新着ページ
社会
科学
産業
暮らし
文化
教育
スポーツ
コラム
新型コロナ特集
NEWSつくばとは
役割と事業概要
理事長挨拶
役員と定款
お問い合わせ
プライバシーポリシー
コラムニスト紹介
サイトマップ
主なサポーター
ライター紹介
会員登録
Sign in
Welcome!
Log into your account
あなたのユーザー名
あなたのパスワード
パスワードを忘れましたか?
Password recovery
パスワードをリカバーする
あなたのEメール
検索
木曜日, 3月 30, 2023
新型コロナ特集
コラム
教育
文化
暮らし
産業
社会
科学
行政
スポーツ
Search
ホーム
コラム
先崎千尋
先崎千尋
コラム
ひたちなか市で「ほしいも世界大会」 《邑から日本を見る》132
2023年3月27日
コラム
「国策」と無茶苦茶 《邑から日本を見る》131
2023年3月13日
コラム
「さつまいも博」に行ってきた 《邑から日本を見る》130
2023年2月27日
コラム
東海第2原発訴訟、東京高裁が担当判事を変更《邑から日本を見る》129
2023年2月13日
コラム
小中学校でゲストティーチャーに 《邑から日本を見る》128
2023年1月23日
コラム
原発政策大転換 国は福島事故を忘れたのか 《邑から日本を見る》127
2023年1月12日
【コラム・先﨑千尋】原子力規制委員会は先月21日、原発の60年を超える長期運転を可能にする安全規制の見直し案を了承した。運転開始30年後からは、10年以内ごとに設備の劣化状況を繰り返し確認することが柱。東京電力福島第1原発事故を教訓に定められた規制制度は大きく転換する。 それを追うように、政府はその翌日、グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議で、再稼働の加速や次世代型原発への建て替え、古い原発の運転期間60年超への延長を盛り込んだ、脱炭素化に向けた基本方針を決定した。政府は、福島第1原発事故後、原発の依存度低減を掲げてきたが、ロシアのウクライナ侵略によるエネルギー危機などを口実に、これまでの政策を大きく転換し、新規建設・長期運転にかじを切った。 だが、脱炭素化への道筋は不確かで、核のゴミの行き先も見えない。原発の運転は「グリーン」の名にふさわしいのかという疑問を残したまま、原発回帰に突き進む姿に、福島や茨城の県民からは、あまりにも乱暴で拙速な政策転換だと批判の声が上がっている。 福島県には、今も7市町村に原則立ち入り禁止の帰還困難区域が残り、3万人近くが避難生活を続けている。第一、事故の時に出された緊急事態宣言はまだ解除されていないのだ。汚染水を海に流すという問題も、これからが本番だ。 原発は古くなるほど危険性が高まる 脱炭素の主力は、太陽光や風力などを活用した再生可能エネルギーのはずだ。岸田政権は安全保障政策の大転換に続き、原発政策も、国会での議論や国民への説明をせずに唐突に決めてしまっている。あの安倍政権や菅政権ですら、原発政策は抑制的な姿勢を持ち続けてきたのだ。
もっと読む
コラム
「百姓作家」山下惣一さんとお別れ 《邑から日本を見る》126
2022年12月26日
【コラム・先﨑千尋】去る12月18日、東京都千代田区の日本教育会館で「山下惣一さんを偲(しの)ぶ会」が開かれた。参加者は山下さんと関わりがある人たち約100人。私が山下さんに会ったのは30年も前のこと。本も10冊程度しか読んでいないが、影響を受けた1人として、彼と付き合ってきた人たちがどういうことを語るのかを楽しみに参加した。 山下さんは1935年に玄界灘に面した佐賀県唐津市に農家の長男として生まれた。「百姓の跡取りに学問は要らない」という父親の考えで、中学を卒業すると就農。2度の家出を経て農業技術の習得に励み、青年団活動などを通して仲間と村社会を変えていく活動を展開した。若い時は葉タバコやミカンが経営の中心だった。 山下惣一さんの著作 1967年に小説『嫁の一章』で佐賀県文学賞、70年に『海鳴り』で第13回農民文学賞を受賞。81年には小説『減反神社』『父の寧日』が直木賞候補になった。