日曜日, 6月 28, 2026
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耕作放棄地を黄色く染めたい 染色家らがプロジェクト 筑波山麓

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ドローンで撮影されたマリーゴールドの花畑の様子

つくば市作谷で染色体験教室「ぷにの家」を開いている飯塚優子さん(50)が提唱する「耕作放棄地をお花畑にして地球を黄色く染めよう」プロジェクトが佳境を迎えている。作谷の耕作地で、このほど第4回「お花畑を空から見てみよう~ドローンで撮影&お花つみ会」が催され、10月2日の「お花つみ&マリーゴールド染め」で最終回を迎える。

プロジェクトは、不登校児童生徒の支援などをするリヴォルヴ学校教育研究所(つくば市二の宮)が運営する地域文化スポーツクラブ「むすび場」との2団体による企画。作谷にある約2000平方メートルの畑地を耕し、6月からマリーゴールドの苗を植え、草取り、花摘み、染色など全5回の行事を積み重ねてきた。

飯塚優子さんは25年のキャリアを持つ染色家(21年10月30日付)。転勤族の親のもと様々な土地で生活してきたが、田舎暮らしへの憧れから、作谷にある祖母の暮らす築300年の家で生活を始めた。「ぷにの家」はその染色工房。「収益のためではなく、教育と地域活動の一環として」の取り組みだそうだ。飯塚さんは旧作岡小学校でPTA会長を務め、ご当地カルタを考案し、コミュニティー活動の下地をつくってきた。

飯塚優子さん

今回は「染色家なのだから、地球も染めてしまおう」と踏み出した。つくば市に13%あるとされる耕作放棄地をお花畑にすることで景観の改善を図りたい、また、持続可能な活動の重要性を子供たちに知ってもらいたいという教育的な意図から、プロジェクトを実施することにした。

しかし、実際にマリーゴールドを育ててみると、花がうまく育たない。消毒をあまりしなかったためか、ネキリムシの被害に遭った。一帯を広く黄色く染めるはずが、出来てみると5分の1の面積にしかならなかった。農薬を使いこなさないと立ち行かない農家の現実を知ることになった。「うまく花が育たないのも、自然のことだと納得した」という。

ドローン撮影会当日は台風が接近するなか、奇跡的に雨が止んだ。参加者は延べ22人。「ぷにの家」から約300メートルを歩いて、お花畑に向かった。黄色とオレンジのマリーゴールド。ひまわり畑もある、参加者は各自手提げ袋を持って花を摘んだ。たくさん摘んでもらうほど、次の収穫につながるだという。

筑波山は山すそを残し、雲に覆われたが、ドローンは空中に舞い上がった。お花畑を動画に収めるとともに、全員そろって記念の集合写真も撮ることができた。

飯塚さんは「お花畑は思った通り咲かなかったけれど、みんなの素敵な笑顔が咲いた。とてもうれしい気持ちになりました」と語った。(榎田智司)

マリーゴールドのお花畑で撮影会=つくば市作谷

◆「ぷにの家」提供の動画はこちら。耕作放棄地をお花畑にして地球を黄色く染めようプロジェクト第5回「お花つみ&マリーゴールド染め」は10月2日(日)午前10時~午後2時(予備日は16日)。申し込みは30日までにこちらの応募フォームへ。

棗とナツメ《続・平熱日記》118

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【コラム・斉藤裕之】今年も玄関脇の棗(なつめ)がたわわに実った。身の重さで稲穂のように枝が垂れ下がるほどだ。友人の植木屋さんによれば、うちの棗の実はかなり立派なのだそうである。参鶏湯(サムゲタン)などに使われるとか、漢方薬として体に良いとかいわれる棗だけれど、数年前に加工してビンに保存した実は一度も使ったことがない。

棗との出合いはかなり昔にさかのぼる。夏休みにまだ小さな子供たちと帰省した折、よく訪れていた公衆温泉浴場がある。海水浴に行った後などは、風呂に入れる手間がかからず安価で便利をした。

その浴場の駐車場に涼しげな木があった。それが棗だ。そのことを覚えていて植えてみた。しかし見た目にはわからなかったが、幹や枝にはかなり強烈なトゲを身にまとっていて、かなり厄介だということがわかった。特に若い枝は小さな鋭い棘がいっぱいで、不用意に触ると大変だ。なるほど、棘(とげ)という字と棗という字が似ているのは納得できる。

さて、ここに別のナツメが3つある。茶道で使うお茶の粉を入れるナツメだ。棗の実に似ているので、こう呼ばれるそうだ。これは亡き母のもので、母は茶道の先生の看板を持っていた(茶を入れたところは見たことがない。多分、日々の暮らしが忙しすぎてそれどころではなかったのだろう)。

数年前、実家を処分するときにわずかに持ち出したものの中に、このナツメがあった。恐らく、通販かなんかでシリーズものとして買ったのではないかと思われるのだが、1つは木製で黒と赤の漆が塗ってある。それから白い陶器のもの。これには梅のような花が描いてある。最後は錫(スズ)製のもので植物の蔓(つる)が彫られている。

あの3つのナツメがちょうどいい

さて、妻が亡くなって遺骨は収まるところが決まったが、本人の希望で仏壇はいらないから、小さな骨のかけらを2人の子供たちのところにしばらく置いてほしいと言われていた。なんとなくそのことは頭の隅にあって、どうしたものかと考えてはいたのだが、ある日ひらめいた。そうだ、あの3つのナツメがちょうどいい。

私は木の箱を作ることにした。薄い板は案外売ってないものだが、夏休みの工作用なのか杉の薄い一枚板を安く売っているのを見つけた。早速小さな箱を作って、以前妻が買った真田紐(さなだひも)で蓋(ふた)を括(くく)れるようにした。ひらがながいっぱい書いてある、母が残したお習字の手習い半紙でそっとかけらを包んで入れた。

ナツメを入れる袋は、妻が使っていたハンカチを使って友人に縫ってもらった。箱書きは字の達者な次女に任せた。こうして10センチ立法ほどのかわいらしい木の箱が3つできた。

棗の実を1つかじってみる。甘くて少しぱさぱさしたリンゴのよう。ふと、墓の近くでそよぐナツメの木も悪くないと思った。実をいくつか拾ってポケットに入れた。(画家)

土浦「二番橋」解体へ 古レール構造物の文化財価値不明のまま

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土浦市街地を背に奥が一番橋、手前が二番橋=土浦市桜ケ丘町の三番橋から撮影

JR常磐線をまたぎ土浦市富士崎2丁目と小松ケ丘町を結ぶこ線人道橋、通称「二番橋」が26日から通行止めとなり、架け替え工事が始まる。同じく通称「一番橋」の撤去とセットになった工事で、二番橋は22年度に撤去し、23年度の新設を待って、一番橋を24年度に撤去、25年度に工事完了となる。

2橋とも自動車は通行できない自転車歩行者用の橋で、土浦市の管理する市道。2016年の点検で、構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態であると位置付けられた。17年度の交通量調査では、主に二番橋を周辺の住民や土浦日大生が利用している状況で、一番橋の利用者は極端に少なかった。同市はJR水戸支社や県などと調整し、二番橋は架け替え、一番橋は撤去で道路橋の統廃合・集約化を行うこととし、両側の地区にも地元説明会で理解を求めた。

工事は協定書を結んでJRの関連会社が行う。5カ年事業で総工事費は約9億9000万円を予定している。道路施設としての橋梁に係る工事費が約7億300万円。架け替え後も自動車は通行できない。

