金曜日, 2月 13, 2026
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《宍塚の里山》61 環境省のモニタリング1000調査

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生物相調査風景

【コラム・及川ひろみ】日本は、亜寒帯から亜熱帯にまたがる大小の島々からなり、屈曲に富んだ海岸線と起伏の多い山岳など、変化に富んだ地形や、各地の気候風土に育まれた多様な動植物相が見られます。

多様な生態系(高山帯・森林草原・里地里山・湖沼・砂浜・磯藻場干潟・サンゴ礁・島嶼)のそれぞれについて、環境省では全国1000カ所程度のモニタリングサイトを設け、基礎的な環境情報の収集を長期にわたって(100年)継続し、日本の自然環境の質的・量的な劣化を早期に把握することを目的に調査を行っています。

調査は記録を残すことだけが目的ではありません。結果を生かすことこそが大切なのではと、われわれは環境省のシンポジウムで質問しました。変化を捉えたなら、素早く保全に生かすことが調査の目的ではないかと主張しました。(環境省のHPには調査の目的に保全に生かすとは書かれていないことが残念です)

モニタリング調査を行う環境省の方針のもと、里地里山の調査内容について、日本自然保護協会が専門家、市民2団体と調査・検討を開始したのは2003年のことです。昆虫・植物・土壌・動物・水質などの調査項目が挙がる中、生態系を捉える上で、昆虫より上位に位置する動物の調査が必要だと提案した結果、アカガエルの卵塊調査、哺乳動物調査の項目が入り、試行錯誤をしながら、調査を開始しました。

より正確に里山の自然環境を把握

環境省は里地里山モニタリング調査を、当初、専門家に委託することを考えていました。しかし、身近な自然環境である里地里山調査は、年数回やって来る専門家による調査より、専門性を持った市民が足しげく通って調査する方が、より正確な里山の自然環境の把握ができるのではないか―と思い、(公財)日本自然保護協会と当会が2006年2月、モニタリングシンポジウムを土浦市民会館で開催しました。

そのとき、環境省「モニタリング1000」担当者を前に、これまで行ってきた市民調査を発表した結果、里地里山モニタリング調査は市民団体が行うことになり、その取りまとめを日本自然保護協会が行うという、現在の体制が確立しました。

市民調査と言っても、モニタリング調査に求められることは、正確さと全国一律の方法で実施することです。専門家が各サイトに出かけ、調査の正確さと手法(マニュアル)の指導を行うことで、この問題を解決しました。

われわれの会は、里地里山コアサイトとして、生物相調査(毎月)、アカガエルの卵塊(1~4月)、野鳥(繁殖期・越冬期)、中型哺乳類(5~10月)、カヤネズミ(6月・11月)、チョウルートセンサス(4~11月)、水質(年4回)―の調査を行っています。(宍塚の自然と歴史の会代表)

校舎増築を検討 教室不足のつくば特別支援学校

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県立つくば特別支援学校=つくば市玉取

【山崎実】特別支援学校の過密問題と教室不足対策が県議会などで議論されている。この問題に直面しているのが、人口急増地域に立地するつくば特別支援学校(つくば市玉取)だ。

同校は主に知的障害の子供たちが通う土浦特別支援学校の過密解消と、肢体不自由の子供たちが通う下妻特別支援学校の通学負担軽減を図るため、2007年4月、県内初の知肢併設型特別支援学校として開校した。

しかしその後、少子化傾向の中にあっても、特別支援学校の児童生徒数は増加。特に増加が著しく、過密状態のつくば特別支援学校は、2017年度に28教室が不足した。

2019年4月に石岡特別支援学校が開校したのに併せ通学区域を変更。急場をしのいできたが、しかしそれでも普通教室の不足が生じている。

5年後の2024年度ピーク

このため現在、一つの普通教室を仕切って二つに分けて使用したり、実習室などの特別教室を普通教室に転用するなどの措置を講じているが、今後、児童生徒数がピークを迎えると推計される5年後の2024年度には、不足教室が約17教室生じる見込みになるという。

このままではいつまでも問題は解決しない。県は特別支援学校の全県的な抜本的対策の検討に乗り出し、今年2月、県立特別支援学校教育環境整備計画を策定した。つくば特別支援学校は、近隣の用地取得を含め、校舎の増築など施設の拡充を検討するとしている。

つくば特別支援学校の教室不足対策は、整備計画の中でも優先度が高い。そこで県は、「児童生徒にとって学習しやすい環境を最優先に、防災の観点やスクールバスの動線、駐車場の確保など施設の配置を踏まえながら、教室不足の解消に向け校舎の増築を進めていく」(教育庁)方針だ。

増築にかかる必要な土地調査や、具体的な設計はこれからだが、「教育現場の意見を積極的に取り入れ、知的障害、肢体不自由の子どもたちが利用しやすい施設となるよう努力していく」(同)と議会答弁で約束した。

《ひょうたんの眼》26 10万円給付は手付金

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馬酔木の新芽

【コラム・高橋恵一】政府は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対策として、やっと国民1人当たり10万円を支給することにした。経済対策というより、生活不安を和らげる意味合いの方が強いであろう。感染拡大と外出「自粛」によって、国民は極度の多重不安にさらされている。

中国での新型コロナウイルス感染症の発生と、それに続く武漢封鎖が1月中旬。さらに、感染拡大が中国周辺だけでなく、ヨーロッパにまで一気に広がったことには、驚いた。

日本で最初に感染者が出てから3カ月。報道によると、感染拡大を受けて、台湾や韓国は、検査の徹底により、どうやら危機は乗り越えた。欧州では、イギリスが賃金の80%保証、スイスの現金給付などにより、徹底した外出規制と国民の生活不安緩和を手早く措置しているように見える。ドイツは、隣国の患者まで引き受けるほどに万全な医療体制を組んだようだ。早々と。

新型コロナの感染拡大は、地震や津波、大空襲などによる都市の壊滅的な破壊と同じような状態になろうとしているのだ。日本は、世界の動きを横目に見ながら愚図愚図(ぐずぐず)としていて、現時点での具体的な対策は、各戸2枚の布マスク配布着手と、補償もはっきりしないままの外出自粛要請だけなのだ。

先ず、さっさと10万円を支給する。国民に一口水を飲んで貰って、落ち着きを促し、広範な休業補償、生活保障をすることを宣言して、新型コロナの感染拡大を抑え込むべきだ。

連休中に各人の口座に振り込め

10万円は、国が国民の命と生活を守り抜く決意の手付金みたいなものだ。だから、スピードが肝心だ。東日本大震災の津波被害を受けた北茨城市では、被害世帯の当座をしのぐために、市が保証して銀行を巻き込み10万円の緊急無利子融資を実施した。危機管理の好例である。

