筑波大学は21日、2014年度から19年度までの6年間の間に、給与や交通費の架空請求をしたなどしたとして、40代の男性助教を同日付けで懲戒解雇処分にしたと発表した。
男性助教は、自身の研究室に所属する5人の学生を、勤務実態がないにも関わらず業務を実施したかのように装い、大学から給与を支払わせ、全額を学生から自身に戻させたとされる。
さらに学生を連れた複数の出張で、自家用車で移動したにも関わらず、公共交通機関を利用したと虚偽の申請を行い、実際よりも過大な旅費を大学に支払わせたなどとされる。
不正に支出された教育研究費は6年間で計約124万1457円になり、すでに大学に返金されているという。
2020年6月、大学のコンプライアンス通報窓口に通報があり発覚した。
大学広報局は、男性助教の架空請求の動機については回答できないとし、警察への被害届については状況に応じて対応するとしている。
再発防止策として同大は、短期の非常勤職員の採用予定者にコンプライアンス教育の受講を必須とするほか、採用する場合、労働条件などの説明を事務担当者が行い、さらに勤務の事実の確認を、現場確認や電話連絡で行うなどとしている。
永田恭介学長は「大学教員としてあるまじき行為。学生を巻き込み、虚偽の説明を行い、資金を支払わせ還流させた行為は教育機関の教員として許しがたいものであり、極めて遺憾。学生、保護者、関係者の皆様の信頼を損なうことになり、深くお詫びし、真摯に重く受け止め全学を挙げて再発防止に取り組むと共に教育研究費の不正使用に対して厳正に対処します」などとするコメントを発表した。