建設時期めぐるミステリー

二番橋付近に資材置き場が造成され、大型重機が持ち込まれた昨今、周辺の地区からの関心も引くようになった。話題の中心は、2橋の建設時期だ。同市小松の二十三夜講に集まる70代、80代のお年寄りたちに聞くと、地元育ちの全員が子供のときからあった橋だという。「汽車が来ると橋の上で煙を浴びる遊びをした。床板は枕木の廃材利用で隙間が空いていた。床板はコンクリートに変わったが、橋脚や桁(けた)は鉄骨代わりに古レールが使われた構造のままだ」

常磐線の前身、日本鉄道海岸線は1896(明治29)年に土浦・田端間で開通している。これに先立つ工事で、荒川沖駅方向から土浦市街地に抜けるルートとして小松丘陵に切り通しが出来、人道橋が架けられた。線路の敷設はその後になるはずだ。二十三夜講総代の広瀬昭雄さん(83)は「工事の手順からいえば切り通しに橋を架けてから、線路を引いたはず」と断言する。

上の写真のように東京方面行きのレールは、二番橋の橋脚を避けるようなカーブを描いている。先に橋脚が出来て、後からレールを敷設したと考えるのが自然な形だ。今回の工事で、二番橋はアーチ状になって橋脚が省かれ、軌道は直線に正されるため、建設時期のミステリーを解く手がかりは消える。

安全性が維持できず利用者も少ないため撤去が決まっている一番橋=2020年撮影

市道路建設課によれば、「建設年度は資料が残っておらず不明。主桁が鉄道の古レールを再利用して作られたもので、このような橋梁は物資が不足していた太平洋戦争の前後に建設例が多いと言われている」という。しかし、物資不足の戦時中に鉄製の古レール利用は考えにくく、各地の資料では大正から昭和初期にかけ、駅舎などに多くの古レール造構造物が作られたとある。

長く見積もると100年以上の歴史を刻む近代遺産だが、文化財として扱えるかは「明確な記録がないと難しい」と市文化振興課。「一番橋、二番橋の所在は知っているがそんな工事があるのは初めて知った。建設に関わる記録・史料は見たことがない」と市立博物館。

通常レールの腹部にはロールマークと刻印が押されている。レールの種類、製造年月、製造者名などが分かるそうだが、市に問い合わせたところ、これらを調べたことはないという。解体で出る古レールについても、JRを含め刻印チェックなどによる記録保存は行わず、通常の建設廃材として処分するそうだ。

日本初の鉄道が新橋・横浜間に開業したのは1872(明治5)年10月14日のこと。来月、鉄道開業150年を迎える。(相澤冬樹)

古民家再生とクラウドファンディング 《宍塚の里山》93

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百年亭外観

【コラム・佐々木哲美】認定NPO法人「宍塚の自然と歴史の会」は、築100年ほど経過した古民家を修復する「百年亭再生プロジェクト」に取り組んでいます。その資金集めのためにクラウドファンディングが始まっています。期間は9月5日~10月21日、第1期修復工事の目標額は300万円です。

9月21日現在、170万5000円(目標の56パーセント)と、多くの方々から寄付をいただいています。その後、第2期工事=約200万円、第3期工事=約300万円、合計約800万円の費用が掛かります。目標達成への道のりは長いですが、達成を目指して最後まで頑張っていきたいと思います!

スタッフ全員がクラウドファンディングに取り組むのは初めての経験です。将来、里山保全のための資金集めなども視野に入れ、この際、しっかりこの方法を学ぶことも意図しています。

クラウドファンディングは、インターネットの普及に伴い、米国で2000年代に始まり、日本でも2011年からサービスが提供され、急速に拡大しています。この資金調達の形式には、「寄付型」「購入型」「融資型」「株式型」「ファンド型」「ふるさと納税型」のタイプがあります。

選択できる購入型は、「All-or-Nothing(オール・オア・ナッシング)型」「All-In(オールイン)型」の2種類があります。「All-or-Nothing型」は、募集期間内に目標金額を達成した場合のみ、プロジェクトが成立する方式です。取り組みへの覚悟を示すために、こちらも考えました。しかし、今回のプロジェクトでは、資金が集まらないからと断念するわけにはいかないと、「All-In型」を選択しました。

多くの応援メッセージをもらいました

初動が大切と言われ、直前でしたが応援メッセージをお願いしたところ、多くの方が協力してくれました。

ラムサール湿地ネットわたらせ事務局長で栃木県小山市長の浅野正富氏、日本ナショナル・トラスト協会会長の池谷奉文氏、日本自然保護協会理事長の亀山章氏、NPO法人茨城県環境カウンセラー協会理事長の軽部達夫氏、茨城県生物多様性センター・センター長の山根爽一氏をはじめ、大阪府立大学名誉教授の石井実氏、明治大学農学部教員の倉本宣氏、筑波大学教授の田村憲司氏と吉田正人氏などから応援メッセージ寄せられました。

資金集めが始まってからも、霞ケ浦市民協会理事長の市村和男氏などからも激励のメッセージをいただきました。これらはここから覧になれます。

ホームページの作成も若者たちが中心になり、クラウドファンディング事業者のスタッフと何度も打ち合わせして仕上げました。なかなかの出来だったと自負しています。是非ご覧になって、ご支援をお願いします。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

松本清張につまずきそうになる 《くずかごの唄》116

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】今年7月の文藝春秋に「創刊100周年記念 文藝春秋が報じた事件事故の肉声」という企画があり、その一番初めに「下山事件」が載っている。国鉄総裁だった下山定則氏の轢断(れきだん)死体が発見され、他殺か、自殺かでもめた事件である。東京大学薬学部の秋谷七郎教授は他殺説。それを取材して報じたのが松本清張だった。

(私の夫)清の兄の奥井誠一は私の学生時代の先生。当時、私が通っていた東京薬科大学女子部は上野桜木町にあった。東大に近いので、講師の先生は東大の助教授が多かった。奥井誠一は秋谷教室の助教授だった。私たちは「裁判化学」を彼から教わった。

クラス委員だった私は、かなりずうずうしく講師先生の所に行っては、色々な交渉をした。クラスの中でも沖縄から来た人は、パスポートがないと自分の家に帰れない時代だった。1950年のある日、私は秋谷教室に行った。

当時の東大薬学部は古い建物で、廊下などは腐って穴が開いている。帰るときに奥井先生から「そこに人が寝ているから、つまずかないように」と注意された。穴の開いた廊下の隅に男の人が寝ていてびっくりした。

「取材に来て、分析が終わっていないので帰ってほしいと言ったけれど、帰ってくれないんだよ。困ったなあ」。後で聞いたのだが、私がつまずきそうになった人は松本清張だった。

変な兄さん、おかしな弟

「登美子さんは清さんとどこで知りあったの?」。友達に聞かれてびっくりした。そういえば本人から一度も口説かれたことがない。

昔はお節介(せっかい)なおばさんがうようよしていた。親戚のおばさんがある日、奥井清を私の家に連れてきたことがあった。私は当時、絵の修復の仕事がしたくて、山下新太郎先生の家に入り込んで、修復業を勉強している最中。「まだ結婚は早いので」と言って、お断りした。

私が奥井清に初めて会った次の日。誠一兄から「話をしたい」と呼ばれ、彼に合った。松本清張を踏みつけそこなって以来のことであった。「弟と結婚してやってくれ」。兄から熱心に口説かれてしまった。

