火曜日, 4月 22, 2025
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ナノスケールが魅せるアートな世界 20日からつくばセンタービルで展示イベント

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深田直樹さんの「花ひらく Efflorescence」=NIMS国際ナノアーキテクトニクス研究拠点提供

つくば市は20日から、つくばセンター地区活性化協議会(茂木貴志会長)、つくばまちなかデザイン(内山博文社長)と共に、つくばセンタービル(同市吾妻)で「つくまちアート」を開催する。まちなかの公共空間を活用して、アートやサイエンスを感じてもらうための取り組みで、第1弾として物質・材料研究機構(NIMS)の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA、つくば市並木)によるマテリアルズナノアートの展示とイベントを行う。

会期は8月19日まで。展示会場はつくばセンタービル1階通路に設けられる。

マテリアルズナノアート(MA-NanoArt、マナノアート)は、電子顕微鏡などでしか見えないナノスケール(髪の毛の太さの10万分の1の大きさ)の物質が織りなす形象をとらえアート作品としたもの。WPI-MANAの研究者が普段見ている世界を切り取った。

電子顕微鏡は構造上、単色でしか観察できない装置だが、画像処理技術を駆使してカラー表示を実現している。そのビジュアルがおもしろく、作品として目にする機会が増えているそうだ。

深田直樹さん(MANA主任研究者)の作品はシリコン基板上に成長したゲルマニウムナノワイヤの走査型電子顕微鏡像で、タイトルは「花ひらく Efflorescence」。ナノワイヤと呼ばれる構造を基板垂直方向に一面に形成した際、試料を観察していて撮影できたという。

共に研究グループリーダーを務める川上亘作さん、ヒル・ジョナサンさんは、大豆成分からできた粒子の走査型電子顕微鏡像から「ナノ手毬(てまり)」、「ナノ花」を作品化した。

川上亘作さん、ヒル・ジョナサンさんの「ナノ手毬」=同

アートをきっかけにまちなかを回遊してもらうため、アートポストカードラリーも同時に行う。つくば駅周辺の各施設に16種類のアートポストカードを1種類ずつ設置。ポストカード10種類以上を集めると、MANAオリジナルグッズなどがプレゼントされる企画だ。

NIMS国際ナノアーキテクトニクス研究拠点は、ナノテクノロジーの新概念「ナノアーキテクトニクス」に基づいて、世界トップレベルの新材料開発の研究を進める国際研究拠点。半導体加工などに用いられるマイクロテクノロジーとは一線を画し、理論やシステム分野における材料開発の新しいパラダイム変換を目指している。(相澤冬樹)

マナノアート詳細ページはこちら 

待ってました! 青空 つくばにデビューの「ひまわり迷路」

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続々大輪の花を着けだした「ひまわり迷路」=つくば市下広岡

大輪のヒマワリは、梅雨明けの青空がよく似合う。中根農園直売所(つくば市下広岡)がこの夏、初めて開設した「ひまわり迷路」で、黄色い花が一気の開花を迎えている。

「迷路」は直売所付近の農地約3000平方メートルに設置した。農園の中根剛代表によれば、耕作放棄地対策から景観植物として育てているそうで、5月ごろタネ10キロを蒔(ま)いた。全部が発芽するわけではないので「数万本」が植わっているという。

「密」に林立したヒマワリは、すでに人の背丈を越えており、1メートルほどの幅でルートが切り開かれている。

「駐車場を用意していないこともあり、宣伝もできずにいる」(中根さん)といい、人の姿は見かけないが、黄色い花が密度を増すほどに通りを行く人の目をひきそうだ。

入場は無料。迷路の中央に休憩スポットができていて、花を摘むためのハサミと料金箱が置かれている。熱中症には十分な注意をお忘れなく。(相澤冬樹)

関東甲信も梅雨明け

気象庁は16日、関東甲信と東北が梅雨明けしたと発表した。平年(7月19日ごろ)より少し早め。今年は梅雨入りが平年より遅かった(関東甲信は6月14日ごろ)こともあり、梅雨期間は約1カ月と短めとなった。

日本気象協会の調べで、16日はつくば、土浦とも正午の気温が31.0度の真夏日となった。

総合労働相談、過去10年で最多 「いじめ・嫌がらせ」トップに

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厚労省茨城労働局「2020年度個別労働紛争解決制度の運用状況」から作成

厚労省茨城労働局はこのほど、2020年度の個別労働紛争解決制度(※メモ)の施行状況をまとめた。同労働局及び県内8カ所の労働基準監督署管内に設置している総合労働相談コーナーで専門の相談員が対応する総合労働相談件数は2万4433件(前年度比15.4%増)で過去10年間では最多となった。

うち弁護士など労働問題の専門家が紛争当事者間に入って紛争を解決する民事上の個別労働紛争相談件数は5723件(同8%増)、助言・指導申出件数は204件(同14%増)、あっせん申請件数は137件(同4.2%増)だった。

特に注目されるのは、民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申し出件数、あっせん申請件数のすべてで「いじめ・嫌がらせ」がトップだったことだ。個別労働紛争相談件数では2225件でトップ、助言・指導では76件、あっせん申請では64件といずれもトップだった。

「いじめ・嫌がらせ」のあっせん事例では、▽上司から非難、罵声を浴びせられ体調不良から精神的に限界となり退職を余儀なくされ慰謝料の支払いを求めたいとあっせんを申請▽事業主に対し、人員削減のために行う整理解雇についても労働契約法に基づく解雇権乱用法理が適用され、裁判例などを説明。被申請人に譲歩の余地を確認し解決金50万円を支払うことで合意したーなどの例証がある。

茨城労働局は「総合労働相談コーナーに寄らせれる労働相談に適切に対応し、引き続き個別労働紛争の未然防止と迅速な解決に取り組んでいく」としている。(山崎実)

◆個別労働紛争の相談に関する問い合わせは茨城労働局雇用環境・均等室(電話029ー277-8295)

