金曜日, 4月 4, 2025
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風景に溶け込む野仏20点 オダギ秀さん写真展

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写真に見入る3人=同ギャラリー2階

【鈴木萬里子】町なかにたたずむ野仏を切り撮ったオダギ秀写真展「遥(はる)かなる野仏」が、つくば市小田のギャラリーカフェ梟(ふくろう)で開かれている。

土浦市在住のオダギさんは県下写真界の指導的立場にある写真家。野仏展は今回で3回目。3年前から年1回、同ギャラリーで開催されている。

今展で展示されたのは、同市虫掛や大岩田などの道端に祭られた仏を撮影した20点。野仏の多くは江戸時代に作られ、亡くなった人への供養や地域の守り神として人々の生活と深い関わりを持ってきた。長い間の風雪で朽ちる寸前の仏など、その表情は1つとして同じものはない。

オダギさんは関東一帯の野仏を撮り続けている。ある地域の川辺で小さな野仏を見つけたときのこと。近くにいたお爺さんが「昔、川の氾濫で田畑が流されることに困った村人が、人柱にした娘の供養として作ったと伝えられている」と話してくれたそうだ。

観賞後に古民家を改築したカフェでくつろぐ来場者ら=つくば市小田のギャラリーカフェ梟

「野仏自体にも仏の生がある。最初に込められたいろいろな思いが長い年月をかけて朽ちていく。それに自分の人生を重ねてしまう。見ていると興味が湧いて尽きることがない」とオダギさんはいう。

オダギファンだという70代の女性3人が牛久、土浦、龍ケ崎から来場した。オダギさんの作品は毎回欠かさず観ているという。三人は「すてきな写真ばかり、素朴でしっとりした感じが良い」「プロの物を見る、目の付け所がすごいと感心する」「選んだ仏さまの表情が何とも言えず良い」と話していた。

オダギさんはNEWSつくばのコラムニストの一人でもある。毎回、これまで出会った人を温かみのある目線で捉えて軽快につづっている。

◆同展の会期は6月3日(日)まで。開廊は午前10時~午後4時30分。月曜、金曜は休廊。入場無料。問い合わせはオダギスタジオ(電話029・225・2679)まで

ギャラリーカフェ梟の入口

男だってヘアドネーション つくばで自立支援の浅井和幸さん

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カットした自分の髪の毛をもつ浅井和幸さん=つくば市二の宮、美容サロンIRIS
束ねた髪をほどいて切る準備をする浅井さん

【鈴木宏子】引きこもりの若者などの自立を支援しているつくば市のNPO若年者社会参加支援普及協会アストリンク理事長の浅井和幸さん(46)が12日、約4年間伸ばした髪を切った。小児がんなどの治療で髪の毛を失ってしまった子供たちにウィッグ(かつら)を提供するヘアドネーションに協力するためだ。伸ばした長さは30㎝以上。男性がヘアドネーションに協力するのは珍しい。どんな思いだったのか。

5年程前、インターネットのニュースでヘアドネーションを知り協力しようと思ったという。世間には男らしい髪形や女らしい髪形、男が長髪なのはおかしいという常識があって、常識に合わない人は自分を恥じ、縮こまってしまう状況に異議申し立てしたいという思いがあった。支援する引きこもりの若者の中に、床屋に行かず、髪が伸び放題になっている若者がいたことから、自宅に居ながらできるボランティアがあることも知ってほしかったという。

普段は後ろ髪を一つに縛り束ねていた。理由を話すと多くの人は「すごいね」などと応援してくれた。一方で髪を伸ばした浅井さんに嫌悪感を抱き、一時、浅井さんを避けるようになった知人もいたという。利点も多いと強調し「一度会っただけで覚えてもらえるし、講演会で話すネタにもなる」という。

髪が肩まで届くようになると、バックや趣味のギターを肩に掛けた際、髪の毛がからまったり、就寝し寝返りを打った際、引っ張られて目を覚ますこともあったという。洗髪は10分ほどで終えたが、乾かすのが大変で、寒い冬はぬれた髪が冷え冷えしたなどの苦労もあった。

長さが規定の31㎝を超えたため、12日、ヘアドネーションに協賛しているつくば市二の宮の美容サロンIRIS(イーリス、東海林瑛人代表)で髪を切った。

まずひもで縛って6束に分け、ばっさりカット。長い髪は38㎝あった。浅井さんは「久しぶりに首が軽くて涼しい」と感想。同店で、30㎝の髪ではショートヘアのウィッグしか作れないこと、ロングヘアーを作るには50㎝以上必要であることを教わったので「何年先になるか分からないが、次は50㎝以上伸ばしたい」と、浅井さんはすぐに次のチャレンジをスタートさせた。

2日に1人が協力

浅井さんの髪を6つの束に縛ってばっさりカットする美容師の東海林夏奈さん

同店を経営する美容師で妻の夏奈さんによると、ヘアドネーションはテレビやメディアで紹介され認知度が上がってきており、今年に入って急に協力者が増えているという。

同店の場合、4月は18人が協力。ほぼ2日に1人のペースだ。5月も同じペースで、男性も浅井さんが2人目だという。女性の場合、もともとロングヘアで、七五三や小学校入学、成人式などの節目に合わせて切り、何かに役立てたいと協力する人が多いという。

同店は、店をオープンした2年前からヘアドネーションに協賛している。夏奈さんは「ウィッグを待っている子どもたちが現在100人以上おり、一つのウィッグをつくるのに10人から30人の髪の毛が必要になる。パーマをかけていても、染めていてもOK。普段の生活をしている人ならだれでも協力できる」と協力を呼び掛けている。

経年劣化しボルト破断が原因 筑波大渡り廊下屋根崩落事故

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事故原因の調査結果を発表する石野利和副学長(中央)ら=筑波大学

【鈴木宏子】筑波大学(つくば市天王台)で昨年12月10日、教室がある建物と建物の2階部分をつなぐ連絡通路(渡り廊下)の屋根が崩落した事故で、同大は24日、原因は経年劣化により、建物のコンクリートに打ち込んで屋根を固定していたボルトがさびて腐食し破断したためと発表した。外部の専門家を加えた特別チームを設置し事故原因を調査していた。

