土曜日, 12月 27, 2025
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28人の当選者決まる つくば市議選

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衆院選から始まった開票作業は翌朝にまで及んだ=つくば市金田の桜総合体育館

つくば市議選の開票が27日行われ、28人の当選者が決まった。内訳は現職が18人、新人が10人、政党別は自民1人、公明3人、共産1人、市民ネット4人。定数を18人上回る46人が立候補していた。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。

【つくば市議選】(定数28)選管確定

当 8634 塚本 洋二 52 自現⑤
当 7643 川久保皆実 38 無現②
当 5123 市原 琢己 32 無新①
当 4407 飯岡 宏之 62 無現⑦
当 4160 川田 青星 25 市新①
当 3867 山中 真弓 46 共現③
当 3399 小森谷佐弥香 50 市現③
当 3399 神谷 大蔵 51 無現④
当 3314 小久保貴史 51 無現④
当 3214 木村 修寿 70 無現④
当 3190 塩田  尚 74 無現⑨
当 3155 篠内 幸代 46 公新①
当 3108 梅沢 尊信 41 公新①
当 3100 青木 真矢 45 無新①
当 3029 川村 直子 52 市現②
当 3001 田代  優 33 無新①
当 2891 木村 清隆 60 無現④
当 2835 小村 政文 30 無現②
当 2802 渡辺 峰子 55 公新①
当 2802 浅野英公子 63 市現②
当 2766 五頭 泰誠 56 無現④
当 2713 酒井  泉 75 無新①
当 2650 黒田 健祐 43 無現④
当 2434 樋口 裕大 36 無新①
当 2426 中村 重雄 54 無現②
当 2290 榊原アリーゼ 29 無新①
当 2212 高野 文男 61 無現③
当 2194 伊藤 文弥 36 無新①

・ 1922 野崎 裕二 37 無新
・ 1861 橋本けい子 70 共現
・ 1756 佐藤せつ子 71 共新
・ 1548 長塚 俊宏 62 無現
・ 1263 桜井 裕基 41 無新
・ 1146 木村 芳美 61 無新
・ 913 齊藤 新吾 49 無新
・ 817 薮下(鎌田)典子 49 無新
・ 793 砂坂 善成 73 無新
・ 653 田島 由紀 39 無新
・ 408 金岡  誠 38 無新
・ 385 藤木  潤 45 無新
・ 306 加藤  豊 62 無新
・ 248 黒崎  博 42 無新
・ 213 荘司 信之 49 無新
・ 212 広石 恒生 57 無新
・ 204 恩田  肇 61 無新
・ 95 山崎 健介 49 無新
 ※政党名は自=自民 公=公明 共=共産 市=市民ネット、無=無所属

【つくば市議当選者一覧】

届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

塚本 洋二(つかもと・ようじ)52 飲食店 自現④
【略歴】県立土浦産業技術専門学校自動車整備科卒。御食事処三丁目個人事業。社会福祉法人博愛会理事。信輝インターナショナル顧問。つくば市出身。花畑在住
【公約】①近隣自治体との連携した公共バス整備②身近な公園・緑地の整備と遊具の充実
③体育館などへエアコン設置(避難所対応も含め) 

川久保皆実(かわくぼ・みなみ)38 弁護士 無現①
【略歴】東京大法学部政治学研究科修了。つくば市議会議員。弁護士。シンプルウェイ取締役。つくば市出身。松代在住
【公約】①子育て支援を中心とした政策20件の実現②各政策の進歩状況の徹底的な見える化③子育て目安箱・ごみ拾い交流会を通じた広聴

市原 琢己(いちはら・たくみ)32 医師 無新
【略歴】東京医科大医学部卒。医療法人健佑会理事長。つくば医師会理事。社会福祉法人健誠会理事。つくば市出身。吾妻在住
【公約】①教育日本一のつくば②もっと住みたくなるつくば③医療DX化を推進し、安心な街つくばを目指す

飯岡 宏之(いいおか・ひろゆき)62 建設会社職員 無現⑥
【略歴】日大理工学部卒。飯岡建設。元・アイ・エヌ・エー筑波研究所。元・筑波学園企画 つくば市出身。上野在住
【公約】①周辺部と中心部との格差是正②子育て支援の施策に力を注ぎ好循環なまちづくり③緊急通報システム事業の拡大

川田 青星(かわだ・あおる)25 政治団体運営委員 市民ネット新
【略歴】日本大法学部卒。つくば・市民ネットワーク運営委員。元・県内金融機関勤務。つくば市出身。高見原在住
【公約】①相談体制の拡充をはじめ、子育て支援を強化②周辺地域のまちづくりを活性化
③子ども一人ひとりの多様な学びを実現

山中 真弓(やまなか・まゆみ)46 党役員 共現②
【略歴】東京農工大大学院連合農学研究科修了。政党役員。元・ツムラ社員。栃木県市貝町出身。上ノ室
【公約】①学校給食費ゼロ・県立高校増設②水道料金値上げストップ③高齢者へのタクシー・民間路線バスの運賃補助

小森谷佐弥香(こもりや・さやか)50 薬剤師 市民ネット現②
【略歴】富山医科薬科大薬学部卒。保険薬局薬剤師。元・製薬会社MR(医薬情報担当者)勤務。群馬県前橋市出身。研究学園在住
【公約】①情報公開と市民参加をもう一歩前へ②人間にも環境にも健康的なまち つくばへ③TX沿線に市民が集える居場所を

神谷 大蔵(かみや・だいぞう)51 卸販売業社長 無現③
【略歴】霞ケ浦高校卒。つくば観光コンベンション協会副理事長。筑波山地域ジオパーク推進委員会委員長。つくばフェスティバル実行委員会委員長。筑波物産代表取締役。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。沼田在住
【公約】①災害や危険に強い街づくり②誇れる周辺地域の街づくり③子どもや高齢者が明るく元気に暮らせる街づくり

小久保貴史(こくぼ・たかし)51 農業法人代表 無現③
【略歴】八ケ岳中央農業実践大卒。筑波農場代表取締役。つくば市筑波土地改良区副理事長。つくば市監査委員。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。小田在住
公約】①道の駅や産業集積拠点整備で地域活力の向上へ②子供や高齢者がいきいき暮らせるまちづくり③市中心部と周辺地域の格差是正の取り組み

木村 修寿(きむら・しゅうじ)70 元つくば市役所職員 無現③
【略歴】土浦日大高校卒。つくば市議会議員。つくば市島名地区まちづくり協議会会長。つくば市保護司。つくば市・福田坪区画整理審議会委員。総務文教常任委員長。元・谷田部町役場職員。元・つくば市役所職員。つくば市出身。島名在住
【公約】①香取台・みどりの・研究学園地区へ地域交流センターの整備②高齢者・障害者福祉の充実③圏央道地域への道の駅の整備

塩田 尚(しおた・ひさし)74 行政書士 無現⑧
【略歴】神奈川大法学部卒。つくば市議会議員。行政書士。元・谷田部町議会議員。元・茨城県議会議員。愛媛県四国中央市出身。真瀬在住
【公約】①学童保育の待機児童をゼロにする②全ての学校にフリースクールを設置する③ヤングケアラーの子どもを支援する制度を作る

篠内 幸代(しのうち・さちよ)46 政党役員 公新
【略歴】創価大教育学部卒。公明党副支部長。元・美浦村立大谷小非常勤講師。元・つくば市立谷田部東中学校サポーター。つくば市出身。小野川在住
【公約】①幼児期の発達相談体制・多様な学び・学校教員への支援体制の充実②帯状疱疹ワクチンの公費助成③高齢者のゴミ出し等の生活支援

梅沢 尊信(うめざわ・たかのぶ)41 塗装業会社経営 公新
【略歴】筑波研究学園専門学校卒。梅沢塗装工業代表取締役社長。つくば市商工会青年部副部長。つくば市出身。君島在住
【公約】①「車が無くてもどこにでも行ける」街づくり②生活道路・通学路の整備と道路環境整備③区域指定の拡大

青木 真矢(あおき・しんや)45 農業団体代表 無新 
【略歴】京都芸大情報デザイン学科卒。アオニサイファーム代表。ワニナルプロジェクト。ファストユニオン。EAT and kamiGo実行委員会代表。京都府京田辺市出身。島名在住
【公約】①市民全員が住みやすい環境を整備する②観光を通じて街を盛り上げる③幅広い世代が輝ける街にする

川村 直子(かわむら・なおこ)52 社会福祉士 市民ネット現①
【略歴】日本福祉大社会福祉学部卒。つくば市議会議員。元・日本聖公会名古屋学生青年センター主事。新潟市出身。花園在住
【公約】①LGBTQ等生きづらい人が自分らしく生きられる地域づくり②あらゆる場面でのジェンダー平等推進③気候危機対策の積極的推進

田代  優(たしろ・ゆう)33 飲食店職員 無新
【略歴】聖徳大学附属聖徳高校卒。麺屋こうじ。龍ケ崎市出身。学園の森在住
【公約】①教育環境の充実(給食無償化、病児保育の強化)②安全なまちづくり(通学路整備、親子防災)③優しい地域のつながりづくり

木村 清隆(きむら・きよたか)60 団体理事 無現③
【略歴】日本大法学部卒。つくば市議会議員。公益社団法人国際IC日本協会理事。つくば市立豊里中学校評議員。TISつくばインターナショナルスクール学校評議員。元・日本ファイリング。元・日本労働組合総連合会茨城県連合会副会長。元・ものづくり産業労働組合JAM。つくば市出身。上郷在住
【公約】①中小企業振興基本条例を制定し、地域経済活性化に取り組む②教育予算拡充③2025年問題対応、高齢者と共に次世代を大切に考える

小村 政文(こむら・まさふみ)30 観光業 無現①
【略歴】筑波大生物資源学類卒。勝手につくば大使。北海道網走市出身。花畑在住
【公約】①子育て当事者として、産みやすい・育てやすいまちを推進②議会の情報を分かりやすく見える化③筑波大学の存在を活かし、スポーツでつくばを盛り上げる

渡辺 峰子(わたなべ・みねこ)55 政党役員 公新
【略歴】東京スチュワーデス専門学校卒。公明党つくば支部副支部長。元・味の素勤務。元・つくば市立高崎幼稚園勤務。元・ママMATE社。美浦村市出身。高見原在住
【公約】①ワークライフバランスにおける支援政策を推進②防災減災対策を徹底し、安心安全な地域づくり③車がなくても困らない街づくり

浅野英公子(あさの・えくこ)63 元・高校講師 市民ネット現①
【略歴】東京外国語大卒。元・学習塾。元・高校講師。元・オーガニック検査員。富山市出身。吾妻在住
【公約】①市民意見が尊重されるまちに②こどもがホッとできる場をふやす③特に高齢者の生活支援の情報が確実に届くようにする

五頭 泰誠(ごとう・やすまさ)56 建設業 無現③
【略歴】つくば市議会議員。保護司。五頭産業。元・つくば市産業育成協議会代表理事。元・つくば秀英高校PTA会長。元・土浦三高PTA理事長。栃木県小山市出身。吉瀬在住。
【公約】①スマートICによる周辺道路の整備②河川敷に新たなグランド整備③犬と共存共栄の地域づくり

酒井 泉(さかい・いずみ)75 市民団体代表 無新 
【略歴】東北大工学部卒。桜中部まちづくり協議会副会長。つくばのまちづくりを考える会代表。元・福井大学教授。元・高エネルギー加速器研究機構准教授。つくば市出身。上境在住。
【公約】①「科学と教育と集落の緑」つくば市のブランド化②「情報の共有と対等な議論」民主主義の徹底③「個人の尊厳を守る」福祉社会の実現