「本人に口説かれなくて、兄に口説かれて結婚しちゃった」。「変なお兄さん、おかしな弟だね」。友達は大笑いしていた。(随筆家、薬剤師)

つくばセンター広場で25日まで 2年ぶりプレミアムビールとうまいもの祭り

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来場者にビールを手渡す実行委員長の宮本昭典さん=つくばセンター広場

屋外で楽しむビールとグルメのイベントが25日まで、つくばセンター広場(つくば市吾妻)ペデストリアンデッキで開かれている。「プレミアムビールとうまいもの祭り2022」実行委員会(宮本昭典実行委員長)によるイベントで、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、2年ぶり8回目の開催になる。10日間にわたる会期中、台風の影響でイベントの終日中止に見舞われた日もあったが、最終盤の3連休に追い込みをかける。

イベントは、市内飲食店の出店を中心に2014年から毎年初秋に開催されているビール祭り。屋外に設置されているオープン座席でビール、ハイボール、スペアリブや牛すじなど、ビールとグルメを満喫できるほか、休日にはステージパフォーマンスを楽しむことができる。

今回は新型コロナの感染対策のため、座席数を以前の500~600席から250~300席に縮減し、出店店舗数も15店から8店に減らした。さらに来場者や関係者のマスク着用、各テーブルを1メートル離す、接触を減らすためのキャッシュレス決済の導入、会場内の複数箇所にアルコール消毒の設置などの感染対策が講じられた。

今年の特徴として、地域通貨機能があるスマホ向けアプリ「クラフトつくば」が新たに導入され、注目されている。1万円をチャージすると1万2000円分のコインが貯まり、会場内のドリンクやつくば市内の登録店舗で利用することができる。

近くに住む会社員の女性(26)は「SNSで知り初めて来た」と話し、友人の会社員男性(26)は「居酒屋でしか飲んだことがないので、屋外で飲む雰囲気が楽しめる。初めての飲む種類のビールもある」と話した。筑波大の教員3人と来場した東海村の研究者(50)は「コロナ禍なのでオープンエアで飲もうということで来た」などと話していた。

回復基調 センター広場3つの飲食イベント

祭りの実行委員長を務める宮本昭典さん(46)は、同市春日でお好み焼き店「より味ち」を経営する。「2年ぶりの開催を楽しみにしていただいたことに一番喜びを感じている。お客様が年々増えていて、みなさんに喜んでいただけたらという思いがあるからこそ毎回続けてこられた。飲食店が集まるイベントは地域経済の活性化にも繋がるのではないかと思う」と話す。

手作りのベーコンやハムのくん製、もつ煮などを販売する筑西市の食肉製造加工会社「風實(かざみ)」は14年当初から出店を続ける。同社の栗島俊一社長(65)は「つくばの人と相性が良くて、イベントで出会ったのをきっかけに、筑西のお店に来ていただけたお客様もある」という。

市学園地区市街地振興課によると、つくばセンター広場での飲食イベントは、毎年7月に開催の「つくばクラフトビアスト」、9月の「プレミアムビールとうまいもの祭り」、11月の「食と酒東北まつり」の3つがあるそう。いずれも恒例イベントとして定着しており、2020年と21年はコロナ禍で開催できなかったものの、今年復活にこぎつけた。

中でも会期が10日間と長い「プレミアムビールとうまいもの祭り」は、コロナ前の19年に3万人の来場者があった。渋谷亘課長は「主催者に地域を盛り上げたいという思いがあり、イベントにお客さんが楽しめる工夫がある」とイベント定着の理由を話し、「センター広場でのイベントが市民に求められており、特にお酒や食事のイベントの人気が高い」と語る。(于小玥=YU XIAOYUE=ドットジェイピー茨城エリアつくば支部インターン生、筑波大学情報学群 知識情報・図書館学類2年)

国葬から見えた英国の魅力 《遊民通信》49

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【コラム・田口哲郎】
前略

エリザベス2世の国葬が行われましたね。19時から生中継があるから、見ようとテレビをつけたのですが、ふと思いました。他国の元首の葬儀を生中継。それを興味津々で視聴しようとしている自分。これが英国のスゴさなのだろうか…。

棺(ひつぎ)がウェストミンスター寺院に移送されるとき、スコットランド音楽が流れました。バグパイプの音が、英国という世界の中心的近代国家の民族性を浮かびあがらせました。

棺が寺院に入ると、寺院専属の聖歌隊によるおごそかな聖歌。イギリスの有名寺院や屈指の名門大学の付属チャペルの聖歌隊には、女性がいない場合が多いです。ソプラノパートは少年たちが担います。少年聖歌隊用に専属の学校があり、少年たちはそこで寮生活を送りながら日夜練習に励むのです。

これはキリスト教会の祭儀が男性中心に発展したなごりです。カトリック教会やアメリカの大学の付属チャペル聖歌隊では、よほどこだわってないかぎり少年聖歌隊はなく、女性がソプラノを歌っています。少年聖歌隊がこれほど残っているのは、イギリス国教会の特徴だと思います。これも英国の「伝統」がなせるワザでしょう。

葬儀式次第には女王のリクエストが盛り込まれていると事前に報道されていて、ビートルズの曲が流れるかも?とささやかれ、ダイアナ妃の葬儀でのエルトン・ジョン登場のようなサプライズを期待する声がありました。

しかし、フタを開けてみると、女王ゆかりの聖歌が歌われただけで、女王のリクエストというのはとてもオーソドックスなものであったことが判明しました。ああ、これがヨーロッパだなと、東京五輪閉会式で次のパリ大会の紹介動画の件を思い出しました。パリの街はポップ・ミュージックではなく、クラシック音楽にのせて紹介されていたからです。

伝統と平等のバランス

なんとなくですが、国葬中継で映し出された「英国」にはスキがなく、そして、この国はとてもバランス感覚がすぐれているのだなあと思わされました。

人間は法のもとでも神の前でもみな平等です。しかし、このたび世界の人々に悼まれた女王は「偉い人」であり、伝統を重んじる英国は王室の周りを貴族ががっちりと固めています。実際に英国を支え、動かしている労働者はあの光景のどこにいたのでしょうか? 葬列を見守り、けなげに泣く人々です。

主権は国民にあります。現代生活をかんがみるに、民族の違いは乗り越えられるべきですし、男女の間の差別をなくすべきです。区別や差別はこれからもっとなくなり、平等は広がると思います。

でも一方で、伝統があらわすような、まじめさ、つまり倫理は変わらず必要でしょう。あの国葬で、英国は伝統を大切にする平等な国家なのだと宣言したのだと、ひねくれ者の私は思います。このバランス感覚が英国の魅力なのでしょう。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

40代男性助教を懲戒処分 給与や交通費を架空請求 筑波大

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筑波大学正門

筑波大学は21日、2014年度から19年度までの6年間の間に、給与や交通費の架空請求をしたなどしたとして、40代の男性助教を同日付けで懲戒解雇処分にしたと発表した。

男性助教は、自身の研究室に所属する5人の学生を、勤務実態がないにも関わらず業務を実施したかのように装い、大学から給与を支払わせ、全額を学生から自身に戻させたとされる。

