金曜日, 4月 17, 2026
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6つの機能で働く人を応援する「co-en」 つくばセンタービルに7日開業

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7日オープンする「co-en」のカフェ&バーーつくば市吾妻

つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻)の内山博文社長は6日記者会見を開き、つくばセンタービル1階東側に、働く人を応援する場「co-en(コーエン)」を7日開業すると発表した。つくばセンタービルのリニューアルの一環で実施した。

内山社長は、貸しオフィス、コワーキング(共同仕事場)、キッチン、イベント、ギャラリー、物販の6つの機能を備えるとし「つくばの中心部に多様性を享受できる場をつくりたい」などと話した。

あいさつするつくばまちなかデザインの内山博文社長

延床面積約2000平方メートルで、貸しオフィスは7区画、コワーキングスペース(約295平方メートル)50~60席、会議室5部屋、カフェ&バー(約60席)、シェアキッチンなどがある。

改修費は約3億2000万円。内山社長は「資材費の高騰で厳しかったとし、コストマネジメントの中で、小上がり(縁側)などは仮設性のものを設定した」とした。

当初「多様な働き方を支援する場」として目玉の一つだった子連れワーキングスペースは、事業者との調整を見直したことからオープンが遅れる。

貸しオフィス7区画は4月にすでにオープンし、つくば市内のベンチャー企業など5社が7区画に入居または入居準備中。1社は3区画を使用する。

地元食材使うカフェ&バーも

7日オープンするのはコワーキングスペースとカフェ&バーなど。5月はコワーキングスペースの無料体験期間といい、6日時点で20~30人の予約がある、有料になる6月以降は10人程度の申し込みがあるという。利用料金は24時間365日利用できるフルタイム会員が1万6500円。

「co-en」のコワーキングスペース

カフェ&バーは、「つくばサービスデザイン(フィンラガン)」が運営する。営業時間は午前7時30分から翌日午前2時まで(火~金曜)など。食材は、農業生産者の浅野与五右衛門、ごきげんファーム、筑峰学園、然なり、TKFの野菜やコメ、沼屋本店のみそとしょうゆ、ベッカライ・ブロートツァイトのパン、つくばブルワリーのビールなど地元生産者の食材を使用する。

さらに、新たに飲食店を開業したい人などにシェアキッチンを貸し出し出店してもらったり、店を開きたい人や自分が作っている雑貨を売りたい人などにワゴンで出店してもらったり、廊下沿いの白い壁に学生や市民らのアート作品を展示などする。

ほかに、市内でコワーキングスペースを運営する「しびっくぱわー」がイベントを企画などする。

通路から見た「co-en」。左は会議室

記者発表には五十嵐立青市長、小久保貴史市議会議長のほか、つくばまちなかデザイン株主で沼尻産業の沼尻年正社長、関彰商事の関正樹社長と、約3億円の融資をしたファンド(投資信託)出資者の常陽銀行、民間都市開発推進機構(民都機構)、ファンド運営会社のオハナパナの役員らも出席した。

五十嵐市長は「ついにこの日を迎えることができてうれしい。中心市街地活性化ビジョンをつくったが、決定的に足りなかったのは地域全体を運営していくプレーヤーがいなかった。(つくばまちなかデザインは)会社が始まってわずか1年で(地下駐車場の)駐車料金を下げたり、(つくばエキスポセンターの)ほしまるカフェをリニューアルオープンさせた。官ではできない」とし「(中心市街地の活性化)すべてをつくばセンタービルがまかなうことは不可能で、吾妻70街区は『スーパーシティ』のモデル街区として整備していくよう財務省と協議しているので、相互に役割分担しながら取り組んでいきたい」などと話した。

こどもと一緒に本を読むということ② 《ことばのおはなし》45

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【コラム・山口絹記】一緒に本を読む、というのは不思議な行為で、即興演奏のようなところがある。基本は私が朗読しているわけだが、娘も慣れたもので文章の途中でも平気で飛び込んでくるのだ。

7年も一緒に本を読んでいれば、なんとなくお互いの呼吸がわかるものだ。「つまりこういうことだよね」と、娘の解釈&要約が始まれば、「パパはこう思うんだけども」と議論になる。話が終われば、何事もなかったかのように朗読に戻るのだが、先ほどの会話も踏まえた適切な位置から文章を継ぎはぎして、なおかつ議論の要約や確認を織り交ぜながら再開する。

「さぁ、読み始めようか」といった掛け声はいらない。2人の会話と物語は地続きで、現実の世界に物語があるとも言えるし、物語の中に2人がいるとも言える。シームレスにつながっているのだ。

もちろん、読んでいて「あー、コレは理解できてないだろうな」という瞬間もたびたび訪れる。しかし、娘も一時的にわからないことには慣れているので、そうそう待ったはかけない。娘の中でも、話の途中でいちいち止めていたらきりがない、という一線があるようなのだ。とはいえ、何度も同じ単語が出てくれば諦めて聞いてくる。

例えば、「猫又(ねこまた)って何?」と聞かれれば、私も「あぁ、猫って長生きすると妖(あやかし)になるんだよ。実家で一緒に暮らしてた猫も20年くらい生きていなくなっちゃったから、たぶん妖になってどこかで暮らしてるんだろぁなぁ。パパが通っていた大学の近くで、昔、猫又が集まって踊ってたって場所もあったよ」といった感じで説明をする。

「忠臣蔵って何?」と聞かれれば、その日のお風呂は忠臣蔵談義になり、孫悟空がわからなければ「じゃあ『西遊記』読んでみようか」というおはなしになるのだ。

こういった、いわば名前的なものは簡単だ。わからなければ説明してもよいし、それに関する本をもう1冊同時進行で読み始めることもある。わからないことは増え続けるが、大切なのは諦めないことだろう。

共有する語彙を増やす

問題は、「教養」や「精神」のような単語だ。こういった単語については、私は徹底的に自分なりの考えを伝えることにしている。娘は私の説明と、物語からくみ取った意味を織り交ぜて吸収し、そしてまた一緒に考えるのだ。

こうして共有された語彙(ごい)というのは、私と娘が会話するときに使える新たな概念になる。親子と言えど、しょせん完全に理解しあうなんて不可能なのだ。私は娘のことを思っているほどよく知らないし、娘だって私のことは実はよくわかっていないはず。

成長すればするほど、その溝はもっと深まっていくのだろうが、その溝を乗り越えてわかりたいと思い続けるのが愛情であって、そのメインツールはことばなのだ。

読書を通じて何かを学んでほしい、などと生ぬるいことを言っている余裕は一切ない。少しでもお互いの見解を知っている語彙を増やしておきたい。そんなことを考えながら、今日も一緒に本を読んでいる。(言語研究者)

つくば秀英初Vならず 明秀日立が秋春連覇 高校野球県大会 

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7回裏2死二・三塁、谷山の中前適時打で2点を返す=J:COMスタジアム土浦(撮影/高橋浩一)

第74回春季関東地区高校野球茨城県大会は5日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で決勝戦が行われ、9-3で明秀日立が秋春連覇を達成した。つくば秀英は敗れたものの創部26年目で初の決勝進出を果たし、念願の関東大会出場を決めた。

つくば秀英は今大会、3回戦4-3霞ケ浦、準々決勝7-0つくば国際、準決勝6-5土浦日大と県南の強豪を相次いで倒し、決勝に上り詰めた。選手の一人、谷山鉄は「昨秋の関東大会で優勝し、今春のセンバツで2度目の甲子園出場を果たした明秀日立に対し、自分たちがどこまで通用するか試しながら、勝ちにいきたかった」と思いを話した。

1回表、いきなり相手の4番・石川ケニーに先制3ランを浴びてしまう。秀英もその裏、1・2番の連続ヒットから君付旺介の犠牲フライで1点を返し、何とか食らいつこうとする。だが3回に1点、5回に2点を失うなど、徐々に引き離されていく。

秀英の先発、塚越伊織=同

「悲観する敗戦ではないが、勝負どころで1本を出せないのは課題。出る、送る、還すという個々の役割をしっかり果たしたい。投手力や守備力の底上げも必要。ランナーが出てからの牽制やポジショニングなど、詰めの部分を大事にしたい」と森田健文監督。

「初回に甘い球を仕留められ、流れを持っていかれた。うちもチャンスを作ったが点にからませられず、最終回の集中力も相手の方が上だった。猪俣を引きずり降ろす勢いでないと次も勝てない」と野川唯斗主将。

明秀のエース、猪俣駿太には要所を締められ完投を許した。7回には敵失と長短打3本で2点を奪い、なおも2死一・二塁とするが野川が右飛に倒れる。8回にも2死満塁の好機を作るが、木城風樹が三振を喫した。この日2安打していた木城は「打てない投手ではない」と自信を持って打席に入ったが、相手は気合いが入っていて雰囲気が違ったという。「気持ちでは負けてなかったが、変化球を外へ決めてきた相手の精度が上だった」とくちびるを噛んだ。

6回表2死満塁、石川の右前打で1点を許すも二走はホームでタッチアウト。捕手・武田=同

「すごく悔しいが、新チームの目標だった関東大会出場を達成できたのはうれしい。あと2週間しっかり調整し、チーム一丸で頑張りたい。作新学院は気合いが入る相手だが、差があるとは思っていない。接戦に持ち込み、気持ちで戦っていく」と谷山は次戦を見据える。

森田監督は「まだまだなところもあるが、念願の関東出場を勝ち取った。今後これをチームの歴史としてつなげていくことが大事。力がある相手とわくわくする試合がしたい」と挑戦者の意識で臨む考えだ。

準優勝のトロフィーにも秀英ナインに笑顔は見られず=同

両校は21日開幕の関東大会(栃木)に出場する。(池田充雄)

開業時期未定に 洞峰公園改修で県・つくば市対立(下)

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洞峰沼の対岸から、グランピング建設予定地の野球場を望む=つくば市二の宮

つくば市にある県営の洞峰公園リニューアル計画に対し、地元の五十嵐立青つくば市長が懸念を表明していることについて、大井川和彦知事は4月28日の定例記者会見で、「(市長の発言は)突然」であり「意外な感は否めない」と戸惑いを口にした。

