金曜日, 11月 7, 2025
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住居確保給付金の要件緩和、一部の学生も対象に

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つくば市社会福祉課窓口

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大によりアルバイトの収入が大きく減り、生活に影響が出ている学生が少なくないとされる。経済状況の悪化を受けて国は、家賃を肩代わりする住居確保給付金の支給要件に関して就職活動条件を一部緩和した。これにより筑波大などの大学生も支給対象になった。しかし対象となる学生はごく一部に限られる。

筑波大学や筑波学院大学など全日制の大学に通う学生であっても、要件を満たせば支給対象になるが、つくば市社会福祉課によると、対象は「扶養されておらず社会保険料を自ら支払っている」など、親から独立していて学費も生活費も自分でまかなっている学生に限られるとする。

同課は「学生を対象にした修学支援制度や奨学金拡充などの制度があるのでそちらを案内している」としている。

ハローワーク要件不要に

住宅確保給付金は収入の減少などにより経済的に困窮し、住居を失う恐れのある人などが家賃を代わって支払ってもらえる制度だ。原則として3カ月分、最長9カ月が対象となる。支給金額はつくば市の場合、単身世帯が1カ月3万4000円、2人世帯が4万1000円、3~5人世帯が4万4000円となる。

もともと仕事が無くなり経済的に困窮して、住まいを失ったり失う恐れがある人が支給対象だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、仕事が無くなってはいないものの、離職などと同程度の状況にあり、住まいを失う恐れがある人などにも4月30日から支給対象が拡充された。

支給要件は従来、ハローワークで月2回以上職業相談をすることなどが要件だったが、「誠実かつ熱心に求職活動」とすることに緩和され、ハローワークへの求職申込などが不要になった。

支給対象者のうち学生について、厚労省は「もっぱらアルバイトにより学費や生活費を自らまかなっていた学生が、これまでのアルバイトがなくなったため住居を失う恐れが生じ、別のアルバイトを探している場合いも、収入要件や資産要件を満たせば、当分の間、例外的に支給される」とする。

例として「児童養護施設を出て大学に通う学生など」を挙げ、「事情により両親を頼ることができず、扶養に入ること等もできない学生」と規定する。

行政は修学支援や奨学金を推奨

学生向けの支援として行政が勧める修学支援制度は、授業料や入学金の減免や減額と、給付型奨学金の支給を受けられる制度で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で父母の収入が大きく減った場合(4人世帯の目安は380万円以下など)も支給対象になる。

奨学金は無利子(目安年収は約800万円以下)と有利子(同約1100万円以下)があり、新たに申し込みができる。すでに貸与奨学金を利用している学生なら利用額を増額することもできるが、こちらはあくまでも借金で返済が必要だ。

《電動車いすから見た景色》6 コロナ禍の中でお互いにつがなるには

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イラストは筆者

【コラム・川端舞】ウイルスは人と人との物理的距離を広げる。障害当事者団体である自立生活センターに関わり始めた時、障害者が外に出て、買い物したり遊びに行ったりすることで、地域の人と関わることも、立派な社会運動であると教わった。現在は介助者のサポートを受けながら一般のアパートなどで生活している障害者も多いが、普段障害者と会う機会のない人は、重度障害者は福祉施設でしか生活していけないと思っていることも多いだろう。

そのような人たちに、重度の障害があっても支援を受けながら、障害のない人と同じように地域社会の中で生活していけるということを知ってもらうためには、お店や公園など日常生活の中で普通に暮らしている障害者に出会うことが必要だ。このような考え方を背景に、今まで私もできるだけ通販などは使わずに、介助者と一緒に直接お店に買い物に行ったり、つくば自立生活センターでは地域の子どもたちを集めてイベントを開催したりしてきた。

そんな今までの生活も、「新しい生活様式」のもとで変わってくるのかもしれない。現在、障害のない人でも買い物は通販が奨励されており、これから多くの人が集まるイベントには神経質になるだろう。最近はオンライン通話なども広がっているが、オンラインでのコミュニケーションは関わる相手も話す話題も限られてしまう。

街中で手話で話している人を見かけることも、バスの運転手が車いすの人のためにスロープを出してくれる風景も、今より少なくなってしまうのだろうか。周囲の人と距離を取ることが求められる社会で、どうしたら障害のある人とない人が接点を持てるのか、改めて考え始める必要があるのかもしれない。

何年も自由に外出できない人もいる

そして忘れてはいけないのは、地域で暮らしている障害者よりも世間の人に知られていないのが、福祉施設の中にいる障害者であるということだ。新型コロナがある程度落ちつき、ほとんどの人が自由に外出できるようになったとしても、施設の入所者が何年も自由に外出できないという現実は変わらないのだろう。

数カ月外出できないだけでストレスがたまる人も多い中、何年も自由に好きな場所に行けない生活はどのようなものなのだろう。好きなところに自由に行けるありがたさを感じるとともに、そんな当たり前のことがずっとできていない人たちが、同じ日本にいることを忘れてはいけないということを実感させてくれた外出自粛である。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

純利益12.8%増も来期の見通し厳しく 筑波銀行が20年通期決算

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2020年3月期決算を発表する生田雅彦頭取=14日、筑波銀行つくば本部

【鈴木宏子】筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)は14日、2020年3月期決算(19年4月~20年3月)を発表した。新型コロナウイルス感染拡大による影響が顕在化するとみられる来期(21年3月期)の業績予想(連結)について、経常利益が20年3月期比46.8%減の14億円、当期純利益は同18.2%減の10億円と厳しい見通しを示した。

さらに今後、感染拡大の影響が長期化する場合は、取引先の貸出金が回収できなくなった場合に備える与信費用がさらに増加する可能性があるとした。

現時点での地域経済への影響について生田頭取は「コロナの影響でかなりの相談があり、融資申し込みが通常の2倍、3倍に膨れ上がっている」とする一方、与信費用について「現時点で莫大に増えたことはなく、コロナ倒産はない」とした。

経常利益31%増

20年3月期の業績(連結)について、銀行本来の業務の収支である業務粗利益は、貸出金利息や有価証券利息配当金が減少し資金利益が減少したが、役務取引利益や国際債券売却益が増加したことから、前年比7億9500万円増の297億7800万円となった。

銀行本来の業務で稼ぎ出した1年間の利益となる、業務粗利益から人件費などの経費を差し引いた実質業務純益(単体)は、業務粗利益の増加に加え、店舗を98店から79店に統廃合したなどにより人件費や物件費などの経費が前年比6億7300万円減少したことから、同16億1000万円増の35億3200万円となった。

銀行の通常の活動から生じた利益を表す経常利益(連結)は、株式関係損益が減少したが業務粗利益の増加や営業経費の削減により、前期比6億3700万円増(31.9%)の26億3200万円となった。最終的に稼いだ利益である当期純利益は経常利益が増加したことなどにより同比1億3900万円増(12.8%)の12億2300万円となった。

