金曜日, 5月 17, 2024
ホーム ブログ ページ 233

ヘイトスピーチ規制に前向き 五十嵐つくば市長 11月の街宣活動受け

0
排外主義を掲げる団体の街頭宣伝活動に対し「差別主義者監視中」のプラカードを掲げる市民ら=11月12日午後2時ごろ、つくば市吾妻、TXつくば駅前

つくば市内で11月、排外主義を掲げるヘイトスピーチ=メモ=の街頭宣伝活動があったのを受けて、五十嵐立青市長は6、7日の市議会一般質問で、ヘイトスピーチを抑止する対策に前向きな考えを表明した。

五十嵐市長は、6日の一般質問で小森谷佐弥香市議(つくば・市民ネットワーク)の質問に対し「ヘイトスピーチはあってはならない」と述べ、規制のガイドラインを設けている神奈川県川崎市の事例を念頭に「大阪や川崎などの事例があるので参考にしながら、憲法に保証された(言論の)自由を留意をする必要があるが、ヘイトスピーチを抑止する取り組みについては進めていきたい」と答弁した。

7日の一般質問でも、滝口隆一市議(共産)の質問に対し「ヘイトスピーチ対策法第4条第2項の規定に基づき、地域の実情に応じた対策を講じていく」と答弁。「ヘイトスピーチを抑止する対策を進めていきたい」と改めて表明した。

同街頭宣伝活動は、11月12日、同市吾妻のつくば駅前で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の会員ら約20人により行われた。県警によると「在特会のつくばでの街宣活動は初めて」。当日は50人近くの警官が警戒に当たったほか、周辺では市民らが「差別主義者(レイシスト)監視中」や「差別街宣にNO」などのプラカードを掲げ抗議した。(崎山勝功)

※メモ
【ヘイトスピーチ】人種、国籍、思想、宗教、性的指向など変えることが難しい個人や集団の特質に対し、暴力や差別をあおる発言や行動。国内では2016年6月に「ヘイトスピーチ対策法」が施行されたが、差別的言動の解消に向けた教育・啓発活動に重点が置かれ、罰則規定はない。

ヘイトスピーチ抑止の考えを表明した五十嵐立青市長=6日、つくば市議会議場

土浦消防Aが3連覇 県民駅伝大会

0
県民駅伝・職域対抗の部で優勝した、土浦消防Aの福本純選手=那珂市向山の笠松運動公園補助陸上競技場

第34回県民駅伝競走大会(県体育協会主催)が9日、那珂市向山の笠松運動公園補助陸上競技場の周回コースで開かれ、職域対抗の部(45組参加)で、土浦消防Aチームが52分00秒で優勝。昨年よりタイムを46秒縮めて大会3連覇を果たした。

同部門で同じく出場した土浦消防Bチームも、昨年よりタイムを16秒縮め54分16秒で4位入賞と健闘。表彰対象の8位までのうち、1位と4位を土浦勢が占めた。

レースは、同公園の周回コース1周3.1㎞を、走者5人がタスキをつなぎ、合計タイムを競った。

土浦消防Aは、1区は笠間市消防A(笠間市)にリードを許したものの、2区走者の中川慎太郎(25)が首位に躍り出た。その後は3、4、5区とも首位をキープし、5区走者の福本純(29)が独走状態でゴールした。

クラブ対抗の部(41組出場、走者1チーム5人)では県南の牛久走友会A(牛久市)が54分17秒で7位入賞と健闘を見せた。

市町村対抗の部(23組、走者7人)には、土浦、牛久、龍ケ崎、守谷市と県南勢4チームが出場した。県北、県央勢に苦戦したものの、市町村から複数チームが出場した場合は表彰は1チームのみという規定に基づき、土浦市チームが1時間16分34秒で繰り上げて8位に入賞した。

職域対抗の部で1位と4位に入賞した土浦消防の選手たち

入庁1年目、2区の中川慎太朗 ライフセービング全国2位の実力発揮

職域対抗の部で首位に躍り出た2区走者の中川慎太郎(25)は土浦消防本部入庁1年目。学生時代からライフセービングに取り組み、今年のライフセービング全日本大会で2位の実績をもつ。

「走る力の強化の一環」として同消防本部の陸上部に入った。中川は「ライフセービングで砂浜を走るのは慣れているけど(本格的に)陸で走るのは初めて。前の区間の方に配置してもらって安心して走ることができた」とレースを振り返った。

土浦消防A・Bチームの木村真也監督は「今年1年目のルーキーの中川が入ってかなりの好タイムを出した」と高く評価した。

最終走者としてゴールした福本は「皆の力で優勝できたのでほっとしている。いろんな方に協力してもらって大会に出場できているので感謝でいっぱい。来年は4連覇に向けて頑張りたい」と意気込みを示した。

木村監督は「皆、実力を出した。互いに切磋琢磨して練習をしたのが良かった。速い新人が入ってくればいい刺激になる」と述べた。Bチームについても「『Aチームに負けない』という気持ちがあったせいか、タイム差もあまり無くいい走りができた。今年は目標に『ワン・ツー・フィニッシュ』を立てていたけど及ばなかった」と語った。

土浦消防Bの5区走者の田崎平生(20)は「去年も(土浦消防)Aチームが1位でBチームが4位。来年こそはワン・ツー・フィニッシュを達成したい」との目標を示した。(崎山勝功)

※区間賞(県南分のみ)は次の通り。
◆職域対抗の部
3区・中泉英行(土浦消防A)10分36秒▽4区・伊豫田悠(同)10分36秒▽5区・福本純(同)10分39秒
◆市町村の部
4区・高橋実里(守谷市)10分38秒※区間新記録

