日曜日, 4月 27, 2025
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京成百貨店がサテライト店 つくば駅前キュートに25日開店

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25日オープンした京成百貨店つくばショップ=つくば市吾妻、つくばクレオスクエアキュート2階

【鈴木宏子】県内唯一の百貨店、京成百貨店(本社水戸市)が、つくば駅前の商業施設つくばクレオスクエアキュート(つくば市吾妻)2階に初のサテライト店、同つくばショップを出店し、25日オープンした。

売り場面積約165㎡で、有名ブランドの和洋菓子、ハンカチや手袋、スカーフなどの雑貨、ダイヤなどの宝飾品を販売している。県産品コーナーなどもある。今後、利用客の要望に応じて品ぞろえを替えていくほか、お中元シーズンの6月1日からはギフトセンターを設置する。企業や個人宅に出向いて注文を取ったり品物を届ける外商担当者も配置される。

2017年2月末の西武筑波店閉店後、京成百貨店に「百貨店が無くなって困っている」「ギフト品を買うところがない」「西武跡に出店してほしい」などの声が県南地域から多く寄せられた。要望を受け、昨年夏や冬などに、つくば国際会議場やキュートなどで計4回、期間限定でファッションセールを開催したり、ギフトセンターを設置してニーズを探り、出店に至ったという。

買い物に訪れた近くに住む主婦、磯倫子さん(53)は「西武が閉店して、近くに贈答品を買えるところがなくて困っていた」と語り、坂東市から来た会社経営、60代女性は「仕事先に贈るちょっとした贈答品が買えるので助かる」などと話していた。

同店の金澤康信店長は「お客様のご要望に応じて変化させていき、京成百貨店の魅力を紹介していきたい」と意気込みを話した。

励ましの言葉を歌に つくばの大枝未和さん 難病知った5月5日、ライブ出演

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自身が作詞したCD「希望の花咲く場所」を手にする大枝未和さん=つくば市内

【崎山勝功】難病を患うつくば市の16歳の少女が、共に難病に苦しむ友人から送られた励ましの言葉で歌を作った。難病と告知され人生が変わった日が3年前の5月5日。今年は、この日に開かれるコンサートに出演し、自身が作詞した歌を歌う。

再生不良性貧血=メモ=を患う大枝未和さん(16)で、5月5日、同市大856の芝畑で催されるチャリティーコンサート「ミュージックピクニックin芝畑 泳げ鯉のぼり!!」に出演する。

未和さんは、肺に流れる血液量が減少する心臓病の肺動脈弁閉鎖症をもって生まれたが、成功率10%ともいわれる手術が成功し、元気に小学校生活を送った。

しかし13歳を迎えた5月5日、再生不良性貧血と告げられた。一度は骨髄移植しなければ助からないと言われ、未和さんや家族にとって「5月5日は避けて通りたい日」になったという。

その後、難病患者や家族の交流会「難病カフェ アミーゴ」(つくば、水戸などで活動)の仲間と出会ったことから、未和さん自身が変わっていった。

元々歌うことが好きだった未和さんは、難病で苦しむ仲間たちから多くの言葉をもらい、寄せられたメッセージを基に「難病でも前を向いていこう。共に頑張っていこう」という歌詞を作った。

約2カ月掛けて作詞し、昨年7月ごろ完成。作曲をシンガーソングライターの佐倉孝司さんに依頼し、デモテープの収録にこぎつけ、同年12月23日、CD「希望の花咲く場所」が完成した。「『アミーゴ』の人たちの言葉を全部歌詞に入れて、自分の思いも入れたかった。歌詞の字数が1曲目と2曲目で合わず、合わせるのに苦労した」と振り返る。

「いつもはカラオケ店で歌ったりする」というが、「ライブは今回が初めて」という未和さん。現在も治療のため筑波大附属病院に通院しているが「今のところ体調はいい。一生懸命、歌の練習をしてライブを成功させ、盛り上げたい」と意気込みを見せる。

母親の豊美さん(36)は「今年に入ってから輸血の頻度が4週間に1回に減った」と、未和さんの体調がよくなりつつある傾向が見られると話す。去年までは一進一退の病状で、救急車を何度も呼んだり、輸血の頻度も2週間に1回と、ICU(集中治療室)を行ったり来たりだったという。

未和さんの出演は5月5日正午から。コンサートでは未和さんのCDなどが販売され、収益金は難病支援の基金としてつくば市に寄付される。

※メモ
【再生不良性貧血】骨髄の造血能力が低下し赤血球や白血球、血小板などすべての血球が減少する血液の病気。一度出血すると止まらなくなり、輸血が頻繁に必要となる。唯一の有効な治療法は骨髄移植といわれる。

大枝未和さんに寄せられた「難病カフェ アミーゴ」の仲間たちからのメッセージ

個展「ツチウラカノジョ」で鮮烈デビュー 写真家目指す関萌野さん

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写真展の展示風景㊨。左は関萌野さん=土浦市中央、まちかど蔵大徳

【池田充雄】土浦市中央の観光案内施設「まちかど蔵大徳」2階ギャラリーで22日まで、写真展「ツチウラカノジョ」を開いた関萌野(せき・のの)さん。土浦市内の魅力的な場所や景色を背景にした、女性のポートレート作品約40点を集めた。初の個展を終えたばかりの彼女に話を聞いた。

とっておきの場所

同展のための撮影は1年掛かりで進められた。友人たちをモデルとして市内各地に足を運び、100点ほどの作品に仕上げ、今回はそのうちの一部を発表した。会場には、蔵造りの雰囲気の中に撮影で使った服や、ドライフラワーなどの装飾もさりげなく置かれ、作品以外の空間デザインも意識したという。