さらに学生を連れた複数の出張で、自家用車で移動したにも関わらず、公共交通機関を利用したと虚偽の申請を行い、実際よりも過大な旅費を大学に支払わせたなどとされる。

不正に支出された教育研究費は6年間で計約124万1457円になり、すでに大学に返金されているという。

2020年6月、大学のコンプライアンス通報窓口に通報があり発覚した。

大学広報局は、男性助教の架空請求の動機については回答できないとし、警察への被害届については状況に応じて対応するとしている。

再発防止策として同大は、短期の非常勤職員の採用予定者にコンプライアンス教育の受講を必須とするほか、採用する場合、労働条件などの説明を事務担当者が行い、さらに勤務の事実の確認を、現場確認や電話連絡で行うなどとしている。

永田恭介学長は「大学教員としてあるまじき行為。学生を巻き込み、虚偽の説明を行い、資金を支払わせ還流させた行為は教育機関の教員として許しがたいものであり、極めて遺憾。学生、保護者、関係者の皆様の信頼を損なうことになり、深くお詫びし、真摯に重く受け止め全学を挙げて再発防止に取り組むと共に教育研究費の不正使用に対して厳正に対処します」などとするコメントを発表した。

1000円で3000円分の満喫を 土浦市観光協会のサイクルクーポン

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土浦まちかど蔵大徳のレンタル自転車=土浦市中央

レンタサイクルに乗って土浦市内を散策し、食事をしたり土産品を購入してもらおうと、同市観光協会は9月1日から、1000円で3000円分が利用できる電子クーポン「つちうらぐるっとサイクルクーポン」を発行している。来年2月末まで利用できる。

これまでサイクリングに縁遠かった人にも、自転車を借りて市内を散策してもらおうと、200%のプレミアムを付ける。総額1500万円分、1人3回まで、延べ5000人が利用できる。

同市内のレンタサイクル店5店で自転車をレンタルした人が対象で、レンタル料の残額を、市観光協会会員の店で飲食したり土産物を購入したりできる。利用できる店は徐々に増やしていく。

クーポンを利用できるレンタサイクル店は、土浦まちかど蔵大徳、ラクスマリーナ、ル・サイク土浦店、ギガテックモータース、K.T auto mortors hobbyの5店。レンタル料は自転車の種類や店舗などによって1日当たり大人1000円以上、子供500円以上(いずれも消費税込み)など、異なる。

利用方法は電子決済サービス「commoney(コモニー)」をあらかじめダウンロードし、レンタサイクル店で同サイクルクーポンを購入することを伝える。店頭で渡されるスクラッチカードを削り、クーポン付与のQRコードをスマホで読み取り、1000円を電子決済で支払えば3000円分の電子クーポンが付与される。

市観光協会の浅川善信さんは「プレミアム率200%なので、クーポンを利用してサイクリングを楽しんでいただければ」と利用を呼び掛ける。

レンタサイクル店5店は
土浦まちかど蔵大徳 中央1-3-16 電話029-824-2810
ラクスマリーナ 川口2-13-6 電話029-822-2437
ル・サイク土浦店 有明町1-30 土浦駅ビル プレイアトレ1階 電話029-846-3192
ギガテックモータース 滝田1-20-7 電話029-896-5083
K.T auto mortor hobby レンタルガレージ店 湖北1-8 電話029-828-4611

クーポンが利用できる店は(9月20日時点)
K.T auto mortor hobby レンタルガレージ店 湖北1-8 電話029-828-4611
喫茶 蔵 中央1-3-16 電話029-824-2810
小松屋 佃煮とうなぎ 港町5-3 電話029-821-0373
宿ごはん一粒 湖北1-1-8 電話029-824-3411
レストラン 中台 桜町2-12-3 電話029-822-1068
ラクスマリーナ 川口2-13-6 電話029-822-2437
観光情報物産センターきらら館 大和町9-1 電話029-824-6110
土浦まちかど蔵大徳 中央1-3-16 電話029-824-2810
高月堂 桜町1-6-15 電話029-823-36111
ル・サイク土浦店 有明町1-30 土浦駅ビル プレイアトレ1階 電話029-846-3192

歴史資料はいかに生まれるか、いかに読むべきか 《文京町便り》8

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】先日、本年2月に享年87歳で逝去された先輩教授を偲(しの)ぶ会がキャンパス内で開かれた。コロナ禍の時節柄、会場での式典・飲食は省略され、三々五々に参集し、交歓・談話後に適宜散会するスタイルだった。会場には、ご夫人やご家族・お孫さんも同席され、ほほえましい雰囲気だった。先輩教授の多数の著作・論文・政府審議会などでの活動記録のみならず、趣味だったジャズの楽譜(手書き)も展示してあり、まことに多方面な活躍が偲ばれた。

ただ、そこで配布されていた資料の一つに、私はちょっと(偲ぶ会そのものに対してではなく)違和感を覚えた。その内容は、先輩教授を見送る(私と同年代の)後輩教授が書いたもので、2000年ころからの、大学院研究科の新展開(夜間)への先輩教授との連携・協働ぶりについても言及されていた。

確かに、先輩教授と彼の間では、このような情報のやり取りもあったかもしれない。しかし、この展開が、2人のやり取りで進められたかのような記述は、明らかに行き過ぎである。不肖・私もそれと同等の(前段階での取り組みや展開後の工夫も含めれば、私自身の自覚ではそれ以上に)コミットしていたはずだが、それについての言及は一切ない。

もちろん、先輩教授を偲ぶ彼の文章である以上、内容に立ち入る筋合いは私にはない。問題は、歴史資料はこうして形成されるかもしれない、という恐れである。

確かに、談論風発の彼(後輩教授)は、宴席などでしばしばこれに類する話を巧みな話術で繰り広げていた。その場に関係者が同席していれば、反論・補足もあり、彼の話題提供も無条件で一方的になることはなかった。しかし、こうして「偲ぶ会」の資料として配布されると、その後これは、一種の歴史記録、といって大げさならば一次資料として扱われる可能性がある、という懸念である。

『鎌倉殿の13人』の視聴法

今年のNHK大河ドラマ(日曜日・夜)は『鎌倉殿の13人』である。この脚本(作・三谷幸喜)のベースは『吾妻鏡』と、されている。しかし、これは鎌倉幕府・北条政権下での歴史記録なので、当然ながら、歪曲(わいきょく)された部分も少なくない、という批判もある(たとえば「謎多き武将・八田知家」『常陽藝文』2022年8月号)。

正確を期すならば、この『吾妻鏡』とは異なる観点の歴史書にも目を通すべきだし、さらには1次資料それ自体の真贋(しんがん)の精査を行うべきだ、という誠実さも求められるかもしれない。しかし、当代のエンターテインメントにそこまでの厳密さを求めていては埒(らち)が明かない、という現場の声も推測できる。だから私は、毎日曜の大河ドラマでは、適度の精確さと娯楽性そして意外性をもって拝視聴している。

とはいえ、私が身近に体験した「1次資料」には、事実を歪曲(わいきょく)する(本人にとっては無意識の)波及効果を感じ、私自身この種の歴史資料を前にした際は心してかかるべきだ、と自戒した次第である。(専修大学名誉教授)

茅葺き屋根の古い民家 《写真だいすき》12

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茅葺きの古民家の屋根は、今となっては葺き替えも難しい。茅場もなくなったし、職人もいない。だが、茅葺き屋根は、知恵と感性の塊みたいなものだ(写真は筆者撮影)