※メモ【個別労働紛争解決制度】
職場などのトラブルの解決を国がサポートする制度。労働紛争を裁判で解決しようとすると時間や費用がかかってしまうことから、個別労働関係紛争解決促進法が制定され、簡易で迅速に解決するための仕組みができた。①各都道府県にある労働局の総合労働相談コーナーによる相談②同労働局長による助言・指導③紛争調整委員会によるあっせん-の3つの紛争解決制度がある。相談費用は無料、秘密は厳守される。労働者、事業主どちらからでも相談できる。

学校に通えない子どもがいる日本 《電動車いすから見た景色》20

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【コラム・川端舞】人工呼吸器など医療的ケアの必要な子どもとその家族に対する支援法が先の国会で成立した(6月11日)。これにより、小中学校や特別支援学校の設置者は、在籍する医療的ケア児に対し、適切な支援を行う責務を有することになった。

このような流れの中、各メディアで医療的ケア児の現状が取り上げられるようになった。普段、(障害のある者と障害のない者が共に学ぶ)インクルーシブ教育について考えることも多い私だが、恥ずかしながら、今回、一連の報道を見る中で、特別支援学校にも通えない医療的ケア児が少なくない現状を初めて知った。

学校に通えない障害児に対しては、特別支援学校の教員が障害児の家庭などに訪問し、週3回、1回2時間を標準とした訪問教育が行われる。大学時代に特別支援教育について学んだ私は、日本の教育の中に訪問教育が存在することはわかっていたが、なぜ学校に通えず、週3回しか授業を受けられない障害児がいるのか、深く考えもしなかった。

お𠮟りを受けるだろうが、大学時代の私は「特別支援学校にも通えないほど、障害の重い子どももいるのだな」くらいの浅はかな考えしか浮かばなかった。

しかし今回の報道で、特別支援学校の通学バスに看護師が同乗しないために、バスに乗れず、保護者が送迎しないと特別支援学校に通えない場合もあること、単に学校に通う手段がないから、家で訪問教育を受けている障害児がいることを知った。

身近に当事者がいるかどうか

もちろん病気の急性期などで、病室から出られない子どももいるだろう。しかし、通学バスの中で医療的ケアができないために通学できないのは、子ども自身の問題ではなく、通学バス乗車中に医療的ケアができる環境がない社会的な問題だ。

おそらく大学時代の私は、医療的ケアを行っている現場を見たことがなく、医療的ケアが必要な人に会ったこともなかったため、バカ正直に「医療的ケア児は外出が難しいだろう」と思っていたかもしれない。しかし、痰(たん)吸引や人工呼吸器などの医療的ケアを介助者から受けながら、親元を離れて1人暮らしをし、車や電車で当たり前に外出している障害者を身近に知っている今なら、研修を受けた介助者や看護師が付き添えば、医療的ケア児でも当たり前に通学できるのではないかと疑問に思う。

医療的ケア者が身近にいる私だからできる取材もある。つくば市周辺の医療的ケア児の状況や、今回の医療的ケア児支援法によりどう変わるのか、長い目で取材していきたい。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

2回戦最終日 終盤に明暗の土浦勢【高校野球’21】

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【つくば国際大-水戸工】8回表2死二・三塁、中山がライト前に2点タイムリーを放ち逆転=ノーブルホームスタジアム水戸

第103回全国高校野球選手権茨城大会は7日目の15日、3球場で6試合が行われ、2回戦突破の32チームが出そろった。土浦勢ではつくば国際大が水戸工との接戦を落とし、終盤追い上げた土浦三がシードの境に逆転勝ちした。大会は1日休み、17日から3回戦に入る。

つくば国際大 追い上げ届かず初戦で涙

つくば国際大は1点差で迎えた8回表、3点を奪い逆転に成功したが、その裏に3点を取り返された。9回にもチャンスは作ったが攻め切れなかった。「なかなか勝てないというのが実感。私の采配ミスが勝敗を分けた。選手たちは最後まであきらめず戦ってくれた」と山口幸彦監督は肩を落とした。

試合は初回に水戸工が3安打で2点を先制。つくば国際大が追い掛ける展開で、5回に同点とした。つくば国際大の先発・水口和優は2回以降立ち直り、6回まで1安打という好調ぶり。だが7回裏にヒット3本を許し1点を勝ち越された。

つくば国際大の先発・水口=同

8回表には逆転に成功。先頭の濱田の左前打、続く荒井翼と長谷川瑞輝の連続バントヒットで無死満塁とし、水口の内野ゴロで1点が入り1死一・三塁。長谷川瑠伊のスクイズは三走が挟殺されるが2死二・三塁、中山友貴の右前打で2者が還り、この回2点を勝ち越した。

8回裏には急展開。安打と四球で無死一・二塁とされ、代わりにマウンドに上がった濱田が最初の打者にいきなりの死球、次打者にも四球で押し出しの1点を与えてしまう。再び水口がマウンドに戻ったが、2安打でさらに2点を失い、再逆転された。

9回は、北澤敬と濱田の安打で1死一・三塁とし、長打が出れば一発逆転という場面をつくった。代打の村岡航成に託したが、ショートゴロからのダブルプレーで試合終了となった。

「1点を取り合うゲームで一時は逆転したが、気の緩みが出てしまった」と悔やむ濱田。8回裏の登板について「投げることは頭にあったが、一塁から直接マウンドに向かったため準備不足で、気持ちが逃げて弱気になってしまった」という。昨年の秋大会では先発を務めたが、水口の成長によりエースナンバーを譲っていた。いままでにも救援の機会はあったが、あらかじめブルペンで投げ込んでイニングの頭から行く形で、今回のようなスクランブル登板は未経験だった。

この日、スタンドでは竹山翼さんの遺影が両親とともに試合を見守っていた。今の3年生と同世代で、山口監督は将来の主軸を期待していたが、一昨年の11月に白血病と小児がんで亡くなった。遺影はいつもチームに帯同し、今日もベンチに入れたかったが許可が下りなかったそうだ。濱田は「竹山の分まで頑張ろうという思いで大会前から臨んでいた」と初戦で力尽きる結果に無念さをにじませた。(高橋浩一)

