土曜日, 2月 24, 2024
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負担軽減へ 小中7校、洞峰公園のプール利用を検討 つくば市が3カ所で説明会

つくば市二の宮の県営の都市公園、洞峰公園(20ヘクタール)を、つくば市が県から無償譲渡を受ける方針をめぐる市民説明会が22日、市内3カ所で実施された。五十嵐立青市長は、谷田部東中地区と並木中地区の小中学校7校の児童生徒に洞峰公園のプールを使ってもらうことを検討していることを明らかにした。 老朽化により来年度、大規模改修を実施する計画だった並木中プールの改修費用を試算したところ、5000万円から1億円かかることが分かったとして、7校のプールの維持管理費(大規模改修を含む)が年間2300万円から3700万円かかっており、児童生徒が各校から洞峰公園に行くとするとバス代が1300万円であることから、バス代を差し引いても洞峰公園プールを利用してもらう方が年間1000万円から2400万円プラスになり、その分が、市が新たに負担することになる洞峰公園の年間維持管理費約1億5000万円の低減につながるなどとした。 無償譲渡を受ける今後のスケジュールについては、8月にアンケートを実施し、すべてがスムーズに行けば、9月議会に県から無償譲渡を受ける条例改正案を市議会に提案、10月に市に移管になるとした。大井川和彦知事も7月6日の定例記者会見で、移管の時期を「順調に行けば10月になる」との見通しを示している。8月に市が実施するアンケートの設問や方法などはまだ決めてないとした。 今後の洞峰公園の管理方法については協議会を設置し検討するとし、協議会の構成は自治会、愛好者団体、商工団体、学識経験者などを挙げた。 22日の説明会は市北部の大穂交流センター、洞峰公園体育館、市南部のふれあいプラザで実施され、大穂には26人、洞峰公園50人、ふれあいプラザには16人が参加した。 午前中実施された大穂交流センターでは「(年間維持管理費の)1億5000万円をかけて市が引き取ってやる意味が全然分からない」など無償譲渡を受けることに反対する意見と、「洞峰公園の美しい自然と静かな環境を子供や孫に伝えていくべき」など賛成意見の両方が出された。「協議会に分科会を設置しいろいろな方面の意見を聞いてはどうか」などの提案や、「今のように庭園として管理するのではなく自然公園として管理すれば維持管理費がかなり安くなる」などの提案もあった。 午後からの洞峰公園体育館では、無償譲渡を受けることに賛成する意見や市長への感謝の声が多く出された。夜開催のふれあいプラザでは、説明会開催を告知する市の広報が少なく、地元茎崎地区の参加者が少なかったことについて「市は本当に(茎崎の住民に)参加してもらいたかったのかと(疑問に)思う。1億5000万円使ってもしょうがないねと思ってもらえるよう、洞峰公園に興味がない人に知ってもらう努力をすべきではないか」などの苦言も出た。 最終回となる4回目の説明会は28日午後6時30分から、洞峰公園筑波新都市記念館で実施される。(鈴木宏子) 次ページは大穂交流センターでの第1回説明会のやり取りの概要 【28日午後追加掲載】説明会には県都市整備課の大塚秀二課長らも出席した。22日、大穂交流センターで開かれた1回目の参加者と五十嵐立青市長及び県都市整備課長との質疑の概要は以下の通り。 参加者1 いろいろご説明いただいたが、要約すると結局、茨城県のパークPFIが嫌だからそれを阻止するために引き取って、つくば市が1億5000万円負担しますという話ではないか。1億5000万円かけて何が変わるかと言うと、いろいろ取り組みますという話はあったが基本的に今まで通りという話だった。それって何のメリットがあるのか、非常に疑問。なぜパークPFIをつぶさなきゃいけなかったのか、よく分からない。グランピングをやるから問題なのかというと、例えばゆかりの森でバーベキューをやっていて、あそこで問題が起きているのか、騒音が起きているのか、悪臭があるのか、治安が悪くなったのか、そんなことはない。(市が無償譲渡を受けるという説明について)何のためにやるのか全然分からない。修繕費も大丈夫だという説明があった。総合運動公園の時も前の市長が同じような説明をされていた。要はお金をかける価値があるかどうかだ。年1億5000万円かけて県から引き取ってパークPFIをつぶす意味が全然分からない。つくば市の仕事は、県により良いパークPFIにしていただいて、不安に思っている方に理解してもらうとか、心配している点を解消するよう県に変えてもらう方向にもっていくのが本来の姿ではないか。なぜパークPFIをつぶして引き取らなきゃいけないのか教えていただきたい。 市長 費用の話とパークPFIの話があった。費用に限ってみれば、学校プールで地域で利用できるようにする。長期的な学校プールの大規模修繕費を考えると、周辺の学校を全体でならして計算すると年間2000万円から3000万円くらいになる。子供たちが通うバス代はいくらかというと千数百万円。それだけで見ても1億5000万円は十数年あれば十分回収できる金額。金額だけでそういうメリットがある。パークPFIに反対しているのではない。パークPFIにするにせよ、民間が入るにせよ、入るべき場所に適切に入るのは私は歓迎する立場。洞峰公園のパークPFIの中身がどうかというと、住宅街の中で、文教地区になっていて、ビール工房とかグランピングとかが入ってきて、これまで積み上げられてきた様々な環境が影響を受け、樹木もかなりの数、伐採する計画があったので、伐採してしまえば生態系は元に戻らない。グランピング、駐車場拡張、樹木伐採のような形ではないものに、ということは(県に)いろいろ話をしてきた。オブザーバーの形で県に心配点は伝えてある。そもそもグランピングは作れない場所なので、できませんよとお伝えしてきた。ただ当時の県の説明ではグランピングがないと収益として成り立たたないから、絶対やらなくちゃだめなんだという話があった。別のパークPFIならよかったのかもしれないが、このプランに関しては交渉の余地がなかったということが今に至る流れ。費用面では学校プールの足し算、引き算で十分黒字になる可能性がある。パークPFIはいいものであれば私も賛成。よりよいものになるよう相談したが県はできないという結論だったので、市が引き取ることによってこの環境を守りながらよりよい形に生かしていこうと考えた。 参加者2 洞峰公園ができた頃は経済環境も国力も全然違っていた。官じゃないとできないことだけをやる観点でお考えいただきたい。ほとんどの市町村は人口オーナス期(人口構成が経済の重荷になる時期)の状況になっている。つくば市は人口が1割ぐらい増えている。税収を含む歳入の伸びはプラスに切っている。そもそも洞峰公園をいる、いらないの議論が最初になきゃいけない。最後は民意しかない。十分に議論を尽くして、公益性、公共性の価値がある公園であるのか、民主主義の原点に立ち返る判断をしていきたい。今回なさる市のアンケートについては、アンケートはいかようにも解釈できるので、選択肢とか解釈は十分考えてほしい。 市長 洞峰公園を残す必要があると政治家として判断している。だからといって1人で決められるものではない。皆さんと対話する機会をいただいたり、民意の究極の表出は市議会での議決になるので、議員の皆さんにもご理解いただけるようにしたい。大枠としてはご理解をいただいているのではないかと考えている。2点目の、行政がやらなくちゃいけないことは何かということは難しいテーマ。民間の力をもっと使いたいと基本的には考えている。例えばまちづくり会社をセンター地区でつくった。プロフィット(利益)を生み出せる事業をしていこうと思っている。これについても市がやるべきだという声もあったりし、正解はない話だと思っている。民間で収益性が出せないけれども、守らなきゃいけない部分はコストをかけても守るというのが私の考え方。いろんな方から話を伺いながら進めていきたい。 参加者3 最初の方の質問の回答の中で、学校プールの修繕費が年2000万円から3000万円ある、1億5000万円は回収できるという話があった。学校プールとの足し算、引き算の話が理解できなかったので、詳しく説明していただきたい。 市長 洞峰公園の近くには谷田部東中学校区があり、小野川小、二の宮小、東小がある。並木中学校区には並木小、桜南小がある。プールの大規模修繕は20年程度で必要になる。小規模修繕もそうだが、20年、30年経っているところは大規模修繕が必要になる。並木中でいうと(大規模修繕を)5000万円ぐらいでできればいいと思っているが、高い金額だと1億円くらいいってしまう。これに加えて日々の修繕費がかかってくる。それを20年でみたときに大規模修繕費、年間維持管理費を足し算すると、並木中のプール改修費は設計委託で180万円かかっている。来年度やる予定なのは5000万円から1億円になる。プールの修繕サイクルを20年から30年とすると、年間で1校当たり300万円から500万円かかる。7校分のライフサイクルコストでいくと年割にすると2100万円から3500万円くらいかかる。施設維持費を含めて割っていくと2300万円から3700万円くらいになる。子どもたちが学校プールを使うのを止めて洞峰公園のプールで実施することになったら、バス代が最大限1300万円くらい、ライフサイクルコストの一番低い金額だとしても年2300万円なので年1000万円の黒字になる。3700万円の数字にすると年間で2400万円の黒字。7年で回収できる計算になる。 参加者3 やっぱり分からない。学校プールの毎年の修繕費と洞峰公園の維持管理費がどういう関係にあるのか。1億5000万円回収できるとか、学校プールの足し算、引き算という意味がわからない。 市長 それによって年間の赤字額が縮減される。プラスの効果を生んでいくということを説明している。 参加者3 洞峰公園(の管理運営)を市がやったからと言って、学校プールの修理費がいらなくなるわけではないですよね。 市長 今申し上げたプールは、いらなくする、使わなくするということだ。 参加者3 洞峰公園のプールを使うから、学校プールを廃止して、その分、足し算、引き算だということか。 市長 はい。みどりの地区に新しく造るプールがその方式だが、いま造っている学校も、今年4月にオープンした学校も、学校の中にプールをつくってない。みどりの地区に今、学校市民プールを作っている。学校の(プールの)授業はバスで子どもたちが行く。子どもたちが使わない時間は市民、地域の人が自由に使えるようにする。新しいプールを各学校につくるよりもコストがかからない。それと同じ考え方をここでもしている。 参加者3 その意味は、1億5000万円の洞峰公園の維持費を出す代わりに、それに相当する額の学校プールを廃止する、その足し算、引き算ということか。 市長 1億5000万円すべてではない。縮減効果をそれぐらいみているということ。ただただ赤字が増えていくということではない。 参加者3 資金ということを考えた場合、逆に毎年1億5000万円の資金があった場合、いくらの一時金を調達できるのかを考えると、今金利が低い時代なので正確には複利年金現価で計算しなければならないが、つくば市はだいたい20年で減価償却、残金償還している。単純にゼロ金利だとすると30億円の一時金が調達できる。言い換えれば30億円で洞峰公園で買うのと同じことだ。先ほどの学校プールだが、毎年2000万円ずつ修理費がかかるとなると、いくらの一時金が調達できるかを計算して、新しいプールをつくるのとどっちが得かなと計算するのが必要だと思う。そこまでお金をかけてパークPFIを嫌う理由がどこにあるのかという説明が必要だ。 市長 総合的に、コスト面、洞峰公園がもっている価値、市民からのさまざまな声を反映して、今回このような計画をご用意しただけ。市民がそれに反対して、議会が否決されるのであれば、民主主義ですからそういう結果になっていく。ただ今までの1000を超える方のアンケートを読むと、どれだけ公園に価値を置き、市民に必要な場所になっているかということを含めれば、私はこれを進めていくべきと考える。コストを最小化する努力は一生懸命する。 次ページに続く 参加者4 そもそも何ために洞峰公園を守るかを皆で共有したい。洞峰公園の魅力は美しい緑と静かな環境だと思う。つくば市の持続可能都市ビジョンがあるが、洞峰公園はその方向性に沿った公園だと思う。それからつくば市SDGs未来都市計画がある。この中で「公園の中に街があるような緑豊かなゆとりある街並み」という表現がある。まさにつくばの魅力ではないか。赤塚から松見までペデストリアンデッキがあって、西大通り、東大通り、408号の並木道、これは世界に誇る美しい環境だ。洞峰公園はその中核にある象徴的な公園だと思う。洞峰公園を大事にすることは私たちの願い、ビジョンに基づくものだと思う。そこで、公園を守るということのつくば市のビジョン、SDGsとの五十嵐市長の思いを語っていただきたい。洞峰公園は(都市公園法上の)総合公園だ(という位置づけ)、周辺住民だけじゃない、つくば市全体のものである、という意味はとても参考になった。今の県の公園でも、つくば市だけじゃなくて、県全体の人と共有したい美しい公園だと思う。パークPFIをやらないことのメリットを考えると、PFIをやってしまったらグランピングをやって、にぎわいをやって、多くの人を呼び込んで、駐車場を拡張して、一説によると数百本の木を切ってしまうという計画があった。収益を上げるために自然を壊してしまうことがどんなにデメリットなのか、自然を守ることは金銭に換算できない大きなメリットがあると思う。 市長 総合公園について、都市公園法上はつくば市全域が対象という位置づけになる。持続可能都市宣言に書いたことで大事にしていることは、我々は先人から引き継いで今の環境を預かっている。その時の思い付き、はやっていることだけでやってしまうとしんどいことになる、次の世代に責任をもって伝えることができなくなることは大きな問題になる。つくばの市長として、先人たち、積み上げによって守られてきたものを、経営が厳しいから全部民間にということは、生態系や皆さんが積み上げてきたものが崩れてしまうと思う。ただコスト度外視ということはいかない。1億5000万円ではなくて毎年何十億だよと言われたら現実的には無理。今の市の財政状況を考えて、例えば学校のプールとして使うことで少しでも縮減させていくことができたら、総合的に考えた上で、さらに協議会をつくって少しでも収入を増やすことをやっていいと思っている。洞峰公園の設計思想に合う事業なら積極的にやるべきだと思っている。当面は市が管理することが考えられるが、いろんな方からいろんなお知恵をいただいて、どういうものが設計思想を生かしながら収入面でもプラスになるか、地域の皆さん、市内全域の皆さんも納得感のある事業を考えていきたい。