選挙の投票券のように、予算成立の時には、給付金申請の用紙が届いていてよい。実務は市町村だろうから、市役所は連休前半を稼働してもらって、連休を後ろ倒しにしてもらう。金融機関も、だ。どうせ、連休後も外出自粛は続けざるを得ないだろうが、連休中には、各人の口座に振り込まれていて欲しい。

10万円一律支給で13兆円くらい必要になる。今後の追加対策で、真水で100兆円を超えるかもしれない。財源は、国債発行になり、その面から慎重意見がある。しかし、日本は下手な経済財政運営で、すでに1100兆円、GDPの2年分に相当する国債を抱え込んでいるのだから、2カ月分増えるだけである。

経済政策として、「ベーシックインカム」を確保するという個人消費創出先行の考え方があり、すでに取り組んでいる国もある。供給側を優遇して内部留保と格差が拡大する、現代資本主義の見直しが模索されているこのタイミングに、今回の経済対策は、将来の経済政策のヒントになるかもしれない。(元茨城県生活環境部長)

市営駐車場が一斉閉鎖 筑波山中腹

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閉鎖された筑波山中腹の市営駐車場=22日

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大により、知事による休業要請がテーマパークや商業施設などにまで大幅に拡大された22日、つくば市の観光の中心地、筑波山では、中腹の市営駐車場4カ所(計約470台)が一斉に閉鎖された。閉鎖期間は5月6日まで。

市観光推進課によると、緊急事態宣言が出された後も筑波山には県外ナンバーの車が多く来ていたことから、不要不急の外出自粛に協力してもらうため閉鎖に踏み切った。

市に対しては、観光業者関係者などから「筑波山に県外ナンバーの車がたくさん来ていて感染リスクが気になる」などの声が寄せられていたという。18日、同課が市営駐車場を利用する車を調べたところ、半数が首都圏などの県外ナンバーだった。

土産品店も一斉休業

土産品店などが一斉に休業し閑散とした筑波山神社門前通り=22日

駐車場の閉鎖と同時に、筑波山神社門前通りの土産品店や飲食店などは22日、一斉に休業し、閑散とした。

市は前日の21日付けで、筑波山中腹のホテルや旅館、土産品店、飲食店などの観光業者約40数件すべてに、新型コロナウイルス感染防止に向けさらなる配慮を求める通知を出した。市営駐車場の閉鎖と市の通知を受けて、土産品店などが一斉休業した形だ。

筑波山ケーブルカー宮脇駅近くで土産品店を経営する女性は「3月までは、山は(3密ではないので)大丈夫だろうと来る人がいたが、4月に入って緊急事態宣言が出された後はそれもなくなり、人出は10分の1になった。この先どうなるか不安」だと話していた。

筑波山の麓にある犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」も、県と市の休業要請を受けて22日から5月6日まで休業となった。

筑波山つつじケ丘駐車場は22日時点で利用できるが、県道路公社によると、今後閉鎖するかどうか検討しているという。

《県南の食生活》12 ミーコ(水路)の恵み

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現在(2019年)の田んぼの様子

【コラム・古家晴美】新緑が鮮やかな季節となってまいりましたが、新型コロナウィルスの影響で、おうちにこもって仕事や勉強をされている方もいらっしゃると思います。例年、ゴールデンウィーク前後になると、田植えをされている光景が見受けられますが、今回は田んぼや周辺の水路から頂戴(ちょうだい)してきた恵みについてです。

昭和30年ごろまでは、子供たちは夜になるとかがり火を持ち、まだ苗が植えられていない田んぼへやって来て、棒の先に針をつけた道具でドジョウを捕まえるドジョウブチをしていました。この時期はフナやコイの産卵期(ノッコミ)で、大人たちは産卵のために霞ケ浦から水路に上って来たノボリブナの魚群を玉網(たまあみ)で獲りますが、子供たちは川をせき止めて水を汲み出して魚を獲るカワボシ(カッポシ)を行っていました。

また、平成の初めごろまでは、5月に入ると、霞ケ浦の手前の堀に3~4メートルのシド(袋網)を張ったり、突きヤスを持って毎晩のように魚獲りに出かけたと言います。網にかかったドジョウが多過ぎて、酸欠で死んでしまうこともあったほど獲れたそうです。谷田部からわざわざやって来て、カーバイトランプを頭に照らしてドジョウを獲る人もいて、堤防はとにかくにぎやかでした。

いつもは島津(現阿見町)から自転車で売りに来る魚を買っていた方も、この時期には獲れ過ぎたドジョウを自宅で身を開かないままみそ汁に入れて食べ、残りを舟子(現美浦村)の魚屋さんに売りに行きました。

ドジョウ、コイ、フナ、ライギョ、ナマズ

湖岸に面していない農村部でも、田植え後に稲の丈が伸びてきたころ、大雨が降り水路から霞ケ浦へ大量の水が注ぎ込むようなときや、逆に霞ケ浦が増水して川の水がさかのぼってくるようなときには、途中に網やわなを仕掛けておくと、ドジョウのほかに、コイやフナ、ライギョ、ナマズなど様々な魚がたくさん獲れました。

フナはこってりとした味で、特にマブナの方はヒラブナ(ヘラブナ)よりも美味しかったとのこと。コイやフナはウロコと内臓を自分で取って、煮たり焼き浸しに、ライギョは切ってから火であぶり、皮をスルッとむいてから煮ると、背骨以外に小骨がなく、とても美味しかったと言います。

釣り好きの人にとって、この時期の夜の漁は、食糧確保と言う面ばかりでなく、獲ること自体が大きな楽しみだったそうです。疲れていても夜な夜な出掛けてしまうので、シーズン明けの6~7月になると、不摂生がたたり体調を崩すこともあったとか。

外に出て人に会いたいとウズウズしている方も多いと思いますが、このコロナウィルス騒動が1日でも早く終息しますように。(筑波学院大学教授)

「親にプレッシャー」 つくば市の保育園利用自粛通知に不安の声

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保育園のお昼寝の敷布団とタオル(本文と関係ありません)

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、つくば市は17日、保育園などを利用する保護者に対しさらなる利用自粛を求める通知を出した。「今後、利用率が下がらない場合や、市内で感染が拡大する場合は施設を休園する可能性もある」「(休園となっても)保護者が医療従事者等の場合は子どもを預かる」などと書かれていたことから、保護者から「医療従事者でないと子どもを預けることができないのか」など不安が声が出ている。

医療従事者だけ?

