ホーム つくば 【シルバー団地の挑戦】11 小学校に地域交流室ができた!(下) 住民の奉仕活動が結実

【シルバー団地の挑戦】11 小学校に地域交流室ができた!(下) 住民の奉仕活動が結実

【橋立多美】2013年4月、小池義寿校長が、つくば市立茎崎第三小学校に着任して間もなく、児童数の減少で活気を失い草木が生い茂っていたことにぼうぜんとした。30年前、39学級が各々の級の花壇を持っていたころの環境を取り戻したいと、小池校長の奮闘が始まった。

市教委に環境整備を申し出たが「順番があるので時間がかかる」と言われた。殺風景で季節感のない学校環境では児童に情緒は育たない。「これは俺の仕事」と草刈り鎌と耕運機で中庭の整地に取りかかった。

すると保護者の中にかつての教え子たちがいて「先生がやるなら俺たちも」と声を挙げ、孤軍奮闘を見た地域住民の助っ人も現れた。校舎裏手にはヤブカラシが繁茂した中に古い備品が放置されていた。助っ人たちが不要品を片付け、根気強く整地して駐車場に生まれ変わるなど、彼らの力で中庭を含めて学校はきれいになった。

同校の玄関に飾られていた「南極の石」が取り持つ縁もあった。地域に目を配ると、倉本茂樹さん(76)が12年に森の里自治会長に就き、団地横を流れる東谷田川の堤防に草花を植栽する「堤防美化プロジェクト」と、地域ぐるみの自警団「かわせみパトロール隊」を組織。同隊は同小に通学する児童の見守り活動を行っていることを知った。

「すぐに倉本会長は南極の石を寄贈した人だと分かって親近感を覚え、裏付けもないのにこの人となら協働できると思った」と小池校長は振り返る。学校周辺がきれいになり、次は花壇と思っていた小池校長は倉本さんと連絡を取り、自治会による学校の花壇づくりが始まった。

花壇への植栽に向けた苗の植え替え作業=同

3年後、小池校長と入れ替わりに黒澤美智子校長が着任すると、今度は、毎年文化の日に開催される「三小まつり」への協力依頼が自治会に舞い込んだ。地域住民の知識と経験を児童に伝えてほしいというもの。昨年は輪投げや紙飛行機といった昔遊びの伝承や、プラネタリウムの解説、将棋指導など9種目を住民が受け持って児童たちと世代間交流を楽しんだ。

「三小まつり」では地域住民が児童たちと将棋を指して指導した=同

個別に同小を支援する団地住民もいる。長谷川郁夫さん(73)は職員室に困っている箇所がないかと尋ねて修理から片付けまでをこなす。「日曜大工の簡単な作業だけど、時間の許す限り続けていきたい」と話してくれた。

愛着色あせず

開校時のにぎわいはないが、我が子が巣立った学校への愛着は色あせず、住民らは今も、未来を担う子どもたちの成長を支えようと、学校と連携して登下校の見守りや花壇づくり、学校行事支援などの活動を続けている。こうした地域住民の奉仕活動が結実したのが同小の地域交流室だ。

自治会長の倉本さんは「住民たちの活動が実を結び、鮏川校長の英断で地域交流室ができた。茎崎地区のサークル活動の拠点は茎崎交流センターだが登録団体が多く、2カ月毎の予約日には2時間前からセンター入り口に行列ができる。それだけに地域交流室の開設は有り難い」。また「自治会発行の森の里だよりで周知するなど、地域として全面的に交流室の運営に協力していく」と語った。

地域交流室は小学校の開校時間(平日の午前9時~午後4時)に開放され、現在は琴のほかダンス、詩吟、カラークラフトの4団体が利用している。

スポンサー

LATEST

県障害者権利条例5周年 差別根絶に向けて関係団体がパレード

【川端舞】県障害者権利条例の施行5周年を記念し、「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」(事務局・水戸市)が1日、つくば市内をパレードした。参加した障害者らは、障害者差別のほか、新型コロナウイルス感染者や医療従事者に向けた差別など、全ての差別を根絶しようと訴えた。 障害者の生きづらさを訴える パレードには、「―をつくる会」のメンバーである障害者や支援者、つくば市議会議員など約40人が参加した。例年は4月に権利条例を周知するためにパレードを開催していたが、今年は新型コロナの影響で延期になっていた。 参加者は、つくばメディカルセンター病院(同市天久保)前からつくばカピオ(同市竹園)までの歩道を、1時間ほどかけて行進した。 参加者が持つプラカードには、「子供扱いされました」「バリアフリーの物件ない」など障害者の生きづらさを訴える言葉や、「仕事をしたくても制度利用中、仕事できません」のような社会制度の改善を求める言葉が書かれていた。さらに今年は、新型コロナ感染拡大のなか介助を続けてくれる介助者への感謝の言葉や、患者や医療従事者への差別にも反対する「NO差別 一切の差別にNO!」という言葉が書かれたプラカードもあった。参加者は、お互いに距離を保ち、プラカードの言葉をコールしながら行進した。

