月曜日, 3月 10, 2025
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女子学生にわいせつ行為 准教授を懲戒解雇 筑波大

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筑波大学正門=つくば市天王台

筑波大学(つくば市天王台)は1日、女子学生にわいせつ行為をしたとして60代の男性准教授を懲戒解雇処分にしたと発表した。

同大によると准教授は2017年3月、学生らと学外での調査活動を実施した。調査を終え、帰りに女子学生と2人になり、准教授が所有する別荘に2人で宿泊した。それぞれ別々の部屋で就寝したが、その後、准教授が女子学生の寝ている部屋に行き、体を触るなどのわいせつ行為に及んだとされる。

数カ月前、女子学生から大学に相談があり発覚した。准教授は事実関係を認めているという。同大教員のセクハラによる処分は2013年12月に50代男性教員が諭旨解雇処分を受けて以来。今回の懲戒解雇は最も重い処分という。処分は2月28日付。

永田恭介学長は、准教授の行為は重大なセクハラであり女子学生に多大な精神的苦痛を与えたとして「学生を教育・指導する立場にある教員がこのような事態を起こしたことは極めて遺憾で被害学生並びに関係者に心からお詫び申し上げます」とするコメントを発表した。「事態を真摯(しんし)に受け止め、教職員に対しハラスメント防止研修の一層の充実・強化を図るなど再発防止に向けた啓発活動を行い、学生の修学環境及び大学の社会的信頼の維持・向上に努める」などとしている。(ラヂオつくば)

【震災7年】参加者減、支援の在り方模索 筑波大生が福島避難者交流会

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完成した「ありがとうの木」=つくば市松代の松代交流センター

【崎山勝功】東日本大震災から7年を迎えるのを前に、福島第1原発事故による福島県避難者交流会が25日、つくば市松代の松代交流センターで開かれた。被災地支援に取り組む筑波大学の学生団体「Tsukuba for 3・11」が主催し、避難者や筑波大生など約20人が参加した。筑波大生からは、7年経ち支援の在り方を模索しているという声が聞かれた。

「ありがとアート~日常へ感謝をこめて」と出した交流会で、避難者が身の回りの出来事や感謝のメッセージを折り紙などに書いて、貼り絵のように大きな木の形をつくる「ありがとうの木」作りと、使用済みの食用油でつくったロウソクを用いた「エコキャンドル」作りが行われた。

「ありがとうの木」は4グループに分かれ、チラシなどを使って貼り絵をしたり、折り鶴を貼るなど制作に取り組んだ。さらに葉っぱの形に切った折り紙に感謝のメッセージを書いて模造紙に張り付けた。完成した「木」は、3月1日から4月下旬まで筑波大学第3エリアA棟1階に展示される。

午後に行われたエコキャンドル作りでは、さいの目に切られたさまざまな色のロウソク原料が用意され、参加者らは空き瓶や卵の殻に詰めてロウソクを自作した。エコキャンドルは例年3月11日、土浦市の震災イベントで点灯されてきたが、今年は主催者の都合により開催されないため、参加者が各自持ち帰った。

参加した福島県南相馬市出身の主婦(62)=つくば市在住=は「ありがとうの気持ちを手作りのもので表現できるのは素晴らしい。私たちはいろいろな人のお世話になって現在まできている」と話した。南相馬市にあった自宅はすでに解体し、つくば市に永住する予定という。

学んだこと「日常は当たり前じゃない」

同団体メンバーの池田花於里(かおり)さん(19)=同大1年=は「3・11から学んだことは、日常は当たり前じゃないということ。参加者と一緒に日常を振り返り、何に感謝しているか、何に感謝すべきかを改めて確認するイベントにした」と狙いを語った。交流会のコンセプトを決める際「復興支援を手伝っているが、震災から7年も経って復興支援と言い続けることに疑問を感じた」という意見が出たことから日常を振り返るイベントにしたという。一方で「避難者の参加が減っている。どういう方向で進めていったらいいか悩んでいる」と話し、支援のあり方を模索していると述べた。

代表の小林彩香さん(20)=2年=は、7年経ったが移住先の環境になじめずに周囲から孤立する避難者がいるとした上で「震災から時間が経っていくと、逆に心の傷や、福島に帰れないという思いが募って、交流会に出てこられなくなってしまう面があるのかなと思う。どこまで避難者を支援していけるのかがこれからの課題」と話した。「震災から7年も経つのにふるさとに帰る目途が付かない、帰るに帰れないので、つくばに永住しようか迷っている人もいる」と避難者の複雑な心境を明かし、「当事者に寄り添う姿勢を大事にしていく」との姿勢を改めて明確にした。

「ありがとうの木」制作に取り組む避難者と大学生たち=同
エコキャンドル作りに取り組む避難者と大学生たち=同

妻の竹島由美子さん、出版引き継ぐ STEP廃業2年

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『邑から日本を見る』㊧とSTEPが発刊した『筑波の友』
竹島由美子さん=つくば市松代

【橋立多美】NEWSつくばのコラムニストの一人、先崎千尋さんが1月に出版した書籍『邑(むら)から日本を見る』は、『筑波の友』で知られた「STEP」(つくば市松代)が発行所になっている。創業した竹島茂さんが他界し、2016年12月に会社を廃業したが、妻の由美子さんが装丁と発行を引き受けた。

出版業界から退いたことで書店へ出版物を流通することはできなくなった。同書は限定800部の自費出版で流通ルートに乗せる必要のないことから、校閲などを通して親交のあった先崎さんからの依頼に応えた。

同書は、暮らしに直結した事柄を題材に、40年間自らの考えや情報収集を交えて元常陽新聞に連載した記事やコラムをまとめてある。増え続ける遊休農地と農村の過疎化、後継者問題など、農政の在り方をしぶとく「おかしい」と表明し続けている。