冬木立の中にたたずむ女性の写真(1)は、手野町の霞ケ浦湖岸で撮影した。「冬っぽいスモーキーな感じで撮りたいと思って、以前からよく夕日を見に行っていたこの場所を選んだ」と関さん。まず場所ありきのことも。あるいはイメージが先にあり、それに合った場所を選ぶことも多いという。

モール505も好きな場所(2)の一つ。彼女の年代にはレトロな雰囲気に映るそうだ。ここを使って撮影された北野武の映画「龍三と七人の子分たち」は大好きな作品で、そこから喚起されたイメージもあるという。

夏を迎えて色を深めた青田が広がる写真(3)は、藤沢のりんりんロードが舞台。「田園風景の中に道がまっすぐ延びている。個人的には土浦の自然が好き。こういう景色は東京では絶対に撮れない」。

若者目線で土浦再発見

初の個展を開いた感想については「若い人に、土浦にもこういう所があるんだと思ってもらえたら。東京の友達もたくさん来てくれて、土浦を見直したと言ってくれた。若者目線で撮っているので、年配の方には気に入ってもらえないかなと思ったが、予想外にほめていただいたのでうれしい」

撮影にあたって意識したのは、女性のやわらかい表情と、土浦の風景をマッチさせること。関さんが服や小物も選び、メークも写真の雰囲気に合わせて施した。

「この子はこういう服を着たら似合うなとか、イメージが膨らんでからモデルをお願いしたことが多い。普段はしないような格好だけど、こういうのも映えるよねと。その人の新しい一面を撮りたい」

早稲田大学法学部を卒業後、本格的に写真家を目指し、都内の日本写真芸術専門学校に入り直したばかり。ファッション写真を撮りたいと、服などのコーディネートも含めたポートレートを一つのテーマとして追い求めている。「ツチウラカノジョ2」もいつかやりたいと語る。土浦市在住、22歳。

元気いっぱい165点 中城天満宮で書道展 土浦

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中城天満宮境内に展示されている土浦市長賞受賞作品=土浦市中央1丁目

【谷島英里子】土浦市中央、中城天満宮の第87回奉納選書会(中城天満宮奉賛会主催)に入賞した小学生らの作品165点が、同境内や隣接のまちかど蔵大徳、中城通り商店街に展示されている。

同天満宮は学問の神として親しまれている菅原道真がまつられ、毎年4月25日の例祭に合わせて書道展が開かれている。5月6日まで。

今年は市内の小学生などから計1545点の応募があった。上位入賞作品の表彰式が21日、土浦市中央1丁目の料亭、霞月楼で行われ、市長賞や土浦商工会議所会頭賞、市議会議長賞、市教育長賞に選ばれた小学生15人一人ひとりに表彰状と記念品が手渡された。

市長賞に選ばれた下高津小1年、坂部詩音さん(7)は、半紙いっぱいに力強く今年の干支(えと)「いぬ」と書いた。坂部さんは「元気な気持ちを表した。賞をとれてうれしいので今後も書道を頑張りたい」と話していた。

審査員で書家の平田洋香さんは「素晴らしい作品ばかりだった。墨がいっぱい入り、筆の運びがおおらかな書を入賞作品に選んだ」と講評した。

土浦市長賞の表彰状を受け取る坂部詩音さん㊨=21日、土浦市中央1丁目の霞月楼

上位入賞者は以下の15人(敬称略)。
●土浦市長賞=下高津小1年 坂部詩音▽都和小4年 大関このは▽土浦小6年 牧野朱莉
●土浦商工会議所会頭賞=荒川沖小2年 西ざわいつき▽上大津東小3年 大嶋乃々華▽都和南小4年 寺坂芽依
●土浦市議会議長賞=都和南小1年 てらさかゆめ▽土浦小5年 大久保あかり▽上大津東小6年 飯田亜侑梨
●土浦市教育長賞=土浦小1年 石いみ空▽真鍋小2年 いな川ひびき▽土浦二小3年 大場心和▽東小4年 吉原百花▽荒川沖小5年 西沢佑亮▽土浦2小6年 瀬島美咲

科学の街にヒーロー登場 新素材を子どもたちに解説 つくば

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子どもたちに新素材を分かりやすく解説するナノ戦隊スマポレンジャー=22日、つくば市千現、物質・材料研究機構

【富永みくに】科学の街つくばにまたヒーローが登場した。「ナノ戦隊スマポレンジャー」で、科学技術週間に合わせた物質・材料研究機構(同市千現)の一般公開イベントで22日、新素材を子どもたちに分かりやすく解説した。

同機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の荏原充宏研究員(43)が考案した。温度や光などさまざまな外部環境に応じて性質を変化させる新素材「スマートポリマー」の性質を解説する。未来の医療材料として、貼って治すがん治療や、電気や水などがない被災地や発展途上国などでの携帯型透析システムへの活用が期待されているという。

戦隊ショーでは、筑波大と東京理科大の学生ボランティアが戦隊ヒーローにふんして登場。スマートポリマーの性質を「免疫回避」「形状記憶」「生分解性」などの必殺技にたとえて分かりやすく説明した。

荏原研究員は、考案した理由を「科学ヒーローが人を救うというイメージは、日本人になじみやすい。当初はスマポレンジャーの漫画を配って広報活動をしていたが、回を重ねるごとにグレードアップして今の形になった。研究の傍ら、茨城空港をはじめとして年間5回ほどショーを行っている。2016年にはつくば市の教育マイスターにも認定された。ショーを見た子どもたちの中から、科学者が誕生する日が来るのが楽しみ」と笑顔で話した。

