月曜日, 4月 21, 2025
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天気予報《遊民通信》99

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【コラム・田口哲郎】

前略

最近、スマホで雨雲レーダーというもの使っています。現在地に雨雲が近づくとアラームで知らせてくれるというアプリです。10分刻みで予測をするのでとても精度の高い予報を受け取ることができます。私はいつも出かけるときに、このスマホの雨雲レーダーを見るようになりました。

このごろ天気予報の精度が上がっていますが、ふと昔の天気予報はどうだったのかと思います。雨雲レーダーにしろ、精度の高い例えば線状降水帯などの予報は気象衛星があるから可能なのでしょう。昔は衛星などなかったのですから、予測が大変だったと思いますし、精度もそれほど高くなかったと思われます。

空模様を見て、あるいは気圧を感じて、風向きや気温で、天気予報をする人、猫の毛の感じを見て予報する人もいましたね。いずれにしても、地上にいる人が五感を駆使して空を見るよりも、宇宙を飛んでいる衛星画像を見て俯瞰(ふかん)したほうがよりよく天気を予測できるというのは、当たり前と言えば当たり前なのですが、やはり天気は天の領域のものなのだなあという気がします。

予報が進化しても天気は変えられない

ここまで予測ができるようになったとしても、人間が天気を瞬時に変えることはできません。地球温暖化など長期的な変動の原因が人間の活動であることはあっても、今から2時間は晴れて欲しいので晴れに、とか日照り続きなので雨が降を降らせる、なんてことは不可能です。ここにもやはり天気は天の領域のことなのだなあと思わせられます。

茨城県南は筑波山が突出して高いですが、山がちな土地はあまりなく、平坦な地域だと思います。比較的災害は少ない印象ですが、線状降水帯などが発生し、短時間に大雨が降ると、河川の氾濫や土地の浸水が起こりますし、低くても崖崩れなどがある場合があります。

天の気によって地上が変えられてしまうことからしても、天気は天の領域のことなのだなあと思わされます。ごきげんよう。

草々

(散歩好きの文明批評家)

ジャズ、ロックなど51バンド集結 26、27日 つくば駅前で音楽祭

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音楽祭を主催する三浦一憲さん=メーンステージとなるつくばセンタービルモニュメントプラザ

まちかど音楽市場20周年

ジャズやロック、ブルースなど51バンド300人以上のミュージシャンが集結する音楽祭「キラバイ フェット・ド・ラ・ミュージック(Fēte de la musique)」が26、27日の2日間、つくば駅前の同市吾妻、つくばセンター広場で開催される。

まちかどに音楽が聞こえる街をつくろうと、2004年から同市内でボランティアによるライブイベントなどを開催してきた市民グループ「まちかど音楽市場」代表の三浦一憲さん(72)らが、20周年の意味合いを込め、音楽の素晴らしさを知ってもらおうとこれまでにない規模の音楽祭を開催する。

三浦さんが呼び掛けて14人で組織する実行委員会をつくり、入場無料で開催する。会場には同時に5つのステージを設ける。

魅力度最下位を逆さに

妖怪キラバイ(三浦さん提供)

「キラバイ」は、イバラキを逆さに読んだ言葉。茨城は2023年の魅力度ランキングで最下位の47位(24年は45位)だったが、逆さにすればナンバー1になるという意味で名付けたと三浦さん。茨城県の地図を逆さまにして、目と口を書いた妖怪「キラバイ」というキャラクターも作り、商標登録申請中だ。

5つのステージのうちメーンステージは、石のステージと呼ばれるモニュメントプラザになる。26日はロック&ジャズの6バンド、27日はジャズのビッグ・バンド6バンドが出演する。アメージングボイスとして国内のみならず海外からも歌唱力が賞賛されるaya Saekiや、2007年日本ジャズヴォーカル賞特別編奨励賞を受賞した星野由美子などが27日のメーンステージにビッグ・バンドのボーカルとして登場する。

ほかに市民参加型の地域ステージとして4つのテントにステージが設置される。つくば地域などの演奏者らによる「吉沼ステージ」、県西桜川地域による一般参加ジャズセッションなどが催される「桜川ビレッジステージ」、県南土浦地域による弾き語り系の「サケクラすのっぶ」とジャズ&ブルースと弾き語りの「土浦音レンコンステージ」の4ステージで、多くのミュージシャンが集結する。

特別参加として産業技術総合研究所人工知能研究センター・人間情報インタラクション研究部門が「リアル音楽と音楽AIの融合」をテーマに特別展示を行う。

以前つくばセンタービルで開催された音楽祭の様子(三浦さん提供)

三浦さんは「大人の音楽祭だが、子供たちにも音楽を聞いてもらうことで未来の音楽家や音楽ファンを育てたい」と話し、子供たちのためにぬり絵を用意するほか、チラシを当日持参すればキラバイシールをプレゼントする。

一方、企画が大きくなった分、資金が必要となる。クラウドファンディングも利用したが期待通り集まらず、現在もスポンサー集めに苦慮している。当日会場で活動資金の募集も呼び掛ける予定だ。

三浦さんは「茨城に音楽文化を根付かせ元気にしたいと音楽祭を始めた。今回初めての大きな音楽イベントなので、まずは楽しんでもらいたい」と話す。

第1回つくば中華フェスを同時開催

26、27日はつくばセンタービルで「第1回つくば中華フェス2024」を同時開催する。つくばの中華料理の名店など15店が一堂に会し屋台で中華グルメを提供する。本格獅子舞や変面ショーなどの中華文化も楽しめる。主催はつくば中華フェス実行委員会。(榎田智司)

◆音楽祭「キラバイ フェット・ド・ラ・ミュージック」は26日(土)、27日(日)いずれも午前11時~午後5時、つくば市吾妻1-10-1 つくばセンター広場で開催。問い合わせはメール(Miura.kuro1245@gmail.com=三浦さん)へ。

◆つくば中華フェスは26日(土)は午前11時~午後8時、27日は午前10時~午後7時、つくばセンター広場で開催。

受験競争さらに激化も県「定員増必要ない」 県立高校不足【アングルつくば市長選’24】中

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来年普通科が新設されるつくばサイエンス高校の学校説明会の様子=8月10日、つくば市谷田部

今つくば市の最大の課題の一つが、県立高校が不足している問題だ。人口が増え、子育て世帯が増加し、義務教育の小中学校などは市内のTX沿線地区に新たに7校が開校したにもかかわらず、市内の全日制県立高校の定員は中学卒業者数の6人に1人の枠しかない。市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)の調査によると、つくばの募集枠は水戸市の3分の1だ。

つくばに県立高校が不足している問題は、市民団体が2021年の市議会9月議会に出した請願をきっかけに顕在化した。以来3年間、市民団体と市選出県議、市などが一丸となって県に対し要望活動を続けてきた。にもかかわらず高校受験を控える中学3年生の受験環境は、3年前よりますます激化している。

これまでの県に対する要望活動の成果として、つくばサイエンス高校の定員が2学級80人増加、牛久栄進高校が1学級40人増加した。一方で、旧制一高に付属中が新設されたことで土浦一高の定員が2学級80人減、水海道一高が1学級40人減、下妻一高が1学級40人減となった。片や県の試算によると、つくば市の中学生は2024年から28年までに254人増え、24年から30年までに380人増える。

前提の算定方法を変更

来年度の県立高校募集定員の発表を前に、県教育庁は今月17日「県立高校の今後の募集学級数・募集定員の見込みを試算」と題する資料を明らかにした。その中で「中学校卒業者数の増加がみられるつくばエリアの状況」という項目を設け、「現時点では定員増が必要との判断には至ってない」とする方針を示した。

同資料によると、つくば市からの主な通学圏は、つくば市内の県立高校のほか、概ね片道1時間未満で通学ができる周辺市の県立高校となっている。このためつくば市の中学校卒業者数増加については、県内を12エリアに分けた「つくばTX沿線エリア」(つくば、つくばみらい、守谷、常総市、牛久市の一部など)とは別に、隣接している土浦市などの「県南北部エリア」の一部、下妻市などの「県西北東部エリア」の一部、牛久市などの「県南南部エリア」の一部を含めた7市17校(筑波、竹園、つくばサイエンス、並木中等、石下紫峰、水海道一、水海道二、伊奈、守谷、土浦一、土浦二、土浦三、土浦工業、牛久、牛久栄進、下妻一、下妻二)の入学状況を踏まえて検討するとした、

さらに、現在の推計では7市の中学校卒業者数が最大7043人となるのは2028年で、24年から180人増加する見込みだが。今年度の筑波高校、つくばサイエンス高校の欠員数の合計は194人で、中学校卒業者数だけで比較すれば現行の募集定員で足りる。魅力づくりにより筑波高とつくばサイエンス高の欠員が解消していくことを前提として28年の対象17校の入学見込みを推計したところ、2024年の募集定員の4120人に収まっている、その後は7市の中学卒業者数は減少が見込まれていることから、現時点では定員増が必要ではないーとの判断だ。背景には県全体で中学生が減少し続けていることがある。

県立高校の適正配置を考える前提として県は、県内を12エリアに分け、エリアごとに検討してきた。今回示された判断は、これまで前提としてきた県内12エリアとは別に、隣接市を含めた7市という新たなエリアを設けており、前提条件を変えるものだ。

これについて県教育庁高校教育改革推進室は「(今回示した判断は)12エリアを原則としベースとするが、エリアの実情を踏まえたもの」だとする。

校舎増築費負担提案に「費用の問題ではない」

つくば市が毎年行っている県に対する来年度予算編成要望が今年は9月5日に行われた。つくば市長は自身のSNSで、9月の予算要望の際「つくば市が既存の県立高校の校舎増築分の費用を市で負担することを提案した。例えば竹園高校を1学年2学級80名分増やすと、3学年で6学級分の建設費をつくば市で持つ」などと発信した。

市の新たな提案に対して県は「提案はあったが、そもそも費用の問題ではなく、現時点で実質的に定員増は必要ないという判断」だと、市の提案を一蹴する。

「事態は深刻に」

市民団体の片岡代表は「(県立高校が不足していることから)つくばでは県立中学を受験するために小学3、4年から塾に行くという状況になっており、その状況が今、土浦市などにも広がっている。事態は深刻になっている」と数字を示して指摘する。「この状況は社会的につくられたもの。個人の努力の問題ではない。社会が、県が、対応しなくてはならない」と話す。