出場チームコメント

クラブ対抗の部で7位に入賞した、牛久走友会Aの青山直毅選手

【クラブ対抗の部7位】▷牛久走友会A・5区走者、青山直毅(30)=初めて走ったので完走できればいいかな思った▷青山努監督=選手全員が頑張ってくれて本当に良かった

【市町村対抗の部8位】▷土浦市チーム・3区走者、柴崎伊武希(高校2年)=8位入賞できるとは思ってなかったけど、チーム全員で頑張って走って結果を残せることができて良かった。来年は今年以上のタイムと成績を残したい

【市町村対抗の部10位】▷龍ケ崎市チーム・油原信義総監督=個々に選手みんながベストタイムを出していた。あとは中学生選手の底上げが必要。

【市町村対抗の部11位】▷守谷市チーム・高橋義久監督=「本格的に走る」というよりは楽しく走るのを目的にエントリーした。みんながそれぞれ楽しく走れたので結果には十分は満足。

【市町村対抗の部15位】▷牛久市チーム・高橋信博監督=選手みんながそれぞれ力を出し切って頑張ってくれた。

市町村対抗の部で8位と健闘した、土浦市チームの稲住拓選手

 

《婚姻件数、戦後最低ーいばらきの結婚事情》㊦ 「すごい嫁さんだ」

0
穀物の収穫作業に使う汎用コンバインに乗り込む大曾根京子さん=つくば市小田の武平ファーム

つくば市小田の大曾根京子さん(58)は、自立的農業経営を目指して農業生産法人・武平ファーム代表になった女性農業者。連載2でふれたが、同市農業委員会の担い手対策専門委員でもある。

「やり方次第で農業は面白い」

大曾根さんは笠間生まれの元看護師。小田の兼業農家で会社を経営する夫と30歳で結婚して退職。4人の子を育てながら、先祖代々の田畑で義父を含む家族が食べる作物を作っていた。

転機は17年前。夫が会社をたたむことになり、農業経営士の夫と話し合い、農業生産法人として本格的に就農することに。農業用重機を操る大型特殊免許を取得し、近所で「すごい嫁さんだ」と評判になったという。約54㌶の田畑で水稲や麦、大豆などを生産している。

29人で構成されている市農業委員会中、女性委員は2人。大曾根さんは「農業は男の世界」と言いつつ、「女性主体で運営している農家レストランは人気があり、地域を元気にする。自然派の暮らしを求める女性なら、やり方次第で農業は面白い」と笑顔を見せた。

【取材を終えて】

NPO法人ベル・サポートの他にも婚活パーティーを催す企業に話を聞き、今どきの若者の結婚観が浮かび上がった。1,有名人を始め、周囲で離婚するカップルが多くなったせいか、離婚経験者を敬遠しないが前妻(夫)との間に子どもがいるかを問題にする。理由は養育費や将来の相続に関わる。2,女性は経済面と休日などの生活設計のため、農業を含む自営業の男性を受け入れない。

つくば市農業委員会は結婚支援事業を「農業後継者が良縁に恵まれ、農業経営を安心・安定して営めるよう」と位置付けている。農業後継者のために女性を農業に引き入れようとする形では、今後も成果がでないのではないかと感じる。

「嫁」にならなくても就農

国と同市独自の助成を受けて、つくば地域は非農家出身の新規就農者が多く、2人の女性が農業の担い手として活動している。農業に関心を持つ女性が「嫁」にならなくても就農した好例で、後に続く女性も出てこよう。彼女たちの関心に応える仕組みづくりが農業の発展につながるのではないだろうか。(終わり)(橋立多美)

三春滝桜など圧巻の襖絵展示 クリスマスアート展 10日までつくば市民ギャラリー

0
日本画家の伊東正次さんによる「桜」の襖(ふすま)絵=つくば市吾妻の市民ギャラリー

7人の作家による多様な分野のアート作品が楽しめる展示会「クリスマスアート展」がつくば市吾妻、中央公園レストハウス内の市民ギャラリーで開かれている。

つくば市在住のアートプロデューサー、野歌つぐみさんが代表を務めるTsugumi Art Works(ツグミ・アート・ワークス)主催。野歌さんは次世代に向けた絵画とアートの新たな普及を目指している。

会場には洋画、日本画、水彩画のほか、針などを使って紙に穴を開けレース編みのように仕上げるパーチメントクラフトなどの工芸品が並ぶ。

日展特選を2回受賞している日本画家の伊東正次さんは、福島県の三春滝桜を描いた「桜」の襖(ふすま)絵を展示。襖7枚を連ねた、幅約9.45m、高さ約2mの圧巻の作品だ。

桜を描いたきっかけは樹齢千年もの樹木が春になると一斉に咲くことが奇跡だと感じたから。伊東さんは「襖絵は本来、畳の上に座ってみるものなので、会場ではいすに座って、桜の花びらが舞い、降りかかるようなダイナミックさを感じてほしい」と話していた。

10日まで。入場無料。開館時間は午前9時45分~午後4時45分。(谷島英里子)

《婚姻件数、戦後最低ーいばらきの結婚事情》㊥ 農業後継者、悩み多き婚活

0
おしゃれな客船で横浜港のクルージングを満喫するつくば市農業委員会のカップリングパーティー

農業後継者の結婚難が続いている。つくば市は1995年から、市農業委員会=メモ=担い手対策専門委員会と委員会事務局の市農業行政課が、男性後継者のための結婚支援事業を行っている。

市農業委員会のデータによれば、市の総農家数は4779戸(2016年4月1日現在)。このうち結婚を望んでいる農業後継者がどのくらいいるかは、調査を実施していないため分からないという。

体験型は参加者少なく

2006年から取り組んだのは農業体験型の交流会。農業に関心のある女性向けにと、作付けや野菜の収穫などを中心に企画したが、男女いずれも参加者は少なかった。

5年前に、若者に人気の観光スポットを巡って交流する横浜中華街ランチ&ベイクルーズ「カップリングパーティー」に切り替えた。例年農閑期に入る10月に開催されている。定員は男女各15人で参加費は男女共1000円。安い参加費で異国情緒漂う横浜のスポットを楽しめるとあって、参加者の反応は良いという。