【コラム・オダギ秀】敬愛する友人の写真家・味村敏(あじむら・びん)のことを話したい。ボクが彼から学んだことは少なくない。彼の奥さんは、200円しか持ってなくても、持たない人がいたら、その200円をあげてしまうような人だ。

味村が専門に撮っていたのは、最近はほとんど見られなくなった茅葺(かやぶ)き屋根の古い民家だ。全国を回り、茅葺き屋根の古民家を見つけると、その撮影に情熱を傾けていた。だが、茅葺き屋根の古民家の写真などでは、豊かな報酬を得られることはない。歴史資料としての価値や、古い情景を懐かしむ価値などしか認められないことが多い。だから、ある住宅メーカーが、毎年写真集を作ってくれたりするのが、報酬を得られる主な仕事であった。

それで彼は、ポンコツと呼ぶに相応(ふさわ)しいガタピシャ車に毛布など積み、車で寝泊まりしながら撮影を続けていた。ホテルや宿屋などに泊まるなど、とんでもない贅沢(ぜいたく)だった。

彼は、撮影に適した茅葺き古民家を見つけると、まずその家に、撮影許可を得る。その家では、訪ねられると、ホームレスのような人間を見て、何者が何をしに来たのかと訝(いぶか)る。彼は自分の素性やら実績を示し、何よりその熱意で撮影許可をもらう。それで「まあ、写真撮るくらいなら、いがっぺ」となる訳だ。

すると、撮影許可をもらった彼が、次にすることは、撮影ではない。まず彼が始めるのは、その家の周りの掃除だ。丁寧に庭を掃き、植木が傾いたり枯れていると手入れをする。黙々と作業をし、そして写真は撮らず、帰る。

「しゃあんめえ。気ぃつけてな」

翌日、あらわれた彼がすることは、縁側の雑巾(ぞうきん)かけ、破れた障子貼り、散らばった家財の整理。その他もろもろの家の手入れをして、また帰る。

次の日、味村は、この家を一番よく撮れるところは、庭の向こうの風呂場の屋根だから、あの屋根に上がらせてくれ、と言い出す。「ええっ、屋根なんかに昇られたら雨漏りしちゃうかも知んねえよ。とんでもねえ、ダメダメ」と言うのが当然の返事なのだが、これまでの、この家をいかにいいものに撮ろうかという味村の態度、行動を見ているから、当家は「しゃあんめえ。いいよ、いいよ。気ぃつけてな」となるのである。

茅葺きの古民家の撮影など、どの位置から撮ればいいか、少し写真に慣れた者ならすぐわかる。味村の写真はそんな写真なのだ。こんなの、その位置から撮れば誰だって撮れるぞ、と思わせる。オレだって、そこから撮れば、こんな写真撮れるさ、と、ちょっと写真を齧(かじ)っていると言うのである。だが、その位置に立てることが実力なのだ。その位置に立てれば誰でも撮れるが、ふつうはその位置に立てないのだ。

彼が撮影を終えて帰る時には、たとえばこんな言葉をかけられる。「この家が一番よく見えるのは、裏のコブシが咲いた時だよ。コブシが咲いたら知らせっから、また来な。そん時は、ウチに泊まるといいよ」(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

10月1日発車 筑波地区支線型バス「つくばね号」

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運行開始を待つワゴン型車両=つくば市北条、筑波交流センター

つくば市の筑波地区支線型バス「つくばね号」が10月1日から運行を開始する。同市北条の筑波中央病院から臼井の筑波ふれあいの里入口まで延長18キロ弱の運行ルートには、新しい標識を設置した34の停留所が整備され、運行開始日を待っている。

200円均一、1日16便運行

「つくばね号」は、筑波山の山裾の集落をめぐり、中腹の観光スポットに至る地区を走行する。ワゴン車サイズで、乗客8人乗り。運行事業は新栄タクシー(つくば市篠崎)が行う。

概ね午前8時から午後6時まで、年末年始を除く毎日、1日16便(上下線各8便)運行する。筑波山の紅葉シーズンなどは、渋滞の影響を大きく受ける区間において、部分運休を行うという。運賃は200円均一(税込み、乗車時に先払い)。65歳以上を対象に、申請すれば高齢者割引もある。

「つくばね号」の到着を待つ新設のバス停=つくば市臼井

2022年3月までの3年間、3つのコースで実施した「筑波地区支線型バス実証実験」の結果などを踏まえ、市の公共交通活性化協議会で同ルートが採用された。実証実験時のふれあいの里~筑波交流センターの1便当たり利用者数は、平日約0.8人、休日約0.5人で、他の2コースと比較して利用者数が多かった。沿線には、病院や学校、スーパーのほか、平沢官衙(かんが)遺跡、六所神社跡、筑波山神社、筑波ふれあいの里、宿泊施設などがあり、観光路線としての乗客増が見込めるとされた。

さらに、沿線の区長や民生委員たちと意見交換会を行い、住民に身近に感じてもらえるようなコースを新たに決定し、運行開始の運びとなった。筑波中央病院行きが17.5キロ、筑波ふれあいの里入口(つくば湯)行き17.7キロ。それぞれ53分、54分の所要時間を想定している。

「つくばね号」の愛称は、沿線の秀峰筑波義務教育学校の児童生徒から募集し、同協議会で審議して決定した。

六所地区区長、柳原敏明さん(66)は「これから超高齢化社会で車を手放す人も増えてくる、地域住民の足となってくれれば良い。乗客数はそんなに多くならないだろうけれど、筑波山の観光客に利用してもらえばなんとかなるのでは」と語った。(榎田智司)

「これダメでしょ」 県と市の行政手順 《吾妻カガミ》141

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】今、このサイトでアクセスが多くコメント欄がにぎわう話題は、茨城県営「洞峰公園」問題とつくば市有だった「運動公園用地」問題です。9月のつくば市長会見でも、記者団から多くの質問がありました。いずれも行政の手順に関することですが、県と市のやり方はとても変です。

県:都合よい結果が出るまで調査?

洞峰公園問題は、県が同公園改修についてのアンケート調査を集計したものの、その調査を無作為抽出の形でやり直すことになったと、市長が紹介したことがキッカケでした。

アンケート回答者の9割がつくば市在住の人、7割が40歳以上の人だったので、県営施設についての調査としては地域と年齢が偏っている、というのが再調査の理由だそうです。県はそうは言っていませんが、県の改修計画に反対(公園は現状のままでよい)が多かったので、アンケート調査の結果をそのまま受け入れたくなかったのではないでしょうか。

再調査は、この問題に関心がある人だけが答える方式ではなく、全県域・全年齢を対象にする無作為抽出方式ということですから、「あまり関心ない」「どうでもよい」といった回答が多くなり、県が期待する結果(反対は少ない)が得られるではないでしょうか。洞峰公園から離れたところに住んでいる知り合いの筑波大生も、同じような意見でした。

この公園は市の施設でなく県の施設です。県民が利用すること想定し、再調査をする理由が分からないではありません。しかし、県に都合のよい結果が出ることを狙い、公園を日常的に利用しない人を調査対象にするのは何か変です。

市:当たり前の手順をすべて無視

運動公園用地問題の方は、8月末、市有地を民間に売却する契約が締結され、これについて感想を求められた市長は「非常にうれしく思っている」とコメントしました。

本欄では何度も売却手順の強引さに疑問を呈しました。例えば、137「…市長の宿痾…」(7月18日掲載)では、▽用地を買うときは議会の議決をもらっているのに、売るときには議決にかけないのはおかしい▽市民に募った意見(パブコメ)の結果は売却賛成がたった3%なのに、市民の理解を得られたと解釈するのはおかしい▽市民の声をきちんと把握するためには、無作為抽出調査をやるべきだ―と指摘しました。