「科学技術週間」に合わせた一般公開イベントは22日まで、つくば市内の研究機関、大学など28カ所で催され、県内外から大勢の人が訪れた。

大好きな鉱物に興奮

鉱物の展示を興味深く見つめる来館者ら=22日、つくば市東、産業技術総合研究所地質標本館

産業技術総合研究所地質標本館(同市東)では、春の特別展「関東平野と筑波山」(7月1日まで)を開催。霞ケ浦や北浦の成り立ち、鬼怒川で繰り返し生じた洪水による地層の変化、筑波台地の地質と地形、同研究所構内で実施した深さ715.5mのボーリング(掘削)調査結果などについて詳しく解説している。

「鉱物が大好き」という東京在住の小学生の男の子(10)は、愛読している鉱物図鑑を持参し、つくば市に住む友人の祖父(78)らと来館。一番好きな鉱物というテルル石の実物を見て「図鑑に載っているものとまったく同じものが展示されていてうれしかった。とても美しい」と、興奮気味に話していた。

JAつくば市と谷田部 来年2月1日合併へ

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合併推進協議会で会長に選出されあいさつするJAつくば市の岡本秀男組合長。左端はJAつくば市谷田部の横田伊佐夫組合長=22日、つくば市小野崎、ホテルグランド東雲

【鈴木宏子】来年2月1日の合併を目指して、JAつくば市(岡本秀男組合長)とJAつくば市谷田部(横田伊佐夫組合長)は22日、つくば市内JA合併推進協議会を設立した。国の農協改革で来年5月までに一定の自己改革の成果が求められていることなどを背景に、合併により組織や経営基盤の強化を図る。

合併後の組合員数は1万4522人(今年1月末時点)と県内4位、貯金高は1175億1900万円(同)と県内5位の規模になる。市内に二つあった農協が一つになることから、合併後はつくばブランドを全面的に押し出したいとしている。

合併協議会会長はJAつくば市の岡本組合長、副会長は谷田部の横田組合長が務め、事務局はJAつくば市の本店がある同市東岡に置く。合併方式は、谷田部をつくば市に統合する形になるという。

今後は、6月末までに合併事業計画書を決定し、7月に集落座談会を開催、8月に両JAでそれぞれ臨時総代会を開催して合併を決議する方針だ。

同日、両JAの理事や役職員のほか、JAグループ茨城の佐野治会長など約100人が参加して、同市小野崎のホテルグランド東雲で合併協議会の設立総会が開かれた。

つくば市の岡本組合長は「人口減少や高齢化、民間との競争の激化などの課題がある中、多様化する組合員のニーズに応えるため、専門性の高い職員を育成し経営基盤を盤石にして強化を図りたい」などと話し、谷田部の横田組合長は「農業・農村の危機、組織・事業・経営の危機、協同組合の危機などと言われるが、危機を何としても突破したい。9カ月間、何が何でも合併に向けて進みたい」などと決意を述べた。

JAつくば市(桜、豊里、大穂、筑波、茎崎地区)は組合員1万665人、貯金高651億9000万円(17年1月末時点)。JAつくば市谷田部(谷田部地区)は組合員3631人、貯金高502億3600万円(同)。

両JAは2013年から、JA土浦と3JAで合併研究会を発足させ合併に向けて研究を続けてきた。しかし合意に至らず白紙となり今年2月、研究会を解散。3月からJAつくば市と谷田部の2JAで合併の検討が始まり、急きょ合併協議会の設立に至った。

一方JA土浦(土浦、かすみがうら市、池田正組合長)は、同じ来年2月1日の合併を目指し、JA茨城かすみ(阿見町、美浦村)、JA竜ケ崎(龍ケ崎、牛久市、利根町)の3JAによる合併協議会を設立している。

JAつくば市とJAつくば市谷田部の理事や役職員ら約100人が参加して開かれたつくば市内JA合併推進協議会=同

「自分の夢諦めないで」 あしなが募金つくばでスタート

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街頭で募金活動をするあしなが奨学生の塚田理香さん(中央)=21日、つくば市吾妻のライトオン本社前

【崎山勝功】病気、災害、自殺などで保護者を亡くした遺児らの進学支援を訴える「第96回あしなが学生募金」が21日から県内3カ所で始まった。このうち県南地域ではつくば市吾妻のライトオン本社前であしなが奨学生やボランティアらによる街頭募金活動が行われた。

例年、県南はつくば、取手の2カ所で実施されるが、今回はボランティア不足のため取手での活動を断念した。つくばでは、県立藤代紫水高校(取手市)の高校生やアステラス製薬労働組合の組合員らがボランティアで募金を訴えた。

活動に参加したあしなが奨学生で東洋大学2年の塚本理香さん(19)=鹿嶋市出身=は「人通りが少ないと感じたけど、時間が経つにつれチラシをもらってくれる人も増えた」と手応えを感じていた。藤代紫水高3年の風間涼さんは「結構、皆優しくて、話し掛けてくれた」と話した。

28日も同所で活動が行われる。塚本さんは「進学をしたいと思っても親に迷惑を掛けないようにと自分の夢を諦める子がいる。その子どもたちのために募金活動を頑張りたい」と話した。

アルバイト漬け「グルグル回ってる感じ」

塚本さんは5歳のとき父親を亡くし、看護師の母親と兄2人の4人家族。福祉と保育を学びたいと東洋大学に進学した。

今年度から新たに導入された給付型奨学金3万円と無利子貸与型奨学金4万円の計7万円を受給し、学費に充てているという。一方で生活費のため、週6日、居酒屋でアルバイトをしている。授業のある平日は午後5時から同11時まで、土日は午前11時から午後11時までの12時間勤務だ。アルバイト収入は10万円前後だが「春と秋には教科書代が掛かり厳しい」と話す。

