月曜日, 5月 12, 2025
ホーム ブログ ページ 186

《県南の食生活》18 七五三の祝い 7歳のヒモトキ

0
紐解きの時に引き出ものと共に出される紅白餅

【コラム・古家晴美】11月に入ると、祝日や週末の神社で、鮮やかな晴れ着を身にまといご家族に手を引かれる「七五三」の子どもたちの姿を見かける。中国の元服儀礼の影響を受け、元来は宮中や武家の間で行われていた。3歳の髪置き、5歳の袴着、7歳の紐(ひも)解きなど成長期の重要な節目の通過儀礼だが、7歳の祝いが最も重要とされた。紐が取れた本裁ちを着るようになることからヒモトキ(紐解き)、オビトキ(帯解き)とも呼ばれる。

ところで、茨城県南部から千葉県北部にかけて、現在でもヒモトキを盛大に祝う慣習がある。七五三パーティーのカラー刷り新聞折り込み広告を目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれない。

結婚式の披露宴並みのご馳走が並び、主人公の子どもが着物・袴(はかま)からドレス・洋服に2回ほどお色直しをし、子どもの芸事の披露、両親への花束贈呈などが結婚式場や宴会式場を借り、数十人の客の前で執り行われる。宴席の席順は結婚式とほぼ同じで、出席者は現金のお祝い以外に、ピアノやタンスなどを贈った例もあった。(『牛久市史』)

それ以前に自宅で宴会を行っていた頃も、近所や親戚の人に手伝ってもらい、惣領(そうりょう)の場合は3俵の餅を夜中の1時頃から明け方ころまで搗(つ)いた。コネ取りは入らず、4人で細い杵(きね)で水をつけない餅を搗く(練るに近い)。かなりの力仕事だったので、20人くらいで交替した。搗きあがった餅は、かご屋に注文した籠(ヒゲコ)に入れて親元・親戚・近所に配り、宴会への招待を告げた。(『取手市史 民俗編』Ⅰ・Ⅱ)

地域社会の「氏子入り」

自宅で調える膳には、酢の物・鯉の旨煮・トロトロ豆・汁・赤飯・フナ・松竹梅の打ち菓子などが並ぶ。婚礼の時と同様、村の素人料理人を頼み、近所の女性にも手伝ってもらった。大正11年の記録では、招待したのが村内の42軒で、それに親戚全部を加え、手伝いの女性が7名、膳椀・鍋釜は共有のものを借用とあるから、かなりの規模であったようだ。(『麻生町史』)

この儀礼が庶民に広まってからは、ヒモトキは村の「氏神」に子どもの無事を祈り、子どもが地域社会の一員として承認される「氏子入り」の機会となった。一方、ヒモトキを機に、家督が子どもの祖父母から両親に譲られる、両親とその仲人との盆暮の贈答付き合いが一区切りを迎えるなど、子どもの周囲にも少なからぬ変化がもたらされた。

七五三パーティーの主人公はあくまで子どもであるが、このように家族が次のステージに入ったことを周囲に広く披露する場であると受け止めれば、盛大な祝いとなるのもうなずけるかもしれない。(筑波学院大学教授)

先を見通せる霞蓮雛 土浦で11月に手作り教室

0
すがた美容室(土浦市桜町)に飾られている霞蓮雛

【伊藤悦子】土浦市の市内の商店や事業主の女性12人で構成する同好会、菊被綿(きくきせわた)文化を守る会(木村恵子会長)が11月18日、ハスの花托(かたく)で作る霞蓮雛(かれんびな)手作り教室を開催する。霞蓮雛は会のメンバーが6年前から作っていたが、教室を開いて作り方を指導するのは初めて。

守る会は五節句のひとつ、旧暦9月9日の「重陽の節句」にちなむ催事として、9月に土浦駅周辺の商店や銀行、公共施設など約90カ所の店頭に霞蓮雛を展示した(9月10日付既報)。すると、会期中「どこで買えますか?」「自分でも作りたい」など問い合わせがあったという。

「今、新型コロナのことで気持ちも沈みがちな人が多い。こんなときだからこそ先を見通せる縁起物のハスを使った霞蓮雛を作って家に飾り、明るい未来を思い描いて欲しい」(木村さん)と思ったのが教室開催のきっかけになった。

手作り教室では、初めての人がすぐに取りかかれるように、ハスの花托、着物部分の千代紙、顔の部分の繭、台座などがセットで用意されている。ハスの花托はすべて土浦産だ。指導は守る会のメンバーが担当する。

木村さんは「重陽の節句だけでなく、1月7日に七草がゆを食べない、面倒だからおひな様は飾らないなど五節句そのものが、最近おざなりになっている」と嘆く。「城下町・土浦だからこそ、五節句という千年の昔からある伝統文化を今こそ大切にしてほしい」と強調した。

◆霞蓮雛手作り教室 11月18日(水)午後1時30分から、すがた美容室(土浦市桜町)で3時間程度の開催。費用は2000円。先着3人まで。問い合わせは同美容室(電話029-821-1607)

《続・平熱日記》72 「平熱日記展」 10回目は記念すべき?

0

【コラム・斉藤裕之】「セロ弾きのゴーシュ」という物語がある。セロを練習していると、夜な夜な動物がやって来てはリクエストをする。それに応えているうちに、セロの腕が上がっていたという宮沢賢治の童話だ。シンプルなストーリーだが、ものづくりのエッセンスが描かれている。

身の回りの出来事を小さな板切れに描くことにした。四季の移り変わりや食べ物、出会った人やモノ、2匹の犬や家族…。謙虚に、つべこべ言わずに描く。ゴーシュが動物たちのリクエストに応えたように。芸術やアートという言葉から離れて、制作や表現ではなく、単なる絵を描こうと思った。そうやって何とか細々と絵を描き続けて来られた。

それから、今書いているこのエッセイ。ちょうど6年前、当時の常陽新聞の記者の方が別件で取材に来られたことがきっかけとなった。親しい友人の「斉藤さんの絵もいいけど文章が好きだな」という一言が、後押しをした。

結果的に、この2つの作業は私に向いていた。絵に飽きたら文章を書く。エッセイによって気持ちの整理がつく。日記のようにして絵と文が残っていくのは、怠け者の私には都合がよかったし、早朝の小1時間での作業は私の生活リズムにピタリとはまった。

27日から牛久で3週間

記憶をたどると小さな絵は15年ほど前から描いているが、ゴーシュにシンパシーを感じるとすれば不器用で下手ということだ。しかし、ここが絵と音楽の違いなのか、下手でも絵は描ける。

当初は人に見せるつもりはなかったが、「展覧会をやってみたら」という、これも友人の言葉がきっかけで小さな絵を飾ってみた。ゴーシュのように思い通りの演奏ができたというような実感こそなかったが、意外に多くの人が褒めてくれた。

今年も、牛久市の「サイトウギャラリー」で展覧会(10月27日から3週間)をすることにした。今回は描いた絵を自作の箱に収めているのだが、相変わらず同じようなものばかり描いていることにあきれたり、変わりのない暮らしぶりをしている証しか、などと納得したり。