県立高校が不足している問題をどうすべきなのか。▽市長選に立候補している五十嵐立青氏は「既存校の定員増を県に要望し、増設分の校舎の建設費は市で負担する提案をした。県立・私立高の誘致と県立高の定員増に向けた働き掛けをしていく」とする。▽星田弘司氏は「短期的には県立高校の募集定員増を県と交渉し、公立高校の誘致、県立高校の新設、市立高校の設置検討などあらゆる可能性を排除せずしっかり取り組む」とする。(鈴木宏子)

県立高校不足問題をめぐる最近の動き
2021年4月 県立土浦一高に付属中併設、定員減
2021年10月 市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」が市議会に出した県立高校新設や既存校の定員増などを求める意見書採択を求める請願が全会一致で採択
2022年4月 水海道一高、下妻一高に付属中新設、定員減
2022年12月 大井川和彦知事が県総合教育会議で「つくば市立高校をつくってはどうか」と発言
2022年12月 つくば市などへの県立高校の新設や既存校の定員増などを求める県議会請願が継続審査に
2023年4月 つくばサイエンス高を2学級増
2024年4月 牛久栄進高を1学級増、筑波高校に進学対応コースを1学級新設
2024年4月 つくば市が高校生に通学費補助など開始
2025年4月 つくばサイエンス高に普通科を3学級新設

まゆの花《写真だいすき》33

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田崎まゆ花。これはどうやって作っているのだろう、というのが、ボクの最初の素朴な疑問だった。撮影は筆者

【コラム・オダギ秀】写真を撮る仕事をしていると、さまざまなことを知ることができた。えっ、こんなことがあるのか、こんなものがあるのか、と。

まゆで作る花があり、美しいものだと知ったのも、そんな仕事を通じてだった。「まゆ」とは、かつて絹布を作っていた蚕(カイコ)という小さな生き物が作る生糸の材料となる小指の先ほどのもので、人間はそれをほどいて糸にし、絹布を織った。かつての日本は、その大産地であったが、現在はゼロに近い。

ある日、ボクはその蚕のまゆで作った「まゆの花」を目にし、その作者に取材を申し込んだ。その自宅にしばらく通い、たくさんの作品を見て、養蚕業のことや桑の木のこと、蚕のことを知った。現在は全国にも数えるほどとなった養蚕農家だが、かつては茨城にもそこここに桑畑があった。

一面の桑畑風景は珍しくなかった。桑の木は10数メートル高に育つそうだが、手の届く範囲に育てるのが当然だったから、現在、畑の隅などで高々と伸びている桑の木は、桑畑の名残なのかも知れない。かつては、土浦や茨城にも、養蚕を研究する公的機関があったが、その存在を覚えている人も少なくなった。

桑畑は一面に広がっていて、桑の木の畑とはそんなものだと思っていた。美しい農村の風景だった。

気が抜けないの

初めて訪ねた日、農家の主婦の彼女は自宅に見当たらない。しばらく待つと、やがて彼女は、桑の木を山のように背負って帰ってきた。柔らかい葉が茂った桑の木の枝先を、蚕の餌に採ってきたのだった。「毎日、2、3度ぐらい桑の葉をあげないと、間に合わないんです」と、案内された蚕室で彼女は笑った。

蚕室には、一面が白く見えるほど、芋虫のような蚕がうごめいていて、ザワザワという音が聞こえるほど桑の葉を食べていた。

桑の葉をむさぶるように食べる蚕たち。この蚕たちがまゆを作り、まゆがまゆの花となる。写真は筆者

ボクは、まゆの花を撮ることで蚕の生態や、桑の木のこと、養蚕業がいかに厳しいか、その現状も知った。いずれも、それでどうということもなかったが、人間が、生き物の命から多くのものを得、多くのことを学んできたことを自分に取り込むことができた。「生き物を育てているから、少しも気が抜けないの。子育てと同じね」と彼女は笑っていた。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

石破首相がつくば市内で応援演説 衆院選

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応援演説をする石破首相(中央)=23日午後、つくば市竹園

自民党総裁の石破茂首相が23日、つくば市竹園の大清水公園で衆院戦茨城6区に出馬している候補者の応援に立ち、裏金問題を念頭に「自由民主党はもう一度、謙虚に、誠実で、公正で、公平な政党として皆様に信を問う」などと訴えた。雨の中、同公園には支持者ら1000人余りが集まった。

会場では聴衆に金属探知機でのボディチェックと手荷物検査が実施され、演壇となる車両から聴衆まで50メートルほどの距離がとられた。会場を取り囲むように周囲の建物にも警察官が配置され警戒した。

会場に集まった支持者ら

石破首相は「こんなに離れたところからお話をするのは全く趣味ではない」と言い、「闇バイトでの強盗など、世の中は物騒になった。防犯対策を支援するなど、安心、安全な市民の暮らしを私たちは守っていく」と述べた。全国的な人口減少問題については「ものすごい勢いで人口が減っている。80年後には日本人は半分以下に、200年後には10分の1以下になる。そんな国を我々は残してはいけない」とし、経済的な不安から結婚や出産を諦めざるを得ない若者がいることを踏まえて、「望むなら結婚できるように若い人たちの賃金を上げていかなければいけない。お金は株主と経営者だけのものではない。労働分配率を上げ、額に汗して働く一人一人の人たちの給料を上げるなど、経済の形を変えていく」と訴えた。

また「地方が新しい日本をつくっていく、そういう地方創生を私たちは実現してきた」と話し、今年度の補正予算を、約13兆円だった2023年度を上回る規模にするという方針を示したことについて、「決してばらまきはしない。安心な日本、地方がつくる新しい国の形、そして、若者が安心して結婚し子育てができる日本、そういうものを全部含んだ補正予算を、私どもは次の国会でお願いをする」などと述べた。(柴田大輔)

市税収入 毎年平均10億円ずつ増加【アングルつくば市長選’24】上

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つくば市 TX開業後の人口と市税収入

つくば市長選が20日告示され27日投開票が行われる。市政の課題について3回にわたって連載する。1回目は市の財政を考える。

人口規模1.35倍に

つくば市の人口は2022年6月に25万人を突破、現在25万9000人超と増え続けている。県やUR都市機構などが地元地権者らの協力を得て2000年度から開始したつくばエクスプレス(TX)沿線の区画整理事業が進み、近年は国の低金利政策や住宅取得支援政策などに支えられた。TXが開業した05年の同市の人口が約19万1000人だったのと比べると約6万8000人増え、1.35倍増の人口規模になった。人口の伸びは国立社会保障・人口問題研究所の推計を上回るほどだ。

市内のTX沿線開発地区で最も早い2018年度に区画整理事業が完了し宅地などの販売が進んだ葛城地区(研究学園駅周辺)の人口は現在約2万人。計画人口2万5000人対し80%が居住する。同じ18年度に完了した萱丸地区(みどりの駅周辺)も計画人口2万1000人に対し77%の約1万6000人が居住。21年度に事業が完了した中根・金田台地区は8000人の計画に対し47%の約3770人が居住する。島名・福田坪地区(万博記念公園駅周辺)と上河原崎・中西地区は今年度、工事が終わり換地が実施される予定だ。市は20年改定の市未来構想で、あと24年間人口は増え続け2048年に約29万人にするという目標を掲げている。

7年連続不交付団体に

人口増と開発に伴って市民税と固定資産税など市税収入は年々増え、市の財政は今、かつてなく潤沢だ。2018年度から7年連続で、自分の税収だけで財政をまかなっていけるとされる不交付団体となっている。

2023年度決算によると市税収入は、市民税収入が約242億円、固定資産税収入が約226億円など計約511億9000万円。TX開業時の05年度の市税収入が計約338億2000万円だったのと比べると18年間で年間の約173億6700万円増と1.5倍に増えた。TX開業以降、毎年平均で約10億円ずつ、市の税収が増え続けてきた計算になる。

市税収入の増加に伴って市の財政規模も年々拡大、歳出決算額はTX開業時の05年度が587億だったのに対し、23年度は1125億9000万円と1.9倍に拡大した。23年度決算では、歳入から、歳出と翌年度への繰越を差し引いた剰余金である実質収支が40億8500万円あった。

市の2034年度までの中長期財政見通しによると、今後も2028年度まで毎年、市税収入が10億円ほど増え続け、その後も毎年数億円ずつの市税収増を見込んでいる。

補助費等2倍超に

では毎年10億円近く増え続けてきた市税収入をつくば市は近年、何に使ってきたのだろうか。「充当一般財源」という財政用語がある。使い道が特定されず自治体の裁量で使える市税収入などの一般財源を、自治体がどこに使ってきたのかを性質別に表した数値だ。

23年度決算で充当一般財源の性質別歳出を見ると、総額約642億円のうち最も多いのが市職員などの「人件費」で約183億円、次いで委託料や備品購入費などの「物件費」が約140億円、3番目は児童や高齢者、生活困窮者などの福祉や医療に必要な「扶助費」で76億円となる。

前市長時代の2015年度と23年度の決算を比べると、充当一般財源の歳出は全体で1.3倍に増加。性質別で金額の割合が最も増えたのは助成金や負担金、報償費などの「補助費等」(23年度は約63億円)で、2.07倍となった。補助費等の主な内訳は、県後期高齢者広域連合医療費負担金、つくバス運行負担金、保育士への処遇改善助成金など。今年度から新たに実施された高校生の通学定期代支援金・自転車通学支援金なども補助費となる。次いで増えているのが、道路や街路、教育施設、公園施設などの「維持補修費」(23年度は約8億6000万円)で2.03倍となっている。これに対し減っているのは特別会計や基金などへの「操出金」で0.68と3割超減少しているなどが特徴だ。

毎年増え続ける市民の税収を、どの政策に優先順位を付けては使うべきなのか。▽市長選に立候補している五十嵐立青氏は主な公約として①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉ーなどを掲げている。▽星田弘司氏は①地域産業支援とつくばブランドの発掘・確立・セールス②市民の命と生活、雇用を守り抜く③教育日本一の実現と徹底した子育て・女性支援ーなどを掲げている。(鈴木宏子)

クウォーター《短いおはなし》32

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イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】