同市研究学園、ラ・フェリーチェ保育園では、保護者から「私は医療従事者ではないが、医療機器をつくる会社で働いている。それでも仕事を休まないといけないのか」などの声が高橋晃雄園長に寄せられたという。

不安の声を受けて高橋園長は20日、厚労省の見解を元に、自身の考えをまとめた文書を保護者に手渡した。「親にプレッシャーを与える施策を私は支持しない」「それぞれの家庭にはそれぞれの事情があり、事情の重要性はその家庭が判断すべき」だとする内容だ。

緊急事態宣言後、保育園の受け入れ対応が市町村によって異なったことから、厚労省は7日、医療従事者や、社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な人、ひとり親家庭などで仕事を休むことが困難な人などの子どもは、保育園で受け入れるよう通知している。

高橋園長は「医療従事者だけでなく、医療機器をつくる人も、スーパーで働く人も、配送する人も、社会の機能を維持するために働いている。さらに、それぞれの家庭にはそれぞれの事情がある」とし、「確かに保育園は過密で感染リスクは家庭より高い。市が焦るのは分かるが、プレッシャーを与えるのはいかがなものか」と話す。

厚労省と同じ

一方、市は、4月6日付けで保育所の保護者に利用自粛を要請。しかし利用率がなかなか低下せず過密な状況が解消しないことなどから、さらなる利用自粛を求める通知を17日に出した。

「医療従事者しか預かってもらえないのか」という保護者の不安に対して、市幼児保育課は「『医療従事者等』と書いており、『等』の中に社会機能を維持するために働いている保護者などが含まれる」とし、厚労省の見解とつくば市の見解が異なるということではないとしている。

市は通知の中でさらに、保育園の直近の利用状況として、4月第2週(6~10日)の平均利用率が70.4%だったところ、16日に54.2%、17日に52.3%と、先週と比較して自粛効果が現われているとした。しかしこの数字は公立保育所だけの数字。同課は誤解を与えてしまったとしている。

《法律かけこみ寺》17 善悪の此岸

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土浦市文京町の神龍寺山門(写真は本文と関係ありません)

【コラム・浦本弘海】前回はクーリング・オフという制度の紹介をいたしました。ところで、新型コロナウイルス感染症の拡大をチャンスとばかり、詐欺や詐欺的商法が活発化しています。そこで今回も消費者として知っておきたい法律を紹介します。

最近、身に覚えのない使い捨てマスクが送りつけられる事案が発生しています。一方的に商品を送りつけ、送られた人が商品の購入をしない旨の通知をしないと購入だと決めつけて代金を請求する悪質な商法、これを「送りつけ商法」と言います。

身に覚えのない使い捨てマスクも、送りつけ商法と考えたほうがよさそうです(知り合いからのサプライズという可能性もありますが…)。

そこで、送りつけ商法の対処法を。

1.お金は払わない(代金引換の場合も)。事業者に連絡する必要も返送する必要もない。

2.マスクが送付されたら14日間は使用せずに保管する。14日以内にマスクを使うと商品を購入したとみなされるので注意!

3.送付から14日間を経過したときはマスクを自由に処分でき、事業者からの返還請求に応ずる必要はない(14日以内に引き取りにきた場合は返還のこと)。

世に詐欺人の種は尽きまじ

消費者庁の対応方法の資料には、最初に「とにかく、ひとまず落ち着きましょう。」とあります。これはあらゆる詐欺や詐欺的商法への最高の処方箋です。逆に落ち着かせないのが向こうの手口なので、少しでも不審に思ったら、まずご家族などに相談なさってください。

ちなみに上記対処法の法律上の根拠は、特定商取引に関する法律59条1項です(法律のコラムなので条文も載せたいところですが、かなり長いので省略します)。

石川五右衛門の辞世の歌に「石川や/浜の真砂は/尽きるとも/世に盗人(ぬすびと)の/種は尽きまじ」というのが伝わっていますが、世に詐欺人(さぎびと)の種も尽きないようです。

新型コロナウイルス感染症関連の消費者トラブルについて、国民生活センターのサイトにいろいろな実例が掲載されています。消費者庁のサイトでも注意喚起がされています。どうかご注意を!

なお、電話勧誘などでたしかに商品を買ったが後悔している!といった場合、前回紹介したクーリング・オフ制度が使える可能性がありますので、国民生活センターなどにご相談ください。(弁護士)

テイクアウト飲食店に一律10万円 つくば市が1億6000万の緊急経済対策

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市議会全員協議会後に記者会見し、4つの緊急経済対策を発表する五十嵐立青市長=20日、つくば市役所

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けているつくば市の事業者に、同市は20日、総額1億6400万円の緊急経済対策を実施すると発表した。食事のテイクアウト(持ち帰り)を実施している飲食店に一律10万円を給付するなど4つの対策に取り組む。

同日、市議会全員協議会を開き、五十嵐立青市長が説明した。5月1日に臨時議会を開き、補正予算案を提案する。可決されれば5月1日から受け付けを開始する。

緊急経済対策はほかに、クラウドファンディングで民間資金を集め、芸術文化事業やタクシーなどの旅客運送、飲食店などのチケットを事前購入してもらい経済的被害の大きい事業者に前払いする▽従業員が新型コロナウイルスに感染して売り上げが減少した事業者に100万円、個人事業主に50万円を給付する▽売り上げが減少しているホテルや旅館に最大300万円を給付するーなど。財源は財政調整基金を活用するという。

飲食店500店を想定

一律10万円のテイクアウト協力金は、外出自粛要請で外食する客が減る中、密閉空間、密集場所、密接場面の3密を防ぐテイクアウトやデリバリー(出前)の取り組みをしている市内の飲食店を支援する。店内で飲食を提供しているか、提供を止めているかにかかわらず給付する。

テイクアウト実施店に対してはさらに、市が5月中にホームページを作って各店のテイクアウトメニューや価格などを掲載し宣伝する。テイクアウト店を一堂に掲載したちらしなども制作し7月1日付けの市広報紙と一緒に各世帯に配布する。飲食店の店頭に置くのぼり旗やステッカーなども市が制作する。

市内にある飲食店のほぼ半数に当たる計500店を給付対象として想定しているという。事業費は5400万円。

市が2割上乗せ

クラウドファンディングによるチケットの前払いは、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている文化芸術、旅客運送、飲食店など5分野程度を想定している。コンサートや公演、タクシー乗車、飲食など各事業者にメニューを提案してもらい、応援したいという市内外の市民などから広く資金を募る。

詳しい内容は、市と事業者団体などによる実行委員会を5月早々に設立して決める。チケットを前払いで購入してもらう際、市がチケット料金の2割を上乗せする形で補助し、事業者と利用者双方にお得感がある仕組みを作って前払い購入を促進する。市が負担する上乗せ分として1分野当たり約880万円、5分野で約4400万円を計上する。

隠させないで支援

従業員などが新型コロナウイルスに感染した場合の最大100万円の給付は、事業休止による売り上げ減少や再開に向けた設備の消毒費用などを支援する。感染を隠しながら営業したり、働き続けるのを防ぐことも目的の一つ。

