月曜日, 12月 29, 2025
ホーム ブログ ページ 240

狩りガール押し立てイノシシ狩猟 県がコンテストと体験ツアー

0
狩りガールと行く狩猟体験ツアーで狩猟グループの事務所を見学=茨城県自然環境課提供

【相澤冬樹】茨城県がイノシシ狩猟コンテストを行っている。亥年(いどし)の今季が初開催。元年度の「狩猟者登録」を行ったものが参加でき、新年2月15日まで県内で捕獲したイノシシ限定で体長の大きさを競う。

県民以外でも参加できるが、茨城県で狩猟者登録を行い、県内で捕獲した体長(尾の付け根から鼻の先までの長さ)100センチ以上のイノシシが対象になる。捕獲方法はわな猟、銃猟になるが、国の補助金が出ている有害鳥獣捕獲許可と指定管理鳥獣捕獲等事業で捕獲したイノシシは対象外となる。

参加者は捕獲したイノシシを横たわらせ、メジャーで採寸する写真を撮って応募する。コンテストは、体長に後ろ足長を加算したポイントを基準に審査し、上位入賞者を決める。第1位は最優秀狩人賞として10万円相当の副賞が贈られるのをはじめ、5位までを表彰。女性参加者の第1位には狩りガール賞(副賞5万円相当)、応募数が最も多かった者には特別賞として県猟友会長賞(副賞5万円相当)が出る。

県によれば、県内のイノシシによる農作物被害は17年度に約1億5000万円で、前年から約3割増加し、獣類全体の8割以上、鳥獣全体の約3割を占めた。さらに最近は市街地にまで出没し、通学や日常生活の安全安心の観点から看過できない状況になっている。

対策の強化が求められる一方で、捕獲の担い手となる狩猟者は20年前に比べてほぼ半減した。狩猟免許所持者の約7割が60歳以上と高齢化も進んでいるなど、全県的に担い手の確保が大きな課題となっている。

このためコンテストは、狩猟の意義や役割を広く発信し、理解を深めてもらうとともに、少しでも多くの人に捕獲の担い手になってもらう機会と位置づけ実施する。この際「大型獣を駆除するほど個体数の減少に効果があるという研究結果もある」(県自然環境課)ことから100センチ以上を対象にした。現在わな猟、銃猟合わせ延べ4000人近くが参加資格を持つという。

イノシシ解体に立ち合う体験ツアー参加者=同

定員超えの狩猟ツーリズム

コンテストは県の主催、県猟友会の協力で行われるが、応募や問い合わせの窓口は旅行代理店が担っているのが異色だ。同店では今季の猟期中、2回に分けて「狩りガールと行く狩猟体験ツアー」(主催は県)を企画・催行しており、第1回の「わなプラン」は今月7、8の両日、城里町で行った。

箱わなの架設見学やイノシシの解体体験に29人が参加、土浦市から3人、つくば市から1人の参加もあった。全体で20代、30代からそれぞれ2ケタの参加者があり、底辺拡大の目的は一部果たした。来年2月8、9日には第2回「銃プラン」の開催が予定されており、こちらは1月17日の締め切りを前に募集定員超え、抽選が必至となっている。

問い合わせはJTB水戸支店(電話029-225-5233)

子ども食堂にクリスマスプレゼント つくば市の2JA

0
子ども食堂にコメ600キロと野菜1年分を贈ったJAつくば市の岡本秀男組合長㊧とJAつくば市谷田部の横田伊佐夫組合長㊨。中央は五十嵐立青つくば市長=24日、つくば市役所

【鈴木宏子】クリスマスイブの24日、JAつくば市(岡本秀男組合長)とJAつくば市谷田部(横田伊佐夫組合長)から、市内の子ども食堂に、コメ600キロと野菜1年分の贈り物があった。

県内では各地域のJAがすでに、市町村の社会福祉協議会や生活協同組合などを通して、野菜やコメなどを子ども食堂に寄贈する取り組みを展開している。「当然、農協としてやっていかなくてはならない取り組み」(岡本組合長)、「皆で食べられる場所をつくるという取り組みをバックアップしたい」(横田組合長)と寄贈に至った。

併せて、経済的困難を抱える子供の未来を支援しようと市が4月に創設した「つくばこどもの青い羽根基金」に、2JAから総額約25万円が寄付された。JA職員からも寄付を募ったという。

寄贈されたコメ600キロは、市内にある子ども食堂6カ所に100キロずつ贈られる。野菜は各子ども食堂に商品券を贈り、JAつくば市の直売所3カ所でいつでも購入できるようにする。

寄付金は、子どもの学習支援に取り組むボランティア団体の事業や、学習塾代の助成、子ども食堂などの運営などに活用する。

目録などを受け取った五十嵐立青市長は「子ども食堂は基本ボランティア。両JAのご支援をいただくことができ頼もしい」と話すと、横田組合長は「私どもは明日の命を守る食材を持っているが、こういうことをしなくて済むような社会をつくっていただければありがたい」などと言い添えた。

市によれば、同基金に寄せられた寄付は11月末時点で約330件、総額約690万円になった。

「進学は回り道にあらず」5選手がプロに 筑波大蹴球部

0
笑顔で肩を組む(左から)阿部航斗、三笘薫、高嶺朋樹、大川圭為、山川哲史の各選手=23日、筑波大学

【池田充雄】筑波大学(つくば市天王台)で23日、来季のプロチーム入団が内定した蹴球部5選手の合同記者会見が開かれた。5人ともJリーグクラブの育成組織出身で、うち4人は元のクラブに戻ってデビューを果たす。プロを目指す選手にとって大学進学はもはや回り道ではなく、将来を見据えた戦略的な選択になったと言えそうだ。(文中敬称略)

鋭い切り返しで敵陣を切り裂く三笘=全日本大学選手権準々決勝=12月16日、味の素フィールド西が丘、以下同

J1川崎フロンターレに進む三笘薫は、相手の間合いを外すドリブル突破や、創造性に富むパスが魅力の攻撃的MFだ。会見の翌日にはU-22日本代表に合流し、28日のキリンチャレンジカップ・ジャマイカ戦に備えるという。「この試合への思いは強い。活躍すれば東京オリンピックに向けて生き残れる。自分の特徴を生かしながら、チームに貢献できるようなプレーがしたい」

J1コンサドーレ札幌に進む高嶺朋樹は、体の強さを生かした1対1の守備と、左足からの高精度なキックを武器に、守備から攻撃へのスイッチを入れるボランチだ。「3年冬にオファーをもらい即決した。厳しい戦いになるだろうが1年目からスタメンを勝ち取り、試合に出られるようにしたい」

フィジカルの強さとともに気の強さも持ち味の高嶺(左写真)とインカレでは守備力だけでなく得点力も発揮した山川

J1ヴィッセル神戸に入る山川哲史は、長身を生かしたヘディングと、クレバーな守備を得意とするセンターバック。「監督から言われた、チームを勝たせられる選手になること。蹴球部のビジョンである、人の心を動かす存在になること。この2つを意識し、今後も目標にしたい」

J2アルビレックス新潟入りするGK阿部航斗は、身体能力に優れ、視野の広さと正確なポジショニングでゴールを守る。「考えてシュートを止めることと、相手が嫌がるような駆け引きを心掛けている。自分の力で新潟をJ1に上げ、ビッグクラブにすることが目標。新潟を象徴するような選手になりたい」