勉強に疲れて顔を上げると、少女がいた。
夕暮れの図書館は、静寂に包まれている。
少女は、ブラインドから差し込む西陽(び)を避けながら、ゆっくり近づいてきた。
空いている席などいくらでもあるのに、僕の前に座って静かに微笑んだ
つやのある黒い髪に透き通るような白い肌、瞳は深い海のような碧(あお)だ。
ハーフだろうか。

「クウォーターよ」

心を読んだように、少女が言った。

「陽が沈むわ」

窓の外が淡い藍色に染まると、閉館を告げるチャイムが鳴った。

それから少女は、決まって夕暮れに現れた。勉強をするでもなく、ただ座ってほほ笑む。
僕たちは、少しずつ話すようになった。
名前はエマ。僕と同じ17歳で学校へは行っていない。
多くを語らないが、いつもどこか寂しげだ。
僕は青い瞳に見つめられるたびに、エマに魅かれていった。
すっかり陽が落ちた帰り道、エマが言った。

「家まで送ってくれる?」

僕はもちろん「いいよ」と言った。

エマの家は、図書館から少し離れた森の中にあった。
太陽も届かないような深い森は、日が暮れるとまるで闇の世界だ。
黒い壁と蔦(つた)で覆われたエマの家は、ただひとつの灯(あか)りもついていなかった。
母親はいないのだろうか。

「いるわ」

また心を読まれた。エマは、僕を家の中に招き入れた。

家の中は暗く、エマは頼りないランプの明かりで進んでいく。

「電気はつけないの?」

「母が嫌うから」

奥の扉を開けると階段があった。しかも地下に続いている。

「地下室があるの?」

「ええ、母は光に当たるといけない病気なの」

「病気?」

肌寒い地下室には、黒い箱がひとつ。ちょうど人がひとり入れるくらいの箱。
映画で見た西洋の棺桶(おけ)のようだ。
エマがふたを開けると、そこにはミイラのように痩せ細った女が寝ていた。

「母よ」。エマが言った。

黒い服で全身を隠し、青白い顔をしている。しかも、棺桶のような箱で眠っている。
おまけに光を嫌うなんて、まるで…。

「そう、吸血鬼よ」

エマが、また心を読んだ。

「おじいさまが吸血鬼なの。母はハーフだから、半分は吸血鬼。定期的に生き血を飲まなければ死んでしまうわ。それなのに母は、それを拒んだ。あくまでも人間にこだわったのよ。それで、こんな姿になってしまったの」

ランプの光が妖しく揺れた。

いつの間にかエマが僕の背後にぴたりと寄り添っている。
声をあげる間も与えられないまま、エマが僕の首筋に歯をあてた。
血を吸われている。エマの喉がコクリと音を立てた。
痛みは感じない。むしろ不思議な心地よささえ感じた。

「母のようにはなりたくないの」。エマが唇を離した。

「心配しないで。私はクウォーターだから、多くの生き血は必要ないの。ときどきこうして血を吸わせてくれれば、きれいなまま生き延びることができるの」

エマはそう言って、唇についた血を細い指で拭った。
その仕草(しぐさ)はため息が出るほど美しい。エマのためなら血を吸われても構わない。

「ありがとう」

また心を読まれた。
赤い唇で、彼女が笑った。

(作家)

9カ国42人が新たな一歩 日本つくば国際語学院で後期入学式 

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民族衣装などで入学式に臨む新入生一人一人に学生証を手渡す東郷治久理事長(右端)

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長兼校長)の後期入学式が22日、同市小野崎、つくば山水亭で開かれた。9カ国から来日した42人が、多様な民族衣装などに身を包み、新たな一歩を踏み出した。

新入生を代表して中国出身の牛鴻馬(ギュウ・コウマ)さん(22)があいさつし「日本は進学や就職のチャンスが多く、科学技術も世界のトップレベル。中国では植物学を学んでいた。日本語を十分学び、日本の発達した農業技術を学びたい」と語った。

新入生を代表してあいさつする中国出身の牛鴻馬さん

在校生を代表してミャンマー出身のショーン・ライ・ライ・ルィンさん(22)が歓迎のあいさつをし「学校生活は友人をつくり、さまざまな活動をする貴重な時間。日本の法律を守りながら楽しんでほしい。困ったことがあったら、この学校の先生や先輩に相談してください」と新入生に呼び掛けた。

東郷理事長は「この学校はたくさんの国の人が集まり、世界を小さくしたような場所。講師、職員、先輩を頼りながら、国際人となり、世界に羽ばたいていけるよう頑張ってほしい」と話した。

新入生の出身国はネパール、ミャンマー、中国、韓国、タイ、モンゴル、イラン、スリランカ、フィリピンの9カ国で、女子学生23人、男子が19人。前期入学に続き、ネパール出身者が最多となり約半数を占める。

今回入学式に臨んだ中国出身の肖茜(ショウ・セン)さん(26)は「日本に来ることが出来てうれしい。たくさん友達をつくり、日本語を学びながら看護の勉強をしていきたい」と抱負を語った。

入学式後は記念撮影会となり、全校生徒、新入生、最後は出身国別に撮影し、笑顔で交流を図っていた。(榎田智司)

全員で記念撮影をする新入生ら

「暮らしと直接つながるのが市政」市民が投票を呼び掛け つくば市長選・市議選

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つくば駅前で投票を呼びかけるグループのメンバーら

27日に投開票を迎えるつくば市長選・市議選への関心を広げようと、市民6人が市民グループ「つくばの未来をみんなでつくろう」を結成し、今月12日から毎週末につくば駅前で投票を呼び掛けている。併せて市長・市議選候補者アンケートを実施した。グループは、市内の大学関係者や自営業者、学生、性的マイノリティ当事者など、日頃から社会問題に関心を持ち活動する市民らだ。発起人の1人で同市天久保でブックカフェ「本と喫茶サッフォー」を営む山田亜紀子さん(50)は「自分たちの暮らしと直接つながるのが市政。地元の選挙を盛り上げ、投票率を上げたい」と思いを語る。

カラフルな電飾で彩られ「選挙に行こう」と書かれたメッセージボードや、手製のパネルを手にグループのメンバーらが「27日は選挙です。投票に行きましょう」と通行人に呼び掛ける。幼少期からつくばで育った山田さんは20数年間、都内に通勤してきた。退職して昨年、地元にブックカフェを開業した(23年9月18日付)。「市民の声を届けるのが市政。地元で仕事を始め、暮らしを送る中で、地元での活動がより大事だとより思うようになった」と話す。

候補者の公約を見ると(20日付)抽象的な言葉が多いと山田さんは感じる。「ふわっとしている言葉が多い。どんな意味なのか、一体何をするのかよくわからなかった」と話す。前回2020年の市長・市議選の投票率は51.6%。より自分の暮らしに近い市政への関心は決して高くはない。「(22年に市区部で)人口増加率が日本一になったつくばには、新しい住民がすごく増えている。都心に通勤する人も多く、つくばにいる時間が少なければ市政にまで関心が向かないかもしれない」と想像する。一方で、「自分が住んでいる場所の市長や市議会議員が、私たちの暮らしをどのように守ってくれるのか知ることは大切」だと話す。

手製のメッセージボード

立場異なるメンバ―で30項目出し合う

告示を前に立候補者を対象に実施したアンケートは、年齢や立場の異なるメンバーで意見を出し合い決めた。水道料金引き上げや議員報酬アップ、県立高校新設、上郷運動公園跡地利用などつくば市が抱える課題から、教育や福祉、ジェンダーといった暮らしに結びつく問題、安全保障などの国政につながる問題への意見など、幅広く30項目を設けた。今回立候補する48人の市長・市議選候補者のうち、事前に知ることができた39人に質問を投げ掛け、12人から回答を得た。

アンケートについて山田さんは「人権や暮らしの視点で質問した。市民が困っていること、市政として取り組んでもらいたいことがこれだけあると可視化させ、市民がチェックしてると候補者に知らせたかった」と言い、同時に市民には「声を届けることが必要。投票はその機会。自分の暮らしと政治はつながっている。より多くの人の選挙への関心につなげたい」と思いを語る。(柴田大輔)

新幹線の車窓に思う《続・平熱日記》168

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絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】新幹線の席は窓側派? 通路側派? 年を取ったせいかトイレに行くことを考えると、通路側の方が精神的にはよい。少し前まであった車内販売のお姉さんを呼び止めるのも、通路側にアドバンテージがあった。しかし、天気もいいのに発車と同時に早速日よけを下ろして眠りにつく方もいらっしゃるが、私は車窓に流れる景色を見るのが好きなので、あえて窓側の席を取ることもある。

今日は生まれ故郷山口県の徳山駅から茨城に戻る。ホームの目の前に広がる徳山港、コンビナートに別れを告げて、8時ののぞみ(人口十数万の地方都市にのぞみが停車する理由があるらしい)に乗る。あっという間に、広島、そして岡山、神戸、大阪。通過する駅や街ごとに、そこに住む友人知人の顔が浮かぶ。

京都駅のホームには相変わらず外国の観光客が多い。それから大津、琵琶湖辺りを過ぎると、私の好きな風景が現れる。それは、広がりのある大地と空の間に真っ白い雲が手の届きそうなところにぽかりぽかりと浮いている風景。恐らく地形のせいだろう。しばらくすると、これまた心引かれる伊吹山が見えてくる。この山の麓では大学の恩師が今も石を刻み続けておられる。

以前は旅の供といえば文庫本や週刊誌が定番だったけれども、今は新幹線にもWi-Fiがあるのでユーチューブで音楽を聴いてみる。「音楽は何を?」と聞かれていつも困るんだけど、それでも若かりし頃流行(はや)った曲など聞いていると、そのうちAIさんが見繕ってくれる曲が絶妙に車窓に車窓の景色とシンクロしていて、少しおセンチな気分にもなる。

それから、以前ならファン以外は目にすることのなかっただろうライブ映像やスタジオでの録音の様子なども流れてきて、これが結構よかったりして、自分が楽器などできないこともあって音楽のよさを再認識する。そういえば、友人のヒデちゃんとマサシさんのユニットがCDを作るというのでジャケットの絵を頼まれた。夏になる前のできごと。ある朝モノクロでササっと描いてみた。ふたりに見せたら気に入った様子だったので、原画を渡したのを思い出す。

リニア新幹線になったら?