売り上げが50%以上減った中小企業に上限200万円、個人事業主に上限100万円を給付する国の持続化給付金を受給した事業者が対象で、同給付金に市が上乗せする形となる。事業費は1500万円で、中小企業10件、個人10件を想定している。

宿泊者に7000円補助は取り止め

ホテルや旅館など宿泊事業者への支援は、売り上げの減少分と客室の規模に応じて最大80万円から300万円の給付となる。

一方、市は3月議会で、市内のホテルや旅館の宿泊者に1人最高7000円(宿泊費5000円割引、食事券2000円交付)を補助することを決めていた(3月13日付)。新型コロナウイルスが収束すれば取り組むとしていたが、現時点で収束の見通しが立たず事業を開始できる状況にないことから、宿泊者に最高7000円を補助する事業は取り止める。3月議会で計上した9000万円の予算は組み替えて、宿泊事業者に最大300万円を直接給付する事業に充てる。事業費は約5100万円。

宿泊費の割引と併せて交付するとしていた1人2000円の食事券についても、収束の見通しが立たず事業を開始できる状況にないことから、こちらも予算を組み替えて、食事券利用対象の申請を受けた飲食店に一律6万円を給付する。食事券2000円の交付事業には、すでに市内の約240店の飲食店から参加の申し込みがあるという。

3月議会で決めた宿泊者への割引などは、国が旅行商品の2分の1をクーポンなどで付与する消費喚起事業(GoToキャンペーン)を感染収束後に実施することを発表したため、国の事業に代えてもらう。宿泊者に配布するとしていた食事券についてのみ、感染の収束を見極めて、宿泊者を対象に先着約1万人に2000円の食事券を配布する事業を実施する予定という。

古民家ブック作成 活用事例を紹介 県

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「いばらき古民家ブック2020」

【山崎実】古民家を活用した茨城ブランド力向上を進めている県は、県内の古民家活用事例を紹介する冊子「いばらき古民家ブック2020」(A4判、8ページ)を初めて作成した。県関係機関や移住相談窓口、道の駅、図書館、県内外のイベントなどで2万5000部を配布し展開していく。

地方創生推進交付金を活用し、貴重な地域資源である古民家の活用方法などを広域連携で展開していくことで、県のイメージアップやブランド力向上につなげるのが狙い。

業種別に地域バランスを考慮して作成した。県内15件の古民家活用事例を紹介。例えば、つくば市金田の藤右エ門は「築約190年のかやぶき屋根の民家を活用したイタリアンレストランで、梁や大黒柱の存在感と、長い時間が産んだ建物の自然なゆがみを活用して設計された」と紹介されている。

同市小野崎のShingoster LIVING(シンゴスター・リビング)は「つくば市の大通りから脇道に進むと現れる。築70年の土壁の木造蔵を改装したギャラリーショップ。隣接する飲食店舗の現代的な造形との対比も特徴的」と記載されている。

15事例は、古民家オーナーに取材を行い、活用のきっかけなどを分かりやすくまとめているほか、県内マップに表示し、観光周遊にも役立ててもらう。

県は「古民家の活用を検討している人、古民家の魅力を楽しみたい人の参考として、あるいは本県への誘客、移住促進、または空き家対策などに活用してほしい」と作成の意義を強調している。

問い合わせは県地域振興課(電話029-301-2786)。

《吾妻カガミ》80 「大型コロナ病床をつくばに」の是非

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日本財団つくば研究所跡地

【コラム・坂本栄】新型コロナウイルスとの戦いの激化にともない、緊急事態の対象地域を広げるなど、国や自治体の対コロナ戦の陣形も整ってきました。2週間前のコラム(4月6日掲載)では、政府の取り組みを「初期対応は緊張感に欠け、…戦時の形にはなっておりません」と記し、つくば市については「ナイーブな施策が見られました」と指摘しましたが、やっと本気になってきたようです。

それでも、外出自粛(人の移動を抑える)や店舗閉鎖(群れる場を減らす)といった作戦の基本に対する国民・市民の不平不満を気にしているのか、オペレーションにはチグハグなところがあります。医療崩壊を恐れ、国と激論した東京都に比べると、国にもつくば市にもまだ甘さが見られます。

対コロナ作戦で各主体にばらつきがある中、実戦的な策が飛び込んで来ました。競艇の収益で公益活動をしている日本財団が、つくば市内に保有する1万7300坪の研究所跡地に、軽症コロナ患者(戦傷者)の病床施設(野戦病院)を建て、戦傷者を収容するという緊急支援策です。

その詳細は「『市の理解得ながら進める』 日本財団 つくばに軽症者病床9000床整備」(4月5日掲)をご覧ください。大型テントなどから成る施設の建設費、そこに詰める医者や看護師の人件費などは、すべて財団が負担するそうです。

同財団は、首都圏でコロナ患者が増えると想定、設備が整っている病院は重症者用とし、軽症者はつくばなどの施設に移すことで、東京の医療崩壊を回避したいと考えています。7月末までに稼働させたいと言っており、東京の医療崩壊(事実上の首都崩壊)を阻止するための、現実的な取り組みといえます。

「戦時」にコンセンサス型?

この支援に対し、つくば市はできれば断わりたいとのスタンスです。詳細については「つくば市長、受け入れに難色 日本財団9000床整備計画」(4月6日掲載)をご覧ください。

その理由を整理すると、①事前に何の相談もなかった②7月末の完成では遅すぎる③県と市で同様の施設(36床!)を用意する④市民の同意を得るのは難しい―ということでしょうか。①と②と③は断る理屈付けであって、市長が「(住民に理解してもらう)プロセス構築が極めて困難」と言っているように、本音は④にあるようです。

軽症者用とはいえ、コロナ感染源になるリスクを抱える迷惑施設―と、市民に受け止められるのを恐れたのでしょう。コンセンサス型の行政を進める市長にとっては、当然の判断かも知れません。

しかし、東京の医療崩壊は日本経済の破綻につながります。日本財団の支援は首都陥落を阻止する決定打ではありませんが、国の緊急事態宣言を受け、都が策定した対コロナ作戦を補完するものであることは間違いありません。非常時(戦時)のいま、首長に必要な素質はリーダーシップ型であり、通常時(平時)のコンセンサス型ではありません。

つくば市は、その成り立ちからしても、国との関係で特殊な位置にある自治体です。「つくばファースト」ではなく、「日本ファースト」が求められています。(経済ジャーナリスト、戦史研究者)

女性のシェアハウスオープン つくばの居住支援法人LANS 市内2軒目

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3月にオープンした2軒目のシェアハウスで入居者の女性と話をする浅井さん(右)