崩落した屋根は42年前の1975年に建設された。鉄骨造、長さ約17.5m、幅約4.5m、重さ約13.6tで、2つの建物と両側20本のボルトで固定されていた。普段は学生が渡り廊下を歩いて教室を行き来しているが、事故時は日曜日のため学生がおらずけが人はなかった。

さびた原因は、長年にわたって雨水が直接かかり腐食したという。事故前からすでに破断していたとみられるボルトや、細くなっていたボルトもあり、屋根の重さを支えきれない状態になっていたと考えられるという。この日氷点下2.3度を記録したため部材が収縮したことがきっかけになった可能性もあるという。

対策について、これまで目視により定期点検を行っていたが、ボルト部分は鋼板で覆われていたため、さびなどを確認することができなかったとした。一方、2004年に建物の耐震診断を実施した際、崩落した屋根については構造計算をしておらず、当時計算していれば事故を防げた可能性があったとした。

事故後、同大は、学内の渡り廊下77カ所の緊急点検を実施し、これまでに平砂宿舎の渡り廊下など計3カ所を撤去したり改修した。他に、崩落事故があった屋根と同様にボルトで固定されている渡り廊下が3カ所あることから、さらに点検を進めるとしている。

調査結果について永田恭介学長は「学内施設に対する安全性への信頼を低下させる極めて深刻な事故。今後同様の事故が発生することがないよう安全・安心の確保のため全力を尽くしたい」とするコメントを出した。

高齢化で在宅介護の相談急増 民生委員自ら初の研修 つくば市茎崎

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民生委員の質問に答える渡辺さん。右は久保田さん=つくば市小茎

【橋立多美】住宅団地住民が一斉に年をとり、急速な高齢化が進むつくば市茎崎地区で、民生委員が在宅介護に関する相談を受けるケースがここ数年、急増している。こうした状況を受け、同地区の民生委員自らが初の試みとして、在宅介護のシステムと現状を知る研修に取り組んだ。

茎崎交流センターで18日開かれた、同市茎崎地区民生委員児童委員協議会(関口光治会長)による全体研修で、初めて在宅医療と介護をテーマにした。

訪問診療を専門に行っている、つくば在宅クリニック院長の渡辺拓自さんの講演と3人を看取った介護者の体験談が語られ、会場に集まった32人の委員たちは静かに耳を傾けた。

渡辺さんは同市を中心に、10市1町の在宅患者約140人の診療にあたっている。様々な患者と家族の例を挙げながら「在宅医療は看取りのための医療ではなく、患者の意思に添いながら訪問看護師などがチームで支える医療」と話した。その一方で「本人にとって介護が生活の基盤で家族の理解と協力がないと成り立たない」とも。

続いて谷田部地区民生委員の久保田美智子さんが、実母と夫、従妹の順で介護し見送った体験を語った。「本人の痛みをコントロールしてくれる在宅医がいたから、9年に及んだ介護の日々を乗り切ることができた」と振り返った。

参加した民生委員からは「相談に乗ってくれる良い主治医を探すには?」「知りたかった訪問診療にかかる費用が分かって良かった」などの質問や感想が聞かれた。

民生委員は、地域の身近な相談相手として必要な支援を行う非常勤の公務員。あしび野に住む民生委員の稲川誠一さんによると、2005年に施行された個人情報保護法でお年寄りの安否確認が満足にできなくなって業務に弊害が生じたり、民生委員自らが高齢になって辞めるなど、なり手不足になっていると課題を指摘した。

北京冬季五輪で採用目指す ヒト型ドーピング検査ロボット開発 産総研など

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公開された汎用ヒト型ロボット「まほろ」=23日、つくば市春日の筑波大学

【富永みくに】スポーツ選手のドーピング検査の自動化を可能とするヒト型ロボット「まほろ」が23日、つくば市春日の筑波大学高細精医療イノベーション棟で報道陣に公開された。2022年の北京冬季オリンピックでの採用を目指して開発を進めている。

近年ドーピングは巧妙化し、禁止薬物を使用するのではなく、遺伝子操作を行った細胞を体内に注入する「遺伝子ドーピング」が行われるようになっている。従来の尿検査では検出できず、特殊な検査が必要となるため、国際オリンピック委員会(IOC)や世界反ドーピング機関(WADA)は、対策に頭を悩ませている。

産業技術総合研究所(つくば市)は、安川電機(福岡県北九州市)らと共同で昨年4月、ドーピング解析の自動化を目的としたプロジェクト「まほろプロジェクト」を設立。オリンピックなど世界的なスポーツイベントでの採用を目指している。

熟練者の動き再現

産総研創薬分子プロファイリングセンターの夏目徹センター長によると、「まほろ」には2本の腕と7つの関節が付いている。器具などを次々と持ち変えながら、液体を注入したり、遠心分離機を操作するなど一連の動作をこなす。熟練した検査員の基本動作を1台のロボットで再現した。

普段、検査員が使用している器具・機材をそのまま使える。さらに遺伝子検査は通常のドーピング検査に比べて検査工程が多く、髪の毛1本落とすことも許されないクリーンルームでの作業となるため、ロボットを活用することでさらに不純物の混合が避けられる。オリンピックなどの大会期間中、不眠不休で作業に当たることも可能。5年間24時間働き続けてもミスを起こさない性能を持っている。

リース価格は1台につき約1億円だが「人件費や開発費などを考慮すると数年で回収できる」と夏目センター長は話す。工程の追加・入れ替えをするだけでドーピング検査に限らず幅広い検査に活用できる。

当初、2020年の東京五輪での採用を目指していたが、公式的な作業手順の策定や、検査を行う研究所の設置などが間に合わなかった。夏目センター長は「スポンサーが見つかれば東京オリンピック中にもデモンストレーションをやってみたい。今は人の動作を完全にまねているが、いずれはAIを使って最適な動作が行えるようになる」と意気込みを語った。

「まほろプロジェクト」をリードする産総研創薬分子プロファイリングセンターの夏目徹センター長

来年6月8、9日 つくば国際会議場 G20大臣会合日程決まる

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2019年6月8、9日にG20貿易・デジタル経済大臣会合が開かれるつくば国際会議場=つくば市竹園

【鈴木宏子】来年つくば市で開催されるG20貿易・デジタル経済大臣会合の日程と会場が決まった。6月8、9日の2日間の日程で、つくば市竹園、つくば国際会議場(同市竹園)で開催される。会場は16年5月に開催されたG7科学技術大臣会合と同じ。