今日、富士山は見えない。もう少ししたらトイレに行こうと思うが、隣の方が弁当を食べ始めてしまった。次に乗るときはやっぱり通路側だな。

今年で開業60年の新幹線。山陽新幹線が我が街を初めて走った日のことも覚えている。徳山から当初は6時間半かかったが、今は4時間半で東京に着く。スマホで映画や音楽、ゲームと、暇つぶしには事欠かなくなったものの、食堂車もなくなり弁当もお茶も売りに来ない。もはや席をくるりと回して向かい合わせにする光景も見なくなった。

と、品川に近づくが、品川ゲートウェイ駅ができたせいで線路わきのビル群が見えなくなってしまっていて、東京に帰って来た実感は薄れてしまった。やがて、ここはリニアの始発駅となるとか。リニアとはライン、つまり直線的という意味らしい。弁当食べる時間も車窓を眺める暇も、トイレに行くこともなさそうだ。(画家)

2氏の横顔 つくば市長選

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五十嵐立青氏(左)と星田弘司氏

つくば市長選が20日告示された。立候補を届け出た現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=の2氏の横顔を紹介する。

「時計の針が元に戻ること」警戒 五十嵐氏

五十嵐立青氏

2016年11月から市長を2期8年務めた。今回は3期目の4年(~2028年11月)に挑む選挙になる。当然のことだが、取材に対してはこの8年間の実績を強調する。「人口増加率が国内の一般市では1位となった。企業数は8年の間に1万2000人以上増え、1万8000人以上も雇用が増えた。税収も77億円増え、財政調整基金は2倍以上になった」。

ただ、「ほとんどの市民がつくば市の生活に満足しているかというと、まだそこまでに至っていない」とし、要望が多い課題として、①今の市営図書館とは別の場所に図書館を建てたい、②市内に地元物産などを販売する道の駅を設置したい、③企業進出を促すため産業用地を確保したい、④県立高の定員不足を解消するために県立高の増築に市から資金を提供したい―などを挙げた。

五十嵐氏は市長になる前のつくば市のことを「市民無視の政治」と定義し、この8年の間にそういった政治は変わってきたとしながらも、「時計の針が元に戻る」ことを警戒する。この辺が3期目出馬の最大の理由のようだ。

プライベートなことを聞くと、「霞ケ関で働いていた妻が県北の森林組合に転職し、今、平日はそこで木こりをしている。週末には市内梅園の自宅に帰ってくるが、平日は同居中の3人の子どもに私が食事を作っている」。「得意料理は肉ジャガとカレー。といっても、某メーカーの自動調理鍋に材料を並べて、スイッチを入れるだけだから簡単」と、笑った。

筑波大学を卒業した後、英ロンドン大学に修士留学。帰国後、コーチングオフィスなどを運営しながら、つくば市議を2期務め、8年前、市長に当選した。好きな言葉は「和して同ぜず」。「(後援者などと)ウェットな関係性を維持しながらもドライな決断をする」意味という。尊敬する人物は、映画「独裁者」で「政治家以上に政治的な影響を世に与えた」喜劇俳優C・チャップリン。46歳。

「市民の声が市長に届いてない」 星田氏

星田弘司氏

つくば市議2期6年、県会議員4期14年、都合20年の議員経験を踏まえ、つくば市長に立候補した。実は4年前にも市長選への出馬を考えていた。ところが、コロナ禍の中で思うように選挙運動ができないだろうと判断して見送った。今回は満を持しての出馬といえる。挑戦者だから当然だが、2期8年の五十嵐市政の問題点を鋭く指摘する。

インタビューでは「県議としての活動の中で、市内各地の皆さんから意見を聞いてきたが、市民の声が市長に届いていない。TX駅の周辺はともかく、周辺地域の市民からは、インフラなどの整備が不十分との声が強い」と述べた。

また、五十嵐市政と県の連携が不十分な例として、県営洞峰公園の市営化を挙げた。市長と知事とのコミュニケーション不足によって公園管理権が市に移管され、市に新たな維持運営負担が発生したと指摘する。県や国や周辺市と連携しながら、「市のブランド力やポテンシャル力を生かす市政運営」が基本キャッチフレーズ。選挙広報用チラシには、大井川知事と握手している写真を大きくあしらっている。

プライベートなことを聞くと、「中高で野球をやっていたので、野球が大好き。車にはバットが積んであり、いつでも打てる」。「今一番楽しいのは、高校で野球をやっている次男のプレイを見ること。自分が野球をしていたころの写真は1枚しか残っていないが、休みの日に次男の練習をのぞくに行き、写真をバチバチ撮っている」と、笑った。 

東海大学体育学部卒。小学生時の体育の先生(日本体育大卒)にあこがれ、自分も体育の先生になろうと思った。卒業後、英シェフィールド・ハラム大学・大学院に留学、「観光マネージメント」を学ぶ。帰国後、父が経営していた星田建設(つくば市西大沼)で働き、市議をしていた父の早世に伴い、そのポジションを継承した。現在は実の兄が社長をしている建設会社の社員。50歳。

開幕ホーム6連戦は2勝4敗 茨城ロボッツ

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チェハーレス・タプスコットは9得点4アシスト(撮影/高橋浩一)

男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは19、20日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。19日は84-77で勝利し、20日は77-105で敗れた。2024-25シーズンは10月3日に開幕、茨城はホーム6連戦を終え通算成績は2勝4敗で東地区5位。次節は23日、広島県立総合体育館(広島市)で広島ドラゴンフライズと対戦する。

2024-25 B1リーグ戦(10月20日、アダストリアみとアリーナ)
茨城ロボッツ 77-105 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
茨城|12|20|18|27|=78
名古屋|26|26|28|25|=105

持ち味のアグレッシブさを見せた新加入の駒沢

茨城は昨季西地区優勝の名古屋Dに対し、19日は速攻で流れをつかみ、リバウンドで粘って勝利を収めた。だが20日は相手の高い修正能力の前に、後手に回った。「今日(20日)名古屋は自分たちに対ししっかりと準備し、40分間ずっと守備のプレッシャーをかけ続け、自分たちのリズムで攻撃させてもらえなかった」とクリス・ホルムヘッドコーチ(HC)。また平尾充庸主将も「出だしから名古屋のハードなディフェンスに面食らってしまった。特にリバウンドではオフェンスとディフェンスで合計41本を取られ、セカンドチャンスも多くつくられた」と話した。スターティングメンバーの一人、駒沢颯は「試合開始から相手のプレッシャーが昨日とは違い、弱気なプレーをしたりして悪い流れを作り、相手に走らせてしまった」と反省を口にした。

気迫のこもったプレーで17得点の長谷川

懸命に追い駆ける茨城だが、名古屋Dはそれを上回るペースで得点を伸ばしていく。茨城はファウルも多く取られ、そこからのフリースローでさらに失点がかさんだ。「審判の笛は昨日から厳しかったので注意していたが、高さのある相手にどうしてもファウルが増えてしまった」とホルムHC。

そうした中で、気持ちのこもったプレーも多く見られた。長谷川暢はドライブや3点シュートでチームに勢いを付け、ロバート・フランクスはインサイドとアウトサイドの両方で強さを発揮、両チームトップの26得点を叩き出した。駒沢は第4クオーターでは3点シュートを立て続けに2本決めるなど、それまでとは打って変わったアグレッシブな攻撃を見せた。「思い切りやれと言われ、チャレンジする気持ちを取り戻し、自分の長所を生かしたプレーができた」と振り返っている。

第3Q、フランクスが速攻からワンハンドダンクを決める

前節の千葉ジェッツ戦も今節も、強豪と呼ばれる相手に1つは勝つことができた。これを2つに伸ばしていけるかどうかが成長へのカギとなる。「強い相手は1つ負けても次は必ず修正してくる。2日間いい試合をしたい」とフランクスは言う。またホルムHCは「どんなスポーツでも強いチームは守備が良い。それを40分ではなく(2試合分の)80分間できるようにすることが、自分たちの次のステップ」と目標に据えた。(池田充雄)

第4Q、平尾が3点シュートを放つ

つくば市長選の広報チラシを読む《吾妻カガミ》194

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】選挙運動では立候補者の実績や施策を広報(PR)するチラシが必須アイテムになる。進行中のつくば市長選で配られた2候補のチラシを入手、ざっと読んでみた。結論を先に言ってしまうと、3期目に挑む五十嵐立青さんはPRがなかなか上手で、県議から転じる星田弘司さんは総花的な構成になっている。

人口増加率1位:市政を再起動

五十嵐さんのチラシは、1ページ目の「人口増加率日本一」が目立つ。その下には、この2期8年の間に、企業立地が1275社、市内雇用が1万8594人、税収が77億円、それぞれ増えたとの惹句(じゃっく)が並ぶ。

多分、この記述は正しいのだろう。しかし、これらは五十嵐市政の成果なのだろうか? 国主導で造られた研究学園都市に、県主導で造られたTXが通じ、これは便利だと東京から企業と人が移り、それがコロナ禍で加速された。こういった流れの結果だろう。

一方、トップに「つくばで市政を再起動」を掲げる星田さんのチラシは総花的だ。①つくばブランドの確立、②市民の生活・雇用を守り抜く、③「教育日本一」の実現、④行財政改革で「筋肉質な市政」へ、⑤国や県との連携強化―と、5つの柱を立てているものの、何が力点なのかよく見えない。

「教育日本一」の目玉であるはずの公立高新設についても、小項目で「県と連携した県立高校問題の課題解決」と触れるにとどまった。挑戦を受ける現職者が使うような地味な表現といえる。

今、つくば市役所にある危機

市長選2候補のチラシに比べ、市長選に出るか悩んだ末に(コラム190参照)市議選の方を選択した元研究者のチラシは、つくば市政の問題点を突いている。

夏場に配られたものは、「今、市役所にある危機をご存知ですか?」で始まる。つくば市の職員数と人件費は他市よりも2割も多く、しかも管理職だらけで現場職員が少ない、という内容だ。内部告発で露見した不祥事(役所内の緩み)もこの辺に遠因があるのだろう。星田さんがこの問題を正面から取り上げないのは、挑戦者としての政治センスが疑われる。

元研究者の直近のチラシには、五十嵐さんのPR上手を取り上げた記述もあった。市民の税金を使って編集・印刷・配布する「市報」と「かわら版」をうまく使い分け、市民を情報操作しているという指摘だ。選挙PRも市政PRの延長上の市民操作なのだろう。

