木曜日, 10月 3, 2024
ホームコラム湖のほとりを紡ぐ花火の話 《見上げてごらん!》13

湖のほとりを紡ぐ花火の話 《見上げてごらん!》13

【コラム・小泉裕司】今年、茨城県内に新たな花火大会が1つ誕生する。小美玉市は、霞ケ浦高浜入りに面した「大井戸湖岸公園」周辺をメーン会場とし、10月7日(土)、約5000発を打ち上げるための費用1300万円を予算化した。

同公園付近は、すでに3月18日、小美玉市商工会青年部がサプライズ花火を打ち上げた実績がある。同市商工観光課によると、毎夏恒例の「ふるさとふれあいまつり」でフィナーレ花火を打ち上げてきたが、コロナ禍の3年の中止を経て、「おみたま花火大会(仮称)」として、新たな魅力創出を図るという。

ということで、今回は、花火シーズンを前に、霞ケ浦のほとりの花火大会を「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦1周コース沿いに、北浦を加え、土浦市から時計回りにアラウンドする。

土浦市は、1925年に湖畔で開催した第1回土浦全国花火競技大会が最古となるが、その後、会場を桜川河畔に移し、湖畔では小規模な打ち上げが不定期に行われている。

かすみがうら市は、7月下旬の「あゆみ祭り」(歩崎公園)のエンディング花火。行方市は、8月上旬に「サンセットフェスタ IN 天王崎~なめがたの湖上花火~」(天王崎公園)。鉾田市は、8月中旬に「鉾田花火大会」(鉾田川下流)を2年に一度、北浦の北端で開催。

北浦の南端では、「鹿嶋市花火大会」(北浦湖上)が昨年11月下旬、3年ぶりの開催となった。潮来市では、8月中旬の「水郷潮来花火大会」(水郷北斎公園)。稲敷市は8月下旬、「いなしき夏まつり花火大会」を、古渡(ふっと)の入り江に注ぐ小野川沿いで開催している。

花火と自転車のコラボはいかが?

過去の実績を参考に紹介してきたが、本稿のきっかけは「久しぶりの土浦は、『花火の街』から『自転車のまち』に変貌しつつある」という東京在住の写真家のつぶやきを知ったから。初見、少々張り合い抜けしたが、プラス思考に転じ、WIN-WIN(ウインウイン)を構築できないものか瞑想(めいそう)したところ、春の妄想に至った。

土浦の花火を紹介する「花火館」を湖畔に建つ「りんりんポート土浦」に併設・整備して、花火と自転車のコラボはどうだろう。

「花火館」には、先に紹介した各花火大会のコーナーを設けながら、年に一度、リレー形式で「霞ケ浦湖畔一斉打ち上げ」を行う。その際は、土浦港での花火大会の恒例化が前提だが、石岡市、阿見町や美浦村のフルエントリーになれば、なおさらにうれしい。

この「花火館」整備については、昨年3月、土浦商工会議所が土浦市長に提言した「花火のまち土浦の発展に向けて」(2022年3月25日掲載)の柱の1つ。12月の土浦市議会定例会においても、一般質問で「花火ミュージアム」の新設が要望された。

さかのぼること27年前の1996年9月の定例市議会で、当時市議会議員であった安藤市長が「花火博物館の新設」として執行部に提案した経緯がある。

とはいえ、今どきの厳しい財政状況を思えば、公益施設とは言いがたい施設整備など、時代錯誤も甚だしいとしかられそうだ。ましてや前職、いわゆるハコモノ行政からの脱却など行財政改革に携わった身としては大いに心苦しい限りではあるが、エイプリルフール月にあやかって、春の妄想をお許し願いたい。

脱稿後、先の提言書を読み返し、最終ページ最終項の提案にあぜんとした。「りんりんロードの利用実績を踏まえ、霞ケ浦周辺の自治体と連携した湖上での打ち上げや、広域花火大会の可能性を研究されたい」とある。

入稿直前で改稿きかず。妄想でも瞑想でもなく、すべてがコピペの迷走となってしまった、あんぽんたんな提案をご容赦願いたい。本日は、この辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

<参考>創立75周年記念提言「花火のまち土浦」の発展に向けて:土浦商工会議所(2022年3月)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

