金曜日, 4月 4, 2025
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市選管、当選無効申し立てを棄却 「勝手につくば大使」通称認定問題  

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10月25日投開票があったつくば市議選の選挙ポスター掲示板

【鈴木宏子】10月25日投開票が行われたつくば市議選で、「勝手につくば大使」が通称として認められたのは違法だとして、同市の横井美喜代さんら5人が11月9日、市選挙管理委員会(南文男委員長)に当選無効を申し立てた問題で、市選管は7日、申し立てを棄却する決定を出した。

「選挙人は十分に知り得る状況にあった」

決定書によると「選挙長から通称を認定された以上、『勝手に…』と記載してある投票は有効」で、「多少軽薄な響きがあるとしても、不真面目な、侮蔑、嘲弄の意を含んだ言葉とまでは認められない」とし、「選挙人の意思が最大限尊重されるべき」だとした。

さらに「(『勝手に…』のメンバーの)人数は別として、小村政文氏が『勝手に…』として約5年前から活動している」こと、「ビラやポスター、選挙公報に『勝手に…』が掲載され、投票記載所に掲示されたのだから、選挙人は『勝手に…』が小村氏であることを十分に知り得る状況にあり、選挙人の意思は尊重されるべき」だとした。

公選法施行令で通称の使用は、本名以外の呼称が本名に代わるものとして広く通用している場合、選管に申請し認められれば使用することができるとされる。選管が通称を認定する基準については、立候補届け出時に提出された資料からみて、選挙区域全域で本名がほとんど使用されておらず、本名に代わって通称申請した呼称が広く使用されていると認められる場合に限り、通称として認定すべきとされる。

申し立てで、横井さんらは「『勝手に…』は本名に代わるものとして広く通用しているものではなく、事業体のチーム名、グループ名であるから、通称と認められるものではない」「『勝手に…』は、2人で活動しており小村氏を指すものではない」などと主張していた。

市選管の決定に対し、横井さんらは「決定書には、通称が本名に代わって広く通用していることを検討した記述がなかった。『勝手に…』が複数で集団活動をしていたことを認める記述があり、小村氏が代表を務める事業のチーム名またはグループ名であることを示唆している」とした。その上で「つくば市選管の決定は納得がいかず、市選管には今後も通称認定基準の明確化を求めたい」と述べた。決定に不服がある場合は、21日以内に県選管に不服申し立てができる。横井さんは「今後どうするかについては改めて検討したい」としている。

一方、『勝手に…』を通称申請した小村さんは「今日の結果を受けてさらに身を引き締め、今まで通り頑張っていく」としている。

《吾妻カガミ》95 つくば市長の「上から目線」

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】民間会社の場合、株主や顧客に業績や商品について理解してもらう仕事を広報と呼び、企業活動にとっては大事な分野です。公の市政の場合、その対象は市民になりますが、10月に再選された市長の五十嵐さんは、選挙活動の中で市政への理解不足を痛感したらしく、2期目では広報に力を入れるそうです。

その意気込みについては、11月の会見記事「発信の在り方 根本から検討」(11月5日掲載)をご覧ください。理解不足の例として、①市のかなりの取り組みを知らない市民が多かった②対抗候補も市の基本的な取り組みすら知らなかった③市政について相当いい加減なことを書く人もいた―などを挙げ、「市民が必要としている情報をどうやって届けられるか、あらゆる手段を考えたい」と述べました。

広報の充実はメディアも大歓迎です。でも、市民の理解不足を嘆き(平均的な市民が市政の詳細を知るのは無理)、対抗候補を見下す(彼らは無投票を避けようと急な準備で出馬を決断)ような、「上から目線」はいただけません。また、観察者(開示情報を基に市当局とは違った視点でチェック)を煙たがるようでは、度量が狭すぎます。

施策を立案・実施する市長がその内容に精通しているのは当たり前ですから、自分との比較で、①②③の方々の理解度にブツブツ言うのはいかがなものでしょうか。

広報は「自然体で」「虚偽はダメ」

経済記者が長かった私は、上場会社の広報責任者から広報の在り方についてよく相談されました。旧財閥系企業の広報コンサルタントが主催するセミナーでも、よく講演させられました。そういった際には、「自然体で対応する」「ウソをつかない」ことが大事とアドバイスしたものです。別の言い方をすれば、装飾や虚偽はいずればれる、そのとき会社は信用を失い、経営が危機に至るケースも―ということです。

行政広報と企業広報は同じではありませんが、「自然体で対応する」「ウソをつかない」は受け手が誰であろうと同じです。そして大事なのは、「広報の方法」ではなく、「広報の中身」であることは言うまでもありません。テクニックにこだわると宣伝臭くなり、信用されなくなります。

「NEWSつくば」は5月、市長と日本財団理事長の面談録(新型コロナ軽症者施設を市内の同財団敷地に設置する件)を開示するよう市に請求しました。6月9日付の回答は「存在しない」でしたが、25日にその旨を記事にしたところ、30日になって「発見された」と修正してきました。虚偽がばれると思ったのでしょうか? その詳細は本サイトの記事(7月29日掲載)をご覧ください。

五十嵐さんは市長選の討議資料で、1期目を「9割以上の公約が達成もしくは順調」と自己採点しています。これに対し、本コラム(10月19日掲載)では「総合点は60点以下」と判定しました。選挙向けとはいえ装飾はいけません。市報でも、市HPでも、SNS発信でも、報道対応でも、広報は虚偽と装飾を排し、自然体でお願いします。(経済ジャーナリスト)

コロナ禍の師走 学生らに食料支援 つくば

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野菜やコメ、缶詰、日用品などが並べられた支援テントで必要な分を選んで持ち帰る学生ら=6日、つくば市松見公園

コロナ禍の師走、アルバイトが減って生活が苦しくなった学生や母子家庭などを支援しようと、つくば市内各地で、学生などに食料を無料で配布する支援活動が展開されている。

市民団体が松見公園に支援テント

つくば市天久保の松見公園に6日、支援テントが張られ、野菜やコメ、缶詰、日用品などが訪れた学生らに無料提供された。市民団体「学生応援プロジェクト@つくばーPEACE(ピース)」(冨山香織代表)が初めて実施した。

代表の冨山さん(39)は天久保で飲食店を経営する。「お店は、お客さんもバイト生もメーンは筑波大生。コロナ禍で学生が困っているという話を聞き、少しでも助けられればと開催した」と話す。

口コミやSNSで支援物資を募り、約20人が家庭にある食品や日用品を提供してくれた。カンパも5万円ほど集まり、マスクやカップ麺などを購入し、並べた。野菜は農民運動茨城県連合会(茨城町)が大根、白菜、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツなどを寄付してくれた。わずか1週間ほどで100品目以上、段ボール20箱分が集まった。

無料配布の案内は、ツイッターで告知したほか、筑波大生が多く住む天久保地区周辺のアパートにちらしを1000枚配布した。当日は約20人のボランティアが無料配布を手伝った。