【鈴木宏子】住まいに困っている低所得者などに民間のアパートを紹介したり相談や見守りをする、つくば市の居住支援法人「LANS(ランズ=ライフ・アシスト・ネットワーク・サービス)」(浅井和幸代表)がこのほど、2軒目のシェアハウスを同市内にオープンした。

空き家だった6LDKの一戸建て住宅を活用した女性専用のシェアハウス(定員4人)で、緊急の住まいや一時的な避難所などとして運営する。住宅の所有者からLANSが賃貸し、県の補助金を受けて3月に開所した。現在20代と40代の女性2人が入居している。

交通事故きっかけ

このうち40代女性は4月初旬に入居したばかり。離婚し、つくば市内の実家に戻ったが、家族と折り合いが悪く、2年前に実家を出た。その後は仕事をしながらウイークリーマンションで暮らし、自立した生活を送った。

暗転したのは交通事故がきっかけだ。昨年の夏は、派遣社員として夜間に荷物の仕分けをする仕事に就いていた。自転車で出勤途中、信号機のある横断歩道で右折車にはねられ、けがを負った。軽傷だったため治ると仕事に復帰できたが、今度は胸の痛みを感じるようになった。病院に行ったところ、ろっ骨が折れていたことが分かり、医師からは安静にするよう言われた。なぜろっ骨が折れたのか、原因が分からないまま、荷物を運ぶ仕事が続けられなくなり、昨年10月、仕事を辞めた。

今年3月、家賃を払えなくなり、ウイークリーマンションを出た。その後、約2週間、県南のネットカフェを転々とした。

所持金が底を尽き、友人に相談。友人の付き添いでつくば市役所に相談に行き、市役所の紹介でLANSのシェアハウスに入居できた。

女性は「仕事を見つけて自立し、自分で部屋を借りられるようにしたい」と話す。

とにかく相談を

LANSは住宅セーフティネット法に基づく県内第1号の支援団体だ。精神保健福祉士で、引きこもりの若者の自立支援に取り組む浅井さんら3人が2018年7月に設立した。

住宅確保が難しい低所得者のほか、母子家庭やDV(配偶者や恋人からの暴力)被害者などに一時避難所や住まいを紹介したり、入居を拒まれがちな一人暮らしの高齢者や障害者に民間のアパートなどを紹介している。

18年7月につくば市内の空き家だった一戸建てを活用して1軒目のシェアハウスを開設した。これまで1年半の間に、自立を目指す引きこもりの若者、家賃が払えなくなった高齢者、母子など計7人が利用した。現在は男性3人が入居している。

浅井代表は「生活サイクルが悪化して住む場所を確保できなくなっている人は、とにかく相談してほしい。1人でも世帯でも対応できる。家賃を払えない場合でも、一緒に払える方法を探したい」と話す。

◆女性シェアハウスは家賃月3万円。入所者を支援するカンパや生活物資の寄付なども受け付けている。

LANSの問い合わせは電話080-1018-7670、メールはasai-kazu@sinri-soudan.com(いずれも浅井さん)。

➡LANSの過去記事はこちら

優秀ビジネスプランに3社 中小企業の競争力強化支援 県

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土浦・つくば地区から関東情報サービス、東京電機の2社が選定

【山崎実】県が2019年度からスタートさせた「次世代技術活用ビジネスイノベーション創出事業」の優秀ビジネスプランに、▽関東鉄道グループのソフトウエア開発会社、関東情報サービス(土浦市文京町、塚﨑俊一社長)▽自家発電装置の製造・販売会社、東京電機(つくば市桜、塩谷智彦社長)▽ゴム成型・精密機械部品製造会社、ハリガイ工業(常総市大生郷町、小室勉社長)の3社が選定された。

同事業は、県内中小企業の競争力強化を図るため、県が、IOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などのノウハウ修得から、ビジネスプランの構築、次世代技術を活用したビジネスの創出・展開まで、一貫した支援を実施し、ビジネスプランの事業化に必要な経費(上限500万円)を補助する。

関東情報サービスのビジネスプランは、画像認識とAIを活用した道路路面診断。路面の穴や段差など道路の老朽化を画像認識とAIで自動判定する。道路巡回監視のコスト削減や早期発見による事故防止、作業現場の負担軽減や省力化ができる。

東京電機は、IOT活用の遠隔操作が可能なゴムクローラー付き移動電源車の開発。災害時などに孤立した地域へ速やかに電源を供給し、電源復旧までの時間と費用が削減できる。

ハリガイ工業は、ゴムと炭素繊維を複合化した高強度、高弾性、耐衝撃性などの特性をもつ新素材の開発。土木や防災分野への応用が期待できる。

県はこれら優秀プランについて、引き続き今年度も事業化に向けた支援を行っていく。同時に「次世代技術活用ビジネスイノベーション創出事業」を継続して実施し、新ビジネス創出のワンストップ支援、ビジネスプラン実証支援などに1億2800万円を当初予算で措置している。

問い合わせは県技術革新課(電話029-301-3579)

《続・気軽にSOS》59 「情報パンデミック」という言葉

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【コラム・浅井和幸】「情報パンデミック」という言葉が、ラジオや新聞から私の目と耳に入ってきました。「パンデミック」とは「広範囲に及ぶ流行病」とのことですから、「情報」が「広範囲に及ぶ流行病」のような状況をつくり出しているという意味ですね。

うまく伝言ゲームができずに広がるうわさ話。一見科学っぽいことを言って、宣伝したり、先導したりする―。不安が大きいと、このようなデマに正義感や愛の気持ちで加担してしまいやすくなります。「今は紙不足だから、ティッシュペーパーをたくさんストックした方がよい」「河原の石を風呂に入れると殺菌になる」という具合に。

それは、政府や知事になるような、頭のよい人たちですら起こしてしまいます。人は誰しも、不安が大きくなると、物や情報を手元に置いて安心したくなるものです。さらには、自分が持つそれらの物や情報を、人に認めて欲しくて行動してしまうのです。

今は、誰もがどこでも、多くの人に情報発信ができるようになっています。間違うことは仕方のないことですが、感情的過ぎないかを顧みることは大切ですよね。

不安が強くなると弱いものをたたく

不安感を利用して、「注目」「名声」「金」などを手に入れようと、謀略をめぐらして忍び寄ってくる人が間違いなく現れます。安心するためにそれに飛びつき、それがデマだと知らされて、さらに不安が大きくなります。

不安が強くなると、自分より弱いものをたたきたくなります。自分は弱者だからという免罪符を持って、さらに弱者をたたいてしまう心理です。意識高い系の人(今は言わない?)は、自分より強いものならばたたくのは正義だと主張するかもしれませんが、反論がない相手や仲間がいないと同じような事態になります。

批判や愚痴というものは、一時のストレス解消になり、確かに必要です。しかし、直接のストレス解消にならずに、さらに強い批判や愚痴を追い求める状況―つまり、依存の状況になりかねません。