霞ケ浦にハワイを見っけ! フラダンス8教室 土浦に集結

土浦、つくば両市にあるフラダンスの教室が20日、土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園に集結、「ハワイの風景にそっくり」という湖畔の芝生広場を会場に、日がなフラのパーティーに興じる。ALOHA PARTY(アロハパーティー)実行委員会による2回目の開催。ハワイ語でフラダンス教室の意味になる「ハラウ」8団体が集結する。実行委員会を束ねる桑名美千代代表によれば「フラダンスのイベントは公民館とか市民会館とかで行われていたけど、コロナ禍以来みんなで集まりにくくなった。やっぱりフラは太陽の下踊るもの。騒ぎが癒えたら、屋外で集まりたいね」とよく話していたという。そんなとき霞ケ浦総合公園にある国民宿舎水郷「霞浦の湯(かほのゆ)」の2階の窓から見える霞ケ浦の景色にびっくり。入り江の芝生広場が「ハワイの風景によく似ている」と昨年秋、土浦、つくば両市の各教室に呼び掛け、7団体の参加で1回目を開いた。これが好天にも恵まれ、好評。今回は8つのハラウに拡大した。Kapā Hula O Kulia ikeākea(カパー フラ オ クーリアイケーア)、LANIKEA HULA STUDIO(ラニケア フラ スタジオ)、Hālau Hula 'O Mino'aka(ハーラウ フラ オ ミノアカ)、Hālau Hula O Wailani(ハーラウ フラ オワイラニ)、Hoa...

何かになりたい《ことばのおはなし》74

【コラム・山口絹記】最近、ふと「今の仕事は、こどもの頃からの夢だったんですか?」と聞かれたことがあった。不意の質問だったので、「ええ、まぁ…はい」と答えてしまった。「よかったですね、やりがいがありますね」と言われ、なんとなく、もやもやとした気持ちになった。 私はこの「夢」ということばが好きではない。それが、なんらかの「職業」を指しているならなおさらだ。この「夢」ということばはカタチを変えて日常のそこかしこに潜んでいる。それは、「なりたい自分」とか、「自己実現」とか、「志望」とかいうことばであり、人生のそこかしこで、ふと目の前に現れては人の心をかき乱す。 一度ことばにして「夢」というものを自分の中で定義してしまえば、それはいとも簡単に自分の心の中に根をはり、場合によっては自らを縛る呪いのようなものになっていく。安直で雑な呪いだ。 実際のところ、ここで言う「夢」というのは、一時の状態でしかなく、その状態に行きつくまでは、頭の中のことばでしかない。そして、その「夢」がかなった状態になったとしても、当然のことながら続きがある。仕事であれば辞めるという選択肢があり、自分の意思とは関係なく辞めざるを得ないときがあり、そして、死ぬまで続けることができる仕事というのは限られているのだ。 どうなりたいか 一度「夢」という状態がかなったとして、その状態をやめるということは、「夢」を諦めるということにはなるまいか? かなった「夢」という状態が、いつかはしがみつく対象になることはないのだろうか? これはあまり健全な状態であるとは言えないだろう。 実のところ、これは「夢」と言うものの定義設定の問題であると、私は思うのだ。「夢」というものを一時の状態に設定しまうのは安易ではあるが、だからこそ何かがおかしくなってしまう。 大切なのは、何になりたいか、ではなく、「どうなりたいか」なのだから。「どうなりたいか」の途中に「何になりたいか」があり、何になるかについては、常に選択肢があり続けるのが健全だ。そして、どうなりたいか、という自分は、自ずとその時々の自分に寄り添って変わっていくだろう。 難しい話ではない。最初は、「優しくありたい」なんてことでよいのだ。いっそ単純なほうがよい。他人と同じでよい。小さい時は友達にやさしくあればよい。孤独な時は自分に優しくあればよい。大切な人ができたなら、その人に優しくあればよいではないか。単純だが、十分に難しいことでもある。 そして、一生をかけて、その優しさを自分なりに研ぎ澄ませていく。そうすれば、なぜ自分が「優しくありたい」と思ったのか、わかる日が来るかもしれない。私はそう考えている。(言語研究者)