洞峰公園リニューアルは今後どうなるのか。県都市整備課の担当者は「事実を確認しながら、市と調整しながらていねいに行っていきたい」とし、来年3月完成が予定されていたグランピング施設とバーベキュー施設などのオープン時期について「現段階では、はっきりしていない」との見通しを示した。

市「さらなる説明の場求める」

五十嵐つくば市長によると、市はこれまで、2020年から始まったリニューアル計画に関する事業者選定委員会にオブザーバーとして参加する中で、たびたび、計画に対する懸念点を伝えていたと4月13日の会見で述べていた。昨年12月の26項目にわたる質問は、それを含めた内容だったと県・都市整備課は述べている。

その上で県都市整備課は、昨年12月に寄せられたつくば市からの質問に、今年2月に回答した経緯を踏まえて、「つくば市の疑念点には2月の段階で全て回答している。その後、市から(公式な追加質問や反論は)なかったので、市は(洞峰公園リニューアルについて)納得しているという認識だった」と説明する。

五十嵐市長が3月に自身のSNSで、4月に記者会見で相次いで懸念を表明したのは、その後のことだった。

今後はどう展開するのか。つくば市は「現状、(事業者による改修のための)手続きはまだ始まっていない」とした上で、「3月に開かれた実施事業者による住民への説明会は満足とは言えず、更なる説明の場を県に求めていく」とし、市が要請している他の項目とともに、県がどうそれを実現するかが重要だと語った。

また、昨年12月に県に文書で伝えた「質疑事項や懸念点が改善されない限り、(リニューアル計画の)実現は難しいとの立場をとらざるを得ない」との発言については、「要望の細かい点が全て守られない限り、現段階で変化はない」と現状を語った。

県「市と調整しながら進める」

市によると、洞峰公園のリニューアル計画には、宿泊施設であるグランピング施設建設が含まれている。現在、洞峰公園は、宿泊施設が認められていない「第1種中高層住居専用地域」に指定されている。

都市計画法や建築基準法では、用途地域ごとに建築可能な建築物が定められている。一方で、定められた用途以外であっても、「良好な住居の環境を害するおそれがない」、または「公益上やむを得ない」と認めてられる場合、公開による意見の聴取(公聴会)を行い、市が設置する「建築審査会」の同意を得ることで、市長による「特例許可」を受ければ建築することができるとされている。

五十嵐市長は4月13日の会見で「(グランピング施設建設を)現在認める材料はそろっていない」と発言している。

これについて県は「現在、つくば市との下打ち合わせを通じた事前調整を進めている」段階にあるとし、当初、来年3月完成予定だったグランピング施設オープンの時期は現段階では未定であり、今後の手続きについては、あくまでも「市と調整しながら進めていく」と強調した。(柴田大輔)

マスクで「こえわずらい」《くずかごの唄》107

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】
「声がうまく出ないんです。どうしたらいいでしょうか? 医院に行くのもいやなので、薬屋さんに聞きにきました」

「すごく厚くて、いいマスクしていらっしゃいますね」

「そうなの、特別厚い、いいマスクですって、友達からもらったのよ」

「厚いマスクに合わせて、最近、大きな声を出していらっしゃいませんか?」

「うちのおじちゃんもおばあちゃんも耳が遠いから、マスクして聞こえるようにしゃべるのが大変なんです」

「ご両親と同居していらっしゃるのね、家ではマスク外していてかまわないと思うんですけれど」

「高校生の娘がうるさいんです。いま学校でコロナのクラスターがはやっているので…」

コロナの流行が若い人たちに広がって、高校生も対応に頭を痛めているのだ。

「娘さんを説得して、家ではマスクを外すか、薄いのにしては? アメをなめるとか、緑茶でうがいをするとか」

「えっ緑茶ですか?」

「そういうときは、強い消毒薬のうがいは皮膚を刺激しますので、避けた方がいいです。緑茶はタンニンも入っていて、喉にもいいと思いますけどね」

「マスク障害」もばかにならない

マスクも2年、3年も続けていると、ツラの皮の厚い人はともかくも、薄い人は皮膚炎に似た症状が出たり、急に気温が上がったりしたときに、アセモができてしまったりする。

「気温障害」に伴って「マスク障害」もばかにならない。ツラの皮の薄い人は夏のマスクに気を付けた方がいいのだ。

そういうとき、高価な消毒薬や高価なウエットティッシュを使って、早く直そうとする人種が多い。高価なものは効果があると思い込んでいる節がある。

皮膚炎、声患い。医者に行くほどでもないのなら、家庭にあるものを使い、なるべく皮膚と喉を刺激から守って様子をみる。1週間刺激を避けて、悪くなるようなら医者に看てもらう。

人類がこれほど長い間マスクをつけるのは、人類の歴史始まって以来の試金石。うまくマスクと付き合うしかないのだ。(随筆家、薬剤師)

26項目でやりとり 洞峰公園改修で県・つくば市対立(上)

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グランピング建設予定地の野球場の外周をランナーが走る。走路がゴム舗装されていることから、市内外の高齢者にも親しまれている=洞峰公園(つくば市二の宮)

つくば市二の宮にある茨城県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)をめぐって、県が民間事業者に委託してリニューアルする計画(洞峰公園整備運営事業)を立てているのに対し、つくば市が異議を唱えている問題(4月14日付)で、市と県のやりとりがNEWSつくばの情報開示請求で分かった。

市民の公園か 県民の公園か

洞峰公園の位置づけについて市は「開業当初から現在まで、つくば市民をはじめとした周辺住民に利用されている」などと利用実態を強調し、県の今回の事業コンセプトは「県外を含む広域から新規来園者を取り込むこと」だと指摘した上で、「長年にわたり周辺住民のための憩いの場であり、緑豊かで穏やかな住環境を支える役割を担ってきた公園の意義・形態を著しく損なう」「質疑事項や懸念点が改善されない限り、実現は難しいとの立場をとらざるを得ない」などとしている。

これに対し県は「研究学園都市建設で複数整備した公園を県と市が分担」してきた中、「洞峰公園は、広く県民に利用される広域的な公園として県が管理してきた」とし、「開園から40年以上が経過し、今後、老朽化施設の改修や巨木化した樹木の伐採など多額の費用がかかり、これまでと同様の維持管理の費用確保が困難」だとした上で、民間による公園リニューアルへの期待として、維持管理費の県負担の軽減、老朽化する公園の魅力創出と利便性向上をあげ、県全体で取り組む「コロナ禍での新たな観光・楽しみ方として、アウトドアを活かした観光誘致の取り組みの一環」であると述べる。

さらに五十嵐市長が4月の記者会見で問題だとしたグランピング施設とバーベキュー施設の「周辺に対する臭いやアルコールなどの懸念」に対して県は、臭いについて「ふた付きの高級ガスグリルを使用するため煙やにおいが周囲に拡散することはほとんどない」「炭を使用するレンガ造りのバーベキューコンロも併設する計画だが、煙や臭気が出にくい、ナラ炭、クヌギ炭、オガ炭を採用するなど対応を検討する」とした。アルコールについては「飲酒は所定の場所で楽しんでもらうことを促す」「飲酒マナーが悪い人にはスタッフが注意する」「夜9時以降は『サイレントタイム』として静かに過ごしてもらうよう案内する」などと回答している。

洞峰公園リニューアルをめぐるつくば市の質問(21年12月28日)と、茨城県都市整備課長の回答(22年2月7日)の概要は以下の通り。

Ⅰ. 周辺住民や既存利用者への対応について

1, 市 グランピング施設やBBQガーデンについて、既存の公園利用者や周辺に住む人たちが本当に求めている施設かどうかについてのアンケートや調査及び設置に当たっての住民説明などを行い、理解・合意を得る必要があるのではないでしょうか。
 アンケート調査については、年に数回、定期的に実施している中で、飲食施設を充実してほしいとの意見が毎年挙げられています。本公園は近隣の市町村をはじめ、県内外からの来園者が訪れる県営都市公園であることから、公園のホームページや新聞・広報誌などにより広域的に周知します。また、公園内に施設計画を掲示し利用者に周知すると共に、公園隣接者に対して説明を実施します。

2, 市 公園内での飲酒や喫煙等による風紀の乱れや交通の集中により、良好な住環境が害されるリスクをどう阻止するのでしょうか。
 飲酒については、飲酒施設の所定の場所で楽しんでいただくよう促します(後述18)。喫煙については、現在も保健所の指導に基づく園内指定の喫煙所以外は禁煙としており、喫煙者には引き続きマナーを守っていただきます(後述13)。交通の集中については、新規施設が集まる南側駐車場は拡張を予定しており、交通集中への対策を実施しております(後述22)。

3, 市 既存の公園施設が多用途に変更されることにより、長年利用されてきた公園本来の機能が削られ、公園本体の目的であるレクリエーションや健康増進活動の場が縮小することは問題ではないでしょうか。
 新規施設の配置場所については、既存の公園利用者の利用状況を勘案したうえで、影響を最小限に抑える計画としています。特に、多くの既存利用者でにぎわいを見せている多目的フィールドや水と緑の広場、園路、体育館、プール棟、テニスコート等については、一切改変しない計画としていることからも、既存のレクリエーションや健康増進活動の場は維持できているものと考えます。

4, 市 十分な合意形成なく事業が遂行されれば、クレームの大半はつくば市に殺到し、市として対処を求められることになるが、県はこうした状況にどう対応するのでしょうか。
 本公園に関するクレームやご意見に関しては、公園管理者及び県が対応しますので、市に連絡があった際は、公園管理事務所または県の連絡先を伝えていただくようお願いします。

Ⅱ. グランピング施設について

5, 市 つくば市の施設では、土日・祝日の野球場等の予約が取りにくい状況となっています。洞峰公園においても、土日・祝日の野球場利用者は多い状況です。この施設を閉鎖してグランピング施設に改修することにより、既存利用者及び周辺住民から野球場を利用した活動機会を奪うことは問題があるのではないでしょうか。
 野球場については年間稼働率が1割程度で、このうち、つくば市内の方の利用が3割程度となっています。また、定期的に利用している団体がいないことから、よりニーズの高いドッグランなどに改変することで、この場所をより有効活用できるものと考えています。なお、つくば市が管理する公園の野球場でも、過去に多目的広場へ転用している事例もあることから、大きな問題はないものと考えております。