この時の受賞者は青島幸男さんだった。根っからの百姓が文章を書くのは変わり者と言われながら、書いた本は60冊を超える。すごいとしか言いようがない。 『くたばれ近代化農政』『それでも農民は生きる』『いま、村は大ゆれ』『土と日本人』『身土不二の探求』など、農や土、食べ物とは人間にとって何なのかを主に消費者に訴え続けてきた。 山下さんは、減反政策や、国が栽培を奨励したミカンの大暴落などを体験し、規模拡大など効率化だけを追求する農業の「近代化」に疑問を抱き、食料の生産を海外に委ねた日本の農政を鋭く批判。家族農業や小規模農業こそが持続可能で安定的な社会を築くという信念から、地産地消、消費者との交流などを唱え、実践した。
もっと読む
コラム
田中正造の研究会、50年で幕 《邑から日本を見る》125
2022年12月12日
【コラム・先﨑千尋】今月3日、群馬県館林市の文化会館で「渡良瀬川研究会閉会記念鉱害シンポジウム」が開かれ、50年の活動にピリオドを打った。このシンポには約100人が参加し、50年の活動を振り返り、同研究会顧問の赤上剛さんの「田中正造はどのような人物か。今の時代に何を訴えているのか」と題する基調講演などがあった。 同研究会は、1973年に群馬県教組邑楽支部が主催した渡良瀬川鉱害シンポジウムが起源。渡良瀬川研究会として正造と鉱毒事件を研究し、正造の思想や運動を継承し、後世に伝えようと発足した。館林市を中心に、これまでに50回のシンポジウムと30回のフィールドワークを行い、会報や会誌を発行してきた。これまでに、宇井純さんや東海林吉郎さんら研究者や被害地の地元関係者などが、公害先進国日本をどうするか、学校での公害教育をどう進めるかについて議論、学習するなど、わが国の正造研究をけん引してきた。 しかし、会員や運営に当たる幹事の高齢化や後継者の不足、さらにコロナによる活動の停滞により、今回のシンポで幕を閉じることにした。36年の歴史を持つ栃木県佐野市の田中正造大学も先月閉学している。 私が田中正造に関心を持つようになったきっかけは、旧水海道市立図書館長の谷貝忍さんから「村で仕事をするなら、田中正造のことを勉強しろ」と言われたことだった。それから田中関係の本を読み、佐野市の生家や谷中村、松木村、足尾銅山の構内などを歩き、正造のような生き方をしたいと思ったこともあった。北海道の雪印乳業の創始者黒沢酉蔵は、すぐ近くの常陸太田市の出身だが、北海道に渡る前に、正造の手足となって谷中村などで活動したこともあとで知った。 目前の事件に真正面から向き合う ここでは、同研究会の歩みとこの日のシンポの全体については書けないので、私がこの日に学んだことを記す。
もっと読む
コラム
木造校舎で学ぶ、育つ 《邑から日本を見る》124
2022年11月28日
【コラム・先﨑千尋】今月初め、日立市立中里小中学校を訪ねた。この春に中里地区の小学校と中学校が一緒になり、新しい木造校舎で学ぶということを知り、是非この目で確かめてみたいと考えていたからだ。太平洋に面する日立市の中で同地区は、山を越えた飛び地のような位置にある。日立鉱山の公害を描いた新田次郎の小説『ある町の高い煙突』の舞台となった場所だ。 この小中学校は2011年に小中一貫教育に移行し、翌年に小規模特認校に指定された。この指定により、市内のどこに住んでいても入学、転入できるようになった。9年制になった今年からは義務教育学校になり、9年間を通した独自のカリキュラムを組むことが可能となった。コミュニケーション科(英語、ことば)を設け、9年かけて子どもたちのスピーチやディスカッションの能力を高める授業に取り組んでいる。 さらに、外部講師を呼んで、落語や能楽なども体験している。田植えや稲刈り、リンゴ栽培の手伝いなど、地域の人たちとともに実りを実感できる活動や、地域主催の行事にも参加している。 新しい校舎は山と清流に囲まれ、子どもたちは、森の木々の彩り、草木のざわめき、川のせせらぎ―など、四季の変化と豊かな自然を感じ取ることができる。敷地の南側を流れる里川に沿った円形の校舎は、風景と調和するようにすべて木造。