配布開始の午前11時から午後0時30分まで1時間半の間に、筑波大生や親子連れなど計約130人が訪れ、テントに並べられた野菜や日用品などを必要な量だけ持ち帰った。

筑波大4年の女子学生(22)はアパートに入っていたちらしを見て友達を誘って参加し、大根やブロッコリーなどの野菜を持ち帰った。「今年は前の年に比べてバイト収入が3割くらい減っている。これからも無料配布があればいい」と話した。

主催者の冨山さんは「こんなにたくさんの人が来てくれて驚いている。少しでも喜んでいただければいい」と語る。要望が多ければ年内にもう一度開催したい意向もあるという。次回の開催日時は、学生応援プロジェクト@つくば-PEACE-のツイッターで案内する。問い合わせはメールpeaceoftsukuba@gmail.com

お餅の無料配布 22日から障害者団体

障害者団体「つくば自立生活センターほにゃら」(つくば市天久保)は22日から、近隣に住む大学生や住民に、お餅の無料配布を行う。

障害のある人とない人の交流を目的に、同センターが開催してきた様々なイベントは今年、コロナ禍でほとんどが中止となった。1年最後の交流の場となる餅つき大会も断念したため、地域とのつながりを保ちたいと、年末にお餅を無料配布することにした。

センターの障害者メンバーは「この年末は帰省できない大学生も多いと聞く。お餅を食べて、少しでも正月気分を味わってもらえれば」と話す。

9月には市内の子ども食堂「竹園土曜ひろば」が主催した大学生対象の食品配布会に、同センターを会場として提供するなど協力した。コロナ禍でアルバイトの収入が減少した学生らがコメやインスタント食品を受け取った。

今回は、障害者らがついた餅をのして数日寝かせたものを配布する予定。配布日は22日から数日間。受け取り希望者は14日までに同センター(電話029-859-0590、メールcil-tsukuba@cronos.ocn.ne.jp)に申し込む。先着50人。

食事補助券2000円分支給 筑波大

筑波大学(つくば市天王台)では希望する学生に、学内の食堂などで利用できる食事補助券を2000円分支給した。当初は1000円分を支給する予定だったが増額した。カレー店やパスタ店を含む15の食堂などで利用できる。

食事補助券の配布は日本学生支援機構が行っている「新型コロナウイルス感染症対策助成事業」から交付された助成金(上限120万円)を活用した。他大学ではオンライン授業環境構築のため機器を購入した学生120名に1万円ずつを支給したり、一人10万円ずつ数名に給付したりするなどしている。他大学に比べ筑波大は、より多くの学生が恩恵を受けることのできる支援を選んだ形だ。

初回の申請期間では上限に達しなかったため追加募集が行われ、人数の上限に達した。筑波大学厚生会のホームページ「食事補助券支給者一覧」によれば、およそ600人に給付が行われた。既に支給は始まっており、学内ではチケットを受け取って喜ぶ学生の姿も見られた。

《介護教育の現場から》2 介護における外国人労働力

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介護の実習

【コラム・岩松珠美】現在日本で働く外国人介護職は4つに分類される。第1分類は経済連携協定(EPA)事業の一環で、インドネシアやフィリピンなどから受け入れているEPA介護福祉士候補者。第2分類は日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」をもつ外国人。筆者が勤務する専門学校の学生がこの区分に該当する。

さらに、第3分類は技能実習制度を活用した技能実習生、第4分類は在留資格「特定技能1号」を持つ外国人である。いずれも、5年の日本滞在中に国家資格「介護福祉士」を取得できれば、永続的に日本で介護職としての就労が可能となる。

実際、来日の時点での日本語能力や介護知識・技術については、大きなバラツキがある。第2分類の学生たちは日本語学校で、半年から1年学び、それから介護福祉士の養成校に進学し、2年間、日本の生活文化や介護について専門的に学ぶ。

これらの学生たちに比べると、EPA候補者、技能実習生、特定技1号職は、日本語や日本文化、介護の専門的知識・技術を学ぶ時間が短く浅い。日本の日常生活に不自由しない力と介護に必要な基礎的技能に求めるラインをどこに引くのか―教育と技能訓練に対する考え方の違いに現れているように思う。

外国人介護労働力は欠かせない

茨城県労働局の調べ(2019年)によると、県内で働いている外国人労働者は約3万7千人で、茨城は全国11位である。うち医療福祉分野で働く人は670人いる。

また千葉県の外国人労働者受入施設への調査(2018年)によると、これまでに外国人介護労働者を受け入れた施設は34.1パーセント、1施設当たり1.8人。これらの数字をみると、地域での外国人介護労働力は欠かせない存在となっている。

最近訪問した土浦市内の特別養護老人ホームの施設長はこう話している。

「私たちは、EPAや技能実習での介護スタッフを採用して、衣食住環境を整え、日本語研修講座への送迎までやっています。受け入れ仲介組合に手数料や事務費を支払うと、日本人を雇用する場合の1.5倍くらいコストがかかります。施設を経営する立場では、今後どんどん外国人雇用を進めようとは思えないのが現状です」

身近な生活圏で、外国人介護職員が当たり前のように働く時代がまもなくやってくる。そういった流れの中、お互いの文化や考え方を大切にしながら、介護を受ける共生社会づくりをどう進めたらよいのであろうか。(つくばアジア福祉専門学校校長)

不登校生徒の学習支援 つくば市と協働、NPOが再スタート

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むすびつくばの2時間目。4人の生徒が各教科の担当スタッフからマンツーマンで学習指導を受ける=つくば市吾妻、産業振興センター

【川端舞】認定NPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(つくば市)は、10月から不登校児童生徒の学習支援事業を、つくば市と協働で始めた。「不登校生徒の学習支援は経営が厳しく、市に支援してもらうことは大変助かる」と代表の本山裕子さん(57歳)は語る。自治体が民間団体と協働し、不登校の学習支援をおこなうのは県内でも珍しい。

20年の支援経験生かす

代表の本山裕子さん

同NPOは、2000年11月から今年9月まで、不登校生徒の学習を支援する「ライズ学園」(つくば市谷田部)を運営してきた。不登校の背景には、読み書きに困難があるがタブレット端末を使ったら学習しやすいなど、周囲とは異なる学び方をするLD(学習障害、学び方の違い)などが潜むケースも多い。ライズ学園では一人一人の子どもの特性に合わせた学習指導をおこなったり、絵画造形やスポーツなど体験的な学びの機会を取り入れたりしていた。

子どもたちには月謝を払ってもらっていたが、学習指導をマンツーマンで行っていたため、人件費だけでも費用がかさむ。やればやるほど赤字だったという。もともとは週に4日開いていたが、経営悪化により開催できる日数が次第に少なくなった。昨年4月には、経営を立て直すため一時休園することも考えたが、それまで通園していた子どもたちがいるため、週1日だけ開いていた。