大井川和彦知事は22日の定例会見で「非常に注目される会議になる。貿易とデジタル経済の2つの大臣会合が合同なのでおそらく非常にたくさんの参加者がいらっしゃる。県としてはこの機会を最大限に利用して、茨城を知ってもらう、楽しんでもらうことに全力を尽くしたい。県内の観光インフラ、おもてなしの機運、知名度、そういうものの振興に全力を注ぎたい」と話した。

さらに各国の大臣を案内したい場所として、つくばの研究機関の視察のほか、大洗、石岡のフラワーパーク、水戸の偕楽園、霞ケ浦などを挙げ「いろいろなところを見ていただきたいし、食事も含めて茨城の良いところを是非体験していっていただきたい。息抜きにりんりんロードをサイクリングしていただくのもありかなと思っている」などと述べた。

地元つくば市の五十嵐立青市長は「準備から会合当日まで1年余りの間、つくば市の魅力を国内外に発信する絶好の機会。未来につなげるレガシーを創出すべく、市民を始め、政府、県、関係機関と連携し、成功に向けて準備を進めたい」とコメントを出した。

同会合は、来年6月28、29日に大阪で開かれるG20サミットに併せて、全国8カ所で開かれる関係閣僚会合の一つ。自由貿易の推進や IoT(身の回りのあらゆるものがインターネットにつながる仕組み)、AI(人工知能)などの革新的技術を通じて、世界の経済成長を力強いものとするための取り組みについて議論する予定という。

平成最後の大会は10月6日 土浦全国花火競技大会

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10月6日の開催を決めた第87回土浦全国花火競技大会の実行委員会=土浦市城北町のホテルマロウド筑波

【谷島英里子】第87回土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・中川清市長)は22日、市内で会議を開き、今年度の大会を10月6日(土)に学園大橋付近の桜川畔で開催することを正式決定した。

会議には土浦警察署や公共交通機関の関係者、地元区長らが出席した。中川会長は「平成最後の大きな節目の年だと思っている。すばらしい花火大会で終わらせたい」と話し、「安心安全な大会運営に努め、夢と感動を与える大会にしていきたい」と述べた。

実行委によると、花火は午後6時から約2時間30分、2万発を打ち上げる。競技種目はスターマイン、10号玉、創造花火の3部門あり、全国の花火師が腕と創意を競う。中盤で打ち上がる大会名物の横幅500mに及ぶ「ワイドスターマイン土浦花火づくし」(主催者提供花火)は約2100発が9カ所から打ち上げられ、夜空一面を鮮やかに彩る。昨年は約75万人の観客があった。

花火大会は1925(大正14)年、文京町の神龍寺住職が霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化しようと、私財を投じて開催したのが始まり。

自治会やPTAが市に要望 用地購入し公務員宿舎跡再生を つくば市竹園

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つくば市の飯野哲雄副市長に要望書を提出する竹園学園地区まちづくり連絡協議会の小島崇宏会長(左端)=同市役所

【鈴木宏子】小中学校など公共施設が老朽化する一方、人口が急増し過密化が深刻な問題となっているつくば市竹園3丁目、国家公務員宿舎跡地の再生問題で、地元自治会やPTAなどが新たに住民団体を結成し、22日、市に同地区の中心にある用地の購入を検討するよう求める要望書を提出した。購入は、緑豊かで統一のとれた同地区の一体的な再生に不可欠だとしている。

同用地所有者の都市再生機構(UR)が今年度中に、用地を民間に売却することが明らかになったのがきっかけ。用地は宇宙航空研究開発機構(JAXA)宿舎跡地約9900㎡で、昨年8月、つくば市が計画を中止した「竹園3丁目地域拠点再構築事業」区域の一部だった。中止前の計画では、築40年以上が経過し老朽化している小中学校や幼稚園、保育所、交流センターなどの公共施設を一体的に建て替える区域の中心に位置していた。市の計画中止を受けてURは、同用地を売却する。

4月に売却計画を知った住民らが、地元自治会や区会、中学校PTA、児童館や保育所の父母会などに呼び掛け、5月13日、計8団体で「竹園学園地区まちづくり連絡協議会」(小島崇宏会長)を結成し、要望書を提出した。

要望書は、竹園3丁目地区は公共施設の老朽化や公務員宿舎の廃止などにより、国家事業として全国に先駆けてつくられた緑豊かなコンパクトシティが崩壊しつつあるなどとしている。一方で公務員宿舎跡地で急速な宅地開発が進み、子育て世代が著しく増加し、教育施設や児童福祉施設の過密化が深刻な問題となっていると指摘している。

老朽化、過密化している公共施設の増築や建て替えは避けられないのに、各施設の敷地面積は十分でなく、個別に建て替えることは非効率で、利用者は多大な負担を強いられるなどとし、市に対し同用地の購入を検討して、公務員宿舎跡地の一体的な再生に取り組むよう求めている。

一方、22日、要望書を受け取った飯野哲雄副市長は、個人的な感想だと前置きした上で「(土地の)取得は目的を明確にしないと難しい。個別の話をすべて実現できるかというとそれは違う」などと答えるにとどまった。要望に対しては、検討し回答するとしている。

要望書を提出した同連絡協の小島会長(44)は「(同地区の)再構築を実施し、新たなまちの姿をつくる上で購入は必要不可欠」だと強調し、住民の一人、三橋俊雄さん(68)は「公務員宿舎は緑豊かで日本でも誇れる環境だったが、どんどん売却され普通の宅地に変わっている。つくばは40年前、(最初に公務員宿舎が建設された)竹園3丁目から始まったのだから、竹園3丁目から新しい姿を模索してもらいたい」と話している。

二刀流で土浦を発信 入沢弘子図書館長

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4階に展示中の土浦二高図書委員会のお薦め本を紹介する、市広報マネージャー兼任の入沢弘子館長=土浦市立図書館

【鈴木宏子】土浦市立図書館の入沢弘子館長(55)がこのほど、市広報マネージャーに任命された。全国にも例を見ない館長と広報マネージャーの二刀流で、今後は図書館だけでなく市全体の魅力を発信していく。

週4日、館長として図書館に勤務し、週1日、市役所広報広聴課シティプロモーション室に勤務する。大手広告代理店、博報堂の広報統括ディレクターだった経験を生かし、市の情報発信を総合的にプロデュースしたり、関連事業を企画、立案するという。

