土曜日, 2月 27, 2021
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《くずかごの唄》71 コロナ時代のお別れ会

【コラム・奥井登美子】内山充氏は義兄奥井誠一が東北大教授のときに助教授だった人。当時学生だった人たちは奥井・内山コンビの授業が印象的だったという。誠一は現役の45歳で死亡。内山氏はその後、厚生労働省国立衛生試験所の所長として保健衛生に大きな働きをして昨年亡くなった。コロナ騒ぎの中で「内山充先生を偲(しの)ぶ会」が延び延びになっていたが、この間、やっと実現にこぎつけた。

50年たっても懐かしい学生時代の先生たちを偲んで、誠一先生の墓参りを済ませてから、偲ぶ会に出席したいという人が何人か出てきた。11時に土浦集合、墓参りして13時に東京へ向かうまで、2時間しかない。

誠一兄の親友で、東北大教授の、後に星薬科大学長になった亀谷哲治さん親子が設計した風変わりな家も見たいという。私は計画を聞いて困ってしまった。時間がない中、50年前に亡くなった懐かしい人を想い出してもらう作戦を考えなければならない。

ギンナン、クリ、レンコン、イチジク、ナス

兄が生まれたときに父が記念に植えたイチョウ。今は大木となって我が家の庭の真ん中を占領している。ギンナンは臭くて、ツラの皮の厚い人でないとかぶれてしまう。我が家には人一倍ツラの皮の厚い人がいるので、ギンナンを拾ってむいてみた。

クリの渋皮煮。クリを選ぶのが難しい。幸い、国際囲碁協会会長の合田健夫妻が八郷から大きなクリを届けて下さった。「全自動栗むき機」というあだ名の亭主が、学生時代に植物成分の分析で植物の皮むきをしたことを思い出しながら、徹夜して渋皮をむいてくれた。

霞ケ浦のレンコン。私の発明したレンコン料理。これは穴の中にぎゅうぎゅうとひき肉を詰め込んで、丸ごと煮る。冷めてから横に切ると、ひき肉が模様になってかわいい一皿になる。

兄が好きだったイチジクの木。木も3代目だが元気に実をつけてくれた。庭の甘柿は甘過ぎるのでサラダにする。

一番のごちそうは、ナスのぬかみそ漬。庭で育てた採りたてのナスを漬ける。あまりに手間と時間がかかるので、ぬかみその樽を捨ててしまいたい思ったこともある。姑(しゅうと)に相談したら怒られ、先祖からの菌床にぬかを足しながら100年近く使っている。

「内山充先生を偲ぶ会」の当日、4人の70歳の元学生を土浦に迎えて、亀谷先生、内山先生、奥井先生を偲びながら、ワインで乾杯することができた。(随筆家、薬剤師)

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