社会人特別選抜を開始 県立医療大

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県立医療大=阿見町

茨城県立医療大学(阿見町、松村明学長)は2022年度入試から、社会人を対象とする「社会人特別選抜」を開始する。第1回入試は今年11月17日に実施する。

少子高齢化社会が進む中で、特に予防医学が重要視され、看護、介護、リハビリテーション、地域での活動など、多様な医療職が求められていることから、優秀な人材を育成、確保する目的で、社会人特別選抜を導入する。

出願資格は、2年以上の社会人経験を持ち、入学時に23歳に達している県内在住者、または県内の高校出身者など。大学共通テストの受験は課さず、総合問題、小論文、面接などにより判定する。

募集人員は、従来の選抜枠とは別に「看護学科」「理学療法学科」「作業療法学科」「放射線技術科学科」の各学科で若干名を募集する。

出願期間は11月1日から5日(必着)。同17日に総合問題と小論文の試験、面接を行う。(山崎実)

◆問い合わせは電話029ー840-3201(県立医療大)

湖畔の「かすみキッチン」《ご飯は世界を救う》37

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】7月から、霞ケ浦では帆引き船の操業があります。出航場所の一つは、かすみがうら市の歩崎公園横の志戸崎(しとざき)漁港です。今回は、そこを見たいと思いお出かけ。

歩崎公園の周辺は、ナショナルサイクルロード指定の「つくば霞ケ浦りんりんロード」が整備されています。貸自転車なども設置された休憩場所もあります。その2階が「かすみキッチン」。

数年前、この建物のリメイクの絵(建築パース)の仕事を受けました。その数年後、そこの駐車場トイレの全面改修完成予想図も描かせていただきました。2件とも別の設計事務所でした。

どちらもとてもキレイに仕上がっており、以前行ったときより、コロナ禍中にもかかわらず、多くの人が訪れていました。建物の美しさは重要ですね。まさしく「アートは世界を救う」。

霞ケ浦と筑波山

観光物産館「こいこい」

歩崎公園はかすみがうら市。そこから、「霞ケ浦大橋」を渡ると、行方市です。渡って直ぐの場所に、観光物産館「こいこい」があります。実は、18年ほど前、CG&現場写真の合成パースの仕事をやりました。

そのときはコンペでしたが、取ることができ現在に至ります。農産物、湖の恩恵を受けたお魚、珍しい鯉こくなど、おいしいものをたくさん売っており、人気のお店になっています。

ここには「虹の塔」という高さ60メートルの塔があり、360度パノラマビュー。霞ヶ浦、筑波山を一望できます。高い場所が大好きな私にとっては、よいスケッチ場所です。

また、霞ケ浦の岸から、かわいい灯台が出ていました。ミニサイズ、高さ2.7メートル。こちらの灯台の所有者は独立行政法人「水資源機構」ですが、現在は使用されていないそうです。(イラストレーター)

ナショナルサイクリングロード

つくば市、監査請求を棄却 住民ら「大規模事業評価骨抜き」と批判

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監査結果について記者会見する酒井泉さん(左)と坂本博之弁護士=つくば研究交流センター内、記者クラブ

つくば市が実施するつくばセンタービルリニューアル事業は総額10億円を超えるのだから、大規模事業評価を行わないのは違法だなどとして、元大学教授の酒井泉さん(72)ら市民18人が出していた住民監査請求(5月12日付)で、市監査委員(高橋博之代表監査委員)は8日付で、請求を棄却する監査結果を出した。

酒井さんらは、リニューアル事業の整備費は総額10億3780万円で、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市が要綱で定めているのだから、大規模事業評価の手続きが踏まれていないのは違法だなどとして、すでに市が支出した約7000万円の返還と未支出額の支出差し止めを求めていた。

監査結果は、市が大規模事業評価を実施しないことについて「職員が実務上の参考とするためのマニュアルに『出資は対象となりません』などと明記されている」とし、出資金6000万円は「リニューアル事業の総事業費に含まれない」という市担当課の主張は妥当だとし、出資金を差し引くと事業費は9億7780万円であることから、大規模事業評価をしなくても要綱に違反しないとした。

一方、市が昨年暮れ実施したオープンハウスや市議会全員協議会で市は、予算総額10億3780万円という整備費を示していたことから、「市民の誤解を招くことのないよう慎重な表現を心掛けた方がよかった」と付け加えた。

監査結果に対し、代理人の坂本博之弁護士は「マニュアルがあることは市民に公開されておらず、今回の監査結果は、マニュアルさえ作れば、いかようにも要綱を骨抜きにできることになる」と指摘した。酒井さんは「出資金の使途は大部分が改修などの施設整備費であり、要綱の施設整備事業に該当する。市担当課の言い分と監査委員の判断は事実を無視している」などと批判した。

ほかに、まちづくり会社は市が出資する第3セクターであるにもかかわらず、国の指針に基づく検討を行っておらず、3セクを設置する場合は指針に従って「事業そのものの地域における意義や必要性、収支などの将来見通し、費用対効果などについて検討を行い、3セク以外の事業手法も含めて具体的な比較を行うことが必要」だとする住民らの主張に対して、監査結果は「(2019年度の)中心市街地エリアマネジメント業務で検討し、同エリアマネジメント検討委員会で外部の専門家の意見を聴取したと認められるのだから(住民らの)主張に理由はない」などとした。

つくばセンタービルの中の市所有施設は公の施設なのに、市がまちづくり会社に賃貸し、さらに同社が個々の企業に賃貸の事業所として貸し出すのは、公の施設としての利用を拒否することになり地方自治法に違反するとした住民らの主張に対しては、「条例改正で、6月1日付で普通財産になったのだから自治法に違反していない」とした。