由美子さんは「巻頭を飾った元美浦村長市川紀行さんの贈る歌、前東海村長村上達也さんの序文に、先崎さんとの共通点が読み取れて興味深い」と語る。

「STEP」は科学万博開催の1985年、東京生まれの速記者・竹島茂さんが創業した地域出版社。翌年には月刊誌『筑波の友』を発刊。研究学園都市として変貌する自然環境や人々の営み、まち、歴史を切り取り、多くの問題を提起した。一方、筑波山や霞ケ浦に関する書籍の出版やこの地に住む人々が著した本の刊行にも尽力した。地域のオピニオン誌を目指した『筑波の友』は03年6月発行の201号を最後に休刊となり、12年8月に竹島さんが他界した。廃業後は在庫のある同社出版物の注文に応じている。

「STEPが稼働したころは研究者や芸術家、営農者たちが集う異業種交流会が盛んで、生きざまに感銘を受ける人たちとの出会いがあった。新天地を求めてつくばに来た竹島にとって良い巡り合わせだったと思う。あれから30年余り経ち、住宅地とマンションの無味乾燥なまちになってしまった」と振り返る。そして「編集を介して知りあったり廃業を惜しんで下さる人たちとの縁は続いている。竹島は社会との繋がりという遺産を残してくれた」と由美子さんは語った。

 

 

街全体で子育て支援、仕掛け作りへ50人がアイデア つくばで意見交換会

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ワークショップで活発に意見を出し合う参加者=つくば市吾妻のつくばイノベーションプラザ

【大志万容子】つくばの子育てを支援者や親が共に考える「つくば子育てコミュニティワーク キックオフ・イベント」が24日、つくば市吾妻のつくばイノベーションプラザ大会議室であった。約50人が参加して、同市の子育てに関する課題や提案について「自分たちで何ができるか」という視点から熱心に意見を出し合った。

初めに「NPO法人せたがや子育てネット」代表理事の松田妙子さんが講演。子育て当事者や支援者、行政がフラットな立場で話し合う「区民版子ども子育て会議」など、東京都世田谷区で子育ての課題解決に向けて実践するさまざまな取り組みを紹介しながら、「直接支援には限界があり、街全体を温かくウェルカムな場所にしなければ。そのためにも、街の中で小さな仕掛けを作ることが大切」と呼びかけた。

続くワークショップで、参加者は数人ずつのグループに分かれて、つくばの街についての課題や、「こんな街になったらいい」理想の姿、そのために何ができるかについて活発に意見を出し合った。卓上の模造紙には「高齢者や子育てママが集う月1回の『みんなのリビング』」「学校の通学路で立ち寄れる場所」など、さまざまなアイデアが集まった。

参加した県地域活動連絡協議会会長の谷川原奈都子さんは「グループワークでは、自営業などふだん出会えない方の声も聞けて支援者として有意義だった。いろんな団体と手を取り合って支援を届けるためにも、このような場が必要」と感想を述べた。30代の母親は「異なる世代の方も同じ思いを持っていることに気づけたことがよかった」と話した。

同イベントは、子育てに関わる人や団体がつながり、協働できる場をつくりたいと、同市の子育て支援者や助産院院長、市議、大学准教授ら10人が実行委員会を立ち上げ、昨年夏から準備を進めてきた。実行委員長を務めた筑波大学の飯田浩之准教授は「予想以上に和気あいあいと活発な話し合いができた。それぞれの子育てに関する『気づき』を、具体的な『築き』につなげるきっかけづくりの場として今後も継続していきたい」と話した。

世田谷での取り組みを紹介する松田さん=同

消える小学校 「小田祇園祭は残す」

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大きな歓声を上げながら大獅子を高く持ち上げる子供たち=つくば市小田、小田小学校

【鈴木萬里子】3月末で閉校となるつくば市立小田小学校(土田雅一校長、児童数104人)で24日、閉校記念のお別れの会が催された。学校は閉校になるが地元の祭りは残していきたいと、地区住民らが校庭で地区祭り「祇園祭」を再現し、子どもたちが祭りを体験した。

小田小は明治7(1874)年に創立、143年の歴史を刻む。つくば市北部の2中学校と7小学校が統廃合し、つくば市北条に今年4月、小中一貫の秀峰筑波義務教育学校が開校するのに伴って閉校となる。

24日午後、校庭には地元、東部囃子保存会の「神輿(みこし)」、中部大獅子保存会の「大獅子」、西部青年同志會の「山車」が勢揃いし、小田八坂神社の「小田祇園祭」が再現された。

子どもたちは3グループに分かれ順番に祇園祭を体験した。大獅子を支える竹ざおを高く持ち上げ、大人顔負けの大きな歓声を上げながら、伝統行事の「顔合わせ」を楽しんだ。

PTA会長で東部お囃子保存会の山田吉広さん(47)は「学校は閉校になるが小田祇園祭は残していきたい。今日は子どもたちと一緒に祇園祭を再現して、地域の人たちに恩返しがしたい」と話した。

見学していた男性(36)は「小田小には祖父から私の子どもまで4世代が通った。閉校になるのは寂しいが、新しい学校で子どもたちの世界が広がるのも良いと思う」と感慨深げだった。自宅が近所で孫が通っているという80代の女性は「子どもたちの声が消えると寂しくなる。4月からスクールバスで通うことになり朝が早いので心配」と話していた。

お別れの会は学校とPTAが合同で主催した。午前中は子どもたちが学年別に4ブロックに分かれ合唱や合奏を披露した。菊地勇二教頭は「地域やお世話になった方々の協力があって素晴らしい学校となった。新しい学校、新たな未来に期待や希望を持って歩んでほしい」と子どもたちにエールを送った。