試行錯誤を続けていた時、つくば市が不登校生徒の学習支援を協働で行う民間事業者を公募していることを知り、これまで積み重ねた経験を生かしたいと応募した。不登校生徒は市内の小中学校に300人以上いる。これまで市では、不登校などの相談や学習支援を、教育相談センター(同市沼田)のみでおこなってきた。市としては今回の協働事業で、学習支援の拠点を新たに設けることで、より相談しやすい環境を整えたい考えだ。

つくば市との協働で「ライズ学園」は「むすびつくば」と名称を変え、市産業振興センター(同市吾妻)の一角で再スタートした。名称は変わったものの、これまでライズ学園で培ってきた学習支援のノウハウが生かされる。

人件費や家賃、机などの備品をつくば市が負担することとなり、週に4日の開催が可能になった。1日の定員は15名程度。週に何回通うかはそれぞれが選択でき、利用料は無料になった。

子供たちの自己実現を支援

むすびつくばが目指すのは、子どもたちを学校に戻すことではない。子ども自身が学校に戻りたいと思った場合には背中を押すことはある。が、学校に戻らなくても、子どもの長所を生かし個々の適性に応じた支援を通して、個性豊かな子どもたちの自己実現を支援する。

現在、むすびつくばに通っている生徒の中には、高校進学を希望する中学3年生もいる。高校とも連携し、学校の特色などの情報を集め、生徒に合った高校を一緒に考えていく。

一方、対象は小学生と中学生のため、中学卒業後は通うことができない。ライズ学園は高校生になっても通園できた。通信制高校で学びながらライズ学園に通ったり、高校卒業程度認定試験を受けて、大学進学を目指す生徒もいた。

市と協働することで活動の範囲が制限される部分もあるが、市から財政的な支援が受けられるのは大きいという。ライズ学園の時は経済的な負担から通えない生徒もいたが 利用料が無料のむすびつくばには通いやすくなった。本山さんは「市営でも委託でもなく、協働。保護者や地域の人たちと一緒に子どもたちの育ちを支えていきたい」と意気込む。

《続・気軽にSOS》74 あなたの選択は?

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【コラム・浅井和幸】私達は、毎日毎日、様々な選択をしています。靴下をどちらの足から履くかというささいなものから、プロポーズをするかとか、どの職業に就くかとか、人生の大きな分かれ道のものまでです。それは、無意識レベルから、長い時間をかけて悩んで答えを出すレベルまで、様々です。

いつも忙しくて選んでいる暇なんてないよという方も多いことでしょう。そういう方は、無意識でいつもと同じ選択肢を選んでいることがすべてなのかもしれませんね。

自分が選んでいるのではなく、それしかないから仕方なくだよ、という方も多いことでしょう。そういう方は、こうすべきという決めつけで、状況のせいにして自分の希望の選択を後回しにしているのかもしれません。

今、幸せである人、好循環でますます幸せになっている人であれば、無意識の選択や流された選択でもよいのかもしれません。しかし、今が苦しいとか、悪循環を起こしているとかで、どうにかしたいと考えるのであれば、この選択ということを意識して考えることが大切です。

人というものは、私たちが考えている以上に、積み重ねることや今を耐えてより大きな満足を得ることが苦手です。また、目の前の小さな苦を避ける傾向もあります。例えば、目の前に大好きな粒チョコを1つ置きます。今すぐ食べてもよいのですが、10分待ったら3つ食べてもよいというルールがあるとします。意識して考えると3つ食べたいのに、目の前の1つのチョコを食べてしまうようなものです。

自分の望みに近づける行動

また、半年待てば10万円で買えるものを、今すぐ欲しいので11万円で買ってしまう性質もあります。ローンを組んで物を買うというのは、そのようなことですよね。小さな摩擦を避け続けるために、ストレスがたまって大喧嘩をしてしまうという経験はしたことがないでしょうか。

ほとんどの人は、幸せになりたいとか、金持ちになりたいとか、健康になりたいとかの望みを、ある程度は真剣に持っているでしょう。しかし、これらは積み重ねなければ達成できません。

毎日の生活の中で、「幸せ」「お金」「健康」をないがしろにして優先する快楽だったり、危険を避けるだったりの行為を優先してしまうことがあるでしょう。人や自分自身の悪口を考えたり、言ったり、何で買ったのだろうと後悔するようなものを購入したり、運動せずに暴飲暴食をすることを優先して行うなどです。

毎日が忙しく、無意識に行動してしまっている。よくないと思っていても、面倒だから行動している。それらの行動は、本当に仕方のないことでしょうか。自分の希望よりも優先して選ばなければいけない選択肢なのでしょうか。

もう一度だけ考え直して、自分の望みに近づけるような行動はできないのか試してみてください。人とのささいな勝負に勝つのではなく、様々な困難に克つことを大切にできるとよいと私は考えています。(精神保健福祉士)

1階の旧飲食店街はオフィスに つくばセンタービル改修計画 屋根は取り止め

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つくばセンタービル

【鈴木宏子】議会からも市民からも十分な説明がないと批判がある、つくばセンタービル(同市吾妻)のリニューアル計画について、4日、市議会全員協議会が開かれ、五十嵐立青市長はリニューアル計画概要を説明した。旧レストラン街の1階アイアイモールを働く場を支援するオフィスとし、現在のつくばイノベーションプラザ1~3階は新たな市民活動拠点とする配置イメージが示された。

4日議会に説明があったつくばセンタービル1階配置イメージ図

一方、センター広場にドーム型屋根をとりつける計画は取り止めになった。屋根は、市が6月にホームページで「リニューアルの方向性案」を示した時点では、雨天時にもイベントが開催できるように計画されていた、市学園地区市街地振興室によると、屋根の計画に対してはさまざまな意見が市に寄せられたことなどから「デザインに配慮し取り止めた」という。同センタービルは、2019年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新氏の代表作の一つで、ポストモダン建築の代表作。

取り止めになったセンター広場のドーム型屋根のイメージ図

リニューアル計画によると、もともとはレストラン街だったが現在はすべての飲食店が撤退した1階アイアイモール約2500平方メートルは、働く人を支援する場とし、コワーキングスペース、テレビ会議ブース、シェアオフィスなどを整備する。子連れ出勤のサポートなど多様な働き方を支える場とし、来年3月に市と民間企業が出資して設立する予定のエリアマネジメント会社(まちづくり会社)が運営する。

新たな市民活動拠点となる、つくばイノベーションプラザ部分の1~3階約2800平方メートルには、吾妻交流センター、市民活動センター、国際交流センター、消費生活センターを集めるほか、市役所の駅前市民窓口をつくる。各センターの事務スペースのほか、現在、吾妻交流センターにある会議室、音楽室、調理室などを整備する。さらに300平方メートルを超えるフリースペースをつくり図書コーナーを設置したり、現在1階にあるノバホールの小ホールを2階に移してさまざまな利用ができるホールに改修する。

ほかに、センター広場の周囲に、2階ペデストリアンデッキから1階の広場に行けるエスカレーターを2基つけたり、センター広場の破損箇所を改修したり、イベントが開催しやすいよう電源盤を増設などする。