1階には職員室のほか、多様な授業やランチルーム利用などの多目的に使える、マルチスペース「きららホール」や、校舎の中央にある昇降口付近に図書室を配置しているのが特徴だ。2階にある普通教室は、廊下との間仕切りがないためオープンな教室となり、多様な学習形態に対応できる。 同校では校長が対応してくれ、学校の特色やどのような授業を行っているのかなどをお聞きし、教室を案内してもらった。現在の生徒数は53人で、そのうち地元は13人。他は市内の他地区からスクールバスなどで通学している。わずか3人の学年もあり、1人1人がきめ細かな教育を受けることができる。廊下で会った子どもたちの目はキラキラ輝いていた。
もっと読む
コラム
小繋事件の発生から100年たった 《邑から日本を見る》123
2022年11月14日
【コラム・先﨑千尋】この国では、人々は縄文時代から山と共に暮らしてきた。家を建てる木材。屋根を葺(ふ)く茅(かや)。燃料となる薪(まき)や炭。わらび、ぜんまい、クリ、クルミなどの山菜や果実。牛や馬の飼料。後には木を植え、森や林にした。人々にとって山や森、林は暮らしに不可欠のものだった。 その山に入ることを突然止められたら、暮らしはどうなるか。そういうことが、今からおよそ100年前に、岩手県一戸町小繋(いちのへまち・こつなぎ)というごく小さな集落で起きた。明治維新後の地租改正に伴う官民所有区分処分のときに、2000ヘクタールの小繋山が民有地とされたことが発端だった。 1915年に集落で大火が起き、それまでの書類が一切灰になってしまった。そのことをきっかけに、名義を持っている地主が警察力などを使って、山への住民の立ち入りを実力で阻止するようになった。地主は本県那珂湊の人で、北海道などで財を成し、ここの山林を手にしていた。 従来通り、山に入る権利である入会(いりあい)権を行使しようとした人たちは、1917年に民事訴訟を起こし、刑事事件を含めて1966年まで50年にわたって裁判が続いた。 戦後、法社会学の権威で、東京都立大教授だった戒能通孝(かいのう・みちたか)は『小繋事件』(岩波新書)を書き、大学教授の職を捨て、小繋の住民を救うために弁論に当たった。古在由重、丸岡秀子、日高六郎、渡辺洋三、近藤康男などの文化人や学者、法曹関係者らが小繋支援の輪を作った。 親子3代約60年の苦闘の歴史
もっと読む
コラム
「詩人市川紀行の世界」が刊行される 《邑から日本を見る》122
2022年10月24日
【コラム・先﨑千尋】私の同志の1人である美浦村の市川紀行さんが、このほど「現代詩のありか-市川紀行の世界」(水戸・泊船堂)を出版した。帯に「『詩人村長』市川紀行。若き日、ランボオと出会い、以来、詩作を止める事はない。市川は、2021年『詩撰集ANTHOLOGY(アンソロジー)』をまとめた。友人4人は、所収詩を読み、詩論、感想、詩作の背景、活動を著した」とある。 今回の著作の紹介の前に、市川さんの歩みをウイキペディア風に紹介しておく。 市川さんの父は満鉄調査部社員だった。1940年に中国撫順で生まれた。戦後、牛久村(現牛久市)に帰国した。近くに住井すゑさんが住んでいて、書庫に入り浸りし、すゑさんからは「ノリちゃん」と呼ばれていた。 土浦一高から北海道大学農学部に入り、1968年に高校同級の市川昭子さんと結婚、美浦村に住む。美浦村議を経て、83年に42歳で村長に当選した。 在職中に手掛けたことは、全国初の「村の第九」演奏会などいろいろあるが、何といっても、縄文遺跡陸平(おかだいら)貝塚の保存と活用が歴史に残る大業績だ。それができたのは、セゾングループの堤清二会長と詩を通してウマが合ったこともあるようだ。99年に村長を4期で退任した。 退任後、地域劇団「宙(そら)の会」を主宰し、オリジナル創作劇公演を行った。また地方自治研究会「一望塾」を立ち上げ、市町村長や議員の育成を行った。2014年には「東海第二原発の再稼働を止める会」の共同代表になった。3年前に、心臓大動脈と弁膜の手術を受けている。
もっと読む
コラム
安倍さんの国葬、「感動」の弔辞だったのか《邑から日本を見る》121
2022年10月10日