市議2期+市長2期の五十嵐さんはPR手法に長けている。本欄ではそのポピュリズム(市民受け狙い)手法を何度も取り上げてきた。市議2期+県議4期の星田さんは地域をコツコツ回る政治家だ。どちらが勝つにしても、市政を監視する議会に元研究者が殴り込みをかける構図は面白い。(経済ジャーナリスト)

波乱含みの同日選へ、いざ つくば市長選一騎打ちに

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つくば市長選の出陣式会場に集まった支持者たち」

20日告示されたつくば市長選は、現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=が立候補し、現職と新人の一騎打ちになった。五十嵐氏は同市小野崎のホテル東雲で、星田氏は同市さくらの森のショッピングセンターで、いずれも午後3時から支持者を集めて出陣式を開いた。

五十嵐立青氏

五十嵐氏の出陣式には立憲民主党の青山大人前衆院議員、小沼巧、堂込麻紀子参院議員、長田麻美、ヘイズジョン県議、県内の市町村議員の他、同日告示された市議選の立候補者14人らが駆けつけた。青山氏は五十嵐氏の支援者に向けて「8年間の実績と成し遂げたい理念を1人でも多くの方に伝えてほしい」と呼び掛けた。

五十嵐氏は、2期8年間の市政で達成した「待機児童ゼロ」「全ての小中・義務教育学校に設置した校内フリースクール」「医療福祉費支給制度の拡大」などの福祉政策をはじめ、増加した企業や雇用、税収、日本一となった人口増加率などの実績を強調。「このような変化を生み出せたのは皆様のおかげ」とし、「困っている人、弱い立場にある人、困難な状況にある人のためにこそ政治は必要」と述べると、新たに掲げる99項目の公約に触れながら、「多くの政策が、教育、子育て、福祉。何があっても私がつくば市長としてこの仕事を続けなければいけない」と支持を訴えた。

星田弘司氏

星田氏の出陣式には、自民党の国光あやの前衆院議員、上月良祐、加藤明良参院議員、いばらき自民党の県議団や県内の市町村議員など総勢78人の議員らが駆け付けたほか、同日告示された市議選の立候補者ら12人が集まり、国光氏は「星田さんと一緒につくばを変えたい」などと訴えた。

星田氏は「地域の皆さんのどんな相談でも対応した現場主義が私の政治活動の源になっている」と話し、「つくば市の周辺市町村では、さまざまなプロジェクトが実現している。裏にはリーダーが皆、汗をかいて努力していることがある。私はトップセールスをして、これまで逸してきたチャンスをものにして、国、県、市との連携を再構築し、さらなる発展を目指したい」と述べ、さらに「各地域をくまなく歩き、特に周辺地域では『市民の声がつながる市政を実現してくれよ』という悲痛な声がたくさん寄せられた。現実に立って、市民の声をしっかり実現できるつくば市を目指していきたい」などと訴え支持を求めた。

つくば市長選告示2氏が届け出 市議選には18人超の46氏

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告示日を迎え、候補者のポスター張りが進む

任期満了に伴うつくば市長選と同市議選(定数28)が20日告示された。市長選には現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=の2氏が立候補を届け出た。

市議選には46人が立候補、定数18人オーバーの超激戦となった。内訳は現職が19人、新人が27人。政党別は自民1人、公明3人、共産3人、市民ネット4人、無所属35人。4年前の市議選は、定数28に対して13人超の41人が立候補し、投票率は51.6%だった。

衆院選と同日の27日投開票

投票は衆院選と同じ27日に市内76カ所で行われ、即日開票される。有権者数は19万9156人(14日現在)で、前回の2020年より約1万2000人増えている。

期日前投票は21日から26日まで。▽市役所2階防災会議室(投票時間は午前8時30分から午後8時)▽市民ホールつくばね(午前9時から午後7時)▽大穂交流センター(同)▽豊里窓口センター(同)▽市民ホールやたべ(同)▽桜総合体育館 会議室(同)▽茎崎保健センター(同)▽つくば市民センター(午前9時から午後8時)▽イオンモールつくば 3階イオンホール(午前10時から午後7時)▽イーアスつくば2階 イーアスホールC(同)、▽筑波大学中央図書館集会室(午前10時から午後7時)の10カ所で行われる。

【つくば市長選立候補者】届け出順

五十嵐立青氏


五十嵐 立青(いがらし・たつお)46 市長 無現②
【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。つくば市長。つくば観光コンベンション協会会長。いがらしコーチングオフィス代表。茨城パラスポーツ協会理事。元・NPO法人つくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住
【公約】①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉

星田弘司氏

星田 こうじ(ほしだ・こうじ)50 自新
【略歴】明治大公共政策大学院ガバナンス研究科修了。星田建設工業社員。茨城県パワーリフティング協会会長。茨城県行政書士会顧問。茨城県建設業協会顧問。元・つくば市議会議員。元・茨城県議会議員。つくば市出身。西大沼在住
【公約】①地域産業支援と「つくばブランド」の発掘・確立・セールス②市民の命と生活、雇用を守り抜く③「教育日本一」の実現と徹底した「子育て・女性支援」

【つくば市議選立候補者】(定数28)届け出順
篠内 幸代 46 公新 小野川
川村 直子 52 市現 花園
渡辺 峰子 55 公新 高見原
田代  優 33 無新 学園の森
薮下(鎌田)典子 49 無新 上横場
齊藤 新吾 49 無新 吾妻
飯岡 宏之 62 無現 上野
小村 政文 30 無現 花畑
広石 恒生 57 無新 牧園
桜井 裕基 41 無新 玉取
野崎 裕二 37 無新 竹園
田島 由紀 39 無新 横町
小森谷佐弥香 50 市現 研究学園
黒田 健祐 43 無現 東平塚
高野 文男 61 無現 上岩崎
五頭 泰誠 56 無現 吉瀬
青木 真矢 45 無新 島名
樋口 裕大 36 無新 みどりの南
木村 修寿 70 無現 島名
恩田  肇 61 無新 桜が丘
川久保皆実 38 無現 松代
市原 琢己 32 無新 吾妻
川田 青星 25 市新 高見原
神谷 大蔵 51 無現 沼田
佐藤せつ子 71 共新 上ノ室
藤木  潤 44 無新 横町
木村 芳美 61 無新 西高野
榊原アリーゼ 29 無新 中根
金岡  誠 38 無新 学園の森
砂坂 善成 73 無新 みどりの
長塚 俊宏 62 無現 谷田部
荘司 信之 49 無新 松栄
浅野英公子 63 市現 吾妻
小久保貴史 51 無現 小田
梅沢 尊信 41 公新 君島
塚本 洋二 52 自現 花畑
酒井  泉 75 無新 上境
木村 清隆 60 無現 上郷
中村 重雄 54 無現 谷田部
山中 真弓 46 共現 上ノ室
伊藤 文弥 36 無新 並木
橋本けい子 70 共現 自由が丘
塩田  尚 74 無現 真瀬
加藤  豊 62 無新 東光台
黒崎  博 42 無新 緑が丘
山崎 健介 49 無新 梅園
 ※政党名は自=自民 公=公明 共=共産 市=市民ネット、無=無所属

【つくば市議選立候補者一覧】

届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

篠内 幸代(しのうち・さちよ)46 政党役員 公新
【略歴】創価大教育学部卒。公明党副支部長。元・美浦村立大谷小非常勤講師。元・つくば市立谷田部東中学校サポーター。つくば市出身。小野川在住
【公約】①幼児期の発達相談体制・多様な学び・学校教員への支援体制の充実②帯状疱疹ワクチンの公費助成③高齢者のゴミ出し等の生活支援

川村 直子(かわむら・なおこ)52 社会福祉士 市民ネット現①
【略歴】日本福祉大社会福祉学部卒。つくば市議会議員。元・日本聖公会名古屋学生青年センター主事。新潟市出身。花園在住
【公約】①LGBTQ等生きづらい人が自分らしく生きられる地域づくり②あらゆる場面でのジェンダー平等推進③気候危機対策の積極的推進

渡辺 峰子(わたなべ・みねこ)55 政党役員 公新
【略歴】東京スチュワーデス専門学校卒。公明党つくば支部副支部長。元・味の素勤務。元・つくば市立高崎幼稚園勤務。元・ママMATE社。美浦村市出身。高見原在住
【公約】①ワークライフバランスにおける支援政策を推進②防災減災対策を徹底し、安心安全な地域づくり③車がなくても困らない街づくり

田代  優(たしろ・ゆう)33 飲食店職員 無新
【略歴】聖徳大学附属聖徳高校卒。麺屋こうじ。龍ケ崎市出身。学園の森在住
【公約】①教育環境の充実(給食無償化、病児保育の強化)②安全なまちづくり(通学路整備、親子防災)③優しい地域のつながりづくり

薮下(鎌田)典子(やぶした・のりこ)49 健康支援業役員 無新
【略歴】筑波大大学院博士課程体育科学研究科修了。THF取締役。日本リハビリテーション学会会長。NPO日本介護予防協会理事。NPO法人まる理事。元・医療法人八千代会八千代病院。愛知県知多市出身。上横場在住
【公約】①ITによる介護・認知症予防システム整備②障がい者・退職者の学びたい・働きたいを叶える仕組みづくり③多世代交流ハウス整備

斉藤 新吾(さいとう・しんご)49 障害者福祉法人理事長 無新
【略歴】筑波大日本語日本文化学類中退。NPO法人サラダボール理事長。青森県弘前市出身。吾妻在住
【公約】①早朝延長保育の拡充②気候変動対策と健康維持のために、学校、既存住宅の断熱化③インクルーシブ社会、ジェンダー平等の実現

飯岡 宏之(いいおか・ひろゆき)62 建設会社職員 無現⑥
【略歴】日大理工学部卒。飯岡建設。元・アイ・エヌ・エー筑波研究所。元・筑波学園企画 つくば市出身。上野在住
【公約】①周辺部と中心部との格差是正②子育て支援の施策に力を注ぎ好循環なまちづくり③緊急通報システム事業の拡大

小村 政文(こむら・まさふみ)30 観光業 無現①
【略歴】筑波大生物資源学類卒。勝手につくば大使。北海道網走市出身。花畑在住
【公約】①子育て当事者として、産みやすい・育てやすいまちを推進②議会の情報を分かりやすく見える化③筑波大学の存在を活かし、スポーツでつくばを盛り上げる