具体的な構想として「高校生パワーで土浦を盛り上げたい」と抱負を話す。「土浦の良さは高校生が多いこと。県立、私立を含め9校ある自治体は周辺にない。高校生が多いという強みを生かしたい」という。

高校との連携事業は図書館で8日からスタ―トしている。県立土浦二高図書委員会の生徒にお薦め本を紹介してもらい、高校生が多く集まる4階学習室隣りのロフトに28冊の推薦文を展示し、本を貸し出している。今後、他校にも声を掛け広げていく方針だ。

現在、高校対抗ビブリオバトル(書評合戦)や制服ファッションショー、部活紹介などの企画案を温めているところだという。

さらに「土浦の高校を発信することは、進学を目指している小中学生や家族が土浦に足を運んでくれる機会にもなるのでは」と期待を寄せる。

「連携企画を通して土浦の高校生に楽しい思い出をつくってもらい、ずっと土浦のファンでいてほしい。進学や就職でいったん土浦を離れても、土浦に戻ってきたり、家族を連れて遊びに来たり、将来、土浦で事業を展開するなどしてくれれば」と夢を語る。

つくば市在住。父親が朝日新聞記者で転勤族だったことから全国各地を転居し、小学2年から中学2年まで土浦で過ごした。

博報堂退職後は、つくば市でプロモーションマネージャーを務めた。土浦市中心市街地活性化の核として昨年11月、駅前にオープンした市立図書館の館長に公募で選ばれ、今年3月、通信制大学で司書の資格を取得した。

常総 逆転で初戦突破も課題残す 春季関東高校野球

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エース右腕の谷田部健太(取手シニア出身)

【伊達康】第70回春季関東地区高校野球大会が19日開幕した。茨城1位の常総学院は20日、千葉県袖ケ浦市営球場で群馬2位の関東学園大附属と対戦し、7対2で逆転勝ちを収め初戦を突破した。終わってみれば5点差がついたものの、終盤まで追加点が取れず一時はミスが続いて逆転を許す苦しい試合展開となった。

常総学院は1回裏に2番・水野勢十郎の左中間に飛び込むホームランで1点を先制するが、4回表に二塁打とタイムリーエラーで同点とされる。さらに7回表に、二つの四球とバント処理のミスで無死満塁のピンチを迎えると、セカンドゴロの本塁転送がこぼれてノーヒットで勝ち越し点を奪われ、逆転を許した。

1点リードされた常総学院は終盤にようやく自慢の打線が目を覚ます。7回裏、一死二塁から1番・二瓶那弥の左中間ツーベースで同点とし、内野安打などで2点を追加する。さらに8回裏にも1番・二瓶の2点タイムリーなどで突き放し7点目を挙げ、そのまま逃げ切った。

投げてはエース谷田部健太と岡田幹太(2年)の右腕二枚看板で6安打2失点と踏ん張った。ただし、谷田部は与四球6個と課題の残る内容だった。

緻密さや小技をお家芸とする常総学院らしからぬバントミスや守備のミスが続出したゲームだったが、まずは初戦を勝利で飾ることができた。次戦(準々決勝)は今春センバツ4強の東海大相模が相手だ。今日の反省を踏まえて横綱級を相手にのびのびとプレーして欲しい。

2安打3打点と活躍した主将で1番の二瓶那弥

春季関東地区高等学校野球大会2回戦

関学大附 0 0 0 1 0 0 1 0 0 2
常総学院 1 0 0 0 0 0 3 3 × 7

関:高橋、福田、柴田―中里

常:谷田部、岡田―菊地

本塁打:水野[常]

二塁打:柴田[関]水野、二瓶[常]

【ひと】「つくばなれ」現象を問題提起 筑波大大学院 和田桃乃さん

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「つくばなれ」について語る和田桃乃さん=つくば市天久保、共有オフィス「グローバルインキュベーションカフェ ピーチ」

【柿内典子】「これからつくばでどう生きる?みんなで考えるつくばライフ」と題したトークイベントを4月下旬、筑波大近くの共有オフィスで開催し、筑波大生の「つくばなれ」現象を問題提起した。

大学入学を機に出身の福井県からつくば市に転居して6年目。現在、同大大学院システム情報工学研究科2年で、新規プロジェクトを応援する共有オフィスの学生スタッフを務める。

「つくばなれ」は和田さんが作った造語だ。つくば市に住むのではなく、千葉や東京のつくばエクスプレス(TX)沿線に下宿して大学に通う筑波大生が増えている現象を指すという。「特に卒業を間近に控えた学生が、流山おおたかの森や浅草などに移住する傾向にある」と話す。

和田さんが暮らした6年の間に、つくば市は西武筑波店、イオンつくば駅前店など大型商業施設の相次ぐ撤退があった。昨年12月には、学内で渡り廊下の崩落事故が発生、施設の老朽化を実感した。学生宿舎では3つあった銭湯のうち2つが廃業となった。「学生にとってつくばは緩やかに暮らしにくくなっている」と感じ「『つくばなれ』の背景にあるのでは」と指摘する。

一方で、学生自身による、つくばならではの学生コミュニティを再構築しようという新たな動きが起こっていることに着目。4月のトークイベントでは、全国初の大学サッカー部ファンクラブ設立に向けたクラウドファンディングの取り組みをしている学生や、唯一残る平砂学生宿舎の銭湯を生かしてコミュニケーションの場をつくろうと挑戦している学生の取り組みを紹介した。

和田さん自らは、学生同士のつながりをつくる手法として県人会に着目。今年4月、自らツイッターで福井県出身の学生に呼び掛けて、福井県人会を再開させた取り組みを、トークイベントで紹介した。

「都内に住む学生と違ってつくばは深い人間関係が築けることが魅力」と話し、「筑波大生として市内でコミュニティ活性化を目指している学生を紹介し、つくばでの暮らしをもう一度考えて欲しかった」と和田さんは説明する。

そうした積極的な姿勢が評価され、現在は市役所や筑波大同窓会「茗渓会」から声がかかり、地域活性化に向けた協力もしている。茗渓会からは、各県にいる筑波大卒業生と、現在つくばにいる人たちをつなげて欲しいと相談がきたという。「コミュニティの輪をさらに広げ、つくばを離れて暮らす人にもつくばに興味を持ってもらいたい。たくさんの人と協力し、つくばのイメージアップにつなげたい」と話す。