【コラム・先﨑千尋】「賛否交錯の中 安倍氏国葬。分断の責任、岸田首相に」。これは、安倍さんの国葬儀の翌日の「東京新聞」1面の見出しだ。 同じ紙面に、豊田洋一・論説主幹が「国葬とは国家として故人を葬送する儀式である。国家とは、領土や居住する国民、政治権力で構成され、国家意思を決定するのは主権の存する国民だ。国民が同意しない国葬はありえない。(中略)報道各社の世論調査によると、この国葬には半数以上が反対する。故人を静かに悼むはずが、首相の浅慮により、国民を分断し、儀式から静謐(せいひつ)を奪った。その責任は首相にある」と、厳しく岸田首相を糾弾する。 自民党の二階俊博元幹事長は「黙って手を合わせて見送ってあげたらいい。議論があっても控えるべきだ」と語っていたが、その後もメディアは黙ることなく、国葬の是非について多くの識者の声を載せている。 その1人、評論家の佐高信さんは毎日新聞の記者と国葬当日に現場を歩き、ルポしている。「閣議決定だけで何でもやろうと思ったら、戦争だってできるんです。国葬、誰が喜んでいるか。いうまでもなくそれは統一教会です。「死」は私事の最たるものであり、その私事を『公』に利用するのが国家だ。『公』が『私』のもとに無制限に入り込み、公私の区別がつかなくなる。国は異論を封じる道具に使われる」(9月30日「毎日新聞」夕刊)。至極まともな考えだと思う。 G7首脳は誰一人来なかった 国葬で菅前首相が読んだ「絶賛弔辞」も話題を集めている。立場の違う会葬者の心をつかみ、静かな拍手が広がったという。しかし、この弔辞にはウラがある。ニュースサイト「リテラ」は「菅義偉が国葬弔辞で美談に仕立てた『山縣有朋の歌』は使いまわしだった。当の安倍晋三がJR東海葛西敬之会長の追悼で使ったネタを」(10月1日配信)と報じている。
もっと読む
コラム
かすむ? 安倍氏国葬《邑から日本を見る》120
2022年9月26日
【コラム・先﨑千尋】去る19日、「ホンモノの国葬」をテレビで見た。イギリスのエリザベス女王の国葬だ。聖歌が響き渡る中、王室旗がかぶせられ、王冠を載せた女王の棺(ひつぎ)がゆっくりと教会の回廊を回る。壮大で厳粛な儀式だった。イギリスの王室制度をどう評価するかはさておき、世界史の中でのイギリスの栄光を見せつけられた思いだ。 翻ってこの日本。明日27日、7月8日に凶弾に倒れた安倍元首相の「国葬儀」が東京の日本武道館で行われる。こちらは賛否両論どころか、反対の声が日増しに強くなり、報道機関の世論調査ではダブルスコアで反対、評価しないという結果になっている。国会議員では、野党第一党の立憲民主党党首だけでなく、自民党からも村上誠一郎元行革相が欠席、と伝えられている。 強い反対の声を押し切っての国葬。当事者の安倍さん、遺族の昭恵さんや国葬を決めた岸田総理の心中は分からないが、おそらくこんなはずではなかった、と考えているのではないか。イギリスのすぐあとということもあって、二番煎じの感がする。 法的根拠がない 私は今度の安倍さんの国葬に反対だが、その理由は二つある。 一つは、法的根拠がないということだ。内閣法制局の見解では「国葬とは、国の意思により、国費をもって、国の事務として行う葬儀をいう」だ。では、国の意思とは何か。
もっと読む
コラム
新しい資本主義には新しい原発が必要? 《邑から日本を見る》119
2022年9月12日
【コラム・先﨑千尋】先月28日、ロシアが占拠しているウクライナのザポリジエ原発で、原子炉から約100メートルにある建屋が被弾した。原子炉本体が攻撃され、制御不能になれば、チェルノブイリ原発事故以上の被害が出ると言われており、間一髪という感じがする。ウクライナの原発だけでなく、わが国の原発だって、武力攻撃のリスクが高まっているという判断は今や常識だ。 それなのに、岸田総理は突然、次世代原発の開発を含む原発の新増設や原則40年の運転期間の延長、東海第2原発や柏崎刈羽原発の再稼働促進などの方針を示した。東京電力福島第1原発の事故後、歴代首相は国民感情を意識し、原発の新増設には触れないできたのに、国会や閣議などで検討することもなく、突然の方針転換。先の参院選でも争点にせず、故郷を奪われた被災者や原発の安全性に不安を抱く多くの国民の理解を得ていない。