土曜日, 10月 8, 2022
ホーム コラム 解決をしてはいけない時期《続・気軽にSOS》117

解決をしてはいけない時期《続・気軽にSOS》117

【コラム・浅井和幸】周りや環境の悪口を言い続けたり、借金を返さなかったり、人や自分を傷つける言動を繰り返したり、乱暴な運転をしたり、嫌いな人のことばかりを考えたり、人と連絡を絶ち引きこもったりと、人はわざと不幸になりたいのかなと思うような行動をとり続けることがあります。

しかし、そのような行動をとる人たちでも、ほとんどは、よりよく生きたいと思っています。つらい状況にどうしようもなく追い込まれることもありますが、上記のような行動がより良い生活のために必要だと考えて、意識して行動し続けていることも多々あるのです。

よりよい状況にしたいので、そのための邪魔になる問題は早く解決したいと考えます。ですが、問題解決を焦ってしまうと、むしろよりよく生きることとは逆の方向に向かってしまうことがありますので、注意が必要です。

借金は早く返した方がよいと無理な返済計画を立てたら、最後まで返済できなくなるかもしれません。スピードを出して乱暴な運転をしたら、事故を起こす可能性が上がり、目的の場所にたどり着けなくなるかもしれません。宿題をやれと怒れば怒るほど、宿題をやらなくなるかもしれません。

短期的に、しかも狭い範囲で見れば得をする、問題解決すると思うことが、中長期的に見みると、むしろ問題をこじらせてしまうことも多々あるのです。短期的に見れば、お金を借りて返さない方が、お金を返すよりも手元に残って得かもしれません。ですが、長期的に見れば、借りたお金を返した方が信頼ができ、次にまたお金を借りることができるようになるかもしれません。

周りや世界が変化するのを待つ

これらを踏まえたうえで、相談を受けるときにはどうでしょうか。例えば、お金を貸してくれと相談されても、無駄遣いをすることが明らかなときはお金を貸しても解決にはならないでしょう。それと同じように、学校にさえ行ければ、彼女さえできれば、何かきっかけさえあれば、うまくいくと決めつけた状態のときは、次に進むのは危険なことが多いのです。

また、これとこれをまず行ってみて、次にこれをすれば状況が変わってくると予測できても、当人がこちらの言葉に耳を傾けて実行できる段階でなければ、問題解決に進むのではなく、まずは話をじっくり聞いて共感をするなどし、味方になることが必要になります。

例えば、Aさんが周りの悪口を言い続けているような状況のときは、Aさん自身に考え方や行動の変化を促しても反発につながります。そのときは、その悪口に耳を傾けて、周りが変わったらもうけもんだというぐらいの感覚で、じっと何年も待つことが必要かもしれません。

働きかけず待つだけで、周りや世界が変化するのを待つのも一つの生き方なのでしょう。私は、自分のできる動きで目的に向かう方法を探ることをお勧めしますが、それができないときは、じっくりと伴走をして待つのも相談の一つなのでしょう。(精神保健福祉士)

誹謗中傷するコメントはNEWSつくば編集局が削除します。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

信州の山《続・平熱日記》119

【コラム・斉藤裕之】初めて信州の山並みを見た時の感動を今も覚えている。生まれ育ったところの丘のような山とは全く違う。その手の届かないような高さや鋭角な形、色。それが幾重にも連なっている様(さま)は、「畏怖(いふ)」とか「崇高」とか普段あまり使わない言葉を想起させる。 信州上田に大学の後輩が住んでいる。作家でもあり、コーディネーターとしても活躍している彼が、上田のとあるパン屋さんで展覧会をやるから信州の山絵を描いてよこせ、と言う。題して「信州山景クラッシック」。なるほど。30年近く前に私の冗談から始まった、「富士山景クラッシック」という富士山をテーマにした展覧会の信州版ということか。 天気予報は晴れ。朝起きて信州行きを決める。5時出発。予定では3時間余で上田に着く。関東平野の終わりに妙義山が見えてくる。長いトンネルをいくつかくぐると、いよいよ信州。知識がないので何という山か知らないが、遠くに蒼(あお)い稜線(りょうせん)が見える。 「待てよ、このまま長野まで行ってみよう」ということで、朝早くに善光寺に参った。実は、初めて訪れた長野市と善光寺。短い時間だったが、山門の上に登って長野の街を眺める。 それから国道を通って上田に。実は娘の義理のお母さんのご実家は上田。かねがね、ゆっくりと訪ねてみたいと思っていたのだが、今回は時間の制限もあるので、とりあえずそのパン屋さんに向かう。店は歴史を感じる旧街道筋の一軒。知る人ぞ知る名店らしい。けれども、実に素直な造りで押しつけがましさがない。 食事のできる2階の窓から烏帽子岳が見えると聞いていたので、階段を上らせてもらうと、畳の上にご主人とおぼしき方がごろりと寝ておられる。なるほど、この風貌にこの店構えに納得。窓越しに山を見ようとするが、山頂に大きな雲がある。黙ってこっそりと引き上げようと思っていたのだけれど、体を起こされたので、「○○さんの友人で山を描きに来まして…」と事情を説明。