「これからつくばでどう生きる?みんなで考えるつくばライフ」と題して4月21日開かれたトークイベント=同

元被告 桜井昌司さん つくばの上映会で訴え

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上映会のトークショーで話す布川事件元被告の桜井昌司さん㊨と金聖雄監督=つくば市竹園のカピオホール

【崎山勝功】冤罪事件の元被告たち5人の交流や日常生活を描いたドキュメンタリー映画「獄友(ごくとも)」のつくば上映会が18日、つくば市竹園のつくばカピオホールで開かれた。映画に登場した布川事件=メモ=元被告の桜井昌司さん(71)が参加し、警察による自白偏重の捜査活動を改めて批判した。

会場では桜井さんと、同映画を製作した金聖雄監督(54)とのトークショーが開かれた。桜井さんは自身の体験を元に「あの方たち(警察)は、逮捕状を得たら犯人と確信して、あとは『やった』と言わせるために(元被告たちを)殴っても蹴ってもいい、って昔は言われていた」と話した。さらに現在、東京地裁で審理中の国家賠償請求訴訟について触れ「裁判で警察がうそついちゃダメじゃん、裁判で検察庁が証拠隠ししちゃダメじゃんと言うだけ。裁判でうそをついた警察官を処罰する、裁判で証拠隠しをした検察官を処罰する法律を作らせたい」と訴えた。

桜井さんは、十数年前から茗渓学園(つくば市稲荷前)で高校1年生向けに冤罪についての講演を行っており「高校生には真剣に伝わっている」と感じるという。映画について「若い人も含めて、今の社会に迷ったり悩んだりしている人に見てほしいし、『今の日本がいい』と思っている人にも見てほしい」と呼び掛けた。

同上映会は日本国民救援会県本部が主催した。3月から水戸を皮切りに始まった「茨城縦断上映会」の一環で、県南地域では取手に次いで2カ所目。つくばでは昼・夜の部合わせて約130人が鑑賞した。同会の柴原充つくば支部事務局長は「映画にも登場する袴田事件=メモ=は、筑波大の先生が再審開始のDNA鑑定で関わっているので、筑波大でも茨城大でも上映してもらえれば」と話した。

映画製作元のキムーンフィルムでは自主上映会の開催を受け付けている。金監督は「県内の大学でも自主上映会をやってもらえれば。若い人にもぜひ見てほしい」と語った。

映画「獄友」のワンシーン。桜井昌司さん㊨が袴田事件元被告の袴田巌さんと将棋の対局をする場面(キムーンフィルム提供)

※メモ
【布川事件】1967年に利根町布川で起きた強盗殺人事件。桜井昌司さんと故・杉山卓男さん=2015年死去=が逮捕起訴され無期懲役判決を受けた。09年に再審開始。11年5月24日に水戸地裁土浦支部で無罪判決が確定した。現在桜井さんは県と国を相手取り国家賠償請求の裁判を東京地裁で行っている。

【袴田事件】1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生した強盗殺人放火事件。裁判で死刑が確定していた元被告の袴田巌さんが冤罪を訴え、2014年に静岡地裁が死刑と拘束の執行停止、裁判の再審を命じる判決を出し仮釈放された。

野口聡一さんがつくば市長訪問 宇宙への持参品選定をお願い

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五十嵐立青市長に宇宙に持参する記念品の選定を依頼する野口聡一宇宙飛行士=つくば市役所

【崎山勝功】宇宙飛行士の野口聡一さん(53)が18日、つくば市役所を訪問し、五十嵐立青市長に宇宙に持参するつくばの記念品の選定を依頼した。野口さんは2019年終わりごろから、国際宇宙ステーション(ISS)のフライトエンジニアとして半年間宇宙に滞在する。宇宙に行くのは3度目。

野口さんは1996年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターがあるつくば市で暮らした。「つくば市民として街の発展を見てきた。ゆかりのある物を宇宙に持っていきたいというのは宇宙飛行士の願い。今までつくばの物を宇宙に持って行っていないことに気付いた」と、提案した理由を明かした。

市長との懇談で野口さんは「(米国の)ヒューストンに移る前はつくばに住んでいた」とつくばとの縁が深いことを強調。宇宙への持参品について「乾きもので、平べったいもので、潰せるもの」と条件を出した。

市科学技術振興課によると、宇宙に持っていく記念品にはほかに、重量100g以内などの諸条件があるという。市が候補を選定した上で、8月上旬ごろまでに野口さんと相談して決定する予定という。

五十嵐市長は「つくばも名産品があるので、選定していきたい」と述べた。

会場には市のマスコットキャラクター「フックン船長」が現われ、「野口宇宙飛行士、ぼくを宇宙に連れてってフク!」とのコメントを書いたプラカードを掲げていた。

「宇宙に連れてってフク!」と書かれたプラカードを掲げるフックン船長と、野口聡一宇宙飛行士(中央)、五十嵐立青市長㊨=同

シェーキーズ20日閉店 つくばセンタービル 35年の歴史惜しみ行列

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閉店を知り名残りを惜しんで入店を待つ人たち=つくばセンタービル1階のシェーキーズ筑波学園店前

【橋立多美】つくばセンタービル(つくば市吾妻)1階のレストラン街、アイアイモールにあるピザチェーン店「シェーキーズ筑波学園店」が20日に閉店する。同センタービルがオープンした1983年に開店し、35年間市民に親しまれてきた。西武筑波店、イオンつくば駅前店に続いて中心地区のにぎわいがまた一つ消える。同店前では、閉店を惜しむ人たちが連日行列をつくっている。

シェーキーズは関東を中心に23店舗を展開するピザチェーン。運営本部のアールアンドケーフードサービス(東京都世田谷区)によると、2014年頃から売り上げが下降傾向となり、近隣の商業施設の撤退もあり、やむなく撤退を決めたという。

閉店まで残り3日となった17日の正午過ぎ、40人以上が店の前で行列をつくり順番を待った。市内在住の40代の母親と娘2人は「寂しいし名残り惜しい」。60代の男女5人は「みんなピザ好きで土浦から誘い合って来ていた。これからどうしよう」と話した。牛久在住の49歳の男性は「当時通っていた牛久高校の期末試験が終わると、友人と50ccのバイクで来るのが決まりだった。青春時代の1ページが終わる」。精算を済ませた40代の男性は「今日も変わらずおいしかった」と話した。