俊敏性と跳躍力を生かし、数々の大舞台で活躍したGK阿部(左写真)と来年度、大学院を休学してプロの道へ踏み出す大川

シンガポールプレミアリーグのアルビレックス新潟シンガポールに入団が決まった大川圭為は、瞬発力を生かしたシュートストップや、安定感あるロングキックが長所。同ポジションの阿部と切磋琢磨して成長し、4年後期は正GKに就いた。「来年1年で結果を出さないと先がなく、いい意味であせりがある。自分の努力次第でどれだけできるか、チャレンジしたい」

大学で得た、自ら成長する姿勢

三笘と山川は、ユース卒業時にもプロへの誘いがあったが、「もっと成長したい」「まだプロになれる覚悟がない」との理由で筑波大を選んだ。他の選手も「大学だからこそ学べたことがある」と口をそろえる。それは何だったのか。

一つは、自ら考えて取り組む姿勢だ。トレーニングや栄養管理はもちろん、自分の特徴は何なのかと悩み、それを作り出す努力や、身体能力などの弱点を直視し、プレーでカバーする取り組みなども含まれる。

「サッカーに対する考え方の幅が広がった」と話す選手もいる。ユースではチームのスタイルに合わせた練習ばかりだったが、筑波大では相手の強みを消すためのさまざまな戦い方を学んだ。また、試合や練習以外の活動を通じて、各自がそれぞれの役割を果たして物事を成し遂げることを学び、自分たちも誰かに支えられてサッカーができていることに気付いたそうだ。

小井土正亮監督は「技術の育成だけでなく人間的成長にも、大学が果たす役割は非常に大きい。本学で学んだことを生かし、プレーヤーとしても人としても必要とされる人材になってほしい」とエールを送る。

筑波大蹴球部にはプロ志望以外にコーチやトレーナー、あるいはクラブ運営スタッフなどを目指す部員もいる。技術レベルも人によってさまざまだ。大勢の仲間の中で、幅広い学びが得られる環境は、他大学にはない特徴的なものだという。

【民生委員】㊦ 災害の時代を超えて 取り組みと見守り

0
切り倒されなかった児童公園のヒマラヤ杉を見上げる稲川誠一さん=つくば市あしび野

【橋立多美】「続けるからこそ横のつながりができ、地域のことがよく分かった」。11月末で茎崎地区の民生委員を退任したつくば市あしび野の稲川誠一さん(75)はそう語る。

子らの環境守った除染活動

4期12年の活動で忘れられないのが、2011年3月11日に発生した大地震に伴う福島第一原発の事故で、放射性物質に汚染されたあしび野児童公園の除染だという。

国は同年12月、被ばく線量が年間1ミリシーベルト以上の地域がある8県102市町村を、除染の財政支援が受けられる「汚染状況重点調査地域」に指定した。指定を受けた市が「放射線対策室」を設置。毎時0.23マイクロシーベルトを超える21区域の除染実施計画を公表した。

その中にあしび野が含まれ、住民たちに動揺が走った。当時民生委員兼自治会長だった稲川さんは、自治会主催で放射線物質の専門家による勉強会を開催し、あしび野自治会館は保護者や住民でいっぱいになった。

一方、同対策室から線量計2台を借りて自治会館や団地内道路、公園など5カ所の空間放射線量を測定した。稲川さんは測定を担当したり立ち会って数値に目を凝らした。「どうか(数値が)下がってくれと祈るような思いだった」。

8月22日の時点で、児童公園だけが毎時0.249マイクロシーベルトと数値が高いことが分かった。市は子どもたちが長時間滞在する幼保や小中学校の除染は行ったが、公園の除染は実施しなかった。

10月、子どもたちの被ばく線量低減のために自治会役員と保護者らの協力で児童公園の除染に取り組んだ。作業は対策室の助言を受けて進め、安全を確保するためにマスクと長袖、手袋、長靴を着用した。

砂場は砂を入れ替え、ブランコ周辺のくぼみは土盛りをした。さらに公園内に植えられていたヒマラヤ杉6本のうち4本を伐採。残る2本は枝木を剪定した。ヒマラヤ杉は放射線物質が葉に溜り、降雨で地表の放射線量が高くなりやすいとされるためだ。

ヒマラヤ杉周辺の表土は放射線物質濃度を測定しながら掘り進め、芝生は深く刈り込んだ。汚染土は何重にも重ねた放射線遮へいポリ袋に入れ、公園内の土中深く埋めた。

除染作業の結果、11月中旬に児童公園の放射線量は基準値を下回った。

大震災から8年9カ月ー。残った2本のヒマラヤ杉は大きくなった。目に見えぬ放射性物質におびえ、子どもたちの健康被害を食い止めようと住民が1つになったと稲川さんは振り返る。

「地域の福祉を担う民生委員は、住民の生活を守るのも仕事のうち。予想外の自然災害が発生する昨今、民生委員には臨機応変の判断が求められる」と話した。

30年やってよかった

10期30年間、桜地区の民生委員として地域を見守ってきた中川発子さんも先月末で退任した。

市から引き受けてくれないかと声がかかり、民生委員として活動を始めたのは45歳のとき。「自分にできるか」という不安を「なんとかできそう」に変えたのが、先輩委員が言った「民生委員は目立ってはいけない」だった。

「そっと見守って困り事の悩みや寂しい気持ちを理解することで、人へのいたわりを持ち続けることができた。自分のためにも続けてきてよかった」と満足そうに振り返った。(おわり)

筑波大学サテライトオフィスで書籍を無料貸し出し つくば駅前

0
無料貸し出しの書棚の前で現役大学生スタッフの四家武彦さん。お勧めの本は『炎上と拡散の考現学』=筑波大学サテライトオフィス

【田中めぐみ】つくば市吾妻のBiViつくば2階、筑波大学サテライトオフィスが、同大学の施設案内や各種資料の配布のほか、教員や卒業生が執筆した書籍の貸し出しを無料で行っている。貸出期間は3週間。

書棚には筑波大学出版会から刊行された本を中心に約30冊が並び、ジャンルは栄養学や生物学、社会学、宗教学、スポーツ理論などさまざま。出版年は問わず、古いものから新しいものまで、できるだけ分野が偏らないように並べ、時々新しいものと入れ替えているという。オフィスには筑波大学の学生スタッフが常駐しており、本や大学について聞くこともできる。

『蟲愛づる人の蟲がたり』を読む 

並べられた本の中から、今年3月6日に出版された『蟲愛(むしめ)づる人の蟲がたり』(筑波大学出版会)を手に取った。同大学山岳科学センター菅平高原実験所が発行している情報誌「菅平生き物通信」に掲載してきた10年分の記事の中から、昆虫にかかわる記事をピックアップしてまとめたもので、虫をこよなく愛する教職員と学生執筆者20人による、虫のエッセーや紹介、およそ60編が収録されている。

『蟲愛づる人の蟲がたり』筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所編、町田龍一郎監修(A5判並製156ページ、本体価格 1950円)