6, 市 グランピング施設について、既存の野球場フェンスや低木などでエリアを明確にするということですが、それでは、セキュリティー面について問題があるのではないでしょうか。セキュリティー面が脆弱(ぜいじゃく)な施設を安易に設けることにより、犯罪を誘発することが懸念されていますが、どう対処するのでしょうか。
 全国で展開されているグランピング施設の先行事例を参考にしながら、セキュリティー面への配慮として、グランピングエリアのフェンス・植栽による区画のほか、機械警備システムの導入を行う計画です。なお、夜間に不審者がグランピングエリアに侵入した場合には、直ちに警備会社に発報され、警備員が現地に急行することとしています。

7, 市 植栽エリア境界を設けた場合、園路の交差点等の見通しが悪化し、ランニング利用者や自転車、子供等が衝突事故を起こす危険性が高まるのではないでしょうか。
 グランピング施設のエリア境界は、現在野球場を囲むように連続設置されているフェンスの位置(園路から奥まった位置)を想定しているため、園路利用者の見通しが悪化し、衝突事故の危険性が高まることはないと考えています。

8, 市 グランピング施設の管理人が不在の時間帯があり、機械警備システムの導入などで対応するとのことですが、トラブルが発生した際には問題があるのではないでしょうか。管理人不在時のトラブルには、誰がどう対処するのでしょうか。
 不審者の侵入が確認された場合には機械警備システムが発報し、警備会社の警備員が直ちに現地に急行するとともに、運営スタッフに連絡が入り、必要に応じて運営スタッフが現地に急行する計画としています。先行事例においても同様の取り組みにより大きなトラブルが生じたことはありません。

9, 市 プライベートデッキのトイレ・風呂の排水はどのような計画となっていますか。
 グランピング施設の各宿泊棟には、新たに排水管等のインフラ設備を敷設する計画です。今後、施設計画の設計を行った上で、詳細については下水道管理者と協議します。

10, 市 宿泊施設である場合、つくば市ラブホテルの建築等規制条例が適用されます(質疑事項ではありません)
 条例に従って対応します。

Ⅲ. BBQガーデンについて

11, 市 BBQガーデンと遊具スペースが仕切られていないと、飲酒者と非飲酒者でトラブルが発生するのではないでしょうか。
 BBQガーデンの各サイトは建屋となっており、BBQ利用者と公園利用者が接触する機会はないものと考えております。今後、設計業務の中で、必要に応じてBBQエリアを区画するフェンスの設置や植栽等による目隠し等についても検討します。

12, 市 BBQガーデンからの臭いや煙の拡散は、植栽や樹木による吸着を図るだけでは防ぐことはできません。有効な防止策はあるのでしょうか。
 BBQガーデンは、高級ガスグリル(蓋つき)を使用することとしており、煙や臭いが周囲に拡散することはほとんどありません。また、レンガ作りのBBQコンロ(炭利用)も併設する計画ですが、煙や臭気が出にくい炭(なら炭、くぬぎ炭、オガ炭)を採用するなどの対応を検討します。

Ⅳ. グランピング施設・BBQ施設の共通課題について

13, 市 公共の場は喫煙を制限しているケースが多いですが、飲酒を伴うと喫煙を抑制することは難しくなるのではないでしょうか。飲酒を伴わなくても、長時間滞在するBBQやグランピング利用者に対して喫煙を禁止しても、実質的には遵守させることは不可能ではないでしょうか。公園利用者への副流煙の問題をどう解決するのでしょうか。
 現在も、保健所の指導に基づく園内指定の喫煙場所以外では禁煙としており、今後も同様のルールを徹底します。なお、新設するグランピング施設、BBQガーデンにおいては、施設内は原則禁煙とし、喫煙者を確認した場合には、スタッフが注意喚起します。

14, 市 屋外施設である以上、煙や臭気の拡散は不可避です。洞峰公園は幼児から高齢者まで幅広い年齢層の憩いの場であるとともに、ウオーキングやランニング等による健康増進を目的とした利用者が多く、緑の中で憩いのひと時を過ごす人にとって、また呼吸器に負荷のかかるランニング等の運動中の人にとって、臭い・煙は極めて不快なものです。タバコの副流煙やBBQの煙・臭気等が、公園利用者のレクリエーションや健康増進活動を阻害し、公園本来の設置目的が損なわれることは問題ないのでしょうか。
 たばこの副流煙については、前述(13)の通り、現在も、保健所の指導に基づく園内指定の喫煙所以外では禁煙としており、今後も同様のルールを徹底します。なお、新設するグランピング施設、BBQガーデンにおいては、施設内は原則禁煙とし、喫煙者を確認した場合には、スタッフが注意喚起します。BBQの煙や臭いについては、前述(12)の通り、BBQガーデンは、高級ガスグリル(蓋つき)を使用することとしており、煙や臭いが周囲に拡散することはほとんどありません。また、レンガ造りのBBQコンロ(炭利用)も併設する計画ですが、煙や臭気が出にくい炭(なら炭、くぬぎ炭、オガ炭)を採用するなどの対応を検討します。

15, 市 グランピング施設やBBQガーデンの利用に伴う費用は高額で、利用者は県外の人がメーンと想定されます。地域住民や既存利用者に親しまれている活動の場・憩いの場を削ってまで、県外を中心とする地域外の人のためのレジャーの場を新設することの意義は何でしょうか。
 グランピング施設やBBQ施設の利用は、県外の人をメーンとしている訳ではなく、県内・市内の方々にも広く利用いただきたいと考えています。また、カフェ施設やカフェスタンドなど、既存公園利用者にも気軽に利用いただける施設も計画しています。

16, 市 グランピング施設やBBQガーデンを整備することにより、にぎわいを創出するとありますが、洞峰公園及びその周辺は文教地区に指定されており、文教的環境の保護に相反するのではないでしょうか。過去15年間につくば市に寄せられた「市民の声」を見る限り、洞峰公園周辺の騒音対策や渋滞対策、近隣から漂う野焼き等への臭気への対策を求める要望は多数ありますが、この地域に新たな賑わいを創出する要望は皆無です。この地域における「賑わいの創出」を求めているのは誰なのでしょうか。
 文教地区(周辺住宅環境)への配慮については、野球場周辺エリアの位置であれば南側が気象研究所であり隣接する建物がないことや、西側・北側の住宅地までは200メートル以上離れていることから、騒音問題など住居の環境を害するおそれはないものと考えています。本公園は近隣市町村をはじめ県内外から来園者が訪れる広域的な公園であり、公園利用者アンケートなどでも飲食機能の充実など、にぎわい施設を求められています。また、県全体としてコロナ禍の新たな観光の楽しみ方として、アウトドアを生かした観光誘致に取り組んでいます。

17, 市 警官の保護、火災の延焼の防止の観点から、樹木の保護は重要であると考えますが、グランピング施設やBBQガーデンの整備、南側駐車場の拡張に伴い、樹木の伐採は行われるのでしょうか。
 樹木の保護については、開園から40年が経過し、巨木化している樹木があることから、専門家の意見を聞きながら、樹木が密集してうっそうとしている場所など計画的に伐採し、良好な樹林環境を維持していきます。南側駐車場の拡張は、現状及び将来の駐車場不足問題の解消と新規施設へのアクセス向上のため必要不可欠と考えており、計画と合わせて必要最小限の樹木を伐採します。

Ⅴ. 飲酒・アルコールの提供について

18, 市 酒気帯び者がスポーツ施設エリアを通過すること等により、公園利用者が不快に感じることのないよう、飲酒に関するルールを設けるべきではないでしょうか。また、具体的にどのようなルールが設けられるでしょうか。
 飲酒については、各飲食施設内や椅子・テーブルが置いてある所定の場所で楽しんでいただくことを促します。飲酒に関するルールとして、以下を徹底します。①公園内でのアルコールの販売時間は18時までの計画となっています。(レストラン、カフェ、カフェスタンド)②飲酒マナーが悪い方にはスタッフが注意します。飲酒マナーが改善されない場合、販売時間の短縮や販売数の縮小を検討します。

19, 市 飲酒マナーの悪い方への周囲が必要な際、管理人不在時は対応できないのでしょうか。その際、どのように対処するのでしょうか。
 BBQ施設は18時30分、レストランは20時で閉店します。グランピング施設は、早朝6時〜深夜23時頃までスタッフが管理棟に常駐する予定です。宿泊者に対してはチェックイン時に注意事項として、夜間21時以降は「サイレントタイム」として静かに過ごしていただけるよう案内します。選考事例においても同様の取り組みより大きなトラブルが生じたことはありません。

20, 市 酒類の提供方法については、事業者が変わった場合でも引き継がれるのでしょうか。
 本計画の事業期間は20年間であり、原則、事業者は変わりません。酒類の提供方法を含めた公園施設の管理運営については、事業者が変わる時点において、新しい事業者と県で施設継続の必要性や運営方法等を検討・協議し、継続しても問題ないと県が判断すれば引き継がれることになります。

Ⅵ. 駐車場その他

21, 市 駐車場127台増で周辺渋滞解消とした根拠は、どのように算出したものであるか、詳細をお示しください。
 現指定管理者から、行楽シーズンにおける本公園駐車場への待ち渋滞状況(多くても10台未満)をヒアリングしたうえで、127台の台数拡張を行えば、新規施設への新規来場者の車両台数を考慮しても、現状の駐車場不足問題の解消につながると考えています。なお、駐車場台数127台については、駐車場拡張範囲や新規施設へのアクセス向上なども考慮の上、最大限確保できる台数として設定したものです。参考までに、グランピング施設は宿泊棟18棟あり、定員は最大6名/棟の想定。1団体あたり2台の駐車場利用とした場合、最大で36台となります。また、BBQ施設は10サイトあり、定員は最大6名/サイトの想定。1団体あたり2台の駐車場利用とした場合、最大で20台となります。これらを合計すると、最大でも60台程度の駐車場利用となりますが、127台の駐車場拡張により、十分に余裕を持った駐車場台数となると考えています。