事業費は市が直接工事をする部分として、新たな市民活動拠点の整備が約3億3000万円、エスカレーターの設置やセンター広場の破損箇所改修などが5億7000万円の計約9億円。設計費用約1億3300万円を合わせると計約10億3800万円になる。

市は今年6月時点で整備費を約9億9000万円としていた。屋根の取り付けがなくなったのに事業費がほぼ変わらない理由について同室は、老朽化しているセンター広場の破損箇所などを改修するためとしている。一方、オフィスとする予定のアイアイモールの改修は、新たに設置されるエリアマネジメント会社が行うという。

今後のスケジュールは、来年3月までに基本計画と基本設計を策定、2021年度に実施設計をし、22~23年に改修工事を実施する。リニューアルオープンは23年度中の予定。工事は段階的に実施するため、吾妻交流センターや市民活動センターが閉鎖されることはないという。

現在4階にある吾妻交流センターを移設した跡地の活用についてはまだ決まっておらず、区分所有権を交換するか、働く場を支援する場として活用するかなどを検討している。

一方、だれがどのように運営するかや収支計画などがいまだに公表されていないエリアマネジメント会社の概要については、今月25日までの12月議会会期中に再度、全員協議会を開いて、議会に説明するとした。

「屋根取り止め さすがだが、進め方に不安」

つくばセンタービルをテーマにドラマを制作したことがあるつくば市在住の脚本家、冠木新市さんは「屋根の計画が取り止めになったと聞いて、さすがつくば市には良心があると感じた。これで世界に対して恥ずかしくない。ただ気になるのはこれまでの進め方だが、改修について情報がきちんと出されていない。これからもこんな進め方なのか不安が残っていたが、市長は広報に力を入れると言っているので、今後はそういうことがないと期待したい」と話す。

◆リニューアル計画は、新型コロナの外出自粛要請終了後から28日まで、つくば駅前のBiviつくばイベントスペースでオープンハウスを開いて市職員が説明し市民の意見を求める。現時点で市民説明会を開催する予定はない。

➡つくばセンタービルの過去記事はこちら

➡つくば市中心市街地の過去記事はこちら

地域をつなぐマーケット つくばの「まめいち」 活動絶やさず 

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11月に開催された「まめいち」の様子=つくば市大角豆

【川端舞】環境に配慮した商品提供と、多様な人々とのかかわりを大切にしているコミュニティマーケット「まめいち」。地域にあるつながりを絶やしたくないと、感染対策に配慮して開催が続けられている。

環境にも人にも優しい場所

まめいちを主催しているのは、つくば市大角豆で治療院「つくば草の根はりきゅう院」を営む小池栄治さん(47)と妻の容子さん(44)。2011年の福島原発事故の際、「電気やお金がなくても何とか暮らしていける」ことを地域で証明したいと思った。当時「朝市をやってほしい」という友人の依頼もあり、12年2月から毎月第3日曜日に治療院の駐車場で開催するようになった。

筑波山の麓で農薬を使わず育てた野菜を販売する農家や、無添加で仕上げたベーコンや鶏ささみの燻製を販売するハム屋など、環境に配慮したものづくりをしている地元の個人店が、毎月出店する。単に販売するだけでなく、商品の背景にあるエピソードが語られたり、顔なじみになって互いの安否を気遣ったりする。

クラフト紙で作ったバッグや無農薬の稲わらで作った鍋敷きを販売する小物屋「文田釜」は、出店して約4年になる。店主の北山良香さんは「まめいちは、健康に良い材料にこだわりを持っているお店が多く、刺激を受ける」という。「どうやって商品を作るかなど、他のお店の人と話せるのも楽しい。お客さんのリクエストで新しい小物を作るときもある」という。

「0円マーケット くるくる広場inつくば」は11月に初出店した。不要になったがまだ使えるものを自由に持ち込み、使いたいものがあれば自由に持ち帰ってもらう活動だ。以前は、市内の個人店の店先や、つくばセンター広場で活動していたが、新型コロナ感染拡大後は活動できる場所が少なくなり、困っていた。「感染防止のため、新たな持ち込みを中止し、今まで寄付されたものを持ち帰ってもらうのみになったが、活動できる場所を提供してもらえてありがたい」と、女性スタッフは語った。

健康や介護、子育ての不安を、医師や訪問看護師、管理栄養士、ケアマネジャーに無料で相談できる「暮らしの保健室」も同時開催され、利用客が買い物ついでに立ち寄る。毎月、相談に応じている50代の女性看護師は「こぢんまりとした雰囲気で話せるのが気に入っている」と話す。

11月の開催日は、看護師の誘いを受け、車いすの80代女性が50代の娘と一緒に訪れた。80代女性は、普段ほとんど外出できてないというが、この日は「自分でハムや味噌を買えた。いろんな人に出会えて楽しかった」と満足そう。一方、娘も「普段は母の通院の送迎をするついでにしか外出できないが、今日は好きなアクセサリーを見ることができた」と語った。

看護師に誘われて訪れた車いすの女性(右端)と娘さん(中央)

毎回、親子連れ、高齢者夫婦、身体障害や知的障害を持つ人など、様々な人が訪れる。「『地域にはいろんな人がいる』という当たり前だけど見過ごされていることに改めて気づく場所にしたい」と、小池さんは語る。

まめいちでは、子どもたちも参加できる「月替わりの体験企画」も行われている。12月の第3日曜日は正月飾り作りを予定している。

《ことばのおはなし》27 紙の書物の存亡

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【コラム・山口絹記】スマートフォン片手に本屋を徘徊(はいかい)するのは、私のいつもの休日だ。「せどり」をしているわけではない。しばらく立ち読みをして、目的の書籍たちが、紙の書物で購入すべきものか、電子書籍で購入した方がよいものかを検討する。三度の飯より読書が好きとはいえ、自宅の本棚が崩落しては面倒だ(実際この10年で本棚を2度壊している)。電子書籍で済ませられるものは済ませるに越したことはない。

電子書籍といえば、電子書籍が紙の書物を駆逐するか、という議論がされて10年以上が経つ。個人的には紙の書物が駆逐されようと、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』のような、読書という行為そのものが禁じられる世界がやってこなければよいと思ってしまう。

度重なるビブリオコースト(書物大虐殺)の後の世に、博物館のショーケースに飾られた、ボルヘスの『砂の本』、ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』、寿岳文章の『書物の共和国』を眺めて歩いたその午後に、伊藤計劃の『ハーモニー』のごとく「誰かが孤独になりたいとしたら、死んだメディア(紙の本)に頼るのが一番なの」とうそぶいて、紙のページをめくれるならそれはまだきっと贅沢(ぜいたく)な時間だ。

ここまで書いて、やはり紙の書物は私の身体の一部、延長なのだな、と再確認する。紙の書物の絶滅の話になると、どうも文章が感傷的になってしまう。

電子書籍は紙の書物を滅ぼすか?