広石 恒生(ひろいし・こうせい)57 運送会社職員 無新
【略歴】中央大法学部政治学科卒。運送会社会社員。千葉県君津市出身。牧園在住
【公約】①無花粉杉の苗木生産を推進②芝生生産からの転作を支援③アクアポニックス(陸上養殖と水耕栽培を一緒に行う)の推進

桜井 裕基(さくらい・ゆうき)41 飲食店経営 無新
【略歴】県立土浦第三高卒。飲食店経営。橋梁点検会社役員。つくば市出身。玉取在住
【公約】①市の公共事業で地元企業を優先的に選定し活性化②市民相談窓口をもっと身近に③特産物や観光資源がある周辺地域の活性化

野崎 裕二(のざき・ゆうじ)37 大学客員教授 無新
【略歴】東京工業大理工学研究科修了。電気通信大人工知能先端研究センター客員教授。元・日本電気。元・東京工業大精密工学研究室。千葉県千葉市出身。竹園在住
【公約】①科学的な政策議論の推進と行政の透明化②子育て世帯の支援と大学生への給付型奨学金③高齢者の予防医療の促進と運転支援措置の助成

田島 由紀(たじま・ゆき)39 政党員 無新
【略歴】国際航空専門学校卒。日本維新の会。元・マリーナ産業。元・ワーキングリンク。元・アサンテ。千葉県野田市出身。横町在住
【公約】①塾や習い事の助成制度の拡充②介護を受ける側、する側の経済的負担を軽減するための助成制度の実現③誰もが安心して相談できる場を設けたい

小森谷佐弥香(こもりや・さやか)50 薬剤師 市民ネット現②
【略歴】富山医科薬科大薬学部卒。保険薬局薬剤師。元・製薬会社MR(医薬情報担当者)勤務。群馬県前橋市出身。研究学園在住
【公約】①情報公開と市民参加をもう一歩前へ②人間にも環境にも健康的なまち つくばへ③TX沿線に市民が集える居場所を

黒田 健祐(くろだ・けんすけ)43 元会社員 無現③
【略歴】学習院大文学部哲学科卒。つくば市議会議員。元・ネクシィーズ(派遣元フルキャストグループ)、元・シティバンク(派遣元グッドウィルグループ)、元・アンパス勤務。つくば市出身。東平塚在住
【公約】①定住促進(選ばれるまちづくり)②産業創出(強いまちづくり)を進める③持続可能な発展と財政力を維持し、住民福祉の向上に努める(住み続けたいまちづくり)

高野 文男(たかの・ふみお)61 損害保険代理店代表 無現②
【略歴】県立藤代高卒。損害保険代理店代表。牛久茎崎ライオンズクラブ監査。つくば中央倫理法人会相談役。くきざき夢まつり実行委員長。つくば市出身。上岩崎在住
【公約】①子育て支援と教育環境の整備②防災・災害対応に充実した街づくり③農業環境の充実と新たなる産業の創出

五頭 泰誠(ごとう・やすまさ)56 建設業 無現③
【略歴】つくば市議会議員。保護司。五頭産業。元・つくば市産業育成協議会代表理事。元・つくば秀英高校PTA会長。元・土浦三高PTA理事長。栃木県小山市出身。吉瀬在住。
【公約】①スマートICによる周辺道路の整備②河川敷に新たなグランド整備③犬と共存共栄の地域づくり

青木 真矢(あおき・しんや)45 農業団体代表 無新 
【略歴】京都芸大情報デザイン学科卒。アオニサイファーム代表。ワニナルプロジェクト。ファストユニオン。EAT and kamiGo実行委員会代表。京都府京田辺市出身。島名在住
【公約】①市民全員が住みやすい環境を整備する②観光を通じて街を盛り上げる③幅広い世代が輝ける街にする

樋口 裕大(ひぐち・ゆうだい)36 ファイナンシャルプランナー 無新
【略歴】敬愛大学国際学部卒。Doitプランニング社ファイナンシャルプランナー。千葉市出身。みどりの南在住
【公約】①高校進学の不安を解消します②こどもたちの安心・安全の確保③みんなが主役の居場所作り

木村 修寿(きむら・しゅうじ)70 元つくば市役所職員 無現③
【略歴】土浦日大高校卒。つくば市議会議員。つくば市島名地区まちづくり協議会会長。つくば市保護司。つくば市・福田坪区画整理審議会委員。総務文教常任委員長。元・谷田部町役場職員。元・つくば市役所職員。つくば市出身。島名在住
【公約】①香取台・みどりの・研究学園地区へ地域交流センターの整備②高齢者・障害者福祉の充実③圏央道地域への道の駅の整備

恩田 肇(おんだ・はじめ)61 中学校非常勤講師 無新
【略歴】法政大文学部第二部英文学科卒。常総市立水海道中学校夜間学級非常勤講師。元・吾妻中学校校内フリースクール支援員。元・西佐倉印西病院デイケア精神保健福祉員 つくば市出身。桜が丘在住
【公約】①公立学校給食費無料化、35人学級早期実現②会計年度任用職員、弁護士・保育士の処遇改善③水海道中学校夜間学級通学者交通費補助

川久保皆実(かわくぼ・みなみ)38 弁護士 無現①
【略歴】東京大法学部政治学研究科修了。つくば市議会議員。弁護士。シンプルウェイ取締役。つくば市出身。松代在住
【公約】①子育て支援を中心とした政策20件の実現②各政策の進歩状況の徹底的な見える化③子育て目安箱・ごみ拾い交流会を通じた広聴

市原 琢己(いちはら・たくみ)32 医師 無新
【略歴】東京医科大医学部卒。医療法人健佑会理事長。つくば医師会理事。社会福祉法人健誠会理事。つくば市出身。吾妻在住
【公約】①教育日本一のつくば②もっと住みたくなるつくば③医療DX化を推進し、安心な街つくばを目指す

川田 青星(かわだ・あおる)25 政治団体運営委員 市民ネット新
【略歴】日本大法学部卒。つくば・市民ネットワーク運営委員。元・県内金融機関勤務。つくば市出身。高見原在住
【公約】①相談体制の拡充をはじめ、子育て支援を強化②周辺地域のまちづくりを活性化
③子ども一人ひとりの多様な学びを実現

神谷 大蔵(かみや・だいぞう)51 卸販売業社長 無現③
【略歴】霞ケ浦高校卒。つくば観光コンベンション協会副理事長。筑波山地域ジオパーク推進委員会委員長。つくばフェスティバル実行委員会委員長。筑波物産代表取締役。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。沼田在住
【公約】①災害や危険に強い街づくり②誇れる周辺地域の街づくり③子どもや高齢者が明るく元気に暮らせる街づくり

佐藤せつ子(さとう・せつこ)71 政党役員 共新
【略歴】県立水海道一高卒。日本共産党茨城県南部地区委員。元・日産自動車勤務。元・国立公害研究所勤務。元・無認可まつぼっくり保育園長。元・社会福祉法人みどり会まつぼっくり保育園。つくば市出身。上ノ室在住
【公約】①水道料金値上げ中止②学校給食費ゼロ③県立高校増設

藤木 潤(ふじき・じゅん)44 食品酒類卸販売業代表 無新
【略歴】大阪外国語大卒。be a good friend社。大阪府泉大津市出身。横町在住
【公約】①経済の地産地消サーキュラーエコノミーの実現②自然と生態系に配慮した街づくり③つくバス拡充・つくタクアプリ化推進

木村 芳美(きむら・よしみ)61 行政書士 無新
【略歴】県立石下高校卒。行政書士。大穂町出身。西高野在住
【公約】①暮らしやすいまちづくり②子供たちにオーガニック給食を③上下水道の早期整備

榊原アリーゼ(さかきばら・ありーぜ)29 政治団体代表 無新
【略歴】水戸南高校卒。政治団体縁粋会代表。元・タクシー運転手。元・運転代行。かすみがうら市出身。中根在住
【公約】①子育て・教育支援の充実②高齢者支援の強化③安全で安心な街づくりと市民還元

金岡 誠(かなおか・まこと)38 自営業 無新
【略歴】愛知県立小田高校卒。自営業(ドローン撮影)。愛知県内子町出身。学園の森在住
【公約】①市内の渋滞緩和②子どもたちが遊べる屋内遊具施設の建設③県立高校の設立

砂坂 善成(すなさか・よしなり)73 市民団体代表 無新
【略歴】鹿児島県立加治木工業高卒。カモメと雀の会代表。政治団体チーム砂坂代表。元・建設会社工事管理者。元・ビル・ハウス建設会社設立。鹿児島県種子島市出身。みどりの在住
【公約】①ひとりでも安心して住めるまちづくり②生活基盤の公共交通利便性を高める③地域資源の活用による産業の活性化

長塚 俊宏(ながつか・たかひろ)62 会社員 無現②
【略歴】私立茨城高校卒。つくば市議会福祉保健委員長。茨城県環境保全協会副理事長。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①周辺教育環境の整備の第一歩谷田部小建て替え②多様な子育て環境に対応する支援の充実③自動追従ロボットの普及でごみ捨て難民解消

荘司 信之(しょうじ・のぶゆき)49 自動車関連会社代表 無新
【略歴】関東理工自動車専門学校卒。Leopard motor’s代表。栄小PTA副会長。松栄自治会会長。つくば市出身。松栄在住
【公約】①古い学校設備の改善とグランド整備②各種博士や有識者と共に英語教育支援③ロボットを用いた障害者支援は現在調整中

浅野英公子(あさの・えくこ)63 元・高校講師 市民ネット現①
【略歴】東京外国語大卒。元・学習塾。元・高校講師。元・オーガニック検査員。富山市出身。吾妻在住
【公約】①市民意見が尊重されるまちに②こどもがホッとできる場をふやす③特に高齢者の生活支援の情報が確実に届くようにする

小久保貴史(こくぼ・たかし)51 農業法人代表 無現③
【略歴】八ケ岳中央農業実践大卒。筑波農場代表取締役。つくば市筑波土地改良区副理事長。つくば市監査委員。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。小田在住
公約】①道の駅や産業集積拠点整備で地域活力の向上へ②子供や高齢者がいきいき暮らせるまちづくり③市中心部と周辺地域の格差是正の取り組み