私は「岸田さん。あんた、マジか?」と言いたい。 この政府の方針転換に、県内の首長は戸惑いを見せる。大井川知事は「現場で抱えている課題を考えると、突然、来年の春とか夏とかいう話はちょっと難しい」、東海村の山田村長は「国の動向に左右されず地元として丁寧に対応していく」、水戸市の高橋市長は「実効性ある避難計画ができなければ再稼働は認めない」(いずれも8月26日の東京新聞)。 新聞の社説は、「足元の『危機克服』を理由に、長期的な国策を拙速に転換すれば、必ず禍根を残す。考えなおすべきだ」(朝日新聞)、「2011年に起きた東京電力福島第1原発事故の反省を、政府は忘れてしまったのか」(毎日新聞)、「これ以上、原発依存を続けることに国民の不安は大きく、持続可能な社会や脱炭素にも本当につながるとは思えない」(京都新聞)などと、政府の方針に疑問を投げかけている。 水戸では東海第2再稼働反対集会 たまたまだが、先月27日に東海第2原発の再稼働を止めようという集会が水戸市で開かれ、県内外から450人が参加した。鎌田慧さん(とめよう!東海第2原発首都圏連絡会)や海渡雄一さん(東海第2原発運転差止訴訟弁護団)、藤井学昭さん(東海村願船寺住職)などの挨拶、訴えなどがあり、「岸田首相は原発推進政策の『短絡的な号令』を撤回せよ」という抗議文を採択した。
もっと読む
コラム
安倍さんは旧統一教会の広告塔だった 《邑から日本を見る》118
2022年8月22日
【コラム・先﨑千尋】お盆の13日、テレビのニュース番組で、安倍元首相の顔が大きくクローズアップされて出てきた。韓国ソウルからだ。報道によれば、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体「天宙平和連合」が12日、ソウルで世界の平和などについて話し合う国際会議を開いた。その中で安倍さんの追悼が行われ、参加者が壇上に設けられたテーブルに花を手向けていた。 アメリカのトランプ前大統領もビデオメッセージを寄せ、「安倍氏は偉大な人物だった」と話していた。安倍さんは昨年、この団体の集会にビデオメッセージを送っており、銃撃事件の犯人もこの映像を見ていると伝えられている。 私はこのニュースを見て、安倍さんは統一教会の広告塔だった、持ちつ持たれつの関係だったんだ、と確信した。家庭連合の田中会長はその前々日の記者会見で、「私たちは共産主義と対峙(たいじ)しており、自民党の議員の方々とより多くの接点を持つ。より良き国づくりに向かって手を合わせてきた」と述べ、私の推測と符合する。 先月8日の奈良県内での山上某による安倍元首相銃撃事件は、我が国の社会を震撼させ、新聞、テレビ、雑誌などで連日報道され、それらは嫌でも耳目に届いてくる。そして、忘れていた統一教会や原理研究会、霊感商法、合同結婚式などの事柄を思い出させてくれている。 おびただしい報道の中で私が特に関心を持ったのは、週刊『AERA』にジャーナリストの青木理さんが寄せた記事だ。彼はテレビでも同じようなことを語っている。 「通信社の記者として公安警察を担当していた90年代、公安警察が統一教会への組織的捜査に乗り出すという情報を得たが、その動きがパタリと止まった。警察幹部に聞くと『政治の意向だ』と言われた。早い段階で教会に捜査のメスが入れば、被害は広がらなかったし、今回の事件も起きなかったかもしれない。統一教会と怪しげな蜜月を続けた政治の不作為、不適切な影響力の行使によって被害を拡大させた政治の責任が問われる」(8・15-22合併号)。そうだったんだ。
もっと読む
コラム
「真実が知りたい!」 赤木雅子さんが水戸で訴え 《邑から日本を見る》117
2022年8月8日