さて、「これがあれを滅ぼすだろう」という台詞(せりふ)は、ヴィクトル・ユゴーの『ノートル=ダム・ド・パリ』に出てくるものだ。“これ”は“書物”で、“あれ”は“建物(ノートル=ダム大聖堂)”を示している。もちろんここでの意味は本の重みが大聖堂を崩壊させる、ということではない。

少し説明すると、グーテンベルク革命が石の書物、人の思想・知・記憶の結晶ともいえる教会を滅ぼすだろう、ということだ。もう少しだけ説明すると、グーテンベルク革命というのは、1455年にヨハネス・グーテンベルクによって、活版印刷による本の複数生産が可能になったという、技術革命のことである。

15世紀当時の“書物”と“建築”の関係と、21世紀現在の電子書籍と紙の書物の関係は相関するのだろうか。もし相関があるのならば、書物の普及がある意味において当時の特権に影響を与えたように、電子書籍もまた紙の書物という媒体に影響を与えることもあるだろう。

だがしかし、いくらでも書籍を手の内に召喚できる電子書籍とはいえ、画面をスリスリこすったり、スクロールしているうちは紙の書物は安泰だというのが私の考えだ。そもそも私が読みたい書籍はあまり電子化されていないのだ。まだ絶滅されては困ってしまう。

紙の書物の存亡を憂うよりも、電子媒体で書籍を読むようになって、私たちと書籍の関係はどう変わってゆくかを、しばらく観察するほうが有意義だろう。(言語研究者)

議長に小久保氏、副議長に皆川氏 つくば市議会 投票なく初の指名推薦

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就任のあいさつをする小久保議長=つくば市議会

【鈴木宏子】3日開会した改選後初のつくば市議会12月議会で、議長に小久保貴史氏、副議長に皆川幸枝氏がそれぞれ指名推薦で選任された。同市ではこれまで議長、副議長とも投票で選ばれてきた。指名推薦で選ばれたのは初めて。

議長の選任にあたっては年長者の金子和雄氏が臨時議長になり、選任方法について指名推薦でよいか諮った。だれからも異議が出ず、金子臨時議長の指名推薦で、議長に小久保氏が選任された。副議長も小久保議長の指名推薦で皆川氏が選任された。

小久保議長は「初めての指名推薦。皆さんの期待に応えられるようしっかり議会運営に努めたい。コロナ禍の中、議会運営について大変な部分もあると思うが、議会改革にも努めたい」などとあいさつした。

3日決まった各委員会のメンバーは以下の通り。◎は委員長、〇は副委員長。敬称略

総務委員会=◎五頭泰誠、〇浅野英公子、宮本達也、小久保貴史、飯岡宏之、小野泰宏、久保谷孝夫

文教福祉委員会=◎木村清隆、〇小森谷さやか、黒田健祐、塚本洋二、山本美和、橋本佳子、金子和雄

市民経済委員会=◎木村修寿、〇高野文男、川久保皆実、川村直子、神谷大蔵、ヘイズ・ジョン、塩田尚

都市建設委員会=◎長塚俊宏、〇山中真弓、小村政文、中村重雄、皆川幸枝、浜中勝美、鈴木富士雄

広報広聴委員会=◎黒田健祐、〇高野文男、小村政文、宮本達也、山中真弓、神谷大蔵、皆川幸枝、山本美和

議会運営委員会=◎小野泰宏、〇五頭泰誠、浅野英公子、小森谷さやか、黒田健祐、神谷大蔵、塚本洋二、鈴木富士雄

1人会派が7つ

会派は、1人の会派が7つ誕生した。最大会派は7人のつくば自民党・新しい風。各会派の構成は以下の通り。〇は代表。敬称略。

つくば自民党・新しい風(7人)=〇黒田健祐、長塚俊宏、神谷大蔵、小久保貴史、五頭泰誠、ヘイズ・ジョン、久保谷孝夫

自民党政清クラブ(5人)=〇飯岡宏之、宮本達也、木村修寿、塚本洋二、鈴木富士雄

つくば・市民ネットワーク(4人)=〇小森谷さやか、川村直子、浅野英公子、皆川幸枝

公明党つくば(3人)=〇小野泰宏、山本美和、浜中勝美

日本共産党つくば市議団(2人)=〇橋本佳子、山中真弓

新社会党つくば(1人)=金子和雄

山中八策の会(1人)=塩田尚

清郷会(1人)=木村清隆

創生クラブ(1人)=高野文男

新緑会(1人)=中村重雄

つくばチェンジチャレンジ(1人)=川久保皆実

勝手にひとりの会(1人)=小村政文

高齢化団地で振興事業、2駅周辺でシェアサイクル つくば市長が2期目所信

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2期目の所信を表明する五十嵐つくば市長(手前)=つくば市議会

【鈴木宏子】改選後初のつくば市議会12月定例会が3日開会し、五十嵐立青市長は2期目の所信を表明した。高齢化が進む住宅団地で周辺市街地振興事業を横展開するとしたほか、つくば駅と研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するなどと表明した。一方、課題の中心市街地活性化や旧総合運動公園用地について新たな言及はなかった。

まず新規感染者が急増している新型コロナウイルス感染拡大対策について、市役所窓口でのデジタル手続きを推進するほか、健康体操教室を通した高齢者の体力づくり支援、地元企業からの相談体制強化など、きめ細やかに取り組んでいくとした。

まちづくりについては、1期目に実施した、旧町村の旧市街地8地区などでの活性化協議会設立や市内外から地域活性化プランを募るコンペなどの取り組みを、他の周辺地域や住民が減少している住宅団地などにも横展開していくと強調した。

一方、中心市街地活性化については、つくばセンタービルをリニューアルして新たな市民活動拠点、市民窓口、多様な働き方を支える場を整備し、中心市街地を活性化する主体となるまちづくり会社を立ち上げるとするにとどまり、改選前の9月議会で指摘があった、まちづくり会社をだれが、どのように運営するか、収支は見合うのかなどについて言及はなかった。

1期目に「総合運動公園問題の完全解決」を最大公約に掲げながらも方向性を示すことができなかった旧総合運動公園用地については、「市民や議会の意見を聞きながら、市にとって必要な方向性について、財政面での実現可能性とも合わせてできるだけ早い段階で決定したい」とするにとどめた。

陸上競技場の整備についても、議会や有識者会議の意見を聞きながら進めていくとするにとどめた。一方、廃校跡地を活用して文化芸術拠点を整備するとし、インフラ整備では多発する災害に備え防災倉庫を含めた拠点の整備を進めるとした。

ほかに、自転車利用の促進について、つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに指定されサイクリングを楽しむ機運が高まっているとして、旧筑波東中跡地などの廃校を活用して、りんりんロードから立ち寄ることができる自転車の拠点を整備すると表明したほか、つくば駅や研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するとした。

子育て環境の整備では、子供の医療費助成について、現在、高校生は入院費用のみ助成しているマル福を、高校生の外来診療まで拡大するとした。

教育では、今後5年間でTX沿線に、香取台地区小学校、研究学園小中学校、みどりの南小中学校(学校名はいずれも仮称)を整備するとし、エアコン整備について、小中学校の特別教室や児童館のプレイルームにも拡大するとした。