1億5000万円はそういうことをしないで今のままやったマックスの数字。今回多くの方が「ボランティアで(公園の手入れ)やるよ」「寄付するよ」と言ってくださった。ある議員さんは「絶対反対」だと言っていた。しばらくしてお会いしたら「考えを変えました」と。「洞峰公園に行ってきました」ということだった。いろんな森の中でいろんな活動をしているのを見て、真逆になって、「これはわれわれが議員として守らなくちゃだめだ」となった。 参加者5 最初の方の質問のような指摘があると思って、行政とは違う地域住民としてコメントということで発言させてください。あの公園は有料で使っている人が年間27万人いる。散歩をしたり、通学路で使ったり、公園に園児を連れてくる保育園や幼稚園もいっぱいある。目の不自由な方が伴走者と安心してトレーニングで走ったり、多様な使われ方をしている。朝5時からお年寄りや体の不自由な人が集まってラジオ体操している。ある日突然(パークPFIの)ポスターが張られて、説明会といって「公園に空き地があるから儲けろと県に言われました」と言って、事業者がグランピング建てて、ビール工房でビール売って、昼間から飲めるようにします、という説明会が去年の5月にあった。それで皆びっくりした。洞峰公園は年間50万人から100万人使っている。大きく変わるということで地域がびっくりした。それをきっかけに去年の4月からボランティア団体を始めて、けさも20人くらいで掃除してきた。絶滅危惧種の植物も生えているので自主管理させてもらったり、調査活動を学校の先生とやったり、木の観察会を子供たちとやったりしている。お金の話になると本当に申し訳ないと思っている。ただ、どの地域にも心に残る風景や場所がある。そこに突然知らないものがやってきて、とにかく子供たちが嫌だと言っている、つくばに移住していた若いお母さんたちが、こんなはずじゃなかったっていう声がいっぱい集まってきてしまった。県に何回もお願いに行ったが、知事の定例記者会見をご覧のように基本的には「やります」「やります」とそこを変えていただけなかったので、こういう結果になったんだと思う。これがまた白紙に戻ったら地域としては県にアプローチをしていかなくちゃいけないので頭が痛いところはある。今回いろんなタウンミーティングに行って、各地域にいろんな問題があることを知った。道路がまだないとか、水道がきてないとか、本当に勉強になって、そういうところに足を運んで、できることをしたいという気持ちだけはある。そういう気持ちが私たちの周りにはできている。大穂の皆さんや北条の皆さんも一緒に考えてほしい。つくば市のど真ん中にある緑の木を切っちゃう、沼のアシ原を切っちゃうって聞いたら、ただの汚い池になっちゃう。今もかなりアオコが出始めている。そうなった時、だれがどうするのか、皆で考えるきっかけにしていただきたい。地域住民のエゴととらえられるのが苦しいのでそこだけは理解いただけたら。 参加者6 洞峰公園の周辺に住んでいる。感情論しか言えない、金額は議会、市長にお任せするしかないが、つくばは本当にいいところだと日ごろ思っている。息子がゼロ歳の時からほぼつくばで子育てをした。洞峰公園は、本当に子どもが安心して過ごせるいい公園。ゼロ歳から、妊婦から、年齢、年齢で過ごし方があって、過ごす時間帯がある。パークPFIの話を去年聞いて、公園でお酒、公園でどんちゃん騒ぎできちゃうのって、素朴な母目線で、嫌だなというので、周りのお母さんたちと話して、誰一人、洞峰公園周辺じゃなくても、「それはちょっと」という声がいっぱいあった。このままであってほしいという思いを去年はお伝えさせていただいた。今のままの洞峰公園であるためには大井川知事が提示した無償譲渡、市への移管を五十嵐市長が受け入れようとしていることに本当にありがたいと思っている。生きずらさを感じている子供たちいっぱいいる。そういう子たちが一人でも安心してのびのび過ごせる場所があちこちにあればいいなというのが子育て世代の願い。その一つに洞峰公園はなり得る公園。プールの話、なるほどと思った。コロナ前は洞峰公園を活用している学校がもっといっぱいあった。フィールドワークのできる公園として利用してほしい。自由に過ごせる場、安心して過ごせる場としてこのままであってほしい。質問だが、万が一つくば市議会で否決されることがあった場合、県の管理のままでパークPFIが再開するという認識でいいのか。 県都市整備課長 今のご質問に対して案は持ち合わせていないが、今までの議論の経過や、パークPFIをこれからどのようにやるかを含めてもう一度考え直すことになると思う。今一旦止めているので、立ち止まってもう一度考えるタイミングにはなると思う。ただ今は、移管を前提にいろんなことを進めているので、そういう段階にはないということで、答えになっているかどうか、申し訳ないんですけど、グランピングをやるかどうかは、もう1回、市と協議させいただいて、どういう形がふさわしいかということを当然協議するということになると思うのでご理解いただきたい。 市長 何ともわからないところだが、全体的な県の流れは、いろんなものを民間に売却する方針になっている。これまでのプロセスではゼロか百かの議論でずっと進んでいた。グランピングを含めたパークPFIは一度も揺らいだことは無いので、普通に考えるとその流れなのかなという気はする。 参加者7 市民説明会の周知について、洞峰公園の説明会が3カ所で4回行われるが、場所と回数がかなり少ない。このような回数と場所で市民の意見を聞いたことになるのか。7月7日にネットで知らされ、ほんの数週間で説明会、わずか4回。私たちの住む地域ではほとんどの住民が説明会の開催を知らない状況にある。特に7月22日、23日は地域の祭り等の行事が多く、住民は夏祭りに参加して、説明会に来たくても来られない住民が多くいる。なぜこのような大きな問題となっている洞峰公園の説明会をわずか4回、しかも地域の夏祭りが集中する日に設定したのか、伺いたい。 市長 説明会は通常は何かやるときは、その施設のエリアと市役所の2カ所というのが多い。洞峰公園は総合公園で市全域に関わる話なので通常より拡大して南と北でやる、真ん中でも時間帯を変えてやるということをした。周知は各公園施設などでご案内した。通常よりもより広い形で市民の意見を伺ったと思っている。市には大きな事業だが説明会をやらないケースもある。皆さんの関心がひじょうに高いのでアンケートをこの後、実施する。設問の作り方によって、いくらでも誘導できるので、どういう形で市が取り組むかということをきちんとお伝えして、正しく事実を伝えながらバイアスがかからない設問を用意したい。(説明会の日程は)場所が空いている時間、スケジュールを見ながら今日になった。 次ページに続く 参加者8 洞峰公園にビール工房ができるとか、グランピングの場所になる、樹木が伐採されるという話を聞いた。五十嵐市長が大方この話に乗って進めようとしているのか、もしそうならとんでもないと思って出席した。説明いただいて五十嵐さんがそう考えているわけではなくて、県が考えて提案してきたことに対して、今この段階にきているという話を伺い安心した。協議会を設置して、これからいろんな角度から議論をしてよりよい答えを見出していきたいということだった。いろんな方面から意見を聞いていただきたい。(協議会は)規模として大きなものになるが、分科会的なもので議論して、ある時は全体が集まって意見を出し合う、こんな形の協議会にしていくようにしたらどうか。 市長 協議会の形はまだ検討している段階。(資料を示し)部会から1人出すだけでも10人超えるので結構な規模になる。どこまで全体で議論するのか、部会的に議論するのか、他の自治体でも協議会をつくっているところがあるので、先行事例を学びながら、今ご提案いただいたことも含めて考えていきたい。 参加者9 9月議会に関連予算や公園設置条例の改正を提案する噂が広がっている。現段階ではとても説明不足、情報提供不足はいなめない。市長は常々、対話を積み重ねていくとしている。今回、あまりにも簡単に進めていると思う。大変、将来負担が大きい事業なので慎重に進めていただきたい。ネットで知らせるだけじゃなくて、市報やかわら版を通じて情報提供していただきたい。県がバーベキュー施設、有料施設をつくって維持管理費を生みだそうと苦労している公園だ。鹿島セントラルホテル同様に頭を悩ませている公園だと思う。そういうものをあえて引き受けるのならなおさら、多くの市民に説明したり議論したり意見を聞いたりする機会をもっともっと増やしていただきたい。特に短期間の維持管理計画ではなくて、施設が老朽化してくるので、10年先、20年先を見据えた管理運営計画をつくって説明すべき。長寿命化計画もつくると聞いているので、きちんと情報公開していただきたい。 市長 これまでも様々な形でプロセスをすべていろいろな形で共有してきたと思っている。中長期的な修繕費は年額約3500万円という数字を出した上で説明した。どれだけ説明しても届かないケースもある。一番広く意見を伺えるのはアンケートだ。ぜひアンケートにご意見をいただいて最終的には議会に諮りたい。 参加者10 最初の方の危惧が気になった。県は、今年の方(担当者)は先ほど柔軟なことをおっしゃっていたが、去年の方は何も聞こうとしなかった。もう(パークPFIの指定管理者と)契約しちゃったんだからこれしかない、多少計画が変わったのは(指定管理者代表法人の)長大の方が引いていったんだと思う。県はまったく百、ゼロで、余地がないと思った。県は洞峰公園の実態を知らなかった。野球場がどのくらい使われているのか、中でキャッチボールしていても使ったことにしてない。業者の方も、もし儲からなかったらどうするんですかと聞いた人がいて、また聞きですけど、(業者は)いろんなことやります。どんなことに代えてもいいから儲けますと言ったそう。何をやるか分からない、県が止めなかったら何をやられてもしょうがない、これだとどうしようもないと感じた。そういう中で、知事がじゃあだめだったら無償譲渡だよと言って、市が受けてくださったのはまず良かったと思っていた。お金のことだが、1億5000万円という維持管理費はそんなにかからないのは間違いない。県は、県の事業でこれまで4000万円儲かっていたのを知ってたのに、それを考慮しないで、それでもパークPFIと言っていた。不思議なのは人件費がかなり積み上がっていること。積み過ぎだ。笠松運動公園の人件費は20人で5000万円いってない。洞峰公園の人件費は25人で8000万くらい。今度増やして1億円近く、9000万円とかになっている。どうやったら節約できるか、笠松の例をよく聞いていただきたい。とにかく地球温暖化をストップしなきゃいけないので、洞峰公園をそういう場にしてほしい。環境を守るということで洞峰公園を手に入れたと思っているので、環境のための洞峰だと言うことが分かるような形にしてほしい。 市長 (維持管理費は)一番固く見て、一番収入が少なくて一番支出が多い形で計算しているので、圧縮の可能性がある。通常こういう計画は、甘く見て、後で増える。(筑波研究学園都市は)一つの思想に合った部分、思い付きとかではなくて、ペデを中心に緑を生かしながらしっかりとした都市軸をつくってきた。その都市軸が、今回のパークPFIの当初計画では木が多く切られてしまい、合致しないものになってしまう。子どもたちに何であの時止められなかったのか、ということになってしまうので頑張っていきたい。 参加者11 今回、説明会を開いた理由は、洞峰公園で主にグランピングに対する反対があったからだと思う。これに対して市長と知事との間でどんなやり取りがあってここに至ったのかは説明いただいたが、今後も当事者間の意思疎通を密にして、市の公園であれば市の公園として、県の公園であれば県の公園として、ボタンの掛け違いが起こらないようにやっていただきたい。 市長 こうして県と連携を密にしながらやっている。鈴木県議が間に入って、調整していただいた。 参加者12 協議会をつくることは賛成だ。協議会の中で無償譲渡も含めて議論した方がいい。もっと話し合って考えればもっといい方法がある。先ほど女性2人が危機感をもって、子供たちのために環境を残したいと言ったのはもっともなこと。アンケートで、値上げしてもいいから環境守ってくれと言う意見が強かったことに五十嵐さんが感動していたが、それくらい強い思い入れがあることを大事にしないといけない。一方で、県の言い分をもう1回ちゃんと聞いてみると、総合公園、外部に向けた利用ということで五十嵐さんと県は考え方が同じだ。維持管理費だが現在、年間1億5000万円かかっている。半分が建物で、半分が緑地。緑地管理に7500万円かかっている。それを業務委託で6000万円浮かしたい。年9000万円は県がこれからも出していく。つくば市の費用負担はゼロですよということだ。先ほど、議会で否決されたら真っ暗になってしまうというご心配があったが、決して真っ暗にはならないと思う。むしろそこから考えた方がいい。まずは今の洞峰公園があのままでいいのか、年間7500万円の緑地の管理費はちょっとクレージー。水戸の偕楽園とか金沢の兼六園のような庭園公園の管理をいているからこんなにお金がかかる。庭園公園が本当に生態系を大事にしてるのかと言ったらそうではない。私は洞峰公園の昔の状態は知らないが、乙戸沼の状態は知っている。モウセンゴケがあって本当に自然豊かだった。今の乙戸沼公園はとても自然豊かな状態は思えない。洞峰公園も似たような状態だと思う。自然公園の管理をすると実はお金がかからない。たぶん3分の1か4分の1になる。自然公園の管理をしたらどうだろうねと、造園業者に聞いてみた。自然公園と庭園公園はどこがどう違うかと言うと、まず木の選定はやらない、木は間伐でいくが、伐採した枝や刈った草を外に持ち出さない。持ち出す管理費はべらぼうに高いので、そうすると本当に自然公園の管理をすると、管理費は3分の1か4分の1で済むことになる。ということになると、もっと今よりも自然公園として良くなる、お金もかからない、県の財政負担も減る、という解決策もある。それをぜひじっくり考えてもらいたい。今とにかく無償譲渡なんだ、地域エゴだ、そんなに金かかけるのはおかしい等の議論になって、お互い同士でいがみあうと不幸な結果になるので、ここはもう1回、むしろ議会で否決があれば、先が明るくなる気がする。ここでこのままいくと、財政負担の問題で、1億5000万円は決して小さくない。もう1回考え直して、何かいい解決法を探してはどうですかと申し上げたい。 市長 常に県と話をしている。私も知事と話をしている。今のところはこの形態で話を進めていく。ご提案があったように管理の仕方はいろいろな工夫の余地がある。それについては協議会をつくって、皆さんと管理運営で結果として市民の主体的な参加につながるものにしていきたい。 第1回説明会 終わり