「昆虫は口で呼吸をしない!」「結婚するために目が飛び出ちゃった昆虫たち」など、興味ひかれる見出しが並び、それぞれのテーマが1ページから2ページに短くまとまっている。読みたいところどこから読み始めてもいい。

「なぜ蛾は光に集まるの?」「ノミの心臓はどこにある?」といった誰もが一度は感じたことのあるような素朴な疑問も学術的に解説し、イラストや写真も豊富。内容は中学生から大人向けだが、専門用語には読みがながふってあり、語り口はやさしく読みやすい。

記者が特に驚いたのは、昆虫は血管が無い代わりに「背脈管(はいみゃくかん)」という長いポンプで血液を循環させているということだ。翅(はね)にも血液を行きわたらせるために「翅脈(しみゃく)」を使い、筋肉の弛緩によって血液を送り出すのだという。また、昆虫の脱皮が「クチクラ」という分泌物を使って行われ、昆虫にとって命がけの作業であることも初めて知った。昆虫はまるで宇宙生命なのではないかと思うほど不思議に満ちている。

本書のタイトルに用いられている「蟲」の字は、今は常用されていないが、宋代に作られた字書『集韻(しゅういん)』に、裸蟲、毛蟲、羽蟲、鱗のある生き物、魚介など細々とした小さな生き物たちを指すとある。「蟲」の字は、小さな虫たちが表紙の絵のように一堂に集まる様子を表しているように思える。そして短い文章が集まった本書の構成自体も実に「蟲」的だ。

「蟲愛づる人」というタイトルは、平安末期から鎌倉初期にまとめられたとされる短編集『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」によっている。虫めづる姫君は「風の谷のナウシカ」のモデルにもなったという虫好きのおてんば姫だ。

物語の中で姫君は、様々な虫を採集し「これが成長して変化する様子を見よう」と言って虫かごに入れる。中でも毛虫が大のお気に入り。「毛虫が思慮深い様子をしているのは奥ゆかしい」と、一日中、額髪を耳の後ろにはさみ、毛虫を手のひらの上にはわせてじっと見つめ続けている。

高畑勲監督のアニメ「かぐや姫の物語」に出てくるかぐや姫はおてんばで、虫めづる姫君のイメージに近い。毛虫が「心深し」(思慮深い)というのはなんとなく分からないでもないが、「心にくし」(奥ゆかしい、心ひかれる、上品で美しい)とは。本書の中にも『枕草子』に模して「かはげら草子」と題し、カワゲラという虫の魅力について「をかし」と語ったエッセーが収録されている。虫愛でる姫君と本書の虫好き研究者たちとはまさに同じ目線。『蟲愛づる人の蟲がたり』というタイトルがぴったりだ。

◆BiViつくば 筑波大学サテライトオフィス(電話029-855-2101)

【民生委員】㊤ 担い手不足と高齢化 つくば

0
民生委員児童委員退任式・委嘱状伝達式で民生委員らに委嘱状を手渡す五十嵐立青市長㊨=19日、つくば市谷田部

【橋立多美】住民の生活相談に応じて行政に橋渡しをする民生委員が今月、3年ぶりに全国一斉に改選された。困ったときの地域の「見守り役」だが、高齢の単身世帯や高齢者のみの世帯が増える一方、なり手不足などによる高齢化で「老老見守り」が進む。

今月の改選で2期目に入った50代女性は、担当区域で身寄りのない高齢男性の孤立死を経験した。

最初に訪問した時はパジャマ姿で現れ、「民生委員なんかの世話にはならない」と怒鳴られた。恐る恐る訪問するうちに玄関の椅子を勧めてくれてパジャマは洋服になった。

次の訪問で終活の相談に乗ることになっていたが、その日を待たずに亡くなった。「もっと早く訪問すればよかった」と今も自分を責める。

オートロックに阻まれて

女性によれば訪問はおおむね月1回、認知症の発症が疑われるなど目配りが必要なケースは毎週。さりげない地道な見守りは毎日のことだという。

訪問をかたくなに拒んだり、居留守を使う人もいる。ある委員は「民生委員に相談していることを知られたくない人の家には暗くなってから訪問する。それが民生委員の常識」と明かしてくれた。

「マンション1階玄関のオートロックに阻まれて会うことすら難しい」と話すのは田中邦宏さん(79)。TX沿線開発で誕生した高層マンションが林立する研究学園地区担当で、約860世帯を受け持つ。

まれに1階の共有スペースに降りてきてくれる人もいるが、インターホン越しでは会話は成立しない。「近所付き合いが面倒でマンションを購入した人が多く、一歩一歩やっていく」と話す。

茎崎地区で4期民生委員を務める片岡三郎さん(76)は、ほぼ毎夕、宝陽台団地の単身高齢者34世帯を見守るパトロールを続けている。昨日と違っているところはないか、電灯が付いているか、と注意を払う。

これまでに急に手足がしびれ、車庫で動けなくなった高齢者を見つけたり、徘徊する女性を見つけ、牛久の家族の元に帰したことがある。

改選のたびに適任と思う何人かに頼んでみたが「仕事が忙しい」「向いていない」と断られた。使命感から続けてきたが、ようやく60代の後任者が見つかった。「今期3年を悔いのないように努めたい」。

60代、70代で9割占める

民生委員は市町村の推薦で厚生労働相が委嘱する非常勤の地方公務員。任期は3年(再任可)で全国に約23万人、県内には約5千人いる。月1万円程度の活動費が支給されるだけで報酬はない。守秘義務があり、児童や妊産婦を支援する児童委員も兼ねる。

市社会福祉課によると、今月の改選時の定数271人に対し欠員は7人。再任は206人で新たに58人が推薦を受けた。30~80歳代で構成されているが60歳代が5割(133人)、70歳代が4割(110人)を占め、75歳以上の後期高齢者は21人いる。

国は「民生委員は原則75歳未満」としていたが、なり手不足を受けて2007年に年齢基準を緩和した。多くの自治体が国の通知に沿って選任したことで高齢化が進んだ。同課の木本係長は「75歳を目安として地域の事情に詳しく健康な人を推薦している」と話す。

担い手がさらに不足しかねない動きがある。国が進める高齢者の就業拡大だ。安田課長は「共働きや定年後も働く人が増え、支援が必要な人を支える分母の人数が減っている」と表情を曇らせた。

2018年度中に民生委員が受けた相談件数は7528件で年々増加している。介護保険や生活困窮の相談をはじめ、家族形態の変化に伴って家や墓の後継者問題など困難化しているという。安田課長は「日常的に地域に目を配り、相談に乗って支援することは行政には難しく、民生委員に助けられている」と話してくれた。(つづく)

冬至に甘い完熟カボチャ 土浦・亀城公園の老ザルカップルに届く

0
カボチャに食らいつくリョウタ=土浦市中央・亀城公園

【相澤冬樹】土浦市中央の亀城公園で飼われている2匹のニホンザルの元に、冬の滋養食カボチャが届いた。オスのリョウタとメスのスミレ、つがいとは言い難い奇妙な同居生活を送っている老境のサルで、すき間風吹く猿舎で迎える厳寒の冬は19回目になる。飼育関係者がハロウィンで使われたジャンボカボチャを入手、22日の冬至に特別メニューとして差し入れた。