福祉ではほかに、高齢者憩いの広場の整備推進や、筑波大と連携して取り組む児童発達支援センターの開設などを進めていくとした。

洞峰公園にパークPFI 県が意向調査開始

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つくば市二の宮の洞峰公園

【山崎実】県は、つくば市二の宮の洞峰公園で、民間事業者がパークPFI制度(Park-PFI、公募設置管理制度)を活用し、飲食、売店など収益事業を行う考えがあるかどうかを探る意向調査(マーケットサウンディング調査)に乗り出し、1日から事業提案書を受け付けている。

同制度は2017年の都市公園改正法で新たに設けられた、民間資金を活用した整備、管理手法。飲食、売店など公園利用者の利便性向上と、その収益を活用して周辺の園路や広場などの整備、改修を一体的に行うというもの。

メリットとしては、民間資金を活用することで公園管理者(県)の財政負担が軽減されるほか、飲食、売店など便益施設に民間のアイデアを取り入れることで、利用者サービスの充実が図られ、より魅力的な公園づくりが進められる。

県は現在、偕楽園(水戸市)の拡張部に県内初のパークPFIを導入することとし、公募で選定された事業者と内部協議を進めている。民間事業者の公園事業への進出については、「意向調査を進める中で、県内の公園に興味を持っている企業もあり、アウトドア施設やスポーツ施設、飲食施設といった事業に提案をもらっている」(県議会第3回定例会)と、手応えを感じている様子。

洞峰公園の意向調査の概要は、対象面積が同公園全域(約20ヘクタール)、事業期間は最長20年間、飲食店や売店など収益施設を設置する場合は土地使用料が発生する。事業提案の受け付けは12月1日から来年1月29日まで。1月中旬から2月中旬まで個別対話に入り、2~3月には意向調査結果が公表される。

今回の意向調査について県土木部は「事業化への準備段階で、民間事業者が洞峰公園に魅力をもっているかどうかを探り(事業参加への)脈を見たい」と話している。

問い合わせは都市整備課・公園緑地(電話029-301-4655)

洞峰公園の民間活力導入に関する意向調査はこちら

《くずかごの唄》74 イチョウの雌と雄

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コラム・奧井登美子】わが家の庭の真ん中に大きなイチョウの木がある。兄の奥井誠一が生まれたときに、舅(しゅうと)が大喜びしていたら、今の土浦一中地区公民館の敷地にあった平本医院の平本先生が、「誕生記念だ」と言ってイチョウの木を下さったという。

樹齢100年、高さもいつの間にか20メートル近い大木になってしまった。秋、葉の色は美しい黄金色。家の庭はまるで黄金の扇子で敷き詰められた絨毯(じゅうたん)。イチョウは雄雌で木の葉の形が違うらしい。昔の東京大学のマークの切れ込みのある葉は雄の木の葉。わが家のイチョウは雌なので切り込みのない扇形である。

イチョウの精子は元気がよくて1000メートルくらい飛ぶという。わが家の雌イチョウめがけて亀城公園あたりから精子が飛んできて、仲良くなって結実する。

秋、ギンナンが落ちる。ギンナンの果肉は皮膚炎を起こす人が多いので、「ツラの皮の厚い人」しかギンナンむきができない。私のツラの皮は人一倍厚いと見えて、かぶれないので皮むきも私の仕事になってしまった。

粋な戯れをする植物

敗戦後、疎開先から東京に帰ってきた私は、下町が、大空襲の焼け跡ばかりなのに、神田、お茶の水、上野などを歩いてみて、古い建物が残っている場所があるのに気づいた。イチョウの木があったおかげで、火が止まって、燃えずに残ったという町もいくつかあった。

昔から神社やお寺の境内にイチョウを植えたのは、火事の時の、安全の願いもあったのかも知れない。イチョウは気温が急に高くなると、シュウシュウと音がするほどの、ものすごい勢いで湯気を吹き出す。街角にイチョウの木があれば、火事で急に気温が上ったとき、湯気を吹き出すに違いない。

イチョウの木と仲良く付き合ってみると、植物のくせに動物に近いような、奇妙な意志のあることがわかる。1000メートルも精子を飛ばして、高い木の上で合体するなどと、粋な戯れをする植物は他にないだろう。(随筆家、薬剤師)

濃厚接触の別の教員も感染 つくばの市立学校

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つくば市役所

つくば市は2日、教員が新型コロナウイルスに感染していることが分かった市立学校(11月30日付)で、この教員の濃厚接触者となった別の教員も新型コロナに感染していることが新たに分かったと発表した。

市教育局学び推進課によると、この学校では濃厚接触者などのPCR検査を終えており、2日までに他に感染者はいないという。

この学校は11月30日と12月1日、消毒のため休校し、2日から再開している。今回新たに感染が判明した教員は濃厚接触者となって以降、勤務を休んでいるため、新たに感染が拡大することはないという。

同課によると、同市内の市立学校では11月以降、7つの小中学校で感染が確認されており、各学校では消毒のため1~4日間休校としている。感染者の濃厚接触者は2週間の自宅待機となるが、児童生徒が濃厚接触者となった場合は、電話やメールなどで連絡を取り合って不安を取り除き、オンライン学習なども活用して学びの保障を行っているとしている。

平山氏に江崎玲於奈賞、核スピン分極を応用 つくば賞はチバニアンの3氏

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江崎玲於奈賞に決まった平山祥郎氏=茨城県科学技術振興財団提供

【相澤冬樹】ナノサイエンス分野の研究で優れた業績を挙げた国内研究者を顕彰する江崎玲於奈賞の審査会が23日、つくば市内で行われ、第17回受賞者(副賞1000万円)に原子の核スピン応用技術の平山祥郎東北大学大学院教授(65)を選出した。

第31回つくば賞(副賞500万円)には「チバニアン」研究の茨城大学大学院の岡田誠教授(55)、国立極地研究所の菅沼悠介准教授(43)、産総研地質調査総合センターの羽田裕貴研究員(28)の3氏を選んだ。

「江崎先生も気づかなかった着眼点」

同賞は茨城県科学技術振興財団(江崎玲於奈理事長)がノーベル賞受賞の白川英樹、野依良治、小林誠各氏らを審査委員に選出する。今回の発表はオンライン開催となった。

平山教授は、東北大学先端スピントロニクス研究開発センター長。原子の核スピンが分極し、余剰抵抗が生じることは1999年ドイツの研究者により報告されたが、電気特性が弱く注目を集めなかった。これに着目した平山教授は2003年以降、独自の半導体ナノ技術を駆使して核スピンの分極を電子的に制御し、その影響を高感度に抵抗検出する技術を確立した。技術はMRI(核磁気共鳴画像法)のイメージングにも用いられるが、平山教授の研究は核スピンの分極の組み合わせを量子コンピューターなどのエレクトロニクス分野に応用するなどの技術開発で特に業績をあげた。