そうならないために、自分の言動から得た結果を観察して、次の言動につなげるような軌道修正を繰り返すことが大切です。批判や愚痴をやめる必要はありません。しかし、それと同じぐらいの楽しいことをしたり、口にしたりすること(プラスのストロークと言われることもあります)や、共感する心を持つことが大切です。

どうしても私たちは、どちらが上か下か、正しいか間違っているか、善人か悪人かという、0か100かの理論に陥ってしまいがちです。ディベートや裁判のようなルールでの振る舞いならば仕方ないのですが、日常生活では事実から離れていくことになります。しかも、苦しいとなれば、あまりよいことはないでしょう。

それぞれが、よりよい状況になるように、意見や気持ちのやり取りを考えましょう。と言っても、「批判」の本当の意味は、誹謗(ひぼう)中傷ではなく、正すために論じることも含まれますから、敵をやり込める言葉は「批判」ではないはずなのですが。(精神保健福祉士)

県南最大級の農産物直売所 19日グランドオープン JA水郷つくば

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プレオープンに向け準備に追われるサンフレッシュ土浦店のスタッフ=17日夕方

【鈴木宏子】JA水郷つくば本店(土浦市小岩田西)1階に19日、農産物直売所「サンフレッシュ土浦店」(宮本正幸店長)がグランドオープンする。店舗面積約520平方メートル、県南地域最大規模となるJAの農産物直売所で、近隣住民に向けたプレオープンを18日に予定している。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため緊急事態宣言が発令されていることなどから、新聞折り込みちらしなど大々的な広告宣伝は実施しなかった。今回は特売なども実施せず、静かなオープンとなる。新型コロナウイルスが収束したら改めて特売を実施したいとしている。

1階に農産物直売所がオープンするJA水郷つくば本店=土浦市小岩田西

7市町村の生産者160人が直売

直売所は土浦、龍ケ崎、牛久、かすみがうら、美浦、阿見、利根7市町村の生産者約160人が新鮮なとれたて野菜を直売する。日本一の生産量を誇る土浦のレンコン、味が濃く甘みと酸味のバランスがよい龍ケ崎のファーストトマト、一般のダイコンに比べみずみずしく生食向けの牛久ブランド河童大根、美浦のマッシュルームなど特産品のほか、50~60種類の農産物をより安く販売する。

漬け物、こんにゃく、赤飯、ピーナッツ加工品、草もち、レンコンケーキなど地元農家手作りの加工品のほか、れんこんめん、れんこんサブレーなどが並ぶ。災害時に水なしでそのまま食べられる地元産コシヒカリの備蓄ライスなどJA水郷つくばオリジナルの加工品や、茨城みやげに好適な県内各JAのオリジナル加工品も取りそろえている。

店内にそば、バウムクーヘン、パンの各店舗も併設し、イートインスペースもある。

3JA合併し本店1階に

2019年2月1日にJA土浦、JA竜ケ崎、JA茨城かすみの3JAが合併して誕生したJA水郷つくばの目玉となる直売所だ。

JA水郷つくば本店は13日、土浦市田中から直売所のある同市小岩田西に移転したばかり。本店1階が直売所となり、旧JA土浦の直売所1号店、サンフレッシュ土浦店が同市粕毛から同市小岩田西に移転する形となる。宮本店長は「元気に笑顔でお迎えしたい」と話している。

◆同店は土浦市小岩田西1-1-11(旧ケーズデンキ土浦店)。プレオープンは18日(土)午前9時30分、グランドオープンは19日(日)午前9時30分。営業時間は午前9時30分~午後6時。定休日は毎月第1水曜。問い合わせは電話029-821-4826(同店)

立ち向かう「小さな共同体」 ある消防団副分団長の話 つくば

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広報活動に出動する第9分団有志の皆さん、左端が小池さん=つくば市大角豆の分団詰所

【池田充雄】つくば市大角豆で治療院「つくば草の根はりきゅう院」を営む小池栄治さん(47)。地域とのかかわりを大切にし、人と人がつながる活動をさまざまに展開する。「互いの専門性を生かして与え合えるような関係性が理想。それぞれの活動がリンクし、地域社会のいろんな輪の一つになれば」と話している。

小池さんはつくば市消防団桜支団第9分団で副分団長を務める。最近は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、市消防本部からの要請に基づき、土・日曜日に消防車で地区を回り、車載マイクで外出自粛を呼び掛けている。

右から2人目が小池さん=同

消防団への参加は4年前。「自分たちの地域は自分たちで守りたい」という先輩たちの思いに、地域に暮らす一人として共感し、引き継いでいきたいと考えた。また消防団は防災組織であると同時に、地区の若者組のような意義もあると感じていた。例えば同地区では夏祭りの際に、消防団が子どもみこしのサポートなどもしている。

「団に入ることで、地域の同世代の人たちと親しくなることができた。自治会は60~70代の人が中心だが、消防団はそれとは別の、20~40代が横につながる場になり得る。地域組織の一つとして有効に生かせればと思う」

消防団以外の活動もある。「茶にすっぺ」と「まめいち」。前者は、在宅介護をしている家族のための交流の場。心身の疲れをいやしてもらい、医療や介護に関する相談にも乗る。後者は小さなコミュニティーマーケット。単なる商品のやり取りではなく、身近にあるものにひと手間かけることで、お金では買えない心の豊かさが得られる。

はりきゅうなどの東洋医学も同様の考え方で、薬や機器に頼りがちな現代医療とは別の観点から、健康の回復や維持増進を図ろうというもの。いずれの場面でも人と人が深くつながりながら、幅広い心の交流や、さまざまな立場からの相互理解を目指している。

「孤立しては生きていけない」

新型コロナのまん延するなか、「まめいち」のような人が密集する場をつくることは、それ自体が感染のリスクになる。別の何らかの形で、日々の暮らしを楽しむ空気感を発信できないかと、小池さんは模索している。

「世界的に人やものの移動に制限がかかる状況で、社会関係のあり方が問われている。どうあっても人間は孤立して生きていけない。顔や名前が分かり信頼し合える関係性が、暮らしの安心を支える最小単位ではないか。それがかつては村であり、今は会社や学校、友人など自ら選ぶ関係性の存在意義が高まっている」

感染症の拡大に伴い、出どころの不確かなものや情報が飛び交う中、身近な家族関係や地域関係のありようがさらに見直されようとしている。

《電動車いすから見た風景》5 コロナに負けず、今の生活を続けたい

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介助者に使ってもらっているマスクと消毒液

【コロナ・川端舞】新型コロナウイルスの感染拡大は、皆さんの生活にも大きな影響を与えていると思います。私も定期的な通院や買い物以外はほとんど外出しなくなりました。

私のように介助者にサポートしてもらいながら1人暮らしをしている障害者の部屋には、自分が外出しなくても、毎日介助者は代わる代わる家に来るので、一般的な1人暮らしの部屋よりも必然的に人の出入りが多くなります。