健全性の指標となる、リスク資産に対し資本金などの自己資本がどれだけあるかを示す自己資本比率(連結)は、有価証券の減少などによりリスク資産が減少したことなどから、前年度末比0.07ポイント上昇し、8.79%となった。

金融再生法に基づく開示債権額(単体)は、要管理債権や破産更生債権の増加したなどから前年度末比16億円増の466億円となった。この結果、不良債権残高の割合を示す開示債権比率(不良債権比率)は同0.03ポイント上昇し2.72%となった。

県南名店の味を医療従事者へ クラウドファンディングで届くお弁当

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お弁当の配達準備をする中台義浩さん㊨と理香さん=13日、レストラン中台(土浦市)

【伊藤悦子】新型コロナウイルスとの戦いの最前線にいる医療従事者に、県南地域を代表する飲食店のお弁当を届けようという取り組みが行われている。レストラン中台(土浦市桜町)、旬の台所連根屋(牛久市神谷)とその常連客が立ち上げた「セーバーイーツ茨城」による活動で、クラウドファンディングで広く支援を募り、両店のお弁当を病院に届け始めた。

土浦、牛久の飲食店が常連客とタッグ

発案者は両店の常連客、戸田さつきさん(41)。新型コロナの影響から、両店とも売り上げが前年比80%減と苦境に立たされていた。「いつも旬の食材を使って、どんな料理でお客様に喜んでもらうかワクワクして考えていたのにむなしくなった」という中台義浩さん(55)の言葉に心を痛めた戸田さんはなんとかしたいと思った。

個人的なテイクアウトを毎食続けるわけにはいかず、「応援したいが食べられない」ジレンマがあった。折から戸田さんが親しむSNSのツイッターには、医療従事者へ応援や感謝の言葉があがる一方、「応援が拍手だけでいいのか?」など議論が交わされているのを目にした。

そこで、医療従事者へ感謝の気持ちを伝えるためお弁当を届ける「セーバーイーツ」を発案。お弁当作りならば、経営難に陥っている飲食店の仕事としてシフトできる。テイクアウトは土日に集中しがちだが、平日のスタッフの仕事もまかなえる。さらに「クラウドファンディングなら、多くの人々が感謝の気持ちを伝えることができるから、みんなが幸せになれるのでは」と考えたという。出資額は、医療従事者1人のお弁当代に相当する1500円からと決めた。

戸田さんとレストラン中台のシェフ中台義治さんは土浦生まれ、連根屋店主佐藤栄次さん(57)は牛久生まれだが、3人は県内の同じ高校出身。地元の味を届けようと、タッグを組んだ。

佐藤さんは、先にラジオで、都内で医療従事者に差し入れする話を聞き、やりたいなと思っているところに戸田さんから声をかけられた。「ふたつ返事でやるやる!」と応じたそう。

レストラン中台の女将(おかみ)、中台理香さんも「話を聞いてすぐにやりたいと思った」と話す。「1500円のお弁当だが、中身は1800円以上のものを使っている。クラウドファンディングでいただくのは材料費だけ。おいしかったと喜んでもらいたいから、儲けはいらないという気持ちだ」という。

目標額は3日で達成も募集継続

パンフレットを作り、サイトを立ち上げ、クラウドファンディングは5月1日にスタート。目標額の50万円はわずか3日で達成した。セーバーイーツのサイトには「頑張ってください」「応援しています」など支援者から医療従事者への感謝のメッセージが並ぶ。なかには「これからのことを考えると、医療の現場を守らないといけない」という10代の若者からの支援もあったという。

メッセージは印刷して、お弁当と一緒に病院に届けている。12日以降、JAとりで総合医療センター(取手市)と筑波大学付属病院(つくば市)にそれぞれ30食、40食を届けた。

佐藤さんは「店は20年近くやっているが、このように弁当の仕事をやるのは初めてに近い。中台さんと協力しあえるのも自分の店だけで全部こなさなきゃいけないわけじゃない、と気持ちの面で助かっている」と語った。

実際にお弁当を食べた医療従事者からは、「ハンバーグがおいしかった」「みなさんの支援がうれしい」「励みになった」という声が寄せられている。

受け入れる医療機関も募集中

目標額50万円には達しているが、31日まで募集している。戸田さんは「予算やお届け距離の都合もあるため、すべてに応じられないかもしれないが、新型コロナウイルス感染者が入院している、いないにかかわらずたくさんのに医療従事者に届けたい」とし、「もしお弁当を受け入れたい医療機関あれば、連絡してほしい」と話す。

クラウドファンディングは出資額に応じて、お弁当を届けられる人数が異なる。クラウドファンディングのリターンは、イラストレーター・画家の長友心平さん描き下ろしポストカード、ロゴ反射缶バッジ(直径40ミリ)が用意されている。

長友さんイラストと光る缶バッチ

コロナと戦う医療従事者に地元の美味を届けて、みんなを守りたい!セーバーイーツ茨城のサイトはこちら

《映画探偵団》31 雨情とチャップリンのちょび髭

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】茨城県出身の民謡詩人野口雨情と世界的な喜劇俳優チャーリー・チャップリンは、外見が小柄でどことなく雰囲気が似ているように思える。2人は1930年代の世界大恐慌に生きた同時代人だが、私が似ていると感じたのは、ちょび髭(ひげ)のせいかもしれない。しかし雨情のちょび髭は本物だが、チャップリンのそれは映画の中だけでしか付けない放浪紳士用としての偽物の髭である。

2人が生きた時代のニュース映像などを見ると、ちょび髭の人たちが結構映っていて流行だったのが分かる。チャップリンと同じ1889年生まれのドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーもちょび髭だった。成功者の証しなのか、自己アピールのファッションなのかは分からないが、今は女性受けしないようで、ちょび髭の男性はほとんど見かけない。

昭和7年(1932)5月13日、桜川流域の土浦にあった高級料理屋・山水閣に海軍青年将校らが集まり、犬養毅首相たちの最終暗殺計画が練られた。将校らは犬養毅とチャップリンが会見する情報を知り、一緒に暗殺しアメリカに恐怖心を与えようと考えたという。5月14日、チャップリンが来日。東京駅には8万人のファンが歓迎する熱狂ぶりだった。そして5月15日を迎える。急きょチャップリンは予定を変更し犬養の長男と相撲見物に出かけ、暗殺から逃れることができた。

中学生のころ、5・15事件とチャップリン暗殺計画の事実を映画の本で知ったときには、歴史的事件と喜劇映画とがなかなか結びつかなかった。青年将校らは民衆に人気があったチャップリンの命をなぜ狙ったのだろうか。もし成功していたら、猛批判にさらされたのに違いないからだ。また将校らはチャップリンの映画を本当に見ていたのだろうかと気になった。