高さを競い合う大獅子と神輿=同
3月に閉校になる明治7年創立の小田小学校

蜜蝋画の魅力に触れて 幼稚園美術館で個展 龍ケ崎

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子どもと蜜蝋画の作品を見る母親ら=龍ケ崎市羽原町の竜ケ崎幼稚園

【鈴木萬里子】牛久市の画家、上野素美子さんの個展「蜜蝋(みつろう)の声を聞く」が龍ケ崎市羽原町の竜ケ崎幼稚園内「幼稚園美術館」で開かれている。

上野さんはつくば市内の高校で美術教諭を長く務める傍ら、美術展や銀座の画廊に出品するなど活躍している。牛久市ひたち野東の自宅1階に「アートスペースある・る」を開廊し、画廊オーナーでもある。

会場には150号の油彩の大作「風景」の2連作が壁面いっぱいに飾られている。田植えの前に水がひたひたに入った風景を表現している。全部で20点展示され、上野さんは「これだけ蜜蝋画を一堂に集めたのは初めて。自分の雰囲気、スペースになったのではないかと思う。今の季節の、はっきりしない感じを出した」と話した。

蜜蝋はミツバチの巣から作られる自然素材で、いろいろな画材と合わせやすく加工もしやすい。 上野さんは「蜜蝋を溶かすことで画面に予期しない様々な表現が現れることに驚き」、2013年より本格的に蜜蝋画を発表している。

友人の紹介もあり「子どもたちや保護者に蜜蝋画との出合いがあれば」と幼稚園での個展を引き受けた。竜ケ崎幼稚園は「育ちの時期に、子どもたちの五感を刺激し、子どもたちが五感をフル回転することを願って幼稚園美術館活動に取り組んでいるという。入り口の事務所に声を掛ければ、だれでも見学が出来る。

◆会期は3月2日(金)まで、開館は午後1時~6時。問い合わせは0297・62・0573(竜ヶ崎幼稚園)、またはhttp://www.arles.jp(アートスペースある・る)

市民会館を大規模改修 土浦市新年度予算案

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新年度予算案を発表する中川清市長

【鈴木宏子】土浦市の中川清市長は23日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初と比べ5.1%減の510億8000万円。主な事業として、老朽化している市民会館の大規模改修を実施するほか、土浦港周辺にサイクリング愛好者向けの拠点施設を整備する。

特別会計を合わせた総額は同6.2%減の909億6000万円。市立図書館、川口運動公園野球場、新治学園義務教育学校建設など大規模事業が一段落したことによる減額という。

歳入は市民税は1.3%の増加を見込んだが、3年に1度の固定資産税の評価替えなどから市税全体では同比0.2%減とした。10月からスタートする家庭用ごみ袋の有料化により、ごみ処理手数料収入を2億2500万円計上する。17年度がピークだった市債(借金)は、大規模事業の完了により減額に転じるという。

新年度の主な事業は、1969年に建設された市民会館の耐震補強と大規模改修を実施し、大ホールの座席幅を広げるほか、エレベーター設置、トイレ改修などを実施する。完成は2019年度で全体事業費は23億円。合併特例債の活用可能額167億6000万円のうち残り1億800万円を財源の一部に充て、使いきる。

土浦港周辺の拠点施設は、2010年にプロパストから取得し暫定広場になっている「つくば霞ケ浦りんりんロード」沿いの用地に、総額2億3000万円でサイクリング拠点施設とイベント広場、100台分の駐車場などを整備し、民間参入の呼び水とする。土浦駅ビルに3月オープンするサイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」は鉄道利用のサイクリング愛好者向け、土浦港周辺はマイカー利用者の拠点になるという。

ほかに、今年10月6日に開催予定の土浦全国花火競技大会のブランド化を図ろうと、土浦駅前のビル壁面に花火を題材にした映像を投影するプロジェクションマッピングを実施するほか、東京・品川駅自由通路44面で花火大会の映像を上映する(1600万円)。

老朽化した第1・第2給食センターを統合して新治庁舎跡地に建設する学校給食センターは18年度に着工する。完成は20年度で全体事業費は37億2900万円になる。

女子プロ野球入団の岡田桃香さん 東風高でネット確定申告を体験

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パソコンでの確定申告を体験し完成した申告書の見本を見せる岡田桃香さん=かすみがうら市上土田のつくば国際大学東風高校

【崎山勝功】土浦市出身で4月から女子プロ野球球団・レイア(京都府)に入団する岡田桃香さん(17)=つくば国際大学東風高校3年=が21日、かすみがうら市上土田の同校で確定申告を体験した。インターネットでの確定申告(e-Tax)普及促進のため、土浦税務署が岡田さんを「e-Tax推進大使」に委嘱し実施した。

岡田さんが「プロ野球選手として収入を得た」との想定で、事業所得を申告する確定申告書の作成を体験。税務署職員から操作方法を教わりながら、パソコン上で確定申告書を作成した。体験した岡田さんは「(職員に)聞きながらだったけど、ワンクリックでどんどん進めるし、自分で計算しなくても(確定申告が)できる」と感想を話した。

塩田義道署長は「わざわざ申告会場に来なくても、自宅のパソコンで24時間いつでも申告ができる」とメリットを説明した。

3月21日、名古屋ドームでデビュー

岡田桃香さんは、3月21日にナゴヤドーム(名古屋市)でのリーグ開幕戦でデビューする。

同校男子硬式野球部に所属し、17年夏の高校野球県大会の開幕式に参加。同年11月のプロテストに合格し、女子プロ野球球団に入団を決めた。レイアは選手育成が目的の球団で、優秀な成績を収めると現在3球団ある女子プロ野球のトップチームのいずれかに所属できる。岡田さんは身長163㌢、右投げ左打ち。同球団では背番号36番で内野手を務める。