大学で保育の勉強をする塚本さんは、時間に余裕があるなら子育てを支援するボランティア活動をしたいというが、アルバイト漬け同然の現在の生活は「アパートと学校とバイト先をグルグル回っている感じ」だという。

あしなが学生募金事務局によると、生活状況を調査した一人暮らしの奨学生の7割以上が実家からの仕送り無しで生活しているという。

商業施設やランニングパークなど 民間13事業者がアイデア つくば市総合運動公園用地

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つくば市大穂の総合運動公園用地

【鈴木宏子】返還を断念したつくば市総合運動公園用地約46ha(同市大穂)の利活用アイデアについて、同市は、2、3月に実施した民間事業者の意向調査結果を18日発表した。県内外の13事業者から、複合型商業施設、メガソーラー、ランニングパークなどの提案があった。

ただし市による造成工事やインフラ整備を求めていたり、利用したい面積も全体から1haまでさまざまだったり、土地利用の用途変更が必要など課題があり、市は引き続き検討を続けるとしている。調査結果は今後、住民説明会を開いて説明する。土地処分のスケジュールについては決まっていないという。

用地全体を利用するアイデアとして、金融業者、建設業者、デベロッパー、スポーツクラブから、農場を併設したメガソーラー、ジム・スパなどがある高機能ランニングパーク、ガーデニングに特化し健康増進施設や商業施設などがある戸建て賃貸住宅街、サッカーグラウンドを中心に道の駅や自然体験・宿泊エリアがあるスポーツツーリズム推進拠点の整備などの提案があった。一部を利用するアイデアとしては小売業者、農業法人などから複合型商業施設、植物工場などの提案があった。

総合運動公園をめぐっては、2014年、市開発公社がUR都市機構から約66億円で購入、15年、住民投票の結果を受けて市原健一前市長が計画を白紙撤回した。16年に初当選した五十嵐立青市長はURへの返還交渉を公約に掲げ、17年、著名弁護士による検証委員会を設置、「不正の事実は認められなかったが、民意の把握や説明に不十分な点があった」などの報告書がまとめられた。同年7月、五十嵐市長はURへの返還を断念し、利活用の可能性を調査するため今年2、3月に民間の意向調査を実施した。調査にあたっては公共施設用地としての利用可能性も継続して検討するとしていたが、現時点で具体的計画はないという。

筑波山麓オールロケ 「ここにいる」21日上映会 つくば

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映画のワンシーン(篠原さん提供)

【大志万容子】筑波山麓を舞台に、同地域でオールロケを行った短編映画「ここにいる」の上映会が21日、つくば市の大穂交流センター視聴覚室で開かれる。入場無料。

映画は、牧場を営む父親と反発する中学生の親子の物語。筑波おろしが吹きすさぶ中、懸命に働く少年の一日の出来事を通して、子どもの頃に誰もが感じる、切なく、ちょっと不思議な世界が描かれる。

俳優の草薙仁さんが監督を務めた。一昨年7月、つくば市小田の古民家で映像教室を開いたことをきっかけに、筑波山麓の風景に心を引かれ、同地域を舞台にした映画の脚本を書いたという。暮らしの実在感がほしいと、登場する子どもたち6人はすべて、市内在住の中学生らをオーディションで選び、昨年2月、羊牧場「ももじろう牧場」や小田地区の店舗などでロケを行った。

筑波山麓で現代アートの野外展覧会を毎年開催している市民グループ「つくばアートセンター」(篠原光子代表)が撮影に協力し、今回、上映会を主催する。篠原代表(55)は「登場人物の思いを『そういうことあったよね』と自分に重ねてもらえれば。そして自然豊かなつくばの生活が素敵なものだと気づいてもらえれば」と話している。

◆映画は37分。午後3時から。定員70人。予約はメールで受け付ける。hearth.art981@gmail.com。

映画の出演者たち。前列左から2番目が草薙監督。市内の中学生らも出演した(同)

つくばに茨城スタジオ開設 アニメ「進撃の巨人」制作会社 人材発掘へ

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つくば市長を表敬訪問した(左から)浅野恭司取締役、和田丈嗣社長、中武哲也取締役=19日、同市役所

【鈴木宏子】「進撃の巨人」で知られるアニメ制作会社ウィットスタジオ(東京都武蔵野市、和田丈嗣社長)が13日、つくば市吾妻、市産業振興センターに「WIT(ウィット)茨城スタジオ」を開設した。本社と連携し子供向けアニメやCM短編アニメの作画を行いながら、アニメーターなどの人材育成を目指すという。

19日、大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長をそれぞれ表敬訪問した和田社長(39)は、県内在住の大学生や専門学校生が就業体験するインターンシップを受け入れ、来年4月に約10人の新卒者を採用、3年後までにさらに約10人を採用して20人態勢にしたいとしている。

アニメ制作会社が東京に一極集中し人材不足が言われる中、生活しやすく、仕事に集中しやすい環境が整っている地方で、新たな人材を発掘し育成していこうと試み。同社の地方進出は初めて。

「進撃の巨人」でプロデューサーを務めた同社の中武哲也取締役(38)が鹿嶋市出身、総作画監督を務めた浅野恭司取締役(42)が古河市出身で、これまで古河やつくば市でイベントを開いてきたことなどからスタジオ開設に至ったという。

茨城スタジオは産業振興センター2階の約100㎡。いずれも20代の筑波大出身アニメーター、田中正晃さんと、守谷市出身で制作進行担当の山田健太さんの2人が昨年5月から開設準備を進めてきた。

今後は2人が中心になって茨城スタジオを運営していくという。今年は「劇場版ポケットモンスター」や、子供向けアニメシリーズの作画などをする予定。さらにショッピングセンター、イーアスつくば内の映画館MOVIXつくばなどでイベントを開催し、茨城の特産品などにアニメのイラストを付けたオリジナルグッズなどを制作、販売したいとしている。