『チャップリンの黄金狂時代』

『チャップリンの黄金狂時代』(1925)は、金鉱を探す一攫(いっかく)千金を狙う放浪紳士の話である。凍てつく雪山で腹をすかし、飢餓におちいる場面が出てくる。空腹に耐えかねた放浪紳士は、片方の革靴をお湯でぐずぐず煮て料理をつくる。皿にのせた靴のヒモをフォークでスパゲッティのように巻いて美味しそうに食べる。次に靴底に打たれた釘を取り除くと肉の付いた小骨のようにしゃぶる。少年のころから何度も見ているシーンだが、靴底が本物のステーキのように見えてきて、こちらまでお腹がふくれる気がする。

多分、将校らはこう考えたのではないか。チャップリンのボロ服を着たちょび髭キャラクターは偽物の幻影であり、本当の庶民ではないと。つまり一般の観客はスクリーンの放浪紳士を愛しその存在を信じたが、将校らはちょび髭のない大金持ちのチャップリンの実像を見ていた。虚構を信じる一般の人々と、虚構を信じきれないエリートたちとの差とでも言おうか。

雨情が5・15事件とチャップリン映画をどう考えたのかを知る資料は見つからないが、同じころ、雨情は全国各地のご当地民謡を作るための旅をしていた。その作品数と旅した距離を考えると、「新民謡狂時代」とも名付けたいくらいである。依頼されて作る新民謡とは、地方のまちおこしに他ならない。雨情は中央よりも地方に注目していた。

5・15事件の3カ月前、1月31日『今朝も別れか』(常陸竜ケ崎音頭)、2月2日『竜ケ崎小唄』など、男女の恋心と豊かな自然描いた茨城県の民謡をつくっている。その活動ぶりは、放浪紳士が愛すべき女性に出逢い、俄然バリバリと働き出す姿に似ているのだ。私には凄まじい勢いで民謡を作る雨情の姿がチャップリンの演じた放浪紳士と思えてならない。再びちょび髭が流行る時代は来るのだろうか。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

1人暮らし学生に3万円、自宅通学に1万5千円支援 筑波大

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筑波大学正門

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大により学生が経済的に苦しい状況にあるとして、筑波大学(つくば市天王台)は12日、アパートなどで1人暮らしをしている大学生に計約3万円、実家から通学している大学生に1万5千円などを支援する総額7億円の緊急経済支援を実施すると発表した。

保護者の収入が減って仕送りが減少した、アルバイト先が休業になり収入が減った、オンライン授業が実施されているため通信機器の購入などで支出が増えたなど、学生生活に影響が出ており経済支援が必要だとして、当面3カ月間を想定した支援を実施する。

約7億円の財源が必要になるが、現時点では同大の基金などを含め約4億円を確保している。約3億円が不足していることから、教職員から寄付を募っているほか、市民にもクラウドファンディングで支援を呼び掛ける。

支援内容は1~4年の大学生全員に1人一律1万5000円を給付する。実家を離れてアパートや学生宿舎などに住んでいる学生には1人約1万5000円を追加支援し、1人暮らしの学生などには計約3万円が給付される。

感染拡大により保護者の収入が急激に減少した学生に対しては、入学金と授業料の免除や徴収猶予などの特別措置を整備する。

オンライン授業の通信機器については、通信環境が整っておらず対応が困難な新入生を中心に、通信機器やパソコンなどを無料で貸し出している。

大学院生に対しては研究補助や教育補助などを拡充し、大学で研究や教育のアルバイトをしてもらって、大学生とほぼ同額の経済支援を検討している。さらに保護者の収入が急変した大学院生にも入学金や授業料の免除や徴収猶予を検討している。

留学生約100人、卒業後帰国できず収入無く

一方留学生は、授業料免除の私費留学生を対象に1人12万円、今年3月に大学や大学院を卒業したものの帰国できずに日本滞在を余儀なくされている元留学生にも12万円の支援金を給付する。

留学生の場合、アルバイト収入の減少のほか、感染拡大に伴い、本国からの送金が途絶えてしまったケースもあるという。特に卒業後、帰国できなくなった留学生は、就学ビザの期限が切れてしまったためアルバイトをして収入を得ることができず、収入源がまったく無くなってしまった人もいるという。

留学生への金額が高いことについて同大は、留学生のための基金を活用すること、さらに特に留学生から深刻な相談が多く寄せられているためとしている。3月に卒業したものの帰国できない元留学生は100人程度いるという。

ほかに学生、大学院生、留学生すべてを対象に1人10万円の一時貸付金を設ける。

学生数は大学生が約1万人、大学院生が約7000人。現在、手続きを始めており、6月中旬ごろには給付を実施したいとしている。

一方、4年生の男子学生は「自分もアルバイト収入が半分に減ったし、周りの学生からも(感染拡大前のように)アルバイトがちゃんとできているという話はまったく聞かない。つくばにいてもお金がないので実家に帰省した学生も多いと聞いている」と話し、大学の緊急経済支援について「もらえないよりいいが、3万円じゃどうしようもないと友達と話したばかり」と語っている。

《つくば法律日記》7 withコロナと法律問題

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堀越さんの事務所があるつくばセンタービル

【コラム・堀越智也】コラムのタイトルを法律日記と謳っておきながら、新型コロナと法律の話を避けて通ることは許されないだろうという思いがありながら、本音はできれば避けたいところである。というのも、判例の集積がないだけに、結論が明確でないことが多々あるからだ。

それでも、勇敢な僕はそこに切り込んでいくことにした。そこに多くの人々の心配があるし、自分自身、気を付けなければならないと思うことがあるためである。

御多分に洩れず、流行りに任せてZOOM飲み会をしてみたりする。ZOOMの利用もセキュリティーなどを考えると十分な注意が必要なのだが、その点はここでは触れないことにする。そのZOOMでwithコロナでの法律問題についてよく聞かれるのが、従業員の解雇の問題や賃料の問題である。

解雇するには、正当な理由がなければならない。また、リストラを理由に整理解雇をすることがあるが、その場合でも人員削減の必要性などいくつかの条件を充たさなければならない。正当な理由や必要性の判断をする際、いつ終息するか分からないコロナについてどのような考慮をすべきかは、非常に難しいところである。ただ、売り上げが下がったというだけでは、解雇は難しく、その他具体的な事情を考える必要がある。

ZOOM利用で気を付けたいこと

ところで、ZOOMを利用していると、まずは便利さに気を取られてしまう。お店で飲み会をしていたら、パソコンで仕事をしながらというわけにはいかないが、ZOOM飲み会なら、こそこそパソコンでネットを見たりしていても気づかれない。

また、職場にいれば、資料や本などもすぐに取り出せて便利である。ただ、これが大勢の会議やセミナーという形式になったときに、資料を複製して参加者が見られるようにしたり、音楽を流したりということを、気軽さと便利さゆえに安易にしてしまう可能性があるだろうと感じた。その際、著作権侵害には十分に気を付けて、せっかくの便利さや楽しさを台無しにしないようにしたいものだ。