岡田さんは「これからプロになって、まずはけがをしない身体を作り、トップチームの球団に入って、新人王と三冠王を取りたい。女子プロ野球の普及に努めたい」と抱負を述べた。

塩田署長は「岡田さんには子どもたちの『憧れの的』になって、女子プロ野球を大いに盛り上げていただきたい」とエールを送った。

◆自宅パソコンで確定申告をする「e-Tax」の方法は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして申告書を作成する。申告書の提出方法は①作成コーナーから「e-Tax」でデータ送信(事前にマイナンバーカードと電子情報を読み込むICカードリーダライタが必要)②プリンターで印刷して税務署に郵送(マイナンバーカードやICカードリーダライタが無い人向け)―の2種類がある。同署によると、2017年分の確定申告では全申告者の49・1%がネットでの確定申告(郵送での提出含む)という。2019年1月からはIDとパスワードがあればe-Taxを利用できるようになるという。

壁一面に春呼ぶ手作り作品 アートカフェでひな祭り つくば

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館内はあでやかなつるしびなでいっぱい=つくば市天久保のサンゴミズキ

【鈴木萬里子】つくば市天久保のアート&カフェ「サンゴミズキ」でひな祭りが開かれている。館内は春を呼ぶ手作り作品が所狭しと飾られている。中でも12点の大きなつるしびなが壁一面に飾られ、ひな祭りを盛り上げている。

つるしびなには古布を縫い合わせて作った小物が飾られている。草履(ぞうり)は早く歩いてほしい親心、トウガラシは虫がつかないように、ネズミはくるくる働けるようにという由来があり、女の子の成長を願う親心を託しているという。

同カフェで開かれている講座の一つ「和物」(糸賀幸子講師)の生徒が1年間かけて作り上げた。糸賀さんが京都まで出向いて仕入れ、時には色染めもした古布を縫い合わせた。今年はつるしびなのほか、運をかき込む縁起物の熊手を制作した生徒らもおり一角に展示されている。サンゴミズキのオーナー五十嵐とし子さん(75)が毎年作りためたつるしびなもある。

土浦から初めて訪れたという70代の女性2人は「知人に勧められて初めてこちらに来た。すてきな空間につるしびながあでやかで、見るだけで楽しくなる」と感心していた。五十嵐さんは「生徒さん達が丹精込めて作った作品をたくさんの人に見てほしい。見てもらうことは作る楽しみになる。作品を見るだけで春が来る感じがしますよ」と笑顔になった。

同カフェにはレンタルスペースが併設され、専門の講師が和裁のほか、カリグラフィ、陶芸、油絵など14の講座を教えている。

◆雛祭りは28日(水)まで。午後1~4時、入場無料。「和物」教室は第1,3木曜午後1時から。問い合わせは090・4548・9740(五十嵐さん)http://sangomizuki.tsukuba.ch/

熊手などの作品=同
サンゴミズキ入口

歴史的緑空間36ha URがつくば市に無償譲渡 中根・金田台 当面樹林地のまま保全

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市に無償譲渡されることが決まった樹林地=つくば市中根・金田台

【鈴木宏子】つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区の一つ、つくば市中根・金田台地区内の歴史的緑空間用地=メモ=について、開発事業者のUR都市機構が今年末までに、市に約36haを無償譲渡することがわかった。市は当面、現状の樹林地のまま管理・保全していくとしている。

21日開かれた市議会全員協議会で市が報告した。3月末までに譲渡契約書を締結する。

同地区では絶滅の危機にひんするオオタカやサシバの営巣が確認されている。市は36haの管理・保全方法について①立ち入りを制限する「オオタカ生息環境保全ゾーン」と、市民が散策できる「保全散策ゾーン」の二つに分ける②散策ゾーンは将来、散策路などを整備し隣接の国指定史跡、金田官衙遺跡などと連携して活用を検討していくとの方針を示した。

URと市が13年12月に締結した合意書などに基づいて無償譲渡する。当時は「無償も含め」譲渡するとされていた。

「地域の財産として保全を」UR委員会が市に提言

一方、オオタカなどの営巣が確認されている同地区についてURは、08年3月「中根金田台地区貴重動植物生態系調査委員会」(委員長・山形耕一茨城大名誉教授)を設置し10年間にわたって生態系調査と保全活動を実施してきた。

今回、市に無償譲渡されるのに合わせて、URはオオタカなどの保全活動を終える。URの生態系調査委員会は今年2月、譲渡先の市に対し「(同地区は)今なお貴重な動植物が多く生息・生育する自然豊かな地区」だとして「近隣外周部も含め、地域の市民と連携し、保全に取り組むことが望まれる」「当地区の自然環境の重要性を地域の財産として保全していく」べきなどとする提言書を提出している。

※メモ

歴史的緑空間用地は、同地区東側の国指定史跡、金田官衙遺跡周辺の約16haと、今回無償譲渡される北側の約36haを合わせた計約52haある。そのうち国指定史跡など約16haは市がURから47億5200万円で21年度までに順次購入する予定になっている。今回無償譲渡される約36haのうち約19haにも埋蔵文化財があるという。

華やかに早春の書展 「華の会」つくば教室10周年

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華の会を主宰する和泉竹華さん=筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリー

【鈴木萬里子】書道「華の会」(和泉竹華さん主宰)つくば教室10周年記念となる書展が、19日からつくば市竹園、筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリーで開かれている。