展覧会は今回でちょうど10回目になる。紙粘土で作った牛久シャトーを描いたものを案内のハガキにした。少しお祭り気分で「第十回記念展」にすることも考えたが、「九の次の十回展」ということにした。

しかし、コロナ禍でオリンピックをはじめほとんどのイベントが中止された記念すべき?年に、これほどピッタリの記念すべき展覧会もなかろう。なにしろ「平熱日記」展というぐらいだから。(画家)

常総学院出の鈴木投手(法大)ロッテ1位指名 プロ野球ドラフト会議

1
2016年の高校野球県大会決勝戦で力投し、優勝に貢献した常総学院時代の鈴木昭汰投手。円内写真は法政大学提供

【崎山勝功】プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で開かれ、12球団で支配下指名74人、育成49人の合計123人が指名された。千葉ロッテが1位で常総学院出身で法政大学の鈴木昭汰投手(22)=土浦市出身=を指名し交渉権を獲得するなどした。

鈴木投手は、身長175センチ、体重80キロ、左投げ左打ち。土浦四中では土浦霞ケ浦ボーイズに所属し、全国大会準優勝。常総学院高では1年春からベンチ入り、甲子園には3回出場し、2年春と3年夏は8強。法大では3年春にリーグ初勝利を挙げた。最速152キロのストレートを投げる力量を持ち、球団担当者は「1年目から先発ローテーションに入り、二ケタ勝利が期待できる」とのコメントを出した。

小沼健太投手(茨城アストロプラネッツ提供)

ロッテからは育成枠2巡目でBCリーグ茨城アストロプラネッツ(茨城AP、本部ひたちなか市)の小沼健太選手(22)が指名された。小沼選手は千葉県出身、身長189センチ、体重86キロ、右投げ右打ち。

筑波大・奈良木投手は巨人育成枠9巡目で

指名後の奈良木陸投手(写真提供/筑波大学アスレチックデパートメント)

筑波大学では、硬式野球部の奈良木陸投手(22)が、育成枠9巡目で巨人から指名された。同日夜のオンライン記者会見に応じた奈良木投手は「最後の最後で指名していただきホッとしている。一から力を付けてやっていく」と抱負を述べた。

奈良木投手は広島県出身、身長181.5センチ、体重90キロ、右投げ右打ち。育成枠契約だったことから「スタートに立っただけ、一軍で活躍してこそ見ている人を魅了できると思う」と支配下選手登録に向け抱負を語った。「小さい時から野球をやらせてもらっていた。こうして一つ夢が叶って、家族に対して野球でしっかり恩返しをしていきたい」と家族への感謝も述べた。
 

《邑から日本を見る》74 安倍政治を検証する(4) 福島の汚染水と東海第2

0

【コラム・先﨑千尋】安倍政治検証の最後は原発問題だ。「フクシマについて、ご案じの向きには、私から保証をいたします。状況は統御(アンダーコントロール)されています」。2013年9月、アルゼンチンで開かれたIOC総会で安倍首相はそう演説した。帰国後、安倍氏は「汚染水の影響は、湾内の0.3平方キロの範囲で完全にブロックされている。汚染水処理は国が前面に出て、私が責任者として対応したい」と言った。

しかし7年たった今でも、汚染水の流出は1日平均で180トン。止まっていないのだ。この汚染水は多核種除去装置(ALPS)で浄化しているが、それでもトリチウム、セシウム、ストロンチウムなど63種類以上の放射性物質が溶け込んでいる。処理水を詰めたタンクはすでに1000基を超え、限界に近づいている。

この汚染水について、原子力規制委員会の田中前委員長、更田現委員長は、トリチウム濃度を告示濃度以下に薄めて海に流せ、と発言してきた。所管の経産省はこれまでに有識者会議や小委員会を開き、地層注入、海洋放出、コンクリート化して地下埋設、水蒸気にして放出、水素にして大気放出―の案を検討し、委員会はこの2月に「現実的な選択肢は海か大気への放出で、海洋放出の方が確実に実施できる」という報告書をまとめた。

地元ではこの問題をどう受け止めているだろうか。朝日新聞と福島放送が今年2月に行った世論調査では、汚染水を薄めて海に流すことに賛成が31%、反対が57%だった。福島県議会は丁寧な意見聴取や風評被害対策を求める意見書を採択し、郡山市、浪江町議会など13議会が反対、8市町村が慎重に検討するよう求める意見書を採択している。地元の大熊町と双葉町の町長は保管継続に反対の考えを表明。福島や茨城、宮城などの漁業団体などは強く反対している。

メルトダウンを起こした3基の原子炉内部には溶け落ちた燃料デブリがそのまま残され、廃炉の見通しは立っていない。安倍氏は世界に「アンダーコントロール」と見栄を切った。しかし安倍氏はフクシマの解決策を示さないまま逃げていく。

負の遺産だけを残し去った

東海第2原発の再稼働についても同じだ。本欄で何度も書いてきたように、東海村にある日本原電東海第2発電所は世界で最も危険な原子炉と言われている。それを20年延長して再稼働させるというのが国の方針だ。

東海第2の30キロ圏内には100万人近くの人が住んでいるし、日立製作所などの大工場が林立している。首都圏にも近い。国、原子力規制委員会、日本原電は「事故が絶対に起きない」とは言明していない。

マスコミ各社の世論調査や那珂市のアンケートでは、県民、市民のおおよそ3分の2が再稼働に反対だ。民意を無視する国の姿勢は沖縄でも見られるが、東海第2が再稼働し、事故を起こしたらどうなるか。影響は私たちだけでなく、首都圏が壊滅し、日本は沈没してしまう。そのとき誰が責任を取るのか。取れる訳がない。

コロナ以後の世界と日本の社会の仕組み、経済構造は、確実に変わる。エネルギーの使い方も大きく変わる。安倍氏は負の遺産だけを私たちに残し去っていった。私たちは、国が言うから「働き方改革」をするのではなく、自分自身の生き方、国と私たちとの関わり方などを考えるいいチャンスを与えられた、と考えたい。(元瓜連町長)

【つくばの選挙2020】当選28人決まる 市議選

7
開票作業をするつくば市職員たち=25日午後8時15分ごろ、桜総合体育館

任期満了に伴うつくば市議選は25日即日開票が行われ、28人が決まった。定数を13人オーバーの激戦が展開された。28人の内訳は現職が21人、新人が6人、元職が1人。政党別は自民8人、市民ネット4人、公明3人、共産2人、新社会1人、無所属10人。当日有権者数は18万7565人。投票率は51.6%。

◆つくば市議選開票結果(選管確定、敬称略、案分票は小数点以下切り捨て)