22, 市 駐車場127台増で周辺渋滞解消とした根拠は、どのように算出したものであるか、詳細をお示しください。
 県指定管理者から、行楽シーズンにおける本公園駐車場への待ち渋滞の状況(多くても10台未満)をヒアリングした上で、127台の台数拡張を行えば、新規施設への新規来場者の車両台数を考慮しても、現状の駐車場不足問題の解消につながると考えています。なお駐車場台数127台については、駐車場拡張範囲や新規施設へアクセス向上なども考慮の上、最大限確保できる台数として設定したものです。参考までに、グランピング施設は宿泊棟18棟あり、定員は最大6名/棟を想定。1団体当たり2台の駐車場利用とした場合、最大で36台となります。またBBQ施設は10サイトあり、定員は最大6名/サイトの想定。1団体当たり2台の駐車場利用とした場合、最大で20台となります。これらを合計すると、最大でも60台程度の駐車場利用となりますが、127台の駐車場拡張により、十分に余裕をもった駐車場台数となると考えています。

23, 市 市外・県外からのマイカー利用者が増えることにより、周辺の交通渋滞が悪化するのではないでしょうか。
 グランピングやBBQ施設などを新設することにより、マイカー利用者が増えることが想定されますが、南側駐車場を127台拡張することで、22で前述したように駐車場不足による周辺の交通渋滞が発生する可能性は低いものと考えております。

24, 市 BBQ場やグランピング施設は、チェックイン・チェックアウトの時間帯に車両の出入りが集中する特性があるため、駐車場台数を増やしても同時刻に多数の車両が集中して渋滞が発生することは避けられず、周辺渋滞悪化は必然的であると考えられますが、どのような対策を行うのでしょうか。
 チェックイン時における車両の集中については、他のグランピング・BBQ施設の先行事例からも、利用者ごとに来場時刻は異なるため、すべての利用者がチェックイン時刻に同時に来ることは考えにくいと思われます。

25, 市 BBQ場で飲酒した利用者が、駐車場の車内で長時間休憩してスペースを占拠することで、他の利用者の駐車場利用に支障が生じたり、混雑が発生したりするのではないでしょうか。
 駐車場台数は十分確保してあるので、他の公園利用者の駐車スペースに影響を与えるものではないと考えます。また、他の駐車場利用者に迷惑をかける行為を確認した場合などは、スタッフにより注意喚起することとします。

26, 市 24時間営業のトレーニングジムの管理体制はどのように考えているのでしょうか。
 警備体制については、警備会社と連携し入退館の管理や、室内に非常ボタンを設置することで非常時は駆けつける体制になります。日中の洞峰公園の体育棟が開いている時間帯は、スタッフが管理します。夜間のスタッフ不在時間帯は警備会社が管理します。入退場に利用者登録されたIDカードを使用するため、利用者・時間を特定できるようになっています。

これ以降の県・市対立の動向については(下)で報じる。(柴田大輔)

春の野の花が教えてくれること 《遊民通信》40

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ネモフィラ、ナガミヒナゲシ、ツツジ(左から時計回りに)

【コラム・田口哲郎】
前略

天気がすぐれない日が続いていますが、春真っ盛りですね。桜が散ってしまっても、花がちまたに咲きみだれています。阿見町の阿見プレミアム・アウトレットに行ったら、ネモフィラが咲いていました。ひたち野うしく駅前ではツツジが満開です。そして道端には、ナガミヒナゲシが鮮やかなオレンジ色をあふれさせています。

野の花といえば、新約聖書の一節を思い出します。「今日は生えていて、明日は炉に投げ入れられる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる」(マタイによる福音書6.30『フランシスコ会訳新約聖書』)。イエスは着る物をどうしようかあれこれ思いなやんでいる人々に、こう言いました。神は花のように人間をありのままでも美しくつくってくれたんだから、いろいろ不安にならなくてもよいよ、というメッセージです。

しかし、この短い一節にはもうひとつのメッセージがあります。美しい野の花も枯れれば明日はゴミに出されて焼かれるということ。命ははかない。神は人間を美しくつくったけれども、命には限りがあることをストレートに表現しています。これは桜の花のはかなさを味わう日本人のこころと通じますね。

花は桜だろうと、道端のなんでもない花でも、人間に何かを教えてくれます。ふと思うのは、毎年当たり前みたいに見ている花でも、来年見られる保証はないということです。花は人間がいなくなっても咲き続けるでしょう。この場合、人間のほうのはかなさの問題です。

不安になったら思い出すニーバーの祈り

イエスが、大丈夫!と言っても、生きる不安は簡単に消えるものではありません。どうすればよいのか?と問う民衆にイエスは答えます。祈りなさい、と。そしてイエスは民衆に祈りを教えます。これが、仏教でいう般若心経のごとく、キリスト教の大切な祈り、「主の祈り」です。主の祈りは解釈が少々難しいので、今回は別の、とても美しい祈りを紹介したいと思います。「ニーバーの祈り」と呼ばれる祈りのはじめの部分です。

神よ、変えることのできないものを、平穏なこころで受け入れるために、あなたのいつくしみをわたしたちに与えてください。変えるべきものを変えられる勇気を与えてください。そして、変えることのできないものと変えるべきものを見分ける賢さを与えてください。

この祈りは作者不詳ですが、もともと負傷した軍人を励ますものだったのを、ニーバーというプロテスタント神学者がアルコール依存症患者の更生プログラムのために用いて広まったと言われています。人生にはジタバタしても仕方ないことと、努力してなんとかなることがあるようです。それを静かに見分ける賢さは野の花が美しさとともにわたしたちに教えていることなのですね。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

「間近で大迫力」のサロン音楽会 29日につくばリサイタル新シリーズ

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3月、カーネギーホール(米国ニューヨーク)で行われた塙美里さんのリサイタル=つくばリサイタルシリーズ実行委員会提供

筑波大学の学生中心に企画・運営されているクラシックコンサートのつくばリサイタルシリーズが、新たに「サロンシリーズ」を立ち上げる。シリーズ実行委員会主催による第1回は29日、つくばアルスホール(つくば市吾妻)で「塙美里サクソフォンが彩るクラッシックの世界」を開催する。

過去のシリーズとの違いは会場の大きさだ。これまで全11回のコンサートはカピオホール(つくば市竹園)などの大きな会場を中心に行われてきたが、今回は100人規模のアルスホールでの開催となる。「日常では味わえないような特別な空間を創ることを目指した」という。

実行委員会の須澤紗音さん(筑波大学比較文化学類3年)は、「カピオホールが現在改修工事中で、別会場を探していた。会場が変わるのだから雰囲気も大きく変えたいと思い、新しいシリーズとして立ち上げた」と経緯を話す。

「サロン」と命名したのは、貴族が友人を集めて小さな演奏会を開くイメージからの着想。「これまでから考えるとかなりの小さめの会場で小人数での開催になる。日常とはまったく違う空間を創出したいと考えてこの名前に決まった。間近で大迫力の演奏を生で見ることができる機会はそう多くはない」という。

塙美里さん=同

出演するサックス奏者、塙美里さんは茨城県の出身。「今回の企画は委員会でも長年温めてきたもので、実現の運びになってとても楽しみにしている」と須澤さん。サックスとピアノの編成で19世紀以前のクラシックが演じられるのは珍しいそう。

実行委員会は立ち上げ以降、コロナ渦での不自由な活動を余儀なくされてきたが、明るい兆しもある。これまでの2年間は、筑波大学が開催する新入生の歓迎イベントが中止になっていたが、今年は開催された。実行委員会も新入生のメンバーを7人集めることができた。これまでの2年間で最も多い人数で、これまでに居なかった学類の学生や、大学院生の加入もあったという。(山口和紀)

◆塙美里サクソフォンが彩るクラッシックの世界(第1回つくばリサイタルシリーズ サロンシリーズ) 5月29日(日)午後2時開演。プログラムは、ビバルディ「フルート協奏曲」(作品10-2“夜”)、バッハ「バイオリン協奏曲」(二短調第1楽章)ほか。チケット(税込み)は一般1500円、学生500円。チケットの予約はこちら。つくばリサイタルシリーズ公式ブログはこちら

国連・安保理 改革が必要に 《雑記録》35

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【コラム・瀧田薫】国連安全保障理事会(安保理)・常任理事国であるロシアがウクライナに侵攻した。明らかに国連憲章違反である。しかし、安保理はこれをとがめることができなかった。安保理の機能不全、この問題は今に始まったことではない。過去、何度も改革の必要が指摘されてきたが、常任理事国側の抵抗にあって実現していない。

イラク戦争時、米国が主導して安保理決議に基づく多国籍軍を編成した事例があったが、今回の対象国はイラクではなく、安保理常任理事国のロシアである。そこで、安保理決議を経ずに米軍主導の多国籍軍を編成する策も検討されたが、バイデン米大統領が第3次世界大戦の可能性を否定できないとして回避した経緯がある。

ところで、4月26日、国連総会に安保理改革案が提案された。その内容は、「安保理で常任理事国が拒否権を行使した場合、総会において拒否の理由について説明する責任を負わせる」というものだ。リヒテンシュタインが主導して起草し、米英仏のほか日本やドイツ、ウクライナなど、国連加盟国193カ国中80カ国以上が共同提案国に名を連ねた。

一方、ロシアや中国はこれに加わらなかった。総会での採択では、提案に対する投票を求める声は上がらず、総会の総意として採択され成案となった。決議の具体的内容は、常任理事国が拒否権を行使した場合、国連総会議長に対し、総会を招集し、拒否権を行使した国に説明を求めること、同時に安保理に状況報告文を提出するよう呼びかけることを義務付けるというものであった。

残念なことに、総会に出席して理由を説明するか否かは、拒否権を発動した国の判断に委ねられるという不徹底なものであり、実効のあるものとは到底思えない。

常任理事国が他国に武力侵攻するとは!