主宰する和泉さんは取手市在住の書道家。和泉さんの作品と、和泉さんが指導するつくば教室で学ぶ生徒5人のほか取手市の教室の生徒も加え、22歳から90歳までの計15人による20点の力作が展示されている。

和泉さんの「春逐鳥聲開(はるは ちょうせいを おって ひらく)」は中国秦の時代に用いられた隷書(れいしょ)体で書かれた作品。早春の書展開催に合わせた華やかさが感じられる。

会場入口には甲骨文字の「戌」のポスターが展示されている。和泉さんが1年かけて広告ちらしを集め、色彩を選んで作った年賀状用の作品だ。干支の作品は毎年好評だという。

生徒の作品は行書体で書かれたものが多く見られた。つくば市吾妻から来場した60代の女性は「漢字の行書を万葉仮名風に書いてあって、苦心のあとが見えます。白と黒だけの世界なのに、とても華やかさを感じさせます」と感心した面持ちで、1点1点丁寧に見て回っていた。

和泉さんは、書道を通して長年、ハンガリーとの交流を続けている。滞在していたハンガリーの書店でオリガミクスの本を見つけ、作者がつくば市在住だったことから、折り紙に手紙を記した「オリガミックスと手紙展」をつくばで開催した。これが縁で10年前につくば教室を開いた。和泉さんは「人と人との出会いが不思議な縁を生みますが、出会いを受け止める力、エネルギーが必要。書を書いているとエネルギーが自分にぶつかってくるのが感じられる」と語った。

◆書展は26日(月)まで、入場無料。つくば教室は第1・3土曜日午後2時30分~4時30分。問い合わせは090・8643・2037(和泉さん)

来場者に書の説明をする和泉さん㊨=同

「すごろく」で筑波山の自然知って 環境マイスターの会 3月4日、BiVi

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筑波山すごろく(つくば市環境マイスターの会提供)

【谷島英里子】子どもたちに遊びながら筑波山の自然を学んでもらいたいと、市民団体「つくば市環境マイスターの会」が3月4日、同市吾妻のBiViつくば2階交流サロンで「筑波山すごろくゲーム」を開催する。

同会は、地域の環境教育や環境保全活動のリーダー的役割を担う「環境マイスター」の有志による団体。メンバーはつくば市と筑波大学が実施した「つくば市環境マイスター育成事業」で、4年間の認定課題を経て1級に認定された。2015年から市民向けに環境教育などの活動を行っている。

すごろくはメンバーが考案した。2~4人のチームになり筑波山の自然や地理、歴史などのクイズに答えながらコマを進めて競う。筑波山の標高や山頂付近で多く見られる樹木などがクイズに出題される。3月4日は優勝と準優勝のチームに筑波山に関する本や資料を贈呈する。参加者全員に粗品のプレゼントもある。

同会事務局の後藤美千代さんは「毎日見ている筑波山ですが、知らないことも多いはず。遊びを通して学んでほしい」と話す。

◆開催時間は午後1時30分~3時30分。参加費無料。対象は小学生。定員は30人。申し込みはメール298meister@gmail.com 詳しくは同会ホームページで。

クイズ問題の例(同)

手作りコンサート人気 「サロン桜」 つくば市桜ニュータウン

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団地内に住む演奏家を招いて開かれた手作りのマリンバコンサート=つくば市下広岡の広岡交流センター

【鈴木萬里子】つくば市下広岡の住宅団地、桜ニュータウン(約580世帯)にある広岡交流センターで毎週土曜日、住民相互の交流を図る「サロン桜」が開かれている。特に団地内に住む演奏家を招いて2カ月に1回開催している手作りコンサートが人気だ。

2012年10月、住民の一人、八代勉さん(77)が妻の美代子さん(74)と立ち上げた。最初は男性たちで青写真を作り、アイディアを出し合った。だが始まってみれば女性ばかりが参加し、常時7~8人が参加して楽しいおしゃべりで盛り上がるという。

おしゃべりの話題はもっぱら本や料理などの情報交換が中心で、家族の話題はのぼらない。60代の会員は「程よい距離感が良い、ここで世間話をしても家に帰ると忘れる」と話し、70代の会員は「仕事をしていたので近所に知り合いが少なかった。土曜日にここに来ると知らなかった人と友達になれてうれしい」と明るい。

行事も開催している。発足当時はウォーキングを楽しんだ。宝篋山(つくば市小田)に登ったこともあったが、現在は会員の高齢化などにより中止している。勉さんの案内で、都内の桜名所を巡るなどのお楽しみは続いているという。

地元演奏家招きワンコインで

人気の手作りコンサートは、おしゃべりの際に高齢の会員から「音楽を聴くのにノバホールまで行くのは大変。お茶を飲みながら楽しめるコンサートがあると良いのに」との声が上がったことが発端となった。

団地内にはプロの演奏家が何人か住んでいる。第1回は住民の一人でピアニストの戸川哲郎さんを招いた。気軽に参加してもらえるように参加費をワンコインの500円にした。会場作りから運営まですべて会員らによる手作りだ。

2012年12月の第1回から2カ月に1回、休むことなく現在まで続いている。今年2月は団地住民の高野綾さんによるマリンバコンサートが行われた。参加者の多くが「お茶を飲み、おいしいお菓子を食べながらリラックスして聴く音楽に癒される」と話していた。

◆サロンは毎週土曜日午後2時頃から4時まで、会費は無料。次回コンサートは4月21日。バイオリン奏者の高岩紀子さんとピアノの石橋博子さんが出演する。コンサートは住民だけでなくだれで参加できる。

楽しい会話が続く「サロン桜」=同

認定ジオガイド誕生 筑波山地域に42人

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18日誕生した筑波山地域ジオパーク推進協議会初の認定ジオガイドら=つくば市役所

