水曜日, 11月 25, 2020
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30匹に不妊去勢手術 つくば 増える空き家に住みつく野良猫

【橋立多美】つくば市森の里の自治会公会堂駐車場で16日、野良猫の集団不妊去勢手術が行われた。入居開始から40年を経た森の里は高齢化によって空き家が増加し、管理されていない空き家に住みついた野良猫への苦情が自治会に多く寄せられている。

住民間のトラブルの原因にも

庭の芝生が糞尿や嘔吐(おうと)物で汚されて臭く、衛生上問題がある。花壇が荒らされる、発情期の鳴き声がうるさいといった苦情が続出。さらに、野良猫にとって空き家は繁殖の場所としても最適で、子育て中の母猫の姿にほだされ、餌を与える人に非難の目が向けられるなど、住民感情が二分される状況を生んだ。

移動手術室トレーラーの前に立つ獣医師たち。右から2人目が稲垣将治院長、左端が重松聖子さん=同

増え続ける野良猫に困った住民たちに応えたのが、県南を中心にTNR活動を推進している動物愛護団体「Team.ホーリーキャット」(重松聖子代表)。命の尊さを未来に繋げようと2年前に発足した団体で、県地域猫活動推進事業=※メモ=として不妊去勢手術を実施した。

TNRとはTrap(捕獲)、Neuter(不妊去勢手術)、Return(元の所へ戻す)の頭文字。不妊去勢手術を施す時には手術済みの目印として猫の耳先をV字にカットする。繁殖防止と殺処分の減少に寄与する一方、餌やりをしても増える心配がないので住民同士の対立は和らぐ。

手術前日、団体スタッフが森の里各所に餌を入れた捕獲器をセットして野良猫30匹(雄14匹、雌16匹)を捕獲した。施術したのは移動手術室トレーラーでやってきた、埼玉県越谷市のいながき動物病院の獣医師4人。

不妊去勢手術の普及によって子猫の殺処分を減らそうと、稲垣将治院長をはじめ獣医師たちは土浦分院などで定期的に手術を行っている。手術と3種混合ワクチンを接種された野良猫たちは翌日元いた場所に戻された。

猫を飼っている女性(72)は、強い雨の日に子猫をくわえた母猫を哀れに思って家に入れた。それ以来、餌をもらいに現れるようになったが周囲の目が気になっているという。「これで猫好きな人と苦手な人がぶつかることがなくなるとうれしい」

自治会長の倉本茂樹さんは「1980年代に約5000人が住んでいた森の里だが、今では子どもたちが独立し約2900人にまで人口が減り、2人に1人が高齢者。子どもの元に身を寄せたり施設入所などで空き家は100戸に上る。空き家に住みついた猫に1人暮らしの高齢者が寂しいからと餌をやって近所とトラブルになる。今回の取り組みで好転してくれると助かる」と話す。

Team.ホーリーキャットは活動の一環として毎月牛久市で里親会を開催している。問い合わせは代表の重松さん(電話090-8058-3129)まで。

※メモ 県地域猫活動推進事業

不妊去勢手術の徹底、周辺美化などのルールに基づき、野良猫を地域で飼育する地域猫活動を支援し、手術費用の補助を行う。2018年度は605匹分の手術費用補助を行い、野良猫の減少や糞尿被害に関する苦情の減少などの効果が報告されている。

 

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