リニューアルの基本設計策定をプロポーザル方式で随意契約したのは市契約規則に違反するーなどの主張に対しては、「磯崎新氏により設計された歴史的建築価値の高い建物であるため、意匠を継承した上でリノベーションをする必要があり、設計に関して高い専門知識や技術力、実績が必要となる」とする市担当課の主張をもとに、「契約の性質または目的が競争入札に適しないものを根拠に締結されたのだから、手続きに何ら問題はない」などとし、住民らの主張をことごとく退けた。

監査結果について坂本弁護士は「総じて具体的な内容の説明を欠いている」と批判、酒井さんは「監査委員は事実関係を調べて、もう少し論理的な回答があると思っていたが無かった」と話し、今後については「市に話し合いの申し入れをしたい。我々の指摘した問題が改善される見通しがなかったら、断固として裁判をやりたい」と話し、市の対応によっては水戸地裁に提訴する考えを示した。監査結果に不服があるときは30日以内に住民訴訟を起こすことができる。(鈴木宏子)

土浦日大、多賀・神永を攻略し3回戦へ【高校野球’21】

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【多賀-土浦日大】7回無死1塁、左翼へ適時二塁打を放つ菅野、ここからビッグイニングが始まる=ひたちなか市民

第103回全国高校野球選手権茨城大会は6日目の14日、3球場で6試合が行われた。ひたちなか市民球場の第1試合、土浦日大は注目の右腕、神永耀生を攻略し、多賀に勝利した。

土浦日大は序盤から徐々にリードを広げ、終盤に突き放す展開。多賀は8回に4点を追い上げたが力尽きた。「攻撃では攻めるべきところで攻め、良さを出すことができ、必死になって食らい付いてくる相手を引き離せた」と土浦日大の小菅勲監督。

土浦日大の先発はエース小谷野奨大。多賀は1回戦で温存したエース神永が満を持して登板。昨夏の県独自大会で常総学院を破ったことで脚光を浴び、今大会の注目投手の一人だ。

神永は6回まで8四死球ながら要所を締めるピッチング。これに対し土浦日大打線は4安打に犠飛や暴投を交え、1点ずつコツコツと加点。流れが来たのは7回。先頭の芹沢優仁主将が四球で出塁し、続く4番・菅野樹紀、5番大島優太朗が連続長打。さらに下位打線の小菅成、大木莉生、小谷野の3連打でこの回4得点。7-1とリードを広げた。

土浦日大の先発・小谷野。7回を4安打1失点に抑えた

主砲・菅野はダメ押し弾も

小谷野は4回に2安打で1点を失ったが、それ以外は散発2安打で多賀打線を抑えていた。ところが8回表、長打3本で2点を許した後、山本琉雅のツーランを浴びて計4失点。ここで山田奏太が救援に向かい、残りイニングを2安打無失点で抑えた。土浦日大はその裏、菅野がお返しとばかり2点本塁打を左翼席へ放り込み、試合を決めた。

「神永君は若干疲れもあったようだが、彼を打てたことでベンチも非常に活気が出てきた。小谷野は100球くらいから継投も考えていた。よく投げてくれたし次は暑さにも慣れ、もっと良くなると思う」と小菅監督。

「序盤は苦しかったが終盤に粘りを見せ、その後も打線がつながり、いい試合ができた。神永投手はストレートに力がありスピードもあるので、それをはね返そうと練習でやってきたことができてよかった」と菅野。

「挑戦者の気持ちで臨み、途中受け身になってしまったが、厳しい中でも自分たちの力を出しきれた」と芹沢主将。神永対策としてはバッティングマシンを使い、140キロを目で慣らして練習してきたという。「神永投手をしっかり打つことができたので勢いが出て、自信をつかむきっかけにもなった。今後も一戦必勝で、目の前の試合を勝っていきたい」(高橋浩一)

通学路の草刈り作業中また石跳ね事故 つくば市

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つくば市役所

つくば市は13日、同市高野の市道で、市の委託業者が市道の草刈り作業中、小石が跳ね、隣接する市すこやか給食センターに駐車していた従業員の自家用車のガラスが割れる事故があったと発表した。

同市では今年5月、草刈り作業中に石跳ね事故が相次いで発生し、全委託事業者に作業中のバリケードの設置など、安全対策の徹底を指導した矢先だった。

市道路管理課によると、12日午前9時から午後0時ごろまでの間、草刈り機2台で作業をしていたところ、約10メートル離れた給食センター豊里に駐車していた軽自動車のフロントクォーターガラスが破損した。車内に人はおらず、けが人はいないという。

除草作業を実施する場合、市の仕様書にはフェンスなどのバリケードを設置するよう明記されているが、委託業者は設置してなかったという。

市は再度、改めて全業務受託業者に対し、バリケード設置など適切な保安対策を行うよう指示し、再発防止に努めるとしている。

被害者に対しては、委託業者が謝罪し、補償することを伝えた。

「地球1個分の経済社会」の実現 《ハチドリ暮らし》3

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ジャガイモの収穫

【コラム・山口京子】「SDGs」というアルファベットをよく目にする。2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)の略だと数年前に知った。「今のままだと人間社会は持続不可能で、どこかでクラッシュする」という危機意識が根底にあるからこそ、「持続可能な社会」の標榜(ひょうぼう)なのだろう。

SDGsは「誰1人取り残さない」「地球1個分の経済社会」の実現という理念を持ち、「世界を持続可能な、かつ強くしなやかな道筋に移行させる変革をしていくこと」が目的のようだ。17のゴールと169のターゲット、262の指標が明記されている。

17のゴールの1番目は「貧困をなくす」。2020年に広がった新型コロナ感染症によって、貧困化は国内外でより進み、一方で富裕層は利益を上げているという。世界の富がどうなっているのか、「世界の名目GDP」(出典・国際通貨基金=IMF)を調べてみた。

2020年の世界の名目GDP総額は84兆4393億USドル。1位が米国で全体の約25%、2位が中国で約17%、3位が日本で約6%。この3カ国だけで48%にも上る。1人当たりGDPは、米国は5位で6万3415USドル、中国は61位で1万0483USドル、日本は23位で4万0146USドル。ちなみに、対象国192カ国の真ん中(96番目)は南アフリカで5067USドル。