ごみ焼却発電を市役所など41施設に供給 県内初「自己託送」つくば市

電気料金が値上がりする中、つくば市は、市のごみ焼却施設、つくばサステナスクエア(同市水守)で発電した電力の一部を、市役所本庁舎など41施設に供給する「自己託送」と呼ばれる事業を10月1日から開始したと発表した。自己託送は東京都八王子市や千葉県船橋市などで実施されているが、県内市町村では初めてという。 年に電力料金6890万円削減 導入により、41施設の電力料金が年約6890万円削減でき、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を年約1900トン減らすことができるという。41施設は市役所のほか、交流センター、市立保育所、老人福祉センター、体育館など。 自己託送は、自家発電設備で発電した電力を、電力会社の送電網を使って、遠隔地にある自己所有の施設に送電し供給する事業。2013年に制度が始まったが、電力需要の計画値と実績値にずれがあるとペナルティーを科されるなどのためなかなか普及しなかった。 同市のごみ焼却施設では年約2600万キロワットを発電している。約1000万キロワットを自家消費し、残り約1600万キロワットは売電し、年約1億7890万円の売電収入があった。 売電していた約1600万キロワットのうち、41施設の必要電力量の7割にあたる420万キロワットをごみ焼却施設から供給する。7割にとどめるのはペナルティーを避けるため。残り3割は新電力のアーバンエナジー(横浜市)から、廃棄物発電や木質バイオマス発電、太陽光発電などの電力を購入する。ごみ焼却発電の残り約1180万キロワットは引き続き売電する。

魔女のフェスタ4回目は「秋の収穫祭」 11月12日に旧筑波小跡

インターナショナルスクール計画が浮上した旧筑波小学校跡(つくば市国松)で、11月12日に「魔女のフェスタ・秋の収穫祭」が開かれる。同小跡でのフェスタ開催は4回目、主催者のいしざき緑子(魔女の学校主宰者)さんは今回のテーマに「星の子どもたち・土とおとなたち」を掲げた。 いしざきさんは、コロナ禍で加速したオンライン授業をはじめとするIT化で、子供たちの個性を発揮する場が損なわれつつある、と危機感を抱く。「星の子どもたち」は、一人ひとりの輝く星をいっぱいに輝かせてあげたいとの願いを込めての企画だそう。子供たちの自由なお店屋さんごっこ用に1教室を充てる「子魔女商店街」をメーンに、手作りのゲームやアート作品、マント作りなどユニークな店舗が軒を並べる。子供たちが一日中遊べたり、お母さんたちが交流出来るような場を用意する。 「土と大人たち」は、足元の大地と繋がりながら様々な人々が自然と共鳴し合おうと呼びかける。ジャンベやディジュリジュなど様々な民族楽器の演奏、踊り、パレードなどで来場者と一緒に盛り上げる。ステージでは群馬県館林市の常楽寺から池田元用住職を迎えてのフリートーク式お悩み相談、デザイナーのルウさんによる「ファッションは生き方」テーマのトークショー、ミュージシャンの奈良大介さんによる野外ライブなどが予定されている。 祭りは、校庭に飲食店のキッチンカーや模擬店が並び、3階建ての校舎にはアクセサリー、フラワーアレンジメントなどの手作り品、占いやアロマセラピー、ハーブを利用した癒し療法の店が出来る。3階の音楽教室ではライブイベントが行われ、ベリーダンスのパフォーマンスもある。魔女の学校関係者、近隣の人たちが一緒になって祭りを盛り上げる。 前回開催時、校庭の駐車場は来場者の車両で早々に埋まり、キッチンカー前には行列が出来た 魔女のフェスタは回を重ねるごとに盛況になり、参加者も広範になった。ことし5月の開催では2000人を超える入場者があり、学校前の狭い市道には車があふれ、警察車両が出動する騒ぎもあった。いしざきさんらは新たな駐車場確保など、地元との連携に腐心する。

大動脈解離 医療と運 《くずかごの唄》117

【コラム・奥井登美子】夫が76歳のときだった。元気でジョギングが大好き。「東京で会議があるので、皇居のまわりを3周してから行く」といって出かけていった。 「モシモシ。奥井清さんのお宅ですか?」「ハイ」「こちら東京医科歯科大学病院の救急医のHと申します。奥井さんが救急搬送されました。検査をしたいのですが、家族のサインが必要です。15分以内に病院に来てもらいたいと思います」「意識はありますか?」「意識はありません。早くしないと呼吸が止まる可能性もあります」 病院は御茶ノ水駅の近くだ。空を飛んでいきたいが、それでも土浦から15分は無理。どうしよう。医者の兄は千葉で、1時間近くかかる。娘は世田谷。タクシーで30分はかかる。困った。 呼吸が止まるかもしれないと言われた。いったぃどうしたのだろう。タケちゃんしかいない。私は祈るような気持ちで、文京区白山の弟の加藤尚武に電話してみた。 「10分以内に行けるよ。大丈夫すぐ行く」 手早い技術と処置が命を救ってくれた