黒田 健祐(くろだ・けんすけ)43 元会社員 無現③
【略歴】学習院大文学部哲学科卒。つくば市議会議員。元・ネクシィーズ(派遣元フルキャストグループ)、元・シティバンク(派遣元グッドウィルグループ)、元・アンパス勤務。つくば市出身。東平塚在住
【公約】①定住促進(選ばれるまちづくり)②産業創出(強いまちづくり)を進める③持続可能な発展と財政力を維持し、住民福祉の向上に努める(住み続けたいまちづくり)

樋口 裕大(ひぐち・ゆうだい)36 ファイナンシャルプランナー 無新
【略歴】敬愛大学国際学部卒。Doitプランニング社ファイナンシャルプランナー。千葉市出身。みどりの南在住
【公約】①高校進学の不安を解消します②こどもたちの安心・安全の確保③みんなが主役の居場所作り

中村 重雄(なかむら・しげお)54 米穀店代表 無現①
【略歴】東洋大附属牛久高卒。つくば市議会議員。中村米穀店代表取締役。つくば市商工会理事。つくば市消防団谷田部支団指導員。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①消防団の組織強化と地域防災力の強化②農商工の連携をはかり地域経済の好循環③安心安全な教育環境の実現

榊原アリーゼ(さかきばら・ありーぜ)29 政治団体代表 無新
【略歴】水戸南高校卒。政治団体縁粋会代表。元・タクシー運転手。元・運転代行。かすみがうら市出身。中根在住
【公約】①子育て・教育支援の充実②高齢者支援の強化③安全で安心な街づくりと市民還元

高野 文男(たかの・ふみお)61 損害保険代理店代表 無現②
【略歴】県立藤代高卒。損害保険代理店代表。牛久茎崎ライオンズクラブ監査。つくば中央倫理法人会相談役。くきざき夢まつり実行委員長。つくば市出身。上岩崎在住
【公約】①子育て支援と教育環境の整備②防災・災害対応に充実した街づくり③農業環境の充実と新たなる産業の創出

伊藤 文弥(いとう・ふみや)36 農業福祉法人代表 無新
【略歴】筑波大理工学群科学類卒。NPO法人ユウアイフィールドつくば代表理事。保護司。元・NPOつくばアグリチャレンジ副代表理事。愛知県碧南市出身。並木在住
【公約】①障害のある人の就労支援と環境整備②特別支援教育の充実と教育環境の改善③学校給食の地産地消化推進

五十嵐氏が星田氏破り3選 つくば市長選

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3選を果たし支持者らと万歳三唱する五十嵐氏(中央)=つくば市上横場の選挙事務所

任期満了に伴うつくば市長選は27日即日開票され、現職で3期目を目指した五十嵐立青氏(46)=無所属=が、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=を破り、3選を果たした。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。

【つくば市長選】(選管確定)
当 61,604 五十嵐立青 46 無現②
  54,580 星田 弘司 50 無新

  (無効3,976 持ち帰り5)

五十嵐氏は、2期目の公約135項目は86.1%進ちょくしたなど実績を強調、3期目に向け99の公約を掲げた。マニフェストなどを連日、新聞折り込みなどで配布。街頭演説や市内TX各駅でのあいさつを重ね、市議会最大会派などの応援を得て選挙戦を展開した。

星田氏は、がん対策や性暴力根絶条例の策定など県議4期の実績を強調。街頭演説やTX各駅でのあいさつを重ねた。推薦を受ける自民党の応援を得て、片山さつき参院議員、いばらき自民党の県議のほか、大井川和彦知事らが応援に駆け付けて選挙戦を実施した。

「99の公約をしっかり実現」五十嵐氏

同市上横場の選挙事務所には、衆院選茨城6区で勝利した青山大人氏、大部勝規高萩市長、大塚秀喜桜川市長、ヘイズ ジョン県議らが駆け付け、28日未明まで開票を待った。

開票がなかなか進まない中、午前3時前、星田氏が敗戦の弁を述べたことが五十嵐陣営に伝わると、3時15分、雨が降りしきる中、傘をさして祝勝会を開催。五十嵐氏は「大変厳しい選挙戦だったが3期目の当選をすることができた。(後援会の)青風会の皆様お一人おひとりが各地で全力で活動してくださったお陰で、私の思いを市民に伝えることができた。99の公約をしっかり実現していくため全力で仕事をしていきたい。今回、星田さんに投票した市民の気持ちもしっかり受け止めて、誰一人取り残さない市政を前に進めたい」などと話した。

「国政選挙の影響を受けた」星田氏

「不徳の致すところ」と敗戦の弁を述べる星田氏=つくば市西大沼の選挙事務所

星田氏は28日午前2時40分、1回目の開票結果を待たずに、集まる100人ほどの支援者に向けて敗戦の弁を述べた。同市西大沼の事務所敷地に設けた選挙報告会場には、小選挙区で敗れ、比例で復活当選した国光文乃衆院議員も応援に駆けつけた。開票会場に詰める関係者からは、星田氏が5万1000票程度、五十嵐氏が6万票程度との見込み情報が入っていたという。

星田氏は「多くの皆様に支援、協力をいただき全力で闘ったが、残念ながら、私の不徳の致すところで敗戦となった」と述べた。「8月19日に出馬表明をして以来、各地区で多くの方に支援・協力をいただいた」とし、「市議会で6年、県議会で20年間にわたる政治活動をしてきた。これからは、いち民間人になるが、これまでの経験をかてに、皆様と共にがんばっていきたい」と深々と頭を下げた。

支援者からは、「結果的には国政選挙の影響を受けて残念な事態になった。市長選にも影響したというのが見方。若いので、これからもがんばってほしい」と激励の声が上がった。

五十嵐立青氏

五十嵐 立青(いがらし・たつお)46 市長 無現
【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。つくば市長。つくば観光コンベンション協会会長。いがらしコーチングオフィス代表。茨城パラスポーツ協会理事。元・NPO法人つくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住
【公約】①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉

(鈴木宏子、柴田大輔、崎山勝功)

立憲 青山氏が自民 国光氏制し当選 衆院選茨城6区

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支援者らと万歳をする青山氏=土浦市下高津の選挙事務所

衆院選は27日、投開票が行われた。つくば、土浦などの茨城6区は、立憲前職で3期目を目指した党副幹事長の青山大人氏(45)が、自民前職で3期目を目指した元総務政務官の国光文乃氏(45)、共産新人で元つくばみらい市議の間宮美知子氏(77)を破り、3選を果たした。青山氏は前回、前々回と比例区で復活当選しており、小選挙区で国光氏を破ったのは初めて。

【茨城6区】(選管確定)
当 120,434 青山 大人 立憲前 45
当 107,305 国光 文乃 自民前 45
  16,586 間宮美知子 共産新 77

「即効性のある物価高対策進める」青山氏

土浦市下高津の選挙事務所には大勢の支持者が詰めかけた。午後9時15分過ぎ、当選確実の報が伝わると、集まった100人を超える支援者らの歓声と拍手が会場を包み込んだ。挨拶に立った青山氏は「本当にたくさん方の力で初めて小選挙区で勝つことができた」と感謝を述べた。選挙区で落選した前回(2021年)衆院選を振り返り、「深夜3時過ぎ、北関東比例区最後の枠で復活当選することができた。あれから3年、(選挙区当選の)光景を何度も夢見てきた」とし、「今日が新たな一歩。初心を忘れず、生まれ育った茨城6区、日本のために日々精進していきたい」と思いを語った。

選挙戦で訴えてきた物価高対策については、「即効性のある法案、対策を進めていく」とし、教育費の負担軽減や子育て支援の拡充については、「私自身、2人の子育てをする父親として、同世代の皆さんの大変さを聞いている。教育の負担軽減、子育て支援に取り組んでいきたい」と述べた。

会場には堂込麻紀子参議院議員や、宮嶋謙かすみがうら市長ら周辺自治体の首長、支援団体の代表ら支援者が多数詰めかけた。土浦一高で同級だった五十嵐立青元つくば市長も祝福に駆けつけた。

青山大人氏

青山大人 45 立憲前② 党副幹事長
【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書、県議2期、2017年比例復活で初当選。党県総支部連合会代表、党幹事長部局副幹事長
【公約】①時限的消費税減税など内需主導型経済対策②危機管理に投資しリスクを最小化②教育無償化、看護・介護・保育・教育現場の処遇改善など人への投資

「政治とカネの問題に厳しい目線感じた」国光氏

つくば市吉瀬の前事務所には午後8時前から支持者らが集まり、テレビの開票速報を見守った。午後8時30分、青山氏優勢が伝えられると、会場はざわめいた。青山氏の当選確実が報じられた後、午後9時15分前、国光氏が会場に姿を見せ「私の力不足で小選挙区の当選を果たすことが出来なかった。何が足りなかったのか、国民の審判をしっかり受け止めたい。暑い日も寒い日も、私と歩いていただき、いい時も悪い時も伴走していただいた皆様に感謝したい。皆さんのお困りごとを少しでも前に進め、これからも頑張って参ります」とあいさつし、頭を下げた。

敗因については「政治とカネ、2000万円を非公認に振り込んだことは私自身も驚いた。選挙戦は今までと異なり、非常に厳しく白けた目線を感じた。私自身、地盤、看板、かばんが無い中で声を上げるべきだったかもしれない」などと話した。

国光氏は日付変わって28日午前0時過ぎ、重複立候補していた比例区での当選が決まった。

「これからも頑張る」とあいさつする国光氏=つくば市吉瀬の選挙事務所

国光あやの 45 自民前② 元総務政務官 公明推薦
【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。勤務医、厚労省医系技官、同保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉氏の後継者として初当選。第2次岸田内閣で総務政務官。
【公約】①物価等に連動した年金受給額のさらなる引き上げ②国道6号バイパスの整備促進➂霞ケ浦医療センターの整備実現

愛犬とのダンスなど披露 わんわんランドで学園祭 つくば国際ペット専門学校

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パートナードッグと一緒にパフォーマンスを披露するドッグトレーナーコースの2年生ら=つくば市沼田、つくばわんわんランド

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田、東郷治久理事長)が26日、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして、学園祭「第15回犬友祭(けんゆうさい)」を開催した。犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちがさまざまな企画を用意した。

ドッグトレーナーコースの2年生42人が、学生生活を一緒に過ごしてきた1人1頭のパートナードッグと、ダンスや曲芸を見せた。「オンリーワン(only wan)」と題したパフォーマンスで、それぞれのパートナードッグと1年半向き合った成果を披露し学園祭のフィナーレを飾った。成功すると観衆から大きな拍手が沸き起こった。

混雑を避けるため一般参加を取り止めて、卒業生や家族など関係者だけでの開催となり、2000人ほどが集まった。在校生は約500人おり、卒業生らの同窓会の要素もあるという。

卒業生や家族などでにぎわった犬友祭の様子

犬の美容師を目指すドッグトリマーコースの2年生は、犬と一緒に写真を撮影したり、愛犬に付けるスタイ(よだれかけ)や自分に付けるアクセサリーを作る体験会を企画した。

愛玩動物看護師コースと動物衛生看護コースの2年生は「ワォーン!!びっくりハウス」と題し、付属の動物医療センターでお化け屋敷を催した。同コース3年生は、自宅の愛犬に合わせた大きさのおもちゃを作り、「犬と遊ぼう」という企画を開催した。

ペットケア総合コース2年生は、毎年来園者から好評を博しているドッグレースを企画。同校の学生らが毎日共に過ごしているパートナードッグの中から選ばれた愛犬が出場し、レースが催された。

園内では、ハンバーガーやおでん、ラーメンなど12チームがそれぞれの模擬店を出店するグルメコンテストなども開かれた。

愛犬を連れて家族と共に筑西市から参加した卒業生の本城亜瑚さん(22)は「3年前卒業して、とても懐かしい。当時はコロナ禍で大変だったが、トレーナーとして良い仕事ができるよう頑張っていきたい」と話した。(榎田智司)