GDP総額を世界の人口約78億人で割ると、1人当たり1.1万USドル。この数字を見ると、自分は使いすぎているのか、お金がかかる生活様式を選んでいるのではないかと思わざるを得ない。

日本の資源消費は地球2.8個分

考えさせられたのは、「地球1個分の経済社会」の形はどのようになるのだろうかということ。「グローバル・フットプリント・ネットワーク」によると、世界の全人口が米国レベルの資源消費をすると、地球は約5個、日本レベルなら2.8個、東チィモールレベルでは0.3個必要という。

SDGsの本質的な課題として、「世界の資源消費の総量を減らすこと」「国際的にも国内的にも適正な分配がされること」を指摘する専門家がいる。それなしにはSDGsは実現できないとも…。

高度成長期から今まで、土に還らないものをたくさん生産、消費、廃棄してきた。「土に還らないものは生産禁止」なんていう法律はできないのかしら。これからの技術に期待するよりも、今できることを実行した方が穏やかに暮らせるのではないかしら。

自分の手で掘ったジャガイモはおいしかった。ほんの少しのジャガイモだから、できたことなのだけれど…。(消費生活アドバイザー)

霞ケ浦、投げ合いの延長戦制す 【高校野球’21】

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【牛久-霞ケ浦】10回157球を投げて試合を支えた霞ケ浦のエース山名=J:COMスタジアム土浦

第103回全国高校野球選手権茨城大会は5日目の13日、5球場で10試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第1試合、霞ケ浦は先発の山名健心が牛久の主戦・平山龍太郎と共に延長10回まで投げ合う展開、最後は四球押し出しのサヨナラ決着となった。

牛久は敬遠策が裏目に

試合はエース同士の投げ合い。中盤までに互いに2点ずつ取り合う展開だが内容は違った。牛久は8回までに8安打を放っており、得点も2回は3安打をつなぎ、6回は単打と長打で奪ったもの。一方の霞ケ浦は8回まで3安打、2回の得点は四球と敵失、5回の得点は死球と単打、犠飛で挙げた。

霞ケ浦の山名は「立ち上がりが悪かった。2ストライクからの変化球が甘く入って打たれ、ピンチの作り方も四球やエラーからと良くなかった。途中からは厳しいコースに投げられるようになった」と振り返った。

打撃について新山秀男主将は「チームとしてはライナーや強いゴロを打とうという意識だったが、徹底できなかった。自分としても高めのボールに手を出し、ポップフライやショートゲッツーになってしまった。切り替えて集中したい」と反省。「相手の緩いボールにどっしり構えられず、少しずつ前のめりになってフライを打ち上げた」と高橋祐二監督。

ようやく試合が動き始めたのは9回。霞ケ浦は2安打と犠打、四球で1死満塁、だがここは後が続かずサヨナラのチャンスを逃す。逆に10回表は1死一・二塁のピンチをつくるが、山名が相手の4、5番に対し最後の踏ん張りを見せて切り抜けた。

10回裏無死一塁、サヨナラ勝ちの流れを呼んだ飯塚の二塁打=同

そして10回裏、先頭の本橋優太郎がセーフティバントで出塁し、3番・飯塚恒介が右翼線を抜く長打、4番・宮崎莉汰が敬遠で無死満塁。だがこの敬遠策は牛久にとって裏目に出た。5番・日渡謄輝へのフルカウントからの6球目がワンバウンドになり、霞ケ浦に勝ちが転がり込んだ。

「うちは毎年出足が遅いが、それにしても苦しすぎたゲーム。バッティングはちょっとしたきっかけで上がるので、冷静になり調子を上げていきたい」と高橋監督。新山主将は「厳しい展開だったが、勝ち切れたことが大きい。次に向けてもう一度修正し、守備から流れをつくる霞ケ浦の野球をやっていきたい」と気を引き締める。(池田充雄)

スイス選手団13日つくば入り 8月2日まで筑波大などで事前合宿

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スイス陸上選手が事前合宿で練習する筑波大学陸上競技場=つくば市天久保

東京オリンピックに出場するスイス選手団の第1陣が13日深夜、事前合宿地のつくば市に到着する(6月2日付)。8月2日まで、マウンテンバイク、陸上、柔道の選手27人とコーチら計51人が市内のホテルに宿泊しながら、筑波大学陸上競技場や柔道場などで練習する。

市オリンピック・パラリンピック推進室によると、第1陣として13日来日するのは、マウンテンバイクの選手1人とコーチ、運営スタッフ、シェフら計6人。夕方、成田空港に到着し、検疫で新型コロナ陰性を確認後、つくば市に向かう。夜11時ごろ市内のホテルに到着する予定という。選手は14日から練習し、18日につくばを離れ、選手村に入る。

第2陣は、陸上の選手23人とコーチら12人の計35人が、競技種目ごとに16日から順次、来日し、筑波大学陸上競技場などで事前合宿を行う。陸上の選手らは種目ごとに8月2日までに順次、選手村に入る。柔道も選手3人とコーチら計10人が16日来日し、21日まで、大学の柔道場で練習などを行い選手村に向かう。

ホテル公表せず

選手団と、付き添いの筑波大スタッフ、市職員、ホテルスタッフは毎日、PCR検査を実施する。選手団はホテルと練習会場を往復するだけで、外出も買い物もしないという。

宿泊するホテル名は公表しない。ワンフロアを貸し切り、食事はホテル内の専用の調理室でスイス人シェフが調理したものを、専用の部屋でとる。ホテルの出入りは、同行する市職員やホテルスタッフらが、一般の宿泊客と接触しないよう注意を払うという。

部活動と区切り設置

練習会場となる筑波大は、新型コロナ対策のため、事前合宿期間中、構内への入場は関係者のみとする。公開練習なども実施しない。一般学生がスイス選手と接触しないよう、動線や施設使用の区域を分けるなどする。

大学の担当者は取材に対し「春学期の期間中ではあるが体育実技の授業はなく、一般の学生が練習場に入ることはない。また練習場所に区切りを設けることによって、部活動で練習場を使用する学生とも接触を避けるようにしていく」と感染対策を示す。