SNSが流行り始めたころ、僕もSNSを真っ先に利用し、多くの仲間ができて喜んでいた矢先、仲間が気づかないうちに著作権を含めたいろいろな法律問題に触れていることに気づき、襟を正したことがある。SNSやZOOMなどの普及により、アウトプットが容易になる反面、法律問題になる危険もあるので、十分に気を付けて、便利さや楽しさに水を差さないようにしたい。(弁護士)

県立博物館、美術館1カ月ぶり再開

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透明なビニールカーテンで仕切られた案内カウンター=2日、県自然博物館

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大で利用が制限されていた博物館や美術館、公園の利用制限を国が緩和したのを受けて、県立自然博物館(坂東市)や県近代美術館(水戸市)などが12日、一斉に開館した。感染防止対策をとった上で、ほぼ1カ月ぶりの再開となった。

坂東市大崎のミュージアムパーク県自然博物館は午前9時30分に開館した。4月11日に休館となって以来、ちょうど1カ月ぶりの再開となった。この日の来館者は例年の2割程度にどどまり、にぎわいはまだ館内に戻らなかった。

新たに一方通行の順路が設けられ間隔を空けて見学するよう求める貼り紙が貼られた恐竜たちの生活コーナー=2日、県自然博物館

入館者はマスクをして、入り口で手指をアルコール消毒、さらに除菌マットで靴底を除菌して入館した。受付の案内カウンターには飛沫を防止する透明なビニールカーテンが張られ、案内スタッフはマスクと手袋を着用して応対した。

同館は恐竜の骨格標本や動物のはく製を触ったり、顕微鏡でミクロの世界をのぞいたりできる体験型施設だが、展示物には手を触れないなどの新しいルールが館内のあちこちに表示された。展示物の至るところにあるスイッチなどは、1日4回、スタッフが除菌する。

入館者同士の間隔を2メートル空けることなども求められ、混雑した場合は入場を制限することもあるそうだ。

密集や密接を防ぐため400席あった座席を150席に減らした飲食ができるセミナーハウス=同

館内のレストランや売店はまだ休業のまま。来館者が昼食を持参して館内のセミナーハウスで食事をしたり、屋外広場で飲食することはできるという。飲食ができるセミナーハウスは密集や密接を防ぐため400席あった座席を150席に減らした。

12日、再開した同館を4歳の長男と0歳の長女を連れて訪れた守谷市の30代の主婦は「長男の幼稚園が休みになり、ずっと家にいて子供のストレスがたまっていた。長男は恐竜が好きなので博物館に来た。開館してくれてありがたい」などと話していた。

広報を担当する同館企画課の高橋優華さんは「制限をかけての開館となり、精一杯楽しんでいただけないところは心苦しいが、ご理解いただいて利用いただければ」と話している。

緊急事態宣言が出され都道府県をまたいだ移動は自粛を求められていることから、県外からの来館については自粛を求めているという。

つくば美術館は6月13日から

県立美術館は、県近代美術館(水戸市)、県天心記念五浦美術館(北茨城市)、県陶芸美術館(笠間市)の3館が12日、一斉に開館した。

一方、貸し館による展示が主なつくば市吾妻の県つくば美術館は、展示予定だった主催者のキャンセルにより5月いっぱいは休館を続ける。再開は6月13日の「土曜講座」からで、学芸員が講話する。6月20日にはビデオ鑑賞会も再開する。ギャラリーの展覧会再開は6月30日からになるという。

洞峰公園テニスコート13日再開

県立の屋外公園は11日から笠松運動公園(ひたちなか市)などが再開した。

つくば市二の宮の洞峰公園は、テニスコートが13日から利用を再開する。同公園によると、13日午後2時時点ですでに延べ10面の利用予約が入ったという。ただしマスクを着用してプレーしてもらう。更衣室やロッカー、シャワーなどは利用できない。

13日利用が再開される洞峰公園テニスコート

一方、アリーナやプールの再開は未定のままだ。ギャラリーやカフェがある新都市記念館も休業が続き、こちらも再開は未定という。冒険広場にある、子供たちに人気の複合遊具と砂場は引き続き利用できない。

土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園は、霞ケ浦文化体育会館(水郷体育館)前の県の駐車場がゴールデンウイークの2日から11日まで閉鎖されていたが、12日から利用できるようになった。

12日から利用できるようになった霞ケ浦総合公園水郷体育館前の駐車場

公園内の施設のうちテニスコートは6月2日から再開予定で、予約受け付けが開始された。水郷体育館の再開は未定。県都市整備課によると体育館利用再開の目安は、スポーツクラブなどの休業要請が解除される時期になるという。土浦市のネイチャーセンターは6月1日まで休館。2日から再開の予定。

【土浦市長会見】売上減の事業者に最大20万円を給付へ 土浦市、独自の緊急経済対策

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安相真理子市長=11日、土浦市役所

【伊藤悦子】新型コロナウイルスの感染拡大で、土浦市は総額約5億6000万の緊急経済対策を実施する。安藤真理子市長が11日の定例会見で発表した。国が創設した「地方創生臨時交付金」を受け、市独自の事業として、売り上げが落ち込んでいる事業者に最大20万円を支給するほか、市民へのサージカルマスク配布など6つの対策に取り組む。14日開く臨時市議会に一般会計補正予算を提出する。

売上減少の事業者に最大20万円給付金

売り上げ低迷の事業者に最大20万円を支給する市の「持続化給付金」は、売り上げが前年の同月比30%以上50%未満の中小企業や個人事業主が対象になる。国の持続化給付金は売り上げ50%以上減額の事業者が対象となる。国の制度の対象にならない事業者に給付する。先に始まっている融資の相談では、前年の比30%以上50%未満売り上げが減少している事業者が18%程度あったという。今後さらに増えることを予想し、対象は市内6373事業者のうち、20%にあたる1274事業者を想定している。

20万円の金額は、国の個人向け定額給付金や県内他市の状況を参考に算出した。事業費に約2億5000万円を計上する。

市民にサージカルマスクを配布

感染症予防用のサージカルマスクは、1戸当たり3枚を全戸に配布する。配布は5月下旬の予定で、除菌水の配布も予定する。また、保育所や幼稚園、小中学校には非接触式体温計を配布、土浦協同病院、霞ケ浦医療センターにはマスク、病院用防護服やガウンも提供する。これらは感染予防物品の整備費として約2700万円を計上する。

ゴミ袋の無料引換券を全世帯に配布

外出自粛に伴い増加している家庭ごみとその経済的負担の軽減のため、可燃ごみ袋(45リットル入り、10枚)を全世帯に配布する。5月1日現在で住民基本台帳に登録ある67023世帯が対象。

引換券が印刷されたはがきが世帯主宛に送付され、市指定の販売店舗に持っていくと、ごみ袋と交換できる。5月下旬発送、10月末までに引き換えというスケジュールを予定している。事業費は約1600万円。