4割が空き店舗に

同店はアイアイモールの核店舗の一つ。同モールがあるセンタービルは、建築家、磯崎新の代表作として知られ、コンサートホールや交流センター、ホテルなどの都心機能を併せもつ施設として建設された。

つくばセンタービルを運営している筑波都市整備(同市竹園)によれば、同モールは12区画あるが、同店が閉店することで4割の5区画が空くことになるという。

センタービルオープンに次いで、科学万博が開かれた85年に大型商業施設クレオが誕生した当時は、同モールとクレオを結ぶ平坦な歩道があった。市内外から集まった多くの買い物客は回遊してショッピングを楽しむことができた。

その後94年に歩道がなくなり、クレオと分断された格好になった。さらに2009年に常陽銀行、翌年関東銀行(現筑波銀行)が撤退し、モールの活気が徐々に失われていったという。総務部長の糸賀徹さんは、2銀行が撤退した頃にはオープン当初の来館者数の半分以下になっていたと振り返る。

小林睦営業部長は「シェーキーズは固定客が多くモールの核だっただけに、撤退は痛手」と話す。つくばエクスプレス(TX)開業や周辺に大型商業施設ができたこと、市庁舎が研究学園地区にできたなど社会的背景が変わってセンター機能が失われたとした上で、「人気店の撤退を機に、文化と科学が集積するセンター地区で求められる機能は何かを追求していきたい」とした。

「中心地が疲弊し厳しい状況だと分かっている」と語ったのは、つくばセンター地区活性化協議会事務局長の稲葉祐樹さんだ。中央広場を囲むセンタービル1階のモールは階段で2階のペデストリアンデッキに通じるが、ベビーカーを押す人や高齢者などはビル内のエレベーターに乗るという動線上の問題がある。稲葉さんは「磯崎新の設計を変えず、どう使いやすい施設にするかが課題」と話した。

つくばセンタービル中央広場

人口減、空き店舗増 歯止めかからず 土浦市中心市街地

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土浦市中心市街地活性化基本計画策定委員会であいさつする中川清市長=14日

【鈴木宏子】5カ年計画で中心市街地の活性化に取り組んでいる土浦市は、事業4年目となる2017年度の事業効果の検証結果をまとめた。居住人口と空き店舗いずれも目標に届かず、中心市街地の人口減少と空き店舗数増加に歯止めがかけられてない実態が浮き彫りになった。

一方で、市内外から中心市街地を訪れる交流人口については、昨年11月、駅前に図書館などがオープンし、今年3月、土浦駅ビルにサイクリング施設がオープンした集客効果などから、歩行者数、観光施設利用者数いずれも目標達成可能と見込まれると強気の見方を示している。

14日開かれた市中心市街地活性化基本計画策定委員会(委員長・大沢義明筑波大教授)で市が報告した。

同活性化計画は、土浦駅周辺の中心市街地で、新庁舎や新図書館整備など78事業を展開し、ハード事業とソフト事業の両輪で活性化するとしている。事業効果については、12年度の実態を基準に、居住人口、空き店舗数、歩行者数、観光施設利用者数の四つの指標で毎年、検証している。

14年度のスタートから事業4年目となる17年度の中心市街地の居住人口は7496人と、基準年の12年度と比べて6%減少した。目標に届かないばかりか、当初、予測されていた人口減をさらに上回るスピードで人口が減少している実態が明らかになった。歯止めを掛ける施策として市は、新たに中心市街地に住もうとする人に、住宅建替え補助や家賃補助を実施している。市は「転入者は引き続き増加しているが、それ以上のスピードで自然減や社会減による人口減少が進行している」と分析している。一方、駅東口前と西口そばの2カ所でほぼ10年ぶりの新築分譲マンションの計画があることから、減少スピードが緩和されると期待している。

空き店舗数は、12年度に68店舗あった空き店舗を、18年度にほぼ半減させる目標を立てていたが、17年度は9店増え77店舗となった。

1日の歩行者数は、12年度と比べ、17年度は平日が約17%増の約2万9000人、休日が約16%減の約2万3000人、観光施設の来場者数は約14%増え約11万人となった。

最終年度の今年度は、新たに民間事業者が、中心市街地の空き地(桜町3丁目)に飲食店が集積する店舗を整備する計画があるという。市は今年度、これまでの計画を検証し、課題を整理した上で、新たに19年度から5カ年の第2期計画を策定する予定だ。

土浦駅東口前に着工した新築分譲マンション

アジアの作家が描く「富士山」紹介 極美つくば展

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出品作品を熱心に鑑賞する来場者=県つくば美術館

【鈴木萬里子】新極美術協会の公募展「第11回極美つくば展」が15日から、つくば市吾妻の県つくば美術館で開かれている。「アジアは一つ 夢、未来を結ぶ」をテーマに、アジア各国の作家による「富士山アート」や、アジアの子供たちの作品も展示されている。

主催の同協会はプロと優れたアマチュア画家で構成される。一般からの出品も多く、今回は油彩画、日本画、水彩画、工芸作品など70人による98作品が展示されている。

同協会は芸術・文化の国際交流にも力を入れている。今回もバングラデシュを始めアジアの作家による「富士山アート」41作品が展示されている。富士山の写真を見て自由な発想で描いた作品で、富士山を背景にライオンやゾウが描かれている作品もあり、色彩や構図など興味深く描かれている。また「アジアは一つの世界」と題し、ミャンマー、ネパール、モンゴルなどと日本の子どもたちの作品61点も展示されている。

富士山アート特別賞の2作品=同

出品作品の最高賞「つくば美術館賞」は山田浩子さんのKISSと題したランプシェードの工芸作品が受賞した。深みのある赤色のバラが描かれ、やさしい光が注ぐ。

昨年から創設された「つくば市長賞」は細海哲也さんの、あでやかな色彩で表現した水彩画「湿原の秋」が受賞した。協会の副理事長で選者の一人、串田栄一さんは「将来を見据え頑張れる人を応援したい。良い意味で競い合える人を選んだ」と話してくれた。

筑波大生の横沢佳奈さんは、日本画を専攻していた友人の橋本茉季さんと来場した。「以前個展で見た作家の作品を観に来た。心に響く作品が多い」と話した。橋本さんは「アジアの国々の人が描く富士山は、日本人とはとらえ方が違ってとても面白い」と話していた。