愛犬と写真撮影に応じる卒業生の本城亜瑚さん(右)と飯村亜美さん

親子で里山を楽しむ《宍塚の里山》 118

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写真は筆者

【コラム・西川菜緒】6年前の話になりますが、幼稚園児だった娘が持ち帰ってきた「宍塚大池のお知らせ」をきっかけに、親子で里山散策がはじまりました。初めて参加した月例テーマ観察会「きのこ」で見つけたのが、大きなアカヤマドリ(食用キノコ)。「これ食べたい」という娘の熱意に押されて持ち帰り、切るたびに出てくる白い虫と格闘しながら作った天ぷらを、目をキラキラさせながら食べていた娘を思い出します。

その後も、月例テーマ観察会と里山子ども探偵団に参加し、専門家やベテランスタッフとの交流を通して、娘はたくさんのことを学び、自然への興味を深めています。里山にはマムシやスズメバチなど危険な生き物もいます。逆に、毛虫でも毒のない種類もおり、触ってみるとフサフサと心地よい感触だったりします。

里山には、食べることのできる山菜もたくさんありますが、勝手に採取してはいけない場所もあります。会のイベントに参加することで、里山のルールを学ぶことができますので、初めは親子で参加することをお勧めします。

目で見て触って耳を澄まして

今の時期、娘の楽しみは、山芋のつるについたムカゴ取りです。角度を変えながらじっくり眺めて、無心で取っていきます。ムカゴはご飯と一緒に炊くと、ホクホクとした食感がおいしいです。

親子で里山を楽しむコツは、①汚れることを気にしない=ぬかるみも多いので長靴は必須、②時間を気にしない=道端に生えているノビルを見つけ、引っ張っては抜いて、イモムシのお食事タイムを観察、③持ち帰った山菜は子供と一緒に調理する=自分で採取して作った料理の味は格別―です。

里山を歩いていると、独特の匂いを放つスッポンタケの香りを感じて鼻をくんくんさせたり、コンコンと木をつつくコゲラを見つけたり、いろいろな楽しさを味わうことができます。

スマホでなんでも調べることのできる時代ですが、目で見て触って、耳を澄まして、深呼吸しながら匂いを感じて、里山の恵みを味わう。素敵な体験のできる宍塚の里山に親子で遊びにきてください。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

2人の宇宙飛行士がつくばデビュー JAXA特別公開で

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宇宙飛行士2人の楽しいおしゃべりに沸く=筑波宇宙センター

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が26日、つくば市千現の筑波宇宙センターで開いた特別公開で、2人の宇宙飛行士がつくばデビューを飾った。21日に日本の新たな宇宙飛行士として認定されたばかりの米田あゆさん(29)と諏訪理さん(47)。月探査計画を含む将来の宇宙プロジェクトに向けて意気込みを語り、イベント参加者からの質問に答えた。

この日約4800人を集めた特別公開には40を超すイベントが用意された。注目を集めたのは「宇宙飛行士候補者 基礎訓練報告会」。2人は昨年、宇宙飛行士の候補者に選ばれたあと、約1年半の基礎訓練を経て21日、JAXAから正式に宇宙飛行士として認定された。このため「候補者」の肩書が外れて、一般向けに初のお披露目となる晴れ舞台になった。

米田あゆさん

報告会では、4つの分野からなる基礎訓練の内容が紹介された。飛行機に乗って無重力に近い環境を体験したり、自衛隊のサバイバル訓練に参加するなどの経験を積んだ。そのうえで宇宙実験に必要な科学的な知識などを問う試験があり、合格の報に2人は「ワクワクしている」(米田さん)、「一歩一歩頑張ってやっていきたい」(諏訪さん)と決意を新たにした。

2人は今後、渡米してNASA(アメリカ航空宇宙局)で宇宙飛行士としての訓練を受けることになる。アメリカが主導する国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」など国際的な月探査計画に参加して、日本人として初めて月面に降り立つことも期待されている。

諏訪理さん

質疑応答で「月で何をしたいか」を問われた2人は「空気のない月では影が暗く映ると聞くので、かくれんぼをしたらどうなるか試してみたい」(米田さん)、「太陽系がどうやってできたか、地球がどうやってできたか、月がどうやってできたか分かるような石を探したい」(諏訪さん)などと答え、会場を沸かせた。

JAXAでは13年ぶりの宇宙飛行士の誕生で、これで古川聡さん、星出彰彦さんら7人の陣容になる。報告会は事前予約制で参加者を募ったが、新たな飛行士誕生を知った多くの宇宙ファンが会場に詰め掛けた。

千葉県柏市から来た中学2年と小学5年のきょうだいの兄、中村凌さんは「旅客機のパイロットを目指しているので飛行機での無重力訓練の話が興味深かった」、妹の葵さんは「米田さんはかっこよくて堂々としていて憧れの存在になった」という。(相澤冬樹)

あす投開票 衆院選、つくば市長・市議選

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街頭演説するつくば市議選立候補者

解散に伴う衆院選と、任期満了に伴うつくば市長・同市議選(定数28)は27日午前7時から午後7時まで、市内76カ所で投票が行われ、午後8時30分から同市流星台の市桜総合体育館で即日開票される。開票は衆院選小選挙区、同比例区、最高裁国民審査、市長選、市議選の順で行われ、すべての大勢が判明するのは翌28日未明ごろになりそうだ。有権者数は19万9711人(19日現在)で、4年前より約1万2000人増えた。25日までの期日前投票の投票率は15.94%だった。

衆院選小選挙区茨城6区(つくば、土浦、石岡市など)に立候補しているのは、立憲前職で3期目を目指す党副幹事長の青山大人氏(45)、共産新人で元つくばみらい市議の間宮美知子氏(77)、自民前職で3期目を目指す元総務政務官の国光文乃氏(45)の3氏。

つくば市長選に立候補しているのは、現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と、新人で前県議の星田弘司(50)=無所属、自民推薦=の2氏。

同市議選には定員を18人上回る46人が立候補している。内訳は現職が19人、新人が27人。政党別は自民1人、公明3人、共産3人、市民ネット4人、無所属35人。

市長選に立候補している五十嵐氏は「ともに創る。誰一人取り残さない」をスローガンに掲げる。告示後は主に、応援を得る市議会最大会派の市議選立候補者らと連日、市内各所で街頭演説に立ち、市内TX線各駅でのあいさつを重ねてきた。26日は午後7時から、つくば駅前の商業施設BiViつくば前で最後の訴えをする。

星田氏は「市政を再起動」をスローガンに掲げる。大井川和彦知事、いばらき自民党の県議、片山さつき参院議員など自民党国会議員らの応援を得て、連日、市内各所で街頭演説と、市内TX線各駅でのあいさつを重ねてきた。26日は午後5時から、同市上横場のシティマーケットうおまつ本店駐車場で最後の訴えをする。

選挙ポスター掲示板=つくば市小茎、茎崎交流センター

【つくば市長選立候補者】届け出順

五十嵐立青氏

五十嵐 立青(いがらし・たつお)46 市長 無現②
【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。つくば市長。つくば観光コンベンション協会会長。いがらしコーチングオフィス代表。茨城パラスポーツ協会理事。元・NPO法人つくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住
【公約】①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉

星田弘司氏

星田 こうじ(ほしだ・こうじ)50 自新
【略歴】明治大公共政策大学院ガバナンス研究科修了。星田建設工業社員。茨城県パワーリフティング協会会長。茨城県行政書士会顧問。茨城県建設業協会顧問。元・つくば市議会議員。元・茨城県議会議員。つくば市出身。西大沼在住
【公約】①地域産業支援と「つくばブランド」の発掘・確立・セールス②市民の命と生活、雇用を守り抜く③「教育日本一」の実現と徹底した「子育て・女性支援」

【つくば市議選立候補者】(定数28)届け出順
篠内 幸代 46 公新 小野川
川村 直子 52 市現 花園
渡辺 峰子 55 公新 高見原
田代  優 33 無新 学園の森
薮下(鎌田)典子 49 無新 上横場
齊藤 新吾 49 無新 吾妻
飯岡 宏之 62 無現 上野
小村 政文 30 無現 花畑
広石 恒生 57 無新 牧園
桜井 裕基 41 無新 玉取
野崎 裕二 37 無新 竹園
田島 由紀 39 無新 横町
小森谷佐弥香 50 市現 研究学園
黒田 健祐 43 無現 東平塚
高野 文男 61 無現 上岩崎
五頭 泰誠 56 無現 吉瀬
青木 真矢 45 無新 島名
樋口 裕大 36 無新 みどりの南
木村 修寿 70 無現 島名
恩田  肇 61 無新 桜が丘
川久保皆実 38 無現 松代
市原 琢己 32 無新 吾妻
川田 青星 25 市新 高見原
神谷 大蔵 51 無現 沼田
佐藤せつ子 71 共新 上ノ室
藤木  潤 45 無新 横町
木村 芳美 61 無新 西高野
榊原アリーゼ 29 無新 中根
金岡  誠 38 無新 学園の森
砂坂 善成 73 無新 みどりの
長塚 俊宏 62 無現 谷田部
荘司 信之 49 無新 松栄
浅野英公子 63 市現 吾妻
小久保貴史 51 無現 小田
梅沢 尊信 41 公新 君島
塚本 洋二 52 自現 花畑
酒井  泉 75 無新 上境
木村 清隆 60 無現 上郷
中村 重雄 54 無現 谷田部
山中 真弓 46 共現 上ノ室
伊藤 文弥 36 無新 並木
橋本けい子 70 共現 自由が丘
塩田  尚 74 無現 真瀬
加藤  豊 62 無新 東光台
黒崎  博 42 無新 緑が丘
山崎 健介 49 無新 梅園
 ※政党名は自=自民 公=公明 共=共産 市=市民ネット、無=無所属

【つくば市議選立候補者一覧】

届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

篠内 幸代(しのうち・さちよ)46 政党役員 公新
【略歴】創価大教育学部卒。公明党副支部長。元・美浦村立大谷小非常勤講師。元・つくば市立谷田部東中学校サポーター。つくば市出身。小野川在住
【公約】①幼児期の発達相談体制・多様な学び・学校教員への支援体制の充実②帯状疱疹ワクチンの公費助成③高齢者のゴミ出し等の生活支援

川村 直子(かわむら・なおこ)52 社会福祉士 市民ネット現①
【略歴】日本福祉大社会福祉学部卒。つくば市議会議員。元・日本聖公会名古屋学生青年センター主事。新潟市出身。花園在住
【公約】①LGBTQ等生きづらい人が自分らしく生きられる地域づくり②あらゆる場面でのジェンダー平等推進③気候危機対策の積極的推進

渡辺 峰子(わたなべ・みねこ)55 政党役員 公新
【略歴】東京スチュワーデス専門学校卒。公明党つくば支部副支部長。元・味の素勤務。元・つくば市立高崎幼稚園勤務。元・ママMATE社。美浦村市出身。高見原在住
【公約】①ワークライフバランスにおける支援政策を推進②防災減災対策を徹底し、安心安全な地域づくり③車がなくても困らない街づくり

田代  優(たしろ・ゆう)33 飲食店職員 無新
【略歴】聖徳大学附属聖徳高校卒。麺屋こうじ。龍ケ崎市出身。学園の森在住
【公約】①教育環境の充実(給食無償化、病児保育の強化)②安全なまちづくり(通学路整備、親子防災)③優しい地域のつながりづくり

薮下(鎌田)典子(やぶした・のりこ)49 健康支援業役員 無新
【略歴】筑波大大学院博士課程体育科学研究科修了。THF取締役。日本リハビリテーション学会会長。NPO日本介護予防協会理事。NPO法人まる理事。元・医療法人八千代会八千代病院。愛知県知多市出身。上横場在住
【公約】①ITによる介護・認知症予防システム整備②障がい者・退職者の学びたい・働きたいを叶える仕組みづくり③多世代交流ハウス整備