子育て世帯にも市独自の支援

学校の再開に伴う保護者負担の軽減のため、6、7月分の給食費は無料化する。対象となるのは、小学校に通う児童6638人、中学校の生徒3422人のほか、義務教育学校、公立幼稚園の給食費だ。給食費は小学校が4200円、中学校は4700円で、約8800万円を徴収しないことになる。休校中の4、5月分の給食費については徴収していない。

経済的に困っている就学援助制度利用世帯への支援として、休校期間中4、5月の給食費相当額を支給する。学校が始まってから申請を受け付けるという。事業費は約1000万円。

給食の中止に伴い、給食食材納入業者には約530万円を支出する。3月の臨時休校によって生じた損失分を補償するものだ。

母子父子家庭など一人親世帯へは、市独自給付金事業として7月期の児童扶養手当に、児童1人当たり1万円を上乗せして給付する。約2700万円の事業費を予定している。

安藤市長会見映像=J:COM茨城提供

《続・平熱日記》61 「さらばマスク」 私はマスク嫌い

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【コラム・斉藤裕之】いちいち癇(かん)に障(さわ)るトランプさんだが、最近自分との共通点を見つけた。それはマスク嫌いという点。正直に言ってマスクは煩(わずら)わしい。これまでは外国人並みにマスクの効果を疑っていた。しかし仕方なく始まったマスク生活。喋(しゃべ)りづらいし、呼吸もしづらい。老眼鏡は曇るし、おまけに鼻のあたりが温まって鼻水が垂れてくる。やはりマスクは嫌いだ。

しかし、こういう事態になる以前から、最近では毎年のインフルエンザの流行に伴い、学校ではマスク着用を促すようになった。ただ困ったことに、マスクをしていると表情が読み取れない。

「目は口ほどにものをいう」とは言うが、実は表情は顔の半分から下でつくられることがよくわかる。要するに、目から上には表情をつくる筋肉がほぼないのである。例えば教室で個人の表情が全く分からない、40人のマスクさんたちを相手に、有意義な授業は見込めない。逆も然り。マスク先生の話は面白さも半減する。

マスクマンの「マスク内引きこもり」

小学校のころ、母が毛糸で赤いマスク編んでくれた。マスクといっても覆面レスラーのマスク。多分海外でmaskといえば、仮面や覆面を指すのだろう。当時、絶大な人気を誇った覆面レスラーといえばデストロイヤー。漫画ではタイガーマスク。そして千の顔を持つ男といえばご存じミルマスカラス。

そんな憧れのマスクを手に入れて、畳の上で繰り広げられるプロレスごっこのタッグマッチは盛り上がった。今考えると、プロレスはマスクの持つ匿名性や神秘性という側面を実に上手く利用していたといえる。

ところが、レスラーほどのフルフェイスのマスクではないが、近年学校にもマスクマンが現れ始めた。春はおろか夏になってもマスクをしている、要するに年中マスクをしているマスクマン生徒だ。外界と一線を画すようなマスク姿。

「マスク内引きこもり」と私は勝手に名付けていたのだが、それを敢えて咎(とが)める理由もない。しかし、そうこうしているうちに、とうとうその生徒たちの素顔がわからないまま学年が変わってしまう。多分、マスクを外した顔で挨拶されてもわからないだろう。それよりも、その子たちは今後ずっとマスク顔で生きていくのだろうかと不安になった。

因(ちな)みに、覆面レスラーは覆面をはがされて正体がばれそうになるところがクライマックス。そして、マスクの下の素顔はいつか明かされる運命にある。

今回、ハンバーグや餃子と同様に、マスクは「手作り」という市民権を得た。マスク不足から、創意と工夫で作られた手作りのマスクは、それなりの意味と効果があったといえる。しかし、エコバッグが街にあふれてエコでも何でもない道をたどったように、手作りマスクが生活の中でこれ以上過剰に流行らないことを祈る。

さて、いつもは安倍さんに冷たい私だが、今回はいささか同情せざるをえない。「もうマスクはいりません!」。彼が満面の笑みで放り投げる、洗いすぎてビヨーンと伸びたゴムのマスクが、スローモーションで宙を舞う姿。私の思い描くハッピーエンドだ。(画家)

《邑から日本を見る》63 農家の暮らしとコロナ騒ぎ

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田植え時の小昼飯

【コラム・先﨑千尋】いつものように5日に田植えが終わった。5反(50アール)百姓だから、借りてきた4条植えの田植え機を手で押し、半日で終わる。親の代から「我が家のコメを食べる者は田植えには集まれ」と兄弟たちに言ってきたので、孫の世代も含めて17人も集まった。それぞれが植え継ぎ、寄せ植え、箱洗いなどを分担してやってくれる。

手植えのころは、結(ゆい)と言って親戚が集まり、互いの田んぼを交代で植えていくので、それこそにぎやかだった。嫁同士の植え方の優劣もよくわかった。苗も、今と違って苗代(なわしろ)で育て、暗いうちに手で取り、束ね、田んぼに運ぶ。子供も、苗運びや代掻(しろか)きをする牛馬の補助などの役割があった。

楽しみは小昼飯(こじゅうはん、なまって「こじはん」と言っていた)。塩の握り飯に切昆布と麩(ふ)の煮もの、漬物くらいしかなかったが、それでも、子供にとってはその時間が待ち遠しかった。今では、我が家のように大勢が集まる光景はほとんど見られない。大型の乗用田植え機で植えるので、ほとんど人手は要らない。水田地帯だと8条植え。あっという間に終わってしまう。だから小昼飯もない。

田んぼや畑にいると、コロナのことなど忘れてしまう。人にも会わないから、密閉、密集、密接の三密とは無縁である。米や野菜、みそなどはあるので、日常の暮らしにそんなに影響はない。不要不急の外出自粛とやらで、外に出ることがなくなり、客も来ない。安全、安心な暮らし方をしている。よけいな金も使わなくて済む。

都会はその脆さが浮き彫りに

逆に、都会はその脆(もろ)さ、生活の危うさ、苦しさが浮き彫りになって見えてくる。田畑から家に戻り、テレビをつけるとコロナのニュースばかりだ。クラスター、オーバーシュート、ロックダウンなど、これまで聞いたことがない言葉にとまどい、安倍首相や小池東京都知事のうつろな言葉に付き合わされる。

休業、営業自粛に追い込まれた人たち。医療崩壊を防ぐために、懸命に医療現場を支えているスタッフたち。人通りが極端に減った観光地。それぞれ大変な苦労をしている。

戦後の日本は、農林漁業という人間の生活に不可欠な産業を切り捨て、経済成長を目指し、結果として首都圏などに人口が集中した。吉幾三ではないが、「俺あこんな村いやだ 東京へ出るだ~」だ。農村の過疎と都市の過密は背中合わせの現象である。