10月22日朝、市役所前でバスに乗車したのは男性16人と女性13人、そして市農業行政課の職員2人。横浜元町まで片道約1時間半の行程で、男性が車内で席を移動して交流する。中華街での昼食やクルーズ客船内でも異性同士が会話できるよう配慮されている。

今年は7組のカップルが成立した。「カップルにならなかった人も含めてLINE(ライン)のグループでさらに交流を深め、結婚に結びつけてほしい」と同課の飯泉亮成さんは話す。

来年は身だしなみ指導

これまでの支援で成婚したのは4組。十分な成果は得られず、今後の活動について農業委員会で話し合いが持たれた。ある委員が「内気な息子が農委のパーティーに参加した経験を生かして、他の婚活パーティーで知り合った娘さんと結婚した。事業は後継者への啓蒙活動になっている」と発言。この発言をきっかけに横浜でのカップリングパーティーは継続が決まった。

来年は新しい試みとして、パーティーに参加する後継者に身だしなみなどを指導する場を設ける。担い手対策専門委員の大曾根京子さんの発案だ。「彼らは若い未婚女性と出会うチャンスが少なく、収穫期は天候が良ければ連日作業で休みは取りにくい。その辺りを理解してくれる人と出会う場であってほしい」と話してくれた。

同専門委員会の冨田寛一委員長(75)と高野武久副委員長(74)に話を聞いた。2人は「今は元気な高齢農業者が耕作しているが、これからは次世代の就農が不可欠だ。後継者の結婚が決まれば周りも大喜びで市長に結婚式に出席してほしいほどだ」と口をそろえた。担い手不足は喫緊の課題で、同時に農業後継者の成婚への悩みの大きさを感じさせた。(橋立多美)(つづく)

※メモ

【農業委員会】市町村に置かれ農地に関する事務を行う行政委員会。農地転用の許可や無断転用の監視、農業の担い手の確保・育成などが主な活動。つくば市では、3年に1度の農業者の選挙で選ばれる21人と農業関係団体や議会からの推薦で選ばれる8人で構成されている。委員は特別職の地方公務員。

中華街でランチを楽しみながら交流
「農業は自然を相手に自給自足が基本の営み」と話す担い手対策専門委の高野武久さん=つくば市刈間

太平洋戦争開戦の8日 つくばで「不戦のつどい」 ふかしイモの試食体験も

0
昨年開かれた「12・8不戦のつどい」の様子(同実行委員会提供)

1941年、旧日本軍がハワイの真珠湾を攻撃し太平洋戦争が始まった12月8日に合わせて、「12・8不戦のつどい」(同実行委員会主催)が8日午後6時から、つくば市並木の並木交流センター2階大会議室で催される。今年は茨城大学人文社会科学部の佐々木啓准教授を講師に迎え「戦争する国の作られ方―『先の大戦』から考える」と題した講演会を開く。

戦争を絶対に繰り返さないため、つくばで戦争体験を語り継ぎ、平和を守り、交流しようと、1981年から毎年12月8日前後に催されている。

主催者は、ここ数年の間に、特定機密保護法、安保法制、共謀罪などが成立したことに危機感を抱き、今回は、戦中に国家がどのように国民を総動員体制に取り込んでいったかを具体的な事例を通し現在の状況と対比して学びたいとしている。

会場では、戦中戦後に主食代わりに食べられた、ふかしたサツマイモの試食も行う。(崎山勝功)

◆資料代500円。問い合わせは同実行委員会事務局(電話029・861・7320)。

《婚姻件数、戦後最低ーいばらきの結婚事情》㊤ 「後継ぎ」と「墓守」は自分の役目

0
第910回出会いパーティーで司会進行をする小野史子さん=つくば市研究学園のホテルベストランド

県によると、2016年の県内の婚姻件数は戦後最低の1万3201件。1971年の2万件をピークに下降線をたどっている。若者の雇用や収入をめぐる経済環境の悪化が要因とされるが、「イエ」重視の県民性も一因ではないか。独身男女の婚活を応援するNPO法人と、農業後継者に「出会いの場」を提供する官製お見合いの現状など、いばらきの結婚事情を3回に分けてまとめた。

親世代の価値観が壁に

2005年5月に設立したNPO法人「ベル・サポート」(菊地長吉理事長・境町)は県南、県西の未婚者や再婚者を対象に結婚相手の紹介、相談活動、出会いパーティーを開催している。営利を目的としない組織で県内外を問わず入会でき、パーティーは会員でなくても参加可。今年10月31日現在、男性会員は920人、女性は520人。出会いパーティー開催は12年間で819回に及び、成婚者累計は433組に上る。

9人のスタッフが運営を担当。つくば市ケーブルテレビのプロデューサーやアナウンサーの経験を買われた小野史子副理事長は、出会いパーティーの司会進行役を務める他、会員からの相談にも応じている。

小野さんは「433組のカップル誕生は、これまでの会員計約2万3000人の中のわずかな数に過ぎません」と話す。そして「親世代が良いと思っている結婚観を受け継ぎ、それが成婚の壁になっている」とも。地元生まれの長男と長女の多くが「後継ぎ」と「墓守」は自分の役目だと思っているそうだ。結婚は家に縛られず個人の自由と捉える人とは大きく隔たる。

両家の中間に家庭築く

ベル・サポートが相談に乗ったことで、後継ぎ同士ながら結婚に至った事例がある。男性(43)は10年間会員間のお見合いや出会いパーティーに参加したが、親と同居して家を存続する考えに共鳴してくれる女性はいなかった。婚活を諦めかけた頃、菊地理事長から言われた「少子化の影響で(これからは)夫婦2人が互いの両親4人の面倒を見る時代」という言葉にハッとした。