【鈴木宏子】筑波山地域ジオパークに18日、同推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)が認定する初の認定ジオガイドが誕生した。昨年11月から今年1月まで延べ8日間の養成講座を修了したつくば、石岡、笠間市などの市民42人だ。今後、同協議会やジオパーク区域の6市などが主催するジオツアーで、実際に観光客を案内し、腕を磨く。

今年は、筑波山梅まつり(3月、筑波山梅林)、帆引き船フェスタ(5月、かすみがうら市歩崎)、泳げる霞ケ浦市民フェスティバル(7月、土浦市沖宿)、世界湖沼会議(10月)などで催されるジオツアーでガイドを務めるほか、来年2月につくば市で開かれる第5回日本ジオパーク関東大会に向けて開催されるジオツアーで案内役を務める。

有償ボランティアで、2年ごとに認定更新する。あらかじめ現地を下見し、ガイド原稿を作成し、さらにガイド同士で現地実習などをした上で本番に臨む。現場で経験を重ね、将来はNPOなどとして観光客を呼び込み、おもてなししてもらうことなども想定しているという。

同日、つくば市役所で修了式が催され、五十嵐会長から修了証が授与された。五十嵐会長は「ジオガイドの皆さんに活躍していただき、東京から一番近いジオパークとして魅力を発信したい」などと述べた。

ジオガイドになったつくば市の主婦、田中牧子さん(60)は「東日本大震災を経験し、地質を知ることが防災に役立つのではないかと思ったことがきっかけでジオパークに興味をもった。地元の商店街などとコミュニケ―ションをとりながら、まず地元の人にジオパークの良さを分かってもらえるような活動をしたい。来てくれる人を温かく迎えられるような雰囲気づくりができれば」と話していた。

日本人の夫、千野豪さん(40)と共に夫婦でジオガイドになった、マレーシア出身でつくば市に住む会社員ゴウ・テンイさん(36)は「日本人や外国人に、つくばの古民家で日本文化を体験してもらい、周辺のジオパークも紹介したい」と語っていた。

ジオガイド養成講座修了式で、認定ジオガイドに修了証を授与する筑波山地域ジオパーク推進協議会会長の五十嵐立青つくば市長(手前左)=同

カフェ開放し健康教室 看護師ら月1回予防法など伝授 つくば双愛病院

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資料やスライドを見ながら寺田さん(左端)の説明を聞く参加者たち=つくば市高崎

【橋立多美】つくば市茎崎地区の総合病院「つくば双愛病院」(青柳啓之院長、病床数162床)の看護師らが毎月1回、無料の健康教室「けんこう教室&カフェ」を開いている。健康で安心して暮らせる地域づくりを支援する活動で、1階のカフェテリアを開放し会場に充てている。茎崎地区ばかりでなくだれでも参加できる。

2月は、これからも健康寿命de行こう! シリーズの3回目で「誤嚥(ごえん)性肺炎を予防して元気でいこう!」をテーマに16日開催され、地元住民20人が参加した。

誤嚥とは、唾液や食べ物などが本来流れ込むはずの食道ではなく気官に入ってしまうこと。そこにばい菌が繁殖すると肺炎を引き起こす。

看護師の松田直美さんが、映像を使いながら誤嚥性肺炎を予防するための口腔ケアと嚥下体操を分かりやすく説き、参加者たちは静かに聴き入った。歯と口中を清潔に保つための毎食後の手入れと、飲みこむ力を鍛える首や肩、頬などの運動や発音など、自宅でできるトレーニングを学んだ。

説明後、参加者から「歯磨きの時の歯磨剤は毎回付けたほうがいいか」「ガムはいいか」「マウスウォッシュを使っているが歯ブラシのほうがいいか」の質問が上がった。松田さんは研磨剤が入った歯磨剤は十分なうがいを促し、ガムは唾液を出して噛む筋力を付けると答えた。また、口中のばい菌を取るには歯磨きがベストとした上で、自分で歯磨きができない人や水がない場合は口腔ケア用ウェットシートが販売されているとアドバイスした。

2回目の参加だという渡辺孝雄さん(75)、文子さん(同)夫妻は「知識を吸収でき、教室で知り合った人と交流するのも楽しみ。これからも参加したい」。津久井道子さん(72)は「これまでは食べることを単純に考えていたが、さまざまな筋肉が動いていることを知った。シニアに必要な事をこれからも取り上げてほしい」。

松田さんは「誤嚥性肺炎の怖さが知られるようになりましたが、予防医学も普及させなければと思っています」と頬を引き締めた。

◆次回のけんこう教室&カフェは3月16日(金)午後2時30分からを予定。茎崎地区を問わず、誰でも参加可。参加費無料。問い合わせは029-873-2771(教室事務局の寺田さんまで)

樹林地の保全と活用考えよう 24日、NPOが「歴緑カフェ」 つくば市中根・金田台

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歴史的緑空間用地の樹林地で鳥類や植物のモニタリング調査をするNPOメンバーら。右端が高橋かよ子代表=11日、つくば市金田

【鈴木宏子】絶滅の危機にひんするオオタカやサシバが営巣している、つくば市中根・金田台地区の樹林地の保全と活用を考えようと、地元の環境保護団体、NPO金田台の生態系を守る会(高橋かよ子代表)が24日、「歴緑カフェ」と題した第1回目の意見交換会を開く。

同地区はつくば駅から約2~4㎞北東に位置するつくばエクスプレス(TX)沿線開発区域の一つ。地区東側の国指定史跡、金田官衙遺跡と周辺約52haは歴史的緑空間用地と名付けられ、宅地造成など開発からはずされている。一方、どのような形で保全や活用がされるかまだ決まっていない。

