【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大防止対策と社会・経済活動再開の判断について、大井川和彦知事は7日、県独自の出口戦略となる判断基準と対策指針を示した。
県内の医療提供体制や県内と東京都内の感染状況など6つの指標をもとに、4つの段階(ステージ)に分け感染拡大状況を判断する。その上で各段階ごとに外出自粛や休業要請、学校再開の対策指針を定める。
感染爆発・医療崩壊のリスクが高い「ステージ4」から、感染が抑制できている「ステージ1」まで4つの段階に分ける。現在は、感染が概ね抑制できている「ステージ2」の状況にあるが、最も厳しい「ステージ4」の対策をとっているとして、今後さらに1週間この状態が続けば、外出自粛や企業の休業要請、学校の休校などの対策を、現在のステージ4からステージ3、ステージ2へと段階的に緩和していくとした。
知事は茨城県の外出自粛要請と休業要請を17日まで延長するとしており、その後は14日の国の専門家会議を踏まえて15日に判断するとしていた(5月4日付け)。対策を緩和する場合は、18日からステージ3に移行する。その後も5月末まで2週間程度、引き続き感染を抑制できていれば、6月から次の段階のステージ2に移行することになる。
ステージ3でも5月末まで休校に変更なし
ステージ3に移行すると、現在出されている外出自粛要請は、一般の人は平日昼間の外出自粛が緩和される。ただし、週末や夜間の外出、東京圏への移動、大規模イベントへの参加は引き続き自粛を求める。感染すると重症化するリスクが高い概ね70歳以上の高齢者に対しては、引き続き平日昼間の外出自粛を求める。
休業要請はスナックやバー、カラオケボックス、ライブハウス、映画館、スポーツクラブ、パチンコ店、ゲームセンターなど3密が重なりやすい24業種に限定する。飲食店などの営業時間短縮は引き続き要請する。
学校は5月末まで休校することに変更はないが、3密を避けながら週1~2日程度の分散登校となる。
ステージ2なら週3~5日の分散登校
さらに感染抑制が続き6月からステージ2に移行できれば、一般の人の外出自粛要請は週末や夜間も緩和される。ただし東京圏への移動や大規模イベントへの参加は引き続き自粛を求める。高齢者には引き続き外出自粛を求める。
休業要請は濃厚接触が避けられない、感染経路がたどりにくい業種に限定し、スナックやバー、カラオケボックス、ライブハウスなど10業種にさらに限定する。
学校は週3~5日程度の分散登校とし、3コマ程度で授業を実施する。ただし部活動は実施せず、給食の提供もない。
学校については、4月初め時点では、再開や休校の判断を地域ごとに分けたが、今後は地域ごとに判断を分けると心理的な不安感が解消できないとして全県一律とする。
一方、休業要請が今後も続く業種に対する協力金の追加はないという。協力金は補償ではなくお礼だとして、持続化給付金や無利子無担保の融資制度、雇用調整金など国や県のさまざまなメニューを使って事業継続を図っていただきたいとした。
県立博物館、美術館は11日以降順次開館
政府が緊急事態宣言を5月末まで延長したのに合わせて基本的対処方針を改定し、徹底した感染防止対策をとることを条件に博物館や美術館、公園の利用制限を緩和したことを受けて、大井川知事はさらに、県つくば美術館など博物館、美術館7施設と、洞峰公園、霞ケ浦総合公園など屋外公園16施設について11日以降、順次、利用制限を緩和することも明らかにした。感染防止対策として、マスク着用、人と人の距離を2メートル確保、入館人数と時間制限、鑑賞ルート設定、受け付けや窓口にアクリル板設置などの対策を整えるという。
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