条件を優先して相手を探すより、「この人」と思える相手と出会いたいと思った。その後、守谷で行われた出会いパーティーで知り合った妻(42)も、婿になってくれる男性を条件にしたため相手は見つからなかった。互いにひかれ合い、デートを重ねるごとに人生の良き伴侶の思いを強くした2人は結婚を勇断。双方の両親に「親と家を大切にする」と伝えて話し合いを重ねた。最終的にどちらの親も「子どもの幸せが一番」と承諾してくれたという。

3年前に結婚。両家の中間に家庭を築いた。子どもに恵まれ、4人の親に子育てを応援してもらっている。

小野さんは「かつては男女の仲を取り持つ仲人がいたが、恋愛結婚が一般的になってほとんどいなくなった。子どもの結婚を経験した私たちスタッフが現代の仲人役。人生経験を生かして幸せなカップル誕生を応援していきたい」と語る。(橋立多美)(つづく)

オニツカサリーさん、JA土浦れんこん大使に「歌やダンス作りたい」

0
JA土浦の池田正組合長から委嘱状を渡されたオニツカサリーさん㊨=土浦市内のホテル

JA土浦は5日、かすみがうら市出身の女性歌手、オニツカサリーさん(34)をレンコンの魅力をPRする「れんこん大使」に任命した。オニツカさんは「レンコンは一番好きな野菜。世界に発信したいです」と抱負を語った。

土浦市とかすみがうら市は全国1位と2位のレンコン生産量を誇る。れんこん大使は、魅力を発信してもらおうと初めて設けられた。

土浦市内のホテルで同日開かれた年末レンコン販売対策会議で、JA土浦の池田正組合長が委嘱状とたすきを手渡した。オニツカさんは報道陣の取材に対し「地元のレンコンはシャキシャキしてみずみずしい食感でおいしく、週4で食べています。レンコンの歌やダンスを作りたい」と話していた。

オニツカさんはかすみがうらマラソン公式応援ソング「誰もがヒーロー」など地元を題材にした歌を作詞作曲する歌手として知られ、かすみがうら市ふるさと大使や茨城自衛隊地方協力本部広報大使など既に6団体の大使を務めている。(谷島英里子)

県警がYouTubeで情報提供呼び掛け 牛久の未解決強盗致死事件 防犯カメラの映像公開

0
動画投稿サイトYouTubeに投稿された「茨城県警察公式チャンネル」の動画の一部

2000年に牛久市で起きた未解決の強盗致死事件=メモ=について、県警は動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)の「茨城県警察公式チャンネル」に、事件の情報提供を呼び掛ける動画を公開した。県警は「どんな情報でもいいので教えてほしい。それが事件解決につながる」と話している。

当時、事件現場近くのコンビニ店の防犯カメラに映っていた重要参考人とされる男性4人の映像とナレーションを中心に構成された2分20秒ほどの動画。「重要参考人の男4人は、現在では推定年齢30代後半から40代。茨城県南部や千葉県に土地勘のある人物と推定される」などと特徴を説明している。

制作には、広報担当の30~40代の警察官や事務職員ら3~4人が当たり、ナレーションを警察官が担当した。試行錯誤を重ねて10月31日に公開を始めた。

県警によると、重要参考人4人は「事件当時は少年であることが否定できない」が、容疑者が検挙され、容疑者が事件当時未成年であることが分かった場合は「動画を削除する」としている。

県警は、事件発生当初に重要参考人の似顔絵を公開。後に重要参考人が年を重ねた設定の似顔絵も公開し、今年5月には県警公式サイトで防犯カメラ画像の公開に踏み切った。しかし、これまでに寄せられた情報は89件(11月13日現在)と少なく、「捜査の進展はまだない」(県警)など厳しい状況にあるという。(崎山勝功)

事件に関する情報は県警捜査第1課(電話029・301・0110)または県警公式サイトのメール受付窓口へ。

※メモ

【牛久強盗致死事件】2000年5月4日午後0時30分ごろ、牛久市中央3丁目のスーパー駐車場で、当時17歳の少年が、男性4人組から殴る蹴るの暴行を受けて現金数千円を奪われた事件。暴行を受けた少年は事件の9日後に死亡した。

つくば市民大学 12月末で活動休止 開校から9年、体験型講座で先駆的取り組み紹介

0
主催講座「ともに楽しむアートコモンラボ」の最終回として3日開かれた群馬大学、茂木一司教授(左端)による講座=つくば市東新井、ろうきんビル5階、つくば市民大学

市民の学びの場「つくば市民大学」(つくば市東新井、ろうきんビル5階)が12月いっぱいで活動を休止する。2009年4月の開校から9年間、活動を助成してきた中央ろうきん社会貢献基金の解散に伴う休止という。受講生からは休止を惜しむ声が相次いでいる。2021年度に新たな形で再開を目指すという。

多様性、持続可能性などをテーマに、先駆的な取り組みを紹介する体験型講座を開き、市内だけでなく都内などからも受講生を集めてきた。ここ5年ほどは年平均100回を超える自主講座を開き、年約2400人が利用した。

障害者と一緒に実際に街なかで買い物をし、健常者には気づかない発見やアイデアを出して新商品を開発する新しいデザイン手法を体験したり、振動や光で音楽を表現する楽器を聴覚障害者と一緒に楽しむユニークな講座も開かれた。視覚障害者とマラソンを走る伴走者を養成する講座では、受講生が実際のマラソン大会に出場した。

講座を企画、運営してきたつくば市の北村まさみさんは「人と違う見方や考え方を安心して出して意見交換できる場所だった」と振り返り、赤松洋子さんは「市民が講師となる講座も開き、講師自身が仲間と一緒に学ぶ場にもなったのでは」と話した。