【コラム・先﨑千尋】森友学園問題に関する公文書改ざんを強いられ、それを苦に自死した元財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻、雅子さんらの講演会が7月30日、水戸駅前の駿優教育会館で開かれた。この講演会は、旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現日本原子力研究開発機構)の元職員6人が同機構に損害賠償を求めている訴訟で、原告を支援する団体が主催したもの。 雅子さんは、夫が自死した真相解明を求めて、国と、改ざんを指示したとされる元財務省理財局長の佐川宣寿氏を訴えてきた。この日は、雅子さんの裁判などを支援してきているジャーナリストで元NHK記者の相澤冬樹さんと対話する形で、別室からのオンラインで登壇した。私はそれを会場で聞いた。 雅子さんが起こした2つの裁判のうち、国は、昨年12月に雅子さんの賠償請求を全面的に認める「認諾」の手続を取り、改ざんが行われた経過などは不明のまま、いわば「肩透かし」の手法で国に対する請求を終結させた。残る佐川氏への訴訟は、氏への尋問は行わずに7月27日に大阪地裁で結審し、11月25日に判決が下される。 雅子さんはこの日、佐川氏に2度手紙を書いたが返事はなく、法廷にも姿を見せなかったことを非難し、「私は、夫がなぜ改ざんさせられたのかを知りたいから裁判を起こした。法廷で佐川さんにそのことを証言してもらいたかった。しかし佐川さんは姿を見せなかった。あまりにも悔しい。夫は日頃、公務員は権力を握っている人のためにではなく、国民のために仕事をするのだと言っていた。佐川さんは誇りを持って仕事をしてきたのか。佐川さんが本当のことをしゃべらない限り、私は幸せになれない」と怒りをあらわにした。 国、無慈悲、無機質な組織 この雅子さんの話を聞いて、相澤さんは「佐川さんはこの事件に関わったので、もうエラくなれない。ホントのことを話した方が、気持ちが楽になれるはずだ。ホントのことを話せない佐川さんはかわいそう。哀れだ」と語った。
もっと読む
コラム
経営者の怠慢を糾弾した東京地裁の判決 《邑から日本を見る》116
2022年7月25日
【コラム・先﨑千尋】専修大学名誉教授の原田博夫さんは24日の「文京町便り」で、原発は再開すべきか、脱・原発を目指すべきかを論じていて、2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡る2つの裁判に触れている。私も前回のコラム(7月11日掲載)で、「最高裁の裁判官は結局国の番人?」を書いた。今回は13日の東京地裁判決について、そのあらましと私見を書く。 13日午後、東京地裁の朝倉佳秀裁判長は、東京電力の勝俣恒久元会長ら4人に13兆3210億円の支払いを命じる判決を出した。「ひとたび発生すれば『国そのものの崩壊』につながりかねないのが原発事故だ。ところが津波の襲来が予想されたにもかかわらず、担当役員は対策を先送りし、会長らもそれを是認した。そろって取締役としての注意義務を怠り、地域と社会に甚大な被害を与えた」 東電の株主は、同電力の福島第1原発事故を巡り、旧経営陣が津波対策を怠ったことで東電に巨額の損害が生じたとして、元会長らに22兆円の損害賠償を求めていた。今度の裁判の争点は2つ。「政府機関が2002年に公表した地震予測『長期評価』に基づき、巨大津波の予見が可能だったか」と「浸水対策などで事故を防げたかどうか」だ。 判決は、長期評価について「科学的信頼性を有する知見」と認めたうえで、旧経営陣の過失の有無を検討した。東電は08年、長期評価に基づき、福島第1原発に最大15.7メートルの津波が到来すると試算しており、「最低限の津波対策を速やかに指示すべき取締役としての注意義務を怠った」と指摘した。浸水対策については、「主要な建屋などで対策を実施していれば重大事故に至ることを避けられた可能性は十分にあった」としている。 長期評価の報告を受けながら津波対策をすぐに指示せず放置したことは不作為であり、対策を先送りしたものだ。政府機関には地震や津波のトップレベルの研究者が多く集められ、段階的な議論を経て取りまとめられた地震の長期評価には信頼性がある、という判断だ。 そして、「02年以降の東電経営陣の対応は、安全確保の意識に基づいて行動するのではなく、いかに現状維持できるかで、そのために有識者の意見のうち都合のいい部分を利用し、悪い部分を無視することに腐心してきた」と断罪している。
もっと読む
もっとロードする
Most Read