オリンピックが来年開かれるかどうかはわからないが、今回のコロナ騒動はいずれ収束する。しかし、歴史が教えてくれているように、また同じようなことが確実に起きる。

コロナウイルスは、安倍首相が言う「戦う、打ち勝つ、撲滅する」相手ではない。人類はたかだか20万年の歴史しかないが、ウイルスは4億年前に生まれている。そして忘れてならないのは、「人間は自然界に生かされている生物の1種にすぎず、自然の支配者ではない」ということだ。ウイルスとの共生、一極集中からの転換。そんなことを考えながら、田植え機を動かしていた。(元瓜連町長)

《食う寝る宇宙》61 デコポン型のベテルギウス復活

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【コラム・玉置晋】2019年の秋、「オリオン座のベテルギウスが減光している、超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)の兆候ではないか?」と話題になっていました(このコラム53参照)。年末になっても減光し続け、元の40%以下の明るさになってしまいました。これは肉眼でもはっきりわかるものでした。

もしも、642光年離れたベテルギウスで超新星爆発が起きたら、「私たちの生存も危ういのではないか?」という議論も起こりました(これに関しては、距離・時間的に、われわれは安全圏にいるという結論に達しています)。

さて、その後どうなったかというと、無事に元の光の強さに戻りました。めでたし、めでたし。ただ、ベテルギウスが星の寿命の末期にあることに変わりはなく、不安定な状態にあります。形状も球体ではなく、果物のデコポンのような異様なものになっております。

とはいえ、星の時間スケールと僕ら人間の時間スケールは全く違っていて、今後、数年から数10年内に爆発が起きるかどうかは、天文学者もわからないようです。

宇宙天気エンタメ

プライベートで所属する宇宙コミュニティーの中に、宇宙ロケットを女の子に模したゲームを開発している方(本業は弁護士さんなんですけどね)がいて、僕もオタク心をくすぐられて応援しています。

ゲームの中で、このベテルギウスの超新星爆発をストーリーに組み込もうという構想もありました。リリースに合わせて、ベテルギウスが爆発してくれれば、とても強力なネタになることを期待しましたが、惜しかった。

では代替案をどうするか? 「宇宙天気防災研究者」の僕としては、宇宙天気推しです。すでに宇宙天気に関連した女の子のキャラクター設定が進んでいるところで、ゴールデンウイークの早朝から「制服が宇宙天気と人間界をつなぐユーザインタフェースになる」とか、このサイトの読者さんの多くには理解し難い議論が行われています。

宇宙天気はすべての人が影響を受ける可能性があるにも関わらず、現状では想像の範囲外にあるため、自分事として受け止めるのは難しいと分析しています。宇宙分野全般に言えることですが、まずは入り口が必要です。解のひとつがエンターテインメントだと、僕のオタク心が囁(ささや)いています。(宇宙天気防災研究者)

つくば市消防士を傷害容疑で逮捕

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つくば市役所

つくば警察署は5月8日、つくば市消防本部北消防署筑波分署の男性消防士(24)を傷害の疑いで逮捕した。

同警察署によると男性消防士は7日午後10時20分ごろから同50分ごろ、つくば市内の自宅で、妻と口論となり、妻の着衣を引っ張ったり、タオルで首を絞めるなどして、妻の首に全治不詳の擦過傷を負わせた疑い。

妻から110番通報があった。同署によると男性消防士は容疑を否認しているという。

同市の植木利男消防長は「市民の皆さまの信頼を裏切り、多大なるご迷惑をお掛けしましたことを心から深くお詫びします。今後、事実関係を確認し厳正に対処して参ります」などとするコメントを発表した。

7月8日、市が戒告処分

つくば市は7月8日、男性消防士を戒告処分にしたと発表した。

市によると、妻の傷害程度は軽微で、消防士は不起訴処分となった。

市消防長は「本市消防職員が市民の皆様の信頼を裏切り、多大なる御迷惑をお掛けしましたことを、心から深くお詫び申し上げます。今後、市民の不信を招くような行為を厳に慎むよう、更に綱紀の保持を徹底させます」とするコメントを発表した。

《茨城鉄道物語》1 「品川開発」で常磐線の復権なるか

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常磐線特急ときわE657系=土浦市内

【コラム・塚本一也】以前、コラムを担当させていただきました塚本一也です。久しぶりの寄稿となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。今回は鉄道建築技術者としての経験から、茨城県の鉄道全般について広く論じてみたいと思います。

新型コロナウィルス問題の最中に、東京の鉄道網において、歴史的ともいえるビッグニュースがあった。3月14日の高輪ゲートウェイ駅の開業である。山手線の駅としては西日暮里駅以来49年ぶり、30番目の駅である。

皆さんは、地下鉄ネタの漫才が得意であった春日三球・照代さんを覚えておいでだろうか。お二人の漫才で、「山手線の駅はいくつあるか数えてみよう」というネタがあった。品川から時計回りに二人で数え始めて、見事に駅名をそらんじていくのだが、照代さんは田町で止めて、29駅だと主張する。

しかし、三球さんは品川をもう一度カウントして、30駅だと言い張るのである。なぜ品川を2回数えるかというと、「じゃあ田町と品川は線路がつながっていないんですか?」というのが落ちになっている。今、お二人がご健在ならば、今回の新駅開業についてどのようなネタを披露してくれるか、非常に楽しみであったが残念である(照代さんは1987年にご逝去)。

品川―茨城直結の優位性を活かせ

なぜ本コラム再登板の初回に高輪ゲートウェイ駅開業を取り上げたかというと、「いよいよ品川の時代がやってくるな」ということを申し上げたかったからである。

その品川駅に優等列車で乗り込んでいるのが、我が郷土の基幹路線ともいうべき常磐線である。本来であれば、隈研吾(くま けんご)設計の近未来型駅の提案がクローズアップされるはずであり、さらにはJR東日本による品川開発プロジェクトの幕開けが注目される予定であったが、全てが新型コロナ問題で吹き飛んでしまった。

品川開発構想に関しては、その計画があまりにも壮大すぎるため詳述を避けるが、将来的にJR東海のリニア新幹線の始発駅であったり、JR東日本が羽田アクセス線を開通させたりと、交通の結節点として益々重要度が増してくることは間違いない。

一昔前、北の玄関口と言えば上野駅であった。それが、上野東京ラインによって常磐線は悲願であった東京駅乗り入れを果たした。しかし、その延長線として品川を始発駅にしているということに関しては、沿線の関係者はあまり関心を持っていないように見受けられる。

品川~水戸間は乗り換えなしで最速80分である。一方、品川~宇都宮間、品川~高崎間は最速70分ではあるが、乗り換えが伴ってしまうという弱点がある。品川から茨城県へ直結しているという優位性を最大限に活かして、沿線の活性化につなげてもらいたいものである。(一級建築士)

