で調整を進めているとみられる。クレオについてつくば市は12月議会一般質問に答弁し、旧西武棟は既存建物を利用して商業施設とし、イオン棟は解体してマンションにすると聞いているなどと説明している。 筑波都市整備は、日本エスコンに譲渡した理由について「同社は、つくば市が掲げるまちづくり方針に共鳴し、施設運営のみならず、エリアマネジメントの発想に基づく面的な活性化に高い意欲をもっており、中心市街地の活性化に寄与できる」としている。 一方、両施設を取得した日本エスコンは「これまでの多面的な不動産開発のノウハウを生かし、つくば駅前開発を推進していく」とし「つくば駅前という交通拠点の強みと、ペデストリアンデッキでつながる駅周辺街区の回遊性の良さを生かし、地域に根差した開発を行うと同時に、エリアマネジメントを充実させることで駅前地区の活性化とさらなる発展に貢献していく」などとしている。 キュートは2005年3月に開業、敷地面積約9900平方㍍、地下1階地上4階建て。モグは1993年10月開業、敷地面積約1100平方㍍、地下1階地上4階建て。両施設には物販店、飲食店など約110店が入居している。 筑波都市整備は「売却後も、つくばセンタービルの運営など中心市街地の活性化に向け努力して参りたい」としている。
【ウェルネスパーク問題】市長提案の指定管理者案を否決 つくば市議会
2018年12月21日
【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長が12月議会に提案していた、スポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を来年度から管理運営する指定管理者案が、21日開かれた同市議会本会議で否決された。都内の事業者が候補者だったことから、地元事業者を優先すべきというのが理由の一つだ。 今後市は、3月議会前に臨時議会を開き、指定管理者の選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の審査で次点だった事業者を、改めて議会に提案するという。次点は市内の事業者だが、5年間の指定管理料は、今回否決された事業者より約1480万円高くなる。 12月議会最終日の21日本会議が開かれ、賛成少数で否決となった。提案されていた事業者は、現在、全国70カ所でスポーツ施設や健康施設の管理運営を手掛けるスポーツ施設管理運営会社、シンコースポーツ(東京都中央区、石崎克己社長)だった。 3事業者が応募 現在の指定管理者の期間が来年3月末で満了となることから、市は来年度から5年間、同施設を管理、運営する事業者を7~8月に募集していた。同社のほか現在、同施設の指定管理者となっているT.P.Hウェルネス推進グループ(同市篠崎、代表・塚越産業)、つくばアクアファーム(同市竹園)の3者が応募していた。1次、2次審査を経て、10月に同選定会議でシンコーが候補者に選ばれ、12月議会に提案されていた。 11人の選定委員による採点の合計点は、1位のシンコーが計764点、2位が669点のアクア、3位が649点のT.P.Hだった。次点は、残り2事業者のうち第1順位を付けた委員が多かったT.P.Hとなった。 同選定会議の議事録によると、議会で否決されたシンコーは、運営目標として、運動する機会が少ない20~40代のスポーツ参加率を上げる、高齢者向け独自の教室事業を展開する、子どもが施設の中で遊べるボルダリングや頭を使う取り組みを展開する―などを掲げ、従業員はすべて市内のスタッフを雇用するなどと表明していた。 市が事業者に支払う5年間の指定管理料は1位のシンコーが3億5884万円、次点のT.P.Hが3億7470万円、アクアが3億5000万円だった。 同施設は温水プール、温浴施設、サッカースタジアムなどがある約9㌶のスポーツ施設で、プールと温浴施設は隣接のごみ焼却施設の余熱を利用している。2010年にオープンして以来これまで3年ごとに指定管理者の選定を行ってきたが、いずれもT.P.Hウェルネス推進グループが指定管理者に指定されている。
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