受講生で筑波大大学院の男性は「一方通行の大学の授業とは異なり(どんな発言をしても)安心して対話を進めることができ、学ぶことの面白さに気付くことができた」と語り、都内から参加した井上愉可里さんは「いろいろな活動をしている人がいっぱい参加していて、つながる場になっている」と活動休止を惜しんだ。

同大学を運営する市民団体「ウニベルシタスつくば」の徳田太郎代表(45)は「ここを拠点にした活動が地域で具体的な形になったり、ここで出会った人同士がつながって地域でいろいろな活動を展開するなど新しい形になっていったと思う」と9年間の成果を話し、今後は「3年間の充電期間を経て2021年度に何らかの形で学ぶ場をつくりたい。楽しみにしていてください」と話している。(鈴木宏子)

マスコットで地域を盛り上げよう つくばFCがプロジェクト開始 学院大でワークショップ

0
ワークショップでは、ふるやまさんが参加者に問いかけながら自由な発想を引き出した=つくば市吾妻の筑波学院大学

つくば市を拠点に活動しているサッカークラブ、つくばFC(同市稲岡)が、同市やその近隣地域を盛り上げるために、地域の人々がアイデアを出し合ってマスコットをつくろうというプロジェクトを立ち上げた。30日に筑波学院大学(つくば市吾妻)で開かれた第1回ワークショップには、地元企業関係者や学生ら約30人が参加。自由に意見を出し合った。

プロジェクトは「うちのクラブだけでなく、応援してくれる地域や企業、ファンの魅力度を共に上げていくことが狙い」と、つくばFC代表の石川慎之助さん(38)。誕生したマスコットは、地域の企業が自社をPRしたりするなど、公序良俗に反しなければ誰もが使えて親しまれるものにしたいという。そのためにも「地域ぐるみでマスコットを育てていくことを大切にしたい」と石川さん。

この日、ファシリテーター(会議で発言を促し、議論をスムーズに進める人)を務めたつくば市在住のイラストレーター、ふるやまなつみさん(29)は、マスコットについて、性格、似合う色など9つの項目を上げて「思いついたことをどんどん発言してください」と呼びかけた。参加者は「宇宙に住んでいる」「SNS映えする色」など、自由な発想でアイデアを出し合い、それを元にグループごとにマスコットのストーリーを考え、発表した。

「5年間魅力度ランキング最下位の茨城県の魅力度をUPさせるために助けに来た宇宙人が、ハス田に落下、県内で出合った魅力をSNSで発信して成長する」というユニークなストーリーをグループ代表で発表した筑波学院大2年の石嶌紅葉さん(20)は「いろんな人と話し合い、マスコットについて企業側から見た意見も知ることができて、よい経験になった」と述べた。

マスコット制作のワークショップは来年1月11日まで一般向けのヒアリングを含めて計3回開催。そこで出た案を元にふるやまさんがデザイン案を作成、一般に投票を募った後、来年3月21日にマスコットが誕生する予定。(大志万容子)

グループごとに考えたマスコットのストーリーを発表する参加者(左)=同

研究学園駅前でシニアが交流の輪 サロンゆうゆう 在宅医療の室生勝さん主宰

0
和やかなサロンゆうゆう。右端が室生さん=つくば市学園南2丁目

つくば市学園南、研究学園駅南口のマンション1階にシニア世代が交流できる「サロンゆうゆう」がある。主宰者は医師の室生勝さん(82)。脳トレやストレッチ、合唱などで心身をほぐしたり、乾燥肌や低温やけどといった身近な問題の対処法を学ぶことができる。

個性豊かで活力あるまちづくりに自主的に取り組む活動を応援する市の「アイラブつくばまちづくり」制度を活用したコミュニティサロンで、3年前に発足した。

室生さんは同市倉掛の診療所、室生内科開業時から30年以上、在宅医療の前線に立ってきた。閉院した現在も、高齢者のための講演会や相談などに精力的に活動している。

サロンは、新しい街に他市や他県から転居してきた高齢者の健康向上が目的。室生さんの長年の経験を生かした医療相談や、福祉や介護の情報を得ることもできる。高齢者の交遊コミュニティー「研究学園木遊会」と共催で運営している。

11月28日は、「転倒しそうになった時」の顛末(てんまつ)を語り合ったり、目覚めて体がこわばっている時のストレッチを室生さんが実際にやって見せた。約30人の参加者からは始終笑い声が聞かれ、老いと共にやってくる体の変化を前向きに捉える雰囲気に満ちていた。また顔見知りになった参加者同士のおしゃべりが弾み、サロンへの参加は外出を促す良い機会になっている。(橋立多美)

◆同サロンはレーベン研究学園1階の林技術事務所に設けられ、毎月第1、3月曜と第2、4火曜の午後1時~4時に開かれる。参加費100円。12月17日(日)午後2時からは「クリスマス・ハワイアンコンサート」が開催される。問い合わせは電話090-3331-4937室生さんまで。

95年以後の市民活動一堂に 世界湖沼会議サテライトつちうら 壁画アートや湖沼写真・映像展も

0
サテライトつちうらの事業内容について話し合われた同実行委員会=29日、土浦市役所

来年開かれる第17回世界湖沼会議(いばらき霞ケ浦2018)のサテライト会場の一つ、土浦市で催される「サテライトつちうら」の事業概要が決まった。メーンとして来年10月13日、土浦港前の結婚式場L’AUBE(同市川口)で、霞ケ浦や流域の環境保全に取り組む市内の市民団体、企業、行政などが一堂に介して、それぞれの活動を発表し意見交換する。土浦港の防潮堤に壁画アートを描くイベントなども計画されている。

土浦市は1995年に開かれた第6回世界湖沼会議の会場となった。第6回会議をきっかけに霞ケ浦市民協会が結成されるなど、市内でさまざまな活動が展開されてきたことから、95年以降の活動を集め、共有し、霞ケ浦の将来像を見出すことを目指すという。