和田社長は「筑波大や取手の東京芸大などとも連携して新しい形がつくれれば」と話している。

ウィットスタジオは大ヒットアニメの「進撃の巨人」のほか、「甲鉄城のカバネリ」「魔法使いの嫁」など注目作品を手掛けるアニメ企画制作会社として知られる。

WIT茨城スタジオが開設されたつくば市産業振興センター=同市吾妻2丁目

次は「ご近所寄り道商店街」 つくばの女性3人 大角豆で6月開催

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14、15日開催され、さまざまなジャンルの本が並べられた古書市=つくば市大角豆

【橋立多美】街をワクワクさせたいと、つくば市大角豆(ささぎ)のカフェ・ギャラリー「メモリーズ」で古本市を開催した女性3人組「ワンダーホー」が、今度は、ご近所寄り道商店街「どんぐりコロコロ」の準備を進めている。

6月2日と3日の2日間、同市大角豆地区で、農園やレストラン、鍼灸院などを営む有志と開催する。歩いて回れる範囲にある6店の店内の一角で、野菜、手作り商品、飲み物などを販売したり、来場者と共に楽しむイベント。スタンプラリーも実施される。昨年に続く第2回目で、昨年は延べ450人が来場した。

3人は、つくば市大角豆でジュエリーショップ・メモリーズを営む傍ら彫金教室を主宰する鳥山玲子さんと、同教室を介して知り合った丹野雅子さんと齋藤多賀子さんの3人。2016年秋「素敵!」と思うことを実現させようと意気投合した。

各自3万円を出し合って運営資金とし、鳥山さんが広報と渉外、丹野さんが会計、齋藤さんが企画調整を担当。背伸びをしない範囲で自分も周りも楽しくなる企画を練り、「楽しいことをしたい人、この指とまれ」と市民主体で活動の輪を広げている。

6月の寄り道商店街にアクセサリーを出品する鳥山さんは「昨年と同じ店主が顔を揃え、打ち合わせを重ねるごとにご近所同士の親密さが増している。今回はさらに魅力的で個性的な商店街を目指しています」と意気込みを語る。

3人は今月14~15日の2日間、市民が家に眠っている本を持ち寄り、店主として販売する古本市「ブック・フェス」をメモリーズギャラリーで開催した。400冊に及ぶ古本が並べられた会場には延べ150人が訪れ、合計3万6000円を売り上げたそうだ。「家庭で眠っている本を街に循環させて読み手をつなごう」という企画で、本を仲介に入場者同士が会話を弾ませる姿が見られたばかり。

◆大角豆エリアで開催されるご近所寄り道商店街「どんぐりコロコロ」は、6月2日(土)と3日(日)午前11時~午後4時を予定。問い合わせは鳥山さん(電話029-852-8286)まで。

 

ヨガ・瞑想を知って つくばの歯科医ら企画 女性初ヒマラヤ大聖者講演会

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チラシを手に参加を呼びかける舟久保さん

【大志万容子】ヨガや瞑想への理解を深めてもらおうと、つくば市の歯科医、舟久保せいこさんらが5月12日、ヨガ・瞑想指導者、ヨグマタ相川圭子さんの講演会を開く。舟久保さんは「悩みを抱える人から科学者まで多くの人に参加してほしい」と呼び掛ける。

舟久保さんは、20数年前から「患者さんにリラックスして治療を受けてもらいたい」と、ゆっくりとした呼吸で心を穏やかにするヨガを学ぶようになった。深く知るうちに、ヨガのポーズや瞑想を通じて「自分とは何か」を問いかける精神性の奥深さに魅了された。

2年前に相川さんと出会い、瞑想の指導を受けた。インドで「ヨグマタ(ヨガの母)」と尊敬を集める相川さんは、ヒマラヤ山中での修業を経て、女性初の「シッダーマスター(ヒマラヤ大聖者)」の称号を得、国連でも世界平和のスピーチをしたヨガ・瞑想の第一人者だ。

「瞑想するようになって、本当の自分の思いに気づき、心が安定するようになった。患者さんの思いも感じ取れるようになり、適切な言葉をかけられるようになった」と舟久保さん。相川さんの講演を通じて、多くの人に関心を持ってもらおうと、有志と実行委員会を立ち上げた。

「今この瞬間の心の動きに意識を向ける『マインドフルネス』という瞑想法でストレスが低減されたなど、最近、科学的にも瞑想の効果が実証されるようになった。多くの人に来てもらいたい」と呼び掛ける。

講演会の収益の一部は、つくば市と土浦市に寄付する。

◆講演会は5月12日(土)午前10時からつくば市竹園のつくば国際会議場大ホールで。参加費は一般3000円、小中学生500円、大学生1000円。チケット販売はイープラス(PC/携帯)http://eplus.jp(直接購入)ファミリーマート。問い合わせは実行委員会070・3133・9181

サクラソウ花壇が見頃 つくば市松見公園

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見頃を迎えたサクラソウ花壇と花壇の手入れをする、つくばアーバンガーデニングボランティアの稲葉弘行さん=松見公園

【橋立多美】つくば市天久保、松見公園内のサクラソウ花壇が見頃を迎えた。花と緑のまちづくりを目指し、同公園で花の手入れや癒しの庭づくりなどをしているNPO法人つくばアーバンガーデニングの園芸仲間が植え付けた。

江戸時代から伝わる園芸品種など800株以上が、園内を流れる滝の脇の花壇に10区画に分かれて植えられている。薄紫の花は伊達男(だておとこ)、白い花は車白(くるまじろ)、ピンク色の花は天晴(あっぱれ)などの名前が付いている。