宇宙飛行士候補者の諏訪さん、米田さん つくば市長を表敬訪問

つくば市千現の宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで基礎訓練を開始した宇宙飛行士候補者の諏訪理さん(46)と米田あゆさん(28)が18日、地元のつくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。 世界銀行の上級防災専門官だった諏訪さんは7月から、日本赤十字社医療センターの外科医だった米田さんは4月からそれぞれJAXAに入り、筑波宇宙センターで訓練を開始した。約2年間、訓練を続け、正式な宇宙飛行士を目指す。米国が主導する有人月探査「アルテミス計画」で、日本人として初めて月面に立つことが期待されている。 諏訪さんは「今までの宇宙飛行士とはちょっと違った(自身の)バックグラウンドが、有人宇宙開発の中でどういうふうに生きていくのかを考えながら訓練にあたっていきたい」と意気込みを述べ、「つくば市出身なので、高校卒業以来30年弱ぶりぐらいにつくばにお世話になることになり、わくわくしている。今朝は以前住んでいた並木地区を走ってきた。本当にふるさとに戻ってきたんだなと、気持ちを新たにしている」と話し、「茨城県に育てられたという思いを強く持っている。どこかでつくば、茨城に恩返しができたら」と話した。 米田さんは「つくばという地で新しいことをたくさん学んで、新しい知識を得た上で宇宙に行ければと考えている。ここが宇宙飛行士としての始まりの場になる。街中で見かけたときは声を掛けていただいて、茨城の皆さんと一緒になって宇宙に行ければ」と語った。筑波宇宙センターでは4月から、語学や体力訓練のほか、宇宙ステーションのシステムについて勉強しているという。 五十嵐市長は「宇宙飛行士がこれだけ身近にいるまちもなかなか無いと思う。今回お二人は厳しい選抜試験を乗り越えた。これからお二人が様々な活躍をするのを市としても全力で応援したい」と述べた。 諏訪さんは東京生まれ。2、3歳のころつくばに転居し、高校卒業までつくばで育った。東京大学理学部地学科卒。プリンストン大学大学院地球科学研究科修了後、青年海外協力隊員としてアフリカのルワンダに派遣。2014年に世界銀行に入り、今年6月までアフリカの防災や気候変動に取り組んだ。史上最年長の宇宙飛行士候補者に選ばれた。 米田さんは東京出身。東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センターの外科医として3月まで虎ノ門病院に勤務した。 つくばについて諏訪さんは「昔からあるつくばと、70年代、80年代の研究学園都市ができた時のつくば、TXができてから開発されたつくばの三つがよくなじんで新しい形の街になってきているなと感じている」と話した。米田さんは、つくば駅前の中央公園にある、ノーベル賞受賞者の業績やメッセージに触れながら来園者自身が銅像の脇に立つことができる「未来の台座」について「子どもたちや来てくれた人たちの気持ちを奮い立たせるいい作品だなと思った」と話し、「自然の中で、まち全体が新しいことにどんどんチャレンジしていくのは素敵だなと思いながら毎日訓練に励んでいる」と語った。 2人は共に、11月26日に開催されるつくばマラソンに出場する予定だという。(鈴木宏子)