当5216 ヘイズ ジョン 57 会社経営 無現④

当4311 飯岡 宏之 58 会社員 無元⑥

当4218 川久保皆実 34 弁護士 無新①

当4202 山本 美和 50 政党役員 公現④ 

当3764 黒田 健祐 39 市議 自現③

当3737 鈴木富士雄 72 農業 自現⑦

当3208 久保谷孝夫 69 会社役員 自現⑩

当3091 木村 修寿 66 元つくば市職員 無現③

当3084 小久保貴史 47 農業生産法人代表 自現③

当2998 神谷 大蔵 47 会社役 自現③

当2871 小野 泰宏 60 政党役員 公現⑥

当2696 木村 清隆 56 市議 無現③

当2657 塚本 洋二 48 会社顧問 自現④

当2639 山中 真弓 42 党市委員 共現②

当2572 小森谷佐弥香 46 薬剤師 市民ネット現② 

当2571 皆川 幸枝 49 市議 市民ネット現③

当2523 浜中 勝美 67 政党役員 公現④

当2467 塩田 尚 70 行政書士 無現⑨

当2401 小村 政文 26 勝手につくば大使 無新①

当2385 金子 和雄 76 党県委員長 新社会現⑩

当2239 長塚 俊宏 58 会社社長 自現②

当2227 高野 文男 57 損保代理店 無現②

当2091 浅野英公子 59 ネット運営委員 市民ネット新①

当2082 川村 直子 48 ネット運営委員 市民ネット新①

当1991 中村 重雄 50 自営業 無新① 

当1922 橋本 佳子 66 党県委員 共現⑥

当1889 五頭 泰誠 52 会社員 自現③

当1771 宮本 達也 48 宮本ファーム代表 無新①

 1702 滝口  隆一 72 共現 
 1566 鶴田 真子美 55 無新 
 1540 野友  翔太 26 無新 
 1538 下神納木加枝 38 自新 
 1455 須藤  光明 78 自現 
 1065 仲村   健 38 無新 
  889 木村  芳美 57 無新 
  774 藤岡  輝子 49 自新 
  763 中山  道世 34 無新 
  672 田中  美華 38 無新 
  503 伊藤   栄 56 無新 
  446 福田   恵 35 諸新 
  390 加藤  純子 72 無新 

 

 

【つくばの選挙2020】市長選は現職の五十嵐氏再選

3
当選し万歳三唱する五十嵐立青氏=25日午後10時ごろ、同市上横場、選挙事務所

任期満了に伴うつくば市長選は25日即日開票され、現職で2期目を目指した五十嵐立青氏(42)=無所属=が、自動車販売会社経営の富島純一氏(37)=同=、元研究者の酒井泉氏(71)=同=の新人2氏を破り、再選を果たした。当日有権者数は18万7565人。投票率は51.6%。

◆つくば市長選開票結果(選管確定)

当 67,933 五十嵐立青 42 無現
  13,439 酒井  泉 71 無新
  10,918 富島 純一 37 無新

五十嵐立青氏

五十嵐立青 42 市長 無現①

【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。元いがらしコーチングオフィス代表。元NPOつくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住。
【公約】①市民無視から市民第一のつくば②こどもとママパパにもっとやさしい子育て環境③すべての人が自分らしく生きる社会

五十嵐氏は1期4年間の成果を強調し「誰一人とり残さないつくばを、共につくる」などと訴えた。選挙戦は、現職の強みを生かして市議会最大会派の応援や、主な業界団体の推薦を得て強固な体制を敷き、知名度で新人2氏を突き放した。

酒井氏は、告示の1週間前に急きょ出馬を表明。五十嵐氏の4年前の最大公約だった総合運動公園問題に的を絞って現職を真っ向から批判し「URに買い戻させて66億円を取り戻す」などと訴えた。地元の上境地区などの応援を得て浸透を図ったが、及ばなかった。

富島氏は、五十嵐氏の行政手腕を「結果を出していない」と批判し、自らの経営手腕を強調した。若手経営者グループなどの応援を得て後半、追い上げたが、出馬表明が2カ月前と出遅れたことが響き、知名度が浸透しきれなかった。

祝勝会であいさつする五十嵐市長氏=同

マニフェスト135項目を必ず実現

【五十嵐陣営】同市上横場の選挙事務所には午後8時過ぎから支持者が集まり、開票を待った。午後9時30分過ぎ、五十嵐氏が投票総数の過半数を超える5万票超を獲得した速報が伝えられると、大きな拍手と歓声がわき起こった。地元の国会議員や近隣首長らが祝福に駆け付けた。

五十嵐氏は「ここまで多くの票をいただけたことに責任の重さを痛感している」と述べ「約束した135項目の公約を前に進めるためロードマップをつくり、市民との対話を深め確実に政策を実現したい」と話した。課題となっている旧総合運動公園用地問題とつくばセンタービル改修問題については「新しい議員と協議し、市民との対話を通し進めていきたい」とし、特に総合運動公園問題を訴えて告示日の1週間前に出馬した酒井氏に1万3000票超が集まったことについて「酒井さんに投票した皆さんにもいい解決になったなと思えるようにしていきたい」と話した。

突き一本で勝つつもりだった

敗戦の弁を話す酒井泉氏=25日午後10時15分ごろ、同市桜、選挙事務所

【酒井陣営】支援者は終始和やかな雰囲気で談笑していた酒井氏の元へ午後9時30分過ぎ、現職再選確実の報が飛び込む。事務局では支援者から「『負けは負け』だが、ギリギリで立候補をしてこれだけ得票できた」との声が飛んだ。
酒井氏は、支援者に頭を深く下げ敗戦の弁を述べた。「最後まであきらめず突き一本で勝つつもりだった。勝ち負けは度外視だったが負けは負けだ。今回、出馬しなければよかったとは一切考えていない。もし出馬をしていなければ、死ぬまで悔いが残ったに違いない。研究学園都市をこれまで作ってきた先人が見守ってくれていたという実感がある」と語り、これからもつくば市のブランドを成長させるための貢献をしていくと抱負を語った。

これから自分の生き方で恩返し

「正直受け止めきれない」と語る富島氏=同市稲荷前、選挙事務所

【富島陣営】午後8時過ぎ、同市稲荷前の選挙事務所には支持者が集まったが、1回目の開票で大差がついた。

富島氏は「短い期間でしたが応援してくれた皆様への感謝は忘れない。商売においても日本を良くしたいという気持ちでやっている。これからの自分の生き方で恩返ししていければと思っている。ただ、得票数においては、正直受け止めきれない。今後、この数字と向き合っていきたい」と敗戦の弁を語った。

つくばの選挙を開票速報します

0

NEWSつくばは、つくば市長選と市議選の開票状況を25日午後9時30分から開票速報します。

任期満了に伴う同市長選と市議選は25日午前7時から午後7時まで、市内75カ所で投票が行われ、同日午後8時15分から、同市流星台、桜総合体育館で即日開票されます。

当日有権者数は18万7565人。市長選、市議選とも投票率は51.6%でした。

市長選は午後10時過ぎ、市議選は翌26日午前0時ごろ、大勢が判明する見通しです。

ツイッターでも、#つくば選挙2020というタグを付けてツイートします。

《食う寝る宇宙》72 「自助」「共助」が大事!「防災国大」に参加

0

【コラム・玉置晋】10月3日、防災推進国民大会(通称:ぼうさいこくたい)というイベントに参加しました。名前の通り、一般~専門家向けの防災を学ぶことができるイベントです。

僕は太陽フレアなどで、将来、社会インフラなどに甚大な影響を与える可能性がある宇宙天気災害に興味があって、大学院で研究をしています。そのため、地震や水害といった僕らがすでに被害を被っている災害の研究動向や社会の対応状況を勉強しておきたいと考えています。そこで、大学の先生から、このイベントをご紹介いただいたというわけです。

様々な講演を聴いて気になったのは、自分で守る「自助」、みんなで守る「共助」、国や自治体による行動「公助」の3つの「助」が必要だということを、皆さん述べておられた点です。

自助や共助は、僕ら自身のアクションになるけど、イザというときの備えができているかといえばちょっと自信がない。本コラムでは宇宙天気防災研究者という肩書になっていますが、本人の防災意識を問われると、ちょっとつらい。

本イベントの参加レポートは大学院の授業単位にも考慮されるそうなので、ちょっと本気で聴いています! 今年はオンラインで開催されており、発表の動画(https://bosai-kokutai.com/)はアーカイブされています。みなさんもよかったらいかが?