現存の園芸品種を将来に向けた遺伝資源として保存しようと、2005年、筑波大学と同NPOが共同で立ち上げた「さくらそう里親の会」のメンバーが株を育てた。株分けの作業で出た余剰株を花壇に植え付けた。

花壇は、シノ竹が茂っていたやぶを園芸仲間やボランティアが手作業で根っこを掘り起こして開墾し、3年前に整備したという。

今年は例年より1週間ほど早い13日に開花した。5月中旬まで楽しめる。同NPO理事の落合由美子さんは「日本古来の貴重な品種の美しさを楽しんでほしい」と話す。

サクラソウは桜によく似た花を咲かせる多年草で、国内外を問わずたくさんの愛好家がいる。春の代表的な草花として江戸時代に育種が進み、多くの品種が作られた。園芸品種は、当時生み出された独自の作法に基づく鑑賞法や、日本人独特の花に対する美意識を考察する上で重要とされる。

松見公園管理棟1階に置かれたサクラソウを見守る落合さん㊨と稲葉さん=同

 

「ジオブランド」認定へ 筑波山地域 加工食品や料理を公募

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筑波山地域ジオパークのイメージ写真(筑波山地域ジオパーク推進協議会提供)

【鈴木宏子】筑波山や霞ケ浦など筑波山地域ジオパークをイメージした優れた商品を「ジオブランド」に認定して、同ジオパークをもっと発信しようと、同推進協議会(つくば、石岡、笠間、桜川、土浦、かすみがうら市の6市で構成)は16日から認定商品を募集している。第1回目の今回は、土産品やご当地グルメにもなる加工食品や料理などが対象。

同ジオパークの地形、地質、歴史、文化、動植物などの特徴がイメージできる商品で、包装などのパッケージもジオパークとの関連を表現したデザインであること、筑波山地域の6市で生産された食材や素材を使っていること、6市内で生産や加工していることなどが条件。すでに販売されている商品でも、これから新規開発する商品でも可能という。

同推進協のジオブランド認定審査会が審査する。研究者、市民団体、商工関係者らでつくる同推進協の3つの部会から推薦を得たり、イオンやカスミなど流通関係者にも意見を聞くという。

認定商品は、これから策定する同ジオブランドのロゴマークを使用でき、同推進協のホームページでPRするほか、6市の観光協会などが運営する直売店や道の駅などでも販売する予定という。認定期間は3年間で、3年ごとに更新する。

初の認定商品は秋ごろ決定する予定で、10点程度を想定している。当面、毎年公募し、今後は工芸品なども対象にすることを検討しているという。

募集期間は6月18日まで。問い合わせは℡0296・55・1159(桜川市商工観光課内の同推進協地域振興部会事務局)

筑波山地域ジオパークのロゴマーク。ジオブランド商品のロゴマークは現在検討中(同推進協議会提供)

スタジオ増設しリニューアル スポーツクラブNAC 土浦

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リニューアルしたスポーツクラブ「NAC」=土浦市真鍋6丁目

【谷島英里子】土浦市真鍋6丁目のスポーツクラブNAC(ナック)がリニューアルオープンした。健康増進や友達作りなどを目的に人気が高まるエクササイズ用のスタジオを新たに増設した。

新スタジオは、外側がガラス張りになり屋外が見渡せて、太陽の光を浴びながら開放的な気分で体を動かせる。運動プログラムに、リンパの流れをスムーズにする「リンパコンディショニング」や、横になりながら筋トレする「ストレッチポール」などを取り入れ充実させている。

施設内には25m温水プール、トレーニングジム、スタジオ、バスルーム、体育館もあり、さまざまなスポーツが楽しめる。

NACの鶴田敏之課長は「アットホームな雰囲気なので、楽しく運動ができます。なんでも相談して下さい」と話している。

◆4月限定で入会金(5400円)と月会費1カ月間分が無料となるキャンペーンを実施中。開館日時は火~金曜午前11時~午後11時。土曜午前11時~午後10時。日曜午前11時~午後8時。月曜定休。問い合わせはNAC(電話029・826・4727)まで。

新設されたスタジオ=同

【訃報】倉田弘初代つくば市長が死去

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【鈴木宏子】初代つくば市長の倉田弘(くらた・ひろし)氏が15日、入院先の筑波記念病院で死去した。87歳だった。

同市栗原出身。合併前の旧桜村助役を務め、1983年から87年まで同村長を歴任した。谷田部、大穂、豊里町、桜村の旧4町村が合併して誕生したつくば市の初代市長を88年から1期務めた。

桜村村長当時、合併協議が難航する中で、現在のつくば市につながる6町村の合併を呼び掛け、協議をまとめ上げるなど、新市誕生に大きな功績を果たした。初代市長になってからは常磐新線(現在のつくばエクスプレス)の誘致に尽力し、現在のつくば市の礎を築いた。

通夜は18日午後6時から、告別式は19日午前10時30分から、いずれもつくば市玉取1766のつくばメモリアルホールで。喪主は長男の尚司(しょうじ)さん。

記者が体験 最後尾でゴール かすみがうらマラソン

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かすみがうらマラソンを走るランナーら=15日、土浦市川口

【富永みくに】15日行われた「第28回かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン2018」(通称・かすマラ)に出場した。フルマラソンは3回目の挑戦。まだ完走したことはない。午前10時スタート。心配していた雨もほとんど降らなかった。

「かすマラ」には、17km地点に2時間15分までに着かないと収容バスに乗らなければならないという関門がある。時間内に着きさえすれば、6時間という制限時間を超えても走らせてもらえる。まずは17km地点を目指した。

