【鈴木宏子】つくば市のコミュニティバス「つくバス」の運行が今年4月から大きく変わることが分かった。バス停が現在の111カ所から223カ所に倍増し、走行総延長距離が現在の7路線149㌔から9路線205㌔と1.4倍になる。ただし運行便数は334便から15%減り283便になる。高齢化率が高い筑波地区と茎崎地区では3年間の実証実験として新たにワゴン車を使った支線型バスの運行や路線バスの運賃補助などに取り組む。
公共交通の改編作業を進めてきた=2018年5月11日付け、同5月16日付け=同市が18日、同市役所で開かれた第4回市公共交通活性化協議会で4月からの改編計画案を明らかにした。昨年10月、一部路線でルート変更などを実施した第1弾に続く第2弾の改編だ。2011年度に運行を循環型から直行型に変更しシャトル便を導入して以来、8年ぶりの大規模改編になるという。ただし運行経費は現在の年間約4億4600万円(17年度)より増える見通しだという。
バス停間隔は1㌔基準
バス停の間隔は、現在の平均約1.3㌔から1㌔程度に短くするほか、バスが運行しておらず空白地帯になっている市西部に、西部シャトル(上郷、島名・福田坪地区などとTX万博記念公園駅やみどりの駅とを接続)、上郷シャトル(現在の吉沼シャトル上郷便を分離)の2路線を新設する。
高齢化率が高い筑波地区は、10人乗りワゴン車4台を使って、集落と集落などをつなぐ4コースの支線型バスを初めて運行する。3年間の実証実験により、デマンド型タクシー(つくタク)利用者が支線型バスに利用転換できるかなどを検証する。
筑波地区を上回り市内で最も高齢化率が高い茎崎地区は、複数の住宅団地があり牛久駅方面に向かう生活圏があることから、現在運行している牛久駅行きの路線バス4路線で運賃補助を実施し、つくバスと同等の運賃(200円均一など)で乗車できるようにする。ほかに現在バスの運行がない富士見台などと牛久駅を結ぶ路線バスを新設する。こちらも3年間の実証実験で、効果を検証する。
ほかに、桜地区を経由してつくば駅と土浦駅を結ぶ路線バス「野田団地線」(上ノ室、土浦特別支援学校など経由)の運行が、朝夕の通勤時間に集中し日中の本数が少ないことから、3年間の実証実験として、日中の増便を実施する。
つくバスは11年度の改編時は年間61万9000人の利用者だったが、循環型から直行型への変更などにより、17年度は年間103万8000万人と利用者が1.6倍に増加した。一方、運行経費は4億4600万円(17年度)に対し2億600万円の運賃収入があり、差し引きで年間約2億4000万円を市が負担している。
つくタクも共通乗降場所が増加
つくタクの一部改編も4月から合わせて実施し、どのエリアからも行き来が可能になる病院や商業施設などの乗降場所(共通ポイント)を増やす。つくタクは利用者1人当たりの市の負担額が約2500円と高額なことが課題だが、利便性を高めることで1人当たりの市負担額を減らす狙いがあるという。
改編案は、市広報紙2月1日号で広報するほか、つくバスガイド2万部とつくタクガイド1万5000部を作成し公共施設や総合病院などで配布などする。2月中旬から下旬に市内6地区の交流センターで地区別説明会を開くほか、新たに支線型バスを導入する筑波地区と運賃補助などを実施する茎崎地区では特に住民の利用を促進するため、集落や住宅団地の集会所などでそれぞれ説明会を開催する。