小中学校のHP再開12月に つくば市 不正アクセスで停止

不正アクセスにより今年1月から閲覧できない状態になっているつくば市内全ての公立小中学校と義務教育学校48校のホームページ(HP)について、再び閲覧できるのは今年12月になる見通しであることが分かった。停止期間は異例の11カ月間に及ぶ。 小中学校などの教育情報ネットワークを管理運営している市総合教育研究所(同市大形)によると、各学校のこれまでのHPは同教育研究所が管理していたが、24時間監視できないなどから、これまでのHPを廃止し、新たに専門業者に委託する。8月以降、各学校で新しいHPを作り直して、12月から再び閲覧できるようにする。 6月議会最終日の23日、2023年度から28年度まで5年間の業務を専門業者に委託する予算と債務負担行為合わせて約2300万円を計上した。8月に委託業者の一般競争入札を実施し、契約後、各学校のHPを作り、12月再開を目指す。専門業者に委託することにより常に最新のセキュリティー情報を認識し不具体への対応を適切かつ迅速に実施するとしている。 不正アクセス後、同教育研究所が3月までに実施した調査によると、今年1月3日午後、香港のIPアドレスから侵入を受け、市内にある公立小中学校と義務教育学校計45校(当時)すべてのHPのログインIDとパスワードが書き換えられた。画面の改ざんなどはなかった。だれが、何の目的で不正アクセスし、ログインIDなどを書き換えたかは分からなったという。 不正アクセスを受け同教育研究所は1月5日、すべての小中学校HPを閲覧できないようにし、さらに11日、すべての学校のHPを停止した(1月11日付)。 HPが閲覧できなくなって以降、市教育局は各学校の必要な情報を市役所のHPに掲載しているほか、保護者にはデジタル連絡ツールを活用するなどして日々の連絡手段を確保しているという。 一方、卒業生や地域住民、新たに転入を希望する児童生徒や保護者には、学校生活の特色や現在の様子が分からないため、様子を知りたいなどの問い合わせがあるという。 同教育研究所の山田聡所長は「ご不便をお掛けしお詫びします。今後は安全で安心なセキュリティーを確保した上で再構築させていただきます」としている。(鈴木宏子)

24日から海外出張 五十嵐つくば市長

つくば市の五十嵐立青市長が24日、海外出張に出発した。7月1日まで7泊8日の日程でフランスとルクセンブルクを訪問するという。 今年3月31日、OECD(経済協力開発機構)の先進的市長(チャンピオン・メイヤー)に選ばれ、同先進的市長会議に参加したことから、27日にパリで関係者に面会する。29日にはルクセンブルクで、世界各国のICT(情報通信技術)業界関係者が集まる「ICTスプリング」に登壇し、つくば市の取り組みを紹介する。 市市長公室によると、24日から27日までパリに滞在し、新しい働き方として注目されている労働者協同組合の関係者と面会し視察や意見交換をしたり、文化芸術財団と意見交換する。さらにパリ市役所を訪れ労働者協同組合や文化芸術について話を聞く。27日はOECD先進的市長会議の関係者と面会する。 同先進的市長会議は、2016年にOECDが呼び掛けて立ち上げた先進的な取り組みを進める首長の会議で、格差や不平等をなくし、国連が掲げる誰一人取り残さない包摂的な都市の実現を目指す。約60の首長が参加し、日本からは小池百合子東京都知事、高島宗一郎福岡市長、福島県広野町長らが参加している。五十嵐つくば市長は、誰一人取り残さない包摂的で持続可能な社会の実現に向けた様々な施策を推進しているとして選ばれたという。 その後28日からルクセンブルクに移動し、29日にICTスプリングに参加する。世界約70カ国から5000人以上が集まるイベントで29、30日の2日間開かれ、企業によるブース展示やワークショップなどのほか、最新のデジタル技術とイノベーションをテーマに閣僚や著名人による講演やパネルディスカッションなどが催される。五十嵐市長は登壇者の一人という。 海外出張には市職員2人が同行するほか、つくばスーパーサイエンスシティ構想の全体統括者を務める市顧問の鈴木健嗣筑波大教授も同行する。 市長公室によると、海外出張費用は現時点で未確定だとしている。(鈴木宏子)

中長期の施設修繕費6億円 つくば市負担 縮減し年1億8600万円に 洞峰公園

無償譲渡を受けることが望ましいとして、つくば市が県と協議を進めている県営の都市公園、洞峰公園(つくば市二の宮、約20ヘクタール)について、五十嵐立青市長は23日、体育館・プール棟や新都市記念館など園内施設の中長期的な修繕費用は計約6億970万円かかり、年平均で3500万円程度になるとの見通しを示した。毎年の維持管理費約1億5100万円と合わせて市の費用負担は年約1億8600万円になる。 6月議会最終日の23日開かれた市議会全員協議会で説明した。無償譲渡に向けた協議の中で県から資料提供を受けるなどして市が算出した。 今年2月の議会への説明(2月14日付)では施設の修繕費用は、県が2023年度から27年度までに計画した大規模修繕費用と同額の年平均約7800万円かかり、年間維持管理費約1億5000万円と合わせて年約2億2800万円かかるとしていたが、2月の試算より年約4200万円縮減される。 園内施設の中長期的な修繕費用は、県がすでに実施した工事費や、目標使用年数を80年として県が策定した長寿命化計画の策定資料などから市が試算した。計約6億970万円の内訳は、体育館・プール棟が約4億6000万円、新都市記念館が約6900万円、トイレなどがあるフィールドハウスが約5600万円、運動用具倉庫やトイレ、井戸ポンプ、管理棟などが約2300万円。 算出にあたって市は5月、建築士に依頼し、体育館・プール棟、新都市記念館、フィールドハウスの3施設について、壁や天井など53カ所の調査を実施した。判定を「早急な修繕が必要な箇所」「近いうちに修繕が必要な箇所」「現状のままで使用可能な箇所(経過観察)」の3段階に分け、「早急に修繕が必要な箇所」12カ所については県と協議し、県が修繕を検討することになった。 さらに洞峰公園の指定管理者から施設や設備の状態を確認し、温水プールの室内暖房の故障など現時点で修繕が必要な12カ所についても、県が修繕を検討する。 県が27年度までに計画した年平均約7800万円の大規模修繕については、例えば県はフィールドハウスについて約1億4600万円で建て替えを計画していたが、市が実施した建築士の調査で「建て替えを行うほどの劣化は見られない」との判定が出たなどから、修繕内容を一部見直すほか、現時点で不具合がある設備については県が修繕を検討する。 県都市整備課は取材に対し「現時点で、故障などにより公園利用者に不具合がある設備については、修繕してから市に移管したい」としている。 市民説明会を実施へ 今後のスケジュールは、市が無償譲渡を受ける時期については、県による修繕が終わった後となり現時点で未定という。園内の洞峰沼は国有地であることから国との協議も今後必要になるとした。 一方、五十嵐市長は7月中に市民説明会を開くと話し、洞峰公園体育館で週末と平日に開催するほか、市北部と南部でも開くとした。合わせて市民アンケートも行いたいと述べた。 無償譲渡を受けた後の運営方法については「地域住民や公園利用者、有識者による協議の場をつくることを考えている」と述べるにとどまった。現在、スポーツ教室や文化教室などが開催されており、利用者サービスを低下させない維持管理方法を協議するため、当初、維持管理方法が定まるまでは、現在の事業者と業務委託などにより管理を行うことも検討しているという。 全協では議員から「洞峰公園を普段利用しない市民から反対の声が上がっている。1億5000万円の支出は市全体にとってメリットがあることを示すべき」「中長期の修繕計画にテニスコートや遊具が入ってないので計画を出してほしい」「樹木や洞峰沼の状況も県と情報共有し調査してほしい」「市として無償譲渡は決定していることか」「2023年度に市の公園にかかる予算は11億円強。洞峰公園の1.5億円は11億円の14%弱で決して少なくない。費用削減をしっかり考えてほしい」などの意見が出た。 市全体のメリットについて五十嵐市長は「遠方の方から『そこ(その地区)ばかり』という声が上がるのは当然。100%満足は難しい。各地区の公園を早急に前倒ししてきちんと修繕したい」などと答えていた。(鈴木宏子)

23年度売上1.6倍増目指す まちづくり会社が決算報告 つくば市議会

つくば市議会つくば中心市街地まちづくり調査特別委員会(塩田尚委員長)が20日開かれた。市が出資するまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が、2022年度3月期(22年4月-23年3月)決算と23年度の目標などについて報告した。23年度については、つくば駅周辺のロボット配送の運営などコンサルタント受託事業費が増えるなどから、22年度売上実績約8790万円の1.6倍の1億4000万円の売り上げを目指すとした。 設立2年目の22年度決算は、約8790万円の売り上げに対し約9775万円の経費(販売費及び一般管理費)がかかり約985万円の赤字(営業損失)となった。支払利息などの営業外損失を加えると当期損失は約2163万円(税引前)となり、これにより22年度末の負債残高は、社債などを含め約3億3226万円になった。 同社は第3セクターとして21年4月に設立された。市と民間企業3社による出資金1億2100万円のほか、社債を発行してファンド(投資信託)から3億1600万円の資金を調達して始動した。市が区分所有するつくばセンタービル1階を改修し、22年5月から「働く人を支援する場」として、貸しオフィスやコワーキングスペース(共同オフィス)、カフェなどがあるco-en(コーエン)を運営する。今年4月からは新たに市の指定管理者としてつくばセンター広場を管理、運営する。調達資金の元本の返済は24年度から始まる。 22年度決算は、co-en全体の売り上げが目標5637万円に対し81%の約4571万円で、経費などを差し引いた営業損益は、開業に伴う初期費用などから約1694万円の赤字となった。売り上げの内訳は、貸しオフィスが昨年8月に満床になり売り上げ目標3027万円に対し95%の約2900万円。23年度は2700万円の売り上げを目指す。コワーキングスペースは3月末の会員数が個人・法人合わせて39者(目標43者)で、売り上げ実績は目標2490万円に対し47%の約1171万円にとどまった。23年度は3000万円を目指す。カフェ(ビア&カフェエンギとシェアキッチン)からの収入は120万円の目標に対し4倍超の500万円、23年度の目標は120万円。23年度はco-en全体で前年度の1.27倍の5820万円の売り上げを目指す。 co-en以外の事業として、地下駐車場の売り上げが約1213万円、利益が約438万円、つくばエキスポセンター内のカフェからの収入が約80万円、ロボット配送などのコンサル受託費が2000万円超など計約4219万円の売り上げがあったとした。 23年度の売り上げ目標は、地下駐車場が1300万円強、エキスポセンターのカフェからの収入が200万円、ロボット配送の運営受託費などコンサル受託事業が5400万円のほか、つくばセンター広場の管理運営収入が市からの指定管理費と利用料金収入合わせて1000万円など、co-en以外の売り上げを22年度実績の1.9倍の8180万円にするとした。 議会特別委では、23年度の売上目標の内訳や、当初co-en内に計画されていた「子連れで働ける場」がいまだに開設されてない問題、つくばエキスポセンター内の「ほしまるカフェ」撤退後、今年4月オープンしたサンドイッチ専門店の業者選定の経緯、つくばセンタービル4階の吾妻交流センターをオフィスに改修する計画などについて議員から質問が出た。 吾妻交流センターについては、現在、市が改修工事を進めている市民活動拠点がつくばセンタービル南側に完成し吾妻交流センターが移転した後の来年6月以降に工事に着手する計画で、内山社長は、工事費用の約5000万円は、現在、手元にある現金及び預金3295万円と消費税の還付金約2500円でまかなえるとした。昨年6月の決算報告では改修費用をまかなうため増資を検討するとしていた(22年6月9日付)。 子連れで働ける場について内山社長は「(まちなかデザインの)持ち出しが出続ける事業は経営的に難しい。家賃は取れなくても自走していただける経営者を検討している」とし、吾妻交流センター跡の第2期工事の中で子育て支援拠点なども含め幅広く検討していくとした。吾妻交流センター跡は当初、貸しオフィスの増床が計画されていた。(鈴木宏子)