来年5月末までに参加団体を公募し、当日はそれぞれの取り組みをポスターや口頭で発表してもらう。さらに95年の湖沼会議から今日までの各団体の活動をまとめた活動集(記念誌)をつくる。土浦港でカヌーやヨット体験、アルカス土浦市民ギャラリーで湖沼写真・映像展なども同時開催する。

10月に先立って、第1弾として来年7月16日、高校生が湖沼と流域の将来像を語り合い提言するハイスクール会議を、国民宿舎水郷跡(同市大岩田)で開催の「泳げる霞ケ浦市民フェスティバル」の中で開催する。

第2弾は8月25日、県霞ケ浦環境科学センター(同市沖宿町)で開かれる夏まつりに合わせて開く。7月の高校生の提言を踏まえ、霞ケ浦流域で活動する市民団体が、霞ケ浦や流域の将来像を語り合う。10月のメーン事業は第3弾となる。

市内の環境団体や商工農業団体、行政などでつくる、サテライトつちうら実行委員会(阿部彰委員長)が29日、同市役所で開かれ、概要が明らかにされた。予算は計約1500万円。

第17回世界湖沼会議は来年10月15~19日、つくば国際会議場などで催される。サテライト会場は土浦のほか、かすみがうら市、鉾田市、茨城町、水戸市。(鈴木宏子)

ナースの道へ決意新た 筑波学園看護学生38人が戴帽式

0
1人ひとりにナースキャップが与えられた
ロウソクの灯りは献身を表す。右端はナイチンゲール像

筑波学園看護専門学校(つくば市上横場)の第14回戴帽式が29日、つくばカピオのホールで開かれた。看護学生が病院での本格的実習を前に志を新たにするセレモニーで、4月に入学した38人が臨んだ。緊張した面持ちでナースキャップを頭に頂いた学生たちは手のひらにのせた灯を見つめて、決意を新たにした。

近年は医療現場でナースキャップがあまり見られないことから戴帽式は減少傾向にある。同校はナイチンゲールの唱えた看護の心を継承しようと毎年実施している。

厳かな雰囲気の中で行われた戴帽式には病院関係者や保護者、友人ら約150人が祝福に訪れた。学生たちは「同じ夢を抱く仲間との絆を大切に、看護師になるために努力します」との誓いを込めて「結―ゆい―」を手話と共に合唱した。

戴帽式を終えた看護学生、井崎遥さん(19)は、県立土浦湖北高校を卒業して迷わず看護師の道に進んだ。「看護師として働く母親を誇りに思っている」とし「この8カ月は学ぶことがたくさんあった。患者さんの環境を整えるためのベッドメーキングは何度も練習した。難しいと感じることでも『進む道に近づいている』という希望に満ちている。患者さんに寄り添うことを大切にする看護師になりたい」と話す。

千葉県から通学している小坂健さん(19)は、父親が運営するデイサービス施設で利用者に信頼されている看護師に影響を受けたという。「これからますます勉強も技術も難しくなり、乗り越えていかなければならないことがたくさんある。自分本位の考えで援助をすることは患者さんの援助ではないことを実習で学んだ。患者さんの立場に立って行動できる看護師になりたいので、日頃から意識し生活していきたい」と話した。(橋立多美)

初々しい看護師姿の井崎遥さん㊨と小坂健さん

イオンつくば駅前店が閉店 西武に続き、来年2月までに センター地区のさらなる空洞化懸念

0
2018年2月末までに閉店することが決まったイオンつくば駅前店=つくば市吾妻

西武筑波店が今年2月閉店したのに続き、つくば駅近くの大型商業施設、イオンつくば駅前店(つくば市吾妻)が来年2月末までに閉店する。同店は西武と共につくばセンター地区の振興を担ってきた。中心市街地へのさらなる影響が懸念される。

同店を運営するイオンリテール(本社・千葉市)は「開店から32年経ち、つくばエクスプレスが開通するなど総合的な周辺環境の変化を踏まえて閉店に踏み切る。2013年にイオンモールつくば(つくば市稲岡)などが開店し、駅前だけでなく郊外で買い物ができるようになったことも(要因の一つに)ある」と説明する。現在、同店の売上高はピーク時の約20年前と比べ半減するほどに落ち込んでいるという。

28日、同店1階西出入り口近くに設置された「ご意見・お返事公開ボード」には、閉店に関連した投稿がいくつか掲示されていた。「閉店しないでください。筑波大生のためにも(16日記入)」という投稿には、佐久間勇樹店長から「当店は開店後32年を経過し、新たなライフスタイルに応えるためには、必要な売り場面積の不足だけでなく、建物や各施設自体に老朽化が進んでおります。安全に、かつ快適な空間を提供し続けることは、非常に困難な状況にあることは否めません。そのような背景の元、2017年度中に閉店の運びとなりました(18日回答)」という回答が掲示されていた。

自転車で買い物に来た60代の主婦は「30年以上ずっと利用してきた。食品、家電、薬など何でもそろうのが魅力で、他の店に行っても、最終的にはここに寄った。西武の閉店後はいつ来ても空いていたが、なくなってしまうのは困る」と肩を落とした。徒歩5分のところに住む50代の主婦は「つくば駅からの帰りに買い物をするのに便利だったのに。車のないご近所さんはこれから困るのでは」と憂えた。

つくば市学園地区市街地振興室は「筑波研究学園都市が成長する中で、長い間市民に親しまれてきたイオン駅前店の撤退は残念。現在進めている中心市街地のまちづくりビジョンの策定の中で、中心市街地一帯としてどういう機能を持たせていくかを検討したい」と話した。