これに対して、今後の安保理改革の手掛かりになりそうな動きもあった。非常任理事国のノルウェーは「安保理におけるロシア非難決議に際して、ロシアは棄権すべきだった」と発言し、その論拠が国連憲章第27条にあることを示した。実は、第27条には「紛争当事国は投票を棄権しなければならない」との規定がある。これを素直に読めば、今回のロシアに該当するはずであった。ただし、これまで、この第27条が発動された事例はない。

もともと、安保理において、常任理事国が武力をもって他国に侵攻すること自体が想定されていなかった。今回のロシアによる武力侵攻はその例外が実際に発生したということであり、その意味で、安保理の機能不全、ひいては国連の制度疲労が極限に達したということになる。

これまで、日本政府はドイツ政府と連携して、「常任理事国の枠の拡大」を主張し続けてきたが実現していない。今回、ノルウェーの提案を積極的に支持するとともに、「準常任理事国」を創設する選択肢を議論の俎上(そじょう)に乗せるなど、積極的に動くべきであろう。国連憲章に通底する憲法を保持する国として、日本ほど国連を立て直す役割にふさわしい国はない。(茨城キリスト教大学名誉教授)

支援を呼びかけ 開館30年、苦境の石岡・ギター文化館

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ギター文化館で開催のウクライナ支援チャリティーコンサート=30日、石岡市柴間

クラシックギターの殿堂、ギター文化館(石岡市柴間、池田由利子館長)が開館30周年を前に、苦境に立たされている。コロナ禍から運営資金の手当てに窮し、5月いっぱいを期限にクラウドファウンディング(CF)による寄付を受け付けているが、存続にはより長期的な財源の獲得が必要として地域からの支援を呼びかけている。

ギター文化館は1992年11月に開館。歴史的スペインギターの名器コレクション18本を有し、クラシックギターのため特別に設計されたホールを持つ。土浦・つくばからは山向こうの丘陵地にぽつんと立つロケーションながら、コンサートやギター教室などを開催すると、県内や近県から観客や生徒が集まる。根強いファンに支えられて30周年を迎えようとしていた。

しかし、コロナ禍により2020年から演奏会は相次いで中止を余儀なくされ、貸しホールの展開もできなくなった。21年末になって運営母体の東京労音(事務局・東京)から「30周年を迎える11月以降は運営費の補助が難しい」と通告された。労音じたいが組織の高齢化から、運営の厳しさを抱えている。

31日まで受け付け クラウドファウンディング

文化館によれば、光熱費など年間の維持費は約700万円。存続に向け、県や石岡市に、指定管理者制度の導入などによるテコ入れを求めたが、色よい回答は得られなかったという。

このため、4月から700万円を目標にCFを開始した。プロジェクトは集まった資金だけで成立するオールイン方式で、4月中に300万円弱を集めた。池田由利子館長によれば、「CFはあくまで運営資金の獲得が目標。少なくとも1年間延命ができる。その実績をもって地域の熱意を示し、労音側にアピールしたい」構えだ。

ギター文化館のエントランス

存続に向けては、より抜本的な立て直し策が求められる。クラシック音楽に理解のある篤志家を探したり、ネーミングライツの募集を検討したりしている。ここで問題なのは、労音じたい法人格を持たない会員制の任意組織(音楽鑑賞団体)で、文化館は運営施設の一つにとどまること。寄付を受けた際の税金対策などを余計に講じなければならない。

まん延防止重点措置が解除になったことで、文化館は演奏会事業を徐々に再開している。約120席あるうち80人程度の収容での公演になる。土浦出身のギタリスト、木村大さんのコンサートやウクライナ支援のチャリティーコンサートなどを開いた。

これらの開催では、ギター教室などに通う地域ボランティアが運営を支えている。ウクライナ支援コンサートで駐車場に整理に当たっていた土浦市の杉沢百樹さん(75)はギターアンサンブルのサークルに所属している。「毎週のように来ている。公民館に比べればお金はかかるが、年金生活者の楽しみを良質な環境のなか提供してもらっている。何としても残してほしい」という。(相澤冬樹)

◆CFは「CAMPFIRE(キャンプファイア)」のサイトで31日まで受け付けている。電話0299-46-2457 【追記】4月1日から行っていたCFによる寄付受け付けは5月31日に終了。445人の支援者から総額745万3087円を集め、目標額をクリアした。支援の浄財は、サブスクリプション実施運営費(約300万円)、設備維持管理費(約100万円)、宣伝広告費(約100万円)、CF支援者へのリターン及びCAMPFIRE手数料(約200万円)などに用いられるという。

つくば市の「善政」に強い違和感 《吾妻カガミ》132

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】市委託事業の事業者公募で新参者が選ばれ、これまで従事していた古参者が外された。ところがこの事業の利用者たちが、慣れ親しんだ事業者でないと困ると、市に抗議。困った市は予算を倍増し、古参者に事業を継続させながら、新参者にも類似の事業を開始させた。市は「三方良し」で問題を処理。利用者も古参者も新参者も皆ハッピー!

2~3カ月前、つくば市でこんなことが起きました。一見「善政」に思えるかもしれませんが、このおかしな決着に強い違和感を覚えています。詳しい経緯は「運営事業者の継続を求め陳情 不登校の学習支援拠点…保護者会」(1月20日掲載)、「新年度も運営事業者継続へ…つくば市が追加提案」(3月3日掲載)をご覧ください。

揺らぐ「調達の仕組み」への信頼

違和感その1は、提案型公募の選定結果を市が自ら覆したことです。事業委託者に新参者を選んだのは、古参者よりもサービスが優れていると判定したはずなのに、新参者を不安に思う利用者に対し、そのサービス内容を説明したのでしょうか? 新参者のサービスが提案内容よりも劣る場合は、新参者との契約を解除して委託先を古参者に戻すから、心配しないで大丈夫ですよ、と説得したのでしょうか?

事業提案型にしても価格入札型にしても、モノやサービスの調達(プロキュアメント)は公的機関にとって大事な仕事です。選定作業が正しく行われたとしての話ですが、それに落ちた事業者が簡単に復活するようでは、調達の仕組みに対する信頼が揺らぎます。

違和感その2は、正式に選ばれた新参者からの反発を恐れたのか、ほぼ同額の予算を付けて、新参者にも類似の事業を委託したことです。その結果、市がこの事業に支出する予算は当初予定のほぼ倍になりました。それが2千万円強でも「アリの一穴」となり、「善政」は安易な財政運営につながります。

違和感その3は、市の正式決定であっても、受益者が強く文句を言えば、「善政」が期待できるという前例が出来たことです。これにより、正式な手順はあくまでも仮のものという印象を多くの市民は持つでしょう。事業者も公式な手順を軽視するようになり、市政の混乱は避けられません。

「3方良し」でなく「3方悪し」

調達制度への信頼低下。場当たり的な予算付け。手順軽視の行政迷走。つくば市の「善政」は、よく考えると「悪政」と言えるでしょう。新参者・古参者・利用者への「3方良し」は、調達制度・財政措置・行政手順に対する信頼を損なう「3方悪し」ではないでしょうか。

以上は、選定が正しかったことを前提にした議論です。選定がいい加減なものだったとすれば、利用者が文句を言うのは当然です。新年度に入りましたので、利用者は新参者と古参者のサービスを比べてみてください。新参者のサービスが古参者より劣るようでしたら、誤った判断をした市担当部局の責任が問われます。(経済ジャーナリスト)

フリースケートで世界目指す 土浦の中学生 丸山美伶寧さん

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デッキを足から放し回転させる高難度トリック「フリーフリップ」を披露する丸山さん=土浦市小松のJMKパーク

サーフィンやスノーボードがオリンピックの正式競技に採用され、今年はスケートボードなどの国際大会「Xゲームス」が日本で開催されるなど、いわゆる「横乗り系」のスポーツが盛り上がりを見せている。その中で注目されるのが「フリースケート」だ。土浦市都和の中学1年、丸山美伶寧さん(12)も世界を目指す期待の選手の一人という。

丸山さんと祖父の平昌幸さん(51)がフリースケートに出合ったのは2020年5月。「知人の子が遊んでいるのを見て、不思議なものに乗っているなと思い、その場で借りてみたら面白かった。いままで体験したことのない感覚で、自分もやってみたいと思った」と平さん。スノーボードやスケートボードの経験もあったが、より楽しさを感じたそうだ。

ポップドロップの分解写真。右足でデッキを跳ね上げ(写真左)、空中でキャッチしている(同右)

丸山さんの印象は「難しそうだけど楽しそう。最初は乗れなかったけどすぐ慣れて、その日のうちに乗れるようになり、自分に自信が持てた感じがした」という。今では足を交差する「クロス」や、足を乗り換える「チェンジ」、片足で乗る「ワンフッター」などの難しいトリック(技)も自由自在。女性では世界トップレベルの選手しかできない「ポップドロップ」もこなす。夢は「大きい大会に出て、将来はフリースケートの先生になること」だそうだ。

平さんは「2人で一緒に始めて、自分は普通に滑れる程度だが、孫はずっと先へ行ってしまった。世界一への期待もあるが、一番は楽しんでフリースケートをやってほしい」と目を細める。

パークの仲間たちと。前列左から嶋田さん、丸山さん、1人おいて平さん

フリースケートは2003年、米国サンフランシスコ発祥の新しいスポーツ。競技としては、平地での技を競う「スケートゲーム」、ハーフパイプを使う「ランプ」、ジャンプ台やレールなどを使う「ストリート」の3部門がある。世界大会も存在するが、コロナ禍により2019年の中国・武漢大会を最後に休止されている。このときは7カ国から約500人が参加し、3部門全てで日本人選手が優勝するという快挙を遂げた。

丸山さんと祖父の平さんは、市内にある2つのフリースケート専用パーク「JMKパーク」と「64パーク」にほぼ毎日、練習に通っている。

ジャンプの練習。デッキはサイズの違いなどはなく、大人も子どもも共通で使える

2つの専用パークは、同市小松の嶋田巨樹さん(49)が運営する。嶋田さんは世界的なフリースケート用具メーカー「JMKRIDE(ジェイエムケイライド)」の代表を務める。