宇宙天気はどのような影響を及ぼすか?

最近の災害関係のトピックスがもう一つ。宇宙天気防災関係です。10月7日、情報通信研究機構(NICT)さんが「太陽フレアなどの宇宙天気による社会への影響と評価~宇宙天気は日本にどの様な影響を及ぼすか~」と題するプレスリリース(https://www.nict.go.jp/press/2020/10/07-1.html)を出されましたので、注目です。

ポイントは、

  • 「科学提言のための宇宙天気現象の社会への影響評価」を作成・発表
  • 大規模な太陽フレアが発生しても、地上での「健康」への影響はほぼないことを確認
  • 各事業者が適切な対応策を取ることで宇宙天気現象に対して社会的な強靭(きょうじん)性が増すことを期待

―とのことです。

太陽活動が主な源である宇宙天気による災害はまれであるものの、一度発生すると広範囲で大規模に影響を与えることが知られています。でも、どれくらいの規模の現象がどれくらいの頻度で発生するかなど、社会への影響の定量的な議論は十分ではありません。

プレスリリースにも書かれていますが、この状況は「宇宙天気予報の警報を発信しても、そのために備えをどのようにしたよいのかについての指針がなく、その結果、ユーザは過剰な心配あるいは無関心に陥っていた」という現状につながっています。

ポストコロナ時代においては、宇宙天気の影響に対策が必要な自動運転やドローン物流が注目を浴びてくるでしょうし、数万機の小型衛星による通信網の構築はもう間近です。

「各事業者が適切な対応を取ること」で、災害レベルの宇宙天気現象に対して、正しい知識が普及し、社会的な強靭性が増すと期待されていますので、よろしくお願いします。つまり「自助」「共助」でございます。(宇宙天気防災研究者)

25日投開票 つくば市長選・市議選

0
最後の訴えをする市長選立候補者=24日、つくば市内

【鈴木宏子】任期満了に伴うつくば市長選と市議選(定数28)はあす25日、市内75カ所で投票が行われ、即日開票される。23日までの期日前投票者数は1万9932人(10.62%)で、4年前の同時期(8.04%)より約2%高い。有権者数は18万7565人(17日現在)。前回の投票率は53.31%だった。

市長選には、新人で自動車販売会社を経営する富島純一(37)=無所属=、現職で2期目を目指す五十嵐立青(42)=同=、新人で元研究者の酒井泉(71)=同=の3氏が立候補している。

富島氏は「科学万博をもう一度」というビジョンを掲げ、市立高校設置などの公約を必ず実行すると訴えながら市内をくまなく回る。陣営は「尻上がりに良くなっている」と手ごたえを語る。24日は市南部の茎崎、谷田部地区や、TX研究学園駅、つくば駅周辺の住宅地や商業施設周辺を回り、各所で街頭演説。午後7時、つくば駅前で最後の訴えをする。

五十嵐氏は「だれ一人取り残さないつくばを、共につくる」などを訴えながら、応援を受ける市議候補らと共に市内各地を回る。陣営は「叱咤激励もあるが応援してもらっているからこそ」と、得票目標の達成に自信を見せる。24日は谷田部や地元の梅園、妻木、大穂などを回り、市議候補と共に街頭演説。最後は上横場の選挙事務所前で訴え、締めくくる。

酒井氏は「総合運動公園用地を研究施設用地としてURに買い戻させて66億円を取り戻す」「市役所改革」などを訴え、選挙カーで市内をくまなく回る。「『頑張ってください』という電話がひっきりなし」だと話す。24日は筑波や豊里、茎崎地区などの旧集落を選挙カーで丹念に回り、最後は地元の金田や上境地区を回って、最後の訴えをする。

➡市長選立候補者の3氏の略歴と公約はこちら

市議選(定数28人)は、定数より13人多い41人が激戦を展開している。内訳は現職が23人、新人が17人、元職が1人。政党別は自民11人、公明3人、共産3人、市民ネット4人、新社会1人、諸派1人、無所属18人。

➡市議選立候補者の41人の略歴はこちら

コロナ禍 オンラインで学園祭 筑波学院大

0
教室の特設スタジオから生配信するガクサイ2020実行委員会のメンバー。中央は前村怜希委員長

【鈴木宏子】筑波学院大学(つくば市吾妻)で24日、オンライン学園祭「ガクサイ2020」(前村怜希実行委員長)が開かれた。コロナ禍、動画共有サイト、ユーチューブを使って、実行委員会のメンバーらが教室の特設スタジオから生配信し、新入生たちにサークル活動を紹介したり、双方向でクイズを楽しむなどした。

実行委のメンバー約30人が8月からオンライン会議を通して準備を進めてきた。当初は中止という選択肢もあったが、コロナ禍で自分たちに何かできることはないか、新入生たちに本来楽しめたはずの大学生活やサークル活動を知ってもらいたいと企画し、オンラインでの開催にこぎつけた。

当日は実行委員の半数が大学に来て、特設スタジオから生配信した。

コロナ禍でなければ楽しめたはずのキャンパス生活や、大学周辺のお店などを紹介する動画「大学生の1日」を実行委のメンバーがあらかじめ制作して紹介したり、ジャグリング、軽音楽バンド、テニス、アニメ制作などのサークル6団体の活動の様子を撮影した動画を配信した。

ほかに、日本人学生と留学生が画面上で一堂に会して、日本語と英語でクイズを楽しんだり、ボードゲームの遊び方を紹介したり、学生のボランティア活動を紹介するコーナーもあった。

実行委員長で経済情報学部ビジネスデザイン学科3年の前村さんは「学園祭のKVA祭では例年、各サークルがいろいろなイベントを企画したり出店したりして、先輩たちとつながりができる場となるが、今年はコロナで新入生たちはサークル活動を1日も経験していない」と話し「新入生たちに、こういう先輩たちがいることを知ってもらえれば」と話していた。

画面上でおしゃべりしながら、日本人学生と留学生が英語と日本語でクイズを楽しむコーナーの画面

《くずかごの唄》71 コロナ時代のお別れ会

0
イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】内山充氏は義兄奥井誠一が東北大教授のときに助教授だった人。当時学生だった人たちは奥井・内山コンビの授業が印象的だったという。誠一は現役の45歳で死亡。内山氏はその後、厚生労働省国立衛生試験所の所長として保健衛生に大きな働きをして昨年亡くなった。コロナ騒ぎの中で「内山充先生を偲(しの)ぶ会」が延び延びになっていたが、この間、やっと実現にこぎつけた。