◆会期は20日(日)まで。入場無料。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は3時まで)。問い合わせは県つくば美術館(電話029・856・3711)。

素案に評価と落胆 つくば市公共交通改編 茎崎地区で説明会

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グループで改編案の運行ルートを見て意見を出し合う住民たち。左端は説明会を主催した市総合交通政策課職員=つくば市小茎

【橋立多美】つくば市が策定した、コミュニティーバス「つくバス」や路線バスなど公共交通改編素案の説明会が12日から市内7地区で始まった。このうち高齢化率が市内で最も高い茎崎地区では、参加者から「牛久駅行の新規バス路線を盛った案は一歩前進」と評価する声と、「要望がかなわなかった。高齢者は5年、10年先どうなるのか」と落胆する声の両方が出された。

同地区の説明会は13日、茎崎交流センターで行われた。改編素案は、昨年実施された地区別懇談会やアンケート調査で分かった利用者のニーズに沿い市が作成した。説明会には住民51人が参加し、5グループに分かれて素案の問題点を出し合った。グループワークで積極的に意見を述べる姿が見られた。

同地区では現在、下岩崎の茎崎老人福祉センターから牛久学園通りを走行してつくばセンターに至る「南部シャトル」と、牛久沼に突き出た南西部から商業施設アッセを経由してTXみどりの駅に至る「自由ケ丘シャトル」が運行されている。旧6町村中、高齢化率が36.7%と最も高い同地区の住民は、牛久市の病院やスーパーを利用する人が多く、市域を超えた生活圏が存在する。そのため牛久方面への公共交通の整備を要望する住民の声が絶えなかった。

改編素案では、牛久方面への直通バス路線のない南西部地域などに新規路線バスを運行するほか、牛久駅とを結ぶ既存の4路線バスへの運賃補助が盛り込まれた。補助額は、路線バス運賃をつくバス料金(200~400円、高齢者などは半額)と同等にする金額で検討されている。

グループワークでは素案に対し、「城山団地と桜が丘団地につくバスのルートをつくってほしい」「1時間に1本の自由ケ丘シャトルを30分間隔にしてほしい」「牛久の総合病院に乗り入れてほしい」「バスを待つバス停の環境を整えてほしい」などの意見が挙がった。

南西部・あしび野団地に住む稲川誠一さんは「この辺りの高齢者は1日かけて牛久の病院に通っている。路線バスでJR藤代駅まで行き、常磐線に乗り換えて牛久駅で降り、そこから病院の送迎バスを利用している。往復で1200円かかる。牛久駅行の新規バス路線を盛った案は一歩前進」と話した。

改編案に落胆した地区もある。つくバスの「南部シャトル」と「自由ケ丘シャトル」の中間に位置する桜が丘団地住民の交通手段は、マイカーか牛久駅とを結ぶ路線バス。落合正水区長は「つくばセンター方面に行きたい住民が多く、南部シャトルの昼間の時間帯で一本おきでもいいと要望したがかなわなかった。約500人の高齢者が住んでいる。5年、10年先はどうなるのか」と不安を隠さない。

約1300世帯が暮らす住宅団地、森の里の倉本茂樹自治会長は、つくバスのバス停の間隔を現在の約1㎞間隔から500m間隔を基準にするとの案を評価する一方、団地内にバス停が設置されないことに不満を募らせる。「バス停の間隔が狭くなると運行に時間が掛かるとの指摘があるが、体力のない高齢者が荷物を持って歩けるのは350mが精いっぱい」とした上で「団地面積は約25haで団地入り口のバス停まで最長1㎞の道のりがある。粘り強くバス停新設を要望していくしかない」と話していた。

地域でがんと向き合いたい 19、20日 つくばで「命のリレー」

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「サバイバーズフラッグ」に手形を押すがん患者。イベントでは患者が手形を押し希望を象徴するフラッグを作る=昨年のイベントの様子

【田中めぐみ】がん征圧・患者支援のためのチャリティーウォークイベント「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2018茨城」が19、20日の2日間、つくば市研究学園駅前公園で開催される。2011年から17年まで同イベントの実行委員長で、今年、副委員長を務める、つくば市に住む県がん検診推進協議会委員の宮本恭子さん(59)に運動への思いを聞いた。

宮本恭子さん

宮本さんが運動を始めたのは2006年のこと。知り合いからボランティアスタッフを頼まれたことがきっかけだった。宮本さんは20代の頃に祖母をがんで亡くした。祖母の介護を手伝い、見送った経験を通し、がんの辛さや苦しさを知ったという。祖母を思い出し、がん予防啓発の手伝いができればとボランティアを引き受けた。

患者の笑顔に衝撃

祖母のイメージから、がんは怖いもの、辛いものと思っていたが、イベントを通じて知り合ったがん患者の女性は、余命いくばくも無いことを笑顔で宮本さんに告白した。宮本さんは衝撃を受けたが、女性は「泣いても笑っても死ぬのなら、笑っていた方が周りのみんなを幸せにできる」と語ったという。

女性の人柄にひかれ、ブログやメールを通じてやり取りを続けるうち、ぜひイベントの実行委員をやってほしいと依頼された。しかし、がんと向き合って活動することに怖さもあり、自信が持てず、返事を濁したまま時は過ぎた。

その後、よく知っていた少年が白血病で亡くなった。若い命が尽きるのを目の当たりにしながら何もできず、やるせなさを覚えた。生前「僕を覚えていてほしい」と言われた言葉が胸に突き刺さり、微力でもいいからできることをしようと決意を固めた。

2009年、宮本さんを含む5人の女性ボランティアが集まり、本格的に「リレー・フォー・ライフ茨城」がスタートした。以来、2010年からは毎年欠かさずチャリティーイベントを行っている。

毎年必ず開催

決して順風満帆なわけではない。2011年には東日本大震災でイベント開催が危ぶまれたが、茨城の被災を心配する支援者の善意もあって、開催にこぎつけることができた。

毎年1度は必ず開催したいと思うのは、参加したがん患者の人たちから「来年も楽しみにしている」という声を聞くためだ。「来年も必ずここで会おう」などと互いに約束をして、それぞれの生活に戻る。闘病は辛く苦しいが「来年も必ず」という希望に応えて必ずイベントを開催しなければという思いがある。