運動公園用地売却は、こういった手順をすべて無視した末の行為ですから、つくば市のおかしさは茨城県よりも重症です。無作為抽出で再調査する県の方がずっと正直で、かわいげがあります。不発に終わったものの、市長解任運動が起きたのは当然でしょう。

市:敗訴したら土地は返してもらう

会見で、住民訴訟(運動公園用地売却は地方自治法に違反するとの訴え)で市が負けることを想定した条項を売買契約に盛り込んだのか聞いたところ、市側は「(そのときは)契約を解除できるようにしてある」と答えました。裁判での敗北も想定、売り払った用地を返してもらう事態も想定しているようです。

この解除条項については、五十嵐市長の売却手順を評価します。土地取引に弱く(市長選では運動公園用地返還を声高に公約したのに返還に失敗)、裁判沙汰にも弱い(元市議を名誉毀損で提訴したのに途中で取り下げ事実上敗北した)市長としては、上出来です。

これで、市が住民訴訟に負けた場合、売却済み用地を「返せ」(つくば市)、「返さない」(倉庫会社)と、争わなくて済みます。(経済ジャーナリスト)

県議会請願へ市民団体、署名活動スタート つくば市に県立高校を

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「請願署名を進める出発市民の集い」の様子=18日、つくば市松代、松代交流センター

つくば市内への県立高校の新設や既存校の定員増などを求めている市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)は18日、つくば市内で「請願署名を進める出発市民の集い」を開き、改選前の県議会12月定例会に請願を出すことを決め、署名活動をスタートさせた。

請願事項は①つくば市やTX沿線に全日制県立高校を早急に設置し、既存の県立高校の定員増を行うこと②高校への通学利便性を高めることーの2点。

考える会は、つくば市の人口増は「急増」にあたるとした上で、2021年度の高校入試で中学3年生の6人に1人しか市内の県立高校に入学できないこと、周辺5市で構成する「つくばエリア」の30年度の中学卒業生は21年度に比べ1000人以上増えることが明らかになっていることーなどを理由として挙げた。こうした状況の中、県は来年4月、つくば工科高校の学級を2学級増やすが、まだ不十分だとしている。

請願署名は10月30日まで集め、県議会12月定例会が開会する翌31日、つくば市区選出の星田弘司、田村けい子、鈴木将、山中たい子、塚本一也県議5人などに紹介議員になってもらうよう依頼した上で、同日、県議会に提出する予定。最低1万人を目標とし、今後、小中学校のPTAなどに協力を依頼するとしている。

署名活動出発集会で片岡代表は「つくば市の人口急増は、出生と県外からの転入が77%を占める。つくば市の人口急増によって、周辺の土浦、牛久、常総市などで地元の高校に入れなくなった中学生が増えている」などと数字を挙げて説明し、「県は22年3月に発表した第2次県総合計画で、主な成果のトップにTX沿線の人口増を挙げている。県立高校の設置は県の発展に大きく寄与すると、人口増・子ども増を前向きに受け止めてほしい」などと話した。

出発市民の集いで署名活動の意義などについて話す片岡英明代表

小学生の子供をもつ母親は「つくば市では高校の選択肢がとても少ないため、子供に過度の受験勉強を強いることになっている。県が自らTX沿線開発をして人口増を喜んでいるのに、県立高校の設置をしぶるのはがっかり」だなどと話した。参加者からは(県立高校新設の)具体的な場所がどこになるかで意見が分かれるのではないか」などの意見も出た。

出発集会には、山中たい子県議のほか、金子和雄、橋本佳子、飯岡宏之、ヘイズ・ジョン、小森谷さやか、山中真弓市議ら6人と、市総務部長らも参加した。(鈴木宏子)

土浦花火大会復活へのシナリオ《見上げてごらん!》6

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土浦全国花火競技大会実行委員会提供

【コラム・小泉裕司】土浦の秋の風物詩、土浦全国花火競技大会(11月5日午後5時30分~8時)が戻ってくる。安藤真理子市長は5日の記者会見で、「今年の大会を開催する」と力強い声で発表し、大会は3年ぶりの開催に向け、ついにスタートラインに立つことができた。

11月5日まで2カ月。この時期の決定は、国内最高峰の内閣総理大臣賞を贈るにふさわしい安全な大会としての環境整備にめどが立ったということだろうし、参加業者にとっては、競技大会の「特別な作品」の製造に要する時間を考えると、リミットでもあったろう。

コロナ禍、相次いだ花火大会の中止で危機的な経営状況に陥り、事業の継続性や技術の継承の問題が顕在化していた煙火業界だが、18都道県から55業者が参加するとのことで、まずはほっとしている。今年1年の集大成となる土浦大会で、どんな感動と出会えるのか、期待に胸が膨らむ。

ところで、花火大会はお祭りだろうが競技大会だろうが、何よりも安全第一。観客にとっても、花火師にとっても、主催者にとっても安全でなければならない。花火関係者すべての合言葉であると同時に、今大会を開催に導くためのキーワードでもあった。

イベント報道では、今年前半から、決まり文句のように「3年ぶり」の見出しが急増しており、土浦の場合も同様だ。決して間違いではないのだが、どうも違和感がある。実は土浦大会だけが抱えている「安全」上の深刻な事情があるからだ。

2018年、2019年と、2年続いた花火事故による途中中止に加えて、コロナ禍による2年間の取り止めを加えると、競技大会としての成果は4年連続で残せていない。これは太平洋戦争中の5大会に次いで、史実に残る長期の空白となっている。先人が営々と築いてきた競技大会としての伝統を継承するべく、実行委員会には、安全な大会を再構築し、復活させるという、きわめて重い使命が課せられていたのである。

事故対策では、専門家をはじめ関係機関の協力・理解を得ながら安全対策に心血を注ぎ、再起のめどがついた頃、コロナ対策で出鼻をくじかれた。通常でも大会開催までの準備はほぼ1年を要する土浦市最大のイベントに、未経験の大きな課題が2つも加わっている。それでもこの高い壁を乗り越えなければ、土浦の花火の未来はないのだ。

<具体的な課題対策は、本サイトの記事「3年ぶり 11月5日開催決定 土浦全国花火競技大会」(9月5日掲載)をご覧ください>

ウィズコロナの花火鑑賞

さて今年、私が鑑賞した花火大会は、県内外合わせて2桁に到達したが、心がけているのはコロナ対策である。観覧席、道路や駅など人混みでの距離感が気になる空間では、「時差式発光花火」(4月17日掲載の本コラム)にあやかって、遅めの会場退出や電車予約など時間差で「密」回避策をとっている。

同様の行動パターンをされる方は、結構多いように感じている。一方で、観覧席に持ち込んだテーブルいっぱいに、弁当や酒類を広げて、声を張り上げ宴会を楽しむ観客も少なくない。

花火の楽しみ方は人それぞれでよいのだが、アルコールが進めば、その後訪れるトイレ行列。打ち上げ中にもかかわらず、千鳥足で観客の面前を横切り、花火師の魂の1発を背中で鑑賞する。今年に限り、こうしたお作法はいったん封印をいただき、土浦の夜空を見上げて、珠玉の「全89作品」を見尽くしてみませんか。