前半はにぎやかな土浦市内を通過した。後半は森林やハス田の多い、のどかな光景が広がった。土浦市内は高架橋を上ったり下りたりが多かったが、体力が奪われるほどの勾配ではなかった。

5㎞を過ぎたころ、盲人ランナーの伴走をする、ものまね芸人のM高史さん(33)に追い抜かれた。公務員ランナー川内優輝選手のモノマネで知られるタレントだ。その後、バルセロナ五輪銀メダリストのマラソンランナー、有森裕子さん(51)が、ランナーの間を行き来しながら、大きな声を出して走り方をアドバイスする場面に出会い励まされた。現役の頃と変わらずきれいで、とても若々しかった。神立小学校前では、小学生たちの声援が何よりも励みになった。

スタートから2時間後の正午ごろ、無事に17㎞の関門通過。関門付近で記者仲間を見つけ、余裕で手を振った。しかし調子が良かったのは25km地点まで。この後、足取りが徐々に重くなり、走ったり、歩いたりを繰り返すようになった。

午後3時ごろ、リタイアした人を収容する車が並走し始める。沿道のエイドはすでに帰り支度を始めていたが、残りのランナーのために水やバナナなどを取り置いてくれた。

午後4時、スタートから6時間が経過し、ゴール地点の競技場から制限時間を知らせる号砲が鳴り、上空に白とピンクの煙が上がるのが見えた。後ろから追い抜いてきたパトカーから歩道を歩くようにと指示を受けた。最終の収容バスも横を通り過ぎていった。どこまでも続くハス田の向こうに、土浦市街のビルがうっすらと見える。

自分を含め周囲のランナーは皆、歩くのが精一杯という様子だったが、皆黙々とゴールを目指した。足がつって立ち止まったとき、追い抜きざまに声を掛けてくれた男性は「収容バスに乗るのは簡単だけれど、乗ってしまうと何も残らない。せめて完走したという達成感が欲しい」と話した。

その後も脚の痛みに耐えながら歩き続け、午後5時過ぎ、スタートから7時間後にようやくゴールゲートをくぐった。会場を片付けていたスタッフが「あなたが最後」と言いながら、土浦JAの「れんこんめん」、柴沼醤油の醤油、スポーツドリンクなどが入った参加賞を手渡してくれた。制限時間を1時間オーバーしたものの、初めてのフルマラソン完走となった。

5㎞で土浦湖北高生が優勝 かすみがうらマラソン 雨の中1万6500人が力走

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スタートする10マイル部門の選手たち=土浦市川口の県道

【崎山勝功】第28回かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン2018(同実行委員会、土浦市など主催)が15日、土浦市川口、川口運動公園近くを発着点に行われ、フルマラソン(42.195㎞)、10マイル(16.09㎞)、5㎞の各部門に約2万4000人がエントリーし、1万6509人が断続的に雨の降る悪天候の中、力走した。

このうち県勢は、5㎞一般の部男子で、柴田樹(17)=県立土浦湖北高校3年=が15分54秒で優勝した。柴田は「記録は悪かったけど1位を取れて良かった」と喜びを語った。

5㎞の一般の部男子で優勝した土浦湖北高校の柴田樹(左端)=土浦市川口の川口運動公園

また、同5㎞一般の部では、土浦市など周辺3市町の高校11校が参加し、3人1組の高校生ランナーが合計タイムを競う「土浦市内・かすみがうら市内高校対抗レース」が行われ、柴田らが所属する県立土浦湖北高校が優勝した。柴田は「3人で練習してきたので、こういう形で3人で1位を取れて良かった」、2年の小林篤生(16)は「大会で実を結んだ」とそれぞれ話した。5㎞の部で16分31秒で3位入賞した、同校3年の茅森志温(17)は「やっと結果を残せてうれしい。僕自身はタイムは目標に届かず悔いが残るけど、団体で優勝できてうれしい」と述べた。

男子は渡邉清紘、女子は藤沢舞が独走優勝

フルマラソン一般の部男子は、渡邉清紘(31)=山形県=が2時間23分05秒で2位に約3分もの差を付けて独走状態でゴールした。同女子では藤沢舞(43)=北海道、エクセルAC=が2時間45分54秒で2位に約4分の大差で勝利を収めた。「2年ぶりに出場した」という藤沢は「天気が悪かったけど走りやすかった。優勝は8年ぶりだったので素直にうれしい」と喜びの表情を見せた。

フルマラソン一般の部女子で優勝した藤沢舞=同

10マイル一般の部女子で57分54秒で優勝した新立啓乃(20)=兵庫県、ノーリツ=は「持久力を付けていって(次戦の)ハーフマラソンやマイル大会につなげていければ」と、次の大会を見据えた。

5㎞一般の部女子で17分48秒で5連覇を果たした松本恭子(47)=千葉県=は「タイムはいまいちだったけど今年も勝てて良かった。走ったらいいコンディションで、意外に風もなく走れた」とレースを振り返った。

同時に行われた国際盲人マラソンでは、伴走者と一緒に走る盲人ランナーらの姿が見られた。

伴走ランナー(右端)と一緒に走る盲人ランナー=土浦市川口の県道

このほか、大会には一般ランナーに混じって仮装したランナーも走り、大会に花を添えた。フルマラソン一般の部女子で参加した関口洋子さん(38)=龍ケ崎市=は、少女アニメの仮装で参加し、4時間58分46秒のタイムで完走した。「初めて仮装して走ったけど、いろんな方に声を掛けてもらって楽しかった」と満足げな表情だった。

大勢のランナーに混じって、アニメの仮装姿でゴールした関口洋子さん(中央)=同

つくばの研究機関・大学28カ所が一般公開 16~22日 科学技術週間

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昨年春の公開イベント、防災科学技術研究所の豪雨体験の様子