50年たっても懐かしい学生時代の先生たちを偲んで、誠一先生の墓参りを済ませてから、偲ぶ会に出席したいという人が何人か出てきた。11時に土浦集合、墓参りして13時に東京へ向かうまで、2時間しかない。

誠一兄の親友で、東北大教授の、後に星薬科大学長になった亀谷哲治さん親子が設計した風変わりな家も見たいという。私は計画を聞いて困ってしまった。時間がない中、50年前に亡くなった懐かしい人を想い出してもらう作戦を考えなければならない。

ギンナン、クリ、レンコン、イチジク、ナス

兄が生まれたときに父が記念に植えたイチョウ。今は大木となって我が家の庭の真ん中を占領している。ギンナンは臭くて、ツラの皮の厚い人でないとかぶれてしまう。我が家には人一倍ツラの皮の厚い人がいるので、ギンナンを拾ってむいてみた。

クリの渋皮煮。クリを選ぶのが難しい。幸い、国際囲碁協会会長の合田健夫妻が八郷から大きなクリを届けて下さった。「全自動栗むき機」というあだ名の亭主が、学生時代に植物成分の分析で植物の皮むきをしたことを思い出しながら、徹夜して渋皮をむいてくれた。

霞ケ浦のレンコン。私の発明したレンコン料理。これは穴の中にぎゅうぎゅうとひき肉を詰め込んで、丸ごと煮る。冷めてから横に切ると、ひき肉が模様になってかわいい一皿になる。

兄が好きだったイチジクの木。木も3代目だが元気に実をつけてくれた。庭の甘柿は甘過ぎるのでサラダにする。

一番のごちそうは、ナスのぬかみそ漬。庭で育てた採りたてのナスを漬ける。あまりに手間と時間がかかるので、ぬかみその樽を捨ててしまいたい思ったこともある。姑(しゅうと)に相談したら怒られ、先祖からの菌床にぬかを足しながら100年近く使っている。

「内山充先生を偲ぶ会」の当日、4人の70歳の元学生を土浦に迎えて、亀谷先生、内山先生、奥井先生を偲びながら、ワインで乾杯することができた。(随筆家、薬剤師)

災害ボランティア条例案を議員提案へ いばらき自民党

0
茨城県庁

【山崎実】県議会最大会派のいばらき自民党(会長・白田信夫県議)は、県災害ボランティア活動促進条例案のパブリックコメントを26日まで実施している。県民の意見を集約し、11月25日開会予定の第4回定例県議会に議員提案する。

昨年の台風19号による甚大な被害など、大規模な自然災害が頻発し、災害時はボランティア活動が緊急かつ重要性であることから、活動環境の整備や、県、市町村、社会福祉協議会などとの多様な連携体制の構築を目指すのが目的。

条例案は、定義、基本理念、県の責務、県民・事業者の理解、連携強化、人材の育成・確保、推進体制の整備、財政上の措置など全15条から成る。県に対してはボランティア活動の体制整備と併せ、基金の設置を求めている。

中でも、県独自の施策として、9本の柱を掲げている。主な内容は▽甚大な被害から災害ボランティアセンターの設置運営が困難な場合は、県が率先して必要な措置を講じる(第5条)▽県・市町村・社会福祉協議会に対し、災害ボランティアセンターの円滑な設置運営のため、役割及び費用分担を明確にしておく(第8条)▽児童生徒の防災意識の向上を図るため、学校で災害ボランティア活動に関する体験の機会を提供、自主防災組織等との交流に努めることを規定(第9条)▽災害ボランティア活動に際し、個人情報の保護、被災者の権利利益の保護や、感染症の予防など安全の確保を県に求める(第10条)—など。

条例案は今後、詰めの作業が行われるが、議員提案条例となる趣旨について、同党政調会(会長・飯塚秋男県議)は「災害時、被災者に寄り添い、被災者を支え、地域の復興につながる力となるボランティアの活動を促進し、県民が安心して暮らせる社会の実現を目指してこの条例を制定したい」としている。

➡同条例案の詳細は自民党茨城県連HPへ。

《遊民通信》2 コロナ禍とオンライン講義:東大の場合

0
東大安田講堂=本郷キャンパス

【コラム・田口哲郎】

前略

安倍前首相がコロナ禍を機に国土開発を集中から分散へと根本的に変える、と述べたことは前回書きました。安倍氏の言葉の重さを私は実感しています。まず身近なところからお話しましょう。

私は現在、東京大学文学部に通っています。今年春学期の講義はすべてオンラインで行われました。秋学期の講義は対面授業とオンライン授業を併用することになりましたが、結局ほとんどの講義はオンラインで行われます。

さて、講義のオンライン化は今年の春に急きょ始まったことであり、昨年度の3月まで想像だにしなかったことです。私は遠距離通学者で、本郷キャンパスまで片道2時間弱かかりますから、常々自分が大学に行くのではなく、大学が家に来ればいいのにと思っていたものです。それが現実になってしまいました。

戸惑ううちに講義は始まりました。長時間通学がないのは大変楽です。天候の心配もありません。休み時間が10分、昼休みも50分しかないので、教室間移動を急ぐ必要もないのも楽でした。

また、大教室で大人数がいる講義で手を挙げて質問するのは勇気が要りますが、オンラインだと先生にチャットで質問できたり、音声でもマイクにささやく程度で届きますから、引っ込み思案の私にはありがたい機能がありました。

オンライン講義の本当の意味と影響

最初はオンラインの快適さが目立ち、オンライン礼賛者になりました。今でも文系学部はオンラインで事足りると思っています。

しかし、オンライン講義によって、大学という場の本質が浮かび上がってきました。コロナ禍前の大学は「通う」ことが当然でした。建物が立ち並ぶキャンパスがあり、先生と学生が集い、教室で、部室で、カフェテリアで、運動場で、学問のみならず様々なことを語り合い、議論していました。人間が物理的に集うキャンパスが学生生活を総合的にパッケージングしていました。

ところが、コロナ禍はオンライン化によりキャンパスというパッケージを破りました。情報だけがキャンパスというインフラを通さずに学生に届くシステムを公然と造り出したのです。

今までもIT技術の進展によって、大学の学知は大きな影響を受けていました。特に電子書籍の登場で、紙媒体が主体である大学図書館の相対的価値は落ち込んでいました。タブレット端末があれば、アレクサンドリア図書館並みの書籍情報を検索・保有することができるからです。

知は情報です。古来人間は情報を得るために大学に集いました。IT技術は情報利用を便利化した反面、大学図書館の権威をなし崩しにしてきたのです。オンライン化はそれに究極の一手を打とうとしています。図書館のみならず、大学の権威そのものを失わせる可能性を秘めているのです。

知のIT化の波がアカデミズムに達しました。これから……、紙幅がないようです。その問題については次回の便で。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