開発事業が始まって以降、歴史的緑空間用地内の樹林にオオタカが営巣していることが確認され、開発事業者のUR都市機構は2008年3月「中根金田台地区貴重動植物生態系調査委員会」(委員長・山形耕一茨城大名誉教授)を設置し10年間にわたって、同地区の生態系調査と保全活動を実施。NPOの高橋代表もオブザーバーとして参加してきた。同調査委は今年度いっぱいで活動を終えるという。

この間の13年12月、市とURは樹林地などの歴史的緑空間用地について、18年度までにURが市に無償も含め譲渡することで合意している。

こうした節目にある中、オオタカやサシバが営巣する樹林地が今後どうなるのかまだ決まってないことから、同地区で独自に環境保全活動を続けてきた同NPOが、市民に参加を呼び掛けて意見交換会を開く。

同NPOはURの調査委とは別に10年以上にわたって、オオタカやサシバなど動植物の調査、湧き水や地質調査、下草狩りなど森林整備、散策道の整備などをしてきた。

高橋代表は「金田台地区は生態系が豊かで史跡も多い貴重な場所なので、オオタカやサシバが営巣できる樹林地のまま残してほしい。つくば駅から4㎞のところに貴重な場所があることを市民に知ってもらい、訪れてもらいたい」と話し「歴緑カフェで意見をいただき、市と一緒に、保全と活用の青写真を作っていけたら」と話している。

◆第1回歴緑カフェは24日(土)午前10時~正午、同市金田、桜総合体育館会議室で開催する。参加費無料。年3、4回開催する予定だが2回目以降の日程は未定という。

筑波山で梅まつり開幕 土日曜は観光大使がお出迎え

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筑波山梅林の梅=つくば市沼田

【谷島英里子】筑波山中腹(つくば市沼田)の筑波山梅林で14日、筑波山に春の訪れを告げる「第45回筑波山梅まつり」が開幕した。梅林全体の開花状況は2分咲き(13日現在)という。3月21日まで。

4.5haの園内には約1000本の梅があり、200本ほどある紅梅は2分咲き、800本ほどの白梅はほぼつぼみだ。

梅林最上部の「展望あずまや」からは眼下に梅林全体を見渡せ、山麓の田園風景や学園都市の街並みのほか、天候に恵まれれば、都内の高層ビルや富士山も見られるという。

まつり期間中、筑波山とつくば市内の各店舗で、梅を使用した期間限定メニュー「梅食(うめ~しょく)」の提供のほか、毎週土、日曜日はつくば観光大使のお出迎えもある。

問い合わせは同まつり実行委員会(事務局=つくば観光コンベンション協会、電話029・869・8333)まで。

 

絵解き
筑波山梅林の梅=つくば市沼田

「土浦ぶらり」新設 筑波大生が老舗の魅力紹介 市立図書館

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新設された「駅前ぶらり 土浦ぶらり」コーナーに展示中の筑波大生による「老舗メイクアッププロジェクト」を紹介する入沢弘子館長㊧

【鈴木宏子】土浦駅西口前の市立図書館(アルカス土浦2階)入り口、情報ステーションに「駅前ぶらり 土浦ぶらり」コーナーがお目見えした。第1弾として、筑波大生が土浦の老舗の魅力を紹介している。

同大芸術専門学群環境デザイン領域で学ぶ学生らが授業の一環で取り組んだ。店主に焦点を当て、人柄にまで踏み込んで魅力を紹介しているのが特徴だ。

「老舗メイクアッププロジェクト」と題して昨年5月から中心市街地の老舗23店舗を調査した。このうち▽古民家カフェ「城藤茶店」(同市中央)▽和菓子店「伊勢屋」(大手町)▽「前野呉服店」(中央)など7店をパネルで紹介している。城藤茶店は、経営者の工藤祐治さんの半生を振り返り、子どものころ、土浦出身の漫画家、小林じん子さんの「風呂上りの夜空に」を読み、土浦にカフェを開くまでの紆余曲折の物語を記している。

パネル展示を見に訪れた前野呉服店の前野有里社長は「地元のお店が紹介されてうれしい。商店街を歩いてもらうきっかけになれば」と話している。

同コーナーではほかに、現在中心市街地で開催中の「土浦の雛祭り」、19日から開催の「土浦まちゼミ」、コミュニティバス「キララバス」でめぐる土浦なども紹介されている。入沢弘子館長は「中心市街地の活性化につながるような情報を展示していきたい。図書館を訪れた人が駅前から街中に出て、街歩きを楽しんでもらえれば」と話している。

春のリーグ戦に向け意気込み 土浦一高出身、宮本直輝投手 東大野球部15年ぶり勝ち点1に貢献

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春のリーグ戦に向けて練習に励む宮本直輝投手(東京大学野球部提供)

【伊達康】東京大学教養学部文科三類2年に在籍する宮本直輝は土浦一高出身の右腕投手だ。その宮本が昨秋、東京六大学野球で歴史的な勝利を挙げた。4月に開幕する六大学春のリーグ戦に向けて「一つでも上の順位に入れるよう、ピッチングで貢献したい」と意欲をみなぎらせる。

昨年10月8日、エース左腕・宮台康平(日本ハムから7位指名)の完投により東大の先勝で迎えた法政大2回戦。宮本は2点差と迫られた2回表一死一、三塁のピンチからリリーフ登板すると、最速139㎞のストレートと落差の大きいカーブを武器に3回2/3を1失点でしのいだ。さらに4回裏には9番打者として、法政大の同郷左腕・鈴木昭汰(1年、土浦四中-常総学院)からレフトスタンドへ本塁打を放ちチームを勢いづけた。6回からはエース・宮台にマウンドを託し1点差に詰め寄られながらも逃げ切った。