大学構内での移動についても「選手団は決まった経路のみを利用することにしている。アテンド(付き添い)の者が選手とのソーシャルディスタンスをとりつつ同行し、学生との接触がないよう注意喚起を行う」としている。

「歓迎したいが複雑」

人間学群の男子学生(22)は「スイス選手団が来ることそのものを知らなかった」と話した。比較文化学類の女子学生(20)は「スイス選手団が来る話は聞いたことはあったが、今来るのかと驚いた。オリンピックが目の前に迫っているという感覚が全くない。大変な時期にわざわざ来るのだから歓迎したい気持ちはあるが、なんだか複雑な気持ち」だと話した。

学生とスイス選手団の交流イベントについて大学は「対面でもオンラインでも、今のところ実施の予定がない」と話した。

事前合宿はもともとは6競技の選手らが予定していた。体操、フェンシング、トライアスロンの3競技は事前合宿を取り止め、直接、選手村に入るという。(山口和紀)

「ボーン ディス ウェイ」 《続・平熱日記》89

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【コラム・斉藤裕之】「先生、どうやって学校に来てるんですか」「車」。すると隣の男子がすかさず、「軽トラ!」というツッコミ。春先に買った中古の軽トラはその後期待通りの活躍をしているのだが、実はもうひとつの役割があったのだ。「実はねえ、長女が子供を産むためにうちに帰ってきているものだから、いつも乗っている乗用車を娘夫婦に貸しているんだよ。それにしても、なんで私が軽トラで来ているのを知ってるの?」「だって見たもん!」

別に隠すこともないが、冷やかされるのも面倒くさいと思って、生徒たちが大方登校し終わったころを見計らって、軽トラで校門を通過するようにしていたのだが…。しかし、たまたま遅刻気味のこの生徒に目撃されていて、「軽トラ先生!」と冷やかされるはめになった。

高校生だったころ、古典のK先生はセピア色の軽自動車に乗って学校に来ていた。先生のご自宅の近所に住む合田君は、「K先生の家は米屋で、あの軽自動車でよく米を配達するんよ」と教えてくれた。カラカラというやや非力なエンジン音が聞こえると「お、K先生の米屋カーじゃ!」と冷やかしていた。先生はそんなことを気にもなさらず、さっそうとしておられた。余談だが、K先生のご子息が1学年下にいて、確か現役で赤門をくぐられた。

それから、もう1人思い出すのが筑波大学の芸術系のある先生。とてもきさくでユーモアのセンスに富んだ方で、教え子の方々からも厚い信頼を得ておられたようだ。ある日、その先生がやや薄汚れた軽自動車から降りて来られるのを目撃した。地位も名誉もあるのに、メンツや外聞を気にしない。そんな先達のたくましい姿を思い出しつつも、「でもやっぱ、さすがに軽トラはねえな」。なにしろ、私の見てくれは明らかに工事関係者。

チャイルドシートが届いた

さて、大きな荷物が届いた。チャイルドシートだ。若い夫婦は早速それを私の車に取り付けた。もうすぐこのシートに乗って赤ん坊が帰ってくる。とにかく元気な子であってほしいと願うばかりだが。

登校時間の校門には生徒を乗せてくる車が次々とやって来る。国産車に交じって、高級な欧州車も少なくない。その間隙をついて、その日も軽トラで校門を通過。梅雨の晴れ間で、朝から気象予報士が「洗濯日和」を連呼していた。午後1時過ぎ。帝王切開にて3700グラムの男児を無事に出産という知らせ。すぐに動画が届いた。元気な産声を上げる立派な赤子と安心したような顔の長女。「でかした!」

待てよ、軽トラにはチャイルドシート付けられないなのかなあ。軽トラのモノラルラヂオから、ややこもり気味にレディ・ガガの曲が流れた。「ボーン ディス ウェイ」。(画家)

コールド勝ちでつくば秀英、常総に続く【高校野球’21】

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【つくば秀英 - 緑岡】5回途中から登板しノーヒットに抑えた救援の檜垣=日立市民

第103回全国高校野球選手権茨城大会は4日目の12日から2回戦に入り、5球場で10試合が行われた。つくば・土浦勢では常総学院がつくば工科に6回コールド勝ちし、つくば秀英も投手2人で緑岡をシャットアウト、7回コールド勝ちした。土浦湖北は延長10回サヨナラ負け、土浦一は常磐大に及ばなかった。

救援の檜垣力投で零封リレー

つくば秀英は3回裏、遠山剛史が右前打で出塁し、西山悠人の左前打で1死一・三塁とすると、佐藤慈恩主将のスクイズで1点を先制。5回には金井田豪が左翼へ2点適時打を放つ。6回には3四死球から佐藤の左前打などで2点を加え、7回には桐原未来が右翼へ2点二塁打。これで7点差としてコールド勝ちが成立した。

緑岡はつくば秀英の先発・遠山に対し毎回走者を出すものの、3回1死一・二塁のダブルプレーなどでチャンスを広げられず、5回途中からは救援の檜垣力渡の前にノーヒットで終わった。

「真っすぐが好調で、コントロールも良かったので思い通りの投球ができた。緑岡打線は3、4番が長打があるので一発を警戒した。先輩の夏を絶対に壊さない、何としても抑えてやるという強い気持ちで投げた」と檜垣。

5回裏1死満塁、金井田が左前へ2点適時打を放つ

先頭打者で3安打1打点と打線を牽引した西山悠人は「初戦の難しさはあったが、先発の遠山が頑張っていたのでチャンスを作ることができ得点につながった。常総学院には秋に悔しい負け方をしたのでリベンジしたい。甲子園に向かって一戦必勝で全力で戦う」と誓った。

先制のスクイズやその前の送りバントについて、森田健文監督は「常総との対戦ではバントミスから1-0で負けたので、今日は送るときは送るなどしっかりと小技でつなぎ、一人一人が役割を果たせた」と振り返った。次の常総学院戦については「第1シードの相手に対し、挑戦者の気持ちで思い切りぶつかる」という。(池田充雄)