審査会では「江崎先生をもってしても気づかなかった着眼点であり、その先見の明に賞を与えたい」とした。

地磁気逆転、古海洋変動復元研究が評価

つくば賞に決まった(左から)岡田誠、菅沼悠介、羽田裕貴の各氏

つくば賞受賞の3人は、今年1月のIUGS(国際地質科学連合)理事会で承認され、わが国初の地質時代名称となった「チバニアン」に関する研究が評価された。千葉県市原市の地層「千葉セクション」は中期更新世(7.4万年前~12.9万年前)における地磁気逆転と海洋環境変動を記録することを、極めて高い時間解像度で明らかにした。

第30回つくば奨励賞は、実用化研究部門で物質・材料研究機構の内藤昌信グループリーダー(47)、若手研究者部門で同機構の佐々木泰祐主幹研究員(40)が選ばれた。

同財団によれば、新型コロナウイルス感染防止のため、例年行ってきた各賞の授賞と受賞記念講演会は開催を見合わせる。受賞者への賞の贈呈は個別に行う予定。

筑波大生有志が主催 「つくばリサイタル」今年も

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去年のコンサートの様子

【山口和紀】筑波大生有志が主催するコンサート「つくばリサイタルシリーズー1日だけの異色の競演」が12日、つくば市竹園、カピオホールで開催される。出演者は福田廉之介さん(ヴァイオリン)、會田瑞樹さん(パーカッション)、高橋優介さん(ピアノ)の3人。同コンサートは「学生に気軽にクラシック音楽を楽しんでほしい」との思いから生まれた企画で、今年で9回目を数える。新型コロナ対策のため客席を半分とし、全席指定での開演となる。

コンサートは同大の学生有志で作るつくばリサイタルシリーズ実行委員会が主催している。企画の創設者である同大の江藤光紀准教授(比較文化学類)は「学生の皆さんにクラシックの楽しさを感じてもらいたい」と語る。

公演では江藤准教授が作曲した作品「さまざまな風―ヴァイオリン、マリンバ(ヴィブラフォン)、ピアノのための」も披露される。ヴァイオリン、打楽器、ピアノという珍しい編成の作品だ。「困難な時であればこそ、人びとに慰めや希望を与え、勇気を奮い起こさせる音楽を書かねばならない」との思いで作曲された。

キャスティングにも意図がある。演奏者の一人、ヴァイオリン奏者の福田さんは1999年生まれの21歳で、数々の国際コンクールでの入賞経験を持つ注目の若手だ。他の演者もそれぞれ20代と30代。若手に出演を依頼したのは「同世代の素晴らしい演奏を聞くことは、学生たちの心にひじょうに響くものがある」という意図があったからだ。

感染対策を入念準備 予断許さない状況も

しかし、新型コロナの影響で、開催できるかどうかすらも分からない状況が続くという。11月下旬からつくば・土浦地域では感染確認者が目に見えて増えており、現在のところ、開催は可能との見通しだが、予断を許さない状況だ。

感染対策はミーティングで入念に話し合い、でき得る限りの準備をしてきた。会場のカピオホールの定員はおよそ380人だが、感染予防の観点から客席をその半分まで減らす。さらに、アルコール除菌の徹底や会場の換気など基本的な感染対策も行う。入場時間を早めて観客の集まる時間を分散させるなどの対策や、チケット販売で電子チケットを発行するなどできる限り接触を減らす。

影響は客層にも及んでいる。年齢層が高い方が普段からクラシックに関心を持つ人が多く、開催のたび固定客として増加傾向だった。しかし今年のチケットの売れ行きは「今年はコロナのせいか高齢のお客様が少ない」。例年とは一変して、一般客ではなく学生が多くなる見込みだ。

コロナ禍のなか、全国的にもコンサートなどの文化事業を行うことは難しくなっている状況だ。しかし、文化は人々の心を豊かにする大切なものだ。委員の一人、岩永彩花さん(2年)は「来場していただいた方に安らいでいただくとともに、地域の文化活動に貢献していきたい」と語った。

主催者の同実行委員会は毎年、企画・開催をする仲間を募集している。国際総合学類や生物学類など様々な分野の学生が集まっているが、「委員会に入るまではクラシックには興味がなかった」という学生も多いという。

◆「第9回つくばリサイタルシリーズ」の開場は12日午後1時15分、開演は2時。入場料は学生無料、一般1,000円(消費税込み)。

《つくば法律日記》13 お酒の法律で変わるマーケット

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堀越さんの事務所があるつくばセンタービル

【コラム・堀越智也】昔から、お酒に関する法律がマーケットに大きな影響を与えてきました。特に、酒税はそれなりの税収になることもあり、酒税法が度々改正されるのですが、酒税法の改正で、僕らもよく知っているようなマーケットの変化が起きています。

つくば市や茨城県では、クラフトビールのイベントがよく開催されます。新型コロナ禍のため、今年はないのが残念ですが、つくばセンター広場でも、毎年クラフトビールのイベントがあります。

クラフトビールがはやり出したのは、酒税法が改正されて、地ビールが造りやすくなったからです。かつて、酒税法の改正で地ビールが盛んに造られ始め、さらにクラフトビールという名前に変えて、世間に広まりました。

発泡酒も第3のビールも、テレビのCMで聞くようになったのは最近です。1990年代に、サントリーが「ホップス」という発泡酒を販売してから、世間に広まり始めました。

酒税法上、ビール、発泡酒、第3のビールは、ざっくり言うと、麦芽の割合と副原料を使用しているか否かで区別されるのですが、発泡酒は、当時、酒税法上、税金が安かったため、安く販売されたのです。

ところが、後に酒税法が改正され、発泡酒とビールの金額の差が縮まります。すると、第3のビールが日本を席巻。そして先々月10月の改正で、ビールは値下げ、発泡酒は一部値下げ、第3のビールは値上げになります。こうして、マーケットは酒税法に動かされることになり、メーカーも大変です。

つくばのワインが面白い

つくば市に影響しそうな酒の法律というと、通称ワイン法ではないかと思います。正式名は「果実酒等の製法品質表示基準」ですが、日本のワインを定義し、国産ワインの信用を高めることを目的に制定され、2018年10月から施行されています。

つくばで育てたブドウでなければ「つくばワイン」と名乗ることができません。逆に言うと、つくばでワイン用のブドウができれば、「つくばワイン」と名乗ることができ、地元の名産品に加わる可能性があるのです。

幸い、つくばにはいくつかワイナリーができました。地質的にワイン用ブドウに適した場所で栽培されているようで、それもつくばらしいです。追い風は、2017年につくば市がワイン特区に認定されたことです。

酒税法上、ワインを造るには、年間6,000リットルの製造量が条件になりますが、特区に認定されたことで2,000リットルに緩和されました。その結果、小さな施設もワインが造れます。

このワイン特区、いかに市民が利用するかにかかっていますが、つくばの経済にとって、ひとつの強い味方になると思います。(弁護士)

コロナ禍 目標量確保の見通し立たず 特別企画で献血呼び掛け

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企業や学校などの会場確保が難しくなっている献血バス=土浦市内