つくばの蔵元 消毒用アルコールを発売

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濃度66%の消毒用アルコールを製造しつくば市に120本寄贈した浦里酒造店6代目の浦里知可良さん=8日、つくば市役所

【鈴木宏子】日本酒「霧筑波」の蔵元、浦里酒造店(つくば市吉沼、浦里浩司代表)が、消毒用アルコールの製造販売を始めた。市内の蔵元では初めて。アルコール濃度66%で、原液のまま手指消毒やドアノブの消毒などに利用できる。

新型コロナウイルスの感染拡大で消毒用アルコールが不足する中、国税庁が手指消毒用エタノールの代用品として、高濃度アルコールを製造する免許手続きを簡素化した。これを受けて同店は4月末に税務署の許可を受け、5月1日から製造を開始した。

95%の原料用アルコールに、ろ過した仕込み水を加えて瓶詰めした。7日までに3000リットル(720ミリリットル入り約4000本)を製造した。

「消毒に使えるアルコールはないか」という問い合わせが、同店に毎日のようにたくさん寄せられたことがきっかけという。業界の一員として社会貢献したいという思いだった。

8日には、つくば市に120本を寄贈した。五十嵐立青市長は「大切に使わせていただきたい」と話し、「保育所や高齢者介護施設、障害者施設などでアルコールが足りない、切れかかっているという声があるので、ニーズを見て配布していきたい」としている。

浦里酒造店6代目の知可良さん(28)は「コロナの感染拡大でいろいろな業態が苦労していると思う。地域の酒蔵として地域貢献できれば」と語る。近く県庁にも120本を寄贈する予定という。

◆価格は720ミリリットル1980円(消費税込)。同店などで購入できる。問い合わせは電話029-865-0032(同店)

《宍塚の里山》62  モニタリング調査で分かったこと

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宍塚の里山の中央にある宍塚大池

【コラム・及川ひろみ】環境省による里地里山調査は2005年に始まり、現在、4期目の調査を行っています。昨年11月には、2005~17年の調査報告書が、環境省と市民団体の間に立ち取りまとめを行う(公財)日本自然保護協会から発表されました。

この中で明らかになったことは、身近にごく普通に見られた生き物が急激に減少していることです。たとえばチョウでは、全体の約4割もの種が絶滅危惧の評価基準の一つである減少率(10年で30%)になっていることが明らかになりました。チョウ以外でも、野鳥、ノウサギ、テン、ホタル、ヤマアカガエルなど広い分野で、その傾向が見られました。

WWF(世界自然保護基金)の「生きている地球レポート2018」では、「過去40年間で野生生物の個体数が60%減少」と報告されています。また、2019年国際機関IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学―政策プラットフォーム)は、「100万種が絶滅の危機」という衝撃的なメッセージを出しました。日本自然保護協会の報告書も「普通種が危機的な状況」と述べています。

行政も里山保全に積極的関与を

里地里山は、原生的な自然と都市との中間に位置する里山が集落とそれを取り巻く2次林、 それらと混在する農地、ため池、草原などで構成されています。農林業などに伴う様々な人間の働きかけが、1000年以上にわたり持続的に行われてきました。人の手が加わり続けることで維持されてきた林、田んぼ、小川、ため池など多くの環境要素が集まり、日本の面積の40%を占めていると言われています。

しかし、農業も暮らしも里山に依存することが少なくなった近年、里山には人の手が入らず放置され、人との係わりが激減したことで里山特有の生物が減少し、レッドデーターとして扱われる種(植物55%、動物49%が里地里山に分布)が多く存在しています。調査では、里地里山がさらに住宅地などに変容していることで、身近な生き物の急減を招いていることが明らかになりました。

現在、各地で里地里山の保全活動が行われ、市民、行政、企業、研究者などが一体となって取り組んでいます。しかし、保全に関する国の予算は大変少なく、都市近郊では里地里山を公有地にすることも難しいのが現状です。当会では、公有地化とともに、行政も積極的に保全にかかわりを持つよう願い活動を続けています。(宍塚の自然と歴史の会代表)

4段階に分け規制と緩和 新型コロナで県が出口戦略

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茨城県庁

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大防止対策と社会・経済活動再開の判断について、大井川和彦知事は7日、県独自の出口戦略となる判断基準と対策指針を示した。

県内の医療提供体制や県内と東京都内の感染状況など6つの指標をもとに、4つの段階(ステージ)に分け感染拡大状況を判断する。その上で各段階ごとに外出自粛や休業要請、学校再開の対策指針を定める。

感染爆発・医療崩壊のリスクが高い「ステージ4」から、感染が抑制できている「ステージ1」まで4つの段階に分ける。現在は、感染が概ね抑制できている「ステージ2」の状況にあるが、最も厳しい「ステージ4」の対策をとっているとして、今後さらに1週間この状態が続けば、外出自粛や企業の休業要請、学校の休校などの対策を、現在のステージ4からステージ3、ステージ2へと段階的に緩和していくとした。

知事は茨城県の外出自粛要請と休業要請を17日まで延長するとしており、その後は14日の国の専門家会議を踏まえて15日に判断するとしていた(5月4日付け)。対策を緩和する場合は、18日からステージ3に移行する。その後も5月末まで2週間程度、引き続き感染を抑制できていれば、6月から次の段階のステージ2に移行することになる。

ステージ3でも5月末まで休校に変更なし

ステージ3に移行すると、現在出されている外出自粛要請は、一般の人は平日昼間の外出自粛が緩和される。ただし、週末や夜間の外出、東京圏への移動、大規模イベントへの参加は引き続き自粛を求める。感染すると重症化するリスクが高い概ね70歳以上の高齢者に対しては、引き続き平日昼間の外出自粛を求める。

休業要請はスナックやバー、カラオケボックス、ライブハウス、映画館、スポーツクラブ、パチンコ店、ゲームセンターなど3密が重なりやすい24業種に限定する。飲食店などの営業時間短縮は引き続き要請する。

学校は5月末まで休校することに変更はないが、3密を避けながら週1~2日程度の分散登校となる。

ステージ2なら週3~5日の分散登校

さらに感染抑制が続き6月からステージ2に移行できれば、一般の人の外出自粛要請は週末や夜間も緩和される。ただし東京圏への移動や大規模イベントへの参加は引き続き自粛を求める。高齢者には引き続き外出自粛を求める。

休業要請は濃厚接触が避けられない、感染経路がたどりにくい業種に限定し、スナックやバー、カラオケボックス、ライブハウスなど10業種にさらに限定する。

学校は週3~5日程度の分散登校とし、3コマ程度で授業を実施する。ただし部活動は実施せず、給食の提供もない。

学校については、4月初め時点では、再開や休校の判断を地域ごとに分けたが、今後は地域ごとに判断を分けると心理的な不安感が解消できないとして全県一律とする。

一方、休業要請が今後も続く業種に対する協力金の追加はないという。協力金は補償ではなくお礼だとして、持続化給付金や無利子無担保の融資制度、雇用調整金など国や県のさまざまなメニューを使って事業継続を図っていただきたいとした。