梅沢 尊信(うめざわ・たかのぶ)41 塗装業会社経営 公新
【略歴】筑波研究学園専門学校卒。梅沢塗装工業代表取締役社長。つくば市商工会青年部副部長。つくば市出身。君島在住
【公約】①「車が無くてもどこにでも行ける」街づくり②生活道路・通学路の整備と道路環境整備③区域指定の拡大

塚本 洋二(つかもと・ようじ)52 飲食店 自現④
【略歴】県立土浦産業技術専門学校自動車整備科卒。御食事処三丁目個人事業。社会福祉法人博愛会理事。信輝インターナショナル顧問。つくば市出身。花畑在住
【公約】①近隣自治体との連携した公共バス整備②身近な公園・緑地の整備と遊具の充実
③体育館などへエアコン設置(避難所対応も含め)

酒井 泉(さかい・いずみ)75 市民団体代表 無新 
【略歴】東北大工学部卒。桜中部まちづくり協議会副会長。つくばのまちづくりを考える会代表。元・福井大学教授。元・高エネルギー加速器研究機構准教授。つくば市出身。上境在住。
【公約】①「科学と教育と集落の緑」つくば市のブランド化②「情報の共有と対等な議論」民主主義の徹底③「個人の尊厳を守る」福祉社会の実現

木村 清隆(きむら・きよたか)60 団体理事 無現③
【略歴】日本大法学部卒。つくば市議会議員。公益社団法人国際IC日本協会理事。つくば市立豊里中学校評議員。TISつくばインターナショナルスクール学校評議員。元・日本ファイリング。元・日本労働組合総連合会茨城県連合会副会長。元・ものづくり産業労働組合JAM。つくば市出身。上郷在住
【公約】①中小企業振興基本条例を制定し、地域経済活性化に取り組む②教育予算拡充③2025年問題対応、高齢者と共に次世代を大切に考えます

中村 重雄(なかむら・しげお)54 米穀店代表 無現①
【略歴】東洋大附属牛久高卒。つくば市議会議員。中村米穀店代表取締役。つくば市商工会理事。つくば市消防団谷田部支団指導員。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①消防団の組織強化と地域防災力の強化②農商工の連携をはかり地域経済の好循環③安心安全な教育環境の実現

山中 真弓(やまなか・まゆみ)46 党役員 共現②
【略歴】東京農工大大学院連合農学研究科修了。政党役員。元・ツムラ社員。栃木県市貝町出身。上ノ室
【公約】①学校給食費ゼロ・県立高校増設②水道料金値上げストップ③高齢者へのタクシー・民間路線バスの運賃補助

伊藤 文弥(いとう・ふみや)36 農業福祉法人代表 無新
【略歴】筑波大理工学群科学類卒。NPO法人ユウアイフィールドつくば代表理事。保護司。元・NPOつくばアグリチャレンジ副代表理事。愛知県碧南市出身。並木在住
【公約】①障害のある人の就労支援と環境整備②特別支援教育の充実と教育環境の改善③学校給食の地産地消化推進

橋本けい子(はしもと・けいこ)70 政党役員 共現⑤
【略歴】成徳短期大保育科卒。政党役員。土浦市出身。自由ケ丘在住
【公約】①給食費の無償化②茎崎給食センターは建て替えに③水道料金の値上げにSTOPを

塩田 尚(しおた・ひさし)74 行政書士 無現⑧
【略歴】神奈川大法学部卒。つくば市議会議員。行政書士。元・谷田部町議会議員。元・茨城県議会議員。愛媛県四国中央市出身。真瀬在住
【公約】①学童保育の待機児童をゼロにする②全ての学校にフリースクールを設置する③ヤングケアラーの子どもを支援する制度を作る

加藤 豊(かとう・ゆたか)62 元・会社員 無新
【略歴】千葉工業大機械工学科卒。東光台自治会副会長。東光台4丁目区長。東光台祭り実行委員長。岡山県真庭市出身。東光台在住
【公約】①2人目以降の学費免除など子育て支援②防犯カメラ補助金見直しなど地域の犯罪防止③高齢者雇用支援など人にやさしいまちづくり

黒崎 博(くろさき・ひろし)42 塾代表 無新
【略歴】東京理科大理学部卒。理数クリエイト代表。日本理科検定協会理事。つくば理数塾代表。元・ランチママ店員。つくば市出身。緑が丘在住
【公約】①理数教育の推進②STEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学を統合的に学ぶ教育のこと)の推進③生涯学習の推進

山崎 健介(やまざき・けんすけ)49 不動産業経営 無新
【略歴】広島大大学院国際協力研究科修了。元・土木研究所非常勤職員。元・青年海外協力隊隊員。東京都葛飾区出身。梅園在住。
【公約】①議員の票の格差付け②穏健で中道な動物管理政策③離婚権の拡大

写真撮影はNEWSつくば

土浦の花火講座:イオンモール土浦編《見上げてごらん!》32

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イオンモール土浦の展示(写真は筆者)

【コラム・小泉裕司】11月2日(土)、イオンモール土浦(土浦市上高津)は、第93回土浦全国花火競技大会開催のため、全館臨時休業する。2009年、同大会実行委員会と締結した協定に基づくもの。かき入れ時の土曜日に、今では当たり前のように花火大会が開催されるが、度重なる協議を経て、全国随一の花火大会への思いを共有することで、画期的な取り組みを実現した先人の功績に感謝したい。

今回は、このイオンモール専門店街1階通路に設置されている花火展示の紹介を兼ね、花火鑑賞士による土浦の花火講座WEB版をお届けする。

モニュメントは6尺玉

煙火(花火)業界は、古くから尺貫法が使われているが、時代に合わせ、1寸=3.03センチ=1号、10寸=1尺=30.3センチ=10号と表示している。したがって、撮影スポットとして作成した大玉(上の写真左)の直径は180センチなので、6尺=60号となる。

このモニュメントの中心部に上下の半球を組み合わせた継ぎ目が見える。実際に花火玉を製作するときも、2つの半球の玉皮に夜空で輝く「星」とその星を飛ばす「割火薬」を込め、2つを合わせる「ぱっくり法」と呼ばれる技法が用いられる。

「昇り曲」と呼ばれる上部の4つの小玉は、上昇中に開く花火玉で、約45センチ=1尺5寸=15号換算。この昇り曲は、上昇中にも楽しんでもらおうという花火師のサービス精神から生まれたと言われている。

ちなみに、実際に打ち上げている花火では、片貝まつり(新潟県)の4尺玉(直径120センチ)が世界一の大きさとされる。

打ち上げ筒

打ち上げ筒は、花火玉の直径や打ち上げ方に応じて、筒径や長さ、組み方が異なる。材質は、紙、鉄、FRP樹脂などもあるが、安全性、耐久性や重量などの点でステンレスが主流のよう。花火玉とのクリアランス(隙間)や筒底の安定確保にも手間をかける。

上の写真の左奥から右に、10号、7号が各1本、5号が6本。中段左は4号が4本、右は2号15本。前列は、スターマインの下層部分を彩る1.5号筒が扇形に結合されている。

打ち上げ現場では、容易に転倒しない結合体として、杭や土嚢(のう)などで全体を安定させる。40メートル×3メートルの区画内に設置完了後、警察や消防の保安検査を受け、打ち上げ準備完了となる。

陳列棚(同)

花火玉の大きさ

スターマイン、創造花火、10号玉の3部門で使用する花火玉を大きさ順に陳列(陳列棚写真)。左端の3つは、スターマインの部で使用する2.5号(直径約7.5センチ)から4号玉(直径約12センチ)。合計400発以下、ただし、4号玉は200発以内、星を直接打ち出す筒(内径が5センチ以下)は、100本以下を付加可能としており、合計500本の筒を使用することができる。

その右は、創造花火の部の5号玉(直径15センチ)。競技では7発を打ち上げる。独創的なアイデアや新しい技術が求められる部門。その右は、大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」の主役となる8号玉(直径約24センチ)。上昇時に小さな花を開く「昇り小花」が付いている。

右端は、左右に花火を散らしながら上昇する「分砲」を付けた10号玉(直径約30センチ)。

花火玉の内部構造

陳列棚の中段、下段には、代表的な花火玉の内部構造の模型を展示。花火玉は、構造上、上空で粉々に爆発する「割物(わりもの)」、張り合わせたところから割れて中に仕込まれた花火玉を放出する「ポカ物」、その中間の「半割物」(小割物とも言う)の3種類に分類される。

割物の典型は、同心円状に真円を描く菊型花火で、いわゆる芯入り割物。上段左から右に進化順に陳列。左端は、中心の2つの「芯」と外側の親星(おやぼし)を加えた3重構造の「八重芯」と呼ばれる花火。1928年に紅屋青木煙火店(長野県)の青木儀作さんが完成させたが、当時、これ以上の芯を増やすことは不可能と思われたことから、八重芯と名付けられた。

その後、花火師の研究と技術革新によって、現在では、全部で6つの円を描く「五重芯」にまで進化を遂げた。約3千の「星」を込める時間は、まる2日を要するとのこと。

下段左端は、ニコニコマークや動物を描く「型物(かたもの)」と呼ばれる割物花火の応用形。その右は、「千輪」と呼ばれ、上空で開いたときに一瞬遅れて、中の小玉が小さな柳状に開く半割物花火。最後の「蜂」は、上空でポカっと開いたあと、光の筋が不規則に広がる「ポカ物花火」。

型物や千輪、蜂は、スターマインの主要なファクターであり、色や飛び方など独自の工夫をこらし、作品に使用する。

早速、イオンモール土浦に出かけ、展示キャプションで知識を深めれば、花火を2倍楽しめること間違いなし。大会3日前、モール北側駐車場に出現する競技用の10号筒46本とモール建物とのアンマッチな景観も一見の価値あり。

本日はこの辺で「打ち留めー」。「ヒュッ シュッ ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

降格の危機脱せず つくばFCレディース ホーム最終戦敗れる

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前半16分、相手選手と競り合う赤嶺(撮影/高橋浩一)

プレナスなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)2部のつくばFCレディースは19日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで今季ホーム最終戦を迎え、岡山湯郷Belle(ゆのごうベル、本拠地・岡山県美作市)に1-2で敗れた。これで通算成績は5勝3分13敗、順位は暫定で12チーム中10位。2部リーグへの残留を果たせるかどうかは、26日の最終節の結果次第となった。