【山崎実】新型コロナウイルスの影響による企業献血やイベントなどの中止から、血液在庫の減少が続いている県赤十字血液センター(茨城町桜の郷)は、県独自のキャンペーンとして初のクリスマス特別企画「シールアートでクリスマスツリーを灯そう」を実施し、広く県民に献血への協力を呼び掛ける。

同センターによると、関東甲信越地域では医療機関に血液を安定的に届ける目標血液在庫量を維持できない状況がたびたび発生している。11月13日には在庫量(400ミリリットル献血1万800人分)に対して、約1500人分も下回った。これは県全体の400ミリリットル献血者の半日分の人数に相当するという。

茨城県でも11月17日現在、目標の献血者数が下回り、必要な献血量を確保できない状態にあることから危機意識を強めている。

対応策として、献血バスの増車、受付時間の延長、献血に協力した人へのはがき、メール、LINE等での協力依頼などを行っているほか、独自のキャンペーンとしてアニメ作品「ガールズ&パンツァー」との新たなコラボグッズの配布、クリスマスツリーを模したシールアートを献血者の協力で完成させる「クリスマスツリーを灯すシールアート」などを行う。

献血者の協力でクリスマスツリーを模したシールアートを完成させる催しのイメージ図(県赤十字血液センター提供)

同センターでは「輸血医療に不可欠な血液を確保するため、一層の献血協力を必要としている。在庫量回復の目途が立たず、厳しい局面を迎えているので、一人でも多くの協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

献血キャンペーンの問い合わせは同センター(電話029-246-5574)。

特別支援学校の設置基準策定を 7団体が県議会に請願

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県立つくば特別支援学校=つくば市玉取

【山崎実】全国障害者問題研究会茨城支部(寺門宏倫支部長)、NPO茨城の専攻科を考える会(船橋秀彦理事長)など関係7団体は共同で、県議会に「特別支援学校の設置基準の策定を求める意見書提出に関する請願」を提出した。

県立特別支援学校の幼児、児童、生徒数はこの10年間で694人増加、2019年度は3963人(09年度の約1.2倍)となっており、普通教室の不足数は89教室(知的障害校81教室、肢体不自由校8教室)に及んでいるとしている。

中でもつくば特別支援学校は、09年度の児童、生徒数が356人(知的障害242人、肢体不自由114人)で、学級数は100クラスに達する。そこで同校では教室確保のため、一つの教室をパーテーションで分割して使ったりしている。

一方県は「県立特別支援学校教育環境整備計画」(いばとくプラン)を発表し、今後の具体的な取り組み内容を明らかにしているが、例えば「校舎増築」など対症療法的な対策しか示さず、国も小中学校、高校、大学、専門学校などすべての学校に設置基準(学校設置に必要最低限の基準)を設けているのに、特別支援学校には設置基準がない。

このため北海道根室市議会、同余市町議会議長、静岡県沼津市議会など、地方自治体から設置基準の策定を求める意見書の提出が相次いでいる。

全国的な動きに、文科省も「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」を設置。特別支援学校設置基準の策定に前向きな姿勢を見せ始めているという。

請願を提出した関係者は「県議会でも特別支援学校の在り方については議論が交わされており、全国的な動きと相まってぜひとも設置基準の策定を実現させたい。今が最大のチャンスだと思う」と話している。

県立特別支援学校教育環境整備計画(いばとくプラン)の今後の具体的取り組み内容

学校名現状・課題取り組み概要
水戸飯富慢性的な教室不足通学区域の一部を内原へ変更
内原高等部がない校舎を増築、高等部を設置
つくば慢性的な教室不足校舎を増築、学校近隣の用地取得も検討
鹿島2021年度末に仮設校舎契約切れ校舎を増築
その他教室不足への対応が必要となる可能性がある教室の利用見直し、既存教室の改修

➡特別支援学校に関する過去記事はこちら

《雑記録》18 バイデン次期大統領 前途に嵐の予感

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【コラム・瀧田薫】アメリカ市場で「ダウ平均株価」が初めて3万ドル台に乗った。トランプ大統領による「バイデンが勝利すれば株価は暴落する」とのご託宣は大外れで、自称・ビジネスの天才としては赤っ恥もいいところだ。

しかし、この未曾有(みぞう)の株高はバイデン氏の勝利に直接結びつくものではない。コロナウィルスの恐怖に凍りついた経済を支えるため、アメリカをはじめとする主要国が総額10兆ドル(1000兆円 未曾有の規模 日経・11月25日付)を超える財政支出に動いたこと、それが株高をもたらした最大の要因だろう。

ワクチン開発への期待も多少は後押ししたかもしれないが、ウィルスの跳梁(ちょうりょう)が続く限り、財政拡大や金融緩和政策が続くはずだという期待(人命にかかわる政策には誰も反対できない)の方が大きいだろう。また、コロナ禍が勝ち組企業と負け組企業を鮮明に色分けした結果、「買いと売り」の判断に迷いがなくなったことも株高につながっただろう。

しかし、この株高は一時のにぎわいでしかない。膨張する国家債務、実態経済というアンカーを持たない緩和マネーが暴走し始めたら、そのとんでもないツケが回っていく先は、富裕層ではなく、株を買いたくても買えない大方の国民の方である。

コロナ禍は、勝ち組企業と負け組企業を分けただけではない。キャピタルゲインを積み上げる富裕層とひたすら真面目に働くしかない人々との間に、巨大な「格差と分断」をもたらしつつある。

民主党 上院で過半数失う可能性も

ところで、バイデン次期大統領はその勝利宣言で「分断ではなく、団結させる大統領になることを誓う」と述べたが、トランプ大統領は敗北を認めず、選挙に不正があったとして法廷闘争に打って出た。これに呼応して、トランプ氏の支持者の多くが大統領のツィッター「盗まれた選挙」に同調し、トランプ大統領支持の思いを募らせている。

トランプ大統領は、過去4年間、自分の支持層だけに語り掛け、政敵の言は「フェイク」の一言で片づける政治姿勢を貫いてきた。つまり、アメリカ建国以来の「分断」(人種、所得格差、生活信条、地理、世代、党派)を、むしろあおることで自らの支持層を拡大してきたのである。

確かに、トランプ氏は、エリート政治家に反感を抱く人々に政治参加の道を開いた。しかし、その代わりに、国内の分断をより先鋭なものにしたのも事実だ。今回の選挙でトランプ氏が獲得した7000万票は、トランプ氏が大統領職を退いた後も、いわゆる「岩盤」として残り、何かのきっかけで再浮上する可能性が高い。

ちなみに、バイデン氏の与党・民主党は、来年1月にジョージア州で実施される2組の決戦投票次第で、上院での過半数を失う可能性がある。その場合、バイデン氏の選挙公約の実現が難しくなるばかりか、それ以前に、バイデン氏が選んだ閣僚候補者の就任が上院で否決される可能性がある。バイデン次期大統領はスタートからいばらの道を歩むことになりそうだ。(茨城キリスト教大学名誉教授)