湖北は終盤追い付くも延長で力尽く

【土浦湖北-下妻一】9回表、同点のホームを踏んだ宮城琉空(背番号5)を迎え、ベンチが勢い付く=ひたちなか市民

土浦湖北は8、9回に3点差を追い付く粘りを見せ、延長に持ち込んだが、10回裏に力尽きた。

1-4で迎えた8回、土浦湖北は2死一塁から代打攻勢をかけ、1人目の清水俊介が四球を選び、2人目の野口彗太が左翼線への適時打で1点を返した。9回には四球と敵失、犠打で1死二・三塁の好機をつくると、稲葉悠太の内野安打と福田雄大の内野ゴロで同点とした。だが10回裏、先頭打者の中前打で無死三塁のピンチをつくると、次打者への5球目が暴投となり、無念の幕切れとなった。

敗戦投手となった塙康介主将は「外角への直球を投げるつもりが、力んで引っ掛けてしまった。スクイズも頭にあった」と振り返った。捕手の野口は「自分のせい。どんな球でも止められないといけない。ああいう形になって3年生に申し訳ない」とくちびるを噛んだ。

勝利に湧く下妻一ナインを呆然と見つめる塙

塙は投手経験はなく初の公式戦登板。エース紺屋憲人の故障により急遽1か月前から練習を始めたばかりだった。先発を務めた古川拓海は6回に疲れから制球が乱れ、一度は紺屋につないだもののやはり無理があり、8回からは塙がマウンドを守っていた。

「古川にはあと2イニング行ってほしかったが、暑さでスタミナが切れてしまった。コロナ禍で例年のような合宿や遠征などができず、苦しい場面で踏ん張る経験を積ませられなかった。内面的弱さが残っている世代で、それが大事なところで出てしまった。下級生には勝負の厳しさを感じてもらいたい」と、小川幸男監督は振り返った。(池田充雄)

濃厚接触はサッカー部の土浦市職員ら12人 聖火リレー担当者感染で

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土浦市役所

東京オリンピックの聖火リレーで交通規制を担当していた土浦市の30代男性職員が新型コロナウイルスに感染していた問題(10日付)で、男性職員の濃厚接触者は、7日夜に市役所サッカー部で一緒に練習した市職員10人と外郭団体職員2人の計12人であることが分かった。

男性職員は7日夜8時から9時30分まで実施されたサッカー部の練習に参加した。プレー中はマスクをはずして練習したという。

市広報広聴課によると、12人は10日から自宅待機しており、12日から順次、最寄りの保健所でPCR検査を受ける。陰性が判明するまで自宅待機となる。12日時点で、症状が出ている職員はいないという。

男性職員が所属する市役所4階の下水道課を含め、市役所では12日から通常通り業務が実施されている。

一方、市スポーツ振興課によると、男性職員は、聖火リレーが実施された5日午後4時10分から6時まで、ゴール地点の市役所から約500メートル亀城公園寄りの裏通りで、車両の進入を規制する交通規制を担当していた。聖火リレーのルートとなった駅前通りの沿道には当時、大勢の市民が集まったが、沿道の交通規制は担当しておらず、聖火リレーでの濃厚接触者はいないという。

立花隆と橘孝三郎 《邑から日本を見る》91

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【コラム・先﨑千尋】「反骨精神持つ水戸っぽ」「知の巨人」と言われた立花隆(本名:橘隆志)さんが4月30日に80歳で亡くなった。長崎市で生まれ、親の仕事の関係で中国に移り、戦後は水戸市で育った。2年時に水戸一高から都立上野高校へ転校したので一緒に学んだことはないが、立花さんは元水戸市長の佐川一信さんと仲が良かったようで、本とモノ書きが大好きな私は、レベルは格段に違っても勝手に先輩、兄貴分だと思い込んでいる。

よく知られているように、立花さんを一躍有名にしたのは、1974年に月刊『文藝春秋』に「田中角栄研究-その金脈と人脈」を発表し、田中角栄首相が失脚するきっかけを作ったことだ。ウィキペディアでは、立花さんの職業を「ジャーナリスト、ノンフィクション作家、評論家」としているが、そういう一般的な分類ではとらえ切れない人だった。

立花さんの著作は、田中角栄や日本共産党、農協、天皇と東大、宇宙、脳死、インターネットなどあらゆる分野にまたがり、私にはとても読み切れない。自分ががんと診断され、手術を受けたときは、そのことすら叙述の対象とした。『立花隆の書棚』(中央公論新社)を見ると、歴史、政治、文学、聖書、哲学、自然科学など10万冊を超える蔵書は、「すごい!」の一語に尽きる。関心のあるテーマについて徹底的に調査、分析して、社会に伝える手法を採った。万巻の書はそのために必要であり、それらを丹念に読み込んだ。

現在、佐川文庫を主宰する佐川一信さんの姉、千鶴さんは「茨城新聞」の取材に「本が体にくっついているような子だった」と述べているが、その本の読み方も、書棚の端から順に全部を読んでいたという。同紙には「(水戸市の)川又書店に弁当持参で行った」ということも書いてあり、本に対する執着は並大抵、尋常ではなかったようだ。知りたいという欲求は、性欲や食欲と並ぶ重要な本能的欲求だと位置づけている。

歴史に呼ばれて生まれてきた

立花さんの逝去に対しては多くの人が追悼文を書いているが、その中では『サンデー毎日』7月11日号の保阪正康氏の「立花隆は歴史に呼ばれてこの世に生まれてきた」がよかった。「(日本の運命は)ほとんど滅びるのが確実」という立花さんの見方を紹介し、同世代の責任として「自らの世代が背負い込んだこの時代の人類史上の問題を抽出し、次代の人たちに書籍として残す。人間本来の存在を、歴史上の哲学者や思想家の解明を整理し、新しい視点を浮かび上がらせて、人類上の方向性を示す」ことを課題とした、と書いている。モノを書く一人として肝に銘じなければ、と思う。