2匹はともに県内で捕獲され、引き取った同公園での飼育は2001年にスタートしている。生年は不明ながら20歳は超しているとみられ、持病やストレス障害を抱えている。互いの毛づくろいや身を寄せ合って暖をとるような仕草もなく、その境遇に同情が寄せられてきた。(1月11日付既報)

公園管理の一部は同市シルバー人材センターが請け負っており、サルには毎日1回のエサやりをする。ペットフードに野菜や果実を混ぜ、2匹に対し毎回1キロのエサを与えている。管理スタッフにも高齢のサルは気になる存在で、「冬至にカボチャを食べると病気にならない」という古くからの言い伝えがあることから、同センターの市村勇治さん(78)は重さ約50キロのカボチャを調達してきた。

背を向けてカボチャをかじるスミレ=同

同市内で行われたハロウィンのイベントに使われたアトランティックジャイアントという巨大品種を譲り受けた。人間の食用にはならないが、収穫から丸3カ月経った完熟カボチャの中味をくりぬき、倉庫に保存。切り取ってサルに与えた。好物のリンゴやミカンはオスのリョウタが2匹分を奪い取ってしまうが、一通り食べてしまうと手を出した。

「カボチャは収穫から日が経つほど甘味も強くなる、栄養補給にも良さそうだ」と冬至の22日には特別メニューとして与えることにした。リョウタは音を立ててかじりつき、スミレは猿舎の隅に持ち込み背を向けて食べた。クリスマスやお正月にも提供することになりそうという。

気象庁の3カ月予報(11月25日発表)通り、暖冬気配のなか迎えた冬至、2匹の老ザルにも「一陽来復」の日となるだろうか。

県議会がいじめ根絶条例可決 出席停止措置も

0
茨城県庁

【山崎実】県議会第4回定例会に議員提案されていた「県いじめ根絶を目指す条例」が最終日の20日、可決成立した。条例は、いじめのない学校運営が行われるよう、校長の責任を明確にしている。教育現場での対応として、いじめを行った児童生徒の出席停止措置や、いじめを受けた児童生徒とは別の場所で学習を行わせる措置を講じるなど、かなり厳しい内容が盛り込まれている。

背景には取手市の女子中学生自殺事件がある。その後もいじめによる不登校や、自ら命を絶つ事件などが全国的に発生しているため、「いじめの根絶に向けて社会が総がかりで取り組む」ことを柱に掲げている。全国11県目のいじめ防止条例として来年4月1日から施行される。

条例は全23条で構成され、県独自の取り組みとして、児童生徒からのSOSの受け止めと、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)による相談体制など、相談しやすい環境づくりを構築する。専門的知識に基づいていじめ対策が行われるよう、スクールロイヤー(弁護士)の派遣による支援なども規定し、「いばらき教育月間」(11月)での重点的な県民啓発活動を提唱する。

県は、いじめに関する諸課題を克服するため、県教育委員会や学校、市町村教育委員会、児童相談所、水戸地方法務局、県警察本部など関係機関(団体)で構成する「県いじめ問題対策連絡協議会」を設置。相互協力、連携を深め、いじめ根絶を目指すとしている。

救われた小さな命 交通事故被害の子猫もらって つくばの愛護団体

0
助けた子ネコの里親になってほしいと呼びかける、左から小林獣医師、坂さん、重松さん
保護された雌の日本ネコ

【橋立多美】街中や住宅地でネコがのんびり昼寝をしている風景は平和そのもの。しかし交通量が増え、不意に道路に飛び出したネコが走ってきた車とぶつかったら小さな体はひとたまりもない。

つくば市に活動拠点を置く動物愛護団体「Team.ホーリーキャット」(7月17日付)が、交通事故に遭った生後4カ月半の雌ネコの里親になってくれる人を探している。

今月中旬、同団体に「交通事故に遭った子ネコの里親さんを探してほしい」という連絡があった。連絡したのは牛久市在住の坂朋子さん(36)。

坂さんは今月6日午後4時半頃、つくばみらい市の職場から帰宅途中の市道で、前を走っていた2台が左側をよけていることに気が付いた。スピードを緩めると道路上に子ネコが座っていた。「頭が上がっているから生きている。このままでは後続車にひかれる」と思った。安全な場所に移動させようと車を停めて近づいた。

抱き上げると鼻血が流れ出て坂さんの手首を赤く染めた。ぐったりした全身は小刻みに震え、鳴くそぶりを見せたが声は聞こえなかった。置き去りにできないと助手席に乗せて動物病院に運んだ。

すぐに対応した小林獣医師は「レントゲン検査で大きな骨折は見られない、鎮痛剤で経過を見ましょう」と坂さんに告げ、1週間入院することになった。鼻血は頭をはじかれたことによるものと診断された。

入院中は仕事帰りに立ち寄り、ケージの中で痛みに耐えて頑張っている子ネコを見守った。また、飼い猫かも知れないと思い、保護した場所近くのコンビニに「子ネコを保護しています」と写真付きのチラシを貼らしてもらったが、飼い主は現れなかった。

病院での早い処置もあり、運び込んだ時は自分で歩くことができなかったが退院するときには歩行できるまでに回復した。だが体の右側を強打したことで右目を失明し、右耳の聴力と声を失った。同獣医師は「一過性の神経障害で発達途中なので回復する可能性はある」と話す。

退院後は坂さんの自宅に引き取った。ところが手乗りで遊んでいたハムスターがケージから出てこなくなった。「ハムスターは警戒心が強いそうで、手に残ったネコのにおいが影響しているかも」と肩を落とす。

先住のハムスターを優先させる決意をし、子ネコの里親を探すことにしたという。子ネコは右目が見えないとは思えないほど活発に遊びまわり、食欲旺盛だ。坂さんは「人懐こくてかわいい。やさしい里親さんの下で幸せに暮らしてほしい。でも手放す日は涙が止まらないと思う」

里親探しを依頼されたホーリーキャットの代表重松聖子さんは「後続車にひかれる前に坂さんの機敏な行動で保護され、獣医師につないだことで救われた小さな命。家族として迎えてくれる里親さんに手渡したい」と話した。同獣医師は「室内で飼育し定期的に健康チェックをしてやってほしい」と言い添えた。

◆子ネコを譲渡する里親会は明日22日(日)午後1時~4時、つばた接骨院(牛久市さくら台1丁目)。新年は1月5日(日)と19日(日)午後1時~3時、TXつくば駅前のセンター広場(つくば市吾妻)で開催。問い合わせは重松さん(電話090-8058-3129)まで。

つくば市の門脇教育長が退任 後任に森田局長

0
つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市の門脇厚司教育長(79)が任期満了に伴って24日退任し、後任に森田充市教育局長(61)が就任する。つくば市12月議会最終日の20日、教育長任命議案が追加提案され全会一致で同意された。

門脇氏は「子どもの社会力」(岩波新書)などの著書がある教育学者で、筑波大教育系教授、筑波学院大学学長、美浦村教育長などを歴任し、2016年12月につくば市教育長に就任した。就任直後は工事の遅れによる秀峰筑波義務教育学校の開校延期問題に取り組み、このほど作成された市教育大綱案の策定に尽力した。