もしかすると、苦虫をかみつぶしたようなお顔のお客さんが、お隣でにらんでいるかも知れませんよ。本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

ヒストリー展や最後の感謝祭 LALAガーデンつくば 閉店まであと1カ月

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LALAガーデンつくば1階の「ヒストリー展」会場に設置されたフォトスポットを案内するスタッフの福田彩夏さん

つくば市小野崎の大型商業施設「LALA(ララ)ガーデンつくば」が10月16日、18年の歴史を閉じる。閉店まであと1カ月となった9月16日から、館内では18年間の歴史を振り返る「ヒストリー展」が開かれているほか、「最後の感謝祭」と銘打った割引セールなど、さまざまなイベントが開かれている。

ヒストリー展は、年表、写真、雑誌記事、販促品など計約50点を展示し、2004年3月19日の開業から18年間の足跡をたどっている。開業を告げる04年3月当時の広告記事、08年に誕生したオリジナルキャラクター「つくバンビ」と「つくベイビー」のイラスト、ハロウィンやクリスマスに催されたスタンプラリーの台紙、イベント時のスナップ写真、2021年からスタートしたワークショップ「土曜キッズデー」の参加者の感想などが展示されている。

同展の会場奥には、フォトスポットが設置され、同施設の外観と筑波山、風船や渦巻き模様のオリジナルロゴを描いたポップなデザイン画の前で、記念写真を撮影できるようになっている。

18年の歴史を振り返るヒストリー展会場=LALAガーデンつくば1階、プラザ広場前のつくラボ

同施設を運営する、三井不動産商業マネジメント(本社・東京都中央区)スタッフの福田彩夏さん(26)は「LALAガーデンつくばを長くご利用いただいた皆様に、思い出を思い起こしていただければ」とし「フォトスポットもあるので、新しいお客様にも、思い出をつくるなどお楽しみいただければ」と話している。

「最後の感謝祭」は、第1弾を9月16日から30日まで、第2弾を10月1日から16日まで開催する。第1弾は各店で10%から90%割引セールなどを開催している。さらに、同施設の外観や夜景、オリジナルキャラクターなどをデザインした記念のポストカードを買い物客にプレゼントしている。土日や祝日はイベント会場のプラザ広場で、高校生や大学生、スポーツチームによるさまざまなイベントが催される。(鈴木宏子)

解決をしてはいけない時期《続・気軽にSOS》117

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【コラム・浅井和幸】周りや環境の悪口を言い続けたり、借金を返さなかったり、人や自分を傷つける言動を繰り返したり、乱暴な運転をしたり、嫌いな人のことばかりを考えたり、人と連絡を絶ち引きこもったりと、人はわざと不幸になりたいのかなと思うような行動をとり続けることがあります。

しかし、そのような行動をとる人たちでも、ほとんどは、よりよく生きたいと思っています。つらい状況にどうしようもなく追い込まれることもありますが、上記のような行動がより良い生活のために必要だと考えて、意識して行動し続けていることも多々あるのです。

よりよい状況にしたいので、そのための邪魔になる問題は早く解決したいと考えます。ですが、問題解決を焦ってしまうと、むしろよりよく生きることとは逆の方向に向かってしまうことがありますので、注意が必要です。

借金は早く返した方がよいと無理な返済計画を立てたら、最後まで返済できなくなるかもしれません。スピードを出して乱暴な運転をしたら、事故を起こす可能性が上がり、目的の場所にたどり着けなくなるかもしれません。宿題をやれと怒れば怒るほど、宿題をやらなくなるかもしれません。

短期的に、しかも狭い範囲で見れば得をする、問題解決すると思うことが、中長期的に見みると、むしろ問題をこじらせてしまうことも多々あるのです。短期的に見れば、お金を借りて返さない方が、お金を返すよりも手元に残って得かもしれません。ですが、長期的に見れば、借りたお金を返した方が信頼ができ、次にまたお金を借りることができるようになるかもしれません。

周りや世界が変化するのを待つ

これらを踏まえたうえで、相談を受けるときにはどうでしょうか。例えば、お金を貸してくれと相談されても、無駄遣いをすることが明らかなときはお金を貸しても解決にはならないでしょう。それと同じように、学校にさえ行ければ、彼女さえできれば、何かきっかけさえあれば、うまくいくと決めつけた状態のときは、次に進むのは危険なことが多いのです。

また、これとこれをまず行ってみて、次にこれをすれば状況が変わってくると予測できても、当人がこちらの言葉に耳を傾けて実行できる段階でなければ、問題解決に進むのではなく、まずは話をじっくり聞いて共感をするなどし、味方になることが必要になります。

例えば、Aさんが周りの悪口を言い続けているような状況のときは、Aさん自身に考え方や行動の変化を促しても反発につながります。そのときは、その悪口に耳を傾けて、周りが変わったらもうけもんだというぐらいの感覚で、じっと何年も待つことが必要かもしれません。

働きかけず待つだけで、周りや世界が変化するのを待つのも一つの生き方なのでしょう。私は、自分のできる動きで目的に向かう方法を探ることをお勧めしますが、それができないときは、じっくりと伴走をして待つのも相談の一つなのでしょう。(精神保健福祉士)

日本政府の恥ずかしい認識《電動車いすから見た景色》34

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2022年8月に国連ジュネーブ本部の前で介助者と

【コラム・川端舞】8月22~23日、障害者権利条約に対する日本の実施状況を審査する会合が国連ジュネーブ本部でおこなわれ、日本から障害者や家族、支援者など約100人が現地に向かった。審査自体は審査を担う国連の障害者権利委員会と日本政府との対話形式で進められるが、審査に先立ち、国連の委員と日本の障害者団体などが対話する時間が設けられたほか、審査の合い間に会場の外で、障害者たちが日本の現状を委員に直接訴えた。

私も、自分の子ども時代の普通学校での経験を書いたカードを委員に手渡し、障害児が日本の普通学校で学ぶ上で直面する困難を伝えた。私が差し出すカードを笑顔で受け取り、「インクルーシブ教育は日本にとって大きな課題だと思っている」と言ってくれた委員もいた。

実際の審査で「特別支援学校を廃止するために、予算措置を特別支援学校から通常の学校へ移行する予定はあるのか」「通常の学校が障害児を拒否することを禁止する法令を策定する予定があるのか」など、国連からの厳しい質問に、日本政府が回答した内容は、聞いているこちらが恥ずかしくなるようなものだった。

「特に知的障害児は中学・高校と学年が上がるにつれ、障害のない生徒と同じ内容を学ぶのが難しくなり、特別支援学校を選ぶことが多くなる。特別支援学校では知的障害のある生徒もリーダーシップを発揮できる」などの日本政府の回答を聞いていて、「特別支援学校を廃止する方略を聞かれているのに、特別支援学校の意義を主張してどうするのか」とツッコミを入れたくなった。

学習が苦手な生徒を支援する教員を1人多く教室に配置したり、生徒本人が「静かな部屋で集中して学習したい」「少し休憩したい」と思ったときだけ、他の教室で過ごしたり、知的障害のある生徒もどうやったら他の生徒とできるだけ一緒に学べるかを考える過程こそが、権利条約のいうインクルーシブ教育の過程なのに、日本政府の回答はその過程を放棄している。権利条約のいうインクルーシブ教育を全く理解していない。