つくば駅前に戻して開催 まつりつくば2023

つくば市最大の夏祭り「まつりつくば2023」(まつりつくば大会本部主催)は今年、会場をつくば駅周辺に戻し、8月26、27日の2日間開催する。昨年初めて会場を研究学園駅周辺に移し開催を予定したが(22年6月27日付)、新型コロナの感染拡大により中止とした(8月6日付)。今年は例年通りつくば駅周辺に立ち戻る。 第40回目となる今年は、47万人が来場したコロナ前の2019年と同規模を予定し、4年ぶりの開催を目指す。つくば駅周辺のつくばセンター広場、大清水公園、中央公園、竹園公園などを会場に、ねぶたと市内の神輿などが競演する「まつりパレード」や、市内のグルメが勢ぞろいする屋台の出店、大道芸人によるパフォーマンスなどを予定している。 昨年は研究学園駅周辺で予定したが今年はつくば駅周辺に戻す理由について五十嵐立青市長は16日の市長定例会見で「複合的要素があった。パレードをする際にどのような形で実施できるかという調整の課題が多かった。今般、関係各位の理解を得て調整が十分できたので例年通りの開催ができる」などと説明した。 来年以降の会場について五十嵐市長は「多くの人がやはりあちら(つくば駅周辺)でやることを望んでいるので、そうでありたいと思っている」と述べた。 大会本部事務局の市観光推進課によると、2月に今年第1回目の本部会議を開き、会場をつくば駅周辺に戻すことを決めた。 4年前の2019年時点と比べつくば駅周辺はマンションなどの開発が進んでいる。まつりの2日間、パレード実施のため夕方から夜にかけて、つくば駅近くの土浦学園線の一部を通行止めにする。通行止めにより車の出入り台数を制限されるなどの影響を受けるマンション住民が増えているほか、まつりの資材置き場としていた空き地が減少したり、駐車場が減るなどしている。 同課によると現在、各マンションと調整を進めている。代替の資材置き場はほぼ確保できたという。駐車場については、今年はまつり関係者に公共交通機関を利用するなど呼び掛けるとしている。 まつりつくばは1981年に市民有志が開催したのが始まり。当初から現在のつくば駅周辺で開催され、1998年からは土浦学園線を通行止めにしてパレードが実施されてきた。新型コロナにより2020年から3年連続で開催中止となった。(鈴木宏子)

東海第2原発の廃炉求め つくば、土浦で一斉行動

原則40年、最長60年とされていた原発の運転期間を見直し、60年を超える運転を可能とするGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法が5月31日の国会で可決、成立した中、運転開始から44年の東海第2原発の廃炉を求める市民による一斉行動が11日、つくば駅前や土浦駅前などで実施された。 首都圏の脱原発市民団体などでつくる「東海第二原発いらない!首都圏ネットワーク」が呼び掛け、2021年から3カ月ごとに実施している一斉行動の一環。第8弾となる今回は9日から11日の間に、関東を中心に全国70カ所で実施され、それぞれ署名活動や街頭スピーチ、プラカードを掲げて街頭に立つスタンディングなどが展開された。県内ではほかに、龍ケ崎、牛久、石岡市、東海村などで実施された。 つくば駅前で11日実施された一斉行動では、同首都園ネットワークつくば・土浦実行委員会の6人が、「原発政策の大転換は許さない」「声を上げよう 東海第2原発はいらない」「福島を忘れない」と書かれた横断幕を掲示し、つくば駅やバスターミナルの利用者らに、東海第2原発の廃炉を求める署名に協力を呼び掛けたり、チラシを手渡すなどした。 つくば駅前での一斉行動を呼び掛けた市内に住む阿部真庭さん(75)は「福島の人たちの苦労を思うと、同じ過ちを繰り返してはいけないし、悲惨な人たちを再び生んでほしくない。ささやかな行動だが、モノが言える今のうちに言わないといけないと思う」などと話していた。(鈴木宏子)

一定期間、定期預金で運用 つくば市旧総合運動公園用地の売却益約42億円

つくば市土地開発公社(理事長・飯野哲雄副市長)が、同市大穂、旧総合運動公園用地約46ヘクタールを昨年グッドマンジャパンつくば特定目的会社に売却して得た利益約41億8000万円を、今年3月から、金融機関の定期預金に預けて運用している。同公社が6月1日開会の6月議会に提案する2022年度事業報告書の中で明らかにした。23年度は計約195万円の利子が付く見込みという。 売却金額110億円のうち、開発公社が市から借りていた約68億円は市に返済。残り約41億8000万円を、JAつくば市谷田部とJAつくば市の1年から5年の複数の定期預金に積み立てた。 市財政課によると、同特定目的会社との間で、10年間の間に土地売買契約上の債務不履行があれば市開発公社が土地を買い戻すという買戻特約登記を行っていることなどから、一定期間、開発公社の方で留保することとし、元本割れしない方法で運用することになった。 運用にあたっては地元金融機関を中心にヒヤリングを実施し、他と比較して高い利息で預けることができる2金融機関の定期預金に積み立てることを決めたという。預ける期間がどれくらいになるかや、将来、約42億円をどのように使うかなどは決まっていないとしている。 同用地は、市原健一前市長が総合運動公園を整備する計画を立て、2014年、市内の4金融機関から融資を受けて、同公社が約66億円で購入した。翌15年、住民投票が行われ、計画が白紙撤回された。16年、五十嵐立青市長は、同用地を「URと返還交渉する」ことを最大公約に掲げて初当選した。 その後、借入金返済に毎年3000万円を超える利息がかかっていたことなどから、つくば市は21年3月から10月まで計3回、開発公社に利息分を含めた計約68億円を無利子で貸し付け、同公社は借入金をすべて返済した。 五十嵐市長はさらに同用地を民間に一括売却することを決め、翌22年3月、市は売却先の事業者を公募し、4社の中から最も高い約110億円で購入するとしたグッドマンジャパンを選定した。同年9月29日付で所有権移転手続きが完了。市は今年2月21日、都市計画変更を実施した。現地には5月19日付で、10月1日から第一期工事を実施するという掲示板が出されている。(鈴木宏子)

10月着工、物流倉庫建設へ つくば市旧総合運動公園用地

つくば市土地開発公社が昨年、外資系物流不動産会社グッドマンジャパンの同つくば特定目的会社(東京都渋谷区)に約110億円で売却した同市大穂、旧総合運動公園用地(高エネ研南側未利用地)約46ヘクタールについて、同社が物流倉庫を建設する1期工事を、今年10月1日から2033年9月30日まで実施するとした開発行為許可申請手続きに基づく掲示板が、25日までに現地に掲示された。 掲示板によると、1期工事で建設する物流倉庫の建築面積は約3万6552平方メートル、延床面積は約14万1324平方メートル。建物は鉄骨造り、地上4階建て、高さは30.85メートル、建設棟数は不明。 グッドマンジャパン(東京都千代田区)の広報担当者は具体的な事業計画について「いろいろなプランを想定して検討している最中なので、コメントできない」としている。10年間で順次、建設していく計画だが、実際にどのくらいの期間で建設するかは未定という。住民説明会は近く開催するが、日程は現時点で決まっていないとした。 つくば市が昨年8月に発表した同社の事業計画によると、同社は約46ヘクタールのうち道路予定地を除いた面積の5割にデータセンターを7棟建設、同面積の4割に物流拠点を2棟建設し、全体面積の1割の約4.5ヘクタールにカフェや物販店、防災備蓄倉庫などを備えた防災拠点を整備する計画を市に提案し、4社の中から売却先に選定された(2022年8月30日付)。 売却後の昨年10月から市は都市計画変更手続きを開始し、同用地は今年2月21日、倉庫などが建設できる準工業地域に用途地域が変更されるなどした。(鈴木宏子)