こまめに部屋を換気したり、ドアノブなどを除菌ティッシュで拭いたり、できる限りの感染予防はしているのですが、私たち障害者が生活するためには、食事介助やトイレ介助など、どうしても介助者に近距離で接してもらう場面が多くなり、介助する側も介助される側も不安になることもあると思います。

私が一番心配しているのは、自分が感染することよりも、自分が感染した後、介助者にうつしてしまうことです。介助者の中には、私の介助以外に、他の障害者の介助にも入っている人もいて、私から介助者にうつすことで、その介助者が他の人のところにも行けなくなったり、最悪、他の障害者にもうつしてしまう可能性もあります。

そのような不安は、障害者よりも介助者の方が強く感じているのかもしれません。障害者の中にはもともと呼吸器が弱い人もいて、そのような人のところに行っている介助者は強い責任を感じているかもしれません。

介助者にも拍手を送りたい

そのような中でも、毎日介助に来てくれることをありがたく感じています。もちろん、介助者を派遣している事業所側も、コロナウイルスが身近になるたびに、対策を考えてくれています。多くの人のおかげで、私の生活が成り立っていることを感じます。

そんなに不安に思うくらいなら、家族に介助してもらえばいいと思う人もいるかもしれません。私の両親は群馬の実家にいます。実家に帰ることも一つの選択肢だと思います。

しかし、大学入学とともに、つくばで1人暮らしを始めて10年。その間、年末年始に実家に帰った時にしか、両親は私の介助をやっていません。10年の間に、両親の体力も私の障害の状態も変化しました。いつコロナウイルスが収束するかわからない今、私の介助を両親だけに任せるのは不安です。

そして何より、今まで私はつくばで人間関係をつくり、自分らしい生活を築いてきました。世間全体が混乱し、不安なニュースしか流れない今、できるだけ住み慣れた場所でいつも通りの生活をしたいと思うのは、自然なことではないでしょうか。

最近、医療従事者に拍手をおくる運動が世界で広がっていますが、今、不安を感じながらも、1人暮らしの障害者の生活を支え続けている介助者にも、私は拍手を送りたいと思います。今を一緒に乗り越えていきましょう。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

まつりつくば、つくばマラソンなど中止 新型コロナ

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ねぶたパレードなどで盛り上がる「まつりつくば」=2019年撮影

【山口和紀】つくば市は16日、今年の大規模イベントの中止を発表した。中止になるのは、秋から冬にかけ開催の「まつりつくば」「敬老福祉大会」「つくばマラソン」の3つ。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための措置だ。

「まつりつくば」は毎年45万人が参加する同市最大の祭り。市観光推進課は「新型コロナウイルスの感染拡大の収束がみえない状況」を理由に中止に踏み切った。毎年4月中旬から企業に協賛金を募るが、経済がひっ迫する状況の中では難しいと判断した。開催予定日は8月22日、23日だった。

主催者のまつりつくば大会本部(本部長・五十嵐立青市長)が中止の方向で委員22人全員に電話で打診し、16日までに承諾を得た。事業費は総額約5000万円で、市の補助金が約3000万円、企業の協賛金が約1800万円、出店料が約200万円。

「つくばマラソン」(同実行委員会など主催)は総勢2万人ほどのランナーが参加するマラソン大会。市のスポーツ振興課は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化する見込み」だとして中止の判断を下した。開催予定日は11月22日だった。

市民限定のエントリーが6月から、一般参加者は7月から開始される予定だった。ゴールデンウイーク明けにはエントリー受付の準備に入る必要があったという。

種目はフルマラソンと10キロマラソンの2つがあり、それぞれ約1万5000人と約3000人を募集してきた。エントリー料はフルマラソンが7500円、10キロが5000円だった。

これまでにランナーから「今年は例年通りやるのか」「中止になった場合エントリー料は返還するのか」などといった問い合わせが数件あったという。

「敬老福祉大会」(市主催)は70歳以上の高齢者を対象に式典や歌謡ショーなどを行う行事。開催予定日は敬老の日の9月21日だった。

つくば市の五十嵐市長は「それぞれのイベントの実行委員の中心のみなさまには私から直接電話して協議をしましたが、話した方全員が『この状況では仕方ない』『早い判断を支持する』『来年万全で』とご理解いただきました。これまで開催に尽力をされてきたみなさまのお気持ちに感謝します」とSNS上でコメントをした。

筑波大やどかり祭も中止

つくば市の筑波大学では、毎年新入生が中心になって盛り上げる宿舎祭「やどかり祭」の中止が既に発表されている。開催予定日は5月29日、30日だった。宿舎祭実行委員会によれば「(春学期の)授業がオンラインで行われるため、新入生が模擬店や浴衣コンテスト等の企画を準備する時間や委員会としての活動をする時間の確保が困難であること」などを中止の理由に挙げた。

11月7日に行われる予定の筑波大学学園祭「雙峰祭」の中止はまだ決まっていない。

土浦市の大規模イベントでは7月の八坂神社祇園祭礼の中止が決まったが、8月開催予定の「土浦キララまつり」、11月開催予定の「土浦の花火」は中止の判断には至っていない。

《ご飯は世界を救う》22 外出自粛の前に『珈琲屋かたみ』へ

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】緊迫した昨今。ウイルスの早い、収束を願うばかりです。3月末、東京都からの週末外出自粛令の出る1日前に、どうにか行ってきました。つくばみらい市、TXみどりの駅近くの「珈琲屋かたみ」さんへ。

今年は早めの桜満開。SNSで福岡堰(つくばみらい市)がガラガラとのことで、スケッチに行ってきました。途中、前々から気になっていたステキな建物。掃出し窓からレースのカーテンがヒラヒラ。風通し抜群! 「これだったら、室内に入れるかも」。

桜のスケッチ、写真をたくさん撮り、疲れ果てた帰りに寄ってみました。内部は天井が高く、内装もとてもオシャレ。メニューにはスィーツもいろいろ。ここのところ自粛でオウチ生活多く、体重増加だったので、アイスコーヒーフロート。

閉店間際でしたので、残念ながら、ほんの少ししか滞在できませんでした。でも、とっても気に入ってしまい、翌日のランチ時に一番乗り。「もしかしたら、コロナのことで、当分店舗ではランチできないかも」と。ランチ時には、3人の女性が働かれていました。飲み物まで付いて、裏切らない美味しさ! 次回はスィーツね、絶対。