HP制作通し課題解決へ つくばの中学で授業公開

0
1人1台のパソコンを使って、画面上に登場するネコのキャラクターのアドバイスを受けながらホームページを制作する生徒たち=22日、つくば市立高山中

【鈴木宏子】ホームページ(HP)の制作を通して、生徒たちが身近な課題に目を向け、解決方法を考えるプログラミング教育の授業がつくば市で今年度から始まった。22日、同市下河原崎、市立高山中学校(若山隆男校長、生徒数264人)で授業が公開され、2年生29人がそれぞれパン屋の社長になったつもりで、売り上げをもっと増やすにはどうしたらいいかを考えながらHP制作に挑戦した。

教育産業が開発したIT教材を積極的に学校に導入し、学校の学び方改革を進めようという経産省のエドテック導入実証事業の一環として取り組む。高山中のほか、春日義務教育学校、東小、吾妻小の市内4校で今年度実施される。

IT企業「ライフイズテック」(東京都港区)が開発した教育教材を用いて、実際のホームぺージ制作で使われている、コードと呼ばれる命令文を入力しながらホームぺージをデザインする。

学校のプログラミング教育は現在、小学校でブロックなどのまとまりを動かしてプログラミング的思考を学ぶ。一方、実際のプログラミングは、テキストコーディングと呼ばれる命令文を入力する方法が主力なことから、実際に使われている技術を学ぶ入り口になる教材だという。

22日は2年の技術家庭科の授業で取り組んだ。まず、パン屋の売り上げをもっと増やすためにHPにどういう機能があったらいいかをグループごとに考え、意見を出し合った。「お客さんが感想や意見を書き込めるようにしたらいい」「手話や音声が付いた動画を載せたら体の不自由な人でも利用できる」などの意見が出た。

続いて1人1台のパソコンを使ってホームぺージに機能を加える作業を進めた。作業画面にはネコのキャラクターが先生役となって登場し、一人ひとりの進捗(しんちょく)に応じて個別にアドバイスしたり、生徒がクイズに答えたりして作業が進んだ。

2年の木村瑛人さんは「ゲームのようなストーリー性がある教材なのでとても楽しい」と話し、朝井七海さん(13)は「機械いじりは苦手だが、ヒントをもらいながらできるので楽しい」と話していた。

指導した柳田誉之教諭(33)は「2021年から技術家庭の学習指導要領に『ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決』が追加される。(今回の教材の)テキストコーディングはかなりレベルの高い内容だが、授業の動機付けとして、より便利なHPにするにはどうしたらいいかを考えた。生徒たちは普段から検索やコメント機能を使っているので、双方性の良さに気付いてくれたと思う」と話していた。

今年度の授業の最後には、生徒一人ひとり、オリジナルのHPをつくるという。

《ひょうたんの眼》31 成長戦略はデジタル化でよいのか?

0
酔芙蓉(すいふよう) 朝は白く咲き、夕には酒に酔ったように紅色に変色

【コラム・高橋恵一】アベノミクスによる景気の好循環や女性活躍社会など掛け声倒れの長期政権が終了し、新政権がスタートした。政権への諸疑問に対する納得いく説明もないまま。

新首相は、国民に「自助、共助、公助、絆」を呼びかけ、コロナ対策と景気回復を重要目標に、戦略目標としてデジタル化と規制改革を掲げ、具体的施策として、少子化対策のための不妊治療補助と業務の効率化のための「はんこ」廃止を打ち出した。

前首相は、少子高齢化を「国難」と言い放ったが、少子化も高齢化も人類が生活水準の高度化とともに迎える現象であって、長寿をいかに前向きに受け止めて社会経済の仕組みを構築していくか、少子社会で安心して産み育てる環境を整えるかであろう。医療福祉、教育、経済など、こちらも多面的な対策が求められている。不妊治療への保険適用に続いて、その数百倍以上の予算規模の少子高齢化対策は打ち出されるのだろうか。

「はんこ」の役割は、本人の意思確認、案件への同意・承認、権威の証明などであろう。特に、同意承認は、組織の意思決定の過程で膨大な作業になっている。しかし、本来、多数の承認が必要なのだろうか? 私の経験でも、稟議(りんぎ)書に10人以上の印が押されて決済を求められた経験があるが、押印者の1人に、案件の説明と意見を聴くと、内容を理解していない場合が多かった。

意思決定に責任を持って対応する人間だけに絞ればよいだけだ。「はんこ」を止める以前に、はんこを押す人数を減らすことが先だ。最前線、現場の実務者に、権限と責任を持たせることが真の改革であろう。

IT化で利益を得るのは誰か?

デジタル化の推進が新政権の最重点とされ、今般の新型コロナ感染対策でも、デジタル化の遅れが悪影響したといわれている。国際的にも遅れを挽回するため、デジタル庁を新設して推進するのだという。具体的には、マイナンバーカード登録を、2022年までには100%にするとか、キャッシュレス化も100%を目指すのだろう。

ところで、私の手伝っている「いのちの電話」(自殺予防のため24時間体制の電話相談)では、SNSでの相談事業も始めるが、SNS管理事業者に、登録料30万円と、月額10万円の管理料を払うことになった。

相談員は無償のボランティア、事務局は最低賃金ぎりぎりの非常勤。収入源は、有志の企業や個人の寄付金という事業である。また、小さな駅前の床屋さんは、老婦人1人で営業しているが、カード会社への登録料とキャシュレス決済の手数料が5%かかるので、お客さんの強い要請がないときは、現金決済にしてもらっているという。

IT化、デジタル化、キャシュレス化の進展で、膨大な利益を得られるのは誰なのか? マイナンバーカード登録が100%になったら、システム管理会社は10%登録時の10倍以上の収入増になるのだろう。政府肝いりの目玉政策は、御用業者の稼ぎと連動することになる。

コロナ対策と言いながら、持続化給付金やGOTOキャンペーンの事業請負業者の手数料など、コロナショックで困っている人の支援なのか、便乗業者への利益供与なのか、なんともいやらしい事態の展開である。(地図好きの土浦人)

永田学長を再任 筑波大 選考プロセスの正当性問う声噴出

5
学長に再任され記者会見をする永田恭介学長=21日、筑波大学

筑波大学(つくば市天王台)の次期学長選考会議が20日行われ、同大は21日、同選考会議委員による投票の結果、永田恭介現学長(67)を再任したと発表した。

学長選をめぐっては、学長の任期の上限が撤廃されたこと、教職員の意見聴取で永田学長が584票、対立候補で生命環境系長の松本宏教授が951票だったことなどから、同大の教員有志らでつくる「筑波大学の学長選考を考える会」から、選考プロセスの正当性を問う声が出ている。

同大によると、20日の学長選考会議は、委員24人の無記名投票の結果、永田氏が3分の2以上の得票を得て松本氏を破り、再任が決まった。

永田氏は2013年4月から学長を務める。本来の任期は最長で6年だったが、再任回数の上限が撤廃された。新たな任期は来年4月から3年間。

同選考会議の河田悌一議長は21日の記者会見で、永田氏再任の理由について「(永田氏は)ビジョンを出して一つひとつ実行し、科学研究費補助金の取得や企業など外の組織と結び実績を上げた」ことなどが評価されたとした。

一方、考える会が指摘している任期の上限撤廃については「任期の期限を除外している(国立の)大学は12、13大学ある」とし「一つひとつきちんとした手続きを踏んでやった」と強調した。