プレナスなでしこリーグ2部・第21節(10月19日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 1-2 岡山湯郷Belle
前半 0-2
後半 1-0

今季無敗で首位を独走する岡山湯郷に対し、つくばは善戦するも及ばなかった。「相手は個の能力に優れた集団。局面局面でそれを思い知らされた。個の力に対して組織で立ち向かう戦い方をやり通そうと、自分たちの色を出すことはできた」と佐藤誠一郎監督は話す。

最大の差は、体幹の強さや一瞬のスピードなどのフィジカル面。そこに対応しきれないまま、前半5分に先制を許してしまう。だがその後は、徐々に自分たちのリズムでボールを動かせるようになり、左サイドの小林和音や右サイドの野沢真由からチャンスをつくり出していた。また守備ラインを上げて全体をコンパクトに保ち、裏へ出てくるボールにはGKが積極的に飛び出すことで、守備陣に負担をかけないという組織的な対処もできていた。

前半34分、シュートを放つ野沢

だが前半39分、相手のロングボールをGK伊東美和がペナルティエリア際で手を使って弾き、これが相手の得点機会を阻止したとしてレッドカード。伊東は退場処分となり、相手に直接フリーキックが与えられた。

ここでつくばはMF赤嶺美月を下げ、GK澤田法味を投入。「普段からいつでも出られるよう準備はしている。ただ、みんな動揺していたので、前向きに気持ちを切り替えられる声掛けをすることと、フリーキックを絶対に止めて、悪い流れを断ち切ることを心掛けた」と澤田。この場面は、壁がボールを弾き返して危機を脱した。

それでも1人少なくなった影響は大きく、前半ロスタイム、またも守備ラインをドリブルで突破され、追加点を許した。

後半4分、左サイドから崩しにかかる小林(中央)と藤井志保(右)

後半、つくばは布陣を4-4-1に整理。1トップの石川朋萌が前から積極的にプレスをかけ、後ろが連動することで粘り強い守備を実現。石川はクロスに飛び込む形でも幾度となくチャンスを作ったが、タイミングが合わずシュートは0本。「強烈なシュートという持ち味も見せたかった」と残念がる。

前線で持ち味を発揮した石川

その後はメンバー交代で形を変えながらチャンスをうかがい、ついに後半ロスタイム、待望の1点を挙げる。コーナーキックの流れから途中出場のFW古寺未佳が押し込んだ。「自分の目の前に転がってきたので、しっかり当てて決めるだけだった。みんなが頑張ってくれた」と古寺の振り返り。

最終節は28日、岡山県高梁市神原スポーツ公園多目的グラウンドで、吉備国際大学Charme岡山高梁と対戦する。湯郷Belleには敗れたものの、9月以降は2勝1分1敗とつくばは好調を維持しており、ぜひとも勝って残留を決めたいところだ。「次節、勝ち点3を取って結果を出したい。どんなことがあっても最後まであきらめない」と佐藤監督は意気込む。(池田充雄)

試合後、観客とハイタッチを交わす選手たち

ビジネス商談会とマルシェ 23日 つくばカピオで同時開催 筑波銀行

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昨年開催された「2023ビジネス交流商談会」の様子(筑波銀行提供)

筑波銀行(本店土浦市、生田雅彦頭取)による「2024ビジネス交流商談会」と「つくばマルシェ」が23日、つくばカピオ(同市竹園)で開催される。昨年はそれぞれ別の日に単独で開催したが、今年は初めて同時開催される。

ビジネス商談会は、異業種交流によるビジネス機会を創出し地域産業の販路を拡大しようと毎年開催している。今年は約150のブーズが出展する予定だ。昨年に引き続き北関東広域連携により、栃木銀行(仲田裕之頭取)、東和銀行(江原洋頭取)など栃木県、群馬県からの企業の参加もある。当日は、同行の筑波ふれあい倶楽部の特別講演会として「社会課題をビジネスチャンスにーサスティナブル経営と企業価値の向上」と題して中央大学法科大学院教授の野村修也弁護士が講演する。定員は先着300人。

高校生も参加したビジネス交流商談会(同)

マルシェはカピオ屋外広場で催され、県内各地の食品加工会社や飲食店など計10店が出店し、テントやキッチンカーで食品を販売する。つくば市内からは「四川料理 麻辣十食」、土浦市からは「焼き芋専門店 芋やす」が出店する。

同行総合企画部企画室の太田貴之さんは「県内外から魅力的な企業が集まる商談会を利用して、より一層、販路の開拓が出来ると思う。また飲食ブースもあるので、一般の人もたくさん来ていただけたら」と参加を呼び掛ける。(榎田智司)

◆つくばマルシェinビジネス交流商談会は23日(水)午前10時30分から午後4時、つくば市竹園1-10-1 つくばカピオ屋外広場で開催。マルシェ、商談会いずれも入場無料。

マルシェに出店する10店は
▽高橋肉店(龍ケ崎/龍ケ崎コロッケ・プリン)
▽お弁当の万年屋(大洗町/三兵たこめし・印籠弁当・芋ごはん弁当)
▽四川料理・麻辣十食(つくば/麻辣豆腐・汁なし担々麺)
▽さしま茶の里 のぐち園本店(坂東/さしま茶・紅茶)
▽あら井寿司(坂東/いなり寿司・とりの唐揚げ)
▽とんかつ とん(日立市/とんかつ)
▽COFFEEHOUSE とむとむ(龍ケ崎/ホットコーヒー・アイスコーヒー)
▽焼き芋専門店(土浦/焼き芋サンド・スイートポテト・干し芋・焼き芋)
▽ume café WAON(大洗町/梅みぞれラーメン・梅ジュース)
▽ROMII DONUT STORE(大洗町/クレープ、ドーナツ・ジュース)

あす告示 つくば市長選は一騎打ち、市議選は46人立候補へ

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つくば市長選・市議選などのポスター掲示板=つくば市吾妻、中央公園前

任期満了に伴うつくば市長選と同市議選(定数28)が20日告示される。市長選には現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=の2氏が立候補を表明している。市議選は46人が立候補すると見られ、定数18人オーバーの超激戦になりそうだ。投票は衆院選と同じ27日に市内76カ所で行われ、即日開票される。有権者数は19万9156人(14日現在)で、前回の2020年より約1万2000人増えている。

五十嵐立青氏

現職の五十嵐氏は「ともに創る。誰一人取り残さない」をスローガンに、2期目の公約135項目は86.1%進ちょくしたなど実績を強調。3期目に向け①市役所のデジタル化推進など徹底した行政改革②県立・私立高校の誘致と県立高校定員増など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業の推進など99の公約を掲げる。

9月と10月、地域ごとに内容が異なる5種類の市政報告やマニフェストなど計10種類近くを週2回ずつ新聞折り込みやポスティングで配布。ほかに動画共有サイトへのメッセージ動画配信、市内TX線各駅でのあいさつ、ミニ集会などを重ねる。22団体の推薦のほか、市議会最大会派などの応援を得る。

20日は午後3時から同市小野崎のホテル東雲で、支持者を集めて出発式を開催する。

星田弘司氏

星田氏は「市政を再起動」をスローガンに、がん対策や性暴力根絶条例の策定、県立高校の定数増などに取り組んだ県議4期の実績を強調。①つくばのブランド力や県と連携した企業誘致②つくば観光客500万人の実現③公立高校の誘致、県立高の新設、市立高の検討④ふるさと納税の増収化⑤国・県との連携再構築などを掲げる。

約100団体の推薦を得て、TX線各駅でのあいさつ、メッセージ動画配信、地域でのミニ集会を重ねる。推薦を受ける自民党からは県議らが県内全域から応援に駆け付ける。

20日は20日午後3時から、同市さくらの森のショッピングセンターで出陣式、同午後5時30分からは、大井川和彦知事が駆け付けつくば駅前で応援演説をする。

市議は現職7人が引退へ

一方市議選は、現職26人のうち、久保谷孝夫氏、金子和雄氏、鈴木富士雄氏、小野泰宏氏、浜中勝美氏、皆川幸枝氏、宮本達也氏の7氏が引退する意向だ。

立候補を予定している46人の内訳は現職19人、新人27人で、男女別は男性34人、女性12人。

筑波大「野球・ソフトボール室内練習場」整備へ 関彰商事が運営

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野球・ソフトボール室内練習場の完成イメージ図(筑波大学体育スポーツ局提供)

最先端のスポーツ科学生かし運動分析とコーチングを提供

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は民間資金を活用し、大学構内に新たに「野球・ソフトボール室内練習場」を整備する。関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)が費用を負担して施設を整備し完成後は同大が所有する。来年9月のオープンから2041年3月まで15年間は関彰商事が施設を管理運営し、事業収入を得て、整備費用などを回収する。

投球や打撃の動作や弾道などを測定し分析する最新の機器を備える。野球の動作分析とコーチングを研究する同大の川村卓体育系教授の知見を生かして、様々な選手に最新のスポーツ科学を基にした運動分析やコーチングを提供するのが特徴となる。平日昼間は大学の授業や硬式野球部の活動で使用し、平日夜間と休日は、一般向けにスクールや運動分析プログラムの提供などをする。

室内練習場内部の完成イメージ図(筑波大学体育スポーツ局提供)

大学構内の野球場北側に新設する。10月に着工、来年9月1日の開設を目指す。

室内練習場の敷地の広さは約3200平方メートル、施設は1階建て鉄骨造、延べ床面積約1700平方メートル。内部はトレーニングエリア、打撃エリアとブルペン、ウエイトトレーニングエリアなどがあり、打撃レーン3カ所、ブルペン2カ所、フリーのトレーニングエリアなどで構成される。エリア間は用途に合わせ、可動式の間仕切りで仕切って利用することもできる。

各エリアに最新の測定機器を備え、質の高いトレーニングができるほか、それぞれのエリアでパーソナル指導を行ったり、個人練習やスクールの運営などを実施する計画だ。

同大にはこれまで野球・ソフトボールの屋内練習場がなく雨の日は練習できなかったことなどから、大学資産の有効活用を目的に同大が昨年12月、公募を実施し事業者を選定した。一方、関彰商事は昨年、スポーツアナリティクス事業を立ち上げた。