音楽家たちに発表の場を つくばのカフェで演奏会
つくば
2023年3月29日
カフェやレストランなどを使って音楽家が発表する場をつくりたいと、つくば市内で飲食店を経営する飯泉智弥さん(49)が音頭をとり、同市竹園の商業施設、ヨークベニマルタウン内のエヌズ カフェ(N's Café)で20日、家族連れや関係者を招いたミニコンサートが開かれた。 飯泉さんは2017年に、小学1年生から大学生までの「筑波ジュニアオーケストラ」の立ち上げに尽力した(2017年10月27日)。21年にはつくば駅前の商業施設トナリエつくばスクエア・クレオに地元の音楽愛好家たちのためストリートピアノ「つくぴあ」を設置した。 その後、ストリートピアノの利用者たちの間から、定期的な音楽会をやってみようという声が上がったという。 飯泉さんは、どんな形で開催できるか、まずは試しにやってみようと、自らがオーナーとなっているカフェをプレ・イベントの開催会場とした。 店内のどの場所で演奏するか探りながら、当日はカフェの中央にステージを作った。来店客は、テーブルに座って食事をしながら音楽を聞く形になった。
もっと読む
3回目の桜《短いおはなし》13
コラム
2023年3月29日
【ノベル・伊東葎花】 早春の公園。青空に映える満開の桜。 私は公園のベンチに座って、砂遊びをする息子を見ていた。 「見事に咲きましたなあ」 隣に座る老人が話しかけてきた。 老人は、息子を見ながら言った。
もっと読む
数センチの隆起や沈下を面で可視化 「地殻変動の地図」公開
つくば
2023年3月28日
国土地理院 人工衛星データを解析 国土地理院(つくば市北郷)は28日、日本全国の大地の動きを可視化する「地殻変動の地図」を公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の観測データ8年分を用いて作成された変動分布図で、地形のわずかな隆起や沈下を彩色によって分かりやすくとらえられるようにした。 公開された全国地殻変動分布図は「地理院地図/GSI Maps」により一般にも簡単にアクセスし閲覧できる。 地殻変動分布は「だいち2号」の合成開口レーダー、SAR(Synthetic Aperture Radar)技術によって得られた。人工衛星から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測するセンサーの一種。人工衛星では、地球を周回しながら同一地点に異なる方向から電波を2回、照射し観測することで、大きな開口を持ったアンテナと同様な解像度を得る。 微小な地形の変化を正確に読み取るには、統計的処理のために大量のデータが求められた。2014年8月から8年以上の観測データを得て、時系列解析を行った。国土地理院宇宙測地課、佐藤雄大課長によれば、衛星からの撮影は約1500回に及び、画像枚数にして6400枚のデータを得たという。
もっと読む
仕様書不備で落札決定取り消し つくば市
つくば
2023年3月28日
つくば市が3日に開札を実施した同市佐地区と上菅間地区2カ所にある生活排水路浄化施設の維持管理業務の一般競争入札で、同市は28日、業務委託の仕様書の中で、汚泥の処分方法を「産業廃棄物として処分する」など明記すべきところを明記していなかったとして、落札者の決定を取り消し、入札を不調にしたと発表した。 市環境保全課によると業務委託の内容は、2カ所の浄化施設を今年4月から来年3月までの1年間、維持管理点検し、汚泥を清掃し処理するなどの業務で、2月10日に一般競争入札が告示された。予定価格は約276万円で、3者が入札に参加。今月3日に開札が行われ、落札業者が決定していたが、28日までに仕様書の記載内容に不備が確認されたとして、落札者の決定を取り消す。 今後の対応について同課は、入札業者に事情を説明すると共に、4月以降の業務について、数カ月間は随意契約とし、その間に入札の準備を進めて、改めて入札を実施するとしている。 再発防止策として、仕様書を作成する際は複数名により記載内容の確認を徹底し、適正な仕様書を作成することで再発防止に努めますとしている。
もっと読む