一方、稲垣敏之副学長は、任期の上限撤廃について「海外の有力な大学は学長の任期が長いことなどから、議論を重ねて再任回数に限度を設けないことを決めた」とし、教職員の意向調査ではなく意見聴取を実施したことについては「改正国立大学法人法で、意向調査は禁じるものではないが好まれてないため、意見聴取という名前にした」とし「候補者を5人以内に絞るための手段」だとした。さらに「昨年11月に中間報告を出し、各学系の長が教職員に周知し意見を集めており、すべての教職員に周知してきた」などと、時間をかけて教職員の意見を聞き周知してきたと強調した。

再任された永田学長は任期上限の撤廃について「諸外国は10年単位でやらないと大学は変わらない、そういうチョイスもある」などと話した。さらに「4月20日過ぎ、(自身を学長に)推薦したい人が飛び込んできた。その時は何のことか聞き、ちょっと考えさせてほしいと言った。重く考えてこういう結論になった」などと語った。

教員有志が批判「公開性と公正性欠く」

【山口和紀】20日に行われた筑波大学の次期学長選考をめぐり、そのプロセスの正当性をめぐって学内外が紛糾している。10月14日、同大の教員有志でつくる「筑波大学の学長選考を考える会」は会見を開き、学長選考が「公開性と公平性」を欠くとして批判し、是正を求めた。同大の学長選考会議が学長の任期や教職員の意向調査を廃止するなど、学長選考のプロセスに大きな疑念があるとした。

考える会の公開質問状(9月9日付)で選考の問題点として指摘されたのは次の通りだ。

まず、学長を選出する学長選考会議の正当性だ。同大規則で議長は「委員の互選」で選出するという規定があるが、現議長の河田氏の選出経緯について、考える会は、何も説明がなされておらず議事録にも記載がないと指摘する。関連して、学長選考会議の「議事次第」から議長選出そのものが削除された点にも疑念が持たれるとする。

また「意向調査投票の廃止」も大きな疑念だと指摘している。意向調査投票は、学長の選出にあたって教職員の意見を聴取するものとして、これまで実施されてきた。学長選考会議はこれを「廃止」した。今年4月1日、学長選考会議は教職員専用サイトに「新たな学長候補者の選考方法等について」とする文章を公開した。その中で「学長選考会議として意向調査投票を行わない」と発表した。

廃止の理由について同選考会議は、改正国立大学法人法の施行通知(2015年4月1日)で示された「考え方」を根拠としている。しかし同施行通知の原文には「選考の過程で教職員による、いわゆる意向投票を行うことは禁止されるものではないが」とある。そのため、考える会は、学長選考会議として意向調査投票廃止を決定した根拠を改めて提示するよう求めた。

10月15日、考える会の質問状に対する大学側から回答があった。議長の選出や意向調査投票の廃止に関する回答は学長選考会議議長である河田悌一氏からだ。議長の互選があったのかという質問に対し、河田氏は2014年1月の選任以降「現在まで議長を務めている」と回答、2年ごとの互選は行われていないことがわかった。同大では学長選考会議委員の任期が定められていない点が根拠とされた。

意向調査投票の廃止の経緯に対する回答は、「主体的な学長選考は如何にあるべきか」の検討が学長選考会議において行われ、廃止を決定したとするものだった。その根拠は、学長の選出は「学長選考会議が定めた選考方法で行われる」とする国立大学法人法の規定と「投票結果をそのまま学長選考会議の選考結果に反映させるなど、過度に学内の意見に偏るような選考方法は」適切ではないとする文科省の通知だ。

考える会は、大学側の回答内容について「大学の自治についての配慮を欠いた、大変残念なものであった」と批判。学長の「任期上限撤廃」などの状況から、すでに学長選考会議は「お友達選考会議」と化しているなどと指摘する。

《宍塚の里山》70 里山のドングリ

0
左は雑木林に飛び込んだカケス。右上はアラカシドングリ、右下はクヌギドングリ

【コラム・及川ひろみ】ドングリの季節を迎えました。宍塚で一番多いのがコナラドングリ。次いで、アラカシドングリ、クヌギドングリ、シラカシドングリ。わずかですが、スダジイドングリも拾えます。

ドングリが落ちたところをよく見ると、気が早いものでは皮が割れ、地中に根を伸ばし始めているものがあります。ドングリは乾くと発芽率が極端に落ちますが、落下後、適当な水分があると間もなく発芽します。

しかし、多くのドングリが見られるというのに、育った若木を見ることがほとんどありません。乾燥で発芽しないドングリが多く、発芽しても、光量不足でコナラやクヌギは成長できないのです。

そこで、放置した里山では、これらの若木の更新がほとんど起こりません。シラカシやアラカシなどカシの仲間は暗い林でも発芽・成長しますから、幼木が見られますが、雑木林はコナラやクヌギ、カシ類の大きな木に覆われ、薄暗い林になっています。

明るい森づくりを目指している林、伐採が進んだ竹林など、会が活動する場所では、コナラやクヌギの若木が見られます。

ドングリの散布はほとんどが風によりますが、実は動物によっても行われています。植物は自ら動き回ることができませんが、風や動物を利用し、種子散布を行います。ドングリは大き過ぎて、風による遠方への散布は期待できませんが、実は鳥によってかなり遠くに運ばれます。

鳥の脳は意外と発達している

この季節、里山にはギャーギャーと鳴く鳥、カケスが多く見られますが、林の樹冠すれすれ、低空飛行をするカケスをよく見ると、くちばしにドングリをくわえています。冬季、餌が少ない時期に掘り返し食べるために、この季節せっせとドングリを運び、雑木林に埋めます。カケスが林に滑り込む姿には、そんな理由があるのです。

冬季、これを掘り返し食べますが、雑木林のどこに埋めたのか、よく覚えているものだと感心します。鳥の脳は思いのほか発達していることが、最近の研究で明らかになっています。

カケスが口にくわえるドングリ、一個のように見えますが、口からのどにかけて数個のドングリが入っていて、効率よく運びます。それでも、春までにすべてを掘り出すわけではなく、掘り残すドングリもあり、それが発芽します。そこで、カケスが森をつくると言われています。

これらの樹木は、春、花を咲かせ、コナラ、シラカシ、アラカシはその年の秋にドングリが実りますが、クヌギは翌年の秋、ようやくドングリになります。(NPO法人宍塚の自然と歴史の会 元代表)

3氏の横顔紹介 つくば市長選

0
つくば市長選に立候補した(左から)富島純一氏、五十嵐立青氏、酒井泉氏

【鈴木宏子】任期満了に伴うつくば市長選と市議選は25日投開票される。市長選に立候補した新人の富島純一氏(37)=無所属=、現職の五十嵐立青(42)氏=同=、新人の酒井泉(71)=同=3氏の横顔を紹介する。

事業成長の秘訣は「素直に聞き、信じて任せる」

富島純一氏

【富島純一氏】22歳のときつくばで起業し、現在、自動車販売、障害福祉、保育・学童、農業など幅広い事業を展開する。経営に携わるグループ企業は14社。140人以上の社員を抱える。