フリースケートの魅力について嶋田さんは「インラインスケートのような疾走感と、スケートボードの多彩なトリックをミックスした、スケートスポーツの集大成」と話す。手のひらサイズの小さなデッキ(板)に片足ずつ乗せ、まずはデッキの上に立つのが一苦労。だが練習すれば誰でも乗れるようになる。その達成感が大きな魅力の一つだ。「初めて自転車に乗れたときのように、突然できるようになる。一人で始めようとすると1週間くらいかかることもあるので、あきらめないよう、サイトには学習用の動画を多数用意している」という。

地面を蹴らず、乗ったまま足でこいで加速できることもスケートボードとの大きな違い。平地なら時速30キロほどに達し、坂道も登れるので、海外では手軽な移動手段としても重宝されているという。

いまJMKRIDEのフリースケートは土浦市のふるさと納税返礼品に採用されている。市内や東京近郊などで毎週のように無料体験会や練習会が開かれ、イベントで体験したのをきっかけに、土浦市内の2つの専用パークに遊びに来るようになった子どもたちが増えているという。丸山さんと祖父の平さんもその一人だ。(池田充雄)

かすみがうらマラソンのランナーズビレッジで開かれた体験会の様子=4月17日、土浦市川口のモール505

◆専用パークは▽JMKパーク=8メートル×28メートルの平らなコース。土浦市小松1-23、午前9時~午後8時▽64パーク=高さ6フィート(1.8メートル)と4フィート(1.2メートル)の2つのランプ(曲面)がある。土浦市小松1-16、午前9時~日没。大型連休の期間中は、これらのパークは毎日開放される予定。利用料は無料で、デッキを借りての無料体験もできる。利用申し込みは電話(070-5517-1826)かメール(info@jmkride.jp)で事前に連絡する。中学生以下は保護者の引率が必要。

「鎌倉殿の13人」の1人・八田知家と小田氏 《ひょうたんの眼》48

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特別展のパンフレット(左)と展示図録の一部=土浦市立博物館発行

【コラム・高橋恵一】土浦市立博物館の特別展「八田知家(はった・ともいえ)と名門常陸小田氏」は、知家や初期の小田氏に関する資料が少ない中で、幅広く情報収集を行い、展示資料もすべて翻刻版を用意するなど、展示の工夫がみられ、博物館の努力は称賛すべきものです。5月8日までの特別展も終盤になりましたので、前回コラム「常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり」(4月20日掲載)で問題提起した私なりに、八田知家について、もう一度まとめておきたいと思います。

知家の父親は宇都宮座主(ざす)の八田宗綱(むねつな)で、領域南端の五行川と小貝川が合流する手前(筑西市)の「八田」に居館を置き、本拠地としていました。宗綱・友家親子は、保元(ほうげん)の乱で源義朝(みなもと・よしとも、源頼朝=よりとも=の父)に従軍し、知家は乱後も京で北面の武士を務め、小山政光の妻(寒河尼=さむかわのあま=知家の姉)は頼朝の乳母になっています。

宇都宮・八田(小田)一族と小山一族の結びつきは強く、1180年の頼朝の挙兵には、双方一族を挙げていち早く駆け付け、頼朝から信頼される御家人として、鎌倉時代を通して幕府を支えました。

頼朝は富士川の戦いに勝利すると、関東を抑えることを優先しました。当時、常陸国は平氏の知行国であり、大掾多気(だいじょうたけ)氏を本宗とする常陸平氏一族と那賀川以北を治める佐竹氏(源氏)は、頼朝追討の指示を受けており、反頼朝あるいは日和見の立場にありました。

頼朝は、常陸国の国府まで出向いて佐竹氏を降伏させ、鎌倉への帰途に「八田館」に立ち寄ります。吾妻鏡には「小栗重成(おぐり・しげなり)の小栗御厨(おぐりのみくりや)の八田の館」とありますが、御厨の荘官・小栗氏は自分の居館を持っているので、御厨エリアの中にある八田氏の舘を指していると考えます。源頼朝が立ち寄ったのは、より信頼できる八田氏の居館です。

頼朝は鎌倉に戻ると、八田氏領域の「茂木保」を知家に安堵(あんど)します。直前に佐竹氏から収公した領地を勲功者に配分していますが、隣接する八田・宇都宮領との境界の混乱を避ける意味があったのかもしれません。

筑後守、常陸介、紀伊守

1183年。常陸国信太(しだ)郡にいた頼朝の叔父・志田義広(しだ・よしひろ)の乱がおこり、小山一族が追い払い、八田知家も戦功を挙げます。志田義広の旧領のうち、知家は、信太荘,南野荘を与えられ、国府を挟んだ南郡の地は、下河辺氏に与えられます。知家は、南野荘西端に位置し、常陸国府と東山道や奥大道を結ぶ路線上にある小田に居館を構えて本拠とし、嫡子・朝重(ともしげ)から戦国時代末期まで「小田」を称します。

知家は平氏追討の後、常陸国守護職(しゅごしょく)となり、奥州攻めでは、東海道大将軍となり常陸の武士を率いて参戦しました。

鎌倉での知家は、大蔵御所(頼朝居館)の南御門前に屋敷を持ち、京からの要人接待にたびたび起用され、知家の京の所作に通じた見識は、頼朝に頼られたようです。頼朝が後白河法皇に会うため初上洛した際に、知家は遅参しましたが、頼朝は隊列構成などで相談したいと知家を待ち、全軍の鎌倉出発を数時間も遅らせ、知家の意見を取り入れてから出発したという話が吾妻鏡にあります。

常陸大掾本宗の多気義幹(たけ・よしもと)は、平氏追討や奥州征伐の後も、鎌倉政権へは距離を置いていたようでした。有名な曽我兄弟の仇討(あだうち)のとき、頼朝警護の動員がかかりますが、多気義幹はウソの動員と思い込んで参陣せず、謀反を疑われて没落しました。知家の陰謀とされていますが、仇討の日から逆算すると、策謀の日数はなく、義幹の失態と考えられます。

頼朝の死後、2代将軍・頼家を補佐する有力御家人を、尼将軍・政子(まさこ)が選びました。いわゆる「鎌倉殿の13人」で、八田知家はその1人です。また知家は、1203年ごろ「筑後守(ちくごのかみ)」に任官します。源氏嫡流以外の御家人が国守(こくしゅ)に任官するのは、北条時政の「駿河守」と並んで、一番早いのではないでしょうか。なお、嫡子・知重は「常陸介(ひたちのすけ)」、さらに「紀伊守(きいのかみ)」に任官しています。(地図と歴史好きの土浦人)

つくばFC ホーム開幕戦で敗れる

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前半7分、須田千聖が右サイドから突破を図る(撮影/高橋浩一)

関東サッカーリーグ1部前期第4節、ジョイフル本田つくばFC対エスペランサSC(本拠地・横浜市)の試合が29日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで開かれた。つくばは0-1で敗れ、ホーム開幕戦を落とす結果となった。これで戦績は1勝1分2敗、順位は暫定だが10チーム中4位のまま。

第56回関東サッカーリーグ1部 前期第4節(4月29日、セキショウ・チャレンジスタジアム)
つくばFC 0-1 エスペランサSC
前半0-0
後半0-1

つくばは今季、副島秀治強化部長が監督も兼任。トップチームでは実に5年ぶりの現場復帰となった。17日の第3節では昇格組の東邦チタニウム(本拠地・神奈川県茅ケ崎市)を相手に1-2で競り勝って初白星。その後天皇杯の県予選が始まると、20日の1回戦は日立水戸サッカー部に9-1で勝利。だが24日の準決勝では筑波大に0-5で敗れた。

「連戦の中、選手はしっかり戦ってくれたが勝ちにつなげられず、もったいないことをした。今季はどのチームもレベルがどんどん上がっている印象で、気が抜ける試合は一つもない」と、副島監督はここまでの戦いを振り返る。

後半11分、甲高柊汰のフリーキック(同)

ホーム開幕戦は、午後から降り始めた細かい雨が、時間を追うごとに勢いを増しつつ風も強まるという、荒れた天気の中で開催された。

この日の相手、エスペランサSCはブラジル人FWのギリェルミ、アルゼンチン人MFのオルテガ・レオナルド・アグスティンらを軸に、球際で激しい戦いを挑んでくるチーム。雨でボールが止まる状況が加わり、ラフプレーも数多く発生していた。

「相手がタフに戦ってくることは分かっていた。長身FWめがけてシンプルに長いボールを入れてくるので、そのファーストディフェンスとカバーリングを徹底するようチーム全員で意識し、しっかりボールをキープして相手を自由にさせなかった」と、ディフェンスリーダーの駒崎公一主将。

攻撃については「サイドを起点にして相手を揺さぶり、中にできたスペースを活用しようという意識で、何度かビッグチャンスをつくれた。後は決めきることが課題」と駒崎。「問題点は攻撃時間が少ないこと。自分たちのやりたいプレーは前半の最後に見せられたが、これを90分間継続したい」と副島監督。

後半44分、中央突破を図る郡司侑弥(同)

例えば前半29分には升田大誠の直接FKが相手GKを襲い、38分には郡司侑弥が左コーナー付近から中へ持ち込んでシュート。40分には大きなサイドチェンジから、右の甲高柊汰がスピードに乗ったドリブルでエンドライン際を切り裂き、シュートを放った。

また後半アディショナルタイムには熊谷誠也がペナルティアーク左で倒されFKを獲得、だが郡紘平が蹴ったボールはバー上へ外れた。「相手の迫力がキッカーにプレッシャーをかけていたと思う。そういう駆け引きを上回れるかなど、まだまだ課題がある」と駒崎。

次節は5月15日、アウェーのシティー・フットボール・ステーション(栃木市岩舟総合運動公園内)で、栃木シティFCと対戦する。「いいゲームはできているので、自信を持って伸び伸びとやれば結果はおのずと付いてくる。今季はわれわれもメンバーが大きく変わった。サポーターが次も来てくれるようなレベルの高い、見応えのある試合をしながら一つ一つ結果を出し、チームとして上位進出と昇格を見据えていきたい」と副島監督は話している。(池田充雄)