市議選は16人超の44人出席 つくば市立候補予定者説明会

【鈴木宏子】任期満了に伴って18日告示、25日投開票で行われる、つくば市長選と市議選同日選挙の立候補予定者説明会が1日、同市役所で開かれた。市長選は3陣営、市議選(定数28)は16人超の44陣営関係者が出席した。有権者数は18万6896人(9月1日現在)で、4年前の前回より約1万2000人増えている。 市長選はいずれもすでに立候補を表明している、現職の五十嵐立青氏(42)と、新人の富島純一氏(37)の陣営関係者が出席した。市選管によると、もう1人の出席者は本人の希望で氏名非公表という。 市議選は出席した44陣営のうち42人が氏名を公表した。42人の内訳は現職23人、新人18人、元職1人。現職5人が引退する見通しだ。氏名非公表の2陣営は本人の希望。 4年前の市議選は定数28に対し10人超の38人が立候補した。今回は前回をさらに上回る激戦になりそうだ。 市議選の立候補予定者説明会出席者42人は以下の通り(敬称略、受付順) 新 伊藤 栄元 飯岡 宏之現 久保谷 孝夫現 山本 美和現 木村 修寿現 小野 泰弘新 鶴田 真子美現 五頭 泰誠現 神谷 大蔵新 木村 芳美現 滝口 隆一新 藤岡 輝子現 小久保 貴史現 鈴木 富士雄現 木村 清隆現 浜中 勝美現 小森谷 さやか新 中村 重雄現 橋本 佳子新 川久保 みなみ新 浅野 英公子新 中山 道世新 野友 翔太新 川村 直子新 宮本 たつや現 須藤 光明新 加藤 純子現 塩田 尚現 金子 和雄新 佐藤 大輔現 長塚 俊宏現 黒田 けんすけ新 三島 裕子新 下神納木 かえ新 小村 政文現 高野 文男現 山中 まゆみ新 福田 恵現 皆川 ゆきえ新 仲村 健現 塚本 洋二現 ヘイズ ジョン

1日から県伝統工芸品展 イーアスつくば

【山崎実】匠の技が集結する「茨城県伝統工芸品展」(同展実行委員会主催)が10月1日から4日まで、つくば市研究学園のイーアスつくばで開かれる。 茨城の風土と暮らしの中で育まれ、受け継がれてきた伝統工芸品を一堂に集め、製造者の意欲高揚と、工芸品に対する県民の認識を深めることを目的にしたもので、今年で39回目を数える。 知事指定の特に優れた伝統工芸品は現在40品目(4月現在)あり、2017年には時代への継承を目指し、高度な技術を保有する製造者を「茨城県伝統工芸士」として知事が認定するなど、社会的声価を高める施策を推進している。 今回出展される伝統工芸品は笠間焼、結城地方の桐下駄など16品目。イーアスコートでは伝統工芸体験ワークショップとして、桐小物入れづくり、総桐小たんすづくり、桐のリースづくりの3種類が行われる。また製作実演として、ミニ下駄ストラップづくり、ひな人形づくり、杉線香づくりが披露される。 会期中、会場でのアンケート協力者に先着で笠間焼のレンコン箸置きがプレゼントされる。 会場はイーアスつくばのメインコート・イーアスコート。問い合わせは県産業政策課地域産業振興室・同実行委員会事務局(電話029-301-3585)

茨城県の最低賃金851円に 2円引き上げ

【山崎実】茨城県の最低賃金が10月1日から時間額851円に引き上げられる。既に官報に公示され、県内の事業所で働く常用、臨時、パート、アルバイトなど、すべての労働者に適用される。 新型コロナ禍の影響で厳しい経済情勢の下、大井川和彦知事は7月、茨城地方最低賃金審議会(田中泉会長)に経済にかかわる諸指標を数値化した総合指数は全国11位なのに対し、最低賃金は16位で近隣県と比較しても低く、栃木県との4月の差は過去6年間変動しておらず、このままでは本県の労働力確保はさらに困難になるーと引き上げを要請した経緯がある。 審議会は8月、現行の時間給849円を2円引き上げて(引き上げ率0.24%)851円に改正することが適当と答申し決定した。 近県の状況は、栃木県が現行の853円から1円引き上げて854円、群馬県が835円から2円引き上げて837円に、東京都は1013円のまま据え置かれた。 一方、働き方改革の推進に伴い、中小企業は2021年4月からパートタイム・有期雇用労働法等により、同一労働同一賃金が適用される。このため働き方改革推進支援センター(フリーダイヤル0120-971-728)は周知徹底を図るべく、「同一労働同一賃金・テレワークセミナー」を実施している。
おすすめ