教育長に就任する森田充氏

後任の森田氏は、県内各地の小中学校で教べんを執り、03年県県南教育事務所指導主事、08年つくば市立大曽根小校長などを務めた。13年から県教育庁義務教育課長、同学校教育部長を歴任した。県職員を定年退職後の18年4月から任期付職員として市教育局長を務めている。25日、市教育長に就任する。任期は3年間。

レジオネラ菌検出 つくば市ふれあいプラザ ジャグジー

0
つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は19日、生涯学習施設、市ふれあいプラザ(同市下岩崎)のフィットネスプール内ジャグジーから、基準値を上回るレジオネラ菌が検出されたとして、16日から利用を停止していると発表した。

市文化芸術課によると、指定管理者の常陸興業が今月6日、年2回の水質定期検査を実施したところ、休館日の16日、検査機関から「分析途中だがレジオネラ菌検出の疑いがある」旨の連絡があった。指定管理者はジャグジーとプールの利用を停止し、高濃度洗浄剤でジャグジーを清掃、配管など循環設備の清掃を実施した。

18日、検査機関から基準値(100ミリットル当たり10CFU未満)を上回る10CFUのレジオネラ菌が検出されたと口頭で報告があり、19日、検査報告書の提出があった。

ジャグジーは直径約2.5メートル、深さ約1メートル。36度から40度程度の温水で、隣接のプールで水中ウオーキングなどをした利用者が体を温めるために使用している。温水は毎日、水をすべて抜き、入れ替えている。

一方、プールからレジオネラ菌は検出されておらず、利用者から健康被害の報告もないという。

指定管理者は今後、さらに滅菌効果を高るためアルカリ洗浄などの追加清掃を行う。再度、水質検査を実施し、安全が確認でき次第再開する。

※  ※  ※

同市は2020年1月21日、再検査の結果、水質の安全が確認されたとして、22日から利用を再開すると発表した。利用停止期間中、プールとジャグジーについて、高濃度洗浄、塩素消毒、高圧洗浄などを実施し、その後の水質検査で安全が確認されたという。21日時点で健康被害の報告はない。

※CFUはコロニーの形成単位

➡レジオネラ菌に関する過去記事はこちら

2月の初午に「すみつかれ」 民俗学会若手が収集呼び掛け

0
論文誌を前に(左から)小池英治さん、容子さん夫妻と古山菜摘さん=つくば市大角豆

【相澤冬樹】「すみつかれ」あるいは「しもつかれ」は、栃木県から茨城県の一部で食べられている郷土料理。この埋もれがちの食文化を掘り起こし、採集・調査に取り組む若手が茨城民俗学会(飯村保会長)に現れた。稲敷市在住の古山菜摘さん(31)、「平成」を特集テーマに取り上げた最新の機関誌「茨城の民俗」58号に、論文「すみつかれと小池夫妻との出会い」を寄稿して、さらなる収集への協力を呼び掛けている。

古山さんによれば、「すみつかれ」は茨城県の県西・県央地域を中心に、2月の初午(はつうま)の日に食べられている料理。鬼おろしと呼ばれる道具で大根をおろし、節分の残りの炒り大豆を加え、家庭によってニンジン、油揚げ、酒粕、正月の残りの塩サケの頭などを混ぜ合わせて作る。煮込んだり、熱は加えなかったり、酢やしょう油の加え方もまちまちだ。

似たような料理に「しもつかれ」がある。栃木県内から茨城の鬼怒川流域にかけては、この名がポピュラーで、パック入りのものがスーパーで売られていたりする。さまざまな料理法を分類して、「すみつかれ」と「しもつかれ」の分布と境界を明らかにしたいと、つくば市在住の小池英治さん(46)、容子さん(43)夫妻と日本すみつかれ楽会を立ち上げた。

「しもつかれ」との分布図作る

古山さんは筑波大学芸術専門学群出身のイラストレーター。障害児を「福子」と呼びならわし、家族や周囲に「福」をもたらす存在として大事に扱ってきた地域共同体のありように興味を覚えたのがきっかけで、卒業後民俗学の世界に関心を広げた。

そんなとき出会ったのが小池さん夫妻。毎月つくば市大角豆でコミュニティーマーケット「まめいち」を開催している。東北出身の夫妻はかつて居住していた下妻市(旧千代川村)の農家ですみつかれに出合い、カルチャーショックを受けたそうだ。つくばに移って自分で作るようになり、古本市の打ち上げに持ち込んだところ、同席していた古山さんが目を丸くした。「これは何だ!」、正直おいしいとは思わなかったが、衝撃的だったという。

「茨城の民俗」を手に古山菜摘さん

古山さんは今春、民俗学会に入会。最年少の会員には、8月締め切りの機関誌に用いるイラストの作成と特集「平成」の原稿を書くよう注文が届いた。時間がないことから「すみつかれ」をテーマに選んだが、内容は小池英治さんが収集した記録がベースとなった。それらを食材や調理法によって再整理し、分布を地図上に配置して体系化してみた。

今回収集できたのは宇都宮市(栃木県)の2点と茨城県内8点。つくば市や土浦市、石岡市に分布したが料理に明らかな地域特性は認められなかった。英治さんは「民俗学的アプローチは、疑問はふくらむけど結論が導き出されることはない。ひたすら聞き取りを続け収集するのが大事になる」と励まし、古山さんに続報の執筆を求めた。

来年2月に「サミット」開催

新年の初午は2月9日。「まめいち」では2月16日に、6回目となる「すみつかれサミット」を開催する。すみつかれ楽会は、食べ比べ企画を拡大したい考えで、新たな参加や情報提供を求めている。古山さんは「今度は自分で作ってみたい」と意欲的だ。

◆茨城民俗学会は電話029-350-3310

東郷元都市整備部長を提案へ 土浦市副市長

0
土浦市役所

【鈴木宏子】土浦市議会全員協議会が18日開かれ、空席となっている副市長人事について安藤真理子市長は、元市都市整備部長の東郷和男氏(64)を提案することを明らかにした。12月議会最終日の24日、追加議案として提案し同意を求める。

東郷氏は、市職員を定年退職後、市産業文化事業団常務理事を歴任した。

全協で安藤市長は、土浦市は、財政再建、インフラ整備、地域産業の活性化、農業の振興など多くの課題に直面している。独自性を発揮したまちづくりが求められるなどとして東郷氏が適任だと強調した。

同市では中川清前市長と共に市政を担ってきた五頭英明副市長が、中川氏の任期満了に合わせて退任し、副市長が空席となっていた。

一方、11月の市長選では最大会派の郁政会と公明党が中川前市長を応援した。副市長人事について郁政会の内田卓男代表は取材に対し「大変いい人材だと思う」と話している。

➡土浦市議会の過去記事はこちら

公約実現へ道筋語る 土浦市議会で安藤新市長

0
会派代表質問に答える安藤真理子市長(手前)=16日、土浦市議会

【鈴木宏子】土浦市で市長交代後、初の市議会が始まっている。16日、会派代表質問が行われ、安藤真理子市長は公約実現への道筋を語った。

同12月議会は10日開会し、安藤市長は、公約に掲げた七つの基本政策を改めて述べ「すべての市民に寄り添った、暮らし満足度ナンバーワンの温かさあふれる市政の実現に取り組む」と所信を表明した。