「知床事故の影響ない、より一層安全安心に」霞ケ浦観光船

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霞ケ浦の土浦港に停泊する観光船ホワイトアイリス号=土浦市川口

ゴールデンウイーク(GW)が29日始まった。コロナ禍、行動制限のないGWは3年ぶりだが、北海道、知床半島沖で起こった観光船遭難事故の影響は出ていないのだろうか。

土浦港から霞ケ浦を周遊する観光船を運行するラクスマリーナ(土浦市川口、社長・片山壮二副市長)の高野利夫専務は「今のところキャンセルなど知床の事故の影響はない」とし「今までも安全運航を第一にやってきたが、知床の事故を踏まえ、より一層安全安心に運航していきたい」と話し、身を引き締める。

同社が運行する観光船は、遊覧船「ホワイトアイリス号」(定員86人)とクルーザー遊覧艇「KLM」(定員9人)だ。午前9時30分から午後4時30分まで1日最大10便、霞ケ浦の沖合いを約30分間周遊する船の旅を提供している。船上から望む筑波山や阿武隈山脈などの景色が見どころだ。5月20日から6月19日までは「潮来あやめまつり」に合わせて、土浦港から潮来まで運航する。携帯電話は湖心も含め霞ケ浦全域で通じるという。

出航前に毎朝点検

安全に運航するため、同社では出航前に毎朝、エンジンや船体に異常はないか、救命胴衣などは整っているか、警笛は鳴るかなどを点検しているほか、乗員全員のアルコール検査を実施している。年1回、警察や消防の協力を得て、船上で落水者救助訓練と消火訓練にも取り組んでいる。

運航を中止する基準は、風速毎秒15メートル以上、波の高さ1メートル以上、肉眼で確認できる視程100メートル以下と運航管理規程で定めている。

27日には、国交省関東運輸局の立ち入り検査があり、問題なしとの判定を受けた。知床の海難事故を受け、国交省が全国の観光船運航事業者を対象に一斉に実施している緊急安全点検だ。

点検では、同社が国交省に届け出ている安全管理規程や運航基準、作業基準、事故処理基準などの書類が整っているかや、規程にもとづいて日々の点検や運航が実施されているかなどを、関東運輸局職員が出航前点検簿などを見て確認した。さらに船内に立ち入り、救命胴衣や浮器(救命いかだ)などが備えられているかなどを点検したという。

湖上スクール、今年度は予算が削減

ホワイトアイリス号は、流域の小中学生などが湖上に出て霞ケ浦の水質などを調査する県の事業「霞ケ浦湖上体験スクール」などに年300回程度利用されてきた。しかしコロナ禍の2年間は利用が半減していた。今年度は県の予算削減により開催回数が3分の1に減る予定だという。(鈴木宏子)

◆霞ケ浦観光船の乗船料金は大人(中学生以上)1570円、子供(小学生)780円など(いずれも消費税込み)。ホワイトアイリス号で運航するが、乗客数が5人以下の場合はクルーザー遊覧艇KMLになる場合がある。春から秋の出航時間は午前9時30分、10時、10時30分、11時30分、12時30分、午後1時30分、2時30分、3時30分、4時、4時30分の1日最大10回。運航時間はいずれも30分間。

◆潮来あやめまつりの運航は、嫁入り船が出る5月20日(金)~6月19日(日)の水、土、日曜で、土浦港の出航時間は午前11時、午後2時、7時30分など。潮来までの乗船料金は往復が大人3760円、子供1880円。片道は大人2200円、子供1100円(税込み)。運航時間は片道1時間20分。1台300円で自転車の持ち込みもできる。

◆ホワイトアイリス号の定員は86人だが、現在コロナ対策のため40人までとしている。予約申し込みは電話029-822-2437(ラクスマリーナ)。

あの子は冷蔵庫に住んでいる 《短いお話し》2

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【ノベル・伊東葎花】

あの子は冷蔵庫に住んでいる。

きっと暑いのが苦手なんだ。

冷蔵庫に住んでいるけれど、中の物を食べたりしない。

ただ静かに、息を潜めているんだ。

最初の出会いは春休み。

プリンを食べようと冷蔵庫を開けたとき、あの子がいたんだ。

イチゴ模様のタッパーの上に、ちょこんと座っていた。

つぶらな瞳の可愛い女の子。

思わず見とれていたら「早く閉めなさい」とママに叱られた。

あの子は、ぼくにしか見えない。

パパが冷蔵庫から出したビールの缶に、あの子がうっかりくっついてきてしまったことがある。

水滴と一緒に張り付いて、冷蔵庫から出てしまったんだ。

パパは何も気にせずに、テレビを見ながらビールを飲んだ。

ぼくはそうっとあの子を手のひらに乗せて、冷蔵庫に戻してあげた。

あの子はホッとした顔で、お礼代わりに小さくウインクをした。

あの子はいろんな所にいる。

たまごの上、ジャムの瓶、お肉のパック、ヨーグルトの上。

あの子を見たくて冷蔵庫を開けていたら、やっぱりママに叱られた。

「早く閉めなさい」

五月を過ぎて気温が上がると、冷蔵庫はぎゅうぎゅう詰めになる。

あの子はコロコロ場所を変え、それでもちゃんと座っていた。

ある夜、すごい雷が鳴って、町中の電気が消えた。停電だ。

ぼくは何をおいてもあの子のことが心配だった。

「ママ、停電になったら、冷蔵庫の中は大丈夫かな」

「大丈夫よ。このくらいで腐ったりしないわ」

ママはそう言ったけど、ぼくは心配でたまらなかった。

真っ暗な中で怖がっていないかな。

溶けていなくなったらどうしよう。

しばらくして、電気がついた。たぶん3分くらいだったと思うけど、ぼくにはすごく長い時間に感じた。

真っ先に冷蔵庫を開けると……あの子がいなかった。

どこにもいない。まさか本当に溶けてしまったのかな。

「早く閉めなさい」とママに言われても、ぼくはしばらく動けなかった。

それからは、冷蔵庫を開けるたびに悲しくなった。

あの子がいない。あの子が消えた。

季節は夏に向かっているのに、ぼくの心は氷河期だ。

汗ばむ季節が来て、学校から帰ると「アイスがあるよ」とママが言った。

手を洗って冷凍室を開けると、ひんやりした空気の中につぶらな瞳が見えた。

あの子だ。あの子がいた。

氷の妖精みたいな白いドレスを着て、アイスの蓋にちゃっかり座っている。

そうか。夏が来る前に、冷凍室に移動したんだね。

「きみは本当に暑がりだね」

嬉しくなって何度も何度も冷凍室を開けていたら、やっぱりママに叱られた。

「早く閉めなさい」

あの子に小さく手を振ると、すました顔で無視された。

冷たいなあ~。(作家)

「稼げる大学」へ 挑戦を前向きに検討 筑波大 永田学長が所信

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定例記者会見で所信を表明する永田恭介学長=28日、筑波大学大学会館

筑波大学(つくば市天王台)の定例記者会見が28日開かれ、永田恭介学長が2022年度の所信を表明した。現在国会で審議中の国際卓越研究大学(稼げる大学)法案について、認定を受け「10兆円規模の大学ファンドに挑戦することを前向きに検討している」と表明した。

国際卓越研究大学は、世界最高水準の研究大学をつくるため国が認定する制度で、認定要件は、国際的に卓越した研究成果を創出している、財源の多様化や大学独自基金など財源に裏付けらえた事業戦略と財務戦略があるなど。全国の国公私立大の中から数校程度を認定するとされ、選ばれれば、科学技術振興機構(JST)に設置される10兆円規模の大学ファンドの運用益の中から、年間で数百億円単位の助成が得られるとされる。一方、認定された大学は年3%程度の成長を求められ、達成できない場合、認定を取り消すこともあるとされる。

年3%の成長率達成について永田学長は28日「筑波大学はこの10年間、国から交付される運営費交付金は約400億円とほぼ変わらないのに対し、総事業費は約780億円から約1060億円になり、指定国立大学法人(9大学)の中では京都大学に次いで2番目となる2.8%の成長をしてきている」と話し、「筑波大学は伸びる余地があるので、20年間ぐらいは(3%達成が)できるだろう」とする見通しを示した。

大学の独自ファンドを設立するための準備もかなり進んでおり、今年度中に立ち上げが可能だとし、8大学と地方銀行が独自ファンドを設立する準備を進めていることを明らかにした。海外の未公開株を中心に投資し、運用益でスタートアップ企業を育成するという。

同大は今年4月から、世界最高水準の教育研究活動の展開が見込まれる指定国立大学法人になった。2022年度はさらに第4期中期目標期間の始まりの年でもあり、永田学長は所信で「固定化した社会や価値観を変える」と表明し、学群入試の見直し、研究力の強化、経営体としての大学への転換などに言及した。

廃案求め署名活動も

一方、国際卓越研究大学法案に対しては、筑波大教員を含む全国の国公私立大の教員らでつくる「『稼げる大学』法案の廃案を求める大学横断ネットワーク」が、①大学の認定に政治判断が優越しやすい仕組みとなっている②年3%成長という数値が一人歩きし、稼げる研究分野が優遇され、稼げないとみなされた研究分野や研究者が淘汰される恐れがある➂学外者を中心とする理事会などに大きな権限をもたせようとし大学の私物化を促す恐れがある④経営戦略が損失をもたらした場合、誰がどのように経営責任をとるのか定められていない⑤大学間や地域間の格差を著しく拡大するーなどと批判し、廃案を求める署名活動を展開している。(鈴木宏子)

2×3は5でもいい 《写真だいすき》7

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海の記憶

【コラム・オダギ秀】ボクの人生は、ずっと、2掛ける3は6、を正解としてきた。ところが、そんなことにこだわってはならないのか、と思わせられることが起こった。これまでの人生を否定されたような、衝撃が走った。