斉藤 新吾(さいとう・しんご)49 障害者福祉法人理事長 無新
【略歴】筑波大日本語日本文化学類中退。NPO法人サラダボール理事長。青森県弘前市出身。吾妻在住
【公約】①早朝延長保育の拡充②気候変動対策と健康維持のために、学校、既存住宅の断熱化③インクルーシブ社会、ジェンダー平等の実現

飯岡 宏之(いいおか・ひろゆき)62 建設会社職員 無現⑥
【略歴】日大理工学部卒。飯岡建設。元・アイ・エヌ・エー筑波研究所。元・筑波学園企画 つくば市出身。上野在住
【公約】①周辺部と中心部との格差是正②子育て支援の施策に力を注ぎ好循環なまちづくり③緊急通報システム事業の拡大

小村 政文(こむら・まさふみ)30 観光業 無現①
【略歴】筑波大生物資源学類卒。勝手につくば大使。北海道網走市出身。花畑在住
【公約】①子育て当事者として、産みやすい・育てやすいまちを推進②議会の情報を分かりやすく見える化③筑波大学の存在を活かし、スポーツでつくばを盛り上げる

広石 恒生(ひろいし・こうせい)57 運送会社職員 無新
【略歴】中央大法学部政治学科卒。運送会社会社員。千葉県君津市出身。牧園在住
【公約】①無花粉杉の苗木生産を推進②芝生生産からの転作を支援③アクアポニックス(陸上養殖と水耕栽培を一緒に行う)の推進

桜井 裕基(さくらい・ゆうき)41 飲食店経営 無新
【略歴】県立土浦第三高卒。飲食店経営。橋梁点検会社役員。つくば市出身。玉取在住
【公約】①市の公共事業で地元企業を優先的に選定し活性化②市民相談窓口をもっと身近に③特産物や観光資源がある周辺地域の活性化

野崎 裕二(のざき・ゆうじ)37 大学客員教授 無新
【略歴】東京工業大理工学研究科修了。電気通信大人工知能先端研究センター客員教授。元・日本電気。元・東京工業大精密工学研究室。千葉県千葉市出身。竹園在住
【公約】①科学的な政策議論の推進と行政の透明化②子育て世帯の支援と大学生への給付型奨学金③高齢者の予防医療の促進と運転支援措置の助成

田島 由紀(たじま・ゆき)39 政党員 無新
【略歴】国際航空専門学校卒。日本維新の会。元・マリーナ産業。元・ワーキングリンク。元・アサンテ。千葉県野田市出身。横町在住
【公約】①塾や習い事の助成制度の拡充②介護を受ける側、する側の経済的負担を軽減するための助成制度の実現③誰もが安心して相談できる場を設けたい

小森谷佐弥香(こもりや・さやか)50 薬剤師 市民ネット現②
【略歴】富山医科薬科大薬学部卒。保険薬局薬剤師。元・製薬会社MR(医薬情報担当者)勤務。群馬県前橋市出身。研究学園在住
【公約】①情報公開と市民参加をもう一歩前へ②人間にも環境にも健康的なまち つくばへ③TX沿線に市民が集える居場所を

黒田 健祐(くろだ・けんすけ)43 元会社員 無現③
【略歴】学習院大文学部哲学科卒。つくば市議会議員。元・ネクシィーズ(派遣元フルキャストグループ)、元・シティバンク(派遣元グッドウィルグループ)、元・アンパス勤務。つくば市出身。東平塚在住
【公約】①定住促進(選ばれるまちづくり)②産業創出(強いまちづくり)を進める③持続可能な発展と財政力を維持し、住民福祉の向上に努める(住み続けたいまちづくり)

高野 文男(たかの・ふみお)61 損害保険代理店代表 無現②
【略歴】県立藤代高卒。損害保険代理店代表。牛久茎崎ライオンズクラブ監査。つくば中央倫理法人会相談役。くきざき夢まつり実行委員長。つくば市出身。上岩崎在住
【公約】①子育て支援と教育環境の整備②防災・災害対応に充実した街づくり③農業環境の充実と新たなる産業の創出

五頭 泰誠(ごとう・やすまさ)56 建設業 無現③
【略歴】つくば市議会議員。保護司。五頭産業。元・つくば市産業育成協議会代表理事。元・つくば秀英高校PTA会長。元・土浦三高PTA理事長。栃木県小山市出身。吉瀬在住。
【公約】①スマートICによる周辺道路の整備②河川敷に新たなグランド整備③犬と共存共栄の地域づくり

青木 真矢(あおき・しんや)45 農業団体代表 無新 
【略歴】京都芸大情報デザイン学科卒。アオニサイファーム代表。ワニナルプロジェクト。ファストユニオン。EAT and kamiGo実行委員会代表。京都府京田辺市出身。島名在住
【公約】①市民全員が住みやすい環境を整備する②観光を通じて街を盛り上げる③幅広い世代が輝ける街にする

樋口 裕大(ひぐち・ゆうだい)36 ファイナンシャルプランナー 無新
【略歴】敬愛大学国際学部卒。Doitプランニング社ファイナンシャルプランナー。千葉市出身。みどりの南在住
【公約】①高校進学の不安を解消します②こどもたちの安心・安全の確保③みんなが主役の居場所作り

木村 修寿(きむら・しゅうじ)70 元つくば市役所職員 無現③
【略歴】土浦日大高校卒。つくば市議会議員。つくば市島名地区まちづくり協議会会長。つくば市保護司。つくば市・福田坪区画整理審議会委員。総務文教常任委員長。元・谷田部町役場職員。元・つくば市役所職員。つくば市出身。島名在住
【公約】①香取台・みどりの・研究学園地区へ地域交流センターの整備②高齢者・障害者福祉の充実③圏央道地域への道の駅の整備

恩田 肇(おんだ・はじめ)61 中学校非常勤講師 無新
【略歴】法政大文学部第二部英文学科卒。常総市立水海道中学校夜間学級非常勤講師。元・吾妻中学校校内フリースクール支援員。元・西佐倉印西病院デイケア精神保健福祉員 つくば市出身。桜が丘在住
【公約】①公立学校給食費無料化、35人学級早期実現②会計年度任用職員、弁護士・保育士の処遇改善③水海道中学校夜間学級通学者交通費補助

川久保皆実(かわくぼ・みなみ)38 弁護士 無現①
【略歴】東京大法学部政治学研究科修了。つくば市議会議員。弁護士。シンプルウェイ取締役。つくば市出身。松代在住
【公約】①子育て支援を中心とした政策20件の実現②各政策の進歩状況の徹底的な見える化③子育て目安箱・ごみ拾い交流会を通じた広聴

市原 琢己(いちはら・たくみ)32 医師 無新
【略歴】東京医科大医学部卒。医療法人健佑会理事長。つくば医師会理事。社会福祉法人健誠会理事。つくば市出身。吾妻在住
【公約】①教育日本一のつくば②もっと住みたくなるつくば③医療DX化を推進し、安心な街つくばを目指す

川田 青星(かわだ・あおる)25 政治団体運営委員 市民ネット新
【略歴】日本大法学部卒。つくば・市民ネットワーク運営委員。元・県内金融機関勤務。つくば市出身。高見原在住
【公約】①相談体制の拡充をはじめ、子育て支援を強化②周辺地域のまちづくりを活性化
③子ども一人ひとりの多様な学びを実現

神谷 大蔵(かみや・だいぞう)51 卸販売業社長 無現③
【略歴】霞ケ浦高校卒。つくば観光コンベンション協会副理事長。筑波山地域ジオパーク推進委員会委員長。つくばフェスティバル実行委員会委員長。筑波物産代表取締役。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。沼田在住
【公約】①災害や危険に強い街づくり②誇れる周辺地域の街づくり③子どもや高齢者が明るく元気に暮らせる街づくり

佐藤せつ子(さとう・せつこ)71 政党役員 共新
【略歴】県立水海道一高卒。日本共産党茨城県南部地区委員。元・日産自動車勤務。元・国立公害研究所勤務。元・無認可まつぼっくり保育園長。元・社会福祉法人みどり会まつぼっくり保育園。つくば市出身。上ノ室在住
【公約】①水道料金値上げ中止②学校給食費ゼロ③県立高校増設

藤木 潤(ふじき・じゅん)45 食品酒類卸販売業代表 無新
【略歴】大阪外国語大卒。be a good friend社。大阪府泉大津市出身。横町在住
【公約】①経済の地産地消サーキュラーエコノミーの実現②自然と生態系に配慮した街づくり③つくバス拡充・つくタクアプリ化推進

木村 芳美(きむら・よしみ)61 行政書士 無新
【略歴】県立石下高校卒。行政書士。大穂町出身。西高野在住
【公約】①暮らしやすいまちづくり②子供たちにオーガニック給食を③上下水道の早期整備

榊原アリーゼ(さかきばら・ありーぜ)29 政治団体代表 無新
【略歴】水戸南高校卒。政治団体縁粋会代表。元・タクシー運転手。元・運転代行。かすみがうら市出身。中根在住
【公約】①子育て・教育支援の充実②高齢者支援の強化③安全で安心な街づくりと市民還元

金岡 誠(かなおか・まこと)38 自営業 無新
【略歴】愛知県立小田高校卒。自営業(ドローン撮影)。愛知県内子町出身。学園の森在住
【公約】①市内の渋滞緩和②子どもたちが遊べる屋内遊具施設の建設③県立高校の設立

砂坂 善成(すなさか・よしなり)73 市民団体代表 無新
【略歴】鹿児島県立加治木工業高卒。カモメと雀の会代表。政治団体チーム砂坂代表。元・建設会社工事管理者。元・ビル・ハウス建設会社設立。鹿児島県種子島市出身。みどりの在住
【公約】①ひとりでも安心して住めるまちづくり②生活基盤の公共交通利便性を高める③地域資源の活用による産業の活性化

長塚 俊宏(ながつか・たかひろ)62 会社員 無現②
【略歴】私立茨城高校卒。つくば市議会福祉保健委員長。茨城県環境保全協会副理事長。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①周辺教育環境の整備の第一歩谷田部小建て替え②多様な子育て環境に対応する支援の充実③自動追従ロボットの普及でごみ捨て難民解消

荘司 信之(しょうじ・のぶゆき)49 自動車関連会社代表 無新
【略歴】関東理工自動車専門学校卒。Leopard motor’s代表。栄小PTA副会長。松栄自治会会長。つくば市出身。松栄在住
【公約】①古い学校設備の改善とグランド整備②各種博士や有識者と共に英語教育支援③ロボットを用いた障害者支援は現在調整中

浅野英公子(あさの・えくこ)63 元・高校講師 市民ネット現①
【略歴】東京外国語大卒。元・学習塾。元・高校講師。元・オーガニック検査員。富山市出身。吾妻在住
【公約】①市民意見が尊重されるまちに②こどもがホッとできる場をふやす③特に高齢者の生活支援の情報が確実に届くようにする

小久保貴史(こくぼ・たかし)51 農業法人代表 無現③
【略歴】八ケ岳中央農業実践大卒。筑波農場代表取締役。つくば市筑波土地改良区副理事長。つくば市監査委員。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。小田在住
公約】①道の駅や産業集積拠点整備で地域活力の向上へ②子供や高齢者がいきいき暮らせるまちづくり③市中心部と周辺地域の格差是正の取り組み

梅沢 尊信(うめざわ・たかのぶ)41 塗装業会社経営 公新
【略歴】筑波研究学園専門学校卒。梅沢塗装工業代表取締役社長。つくば市商工会青年部副部長。つくば市出身。君島在住
【公約】①「車が無くてもどこにでも行ける」街づくり②生活道路・通学路の整備と道路環境整備③区域指定の拡大