これを受けて16日、会派代表質問が行われ、安藤市長は、選挙戦で公約に掲げた①コミュニティバスを市内全域運行する②市立保育所を守る③指定ごみ袋の料金を再考する―などについて、自らの考えと公約実現に向けた道筋を話した。

コミュニティバス運行へ、来年度から調査

コミュニティバスについては、NPOが現在、中心市街地で運行している「キララちゃんバス」ということではなく、新たなコミュニティ交通または民間のバス事業者により、公共交通不便地域を解消していきたいと改めて強調した。実現への道筋については、来年度から課題や問題点を調査するとした。さらに運行区域や路線の検討など市全体の公共交通ネットワークについて調査研究し、市民に寄り添った温かさあふれる公共交通網の形成に向け努力すると述べた。運行の予算や財源については、利用者、事業者、学識経験者などで構成する市地域公共交通活性化協議会で協議を進める中で具体的にしていくとした。

後期計画の4公立保育所「残したい」

公立保育所10カ所については、前期計画で21年3月までに6園を民営化し、後期計画で残り4園を25年度までに民営化の対象とするとされていた。これに対し安藤市長は「近年、家庭の養育機能の低下や虐待児童の増加、子供の貧困、特別な支援を必要とする子供への対応が課題となっており、公立は長年培ってきた保育のノウハウを生かして先導的な役割を担うことができる」とし、後期計画の4園について「後期計画策定時には学識経験者や保護者などの意見を聞きながら民営化の効果や課題について検証し、ぜひ公立保育所を残したい」と述べ、後期計画で対象となる神立、霞ケ岡、天川、荒川沖の4保育所を公立のまま残す検討の対象とする意向を示した。

有料ごみ袋料金、検証し再考

家庭ごみ処理の有料化が昨年10月スタートし、「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」の指定ごみ袋が最大で10枚入り500円と、県内市町村で最も高くなったごみ袋料金については、「有料化はやむを得ない」と述べる一方、「同じ有料化を実施している県内他市に比べて高いという意見をいろいろな市民から聞いている」とし、今後データや資料をとりまとめて様々なアイデアを出しながら、現在の制度の実施状況や効果を検証して、ごみ袋の値段をいくらにできるのか再考に取り組みたいと述べた。

ほかに公約に掲げた新治運動公園多目的グラウンドの人工芝化については、グラウンド全面に人工芝を張る場合は約4億3000万円、少年サッカー用ピッチ3面分の場合、約2億7000万円の事業費が見込まれているとし、財政健全化を推進しながら整備手法や維持管理経費を改めて検討し、市サッカー協会などの意見も参考に早期に実現したいと話した。

一部用地取得ができず塩漬けとなっている常名(ひたな)運動公園問題についても質問が出た。安藤市長は、今後も引き続き「早期解決に向け用地交渉に取り組んでいく」と答弁し、運動公園から新たな土地利用計画への変更についても「考えてない」とした。同運動公園は27年前の1992年から事業着手し、これまで計画面積23ヘクタールのうち93%の21.7ヘクタールを利子も含めて約77億8800万円で取得した。残り1.58ヘクタールの取得が難航し未買収地が点在しているため面的整備ができないまま現在に至っている。

➡土浦市長選の過去記事はこちら

“見えない”多様性を可視化 筑波大でセクシュアル・マイノリティの写真展

0
展示会の様子=筑波大学附属図書館

【山口和紀】LGBTなどセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の多彩な人物像を撮影するプロジェクト「OUT IN JAPAN(アウトインジャパン)」の写真展が16日から筑波大学附属図書館(つくば市天王台)で始まった。様々な写真家が5年間で1万人を撮影するプロジェクトで、同大では、これまで撮影された中から、シンガポール出身の著名写真家、レスリー・キーが撮影した30点が展示されている。

尊重し学び合える大学へ

写真展をとりまとめるのは同大人間系の河野禎之助教だ。大学のセクシュアリティ支援窓口・DACセンターの担当教員でもある。同大は2017年、全国の大学に先駆け、セクシュアル・マイノリティへの相談・支援体制などをまとめ「LGBTに関する筑波大学の基本理念と対応ガイドライン」として公表した。河野助教はこのガイドラインの策定を中心的に進めるなど、大学における相談・支援体制を充実させることの必要性を訴えてきた。

同大は2017年からさらに、性別、国籍、文化の違い、年齢、障害の有無にかかわらず、人の可能性と多様性を尊重し、学び合える大学を目指すために多様性に関する啓発イベントを行ってきた。過去には、誰もが楽しめるスポーツ「ボッチャ」の体験会や、「人工知能研究からみた身体障害者支援の未来」と題したイベントが行われた。

今年度は、同性が好きな人や自分の性に違和感を覚える人を含む「セクシュアル・マイノリティ」に焦点を当てた写真展のほか、LGBTに関する座談会「LGBTQA茨城県人会議@つくば」を開催する。

「泣きそうな気持ちになった」

OUT IN JAPANは「目に見えないLGBTの存在をポジティブに可視化」するプロジェクトだ。日本のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)を始めとするセクシュアル・マイノリティのありのままの姿を撮影する。NPO法人グッド・エイジング・エールズが主催をしており、これまで20回の撮影会が行われた。

開催について河野助教は「自分は当事者を知らないと話す学生はすごく多い」ことに触れた上で「セクシュアル・マイノリティを含む多様な生き方を知ってもらうことが目的」と話す。多くの人の目に触れる展示会は関心の薄い人たちにも伝えることができる良い機会だという。

今回はセクシュアル・マイノリティに焦点を当てるが、あくまでも「多様性」に触れて、それぞれに考えるきっかけを作ることが狙いだ。「一人ひとりにそれぞれの生き方がある。展示されている写真のメッセージを見てもらえば、同じセクシュアル・マイノリティといっても、全ての人が違う生き方を持っていることを感じてもらえるはずだ」と語る。

同大に展示されている写真にはそれぞれ被写体からのメッセージがついており「無理にカミングアウトをする必要はない」「自分の人生を生きてください」など思いの伝わる写真が並ぶ。

展示を見た学生は「実際にメッセージを読むと泣きそうな気持ちになった。セクシュアル・マイノリティが身近にいるありふれた存在だと知ってもらえたらうれしい」「OUT IN JAPANを初めて知った。良い活動だと思うし勉強になった」などと話していた。

◆展示会は16日(月)~20日(金)の1週間、つくば市天王台、筑波大学附属図書館2F展示スペースで開催されている。入場無料。図書館のカウンターで受け付けを行えば一般市民も観覧できる。

会場ではセクシュアル・マイノリティに関する書籍も展示されている=同

無ろ過で元年デビュー果たす つくば産ワイン限定500本

0
ワイナリーだからできるという「無ろ過ワイン」の販売が始まったつくばワイナリー=つくば市北条

【相澤冬樹】筑波山麓で今秋収穫されたブドウを使い、初めて現地醸造されたワインが15日、店頭デビューした。つくば市北条でワイン用ブドウを栽培してきたカドヤカンパニー(本社・小美玉市、岡崎正光社長)が製造・直売するもので、今回は無ろ過のロゼワインを「TSUKUBA PRIMO(ツクバプリモ)」と銘打ち、500本限定で売り出した。