キツイ自粛生活に小さな楽しみ

コロナがだんだん拡がってきたころ、ガーゼ立体マスクをたくさん縫いました。そのあと、いつも通っているフイットネス、月1の大先生の水彩画教室、私のやっている教室、大好きなカフェ―すべて閉鎖。ほかにもいろいろ重なり、私はコロナうつうつ。

家事など、最低限のことはできるのですが、なんだかパワーが出ず、倦怠感。そして眠い。どうしても、コロナのニュースばかりが気になってしまいます。どうもこんな感じは、私だけではないと気が付きました。

散歩などしていましたが、何だかうつうつ。本来は『#家にいよう』なのですが、こりゃだめだ。そこで、庭の草むしりを始めました。お日様ポカポカ。雑草は山のようになって、お庭はどんどんキレイに。そこで、やっと抜け出せました。

草むしり、バカにできないですね。「小さな積み重ねが大きな成果」なんて、ね。キツイ自粛生活に、小さな楽しみを見つけて過ごせれば、いいなと思います。(イラストレーター)

カップ1.5杯分「朝の元気」注ぐ 土浦駅ビルでコーヒーを無料提供

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通勤客にコーヒーを提供する坂本さん=土浦駅(土浦市有明町)

【伊藤悦子】土浦駅を利用する通勤客に、毎朝無料でコーヒーを提供しているお店がある。駅ビル「プレイアトレ土浦」(土浦市有明町)3階、ステーションロビーのカフェ「SLOW JET COFFEE Cookie(スロージェットコーヒークッキー)」によるふるまいだ。

マイボトルの持参者に

朝7時から9時まで、駅に直結する店の前に店員が立ち、マイボトルを持参した人にカップ1.5杯分のコーヒーを注いでくれる。5月6日まで行う予定。ステーションロビーの “雲の上はいつも晴れ”活動の企画だ。「雨が降っても雪が降っても、雲の上は青空が広がっている。どんな状況でも、心が晴れて安らぐ日が訪れる」との格言から採られた活動だ。

企画を考えたのは、ステーションロビーを運営するSUUM&Co.(スームアンドコー)(東京都台東区)の代表取締役、坂本修武さん(38)。

「新型コロナウイルス感染拡大の影響で自粛などが続くなか、お店で働く人も利用する人も不安でやり場のない思いを抱えている。それでも仕事に行かなくてはいけない人がいる」と坂本さん。そうした人たちに向けて、「食」を提供する場、そして「駅」という機能を生かし自分たちにできることはないかと考えたのが、通勤者たちへのコーヒー提供だという。

外出自粛の話が出てきた3月の半ばには企画を考え、特に告知はせず2日からスタートした。「何度か前を通って、今日はマイボトルを持ってきた」「職場の人に聞いた」など、徐々に利用者は増えていき、14日は約50人程度の利用者があった。

用意して通勤客を待つ坂本修武さん=同

坂本さんは「朝、家を出る時に嫌だなと思っても、コーヒーをもらおうとボトルをバッグに入れる準備をするだけで、ちょっとした楽しみの1つになるのでは」と言い、利用者には「行ってらっしゃい」と声をかける。明るい気持ちになれたのか、「ありがとう、頑張ってください」と応じてもらえるのがうれしいそうだ。

14日の朝、仕事で荒川沖駅から来た男性(27)は「コーヒーをもらうのは今日で2回目。こういった活動は珍しい。新型コロナウイルスのことでいろいろ頑張っている人に対してやってくれている。コーヒーもおいしいし、いい試みだと思う」と笑顔で話した。

食事のデリバリーや料理教室も

ステーションロビーの“雲の上はいつも晴れ“活動では、洋食や中華メニューを家庭に届ける食事のデリバリーも始めた。デリバリーは、必要なものがあればコンビニエンスストアに寄って買い物もしてきてくれるオプション付き。今後はインスタグラムのライブ機能を利用した料理教室も予定しているという。

問い合わせはプレイアトレ土浦内ステーションロビー(電話029-825-7716)

オンライン授業始まり中高生に笑顔 土浦日大中等教育学校

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オンライン始業式で端末に向け語り掛ける西山勝治校長=8日、土浦日大中等教育学校

【田中めぐみ】新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校が続く中、子どもたちの学習機会を確保したいと土浦日大中等教育学校(同市小松ヶ丘町、西山勝治校長)で13日、オンライン授業の配信が始まった。

「先生に会えてうれしい」

授業はオンラインビデオ会議アプリZoom(ズーム)を用い、月曜日から金曜日、1日に3時間ずつ行われる。生徒たちは自宅のコンピューターやタブレット、スマートフォンなどを使用して授業に参加。使用する教材は学校のホームページにアップロードし、生徒がそれぞれダウンロードできるようにした。

初日の月曜日はほぼ全員の生徒が授業に出席してディスプレイ越しに元気な顔を見せた。新入生の中学1年生の男の子は、1時間目の授業で今年度の目標やノートの取り方の説明を聞き、うなずきながらメモを取ったり教師からの問いかけに答えたりした。授業の終わりには「やっと先生に会えた。会えてうれしい」と笑顔で画面から手を振った。

オンライン始業式で校歌斉唱

同校では、朝のホームルーム活動も学級担任が配信して行う。また、主要教科の授業だけではなく体育や技術・家庭、音楽、道徳などの授業も配信している。

教務主任の藤田晃久教諭は「一方通行ではなく、教師から生徒、生徒から教師と双方向の授業になるようにしている。8日に行われた始業式では全校生徒およそ700人がオンラインで校歌を斉唱した。14日からは教員も在宅勤務で自宅からの授業配信が可能となった。新しい試みだと思う」と話す。

生徒のいない教室から現代文の授業を配信する藤田晃久教諭(右)と佐藤登貴恵講師=同校

国語科の佐藤登貴恵講師は「Zoomでの授業はまだおぼつかないが、今回のような非常時でも教育活動が続けられるのがありがたい。生徒たちもオンラインだと平時の授業より発言しやすいように感じることもある。ただ、デジタルデバイド(【メモ】参照)によって、生徒が受け取る情報量に差があるのではという点が気になる。今後技術で解決していけたら」と意欲を語った。

今後の課題も

「楽しい」「テンションがあがる」など好感を伝える生徒がいる一方、職員室には教材をうまくダウンロードできないなどと訴える電話も多く入ってくる。Zoomの通信履歴をたどると音声が途切れたり、画面が固まってしまう例が報告されるなど課題もあった。

教員はそれぞれの状況に耳を傾け、できる限り個別に対応している。よくある問題について集約し、教員同士で情報共有しながら改善を重ねていくという。

【メモ】デジタルデバイド インターネットなどの情報通信技術(ICT)を利用できる環境にある者(地域)とそうでない者との間にもたらされる格差のこと。ここでは通信環境や機器の性能などによって生じる個人間の情報格差を指す。