災害ボランティアのトレセン来春開所 日本財団つくば研究所跡地

国内初、技術系エキスパートを育成 つくば市南原、日本財団つくば研究所跡地の一部に、日本財団ボランティアセンター(東京都港区、山脇康会長)が「災害ボランティアトレーニングセンター」を開設する。重機の操縦など専門知識をもった技術系ボランティアを育成したり、災害復旧に必要な重機やダンプ、資機材を配備して災害現場に貸し出すなどする。来年3月か4月に開所する予定だ。技術系の専門知識をもつ災害ボランティアを育成するトレーニング施設は国内初という。 研究所跡地約5万7000平方メートルのうち約5000平方メートルに整備する。現在、芝生の広場になっている敷地北側の運動場を重機操作などのトレーニング場とする。さらに来春までに研修室などの建物と、重機を駐車する車庫などを整備する。建物の規模や重機の配備台数、スタッフが常駐するかどうかなどの詳細は今後検討するという。 地震や土砂崩れなどが発生した場合、災害現場という特殊な環境で重機を操縦し、がれきや土砂を撤去したり、屋根の上など高所で作業したりなど、技術があり経験を積んだ人材が必要になることから、重機、ダンプ、資機材を配備して、操縦方法の講習会を開催し人材を育成する。 日本財団(東京都港区、笹川陽平会長)から敷地の一部を借りて、同財団ボランティアセンターが整備し、運営する。 開所に先だって23日同跡地で、消防士を対象に、重機の操縦方法を学ぶ「技術系災害ボランティア 重機操縦エキスパート講習会」が初めて開かれた。消防士の普段の仕事とは別に、休日にボランティアで災害現場に駆け付け、災害ボランティア活動をしている東北や関東の消防士らが参加し、災害現場を想定した重機の操縦方法のほか、段差の超え方、坂道の上り方や下り方などの方法を学んだ。25日まで3日間開催し、県内のほか山形、福島、埼玉、千葉などの消防士が各日約10人ずつ講習を受ける。 23日、休日を利用して講習会に参加した茨城西南広域消防本部(古河市)総和消防署当直隊長の小倉尚敏さん(47)は「災害現場で実際に重機を動かしボランティア活動をしている人から教わる機会はなかなかないので、貴重な経験になる。災害時にボランティアチームの一員としてお手伝いできたら」と話す。 講習会の講師を務める山形県の置賜広域行政事務組合消防本部消防司令補の我妻清和さん(40)は「参加者は人助けをしたいという気持ちで参加している。重機は危険を伴う作業なので、操縦方法を覚えるだけでなく、これをやったら危険だということを理解してもらえたら」と話す。来春開所するトレーニングセンターについては「重機がない消防署も多いと思うので、訓練施設ができるとボランティア活動のスキルをもった人が増える。とても重要な活動拠点になると思う」と話す。 技術系講習会は、今年秋から毎月1回程度開催し、重機の操縦方法のほか、倒木を除去するためのチェーンソーの使い方など資機材の操作方法の講習会なども実施する予定という。 同研究所跡地をめぐっては、新型コロナの感染拡大が始まった2020年4月、感染拡大による医療崩壊を防ぐ目的で日本財団が同跡地に約9000床の軽症者向け病床を整備すると発表し(2020年4月5日)、地元の五十嵐立青つくば市長が受け入れに難色を示した経緯がある(同4月6日)。一方、同年5月から8月に、研究所内にあった角水槽棟や回流水槽棟などの研究施設が解体、撤去され更地になった(同5月22日付)。 今年1月から2月末までは、日本財団から無償で土地の貸与を受け、県が200床規模の臨時の医療施設と、自家用車に乗ったまま1日300人がPCR検査を受けることができる発熱外来を開設した(22年12月2日付、27日付)。県の医療施設と発熱外来施設はその後撤去され、現在、つくば研究所跡地は更地になっている。(鈴木宏子)

「軍拡より生活を」女性ら30人が呼び掛け 20日つくばで設立集会

岸田政権の軍拡の動きに危機感を持ったつくば、土浦市など県内約30人の女性らが、「軍拡より生活 いのちを守ろう」と呼び掛け、20日つくば市内で「軍拡NO! 女たちの会・茨城」の設立集会を開催する。 法政大学前総長の田中優子さん、東京大学名誉教授の上野千鶴子さんらが今年1月、「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」を結成。2月に都内で「軍事費GDP2%を撤回し、女性や子ども、若者や社会的弱者の目線に立った政策を進める」などを求める声明を出し、7万5000人の署名を添えて与野党などに要求した。併せて日本各地に女たちの会を設立するよう呼び掛けた。 新聞報道などで動きを知ったつくば市の長田満江筑波学院大学名誉教授(87)が友人らに声を掛け、3月に約10人の女性らで準備会をつくった。計7回の打ち合わせを重ね、設立する。大阪、鹿児島、北海道などでもすでに「女たちの会」が結成されているという。 長田さんは「女たちは、物価が上がって生活をどうするかや、子どもたちが戦争に巻き込まれてしまうのではないかと心配しビビットに反応している。今こそ生命を育み生活を守る女性目線の政治が必要。女たちの会をつくって広げていきたい」と話し、呼び掛け人の一人で土浦市の彫刻家、小張佐恵子さん(70)は「先の戦争では女性たちに投票権がなかった。今は投票権がある。前のような戦前にしないために女性たちが発言しなくてはいけないと思う」と述べ参加を呼び掛ける。 設立集会では「女たちの会・茨城」の決意表明を発表するほか、反貧困ネットワーク世話人で作家の雨宮処凛さんが「コロナ禍、困窮者支援の現場から『軍拡より生活』の重要性について語る」をテーマに講演などする、 今後は「県内各地で勉強会などを開いて、呼び掛け人らが中心となり、各市町村などで女たちの会をつくっていければ」と長田さんはいう。(鈴木宏子) ◆「軍拡NO! 女たちの会・茨城」設立集会 20日(土)午後1時30分~4時、バーク(BARK)スタジオ(つくば市天久保1-7-18)。三上智恵監督による映画「沖縄、再び戦場(いくさば)へ」のスピンオフ作品も上映する。参加費500円。定員70人。zoomでも配信する。参加申し込み・問い合わせは電話090-7845-6599(長田さん)、メールosada3220@nifty.com(同)。ホームページ(HP)はいのちを守ろうHPへ。

チャットGPT「ほぼ毎日使ってる」 五十嵐つくば市長

政策課題の整理やあいさつの素材探し 対話型人工知能(AI)の「チャットGPT」について、つくば市の五十嵐立青市長(44)が、ほぼ毎日チャットGPTを使用し、自分の頭の中で政策課題を整理したり、あいさつの素材を考えるなどに利用していることを明らかにした。10日開かれた定例記者会見で記者の質問に答えた。 五十嵐市長は、昨年12月から使い始めたと述べ、具体的には、地方創生のパネルディスカッションでチャットGPTを使用し、課題などを整理したなどと話した。議会の答弁に使用したことは無いとしている。私生活では家族のご飯を作る際に利用したという。 職員同士のネットワークに導入 一方、市役所では五十嵐市長の提案で、職員同士が対話したり資料をやりとりしたりする対話型ネットワークシステム「ロゴチャット」に4月25日からチャットGPT3.5ターボを導入した。 プログラム同士をつなぐAPIをチャットGPTと連携させ、職員が入力した質問などをチャットGPTに吸い上げられないようにしたり、チャットGPTが出した回答の出典を表記する機能を付けた上で、市スーパーシティ構想の全体統括者(アーキテクト)を務める鈴木健嗣筑波大教授が4月10日、同市のロゴチャットに実装した。 実装されたチャットGPTは鈴木教授の名前にちなんで「AI顧問けんじくん」と名付けられ、4月25日から市職員全員が利用できるようになっている。個人情報と機密情報は入力しないという条件を設けているが、職員がどのようにチャットGPTを利用するか、制限は設けていない。 ロゴチャットを使用している市職員約2150人のうち、ゴールデンウイークを除く約10日間でこれまで約250人の職員がチャットGPTを利用。施策のアイデア出しや翻訳などに利用されたという。 市政策イノベーション部の藤光智香部長は「今後、チャットGPTの使い方の指針を策定し、基礎自治体にふさわしい使い方は何かを検討したい」と話す。 チャットGPTはインターネット上の膨大なデータを収集し、利用者の質問などに即座に回答するAI。欧米では、個人情報の収集や著作権侵害などについて懸念が出され、G7デジタル・技術相会議でも在り方が議論になった。(鈴木宏子)

初級者にも本格派にも つくば流星台にスケードボードパーク

初中級者向けのスケードボート施設「流星台スケードボードパーク」が30日、つくば市流星台にオープンした。スケートボード人口の増加に伴う要望を受けて、市が総事業費約5000万円で整備した。初級者向けの平らなゾーンと、湾曲した滑走面などで本格的な競技が楽しめる2つのゾーンを備える。 旧桜庁舎近く、面積約760平方メートルで設けられた。市内の本格的なスケートボード施設は、大舟戸、古来、南中妻にある民間の3施設に続いて4カ所目。公設施設は東京五輪で日本選手が活躍したことなどをきっかけに、笠間市のムラサキパークかさまのほか、坂東市、境町、など県内各地に相次いで整備されている。 年内にナイター設備も つくば市の施設は18歳未満は無料、18歳以上は1回200円(税込み)で利用でき、年間約3000人程度の利用を見込んでいる。利用料金は近隣の同規模の公設施設と合わせたという。用具は持ち込みが必要。利用時間は5~8月は午前9時から午後7時、9月以降は午後5時まで。12月までにさらにナイター照明を設置する計画で、照明設置後は夜9時まで利用できるという。 30日には、五十嵐立青市長やヘイズ・ジョン県議、市内のスケートボード愛好者らが参加してオープニングイベントが開かれた。五十嵐市長は「ヘイズさんがしつこく、しつこく市議会で言ってくれ、いろんな人が言ってくれ、すばらしいコースができた。つくばのスケードボードコミュニティーからいろいろなつながりができれば」などと話した。 この日、デモンストレーションを披露したプロスケートボーダーで、市内の民間スケートボード施設に勤務する千葉県市川市の会田奈生さん(23)は「(滑走する)面が良くて、ちょうどいい感じの大きさ。シンプルで分かりやすくつくられていて、初心者も中級者も上級者も練習の拠点になる」と話している。 同施設は、中根・金田台地区の土地区画整理事業を実施したUR都市機構が、同市に無償譲渡した歴史的緑空間用地の一角にある(18年2月22日付)。スケートボードパークの隣には、子どもたちが自然の中で自由に遊べる「プレイパーク」が設定されているほか、2月には無料のマウンテンバイクコースがオープンした。一方、金田官衙遺跡や貴重な自然が残されている歴史的緑空間用地約52ヘクタール全体の保全や活用の計画はまだ策定されていない。(鈴木宏子)