【富永みくに】「科学技術週間」に合わせた一般公開イベントが16~22日までの期間中、つくば市内の研究機関、大学など28カ所で催され、施設公開、講演会、展覧会など工夫を凝らした企画が実施される。

産業技術総合研究所「サイエンス・スクエアつくば」(つくば市東)は21日午前9時30分~午後5時、災害調査ロボ「CRoSDI」のデモンストレーションとミニ講演を実施。人が入れないような狭い場所で活躍するロボットが見られる。他にもオリジナルのビーズストラップやはんこが作れる工作コーナーなどが設置される(予約制)。

物質・材料研究機構(NIMS、つくば市千現・並木・桜)は22日午前10時~午後4時、講演、実験、工作など70を超えるプログラムを用意。谷田部中学校とのコラボイベント「永久磁石を作ってみよう」、ナノ戦隊スマポレンジャーによるスマートポリマー実験ショーなども開催される。

物質・材料研究機構(NIMS)が実施予定の超電導の実験=13日撮影

21日(土)、22日(日)の2日間は、無料の「つくばサイエンスツアーバス」が1日6便運行され、北回りはTXつくば駅、国土地理院、国立科学博物館つくば植物園を、南回りはつくば駅、つくばエキスポセンター、産業技術総合研究所、筑波宇宙センターを巡回する。

その他、主な施設の公開日は次の通り。

国立公文書館つくば分館=16~21日午前9時15分~午後5時、特別企画展「花さんぽ」植物図譜を中心に園芸書・名所図会などの展示。

建築研究所=22日午前10時~午後4時、耐熱性に優れ強度がある新しい木材製品CLTの特徴を体感できるCLT実験棟、防耐火棟・強度試験棟の見学など(予約制)。

国土技術政策総合研究所・土木研究所=20日午前10時~午後4時、道路に関する実験を行う試験走路の見学、土石流の発生の仕組みを学ぶコーナーなど。

防災科学技術研究所=22日午前10時~午後4時、豪雨体験ができる施設見学(雨具・長靴持参)、ペットボトルで地震計を作るコーナーなど。

国立科学博物館筑波研究施設・筑波実験植物園=21日午前10時~午後4時、植物園バックヤードツアー、「研究お宝大公開」など。※一般常設展示有(「さくらそう品種展」は14日~22日)

JAXA筑波宇宙センター=16~22日午前9時30分~午後5時、国際ステーションから見た地球の映像の上映、展示館クイズツアーなど。

気象庁高層気象台=18日午前10時~午後4時、自由気球を使った高層大気の観測、古い気象測器の展示など。

国土地理院=17、19日午前10時~午後4時、測量用航空機「くにかぜ」内部公開など。

国際協力機構JICAつくば=21日午前10時~午後4時、トマトの接ぎ木教室(先着順)、世界の布でしおりを作る工作、ボランティア事業紹介など。

森林総合研究所=20日午前10時~午後4時、樹木園・実験住宅を研究員による解説付きで見学。

国際農林水産業研究センター=20、21日の午前時~午後4時、熱帯果樹・黒糖・さとうきびなどの試食会、ハイビスカス・パインなどの苗の配布(先着順)など。

筑波大学=21日午前9時~午後5時、子どものための特別授業「キッズ・ユニバーシティ」面白くてためになる科学実験など。

筑波技術大学=20日午後1~5時、視覚障がい者のために開発された触って理解する教材、触覚的な案内表示などを公開。

日本自動車研究所=21日午前10時~午後4時、水素・電気で走る車の試乗、交通安全教室、消防・救急車両展示など。

詳しくは、2018年度筑波研究学園都市研究機関一般公開総合ガイド(http://stw.mext.go.jp/event/tsukuba.html)へ。

日本屈指のコレクションを公開 さくらそう品種展始まる 筑波実験植物園

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「筑波大学コレクション」の150品種=筑波実験植物園

【鈴木萬里子】日本屈指のサクラソウの品種コレクションを一堂に公開する「さくらそう品種展」が国立科学博物館筑波実験植物園(つくば市天久保)で14日から始まった。筑波大学が保有する314品種の「筑波大学コレクション」が150点ずつ順に展示される。

サクラソウは室町時代後期から江戸時代前期に野生種の栽培が始まり、茶会の席にも使われるなど人気が高かった。江戸後期になると品種改良が進み多数の園芸品種が生み出された。筑波大は収集した品種のDNAタイプを調べ保全している。同展に展示されている150点は4~5日ごとに入れ替えるため、全品種を見ることが出来る。

NPOつくばアーバンガーデニングのメンバーらが中心となった「筑波大学さくらそう里親の会」による「里子コレクション」も展示されている。筑波大が保有する園芸品種を保存する里親で、市民と共に遺伝資源を守っている。里親の一人は「芽分け作業時には交配しないよう土を入れ替えるなど、細心の注意が必要。でもとても楽しい」と話していた。

会場には、サクラソウの花を観賞するために江戸時代に考案された陳列法「桜草花壇」が建てられている。下向きに咲く花は上段に、上向きの花は下段に配置するなど、花の色が一番きれいに見える工夫がされている。

植物園入口の教育棟には昨年のサクラソウ人気投票上位10品種が飾られている。

牛久市の60代女性は「サクラソウを見るのが楽しみで毎年来ている。あでやかなのに静かな雰囲気が良いですね」と話し、品種ごとに付けられた名前を丁寧にチェックしていた。名前は作った人が付け、和歌から取ったものが多いそうだ。中には日露戦争後に名付けられた「戦勝」などユニークな名前もあった。

◆同展は22日(日)まで。16日(月)休園。開館時間は午前9時~午後4時30分。入園料は一般310円。

「桜草花壇」に見入る来場者ら=同