同店は西武筑波店と共に、つくば科学万博が開催された1985年3月、ジャスコつくば店としてオープンした。売り場面積は約6300㎡、1階は食品や化粧品、家電、日用雑貨など、2階は衣料品を中心に扱っている。2011年イオンつくば店に、翌12年同つくば駅前店に店名変更した。(大志万容子)

つくばナンバーの図柄決定 来年10月ごろから交付へ

0
決定したつくばナンバーの図柄

つくば市など13市町が投票を実施していた自動車用ナンバープレートの図柄が28日、決定した。筑波山頂から太陽が昇るダイヤモンド筑波を鮮やかなグラデーションで表現したデザインが選ばれた。12月1日、国交省関東運輸局に提案する。来年10月ごろから交付が開始される予定という。

10月17日から11月15日まで、13市町のホームページや公共施設などで投票を実施していた。5930人から応募があり、3161票を獲得したダイヤモンド筑波の図柄が選ばれた。

併せてアンケート調査を実施したところ、53%の3140人から「(図柄入りを)付けたい」、30%の1772人から「まあ付けたい」との回答があり、8割が期待を寄せていることが分かった。寄付金の使途については「観光スポットの環境保全・美化活動に活用してほしい」が最も多く38%、続いて「広域観光パンフレットの作成」が24%だった。

カラーの図柄入りナンバープレートは、新車を購入する際などに、交付手数料に寄付金(金額は未定)を上乗せすれば取り付けができる。従来のモノトーンのナンバープレートも交付手数料のみで引き続き交付する。

つくばナンバーの交付地域はつくば市のほか、古河、結城、下妻、常総、守谷、筑西、坂東、桜川、つくばみらい市、八千代、五霞、境町の13市町。寄付金は交通安全啓発や広域観光キャンペーン、圏央道利用促進キャンペーンなどに活用する予定。(鈴木宏子)

新図書館のバリアフリー度を検証 電動車いすの今福義明さん 「市のセールスポイントになる」

0
入沢弘子館長から視覚障害者や聴覚障害者の読書設備について聞く今福義明さん㊨

市立図書館と市民ギャラリーを併設したアルカス土浦が27日、土浦駅西口前にオープンした。同日、市バリアフリー推進協議会委員を務める電動車いすの今福義明さん(58)と館内を回り、バリアフリー度をチェックした。今福さんは新図書館のデザインや配置に目を見張り「自治体のセールスポイントになるのではないか」などと話した。

今福さんは交通バリアフリーを求める市民団体「アクセスジャパン」代表で、全国各地を飛び回り、公共交通、公共施設などのバリアフリー度をチェックし提言している。土浦市の新図書館に対しては、市と障害者団体とのバリアフリー意見交換会などで、設計段階から当事者の立場で提言してきた。

同日、電動車いすで各階を回った今福さんは「デザインがすごくいい。どこにいても館内が見渡せ、堅苦しさがなくオープンな雰囲気」と高得点を付けた。「いろいろな高さやデザインのテーブルや椅子が配置されていて、余裕が感じられる。いろいろな視線が交差するデザインになっていて、ゆっくりできて落ち着く」と話し、「今風の図書館の機能とは何かということを再認識できる」と賛辞を贈った。

視覚障害者や聴覚障害者向けの読書機能が備えられているかを尋ねると、3階に案内された。点字図書コーナーはカウンター近くにあった。弱視者や色弱者向けの、本を読み取って文字を大きく映し出したり文字の背景の色を変える拡大読書器や、視覚障害者向けの対面朗読室を見せてもらった。拡大読書器や対面朗読室は今回、新たに導入されたという。今福さんは「バリアフリーの装置はそろっている」と納得していた。

課題も見つかった。1階と2階の多目的トイレは、出入口扉近くにオストメイト対応器具や洗面台が配置されているため、幅が狭い。トイレから出る際は開閉ボタンを押して扉を開けなくてはならないが、器具がじゃまになり、車いすではボタンに手が届かない。今福さんは常時携帯している自助具の棒で開閉ボタンを押し扉を開けることができた。「開閉ボタンの位置も少し高いのは」とも指摘した。

設計段階で開かれた意見交換会では、視覚障害者から、点字ブロックの動線や色について質問が出ていた。新図書館は点字ブロックや警告ブロックが館内をめぐっておらず、基本的に職員が案内する。今福さんは「使い勝手について、視覚障害者にも話を聞きたい」と話した。(鈴木宏子)

3階カウンター近くの点字図書コーナー
3階対面朗読室。予約制でボランティアが本を朗読してくれる
2階多目的トイレ。出入口扉付近に洗面台が設置され車いすでは開閉ボタンに手が届かない

飲食店と高校生のコラボも 8000人の家族連れでにぎわう フェスティバル神立

0
地元洋食店、ひつじの小屋とコラボしてオリジナル料理を出店するつくば国際大学高校ファッション&クッキング部

今年で28回目を迎える毎年恒例の祭り、フェスティバル神立(神立商工振興会主催)が26日、土浦市中神立町、神立第3児童公園で開催された。41の飲食店や雑貨店、イベントブースなど多種多様なテントが並び、例年より多い約8000人の家族連れなどでにぎわった。市内の飲食店と高校がコラボしてオリジナル料理などを提供する企画「クッキング甲子園」も行われた。

同企画では、神立中央の精肉店、ミート今井と湖北高校家庭クラブがコラボして国産のレンコンを使った「湖北コロッケ」を販売。隣接のかすみがうら市のまちおこし会社、かすみがうら未来づくりカンパニーと霞ケ浦高校とのコラボ出店や、神立中央の洋食店、ひつじの小屋とつくば国際大学高校ファッション&クッキング部のコラボ出店もあった。

湖北高校家庭クラブの大久保綾香部長(17)は「今年で2回目の出店。クラブの活動を知ってもらいたいと出店に至ったが、仲間と協力する機会にもなって良かった。活動に特に力を入れてくれた1、2年生に感謝している」と話した。