4年ぶり つくばでメーデー集会

5月1日のメーデーを前にゴールデンウイーク初日の29日、TXつくば駅前の中央公園(同市吾妻)で、第94回つくば中央メーデー集会(同実行委員会主催)が開かれた。市内の研究機関や県南・県西の民間企業、自治体の労働組合19団体、215人が集まり、「働く者の団結で希望の持てる社会を次世代につなごう」などのメーデー宣言を全会一致で採択した。 研究機関の労働組合、筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)などがつくる同実行委員会が主催した。コロナ禍で2020年から3年連続開催を中止しており、4年ぶりとなった。 集会では学研労協議長で、同実行委の窪田昌春委員長(54)が、コロナ禍の医療関係者の労働環境やウクライナの戦禍など昨今の状況に触れ、「一人ひとりが意見を述べ、忌憚(きたん)のない議論ができるよう民主主義を守り、最優先事項である平和についてよりより議論ができ、よりよい答えが出れば」と話し「一人ひとりの悩みや生きにくさなどの解決に向かえるよう、団体間でも交流を深め、仲間同士のコミュニケーションの再開のきっかけにしたい」などと呼び掛けた。 集会では参加者から、研究機関や大学への運営費交付金が毎年削減され基礎的な研究費が削られる中、エネルギー価格の高騰で中断を余儀なくされた研究があったことや、秘密に縛られる防衛研究圧力への懸念なども表明された。 続いて、すべての労働者の大幅賃上げと労働条件の改善、雇用の安定や、ジェンダー平等、東海第2原発の再稼働反対、国の基礎的研究費の拡充などを求めるメーデー宣言を読み上げ採択した。 一方、コロナ前は毎年600人規模で開催してきたが、4年ぶりの今年は参加者が大きく減少したという。窪田実行委員長は「コロナ禍が明け、世の中の状況がだいぶ変わってきた。対面で顔を合わせながら交流し、新たな労働運動の始まりをつくっていければ」などと話した。(鈴木宏子)

「まずサイエンス高をテコ入れ」 つくばの市民団体要望に県教育庁

学級増はトーンダウン 人口が増加するつくば市で県立高校が不足している問題で、市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)は26日、森作宜民県教育長宛てに①現時点でつくば市周辺エリアの県立高校は学級数が15学級不足しているとして、高校改革プラン期間中の2026年までに15学級増やし、30年までにさらに10学級程度増やすこと②中学生が安心して進路選択できるよう学級増の計画を早急に示すことなどを求める要望書を提出した。 要望書を受け取った県教育庁高校教育改革推進室は「サイエンス高校の(定員割れの)状況がひじょうにショッキングな状況だったので、まずはそこをテコ入れしていかなくてはならない」とし、考える会が強く求めたつくば市周辺の県立高校の定員増に対しては「つくばエリア(の中学生)が増えていることは理解しているが、周辺地域を含め総合的に判断させていただき検討したい」との回答にとどまった。 昨年11月の県議会一般質問で森作教育長がつくば市周辺の県立高校について「中学生の進路選択に影響が出ないよう検討する」「適切な時期に県立高校の定員を増やしていくことが必要」と答弁したことを受けて(22年11月4日付)、市民団体が改めて学級増を要望した。一方、今年4月に開校したつくばサイエンス高校(旧つくば工科高)が、定員を2学級80人増やしたにも関わらず定員240人に対し72人の志願者しかなかったなど大幅に定員割れした事態を受けて、今年3月の県議会で森作教育長は「既存高校の魅力化を図ることにより志願者確保に努める」「つくばエリアの増よりも周辺エリアのマイナスの方が大きい」と答弁するなど、学級増に対する答弁をトーンダウンさせている(3月8日付、4月9日付)。 26日要望書を受け取った同改革推進室の増子靖啓室長は「要望について真摯に検討させていただくが、県の考えとしては、つくばサイエンス高校や筑波高校に欠員が出ており、我々のPRがうまくいなかったと反省しているが、魅力化を図って、来ていただける学校にしたいということが我々の取り組みの第一」だと強調した。 さらにサイエンス高について「『(普通科を希望する中学生が多いという)ニーズと離れているんじゃないか』というご指摘を(考える会から)いただいたが、つくばには研究機関がたくさんあり、大学進学のニーズもあることを踏まえ、学校を変えて定員増をしたが、結果として大変厳しい結果となったことは反省すべき点だと思っている」とし「一番残念だったのは、昨年の段階でPRした時、説明会にはたくさん来ていただいたが、(校舎が改修工事中だったため)実際の教室とか実習室とか、科学技術のために新しく整備したところを一切見せることができなかった。実際にこういう場でこういう授業ができるということを実際に見ていただければ中学生や保護者も違うのかなと思う」と話し、今年はサイエンス高のPRを強化するとした。 考える会の片岡代表はこれに対し「定員割れしている学校の魅力を高める問題と、歴史的に県立高校や学級数が削減された中で人口が増えて7人に1人しか市内の県立高校に入れないという問題を混同している」とし、定員割れの問題と県立高校不足問題を別々に検討するよう迫ったが、同改革推進室は「周りの県立高校に影響が出るので切り分けるべきではない」と答えるなど、平行線に終始した。(鈴木宏子)

TX県内延伸先は土浦方面 第三者委が知事に提言

接続は土浦駅が優位 つくばエクスプレス(TX)県内延伸先の絞り込みについて検討してきた県TX県内延伸第三者委員会(委員長・岡本直久筑波大社会工学域教授)は31日、第4回委員会を開き、効果と費用のバランスなどから延伸先を土浦方面とする提言をまとめ、同日、岡本委員長が大井川和彦知事に提言書を手渡した。 併せてTXつくば駅からJR常磐線に接続する駅について、土浦駅か神立駅かを検討し、需要予測や採算性などから、土浦駅に接続する方が優位性が認められるとした。 コスト最小も事業費1400億円 第三者委は昨年12月から計4回の会合を開き、新たな人の流れの創出、県全体の発展可能性、実現可能性など5つの判断基準を元に、土浦、茨城空港、水戸、筑波山の4つの方面から1方面への絞り込みを検討してきた。 まず筑波山方面は、つくばと水戸の交流拡大やJR常磐線の事故や災害時などの代理機能に寄与するとは言えず効果は限定的だとして退けた。水戸方面は影響が極めて大きいが、常磐線経由であってもつくばと水戸の交流拡大に一定の効果が得られるとし、土浦方面で接続されれば茨城空港方面や水戸方面への延伸に期待される効果が一定程度得られるとした。茨城空港方面は各自治体からの要望も多く将来性は考慮すべきだが、期待される将来の姿と現況とのギャップが大きく実現可能性があるとは言い切れないとした。 その上で土浦方面について、常磐線への接続が直線距離で8.4キロと最短でコストも最小となり、特急も停車するなどから、土浦方面以外での接続は現実的ではないとした。 第三者委はさらに接続駅についても土浦駅か神立駅かを検討し、土浦駅は神立駅に比べて駅前の市街地が発達し難工事が想定され、概算事業費は土浦駅よりも神立駅の方が低い一方、採算性や費用対効果は土浦駅の方が高いとし、土浦駅に接続する方が実現可能性は高いとした。 県は同日、土浦方面の概算事業費や需要予測を明らかにし、事業費は約1400億円、つくば駅-土浦駅間の1日当たりの乗車人数は約8600人で、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測されるとした。鉄道事業の採算性を評価する指標の一つで、1以上が望ましいとされる費用便益比は0.6にとどまり、1を上回るためには11万人規模の沿線開発が必要だとする見通しが示された。 1400億円の算出根拠としたルートについては、つくば駅から土浦駅方面に向けて、台地部は地下、その後地上に出て桜川をまたぎ南側から土浦駅に入るルートで算出したという。 東京延伸などとパッケージで働き掛けを 第三者委員会の提言はさらに、実現に向けた課題についても踏み込んだ。土浦方面に延伸しても費用便益比は1.0を下回り、事業採算性も赤字が見込まれるとして、従来通りの沿線開発にとどまらず、さらなる需要増加と費用削減の方策を検討する必要があるとした。国の交通政策審議会の答申にも位置付けられているTX東京延伸や都心部・臨海地下鉄構想などの動向に留意し、一体的なパッケージとして国などに働き掛けていく必要があるとした。 提言を受け取った大井川和彦知事は「延伸実現による県内経済の発展、社会的な利便性の向上などさまざまなメリットはつくばの発展をみても実証されている。提言をしっかり受け止めて、課題についても、提言を踏まえた形で一歩一歩克服していきたい。方面を最終決定した上で国に対してもアプローチしていきたい」と話した。 第三者委の岡本委員長は「費用対効果の数字(費用便益比)が基準に達しておらず、実現に向けてはさらなる公共交通志向の生活スタイルが浸透していく必要がある」とし、将来、茨城空港方面や水戸方面についても改めて議論すべきだとした。 提言を受けて安藤真理子土浦市長は「TXの土浦延伸は長年にわたる私たちの悲願。正式決定はまだ先だが、私たちの熱い思いが実を結んだもので大変喜ばしい。土浦延伸は今やっとスタートラインに立ったところ。今後も茨城県を始め、各関係機関との十分な協力・連携を図ってまいりたい」などとするコメントを発表した。 6月目途に決定 県は今後、提言についてパブリックコメントを実施し、県民の意見を聞いた上で、6月を目途に方面を決定する。県はさらに2023年度、当初予算に2600万円を計上し、延伸ルートや事業の枠組みなどを検討する。土浦市は、沿線を中心に土地開発が活発化すると見込まれるなどから、330万円を計上し、効果を最大限に発揮させるため様々な波及効果を検討、調査する。(鈴木宏子) 【TX県内延伸をめぐるこれまでの動き】▽2017年8月 知事選で橋本昌前知事と大井川和彦現知事が共に公約に県内延伸を掲げる▽2017年12月 初当選した大井川知事が「新しい茨城づくり政策ビジョン」に「TXの県内延伸に向け検討を進める」と明記▽2018年5月 TXをつくば駅から茨城空港(小美玉市)まで延伸しようと、つくば、土浦、かすみがうら、石岡、小美玉、鉾田、行方7市の市議会議長がTX茨城空港延伸議会期成同盟会を設立▽2018年11月 県総合計画「新しい茨城への挑戦」に2050年頃の将来像として、TX延伸ルートの一つに〝茨城空港ルートを描く▽2022年2月 県が22年度当初予算にTX県内延伸の調査費を初めて盛り込み、22年度内に①筑波山方面②水戸方面③茨城空港方面④土浦駅方面-の4方面案の中から1本に絞り込む方針を掲げる▽2022年12月 県がTX県内延伸第三者委員会を設置