無ろ過ワインは、製造時に混入する不純物を除去することなくそのまま販売するもので、「いわゆる澱(おり)が残っており、それが風味にも雑味にもなり、扱いが難しいワイン」(北村工マネージャー)だそう。当初は年明け以降、正規品での販売を予定していたが、引き合いが増え、無ろ過でも出来のいいワインに仕上がったことから、暮れの需要期に合わせ販売に踏み切った。

同社はこの秋、同所に醸造所と売店からなる施設、ワイナリーを開設して、つくば産ブドウ100%を使ったワイン製造を開始した。今秋収穫したブドウは15トン、720ミリリットル換算で1万5000本を製造・販売する計画だった。

コルク栓でなく器械栓で売り出される「TSUKUBA-PRIMO」

発酵・熟成のためのタンク1基を開封し、500本の瓶詰めを終えた。封入はコルク栓でなく器械(気開)栓を用い、ワイナリー直売品らしさを打ち出している。帯ラベルには「日本ワイン」「材料/ブドウ(つくば産)」の表示が誇らしげに入っている。720ミリリットル入り2500円(税別)。

SNSなどで情報を伝え聞いたワイン党が早速ワイナリーに駆けつけ、2本、3本と買い求める姿があった。筑西市から来たという会社員(27)は「偶然通りがかったら売り出しているのを知った。お歳暮用に買い求め、自分用に買い足した」そうだ。

岡崎洋司専務は「この勢いだと限定500本は1週間とかからず売り切れそう。正規のワインは年明け以降、準備を本格化させ、2月には売り出せると思う。楽しみにしてほしい」という。

➡つくば産ワインの過去記事はこちら

【筑波大、26年ぶりの箱根路】㊦ 最後の壁「意識の差」乗り越える

0
箱根駅伝にエントリーした筑波大チームのメンバー=11日、筑波大学陸上競技場

【池田充雄】箱根への最後の壁となったのは、選手たちの本気度だった。6月下旬、全日本大学駅伝の関東地区予選会が開かれたが、その中に筑波大の名前はなかった。予選会の参加枠20校に入れなかったのだ。だが選手たちには悔しさを見せる様子もなかったという。弘山勉監督は「本気でやらないなら、自分が教える必要はない」と迫り、そこから選手たち自身による意識改革が始まった。

アクションを起こしたのは上迫彬岳主務。「5月からプレーイングマネージャーとして、少し離れたところからチームを見る中で、不足を感じる部分があった」という。選手一人ひとりから匿名で意見を募り、パワーポイント資料にまとめ、ミーティングで問題提起した。

「入学したときは本気で箱根を目指していた選手たちが、いつの間にか、国立であることを負ける言い訳にし始めていた。他の大学では自分たちより実績ある選手が、より恵まれた環境で、より一生懸命練習している。それに自分たちは本当に勝てるのか。箱根に出るためにどれだけのことを犠牲にし、どれだけ苦しい思いをする覚悟があるのか。その部分を確認したかった」

共同会見で話す大土手嵩主将㊧と上迫彬岳主務=11日、筑波大学

100%で打ち込むチームへ

大土手嵩主将は「上迫が中心になって動いてくれて、それぞれの競技に向き合う理由や、練習に取り組む意識など、全員の考えに触れられた。考えが甘かったと気付かされた」と感謝の言葉を述べる。

トラック種目を捨てて箱根一本に絞るのか、学業や就職に重きを置くのか。そうした自問自答の末、結果的に駅伝から離れる部員もいたが、チームの結束はかえって強まった。監督や主要メンバーによるミーティングを定期的に行い、強化方針や練習の意図、流れなどを話し合うほか、チーム内でも互いに改善点を指摘し合うなど、横の風通しも良くなった。

「今の3年は各自が責任を持って、能動的にチームを引っ張っていこうとする者が増えた。データ班やエントリー班、SNS班など、それぞれが自分のできる仕事を見つけて動いてくれる。やっとこういう体制が作れた」と、前年の駅伝主将だった川瀬宙夢は話す。

成功体験が与えた心身の充実

生まれ変わったチームは、夏合宿を経て着実に成長を重ね、10月の予選会を6位という予想以上の成績で突破。11月の1万メートル記録会でも、各選手がこぞって自己新を更新した。12月10日にはエントリーメンバーが確定し、本選まで残り3週間と迫る中、最後の追い込みをかける。

「夏合宿で順調に強くなっている感覚があり、それが予選会で確信に変わった。自分たちのやってきたことは間違っていなかったと、今は自信を持って練習に取り組めている。あとはけがや体調不良を出さないよう、細かいところを詰めるだけ」と大土手主将。

「予選会を勝ち抜いたことで、選手には大きな目標を成し遂げたという達成感が生まれている。この充実した気持ちの中でいかに本選を目指せるかがカギ。競技レベルに対し、体だけでなく心が追いつくことが肝心で、それにより調子を上げ、戦うパフォーマンスを発揮できる」と弘山監督。

目標は、翌年のシード権を獲得できる10位以内。復活から新しい伝統の創造へと、夢舞台での挑戦は続く。(おわり)

【筑波大、26年ぶりの箱根路】㊤ 伝統校復活へ 私学に迫る強化策

0
夜更けまで練習に励む男子駅伝チーム=11日、筑波大学陸上競技場

【池田充雄】筑波大学陸上競技部が、来年1月2、3日に開かれる第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に、26年ぶり61回目の出場を決めた。筑波大の前身である東京高等師範学校は、箱根駅伝の創始者として知られる“いだてん”金栗四三の母校で、1920年の第1回大会の優勝校でもある。だが近年は私大勢に押され、四半世紀も出場が途絶えていた。名門復活はいかにして成し遂げられたのか。

選手を見守る弘山勉監督

大会100年の節目に復活

悲願が成就したのは10月26日の予選会。参加34校から各12人がハーフマラソンを走り、上位10人の合計タイムで競う。10位以内なら本選出場となるが、これに筑波大は6位というサプライズ。弘山勉監督は「チームを箱根に引き戻すことができた。100年目の大会での復活は感慨深い。監督という立場を超え、OBとして純粋にうれしい」と語る。

箱根駅伝への出場自体は94年の第70回大会以来だが、このときは記念大会として予選会11位まで出場枠が拡大された結果。自力で勝ち取った出場権となると、弘山監督が選手として走った89年の第65回大会にまでさかのぼる。

筑波大は2011年に「箱根駅伝復活プロジェクト」をスタート。15年に弘山監督を迎え、以来5年間で予選会の成績は毎年アップ、今回の快挙につながった。ライバルとなる私大各校とは資金力、選手力、練習量などで大きな差があったはずだが、それらをどう克服していったのか。

環境改善へクラウドファンディング

まずは資金力の問題。国公立大学では私立大のような潤沢な強化費は望みようもない。そこで16年からクラウドファンディングを開始。得られた支援金を練習のサポートや食住環境の整備に充ててきた。「予想以上の反響に驚いている。これだけ多くの人に期待されているということ。お金がないと得られない環境はあるので、うまく力に変えていきたい」と弘山監督。

一例が、選手アパートでの食事の改善だ。以前は選手が回り持ちで調理当番をしていたが、そのため練習を早上がりしなくてはならず、体のケアもままならなかった。今は夕食を管理栄養士に任せ、選手のストレスが軽減。メニューの種類やバランスも向上している。