塚本 洋二(つかもと・ようじ)52 飲食店 自現④
【略歴】県立土浦産業技術専門学校自動車整備科卒。御食事処三丁目個人事業。社会福祉法人博愛会理事。信輝インターナショナル顧問。つくば市出身。花畑在住
【公約】①近隣自治体との連携した公共バス整備②身近な公園・緑地の整備と遊具の充実
③体育館などへエアコン設置(避難所対応も含め)

酒井 泉(さかい・いずみ)75 市民団体代表 無新 
【略歴】東北大工学部卒。桜中部まちづくり協議会副会長。つくばのまちづくりを考える会代表。元・福井大学教授。元・高エネルギー加速器研究機構准教授。つくば市出身。上境在住。
【公約】①「科学と教育と集落の緑」つくば市のブランド化②「情報の共有と対等な議論」民主主義の徹底③「個人の尊厳を守る」福祉社会の実現

木村 清隆(きむら・きよたか)60 団体理事 無現③
【略歴】日本大法学部卒。つくば市議会議員。公益社団法人国際IC日本協会理事。つくば市立豊里中学校評議員。TISつくばインターナショナルスクール学校評議員。元・日本ファイリング。元・日本労働組合総連合会茨城県連合会副会長。元・ものづくり産業労働組合JAM。つくば市出身。上郷在住
【公約】①中小企業振興基本条例を制定し、地域経済活性化に取り組む②教育予算拡充③2025年問題対応、高齢者と共に次世代を大切に考える

中村 重雄(なかむら・しげお)54 米穀店代表 無現①
【略歴】東洋大附属牛久高卒。つくば市議会議員。中村米穀店代表取締役。つくば市商工会理事。つくば市消防団谷田部支団指導員。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①消防団の組織強化と地域防災力の強化②農商工の連携をはかり地域経済の好循環③安心安全な教育環境の実現

山中 真弓(やまなか・まゆみ)46 党役員 共現②
【略歴】東京農工大大学院連合農学研究科修了。政党役員。元・ツムラ社員。栃木県市貝町出身。上ノ室
【公約】①学校給食費ゼロ・県立高校増設②水道料金値上げストップ③高齢者へのタクシー・民間路線バスの運賃補助

伊藤 文弥(いとう・ふみや)36 農業福祉法人代表 無新
【略歴】筑波大理工学群科学類卒。NPO法人ユウアイフィールドつくば代表理事。保護司。元・NPOつくばアグリチャレンジ副代表理事。愛知県碧南市出身。並木在住
【公約】①障害のある人の就労支援と環境整備②特別支援教育の充実と教育環境の改善③学校給食の地産地消化推進

橋本けい子(はしもと・けいこ)70 政党役員 共現⑤
【略歴】成徳短期大保育科卒。政党役員。土浦市出身。自由ケ丘在住
【公約】①給食費の無償化②茎崎給食センターは建て替えに③水道料金の値上げにSTOPを

塩田 尚(しおた・ひさし)74 行政書士 無現⑧
【略歴】神奈川大法学部卒。つくば市議会議員。行政書士。元・谷田部町議会議員。元・茨城県議会議員。愛媛県四国中央市出身。真瀬在住
【公約】①学童保育の待機児童をゼロにする②全ての学校にフリースクールを設置する③ヤングケアラーの子どもを支援する制度を作る

加藤 豊(かとう・ゆたか)62 元・会社員 無新
【略歴】千葉工業大機械工学科卒。東光台自治会副会長。東光台4丁目区長。東光台祭り実行委員長。岡山県真庭市出身。東光台在住
【公約】①2人目以降の学費免除など子育て支援②防犯カメラ補助金見直しなど地域の犯罪防止③高齢者雇用支援など人にやさしいまちづくり

黒崎 博(くろさき・ひろし)42 塾代表 無新
【略歴】東京理科大理学部卒。理数クリエイト代表。日本理科検定協会理事。つくば理数塾代表。元・ランチママ店員。つくば市出身。緑が丘在住
【公約】①理数教育の推進②STEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学を統合的に学ぶ教育のこと)の推進③生涯学習の推進

山崎 健介(やまざき・けんすけ)49 不動産業経営 無新
【略歴】広島大大学院国際協力研究科修了。元・土木研究所非常勤職員。元・青年海外協力隊隊員。東京都葛飾区出身。梅園在住。
【公約】①議員の票の格差付け②穏健で中道な動物管理政策③離婚権の拡大

田舎暮らしのススメ《文京町便り》33

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】大都市の生活は刺激的だ。若者はそれに魅力を感じる。何を隠そう私も若かった時代は、そうした利便さと刺激を求めて上京した。大学入学以来、東京を拠点とする生活が、定年退職時(70歳)の最近まで続いた。とはいえ勤務先が、勤務形態が四六時中拘束される一般企業・官庁ではなかったので、1年のうち数カ月はふるさと(茨城県)で過ごし、親戚や友人との人間関係を維持してきた。

そこに、退職した翌年(2020年)、新型コロナが出現した。すると、都内での会合が激減した。しかし、これをカバーすべく、インターネットを使ったウェブ会議・ミーティングが全国的に浸透した。そうすると、東京に居住している必然性が低下した。

東京都心部の生活費は相当な高さだ。そもそも利便性の高い高層マンションの購入費・賃貸料・住居費は高い。食材も高級・上質だが、値段は高い。生活の便利さや文化面での新奇さ・刺激・多様性を容易に享受できるのはいいが、心の平静さや自然との触れ合いに制約が生じる。以前からそれとなく想定していた「再度の田舎暮らし」を、コロナ禍を潮に本格化させた。

そもそも、パソコン画面上部のカメラやマイクについては、パソコン使用時の本人確認以外には、インターネットを使っていてもこれまで全く利用してこなかった。ところがウェブ会議が始まってみると、これらは見事かつ十分に使える。というか、ウェブ会議が始まった当初は、(やや高性能の)カメラとマイクを別途用意する必要があるのではないかと危惧したが、それは全くの杞憂(きゆう)だった。

ウェブ会議の有効性は甚大

こうした生活スタイルに馴染(なじ)んでみると、すでにある程度の社会関係・人間関係を確立している人間にとっては、インターネットやウェブ会議を活用すれば、田舎暮らしでもそれ以前に確立した社会生活を十分に維持できることが分かった。

とはいえ、田舎暮らしでの不便さは、利用できる公共交通体系が制約されていて、マイカー移動に全面的に依存せざるを得ないことである。したがって、運転免許証の返上には、現時点では躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない。バス運行の利便性も、東京などと比べると、遅延・頻度のいずれでもはるかに低レベルである。田舎こそ、こうした公共交通システム・運行のきめ細かさが求められている。そのための国・地方自治体の財政措置などは、相当に工夫の余地がある。

コロナ禍を契機にした以上の発見は、グローバルにも成立する。要するに、ウェブ会議の有効性は甚大で、それこそ日本に居ながら、世界中とグローバル・同時につながることができる。現に私も、海外のいくつかのメディア・研究機関・知人と定期的あるいは臨時にウェブ会議の機会がある。これまでであれば、わざわざ海外にお金と時間をかけて足を運ばなくてはならなかった会議も、軽いミーティング感覚で参加できる。この利便さとその効用は圧倒的・抜群である。

ただウェブ会議では、初対面の人柄やニュアンスを味わうのは困難であり、同時進行・体験に関してはとりわけ時差の制約を感じることが多い。また、情報発信に関しては、SNS(ユーチューブなど)のメディアに分がある。いずれにせよ、20世紀末以降のインターネット・ICTの革新・向上もあり、日本国内の都市と農村の格差解消だけでなく、世界各国とのグローバルな共存も同時進行している。(専修大学名誉教授)

茎崎地区、市政満足度 際立って低く 地域格差【アングルつくば市長選’24】下

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近く改修が始まる茎崎保健センター。隣接する旧茎崎庁舎跡地には庁舎解体から14年ぶりにドラッグストアーが開店した

つくば市政に対する満足度について、市民の意見を把握するため市が2年に一度実施している「市民意識調査」がある。目立つのは、茎崎地区住民の市政に対する満足度が他地区と比べて際立って低いことだ。

調査は市の現状やまちづくりについて42項目を質問している。18歳以上の3000人を対象に、地区や年齢の偏りを無くし無作為抽出で行っている調査で、今後の施策形成と市政運営の基礎資料となる。昨年8月に実施した最新の調査では48.2%が回答した。

つくば市の住み心地を訪ねた設問では「住みやすい」「どちらかといえば住みやすい」と合わせた回答が市全体で83.3%と8割を超えているのに対し、地区別の集計で茎崎地区は63.2%と、市平均より20ポイント低く、地区別では最も低い。住みにくい理由としては、「交通の便が悪い」「日常生活が不便」「公共施設が不足」などが挙げられている。

「つくば市は自分らしく自分のやりたいことができるまちであるか」と設問に対しては、市全体で「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせた回答が56.6%なのに対し、茎崎地区は最も低い42.8%。ほかに豊里、筑波地区も50%を下回っている。つくば駅周辺の研究学園地区が66%、TX沿線開発地区が55.4%であるのと比べると、茎崎地区は12~23%満足度が低い。

「市政に市民の声が生かされているか」の設問に対するしては、市全体で「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせた回答が26.9%。「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」を合わせた回答は市全体で31.2%あり、「わからない」が39%ある。地区別では、こちらも茎崎地区の満足度が最も低く「そう思う」「どちらかといえばそう思う」は17.3%と市全体と比べ9.6ポイント低く、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」が39.1%と4割を占める。

「つくば市には子供を安心して生み育てられる環境が整っているか」に対する回答も茎崎地区が際立って低いのが目立つなど、市政に対する市民の満足度には、地域格差が歴然とあることが分かる。

茎崎地区は、首都圏に通勤する主に団塊世代のサラリーマン世帯が、1970年代から80年代に一戸建て住宅を購入し、移り住んだベッドタウンで、今、高齢化が進んでいる。今年3月策定の第9期市高齢者福祉計画によると、茎崎地区の高齢化率は38.07%で、筑波地区の38.13%に次いで高い。TX沿線地区への人口増加が進む谷田部地区の高齢化率12.48%と比べ、高齢化率は3倍になる。

市民意識調査で際立つ茎崎地区住民の市政満足度の低さについて、同地区の一戸建て住宅団地、桜が丘に住み、地域の通学路の草刈りやごみ拾い、防犯パトロールなどに取り組むNPO桜が丘おはな会の小原利治さんは「茎崎地区は高齢化が進み、外に出ない人が増えている。交通の便も悪く、陸の孤島にいるように感じている人もいるのではないか。空き家対策に取り組み、企業を誘致し、若い人たちが入ってくるようなまちにしてほしい」と話す。

同地区に約60年前に転居し、住民運動などを通して長年まちづくりに取り組んできたてきた女性(90)は「合併前の茎崎町だったころと比べて、ものを言うリーダーが少なくなったように感じる」と話し「茎崎地区は6号牛久土浦バイパスの工事が進み、常磐線とつくばエクスプレスの両方の駅、常磐道と圏央道の両方のインターチェンジが近く交通の便がいい。まちに企業を誘致し、若い人が住みやすい市営住宅を用意するなど、若い人が希望をもてるまちづくりを構想することが必要」と話す。

茎崎地区について▽市長選に立候補している五十嵐立青氏は、給食レストラン整備、茎崎保健センターの市民利用施設への改修、牛久沼の生態系を生かした活性化などを掲げる▽星田弘司氏は、龍ケ崎、牛久、つくばみらいなどとの連携を強化した牛久沼周辺の活用などを掲げている。(鈴木宏子)

終わり

天気予報《遊民通信》99

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【コラム・田口哲郎】

前略

最近、スマホで雨雲レーダーというもの使っています。現在地に雨雲が近づくとアラームで知らせてくれるというアプリです。10分刻みで予測をするのでとても精度の高い予報を受け取ることができます。私はいつも出かけるときに、このスマホの雨雲レーダーを見るようになりました。

