木曜日, 11月 5, 2026
ホーム文化「いだてん」撮影 大正・昭和初期のセットを一般公開 ワープステーション江戸

「いだてん」撮影 大正・昭和初期のセットを一般公開 ワープステーション江戸

【崎山勝功】テレビや映画の野外ロケ施設「ワープステーション江戸」(つくばみらい市南太田)に設営された、大正・昭和初期の建物群セット「近現代エリア」が26日から一般公開された。今月6日から放送されているNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の4K=メモ=撮影に使われている。

「いだてん」には、東京高等師範学校(現・筑波大学)出身で、日本人で初めてオリンピックに出場したマラソン選手・金栗四三(かなくり・しそう)や、同校校長で柔道の父と呼ばれる嘉納治五郎(かのう・じごろう)が登場するなど、つくばとも縁が深い。

同セットは2017年10月に着工して翌18年4月に完成した。約1万平方㍍の区画内に大正・昭和初期の街並みが再現されている。石材やレンガなどで建てられた昭和初期のビル群9棟や木造建築の家屋など22棟のほか、実際に動く自走式の路面電車も再現。建物の雨どいのさびや木製電信柱の汚れ具合、くみ取り式トイレの臭突(しゅうとつ)やドブ板など細部にまでこだわっている。同施設を管理運営するNHKエンタープライズ(東京都渋谷区)の担当者は「8K=メモ=撮影も視野にリアルに作り込んだ」と説明した。

セットが完成した当初は大河ドラマの撮影を優先させたが、早期の一般公開を目指して改めてセットの整備を進め公開となったという。

木製電柱や街灯などが立ち並ぶ大正・昭和初期の街並みのセット=同
大正・昭和初期の長屋のセット=同
大正・昭和初期の映画館や寄席などが集まった街並みのセット=同

長屋を見学したつくば市の女性(79)は「懐かしい。長屋は身近にあった」と、かつての風景を思い出しているようだった。つくばみらい市の男性(66)は「何か懐かしく、子どもの頃に見たような感じ。50年前は都内にも(こういう建物が)ところどころあった」と振り返った。同市の女性(42)は「テレビを見るのがもっと楽しくなる。ロケ地がここだったんだなと思うと楽しみ」と話した。

路面電車の前で記念撮影をする来場者=同

阿部サダヲさんと田畑政治の息子が対面

同日のオープニングセレモニーでは、「いだてん」で1964年の東京オリンピック招致に尽力した田畑政治(たばた・まさじ)役を演じている、俳優の阿部サダヲさんが登場し、政治について「僕が聞くところによると、とにかくせっかちで、車で道路が渋滞するのを我慢できずに、前の車を押した」との逸話を紹介した。すると、政治の息子で、元NHK政治部記者の和宏さんが登場し「(逸話は)8割方当たっている。考えるより前に行くのが得意な人」と語った。

和宏さんは父親について「戦争中から戦後にかけて新聞記者をやっていた。当時日本がアジアの人たちを(戦争で)多く殺してしまったことに対する罪の意識があり、世界中からのけ者になった日本を何とか元に戻さないといけない。そういう情熱だけは強い男だった。そのためにスポーツを、オリンピックを、ということで出た人」と、オリンピック誘致に情熱を注いだ背景を明かした。

実の息子から父・政治の逸話を聞いた阿部さんは「今後の役作りに活かしていきたい」と語った。

自身の等身大パネルにサインを書く俳優の阿部サダヲさん=同

◆ワープステーション江戸の公開時間は午前9時~午後4時。月曜日定休。入場料は大人500円、中学生以下300円。同施設でロケがある時は入場や場内通行の一部を制限する場合がある。ロケ情報は公開していない。問い合わせは同施設(電話0297・47・6000)。

※メモ

【4K・8K】現在放送されているハイビジョン放送より高画質の「スーパーハイビジョン」の呼称。4Kはハイビジョンの4倍、8Kはハイビジョンの16倍の画素を使って超高精細映像を映し出す。18年12月1日からNHK衛星放送で4K用と8K用のチャンネルが開設され、本格的な放送が始まった。

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