コロナ禍の今年、苦境にあるつくばの飲食店に呼び掛け、県内で初めて、ドライブスルー型弁当販売イベントを仕掛け成功させた。

土浦市生まれ。10代のころヤンチャし、中学を出て父の仕事を手伝った。父の会社が倒産、16歳で一人暮らしを始め、土木建築や塗装の仕事をして自立した。

18歳を過ぎたころ、ネクタイを締める仕事に就きたいと思ったが、中卒という学歴がネックになった。

姉の死をきっかけに心機一転。仕事に就けないなら自分で会社をつくろうと思い立ち、22歳で中古車販売会社を起業した。

成功の秘訣を「(自身の)素直さ」だと話し、「分からないところは聞いて、人に仕事を任せたら信じて任せ」てきたと振り返る。

本業のほか、若手経営者の異業種交流会を立ち上げたり、県立八千代高校の臨時派遣教員として講演したり、少年院を出た少年たちの就労支援にも尽力する。

座右の銘は、明治生まれの哲学者で教育者、森信三の「人生二度なし」。信三は「職業に上下もなければ貴賤もない。世のため人のために役立つことなら、何をしようと自由である。しかし、どうせやるなら覚悟を決めて10年やる…」と説いた人物だ。

家族は、妻と息子2人の4人。早朝の2時間が自分の時間で、朝起きて半身浴をしながら1日のスケジュールを確認する。2歳の長男を保育園に送迎するのが日課という。

留学先で衝撃「目の前にいる人に何ができるか」

五十嵐立青氏

【五十嵐立青氏】筑波大学大学院在学中、26歳で最年少の市議となり、2期務めた後、2012年に市長選に初挑戦した。当時の現職に次点で敗れたが、総合運動公園問題が浮上した15年、住民投票運動の中心的役割を果たした1人だ。翌年の市長選で、幅広い議会会派や市民に推され初当選を果たした。

政治家を志したきっかけを、留学先での体験だったと振り返る。

4年のとき大学を1年休学し、スコットランドのグラスゴーに留学した。かつて工業地帯だった街だ。留学先で熱を出し病院で診察を待っていたとき、目の前に座っていた母親が、ぐずる娘を殴った。自分が殴られたようにショックを受けた。

当時大学で安全保障を学び外交官の仕事に引かれていた。「目の前にいる子供の安全が保障されていなかった。殴った母親も自分の安全が保障されてなかったからだと思う。目の前にいる1人の人間の安全を保障することが先だと思った」と当時の体験を振り返る。

「目の前にいる人に何ができるかを考える場所にいたい、そういう思いはグラスゴーのときと変わってないし、今の方が強くなっている」と話す。

つくばに戻り、志を遂げようと市議に挑戦した。市議の仕事と大学院の勉強をこなしながら、企業組織向けコーチング事業を展開する会社のプログラムを受けてコーチの資格をとり、2008年にコーチングオフィスを設立。2010年には障害のあるスタッフが働く農場を運営するNPO法人を設立した。

母親は元つくば市議。家族は、内閣府職員の妻と3男1女の6人。家事は、妻が料理、子供が皿洗い、自身は洗濯を担当しているという。

心を空っぽにするため毎朝15分程度、瞑想している。コロナで飲み会がなくなり6キロやせたと話す。

沿線開発見直し つくばの屋敷林守られた

酒井泉氏

【酒井泉氏】高エネルギー加速器研究機構の元研究者。TX沿線開発区域の地権者の1人としてまちづくりに関わり、中根・金田台地区で緑地と菜園と住宅が一体となった緑農住一体型住宅を提唱する。

研究者として、放射性廃棄物を無毒化する研究を行っていた。素粒子を使って核交換し短寿命化する方法だ。「ミューオンを使う核交換は将来有望で、原理的には可能。埋設処分は反対。何万年も地面に埋めるきれるものじゃない」という。

高エネ研では、2008年から稼働を開始した東海村の大強度陽子加速器J-PARC(ジェイパーク)の設計に、計画段階から中心メンバーの1人として関わった。陽子ビームを直線型加速器から円形型加速器に入れる装置は酒井さんの設計だ。独創的なアイデアで、当時は別の方法が検討されていたがひっくり返したという。

つくばのまちづくりには関わったのは、TX沿線開発がスタートする30年前から。バブル景気真っただ中だった1990年代始め、当初、県などから示されたつくば市の沿線開発区域は、集落も屋敷林も含めた計2000ヘクタールを開発するという計画だった。

つくばの屋敷林を全部つぶして何が残るのか。もう一回まちづくりを考え直そうと、「区画整理事業の改革について」という論文を書き、開発区域の見直しを提唱した。谷田部地区など他地区の地権者と協力し、開発区域は2000ヘクタールから1300ヘクタールに削減された。つくばの屋敷林がこうして守られた。

現在は中根・金田台地区の地権者らでつくる桜中部まちづくり協議会の副会長を務める。

家族は、97歳の母親と妻、長男夫婦の7人。趣味は剣道と山登り。剣道は6段の腕前だ。

《法律かけこみ寺》23 大いなる(負の)遺産

0
土浦市文京町の神龍寺山門(写真は本文と関係ありません)

【コラム・浦本弘海】

「先生、こ、この手紙を見てください」

「なんだね、ピップ君」

「ぼくはピップ君じゃありませんし、先生もジョー・ガージャリーってガラじゃないでしょ!」

「ところで、手紙って?」

「そ、それがどうも先生の伯父さんがお亡くなりになったようで、先生が法定相続人になったそうです」

「はて、ぼくに最近亡くなった伯父はいないぞ」

「で、でもほら」

「うーん、誰だ?」

「誰だっていいじゃないですか。遺産が手に入るチャンスですよ」

「フッ、どうせ負の遺産なんだろ、オチがみえみえだよ。こいつは相続放棄だな」

今回のテーマは遠い親戚が亡くなって、なぜか法定相続人になってしまった場合の対処法です。少子化が進み、見ず知らずの親戚の法定相続人になる方が増えてきました。

しかも、被相続人(=亡くなられた方)のお子さんなどが相続放棄をした結果、繰り上がり(?)で法定相続人になるケースも見られます。

相続財産がプラスならまだしも、法定相続人として被相続人の借金を請求されることも。そこで今回は相続放棄について取り上げます。

相続放棄は慎重に

相続放棄の手続きは比較的簡単です。相続放棄の申述書という書類を書いて(書式、記載例はネットで入手できます)、添付書類(被相続人の住民票除票、放棄する者の戸籍謄本など)を付け、家庭裁判所に申し立てれば完了です。

申し立て先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で、費用は収入印紙800円と連絡用の郵便切手くらいです。

また、相続放棄が家庭裁判所に受理されたことを証する書面として、相続放棄受理証明書があります(150円)。

相続放棄の一番の注意点は、相続放棄ができるのは原則として相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内ということです(民法915条1項)。あまり悠長に構えていると相続放棄ができなくなってしまいますので、特にご留意ください。

ちなみに相続財産を使ってしまうと、原則として相続を承認したことになります(民法921条)。

「ふーっ、早々に相続放棄をしたからよかったものの、危うく会ったこともない伯父の借金を背負うところだった」

「でも先生、この方、かなりの資産家らしいですよ」

「な、なにー」

こういうケースもありますので、相続放棄は慎重に。(弁護士)