このごろ天気予報の精度が上がっていますが、ふと昔の天気予報はどうだったのかと思います。雨雲レーダーにしろ、精度の高い例えば線状降水帯などの予報は気象衛星があるから可能なのでしょう。昔は衛星などなかったのですから、予測が大変だったと思いますし、精度もそれほど高くなかったと思われます。

空模様を見て、あるいは気圧を感じて、風向きや気温で、天気予報をする人、猫の毛の感じを見て予報する人もいましたね。いずれにしても、地上にいる人が五感を駆使して空を見るよりも、宇宙を飛んでいる衛星画像を見て俯瞰(ふかん)したほうがよりよく天気を予測できるというのは、当たり前と言えば当たり前なのですが、やはり天気は天の領域のものなのだなあという気がします。

予報が進化しても天気は変えられない

ここまで予測ができるようになったとしても、人間が天気を瞬時に変えることはできません。地球温暖化など長期的な変動の原因が人間の活動であることはあっても、今から2時間は晴れて欲しいので晴れに、とか日照り続きなので雨が降を降らせる、なんてことは不可能です。ここにもやはり天気は天の領域のことなのだなあと思わせられます。

茨城県南は筑波山が突出して高いですが、山がちな土地はあまりなく、平坦な地域だと思います。比較的災害は少ない印象ですが、線状降水帯などが発生し、短時間に大雨が降ると、河川の氾濫や土地の浸水が起こりますし、低くても崖崩れなどがある場合があります。

天の気によって地上が変えられてしまうことからしても、天気は天の領域のことなのだなあと思わされます。ごきげんよう。

草々

(散歩好きの文明批評家)

ジャズ、ロックなど51バンド集結 26、27日 つくば駅前で音楽祭

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音楽祭を主催する三浦一憲さん=メーンステージとなるつくばセンタービルモニュメントプラザ

まちかど音楽市場20周年

ジャズやロック、ブルースなど51バンド300人以上のミュージシャンが集結する音楽祭「キラバイ フェット・ド・ラ・ミュージック(Fēte de la musique)」が26、27日の2日間、つくば駅前の同市吾妻、つくばセンター広場で開催される。

まちかどに音楽が聞こえる街をつくろうと、2004年から同市内でボランティアによるライブイベントなどを開催してきた市民グループ「まちかど音楽市場」代表の三浦一憲さん(72)らが、20周年の意味合いを込め、音楽の素晴らしさを知ってもらおうとこれまでにない規模の音楽祭を開催する。

三浦さんが呼び掛けて14人で組織する実行委員会をつくり、入場無料で開催する。会場には同時に5つのステージを設ける。

魅力度最下位を逆さに

妖怪キラバイ(三浦さん提供)

「キラバイ」は、イバラキを逆さに読んだ言葉。茨城は2023年の魅力度ランキングで最下位の47位(24年は45位)だったが、逆さにすればナンバー1になるという意味で名付けたと三浦さん。茨城県の地図を逆さまにして、目と口を書いた妖怪「キラバイ」というキャラクターも作り、商標登録申請中だ。

5つのステージのうちメーンステージは、石のステージと呼ばれるモニュメントプラザになる。26日はロック&ジャズの6バンド、27日はジャズのビッグ・バンド6バンドが出演する。アメージングボイスとして国内のみならず海外からも歌唱力が賞賛されるaya Saekiや、2007年日本ジャズヴォーカル賞特別編奨励賞を受賞した星野由美子などが27日のメーンステージにビッグ・バンドのボーカルとして登場する。

ほかに市民参加型の地域ステージとして4つのテントにステージが設置される。つくば地域などの演奏者らによる「吉沼ステージ」、県西桜川地域による一般参加ジャズセッションなどが催される「桜川ビレッジステージ」、県南土浦地域による弾き語り系の「サケクラすのっぶ」とジャズ&ブルースと弾き語りの「土浦音レンコンステージ」の4ステージで、多くのミュージシャンが集結する。

特別参加として産業技術総合研究所人工知能研究センター・人間情報インタラクション研究部門が「リアル音楽と音楽AIの融合」をテーマに特別展示を行う。

以前つくばセンタービルで開催された音楽祭の様子(三浦さん提供)

三浦さんは「大人の音楽祭だが、子供たちにも音楽を聞いてもらうことで未来の音楽家や音楽ファンを育てたい」と話し、子供たちのためにぬり絵を用意するほか、チラシを当日持参すればキラバイシールをプレゼントする。

一方、企画が大きくなった分、資金が必要となる。クラウドファンディングも利用したが期待通り集まらず、現在もスポンサー集めに苦慮している。当日会場で活動資金の募集も呼び掛ける予定だ。

三浦さんは「茨城に音楽文化を根付かせ元気にしたいと音楽祭を始めた。今回初めての大きな音楽イベントなので、まずは楽しんでもらいたい」と話す。

第1回つくば中華フェスを同時開催

26、27日はつくばセンタービルで「第1回つくば中華フェス2024」を同時開催する。つくばの中華料理の名店など15店が一堂に会し屋台で中華グルメを提供する。本格獅子舞や変面ショーなどの中華文化も楽しめる。主催はつくば中華フェス実行委員会。(榎田智司)

◆音楽祭「キラバイ フェット・ド・ラ・ミュージック」は26日(土)、27日(日)いずれも午前11時~午後5時、つくば市吾妻1-10-1 つくばセンター広場で開催。問い合わせはメール(Miura.kuro1245@gmail.com=三浦さん)へ。

◆つくば中華フェスは26日(土)は午前11時~午後8時、27日は午前10時~午後7時、つくばセンター広場で開催。

受験競争さらに激化も県「定員増必要ない」 県立高校不足【アングルつくば市長選’24】中

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来年普通科が新設されるつくばサイエンス高校の学校説明会の様子=8月10日、つくば市谷田部

今つくば市の最大の課題の一つが、県立高校が不足している問題だ。人口が増え、子育て世帯が増加し、義務教育の小中学校などは市内のTX沿線地区に新たに7校が開校したにもかかわらず、市内の全日制県立高校の定員は中学卒業者数の6人に1人の枠しかない。市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)の調査によると、つくばの募集枠は水戸市の3分の1だ。

つくばに県立高校が不足している問題は、市民団体が2021年の市議会9月議会に出した請願をきっかけに顕在化した。以来3年間、市民団体と市選出県議、市などが一丸となって県に対し要望活動を続けてきた。にもかかわらず高校受験を控える中学3年生の受験環境は、3年前よりますます激化している。

これまでの県に対する要望活動の成果として、つくばサイエンス高校の定員が2学級80人増加、牛久栄進高校が1学級40人増加した。一方で、旧制一高に付属中が新設されたことで土浦一高の定員が2学級80人減、水海道一高が1学級40人減、下妻一高が1学級40人減となった。片や県の試算によると、つくば市の中学生は2024年から28年までに254人増え、24年から30年までに380人増える。

前提の算定方法を変更

来年度の県立高校募集定員の発表を前に、県教育庁は今月17日「県立高校の今後の募集学級数・募集定員の見込みを試算」と題する資料を明らかにした。その中で「中学校卒業者数の増加がみられるつくばエリアの状況」という項目を設け、「現時点では定員増が必要との判断には至ってない」とする方針を示した。

同資料によると、つくば市からの主な通学圏は、つくば市内の県立高校のほか、概ね片道1時間未満で通学ができる周辺市の県立高校となっている。このためつくば市の中学校卒業者数増加については、県内を12エリアに分けた「つくばTX沿線エリア」(つくば、つくばみらい、守谷、常総市、牛久市の一部など)とは別に、隣接している土浦市などの「県南北部エリア」の一部、下妻市などの「県西北東部エリア」の一部、牛久市などの「県南南部エリア」の一部を含めた7市17校(筑波、竹園、つくばサイエンス、並木中等、石下紫峰、水海道一、水海道二、伊奈、守谷、土浦一、土浦二、土浦三、土浦工業、牛久、牛久栄進、下妻一、下妻二)の入学状況を踏まえて検討するとした、

さらに、現在の推計では7市の中学校卒業者数が最大7043人となるのは2028年で、24年から180人増加する見込みだが。今年度の筑波高校、つくばサイエンス高校の欠員数の合計は194人で、中学校卒業者数だけで比較すれば現行の募集定員で足りる。魅力づくりにより筑波高とつくばサイエンス高の欠員が解消していくことを前提として28年の対象17校の入学見込みを推計したところ、2024年の募集定員の4120人に収まっている、その後は7市の中学卒業者数は減少が見込まれていることから、現時点では定員増が必要ではないーとの判断だ。背景には県全体で中学生が減少し続けていることがある。

県立高校の適正配置を考える前提として県は、県内を12エリアに分け、エリアごとに検討してきた。今回示された判断は、これまで前提としてきた県内12エリアとは別に、隣接市を含めた7市という新たなエリアを設けており、前提条件を変えるものだ。

これについて県教育庁高校教育改革推進室は「(今回示した判断は)12エリアを原則としベースとするが、エリアの実情を踏まえたもの」だとする。

校舎増築費負担提案に「費用の問題ではない」

つくば市が毎年行っている県に対する来年度予算編成要望が今年は9月5日に行われた。つくば市長は自身のSNSで、9月の予算要望の際「つくば市が既存の県立高校の校舎増築分の費用を市で負担することを提案した。例えば竹園高校を1学年2学級80名分増やすと、3学年で6学級分の建設費をつくば市で持つ」などと発信した。

市の新たな提案に対して県は「提案はあったが、そもそも費用の問題ではなく、現時点で実質的に定員増は必要ないという判断」だと、市の提案を一蹴する。

「事態は深刻に」

市民団体の片岡代表は「(県立高校が不足していることから)つくばでは県立中学を受験するために小学3、4年から塾に行くという状況になっており、その状況が今、土浦市などにも広がっている。事態は深刻になっている」と数字を示して指摘する。「この状況は社会的につくられたもの。個人の努力の問題ではない。社会が、県が、対応しなくてはならない」と話す。

県立高校が不足している問題をどうすべきなのか。▽市長選に立候補している五十嵐立青氏は「既存校の定員増を県に要望し、増設分の校舎の建設費は市で負担する提案をした。県立・私立高の誘致と県立高の定員増に向けた働き掛けをしていく」とする。▽星田弘司氏は「短期的には県立高校の募集定員増を県と交渉し、公立高校の誘致、県立高校の新設、市立高校の設置検討などあらゆる可能性を排除せずしっかり取り組む」とする。(鈴木宏子)

県立高校不足問題をめぐる最近の動き
2021年4月 県立土浦一高に付属中併設、定員減
2021年10月 市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」が市議会に出した県立高校新設や既存校の定員増などを求める意見書採択を求める請願が全会一致で採択
2022年4月 水海道一高、下妻一高に付属中新設、定員減
2022年12月 大井川和彦知事が県総合教育会議で「つくば市立高校をつくってはどうか」と発言
2022年12月 つくば市などへの県立高校の新設や既存校の定員増などを求める県議会請願が継続審査に
2023年4月 つくばサイエンス高を2学級増
2024年4月 牛久栄進高を1学級増、筑波高校に進学対応コースを1学級新設
2024年4月 つくば市が高校生に通学費補助など開始
2025年4月 つくばサイエンス高に普通科を3学級新設

まゆの花《写真だいすき》33

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田崎まゆ花。これはどうやって作っているのだろう、というのが、ボクの最初の素朴な疑問だった。撮影は筆者

【コラム・オダギ秀】写真を撮る仕事をしていると、さまざまなことを知ることができた。えっ、こんなことがあるのか、こんなものがあるのか、と。

まゆで作る花があり、美しいものだと知ったのも、そんな仕事を通じてだった。「まゆ」とは、かつて絹布を作っていた蚕(カイコ)という小さな生き物が作る生糸の材料となる小指の先ほどのもので、人間はそれをほどいて糸にし、絹布を織った。かつての日本は、その大産地であったが、現在はゼロに近い。