「分離教育」中止を要請

8月の審査を受け、今月9日に国連が公表した報告書では、障害児を分離する現在の特別支援教育は止めるよう、日本政府に強く要請している。日本の障害者たちが自分と仲間の権利のためにジュネーブまで行った結果だ。現在、通常の学校に通っている障害のあるお子さんとご家族もジュネーブに行き、国連の委員に直接、日本の教育の現状を訴えたのも大きいだろう。

国連の要請にどう答えるのか。政府の反応に注目だ。(障害当事者)

ユーチューバーも特撮の主役に「爆破体験フェス」参加者募集 

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爆破体験フェスの会場となる常陸大宮市の採石場での撮影風景(スカイテック提供)

10月22日、特撮ロケ地で

荒野に響くごう音、立ち上る真っ赤な炎。その前に立てば、誰もがアクションスターのようにー。音楽ステージや映画撮影現場での特殊効果をプロデュースする「スカイテック」(土浦市乙戸南、野澤勇人社長)が、テレビや映画の特撮で使われる爆破を一般にも体験してもらう体験・撮影会「爆破体験フェス(通称・爆フェス)」を10月22日、常陸大宮市の特撮ロケ地で開催する。「非日常の世界で、誰もが主役になれるチャンス」と参加を呼び掛ける。

新たな活用法あるはず

「その人を映えさせる、際立たせるためのドッカーンです」。特殊効果の魅力を野澤さんはそう語る。

同社は、舞台やコンサート、映画、プロモーションビデオなどに使われる特殊効果のプロデュースや、特殊効果用機器類、煙火などの輸入・販売を手掛けている。これまでに「ロック・イン・ジャパン」や「ラッキーフェス」などの大型音楽イベントなどを多数手掛けてきた。

「やっぱり私はライブがいい。大好きな矢沢永吉のライブに行くと、現場だからこそ感じるオーラがある。その主役の魅力を引き立てるのが、我々、演出です」

スカイテックの野澤社長

今回、場所を提供するのは、土木工事を手掛ける松井建設(那珂市、松井祐一郎社長)。自社で所有する常陸大宮市の採石場を活用したロケサポートを、約15年前から実施している。荒野をイメージさせる18ヘクタールの敷地は、映画「日本沈没」、大河ドラマ「麒麟がくる」、三代目J SOUL BROTHERSや聖飢魔IIのミュージックビデオなど様々な撮影で活用されてきた。

「今回の特色は、個人で爆破を体験できること」だと野澤さんは話す。「これまでCM撮影など、企業による爆破撮影の依頼を受けることはよくあったが、まだまだ新しい活用方法はあるはず。今回のイベントをきっかけに、ユーチューバーやインスタグラマーなども含めて、これまで爆破と結びつくことのなかった業種のPRにも利用してほしい」と期待を込める。

コロナ禍からの再起

背景に、音楽イベントが軒並み中止に追い込まれるなど、コロナ禍の影響もあったと野澤さんは話す。自粛が求められる日が続き「全く仕事がなくなった。ほぼゼロ」と2020年を振り返る。「それでも何かしなきゃいけない」と考える中で生まれたアイディアの一つが「爆フェス」だった。また「茨城は映画やドラマのロケ地として有名。特撮ロケ地への観光誘致として、地域おこしにも貢献できれば」ともいう。

機材設置には、さまざまな場面で爆破を手掛けてきた特殊効果の職人が当たる。大きな炎が特徴の「ナパーム爆破」、灰色の煙が巻き上がる「セメント爆破」、衣服に取り付けた火薬が破裂する西部劇さながらの「弾着」、「バズーカ砲」などが特別価格で体験でき、参加者は自身の様子を動画や写真に収めることができる。広大な荒野の隣には採石場がある。特撮ロケで使われた現場を見ることができるのも魅力だ。

「世の中リモートばかりになった。オンラインでは相手の息が感じられないですよね。息を感じることは、相手を知ること。リアル、ライブっていうのはやっぱり重要。そうコロナ禍で実感しました」「そんな時だからこそ、リアルな体験を。コスプレも大歓迎です」と野澤さん。(柴田大輔)

◆「爆破体験フェス(爆フェス)」は10月22日(土)午前9時~午後4時、常陸大宮市小場4585-1で。参加には事前チケット(1グループ3万5000円・税込み)の購入が必要。詳しくは同フェスホームページへ。

科学都市つくばとねずみ男《映画探偵団》59

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【コラム・冠木新市】今年はマンガ家、水木しげる生誕100年である。2007年にフランスのアングレーム国際漫画祭で「のんのんばあとオレ」が日本人初の最優秀作品賞を受賞。09年には「総員玉砕せよ!」が同漫画祭の遺産賞を受賞。10年には日本の文化功労者に選ばれた。

さらに15年に「コミック昭和史」がアイズナー賞最優秀アジア作品賞。2023年には映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」公開。またアニメ「悪魔くん」がNetflixで全世界に配信される。水木しげるの評価が自分のことのようにうれしいのは、歴史を共有してきたからだ。

水木しげる漫画の半妖怪

1960年、「墓場鬼太郎」を貸本屋で見つけ、妖気漂う画調に虜(とりこ)になった。その頃は、手塚治虫の明るい「鉄腕アトム」全盛時代である。どちらも好きだったが、一般受けしなかった「墓場鬼太郎」に肩入れした。東京オリンピックの翌年、1965年に「墓場の鬼太郎」が週刊少年マガジンに登場する。

このころ、東京世田谷区三軒茶屋の古本屋で、片腕のない壮年が助手の青年に次々に指示して本を選び、終わると風のように去って行く姿を目撃する。すぐ「アッ、水木しげるだ!」と気づいたが、声をかける勇気はなく呆然(あぜん)と見ていた。

2度目に出会うのは、俳優・丹波哲郎さんに何気なく「ねずみ男の冒険」の映像化を勧めたところ、大乗気になって、1997年、原作の許諾を得るため調布市にある水木プロダクションを訪ねたときだ。

「面談30分」との貼り紙のある応接間で、水木先生にお会いした。企画の話をすると、「丹波哲郎のねずみ男、イイですなあ!」と大喜びで、1時間近く話が続いた。「ボクが製作会社に話してあげましょうか」とまで言っていただいたが、こちらは時間超過が気になって、落ち着かなかった。

その後、コント55号の欽ちゃんに監督も決まったが、ある事情で映像化にはならなかった。申し訳ないと今でも思っている。

「ゲゲゲの鬼太郎」人気を支えるものは何だろうか。それは、ねずみ男の存在にある。人間でも妖怪でもなく、正義でも悪人でもなく、金と名誉と女性に極めて弱く、ときには仲間を裏切る、得体(えたい)のしれないキャラクターなのだ。しかも、水木マンガでは主役も張れば、準主役も張り、脇役、特別出演もやる。鬼太郎よりもねずみ男の方が、ファンが多いのではなかろうか。

110億で売れたら目が変化

科学都市つくばでは、妖怪ワ一ルドは受けないと思っていたが、2010年、NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が放送されると、女性たちの人気を呼び話題となった。昔、貸し本の「墓場鬼太郎」を気持ち悪そうに見ていた女性の成長した姿である。

あれから10年が過ぎた。ある土地が110億円で売れた途端に、一括売却反対だった人たちの、その場所を見る目が変化した。自分がもうかった気になっているようだ。もしかしたら、つくば市は半妖怪ねずみ男の故郷なのかもしれない。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)