「合宿でも20人が行くと1回で100万円からかかる。それらを補助してもらえるのは大きい。私学との環境の差はどれくらいあるか分からないが、確実に縮まっていると思う」と上迫彬岳主務。

「勉強も箱根も狙える」大学

選手力の差を縮めたのは「復活プロジェクト」の影響が大きい。箱根を本気で目指せる大学という認知が広がり、入学してくる選手のレベルも高まった。「勉強も駅伝も続けられる大学。プロジェクトに引かれ、筑波で箱根を目指そうと入学した」と話す大土手嵩主将(3年)もその一人だ。医学群の川瀬宙夢(5年)は解剖実習や病院実習をこなしながら、猿橋拓己(3年)は理工学群で都市計画を学びながら、チームの主力として箱根に挑む。

金丸逸樹(4年、諫早高)や、相馬崇史(3年、佐久長聖高)ら、高校駅伝の名門校の出身者も増えた。「箱根を走るような高いレベルを知っている選手が今の世代にはそろった。それだけに、箱根と自分たちとの距離感もよく分かっている」と上迫主務。

選手層だけでなく指導陣も手厚くなった。一昨年までは弘山監督が一人で練習から渉外、広報まで全部こなしていたが、今はアシスタントコーチらが付き、選手の状態を逐次把握している。

これらの成果が出始め、弘山監督は「今年は明らかにチャンスの年」と手応えを感じていた。1月の第95回箱根駅伝では、相馬が関東学連の一員として5区を走り、その姿を見た選手たちの間にも「ここで自分たちのタスキをつなぎたい」との機運が高まった。だが、実際に戦えるチームになるまでには、まだ大きな壁もあった。(㊦に続く)

13日からミツバチサミット つくば国際会議場で3日間

0
ミツバチサミット実行委員長の横井智之筑波大学助教

【相澤冬樹】2年ぶり2回目となるミツバチサミット2019が13~15の3日間、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれる。主催は同サミット実行委員会(委員長・横井智之筑波大学助教)。「環境・食の未来を考える」をテーマに、ミツバチに関わる研究発表や情報交流のワークショップがあり、展示や販売も行われる。

横井実行委員長(40)は「ミツバチは産業になったり趣味になったり、生態が様々に解き明かされてきた。これからの環境と食を考えるうえでも興味深い生き物といえる。専門家たちの情報交換にとどまることなく、特に高校生や子供たちに魅力的なミツバチの世界に触れてほしい」という。

第1回の会場風景=2017年11月、筑波大学

2017年開催の第1回は筑波大学構内で2日間の開催だったが、延べ1000人近い参加者を集めた。今回は会期を1日延長し、つくば駅にほど近い国際会議場に会場を移した。茨城、つくばが特にミツバチや蜂蜜の産地というわけではないが、同大学や農研機構などあるつくばは研究者らが交流しやすい条件だった。

研究発表や「蜜蜂と遠雷」朗読会も

前回はセイヨウミツバチ、ニホンミツバチの養蜂関係者の姿が目立ち、飼養に関わる知識や技術情報の交換に多くの人だかりができた。今回は有料エリアを4つに区分して、「参加者の興味に応じて立ち寄れる構成にした」そう。①キッズ(子供たち向けのサイエンスカフェなど)②サイエンス(シンポジウムやポスターセッションなど研究発表を中心)③フェスタ(セミナーやワークショップなどイベント企画)④プロフェッショナル(農家や養蜂家に役立つ講習会など)の-4エリア。

日程を追うと、13日午後が基調講演「日本のミツバチ・研究・養蜂環境:最近の動向」佐々木正己さん(玉川大学名誉教授)の後、5つのシンポジウムが開かれる。全ゲノムが解読されたミツバチの“設計図”を読み解くなどがテーマだ。

14日には午後から特別講演「農薬の生態リスク評価最前線」五箇公一さん(国立環境研究所)の後、全国から集まった高校生、大学生による研究発表「全国学生養蜂サミット2019」がある。元NHKアナウンサー岩井正さんらが恩田陸著「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎刊)などを読む朗読会(入場無料、先着50人、整理券配布)も予定されている。

15日は午前中、つくば養蜂研究会などによる第1回ニホンミツバチの会全国大会「ミツバチ保護活動を考える」など。3日間で10のシンポジウム、50のポスター発表が予定されている。

入場料は高校生以下無料、一般は1日券1500円、3日券3000円(税込み)。蜂蜜や蜂蜜酒を販売するマルシェやブックカフェなど無料エリアも設けられる。イベント等詳しくは公式ホームページで。

➡ミツバチサミット既報はこちら

地元団体が観光案内所オープン つくば市小田の空き店舗に

0
観光案内所「TAMARIBAR」を運営する(左から)ツックラの副代表で米国出身のコーツ・アンさん、代表の大類裕幸さん、副代表の磯山茂さんら=開店準備中の店内

【鈴木宏子】小田城跡や宝篋山(ほうきょうさん)に近いつくば市小田の旧市街地に15日、地元団体が運営する観光案内所「TAMARIBAR(タマリバ)」がオープンする。

空き店舗を改装し、地元産食材を使った軽食を提供したり、地元野菜や加工品を販売したり、観光案内をする。イベントを開催したり、土産品を開発したり、移住希望者向けに空き家の紹介をしたり、月に1度はこども食堂も開催する予定だ。

古民家の再生に携わってきた地元在住の建築士、大類裕幸さん(69)が代表を務める住民団体「TSUKKURA(ツックラ)」(NPO法人申請手続き中)が運営する。同会は、つくばで歴史や文化、自然を生かした暮らしを楽しむことを手助けしようと2018年に発足し、これまで筑波山麓の古民家でジャズライブなどを開催してきた。

空き店舗が増え、地元住民同士が交流する場だった店先がだんだん少なくなっていることから、人やものが集まり、語らいが生まれる場をつくりたいと、新たに住民同士が交流したり、観光客に地元情報を発信する観光案内所をつくる。

2011年に閉店した旧磯山商店の1階約40平方メートルを改装してオープンする。同店は雑貨と電気製品を販売し、駄菓子なども扱っていたため、かつては地域の子供たちのたまり場だったという。

開店準備をするスタッフ=9日、つくば市小田

大類さんが、同店3代目の磯山茂さん(66)に声を掛け、「地域のためになるならば」と磯山さんが応じた。大類さん、磯山さんなど小田地区の住民を中心に計約20人のメンバーで運営に当たる。

店の奥にある和室も開放し、地域のお年寄りや子供たちにも自由に出入りしてもらって、地域のたまり場になることを目指す。観光ガイドの養成にも取り組み、登山客や観光客、サイクリストを対象に、地元の宝篋山の登山コースを案内したり、中世の城跡がある小田地区の街歩きスポットを紹介などする。

大類さんは「子供がいて、お年寄りがいるたまり場をつくりたい。山登りの帰りに寄ってくれる人がいたり、いつでもだれか人がいる場所になってくれればいい。そのためのイベントも開催して長く続けられるようにしたい」と話す。

◆TAMARIBAR つくば市小田3094-2 土曜、日曜、祝日のみ開店。時間は午前8時~午後3時。