ある日、ボクはその蚕のまゆで作った「まゆの花」を目にし、その作者に取材を申し込んだ。その自宅にしばらく通い、たくさんの作品を見て、養蚕業のことや桑の木のこと、蚕のことを知った。現在は全国にも数えるほどとなった養蚕農家だが、かつては茨城にもそこここに桑畑があった。

一面の桑畑風景は珍しくなかった。桑の木は10数メートル高に育つそうだが、手の届く範囲に育てるのが当然だったから、現在、畑の隅などで高々と伸びている桑の木は、桑畑の名残なのかも知れない。かつては、土浦や茨城にも、養蚕を研究する公的機関があったが、その存在を覚えている人も少なくなった。

桑畑は一面に広がっていて、桑の木の畑とはそんなものだと思っていた。美しい農村の風景だった。

気が抜けないの

初めて訪ねた日、農家の主婦の彼女は自宅に見当たらない。しばらく待つと、やがて彼女は、桑の木を山のように背負って帰ってきた。柔らかい葉が茂った桑の木の枝先を、蚕の餌に採ってきたのだった。「毎日、2、3度ぐらい桑の葉をあげないと、間に合わないんです」と、案内された蚕室で彼女は笑った。

蚕室には、一面が白く見えるほど、芋虫のような蚕がうごめいていて、ザワザワという音が聞こえるほど桑の葉を食べていた。

桑の葉をむさぶるように食べる蚕たち。この蚕たちがまゆを作り、まゆがまゆの花となる。写真は筆者

ボクは、まゆの花を撮ることで蚕の生態や、桑の木のこと、養蚕業がいかに厳しいか、その現状も知った。いずれも、それでどうということもなかったが、人間が、生き物の命から多くのものを得、多くのことを学んできたことを自分に取り込むことができた。「生き物を育てているから、少しも気が抜けないの。子育てと同じね」と彼女は笑っていた。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

石破首相がつくば市内で応援演説 衆院選

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応援演説をする石破首相(中央)=23日午後、つくば市竹園

自民党総裁の石破茂首相が23日、つくば市竹園の大清水公園で衆院戦茨城6区に出馬している候補者の応援に立ち、裏金問題を念頭に「自由民主党はもう一度、謙虚に、誠実で、公正で、公平な政党として皆様に信を問う」などと訴えた。雨の中、同公園には支持者ら1000人余りが集まった。

会場では聴衆に金属探知機でのボディチェックと手荷物検査が実施され、演壇となる車両から聴衆まで50メートルほどの距離がとられた。会場を取り囲むように周囲の建物にも警察官が配置され警戒した。

会場に集まった支持者ら

石破首相は「こんなに離れたところからお話をするのは全く趣味ではない」と言い、「闇バイトでの強盗など、世の中は物騒になった。防犯対策を支援するなど、安心、安全な市民の暮らしを私たちは守っていく」と述べた。全国的な人口減少問題については「ものすごい勢いで人口が減っている。80年後には日本人は半分以下に、200年後には10分の1以下になる。そんな国を我々は残してはいけない」とし、経済的な不安から結婚や出産を諦めざるを得ない若者がいることを踏まえて、「望むなら結婚できるように若い人たちの賃金を上げていかなければいけない。お金は株主と経営者だけのものではない。労働分配率を上げ、額に汗して働く一人一人の人たちの給料を上げるなど、経済の形を変えていく」と訴えた。

また「地方が新しい日本をつくっていく、そういう地方創生を私たちは実現してきた」と話し、今年度の補正予算を、約13兆円だった2023年度を上回る規模にするという方針を示したことについて、「決してばらまきはしない。安心な日本、地方がつくる新しい国の形、そして、若者が安心して結婚し子育てができる日本、そういうものを全部含んだ補正予算を、私どもは次の国会でお願いをする」などと述べた。(柴田大輔)

市税収入 毎年平均10億円ずつ増加【アングルつくば市長選’24】上

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つくば市 TX開業後の人口と市税収入

つくば市長選が20日告示され27日投開票が行われる。市政の課題について3回にわたって連載する。1回目は市の財政を考える。

人口規模1.35倍に

つくば市の人口は2022年6月に25万人を突破、現在25万9000人超と増え続けている。県やUR都市機構などが地元地権者らの協力を得て2000年度から開始したつくばエクスプレス(TX)沿線の区画整理事業が進み、近年は国の低金利政策や住宅取得支援政策などに支えられた。TXが開業した05年の同市の人口が約19万1000人だったのと比べると約6万8000人増え、1.35倍増の人口規模になった。人口の伸びは国立社会保障・人口問題研究所の推計を上回るほどだ。

市内のTX沿線開発地区で最も早い2018年度に区画整理事業が完了し宅地などの販売が進んだ葛城地区(研究学園駅周辺)の人口は現在約2万人。計画人口2万5000人対し80%が居住する。同じ18年度に完了した萱丸地区(みどりの駅周辺)も計画人口2万1000人に対し77%の約1万6000人が居住。21年度に事業が完了した中根・金田台地区は8000人の計画に対し47%の約3770人が居住する。島名・福田坪地区(万博記念公園駅周辺)と上河原崎・中西地区は今年度、工事が終わり換地が実施される予定だ。市は20年改定の市未来構想で、あと24年間人口は増え続け2048年に約29万人にするという目標を掲げている。

7年連続不交付団体に

人口増と開発に伴って市民税と固定資産税など市税収入は年々増え、市の財政は今、かつてなく潤沢だ。2018年度から7年連続で、自分の税収だけで財政をまかなっていけるとされる不交付団体となっている。

2023年度決算によると市税収入は、市民税収入が約242億円、固定資産税収入が約226億円など計約511億9000万円。TX開業時の05年度の市税収入が計約338億2000万円だったのと比べると18年間で年間の約173億6700万円増と1.5倍に増えた。TX開業以降、毎年平均で約10億円ずつ、市の税収が増え続けてきた計算になる。

市税収入の増加に伴って市の財政規模も年々拡大、歳出決算額はTX開業時の05年度が587億だったのに対し、23年度は1125億9000万円と1.9倍に拡大した。23年度決算では、歳入から、歳出と翌年度への繰越を差し引いた剰余金である実質収支が40億8500万円あった。

市の2034年度までの中長期財政見通しによると、今後も2028年度まで毎年、市税収入が10億円ほど増え続け、その後も毎年数億円ずつの市税収増を見込んでいる。

補助費等2倍超に

では毎年10億円近く増え続けてきた市税収入をつくば市は近年、何に使ってきたのだろうか。「充当一般財源」という財政用語がある。使い道が特定されず自治体の裁量で使える市税収入などの一般財源を、自治体がどこに使ってきたのかを性質別に表した数値だ。

23年度決算で充当一般財源の性質別歳出を見ると、総額約642億円のうち最も多いのが市職員などの「人件費」で約183億円、次いで委託料や備品購入費などの「物件費」が約140億円、3番目は児童や高齢者、生活困窮者などの福祉や医療に必要な「扶助費」で76億円となる。

前市長時代の2015年度と23年度の決算を比べると、充当一般財源の歳出は全体で1.3倍に増加。性質別で金額の割合が最も増えたのは助成金や負担金、報償費などの「補助費等」(23年度は約63億円)で、2.07倍となった。補助費等の主な内訳は、県後期高齢者広域連合医療費負担金、つくバス運行負担金、保育士への処遇改善助成金など。今年度から新たに実施された高校生の通学定期代支援金・自転車通学支援金なども補助費となる。次いで増えているのが、道路や街路、教育施設、公園施設などの「維持補修費」(23年度は約8億6000万円)で2.03倍となっている。これに対し減っているのは特別会計や基金などへの「操出金」で0.68と3割超減少しているなどが特徴だ。

毎年増え続ける市民の税収を、どの政策に優先順位を付けては使うべきなのか。▽市長選に立候補している五十嵐立青氏は主な公約として①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉ーなどを掲げている。▽星田弘司氏は①地域産業支援とつくばブランドの発掘・確立・セールス②市民の命と生活、雇用を守り抜く③教育日本一の実現と徹底した子育て・女性支援ーなどを掲げている。(鈴木宏子)

クウォーター《短いおはなし》32

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イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】

勉強に疲れて顔を上げると、少女がいた。
夕暮れの図書館は、静寂に包まれている。
少女は、ブラインドから差し込む西陽(び)を避けながら、ゆっくり近づいてきた。
空いている席などいくらでもあるのに、僕の前に座って静かに微笑んだ
つやのある黒い髪に透き通るような白い肌、瞳は深い海のような碧(あお)だ。
ハーフだろうか。

「クウォーターよ」

心を読んだように、少女が言った。

「陽が沈むわ」

窓の外が淡い藍色に染まると、閉館を告げるチャイムが鳴った。

それから少女は、決まって夕暮れに現れた。勉強をするでもなく、ただ座ってほほ笑む。
僕たちは、少しずつ話すようになった。
名前はエマ。僕と同じ17歳で学校へは行っていない。
多くを語らないが、いつもどこか寂しげだ。
僕は青い瞳に見つめられるたびに、エマに魅かれていった。
すっかり陽が落ちた帰り道、エマが言った。

「家まで送ってくれる?」

僕はもちろん「いいよ」と言った。

エマの家は、図書館から少し離れた森の中にあった。
太陽も届かないような深い森は、日が暮れるとまるで闇の世界だ。
黒い壁と蔦(つた)で覆われたエマの家は、ただひとつの灯(あか)りもついていなかった。
母親はいないのだろうか。

「いるわ」

また心を読まれた。エマは、僕を家の中に招き入れた。

家の中は暗く、エマは頼りないランプの明かりで進んでいく。

「電気はつけないの?」

「母が嫌うから」

奥の扉を開けると階段があった。しかも地下に続いている。

「地下室があるの?」

「ええ、母は光に当たるといけない病気なの」

「病気?」

肌寒い地下室には、黒い箱がひとつ。ちょうど人がひとり入れるくらいの箱。
映画で見た西洋の棺桶(おけ)のようだ。
エマがふたを開けると、そこにはミイラのように痩せ細った女が寝ていた。

「母よ」。エマが言った。

黒い服で全身を隠し、青白い顔をしている。しかも、棺桶のような箱で眠っている。
おまけに光を嫌うなんて、まるで…。

「そう、吸血鬼よ」

エマが、また心を読んだ。

「おじいさまが吸血鬼なの。母はハーフだから、半分は吸血鬼。定期的に生き血を飲まなければ死んでしまうわ。それなのに母は、それを拒んだ。あくまでも人間にこだわったのよ。それで、こんな姿になってしまったの」

ランプの光が妖しく揺れた。

いつの間にかエマが僕の背後にぴたりと寄り添っている。
声をあげる間も与えられないまま、エマが僕の首筋に歯をあてた。
血を吸われている。エマの喉がコクリと音を立てた。
痛みは感じない。むしろ不思議な心地よささえ感じた。

「母のようにはなりたくないの」。エマが唇を離した。

「心配しないで。私はクウォーターだから、多くの生き血は必要ないの。ときどきこうして血を吸わせてくれれば、きれいなまま生き延びることができるの」

エマはそう言って、唇についた血を細い指で拭った。
その仕草(しぐさ)はため息が出るほど美しい。エマのためなら血を吸われても構わない。

「ありがとう」

また心を読まれた。
赤い唇で、彼女が笑った。

(作家)

9カ国42人が新たな一歩 日本つくば国際語学院で後期入学式 

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民族衣装などで入学式に臨む新入生一人一人に学生証を手渡す東郷治久理事長(右端)