右翼の思想家・橘孝三郎は、立花さんの父親のいとこで、ごく近い関係だ。だが、千鶴さんは、立花さんとは孝三郎や愛郷塾の話はタブーだったと言う。先の『立花隆の本棚』には、明治維新や二・二六事件の本は出てくるが、五・一五事件を含めて愛郷塾や孝三郎の本は少ない。「ぼくの親戚には五・一五事件の関係者がいます。橘孝三郎といって」とあるのみだ(527ページ)。保阪氏の追悼文には「農本主義者の橘孝三郎」には触れているが、立花隆との関係については書かれていない。他の人の評伝を見ても2人の関係を誰も書かない。なぜなのか、私には分からない。この際、改めて孝三郎に光を当ててみるのも面白いと思う。(元瓜連町長)

土浦三、5回コールド発進【高校野球’21】

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【土浦三―玉造工】2回裏、生還を果たした髙城魁斗=J:COMスタジアム土浦

第103回全国高校野球選手権茨城大会3日目の11日、3球場で1回戦6試合が行われた。J:COMスタジアム土浦では、序盤から打線が勢いづいた土浦三が14-1の大差を付けて玉造工に大勝した。大会は12日から2回戦に入り、常総学院など強豪校が登場する。

土浦三は1回に藤田寛大の三塁打を皮切りに打線が爆発。続く薄田匠篤が二塁打を放った上に、主将の田口雄大の三塁打などが続き、打順が一巡しても勢いが止まらず計8点を先取した。

土浦三が2回、3回と安定して得点を重ねる一方で、マウンドに立った前田隼利や土浦三守備陣が玉造工の打線を抑え、4回終了時までは14-0と無失点で試合が進んだ。

5回、玉造工に失点を許す場面があったものの大勢には影響なく、そのままコールド勝ちを収めた。

【土浦三―玉造工】力投を見せた前田隼利=同

坂本佑真監督は「バッティングのチームなので、いい形で先制できた。うまく(流れに)乗ってくれた。(今回は)点数を取り過ぎたところはあるけど、(境との)次戦は細かいところまでしっかりとやって、一球一球集中してやってくれれば」と語った。

田口雄大主将は「初回を無失点で抑えた中で、初回の攻撃も走塁ミスやプレーミスも無く常に先の塁を狙ってプレーすることができたので、その結果初回に8点取ることができたのかな」と振り返った。

今回で初めて先発投手として登板した前田は、5回の失点について「前の回に最後のバッターだったので休憩ができずに体力を欠き、最後に球が浮き始めて捕まった。変化球が浮き気味だったので、変化球でカウントを取れるようにしていきたい」と次戦に向けての改善点を示した。(崎山勝功)

コロナ禍 県内の障害者雇用5年ぶり減少

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ハローワーク土浦=土浦市宍塚

コロナ禍で障害者雇用が厳しい状況になっている。厚労省茨城労働局(水戸市)がまとめた県内のハローワークを通じた2020年度の障害者の就職件数は、前年度比5.3%減(114件減)の2049件で、2016年度以来、5年ぶりに減少に転じた。

就職件数を新規求職申込件数で割った就職率も、0.5ポイント下がり50.7%と、2年ぶりの減少となった。

コロナ禍の就職戦線は当分、困難が続くとみられ、関係機関は障害者雇用促進法の積極的な順守を呼び掛けている。

厚労省茨城労働局まとめ

就職件数を障害別にみると、最も多い精神障害者が18.9%減(210件減)の899件、身体障害者は13.5%減(72件減)の462件だった。知的障害者は4%増(18件増)の467件だった。

産業別でみると「医療・福祉」が876件(構成比42.8%)、「製造業」が251件(同12.2%)、「卸売・小売業」が200件(同9.8%)ーなどでの就職件数が多くなっている。

また職業別(具体的な仕事の内容)では「運搬・清掃・包装等の職業」が805件(構成比39.3%)で最も多く、次いで「事務的作業」が508件(同24.8%)、「生産工程の職業」が236件(同11.5%)と続いている。

障害者の解職者数は14人だった。(山崎実)

「つくバブル」崩壊は杞憂だ 《茨城の創生を考える》19

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ダイヤモンド筑波(筑西市)

【コラム・中尾隆友】つくば市の不動産業や住宅販売業は、もともと全国でも屈指の好環境にある。住環境に優れ、東京都心に1時間で行けるメリットが大きいからだ。この10年間で、TXつくば駅や研究学園駅から徒歩30分圏内には、手ごろな価格で購入できる住宅用地はほとんどなくなった。

それがコロナ禍によって、いっそう好環境に拍車がかかっている。テレワークの広がりによって、首都圏から地方へ移住するハードルが下がっているのだ。大手企業やベンチャー企業では、場所にとらわれない働き方を推奨しているところが多い。

その結果として、つくば駅や研究学園駅から徒歩60分かかる区画整理地でも、万博記念公園駅やみどりの駅に近い分譲地でも、住宅用地が飛ぶように売れている。

不動産業や住宅販売業に従事する人々の最大の関心事は、「つくバブル」がいつはじけるのかということだ。こんな異常な状態が続くわけがないと考えている人が多いのは、肌感覚でも理解できる。

テレワーク導入企業は今後も増える

しかし私は、「つくバブル」は意外にはじけないのではないかと考えている。日本の雇用形態がこれから10年、20年単位の時間をかけて、ジョブ型(職務内容や労働時間を定め、成果で評価する雇用形態)に切り替わっていかざるをえないからだ。

日本企業の圧倒的多数が採用するメンバーシップ型(職務に限定がない雇用形態)では、ジョブ型を採用した企業と比べて、従業員のモチベーション低下が著しい。在宅勤務でも十分に評価されるテレワークを導入する企業は、これからも増え続けていくだろう。

そういった意味では、つくばのポテンシャルは下がりにくい。かつてのバブル崩壊のように、土地価格が急落するという心配は杞憂(きゆう)なのではないだろうか。(経営アドバイザー)