神立高原スキー場をPRする黄色と黒の特徴的なデザインのテントも出店した。神立という地名は新潟県にもあり、今回、湯沢町神立から訪れた。湯沢町の田村さん(27)は「神立高原スキー場をもっと知ってもらいたい」と意気込みを語った。

フェスティバルは地域の活性化や住民同士の親睦を深めることなどを目的として始まった。実行委員長の八釼(やつるぎ)正樹(44)さんは「今年は例年に比べて来場者数が多く大盛況だった。神立地区総出で取り組んだことが影響したと思う」と話していた。
(枝川廉)

ミート今井とコラボした土浦湖北高等学校家庭クラブの大久保 綾香部長
神立高原スキー場のテント

小学生が一日記者体験 会場回り各テントを取材

NEWSつくばはフェスティバル神立に出店し、子どもたちを対象に「1日記者体験」を催した。神立小学校3、4年の3人が参加し、会場を回って八釼正樹実行委員長にフェスティバルへの思いを聞いたり、各店に自慢の商品の作り方を聞くなどした。

3年の石原緑実(みみ)さん(9)は八釼実行委員長に「なんでフェスティバルをやっているんですか」などと質問。八釼委員長は「街の人が仲良くなるためです」などと答えた。4年の林山晃太朗さん(10)が「(会場の)どのお店に行きたいですか」と質問すると、委員長は「神立町内の店がたくさん出ているので、そこに行きたいです」などと応じていた。

会場内であいさつ回りをする地元の青山大人衆院議員に遭遇し、急きょインタビューする一幕もあった。3年の安斉良一さん(9)は「名刺はいつも何枚くらい持っているんですか」など質問していた。

一日記者を体験した林山さんは「いろんなことが分かって楽しかった。またやってみたい」などと感想を話した。

子どもたちを引率したNEWSつくばの大志万容子記者は「子どもたちが一生懸命やってくれて、お店の人も温かく対応してくれた。子どもたちにとって良い体験になったと思う」と話していた。(鈴木宏子)

フェスティバル神立会場で八釼正樹実行委員長(右端)インタビューする子どもたち

小中学校芸術展でダブル受賞 手代木中から2人が市長賞 精細な描写、独特の世界表現

0
市長賞を受賞した池田琴葉さん㊨と菅野華加さん。笑顔で「学校生活は楽しい」と語ってくれた

つくば市民文化祭小中学校芸術展が今月初旬、つくばカピオで開催され、絵画と書道部門各学年1人ずつに市長賞が贈られた。市立手代木中学校(土田十司作校長、477人)は、1年の池田琴葉さんの絵画作品「木もれ日の中で」と、3年の菅野華加さんの絵画作品「成長」が市長賞に輝いた。

池田さんは、中学校隣にある手代木公園の散歩道に陽が射しこむ静かな風景をアクリル絵の具で表現した。「葉っぱの1枚ずつを細かい点で描いて濃淡を出すのが大変だった」と話した。将来は、世界の子どもたちが直面している問題に取り組むユニセフの職員になりたいという池田さん。「絵画は趣味として続けていきたい」と話した。

菅野さんの作品は木の下に座る女の子の周りに多様な魚や街が描かれ、見る人の想像力をかき立てる。海に沈んでいる未熟な自分が成長し、やがて陸に上がることを想定したという。独自の世界を水彩とアクリル絵の具、マジックペンで絵にした。漫画家を目指したこともあったが、今は「自立できる安定した職業に就く」が目標だという。

同展への出展総数は市内52校から絵画が1523点、書道(書写含む)1444点。18人に市長賞、36人に教育長賞が贈られた。(橋立多美)

◆2人の作品は29日から水戸市の県民文化センター展示棟で始まる県小中学校芸術祭美術展覧会で展示される。12月3日まで。入場無料。

池田琴葉さんの「木もれ日の中で」

 

菅野華加さんの「成長」

 

風景描写に感嘆 朱青会が水彩画展 26日まで牛久で

0
内田さんの細密画作品「亀城のシイ」の前で、左が内田さん右が永井さん=牛久市中央の三越牛久店2階アートギャラリー

牛久市の水彩画愛好者らによる「朱青会 水彩画展」が同市中央の三越牛久店2階アートギャラリーで開かれている。会員11人の25作品が会場いっぱいに展示されている。

会は2007年、同市成人教室の水彩画講座の受講生らが中心となって、講座終了後に立ち上げた。当初は講座講師の指導を受けていたが、会員だけで勉強するようになり、現在は会員の高橋忠さんが講師となり活動している。景色を描きたいという会員が多く、室内の静物画作品より風景画の方が多い。年2回写生会を行い、楽しみながら制作に励んでいる。

練習日は月2回あり、家で描いた作品を持ち寄り会員相互で意見を述べ合う。この意見がとても大切で手直しする際の指針となり、より良い作品に仕上げるのだという。練習日には高橋さんの水彩画制作の実演指導があり、会員らは技術向上を目指している。制作に真剣に取り組む会員だが、教室は和気あいあいとした雰囲気だ。

展示会場中央にはスケッチブックが置かれている。どれも見応えがある。添えられている盆栽は、会員の内田久寿さんが30年前に種から作り丹精込めて仕上げたもので、風景画に寄り添い風情を醸し出している。

つくばから来場した女性は「見応えのある作品ばかりですね。特に細密画には感心しました」と話していた。代表の永井健治さんは「来場者からは、平均的な絵画教室の作品よりレベルが高いとの評価をいただいています。それを励みに制作にも熱が入ります」と笑顔で話していた。(鈴木萬里子)

◆会期は26日(日)まで。開館時間は午前10時~午後5時(最終日は4時)。問い合わせは永井さん(電話090・5795・0511)。

中央にスケッチブックが置かれている会場