ある日、写真の先生のボクは写真教室で、得々と生徒の作品の講評をしていた。「ここは入れないで、カットした方がいがっぺえ」と、いうようにだ。で、最後に「でも、カメラが傾いているから、カメラが曲がらず、真っすぐだったら、もっとよかったねえ」と付け加えたのだ。

すると、あるベテラン生徒が手を挙げて言った。「でも先生、許容量ってあるんじゃないですか」

はあっ! ボクは狼狽(うろた)えた。そうかあ、許容量の範囲なら、2×3は、5でも7でもいいのかあ。正しい答えにだいたい近ければ、当たりにしたほうがいいのかあ、と思った。

そんなに厳しく正解を求めなくとも、だいたい合っていればよし、とする優しさが、必要なのかも知れない。ボクは、何十年もスバリ正解を求めてきた。何をやってきたんだろう。

そういえば、数年前には円周率は計算がしやすい3にしようと、文科省も優しさを見せていた。ボクは、円周率3.14も、正解ではなくて、3.1415926535897932384626433832795……だって、まだダメなんだと思ってきた。ファジーな価値観を持つ人もいるんだ、と人生がひっくり返る思いで知った。

レンズ遠近感、色彩遠近感、空気遠近感

最近は、注目され販売量が増えて儲かることこそ価値があるとされているから、写真でもテレビなどのCMなどでも、色彩がケバく、目立って眼を引くものがとても多い。自然な色彩を美しく見せるのではなく、派手な眼を引く色彩に仕上げる。

だから、植物の色なども、人工的な、あり得ないほどドギツイ色になっていて、それをいつも見ていると、そんな色が正しい色と思うようになる。それを、当然のように「きれい」と言う、思う、信じる。色の差だとか、違いとか、色の持つ感情や心など、まったく関係なしになる。

たとえば遠近感というものには、様々な種類があるが、とくに写真が表現する遠近感で重要視されるのは、レンズの焦点距離による遠近感、色彩感からくる色彩遠近感、空気感がもたらす空気遠近感なのだが、レンズの焦点距離による遠近感のみしか意識していない人が多い。

だから、写真の奥行とか厚みとか深さの表現など気にもならない、というより、考えようともしない。だいたいこんなもんでいいだろうとか、これでもういいと納得する。(ありゃ、これはちょっと難しい話になっちゃったかな)

許容量ってのは、いいかげんにしていいってことなのだろうか。厳しい時代になったもんだ。(写真家、土浦写真協会会長)

<今日の写真>

水平線を水平に撮るというのは、基本中の基本。つまり、カメラを傾けないで撮影するということ。どんな大工さんも、家を建てるのに傾かないように建てることと同じ。この写真は、水平線を傾けずに撮っている。表現意図によっては、わざと傾けることもある。傾けると、不安感などを表現できる。傾いたビル、不安だろ?

「常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり」に応える 市立博物館

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「八田知家と名門常陸小田氏」展が開かれている土浦市立博物館=同市中央

【寄稿】先般、本サイトに「常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり」と題するコラム(4月20日掲載)が寄せられました。ここでは主に、1.八田知家の「筑後改姓」は誤り、2.知家と小田氏の評価に違和感がある、というご意見をいただきました。今回は、この場をお借りして、寄せられたご意見に応えてみたいと思います。

1.「八田知家の『筑後改姓』は誤り」について

筆者・高橋恵一氏の趣旨は、八田知家に始まる一族は「筑後」に「改姓」したという『土浦市史』の説は誤りであり、展覧会はこれを踏襲している、というものでした。

しかし、本展覧会では、『土浦市史』の記述を受け継いではいません。私たちも「改姓」したとする『土浦市史』の記述は誤った認識であると考えています。

まず、知家の氏(うじ)は藤原、姓(かばね)は朝臣(あそん)です。これらはいずれも変えていません。本展覧会では、「筑後」を「苗字」ではなく、「名乗り」として紹介をしています。この「筑後」の「名乗り」は、『吾妻鏡』にも登場しますが、極楽寺に寄進された鐘(現土浦市等覚寺所蔵・国指定重要文化財)の「筑後入道尊念」という銘や、茂木文書に「故筑後入道」という記載にも表れます。特に、極楽寺の鐘銘は、知家自身が寄進者ですので、知家が自ら「筑後」を名乗っていたことが分かります。

この名乗りについて、確認しておくべき前提が二つあります。すなわち、①鎌倉時代の「名乗り」は今日における「苗字」とは異なり、一つではないこと、②武士の名乗り=地名とは限らないことです。

まず、①について。鎌倉時代においては、拠点とする場所(「名字の地」)を冠して名乗りとしたり、就いた役職や官位によって名乗りを改めることは頻繁に行われていました。卑近な例でいえば、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公北条義時を挙げることができます。「北条」を名乗る一門に生まれた義時ですが、江間(現静岡県伊豆の国市)に領地を得ると、「北条」と合わせて「江間」を名乗ります。このように、当時の「名乗り」は時期によって変わるものなのです。

次に②について。たしかに、鎌倉時代の武士は多くが本領とする場所の地名を名乗りに用いていました。しかし、領地とともに大切なのが、官位、すなわち身分の序列でした。これを重んじた場合、名乗りは土地のみならず、官位に連なる役職も含まれます。伊賀守を名乗りとした伊賀氏(のちの飯野氏)や、紀伊守の位を得て豊島氏から改めた紀伊氏などの例があります。常陸国(現茨城県)を例にしてみても、府中(現石岡市)を治めた大掾氏(だいじょうし)は官位に基づく名乗りです。また、国府の役人であった税所氏(さいしょし)の名乗りは、その役職に由来しています。このように、一族の名乗りは、必ずしも土地のみに縛られるものではありませんでした。

問題の「筑後」もまた、官位に由来する名乗りです。当時は官位や土地に由来する名乗りが数多くありました。この時期は名乗りにとって黎明期といえる時代なのです。

当館といたしましては、これまでの研究成果を参照しつつ、今一度史料を読み直した上で、今回の展覧会に至りました。現時点においては、遺された歴史資料に基づいて、当館は知家以降、4代小田時知の登場にいたるまで、一族の名乗りは「筑後」であったという見解を採りました。もちろん、今後新たな中世史料が発見された際には、「筑後」の「名乗り」を見直すことはあるかもしれません。

2.知家と小田氏の評価について

高橋氏は、知家や小田氏をマイナー脚色するものであるとして、本展覧会を評価されました。しかし、本展覧会は、約600年にわたる時間軸の中で、知家から始まる15代の当主、さらにはその子孫の系譜をたどったものです。これほどの長きにわたり、滅びることなく土浦・つくば地域を支配し続けることは容易ではありません。さらに展覧会では、関東の名門武家として認識されていくさまも紹介をしています。本展覧会のタイトルに「名門」の二文字を記した意図は、ここにあります。

また、15代氏治についても、これまでのような「戦に負け続ける武将」というイメージを払拭し、名門武家として生き残りを図った当主という面を評価しています。本展覧会で紹介したのは、難しい時代の変化の中で、一族の栄枯盛衰はありつつも、その系譜を絶やすことなく続けてきた一族の歴史、そして常陸国を離れたのちも、旧家臣との交流を有していた姿です。

未だ謎は多く残されていますが、本展覧会では希少かつ貴重な歴史資料を基にして、一族の歴史を描くことを試みました。展覧会の会期は残りわずかとなりましたが、八田知家に始まる名門武家小田氏につきまして、今後も様々なご意見をいただきながら、これからも検証を深めてまいります。(土浦市立博物館)

もふもふ セントバーナード子犬5匹 つくばわんわんランドに

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抱っこされ来園客の撮影に応じるセントバーナードの子犬=つくば市沼田、つくばわんわんランド

日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久社長)にこのほど、超大型犬セントバーナードの子犬5匹がやってきた。ゴールデンウイーク中の30日から5月7日までの6日間、期間限定で、触れ合いイベントを開催する。

同園の酒井真希人さんは「子犬の時期はあっという間に過ぎてすぐに大きくなってしまうので、今のかわいい姿を多くの人にご覧いただき、癒されてください」と話している。

つくばわんわんランドにやってきたセントバーナードの子犬5匹

生後2カ月の雌3匹と雄2匹で、栃木県生まれ。現在の体重は約11キロ、体長約60センチで、成長すると体重80キロほどになる。

普段は子犬展示館近くの屋内で生活している。隣接する屋外の芝生スペースに出ると、すぐに来園者の人だかりができる。26日、友人3人で来園したつくば市内の女性は「もう、かわいいだけ」「癒される」「抱っこされてパンダみたい」と話し、スマートフォンで写真や動画の撮影をしていた。

将来は園内にセントバーナード専用犬舎と放飼場を新設し、成犬10~15頭と触れ合える場所をつくる予定だという。

昨年、同園では、4歳のセントバーナードももたろうが死んだ。アイドル犬でもあったことから花を供えに来たファンもいた。スタッフも大きなショックを受け、その時からセントバーナードのふれあい施設をつくることが目標になったという。

同園は約90種500匹の犬や猫と触れ合える施設で筑波山の麓にある、コロナ禍の2020年のゴールデンウイークは緊急事態宣言により休園、翌21年は東京都などで緊急事態宣言が発令され来園者が落ち込んだ。外出自粛などの規制がないゴールデンウイークを迎えるのは3年ぶり。

動画はつくばわんわんランド提供

◆セントバーナードの子犬と触れ合うことができる日時は、4月30日(土)、5月1日(日)、3日(火・祝)、4日(水・祝)、5日(木・祝)、7日(土)。時間はいずれも午後0時15分からと2時45分からの1日2回、各30分間、場所は園内のダックン広場。触る際は手を消毒することが必要。子犬の体調などにより内容が変更または中止になることもある。

◆GW特別イベントとしてほかに、つくば国際ペット専門学校現役講師陣によるしつけ方教室、お手入れ教室、ドッグスポーツアジリティー実演のほか、小型犬こいのぼりレースショー、大型犬バトルボール、わんわんレースショーなどが催される。開園時間は午前10時~午後5時。入園料は中学生以上1500円、小学生以下700円など。問い合わせは電話029-866-1001(同園)。