昨年のイベントで開かれた「がん啓発セミナー」、筑波大学関根教授(腫瘍学)が講師を務めた

イベントではがんの当事者らと一緒に公園内を歩きながらがんについて語り合うほか、セミナーや体験談を語る「サバイバートーク」に参加してがんの知識を深めることもできる。アーティストによるパフォーマンスもあり、子どもから大人まで楽しみながら学べる内容となっている。

会場となる公園の遊歩道には希望の光「ルミナリエ」が灯され、様々な立場の人からメッセージが寄せられる。当事者の声、家族や友人、医療従事者からのエール、亡くなった人への追悼など、多くの思いが沿道を照らす。イベントは、当事者のみならず、家族や友人、医療従事者などが共感し合い、情報交換する場になっている。

イベントを通して集まった寄付金は、患者支援やがん医療の発展、がん検診の啓発など、がんに負けないまちづくりに役立てられる。

つくば市は2006年に日本で初めてトライアルイベントが行われた地であり、「リレー・フォー・ライフの聖地」と呼ばれている。宮本さんは、運動の火を消さないように、今後も携わっていくつもりだ。2010年には来場者は300人ほどだったが、昨年は2日で延べ約1700人が来場するほど大きな運動の輪となったという。

会場に飾られるエンプティテーブル。「あなたのいないテーブル」という意味で、がんで亡くなった人たちへの追悼のシンボルとなる=同

◆19日は正午から受付開始、20日正午までの開催。つくば市役所第3駐車場がイベント参加者のために開放される。詳しくは「RFLJ茨城」http://relayforlife.jp/ibaraki/

※メモ

【リレー・フォー・ライフ】米国で始まった運動で、がん患者やその家族の支援のほか、がん予防の啓発、がんで亡くなった人の追悼を使命として活動している。

「普段の交流が復旧のかぎ」 マンションの災害対応 つくばでセミナー

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「地震防災を考える―市の対応・住民の備え」をテーマに講話があった一般公開セミナー=12日、つくば市役所

【富永みくに】分譲マンションの立地が進むつくば市で、マンションの地震被害と復旧をテーマにした一般公開セミナーが12日、同市役所で開かれた。NPO法人全国マンション管理組合連合会(全管連)の川上湛永会長が講師として招かれ、被災時にマンションをいち早く復旧させるポイントなどの説明があった。

「地震防災を考える―市の対応・住民の備え」と題して、マンション居住者や管理組合らで構成される「つくば市マンション連絡会」(つくば市吾妻)が主催した。セミナーは市が共催し毎年1回実施している。管理組合団体が市など公的機関と連携して開催するのは全国でもまれという。

川上会長は2016年4月の熊本地震の際、熊本市内で最も復旧が早かった中規模マンション「ビブレ本山」(1990年築・14階建て73戸)を例に挙げ、いち早く復旧したポイントを説明した。①普段から住民交流会、夏祭りなどの行事でコミュニティが形成されていた②他の子ども会や町内会との交流が活発だったことにより被災時に近隣の協力が得やすかった③マンション管理組合団体に所属していたため市や施工業者などから情報を得られた④マンションの玄関部に広めの集会所があり、緊急対策本部や一時避難所が設置できた―などにより住民の意見交流が活発に行われ、早急な復旧に結び付いたとした。

一方で、震災時に1階共有空間がつぶれて倒壊したマンションでは、一部入居者が解体に合意しなかったため復旧に時間が掛かり、今年4月にようやく解体が行われたとした。また管理費の長期滞納者があったマンションは、土地などを処分することができずに長期間にわたって塩漬けの状態が続いたと話した。

さらに川上会長は「マンション住民も罹災証明が取れることはあまり知られていない。役所の職員でさえ知らない自治体もある」とし、「取得することで税制優遇措置など最大350ほどの補助が得られる。とりあえず取っておいて損はない」と語った。

同市竹園の分譲マンションで管理組合の理事を務めているという男性(71)は「東日本大震災時は築年数が浅かったため塗装のはがれ程度で済んだが、今後は修繕しなければならない箇所が出てくるだろう。時間に余裕のある高齢者が中心となって、マンションを維持・管理していかなければならない。今日の講演は参考になった」と話した。

講演ではほかに、市危機管理課の登坂美彦係長が、震災後に見直された市の災害対応を説明した。普段から飲料水1日1人3㍑を3~7日分確保しておくべきと強調し、マンションの高層階に住む人はエレベーターが動いている今のうちに、水の確保をしておくよう勧めた。

熱心に講演を聞く参加者=同

県南の組織化に尽力 土浦ロータリークラブ 創立60周年祝う

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創立60周年記念事業を紹介する小原芳道会長=土浦市城北町のホテルマロウド筑波

【崎山勝功】土浦ロータリークラブ(RC)創立60周年記念式典が12日、土浦市城北町のホテルマロウド筑波で開かれた。つくばなど近隣のRC会員のほか、台湾のRC「台北陽明扶輪社」関係者など約140人が集まって創立60周年を祝った。

同RCは1958年2月に水戸RCをスポンサークラブとして創立会員33人で発足した。その後、龍ケ崎RC、水海道RC、土浦南RC、つくば学園RC、阿見RC、つくばサンライズRCのスポンサークラブとして県南地域のRC発足に尽力した。

小原芳道会長はあいさつで「青少年育成、留学生への援助、霞ケ浦総合公園や亀城公園の環境整備、清掃、各種ボランティア団体や障害者団体への援助、かすみがうらウォーキングへの協力など多くの活動を行ってきた」と、これまでの地域への奉仕活動を紹介した。その上で「創立会員世代を第1世代とすれば、現会員は第2世代となり、これから入会する世代は第3世代となる。我々第2、第3世代の会員はこの良き伝統を継承し、次の10年、20年へと発展させてまいりたい」と決意を示した。

60周年記念事業として、駅前に新築された市立図書館への電子案内板寄贈、1970年に設立されたが会員減少のため2014年6月末に解散した「土浦ローターアクトクラブ」(18歳から30歳まで対象)の活動再開、土浦RCのクラブソング「ともに歩もう」を制作したことなどが紹介された。

式典後の祝賀パーティーでは、作曲を担当した土浦市在住の作曲家・啼鵬さんの指揮のもと、土浦RC会員らが壇上でクラブソングを合唱し、交流を深めた。

クラブソング「ともに歩もう」を歌う土浦ロータリークラブの会員ら=同