県立博物館、美術館は11日以降順次開館

政府が緊急事態宣言を5月末まで延長したのに合わせて基本的対処方針を改定し、徹底した感染防止対策をとることを条件に博物館や美術館、公園の利用制限を緩和したことを受けて、大井川知事はさらに、県つくば美術館など博物館、美術館7施設と、洞峰公園、霞ケ浦総合公園など屋外公園16施設について11日以降、順次、利用制限を緩和することも明らかにした。感染防止対策として、マスク着用、人と人の距離を2メートル確保、入館人数と時間制限、鑑賞ルート設定、受け付けや窓口にアクリル板設置などの対策を整えるという。

➡茨城県社会経済活動再開に向けた現状認識と考え方はこちら

自宅でできる健康維持運動を紹介 県立医療大生 外出自粛も介護予防に

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IPUHS運動を紹介する茨城県立医療大のパンフレット

【山崎実】新型コロナウイルス感染拡大防止の外出自粛が続く中、県立医療大学(阿見町、松村明学長)の学生有志が、自宅で簡単にできる健康維持運動(IPUHS運動)を考案した。

地元阿見町だけでなく、他地域の人も活用できるよう、大学のホームぺージにパンフレットと動画を公開している。

外出自粛要請から、高齢者がいわゆる「巣ごもり」状態にあることを知った学生たちは、活動量が減ることでフレイル(虚弱)や要介護のリスクが高まることを懸念。地域高齢者の介護予防に取り組んでいる経験を生かし、ゼミの教員に相談して理学療法、作業療法学科の協力の下、運動プログラムを考案した。

この試みはさらに、阿見町の事業として同大学で開催している介護予防教室で取り入れている運動を自宅でも出来るよう、動作を表したパンフレットと動画の作成に発展した。

町役場の協力もあり、町内回覧板の記事として添付されたほか、動画はDVDを作成し、介護予防教室の参加者に配布することにした。

IPUHS運動は、頭文字を取ると、I(いつでも)、P(ぱっと)、U(うちの中で)、H(1人で)、S(スッキリ)となる。

足踏み、膝伸ばし、かかと上げ、タオル絞り、壁を使った腕立て伏せ、ハーフスクワットなど10種類の運動を紹介。1日3回の運動を提唱している。

医療大学という専門分野の学生、教員による室内健康運動だけに、何のために、どの部分の筋力を強くする運動なのかを分かりやすく解説しているのも特徴だ。

◆問い合わせは県立医療大学(電話029-888-4000=代表)の理学療法学科、作業療法学科。

障害当事者の全国集会が中止 つくばで国連審査課題を検討予定も

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集会冊子の表紙に使う予定だった辻友紀子さんの挿絵(辻友紀子さん提供)

【川端舞】今月30、31日につくば国際会議場で開催予定だったDPI(障害者インターナショナル)日本会議の全国集会が、新型コロナの影響で中止になった。

DPIは、障害のある人の権利の保護と社会参加の機会平等を目的に活動をしている国際 NGO(非政府組織)で130カ国以上が加盟する。

同日本会議は日本の国内組織で、現在、全国で94の障害者団体が加盟している。毎年、各都道府県の加盟団体が持ち回りで全国集会を開催し、各地域特有の社会問題やその年に話題になっているテーマについて議論している。

2020年はターニングポイント

日本は2014年に障害者権利条約を批准し、16年に政府報告が国連に提出された。条約では、締約国は障害者の人権を保障するため、法律や規則などを修正するとされている。条約が適切に履行されているか、締約国は4年に一度、条約の監視機関である障害者権利委員会の審査を受けることになっていて、今年は日本が審査を受ける年だ。

そのため、今年の全国集会in茨城のテーマを「国連障害者権利条約初回審査へ―差別をなくし、みんなで生きていくべ」と題し、今年の審査のポイントや今後の日本の課題を検討する予定だった。

また、今年4月に県障害者権利条例「障害のある人もない人も共に歩み幸せに暮らすための茨城県づくり条例」の施行から5周年を迎えたため、条例に対する県内の取り組みの報告や、条例5周年を祝うパレードも行われる予定だった。

さらに、オリンピック・パラリンピックに向けての国内のバリアフリーの取り組みや、今年3月に被告に死刑判決が下された相模原障害者殺傷事件についても取り上げる計画もあった。様々な面からターニングポイントになるはずだった2020年に全国集会が開催できなくなったことに、県内の実行委員会のメンバーは肩を落としている。

今後の予定はまだ決まっていないが、再来年に改めて茨城県開催にできないか、DPI日本会議など関係団体で検討している。

《くずかごの唄》60 コロナの特効薬なしの現実

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令和のカッパ(左)と大正時代のカッパ

【コラム・奥井登美子】亭主は、製薬会社の研究所に勤めていたせいか、今でもメーカーの開発に関心がある。

「コロナ肺炎に、まだ決定的な特効薬がないのね」

「インフルエンザの時のタミフルみたいな薬、早く出てくるといいね」

「今、コロナにかかったら、処方箋に、何の薬が載るのかしら?」

「レムデシベルが効くという話。日本ではまだ許可されていない薬だから、アセトアミノフェンくらいしかないよ」

「大正8年のスペイン風邪の時はアスピリンしかなかったと、お母さんが笑っていたわ」

「100年たっても、まったく同じこと、繰り返している」

「コロナのワクチンが早くできるといいけれど、生物製剤だから時間がかかるし、困ったね」

何万年も前から続く人類とウイルスの闘い

彼の山岳会の友だちで福島の山に詳しい人がいて、時々連れて行ってくれる。茨城県のお隣の県なのに、福島に行くと、茨城では体験できない、何か不思議なものに会えるのだ。秋に行った時は、紅葉の下の無数の粘菌(ねんきん)に会うことができた。

福島市への途中、木地小屋(猪苗代町)の集落の中に岩が苔蒸(こけむ)している。近づいてみたら「蝉丸(せみまる)の墓」と書いてあった。本当だろうか。平安時代の「逢坂の人」の墓が福島にあるのがわからない。小野小町の墓がたくさんあるように、蝉丸の墓も日本中に散らばっているのだろうか。

百人一首の中の蝉丸の歌は、

「これやこのゆくもかえるも分かれてはしるもしらぬもおおさかのせき」

コロナ肺炎のウイルスがいつ収まってくれるのかわからない。人類とウイルスとの闘いは何万年も前から途切れなく続いている。平安時代も、大正時代も、そして現代も、知るも知らぬもが、薬の世界なのだ。

そこで「セミ丸」流の短歌を、薬剤師の「トミ丸」も一首。

 「これやこのゆくもかえるもウイルスは知るも知らぬもおおげさの咳」(薬剤師)