つくば秀英が夏の雪辱果たす 霞ケ浦を破り初優勝【秋季高校野球茨城】

第77回秋季関東地区高校野球茨城県大会は2日、ひたちなか市民球場で決勝が行われた。夏の決勝と同じ対戦となった今回は、つくば秀英が霞ケ浦を5−2で破り、見事に夏の雪辱を果たし悲願の大会初優勝を勝ち取った。 第77回秋季関東地区高校野球茨城県大会決勝(10月2日、ひたちなか市民球場)つくば秀英 013 000 100 5霞 ケ 浦 000 002 000 2 試合前、つくば秀英の桜井健監督は「夏のリベンジを果たす考えは持つな。新しい代になり新チームで新たに勝ちに行く」と選手を送り出した。 つくば秀英先発の中郷泰臣は初回、霞ケ浦打線を3者凡退に抑えると、2回に先頭の知久耀がセンターにヒットを放ち出塁。さらに稲葉煌亮が送ってバントを決め2塁へ進んだ。2死後、沢畑悠斗がまっすぐを振り抜き打球はライトへのタイムリーヒットに。知久がホームインし先制した。 つくば秀英は3回に1点を追加、なお2、3塁のチャンスに、稲葉がセンターへ2点タイムリーを放って4−0とリードを広げた。 一方、5回まで中郷に2安打に抑えられていた霞ケ浦は、6回にヒットと四球、送りバントで2塁、3塁のチャンスをつくり、鹿又嵩翔のライトへのタイムリーで1点を返し、さらに満塁とする。西野結太が、代わったつくば秀英の2番手斎藤柾希から押し出しの四球を選び1点追加、2点差に追い上げた。 つくば秀英は、7回に稲葉が2本目となるタイムリーを放ち突き放すと、7回、斎藤が霞ケ浦打線を3者凡退に抑えた。8回、9回は羽富玲央が抑え、つくば秀英が3人の継投で霞ケ浦打線を5安打2失点に抑えた。霞ケ浦は9年ぶり5度目の優勝は果たせなかった。  優勝したつくば秀英の桜井監督は「夏の決勝を経験し、落ち着いて強い気持ちでプレーが出来た。関東大会までにワンランク強くしてレベルアップし、関東の強豪校相手にくらいついていきたい」と話した。チームに勢いをつける先制のタイムリーを放った沢畑は「関東大会ではチーム一丸となりベスト4以上を狙う」と意気込んだ。 霞ケ浦の大橋泰祥主将は「必ず優勝して関東大会に行く気持ちで試合に挑んだが、練習でやってきたことが出来ずミスが出た。関東大会では2回勝ってセンバツに行く」と誓った。 来春のセンバツ(春の甲子園)出場の選考基準となる秋季関東大会は、26日に神奈川県で開幕する。つくば秀英は初出場、霞ケ浦は2019年以来5年ぶりの出場となる。(高橋浩一)

夏から秋にシフト 国環研の一般公開 事前申込受付中

「夏が年々暑くなっている」判断から 今年創立50周年を迎えた国立環境研究所(国環研、つくば市小野川、木本昌秀理事長)の地域向け一般公開は今年、初めての秋開催に切り替えられ、10月19日午前10時から開かれる。入場は自由だが、「これからの50年」を見据えて、児童生徒向けのイベントを充実させ、事前参加申し込みを受け付けている。今年の開催テーマは「環境をまもりはぐくむ。国環研の50年と、これからの君へ」。国環研は1974年に国立公害研究所として開設され、90年に国立環境研究所に名称を変更。2004年から昨年まで「夏の大公開」として開かれていたが、「気候変動によって夏が年々暑くなっている」判断から秋の開催に切り替えた。施設公開をはじめ、体験・展示コーナー、講演会の開催を予定している。講演では、つくば科学教育マイスターの一ノ瀬俊明さんによるトーク「空から地面の温度を見てみよう」が4回予定されている。温度が見えるカメラ(赤外線サーモカメラ)をドローンに装着して、いろいろな場所の動画を空から撮影した。同市の洞峰公園や土浦花火大会、長野の山や茨城の海などの動画を上映しながら、クイズをまじえて各地の温度の特徴などの解説を聞くことができる。対象は小学5年生以上対象、各回先着順最大10人。体験コーナーで事前申し込みが必要なのは、▽すごろく「気候変動適応への道」=遊びながら気候変動への適応行動を学べるすごろくゲーム。対象は小学生以上、会場は大山記念ホール▽研究者と話そう!「ココが知りたい地球温暖化」=小学5年生以上、同▽ エコチル調査を体験しよう!「体組成測定&食事習慣質問票」=測定体験により自分の身体や食事のバランスを知ることができる。小学5年~中学3年、環境保健研究棟など。それぞれ3回の開催が予定されている。展示では、「田んぼダム」の仕組みを見てみよう=田んぼダムの仕組みを再現した模型に水を実際に流す実験を行う。4回、各回抽選で6人受付ーなどがある。(相澤冬樹)◆事前申し込みの詳細はこちらから各申し込みフォームに。同ホームページでは当日整理券を配布するイベントの紹介もされている。当日は自動車での入構はできない。つくば駅、ひたち野うしく駅から「環境研究所」行きの路線バスがあるほか、当日は「無料バス」を運行予定。