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長兼校長)の後期入学式が22日、同市小野崎、つくば山水亭で開かれた。9カ国から来日した42人が、多様な民族衣装などに身を包み、新たな一歩を踏み出した。

新入生を代表して中国出身の牛鴻馬(ギュウ・コウマ)さん(22)があいさつし「日本は進学や就職のチャンスが多く、科学技術も世界のトップレベル。中国では植物学を学んでいた。日本語を十分学び、日本の発達した農業技術を学びたい」と語った。

新入生を代表してあいさつする中国出身の牛鴻馬さん

在校生を代表してミャンマー出身のショーン・ライ・ライ・ルィンさん(22)が歓迎のあいさつをし「学校生活は友人をつくり、さまざまな活動をする貴重な時間。日本の法律を守りながら楽しんでほしい。困ったことがあったら、この学校の先生や先輩に相談してください」と新入生に呼び掛けた。

東郷理事長は「この学校はたくさんの国の人が集まり、世界を小さくしたような場所。講師、職員、先輩を頼りながら、国際人となり、世界に羽ばたいていけるよう頑張ってほしい」と話した。

新入生の出身国はネパール、ミャンマー、中国、韓国、タイ、モンゴル、イラン、スリランカ、フィリピンの9カ国で、女子学生23人、男子が19人。前期入学に続き、ネパール出身者が最多となり約半数を占める。

今回入学式に臨んだ中国出身の肖茜(ショウ・セン)さん(26)は「日本に来ることが出来てうれしい。たくさん友達をつくり、日本語を学びながら看護の勉強をしていきたい」と抱負を語った。

入学式後は記念撮影会となり、全校生徒、新入生、最後は出身国別に撮影し、笑顔で交流を図っていた。(榎田智司)

全員で記念撮影をする新入生ら

「暮らしと直接つながるのが市政」市民が投票を呼び掛け つくば市長選・市議選

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つくば駅前で投票を呼びかけるグループのメンバーら

27日に投開票を迎えるつくば市長選・市議選への関心を広げようと、市民6人が市民グループ「つくばの未来をみんなでつくろう」を結成し、今月12日から毎週末につくば駅前で投票を呼び掛けている。併せて市長・市議選候補者アンケートを実施した。グループは、市内の大学関係者や自営業者、学生、性的マイノリティ当事者など、日頃から社会問題に関心を持ち活動する市民らだ。発起人の1人で同市天久保でブックカフェ「本と喫茶サッフォー」を営む山田亜紀子さん(50)は「自分たちの暮らしと直接つながるのが市政。地元の選挙を盛り上げ、投票率を上げたい」と思いを語る。

カラフルな電飾で彩られ「選挙に行こう」と書かれたメッセージボードや、手製のパネルを手にグループのメンバーらが「27日は選挙です。投票に行きましょう」と通行人に呼び掛ける。幼少期からつくばで育った山田さんは20数年間、都内に通勤してきた。退職して昨年、地元にブックカフェを開業した(23年9月18日付)。「市民の声を届けるのが市政。地元で仕事を始め、暮らしを送る中で、地元での活動がより大事だとより思うようになった」と話す。

候補者の公約を見ると(20日付)抽象的な言葉が多いと山田さんは感じる。「ふわっとしている言葉が多い。どんな意味なのか、一体何をするのかよくわからなかった」と話す。前回2020年の市長・市議選の投票率は51.6%。より自分の暮らしに近い市政への関心は決して高くはない。「(22年に市区部で)人口増加率が日本一になったつくばには、新しい住民がすごく増えている。都心に通勤する人も多く、つくばにいる時間が少なければ市政にまで関心が向かないかもしれない」と想像する。一方で、「自分が住んでいる場所の市長や市議会議員が、私たちの暮らしをどのように守ってくれるのか知ることは大切」だと話す。

手製のメッセージボード

立場異なるメンバ―で30項目出し合う

告示を前に立候補者を対象に実施したアンケートは、年齢や立場の異なるメンバーで意見を出し合い決めた。水道料金引き上げや議員報酬アップ、県立高校新設、上郷運動公園跡地利用などつくば市が抱える課題から、教育や福祉、ジェンダーといった暮らしに結びつく問題、安全保障などの国政につながる問題への意見など、幅広く30項目を設けた。今回立候補する48人の市長・市議選候補者のうち、事前に知ることができた39人に質問を投げ掛け、12人から回答を得た。

アンケートについて山田さんは「人権や暮らしの視点で質問した。市民が困っていること、市政として取り組んでもらいたいことがこれだけあると可視化させ、市民がチェックしてると候補者に知らせたかった」と言い、同時に市民には「声を届けることが必要。投票はその機会。自分の暮らしと政治はつながっている。より多くの人の選挙への関心につなげたい」と思いを語る。(柴田大輔)

新幹線の車窓に思う《続・平熱日記》168

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絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】新幹線の席は窓側派? 通路側派? 年を取ったせいかトイレに行くことを考えると、通路側の方が精神的にはよい。少し前まであった車内販売のお姉さんを呼び止めるのも、通路側にアドバンテージがあった。しかし、天気もいいのに発車と同時に早速日よけを下ろして眠りにつく方もいらっしゃるが、私は車窓に流れる景色を見るのが好きなので、あえて窓側の席を取ることもある。

今日は生まれ故郷山口県の徳山駅から茨城に戻る。ホームの目の前に広がる徳山港、コンビナートに別れを告げて、8時ののぞみ(人口十数万の地方都市にのぞみが停車する理由があるらしい)に乗る。あっという間に、広島、そして岡山、神戸、大阪。通過する駅や街ごとに、そこに住む友人知人の顔が浮かぶ。

京都駅のホームには相変わらず外国の観光客が多い。それから大津、琵琶湖辺りを過ぎると、私の好きな風景が現れる。それは、広がりのある大地と空の間に真っ白い雲が手の届きそうなところにぽかりぽかりと浮いている風景。恐らく地形のせいだろう。しばらくすると、これまた心引かれる伊吹山が見えてくる。この山の麓では大学の恩師が今も石を刻み続けておられる。

以前は旅の供といえば文庫本や週刊誌が定番だったけれども、今は新幹線にもWi-Fiがあるのでユーチューブで音楽を聴いてみる。「音楽は何を?」と聞かれていつも困るんだけど、それでも若かりし頃流行(はや)った曲など聞いていると、そのうちAIさんが見繕ってくれる曲が絶妙に車窓に車窓の景色とシンクロしていて、少しおセンチな気分にもなる。

それから、以前ならファン以外は目にすることのなかっただろうライブ映像やスタジオでの録音の様子なども流れてきて、これが結構よかったりして、自分が楽器などできないこともあって音楽のよさを再認識する。そういえば、友人のヒデちゃんとマサシさんのユニットがCDを作るというのでジャケットの絵を頼まれた。夏になる前のできごと。ある朝モノクロでササっと描いてみた。ふたりに見せたら気に入った様子だったので、原画を渡したのを思い出す。

リニア新幹線になったら?

今日、富士山は見えない。もう少ししたらトイレに行こうと思うが、隣の方が弁当を食べ始めてしまった。次に乗るときはやっぱり通路側だな。

今年で開業60年の新幹線。山陽新幹線が我が街を初めて走った日のことも覚えている。徳山から当初は6時間半かかったが、今は4時間半で東京に着く。スマホで映画や音楽、ゲームと、暇つぶしには事欠かなくなったものの、食堂車もなくなり弁当もお茶も売りに来ない。もはや席をくるりと回して向かい合わせにする光景も見なくなった。

と、品川に近づくが、品川ゲートウェイ駅ができたせいで線路わきのビル群が見えなくなってしまっていて、東京に帰って来た実感は薄れてしまった。やがて、ここはリニアの始発駅となるとか。リニアとはライン、つまり直線的という意味らしい。弁当食べる時間も車窓を眺める暇も、トイレに行くこともなさそうだ。(画家)

2氏の横顔 つくば市長選

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五十嵐立青氏(左)と星田弘司氏

つくば市長選が20日告示された。立候補を届け出た現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=の2氏の横顔を紹介する。

「時計の針が元に戻ること」警戒 五十嵐氏

五十嵐立青氏

2016年11月から市長を2期8年務めた。今回は3期目の4年(~2028年11月)に挑む選挙になる。当然のことだが、取材に対してはこの8年間の実績を強調する。「人口増加率が国内の一般市では1位となった。企業数は8年の間に1万2000人以上増え、1万8000人以上も雇用が増えた。税収も77億円増え、財政調整基金は2倍以上になった」。

ただ、「ほとんどの市民がつくば市の生活に満足しているかというと、まだそこまでに至っていない」とし、要望が多い課題として、①今の市営図書館とは別の場所に図書館を建てたい、②市内に地元物産などを販売する道の駅を設置したい、③企業進出を促すため産業用地を確保したい、④県立高の定員不足を解消するために県立高の増築に市から資金を提供したい―などを挙げた。

五十嵐氏は市長になる前のつくば市のことを「市民無視の政治」と定義し、この8年の間にそういった政治は変わってきたとしながらも、「時計の針が元に戻る」ことを警戒する。この辺が3期目出馬の最大の理由のようだ。

プライベートなことを聞くと、「霞ケ関で働いていた妻が県北の森林組合に転職し、今、平日はそこで木こりをしている。週末には市内梅園の自宅に帰ってくるが、平日は同居中の3人の子どもに私が食事を作っている」。「得意料理は肉ジャガとカレー。といっても、某メーカーの自動調理鍋に材料を並べて、スイッチを入れるだけだから簡単」と、笑った。

筑波大学を卒業した後、英ロンドン大学に修士留学。帰国後、コーチングオフィスなどを運営しながら、つくば市議を2期務め、8年前、市長に当選した。好きな言葉は「和して同ぜず」。「(後援者などと)ウェットな関係性を維持しながらもドライな決断をする」意味という。尊敬する人物は、映画「独裁者」で「政治家以上に政治的な影響を世に与えた」喜劇俳優C・チャップリン。46歳。

「市民の声が市長に届いてない」 星田氏

星田弘司氏

つくば市議2期6年、県会議員4期14年、都合20年の議員経験を踏まえ、つくば市長に立候補した。実は4年前にも市長選への出馬を考えていた。ところが、コロナ禍の中で思うように選挙運動ができないだろうと判断して見送った。今回は満を持しての出馬といえる。挑戦者だから当然だが、2期8年の五十嵐市政の問題点を鋭く指摘する。

インタビューでは「県議としての活動の中で、市内各地の皆さんから意見を聞いてきたが、市民の声が市長に届いていない。TX駅の周辺はともかく、周辺地域の市民からは、インフラなどの整備が不十分との声が強い」と述べた。

また、五十嵐市政と県の連携が不十分な例として、県営洞峰公園の市営化を挙げた。市長と知事とのコミュニケーション不足によって公園管理権が市に移管され、市に新たな維持運営負担が発生したと指摘する。県や国や周辺市と連携しながら、「市のブランド力やポテンシャル力を生かす市政運営」が基本キャッチフレーズ。選挙広報用チラシには、大井川知事と握手している写真を大きくあしらっている。

プライベートなことを聞くと、「中高で野球をやっていたので、野球が大好き。車にはバットが積んであり、いつでも打てる」。「今一番楽しいのは、高校で野球をやっている次男のプレイを見ること。自分が野球をしていたころの写真は1枚しか残っていないが、休みの日に次男の練習をのぞくに行き、写真をバチバチ撮っている」と、笑った。 

東海大学体育学部卒。小学生時の体育の先生(日本体育大卒)にあこがれ、自分も体育の先生になろうと思った。卒業後、英シェフィールド・ハラム大学・大学院に留学、「観光マネージメント」を学ぶ。帰国後、父が経営していた星田建設(つくば市西大沼)で働き、市議をしていた父の早世に伴い、そのポジションを継承した。現在は実の兄が社長をしている建設会社の社員。50歳。