宮本が殊勲の勝利投手となり東大が2002年秋以来15年ぶりに悲願の「勝ち点1」を得た。この時の心境を「勝ち点がかかった試合でなかなか勝つことができなかったので嬉しかったです」と笑顔で振り返る。

■夏のベスト16入りに貢献

中学時代は谷田部東中で軟式野球部に所属し県選抜チーム「オール茨城」に選出されるなど、軟式球界では好投手として「知られた存在」だった。

高校は私立校からの誘いもあったが土浦一高を選択。1年秋からエースを任されると2年夏には全4試合35イニングを完投してベスト16進出に貢献した。

新チームになってからは山口裕和との右腕2枚看板を武器に、その年の秋季県大会で優勝することになる霞ケ浦を2対0で撃破して県南選抜大会(県南地区新人戦)優勝を果たした。投打の主軸が残り前年以上の結果を期待されて迎えた3年夏は第8シードの水戸桜ノ牧に2回戦で敗れて高校野球を終えた。

■先輩の話に憧れ

「もともと中学時代から東京六大学野球に憧れがありました」。高校入学時に漠然と考えていた希望進路はある出会いをきっかけに東大一本に絞られる。転機は高校1年の時だ。当時、東大野球部に在籍していた山越徹氏が母校である土浦一高に教育実習で赴任し野球部にも顔を出した。後輩達を前に東大野球部の魅力や歴史、伝統を熱く語る先輩・山越。宮本は次第に話に引き込まれ東大野球部に憧れを抱くようになる。山越がかけてくれた「お前も東大でやらないか」という言葉が背中を押した。「絶対に東大で野球をやる」そう決心した宮本は、高校野球引退後に1年の浪人生活を経て晴れて東大に合格する。

■ダイナミックなフォームに

東大野球部では1年秋の法政大1回戦でリーグ戦デビューを果たしたが、「高校野球とは次元が違う大学野球のスピードとパワーに面食らった」と言う。この経験が宮本の向上心に火を付けた。それまではオーソドックスなフォームだったが「体の使い方を試行錯誤する中で、足を高く上げることで下半身をしっかり使える感覚があったので試してみた」と語るとおり、「ライアン小川(ヤクルト)」のように左足を大きく上げるダイナミックな投球フォームにたどり着いた。

新フォームで臨んだ2年秋のリーグ戦では主にセットアッパーとして7試合14イニングに登板し前述の1勝を挙げた。ちなみに東大の3勝のうち残り2勝はプロ入りした宮台がマークしたものだ。

■「エース宮台」後の期待背負う

エース・宮台が抜け今後は主戦投手の一角として活躍が期待される。教育学部3年として迎える春のリーグ戦に向けて、現状の課題を「ボールのキレや制球などのレベルアップ」と分析。履修を工夫して野球にかける時間を捻出しながら、この冬は体づくりに重点を置いたトレーニングに励んでいる。

野球と学業に精一杯で「就職や教育実習など、将来のことはまだ具体的に決まってはいない」という。

大きな1勝を挙げた宮本が、残る4シーズンでさらなる勝ち星を挙げられるか、今後の飛躍に期待したい。

高校2年夏の1回戦で力投する宮本投手。写真の三塁手の松延健斗も現在東大野球部でレギュラー争いをしている

つくばの子育て、共に考えよう 24日キックオフイベント 支援者ら呼び掛け

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「つながることで、解決できることがある」と参加を呼びかけるメンバーの中井聖さん=つくば市館野

【大志万容子】子育て支援者や親が共につくばの子育てを考える「つくば子育てコミュニティーワーク キックオフ・イベント」(同実行委員会主催)が24日、同市吾妻のつくばイノベーションプラザ大会議室で開かれる。「個の活動では難しいことも、つながることで解決できることがきっとある」と、メンバーは参加を呼びかける。

主催するのは、同市の子育て支援者や助産院院長、市議、大学准教授ら10人。きっかけは一昨年の県の子育てフォーラムで「NPO法人せたがや子育てネット」(東京都)代表の松田妙子さんの事例報告を聞いたこと。世田谷区では区民と行政が共に議論する場をつくり、子育て施策の策定につなげていることを知った。共感したメンバーが「つくばでも同様の取り組みを立ち上げたい」と有志に声をかけ、昨年夏に実行委員会を立ち上げた。

メンバーの1人で、子育て支援団体「ままとーん」代表の中井聖さん(46)は「以前から子育て支援者同士が集まると、隠れた貧困や発達課題のある子どもへの対応など、現場で今直面する課題が話題になった。きめ細かく対応できる子育て支援のネットワークが必要と思うようになった」と話す。

一方で「行政がすべての支援メニューを用意できる時代ではない。さまざまな人や団体がつながり、議論できる場を自分たちの手で作ることが大切」と強調する。イベント名のコミュニティーワークとは「自分だけではできないことを、地域で力を出し合って解決すること」といい、「例えば支援者同士がつながることで、個の活動では対応が難しい人も、より適切な支援につなげることができる」と狙いを話す。

当日は2部構成。第1部は「世田谷区のコミュニティーワークが育んだもの」と題して松田さんが講演する。第2部はつくばの子育てについて、参加者同士がグループディスカッションを行う予定。

中井さんは「日々の活動で手一杯になりがちな人も、他の支援者らとの交流で新たな視点を持ち帰り、その目で自分の場を眺めれば、きっと違ったものが見えるはず」と期待を込める。

◆同イベントは午後2~5時。参加料500円。対象はつくば市在住・在勤者。参加の申し込みは、フォーム https://goo.gl/ZtN4CTから。問い合わせは、kosodate.hughug@gmail.com、FAX029・859・0736。