日曜日, 11月 8, 2026
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閣僚声明を採択し閉幕 つくば開催のG20会合

【相澤冬樹】つくば市で開かれた20カ国・地域(G20)貿易・デジタル経済相会合は9日、デジタル経済分野と貿易分野をまとめた閣僚声明を採択し閉幕した。世界貿易機関(WTO)改革の在り方や、米中が追加関税の応酬を繰り広げる中で、保護主義への対応について議論がなされた。世耕弘成経産相は「意見一致を見なかった点で議長声明を追加したが、ほとんどの点で合意にもとづく閣僚声明に至った」と成果を強調した。

議長を務めた河野太郎外相、世耕経産相、石田真敏総務相の3閣僚は採択後、会場となったつくば国際会議場で会見した。世界経済の成長を鈍化させる貿易摩擦で、WTOの紛争解決制度がうまく機能していないことが問題をこじらせている。米国とEU(ヨーロッパ連合)との間で意見が対立しており、最近では韓国による水産物の輸入禁止措置をめぐってWTO上級委員会で日本の主張が退けられた―などを背景に、G20は「切迫感をもって」その改革の必要性で一致したという。

保護主義への不公平感は表明されたものの、あくまで「ルールに基づく解決」が望まれた。「貿易と投資の便益が十分に行き渡っていない中小企業や女性たちが参画してこそSDGs(持続可能な開発目標)がいきる」(河野外相)、「人間中心の考え方に立つ『AI原則』で合意できたが、開発や利活用がもたらす生産性向上という果実を十分に行き渡らせることが重要」(石田総務相)などの点でも合意がみられた。

声明に文言こそなかったものの、河野外相は「地元の食材でもてなしていただいた茨城県に感謝」を表明した。「震災から8年、その安全性は確認されているのに、茨城産を含む海産物を依然規制する国がある。その解除に向けて働きかけていきたい」と述べた。

同じく議長会見で、石田総務相は「つくばの高校生のプレゼンテーションに感動した」と並木中等教育学校生徒の提言を記憶にとどめ、28,29日開催の大阪サミットにつなげていきたいとした。

1000人規模がつくばに

会期中、20カ国の閣僚のほか、招待国や国際機関の代表、メディアなど1000人規模の参加者がつくば市を訪れた。夜には歓迎レセプションやカクテルパーティーが開かれ、茨城県産の食材をつかった料理や日本酒などがふるまわれた。

各国の閣僚らによる市内視察も行われ、ロボットスーツを開発する筑波大発の企業サイバーダインやJAXAつくば宇宙センターなどを訪れた。

➡7日の歓迎レセプションの記事はこちら

2日間、つくば市で開かれたG20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合を写真で振り返った。

歓迎レセプションであいさつする五十嵐立青つくば市長㊧と大井川和彦茨城県知事=7日夜、オークラフロンティアホテルつくば
8日午前開かれたデジタル経済セッションで、子ども食堂でボランティアをした経験をもとに、ドローンとAI(人工知能)、次世代交通システム「ハイパーループ」の技術を使って、貧困に直面する世界の子どもたちに新鮮な食材を届ける「もったいないシステム」の提案をする並木中等教育学校の高校2年生6人=8日午前11時50分ごろ、つくば国際会議場
デジタル経済・貿易合同会合後、閣僚らが整列して記念撮影=8日午後、同
閣僚らが保護主義への懸念を表明した貿易セッション=9日、同
会期中、会場のつくば国際会議場は緑色のフェンスに囲まれ、警察官や警備員らによって出入りが厳しく制限された=8日昼頃、つくば国際会議場の竹園公園に面した出入口付近
会場周辺の通行を規制する警察官=8日午後1時ごろ、つくば市竹園、つくば国際会議場隣接のオークラフロンティアホテルつくばエポカル前交差点
「たった20カ国で世界を引き回すな」などと訴え大臣会合開催に反対するデモ行進もあった=8日午後4時30分ごろ、つくば市春日

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