7月着工、来年3月ごろ開業へ つくば市旧茎崎庁舎跡地ドラッグストア

ドラッグストアの開業を提案した大和ハウス工業茨城支社(つくば市)を優先交渉権者に決定した、つくば市の旧茎崎庁舎跡地(同市小茎)の利活用について(22年9月26日付)、同市は24日、同茨城支社と23日、30年間の定期借地契約を締結したと発表した。 市公有地利活用推進課によると、今年7月に本格着工し、来年3月ごろまでにオープン予定という。当初、年内オープンを見込んでいたが、コロナ禍で契約締結協議などに時間を要し、開業が約3カ月遅れる見通しだという。 定期借地契約は今年7月1月から2053年6月末までの30年間で、土地賃借料は年約90万円。固定資産税評価額の改定があった時は見直す。 店舗予定地の敷地面積は約2700平方メートル、店舗面積は約1100平方メートル。 周辺住民から要望があった、青果や精肉などの生鮮食品を取り扱うほか、店内に約30平方メートル程度のフリースペースを設け、テーブルといすを置き、来店客が自由に利用できるようにする。さらに敷地内の店外に緑のあるオープンスペースを設け、テーブルといすを置き、来店客がバスを待ったりできるようにする。 茎崎庁舎は2010年4月に閉庁、16年1月に解体され、跡地は更地のままになっていた。(鈴木宏子) →つくば市旧茎崎庁舎利活用の過去記事はこちら

富岡町出身者の交流団体立ち上げ 小園治さん、喜英子さん【震災12年】

福島県富岡町出身の小園治さん(72)と喜英子さん(67)は、つくば市の研究学園駅に近い新興住宅地に2016年から夫婦2人で暮らす。翌17年には、つくば市内に住む30世帯ほどの富岡町出身者に声を掛け、避難者同士が交流し親睦を深める「つくばさくら会」を立ち上げた。現在コロナ禍で活動を休止しているが、3カ月に1回ほど集まり、芋掘り、ブルーベリー摘み、料理教室 ボウリングなどのイベントを開催してきた。 「おなかの底から笑えるのは地元の人じゃないと。かしこまらなくて済むし」と喜英子さん。「富岡から来て、外に出にくかったり、自宅にこもりがちになっている人に声を掛けて、少しでも外の空気を吸ったりして、皆で楽しんでいる」と治さんは話す。 「つくばに来て、右も左も分からなかったが、外に出て何かやらなきゃいけないと、筑波大学のゴルフ講座に申し込んでそこで友達ができた」と治さん。喜英子さんは「つくば市役所の相談窓口で卓球サークルを紹介してもらって卓球を楽しむようになり、今も週1回、谷田部総合体育館で続けている。夫婦で大穂交流センターのいきいき体操教室に参加したお陰で友だちも増えて、『畑やらない?』って誘われて、豊里の畑でジャガイモをつくったりしている」と話す。 ただ、今年に入り、配偶者の死をきっかけに「ここにいる意味が分からない」と、福島県内に土地を見つけ、引っ越していった会員もいるという。 車庫の車の中で一夜 12年前の3月11日、喜英子さんは、福島第1原発から8キロほど離れた富岡町で、次女と2人で暮らしていた。夫の治さんは当時、電力会社の関連会社に勤務し、神奈川県川崎市の会社寮に単身赴任。東京電力社員の長男は、大熊町の社員寮に入り、BWR(沸騰水型軽水炉)の運転員を養成するためのBWR運転訓練センターで研修を受けていた。 次女は隣の双葉町役場で保健師として勤務していた。3月11日は送別会の予定があり「なるべく早く帰っておいで」と言って次女を送り出した。しかし次女と再会できたのは1週間後。保健師の次女は町民と一緒にバスでさいたまスーパーアリーナに避難し、さいたまで次女の無事を確認することができた。 余震が続く3月11日、近所の人たちは近くの体育館に避難した。次女と連絡がとれない中、喜英子さんは「娘が帰ってきたら自分を探すのではないか」と、車庫に止めてあった車の中で、時折エンジンをかけてラジオを聞きながら、一夜を過ごした。 翌日、避難するよう言われ、着の身着のまま隣接の川内村の小学校に避難した。すぐに帰宅できるだろうと、飼っていたビーグル犬を庭先につないだまま、容器に水とえさをいっぱい入れて自宅に残した。 避難先で、福島市の友人と電話がつながり「水は無いけど電気があるからうちにおいで」と誘われ、川内村の避難所から福島市の友人宅に2泊した。栃木県の那須塩原駅までなら新幹線が通っていることが分かり、タクシーで那須塩原まで行き、震災から5日後、東京駅で治さんと会うことができた。その後は治さんが単身赴任する川崎市のワンルームの寮に身を寄せた。 町民と医師の板挟みに 次女は双葉町民と共にさいたまスーパーアリーナから加須市の旧騎西高校に避難し、保健師として勤務を続けた。夜中、次女から喜英子さんに電話がかかってきたことがあった。社会人1年目だった次女は、住民と医師の板挟みになり憔悴している様子で、トイレの個室から泣きながら電話を掛けてきた。 数日後、休暇をとるよう夫婦で次女を迎えに行ったところ、男性用のももひきをはき、よれよれの格好をして、咳込んでいる次女の姿があった。次女はその年の7月に双葉町役場を退職、都内の大学病院や総合病院で勤務した。 感動の再会 富岡町の自宅は当時、居住制限区域に指定された。一時帰宅した際、自宅の駐車場にビーグル犬を保護したと書かれた動物愛護団体の貼り紙が貼ってあった。喜英子さんは一人になる日中、インターネットを検索し、ビーグル犬を探し始めた。 やがて「ブルーの真新しい首輪をしたよく吠える犬です」と紹介された被災犬のサイトを見つけた。掲載されていた写真は飼い犬そっくり。同じ川崎市内の動物病院にいることも分かり、そんなに吠えるなら飼い犬に違いないと、翌日、動物病院に見に行った。 朝早かったことから、動物病院はシャッターが閉まっていて、犬の鳴き声もせず静かだった。すると看護師が犬を3頭ほど連れて散歩から戻ってきた。そのうちのビーグル犬が喜英子さんを見つけて突進してきて、ワンワン吠ながら喜英子さんの顔をぺろぺろなめ、感動の再開を果たした。 喜英子さん夫婦は単身寮から駅近くのマンションに引っ越していたが、犬を飼うことはできず、千葉県内に住む長男の妻の実家で引き取ってもらうことになった。ビーグル犬はその後、2016年8月まで生き、17歳で死んだ。「最期は幸せだったと思う」と治さんはいう。 根無し草ではいられない 2015年2月、富岡町で近所だった喜英子さんの同級生が、つくば市内に住む長女と同居することになり、「日中何もしてないから、つくばに遊びにおいで」と連絡があった。初めてつくばに来た喜英子さんを、友人があちこち案内してくれ、分譲住宅を見て回った。 治さんは翌年1月に会社を退職することが決まっていた。富岡町の自宅はすでに解体していた。再び治さんとつくばの分譲住宅を見に行き、「1人でも知っている人がいたら心強い」と2カ月後、つくばに家を購入することを決め、治さんが退職した16年1月、つくばに転居した。 「家が決まるまでは夢中で、私たちどうなっちゃうんだろう、いつまでも根無し草ではいられないと、気持ちばかり焦っていた。どこかに落ち着かなきゃ、腰をすえなきゃと、富岡のことは考えられなかった」と喜英子さんは当時を振り返る。「今つくばに落ち着いてみると、富岡で生まれ育ち、富岡で子育てをして、富岡しか知らない私にしてみると、なんで富岡に帰る選択をしなかったのかなとも思う」とともいう。 富岡町の家は解体したが、お墓が残る。治さんは千葉県柏市出身。長男だったので、富岡町に家を建てたとき、千葉の両親のお墓を富岡町に移した。喜英子さんは「もしものことがあったら、富岡のお墓に入れてねって、子どもたちには言ってある」という。(鈴木宏子) 終わり

「国策に分断され悲しみ生まれた」福島の自主避難者訴え つくばで市民集会 震災12年

東日本大震災から12年目の11日、「さよなら原発!守ろう憲法!つくば集会」と題した市民集会がTXつくば駅前のつくばセンター広場で開かれた。福島原発被害東京訴訟原告の鴨下美和さん(52)が、子どもの健康被害などを訴える福島県の避難者らが受けてきた中傷や非難などについて話し。「原発は国策だから、たくさんの分断が生じて悲しみが生まれた。放射能に汚染されない未来をつくっていくため、バッシングされても訴え続けたい」などと語った。 つくば集会は、市民団体「憲法9条の会つくば」など11団体が、震災翌年の2012年から毎年開催している。鴨下さんは横浜市出身。震災当時、福島県いわき市から自主避難し、現在、都内に住む。鴨下さんの長男の全生(まつき)さんは高校2年だった18年、ローマ法王に手紙を送り、翌19年、家族でバチカンに招かれ、直接被害を訴えた。 集会で鴨下さんは、震災直後、福島県いわき市から家族5人で実家のある横浜市に自主避難した。当時の状況や、横浜や都内を転々とした避難生活について語り、「避難所や避難住宅ではうちの子に限らず鼻血を出す子が多くいて、綿を詰めても綿が出てきてしまうような大量の鼻血だったり、綿やティッシュでは追い付かずスーパーのレジ袋でぽたぽたと出る鼻血を受け止めて歩く子もいた」と話した。 2014年には、福島第1原発を訪れた主人公が原因不明の鼻血を出す場面が描かれたマンガが出版され、当時の環境大臣が被ばくと鼻血の因果関係は無いなどと発言したことがあった。これ触れた鴨下さんは「子どもに鼻血が出ていると言った人が嘘つきにされてしまい、お母さんたちは子どもに鼻血が出たと言う勇気が無くなってしまった」と語り、「原発は国策なので、世の中がゆがんでいくだけだと思った」と振り返った。 国連人権理事会でも課題に挙がった母子避難の状況についても話し、「いわき市や郡山市などから無数のお母さんが子供を抱えて自主避難しているが、自主避難者は支援を受けられなかったので、お父さんは福島に戻って働かないといけなかった」などと述べ、「12年経っても当時を思い出すだけでつらい。言えばバッシングされたり、ノイローゼだとののしられるので、ほとんどのお母さんは口を閉ざしている」と話した。 長男がローマ法王の前でスピーチをした際、「原発は国策だから、それを維持したい政府によって被害者の間に分断が生じ、傷ついた人同士が、互いに隣人を憎み合うよう仕向けられてしまった」とする一節を、事前に削るよう言われたが、長男は削らないでそのまま読んだエピソードも披露した。 市民集会を主催した山本千秋代表は、原則40年とされていた原発について60年超の運転を認める政府方針に対し「廃炉になるはずの古い原発があちこちで動くことになる。世界有数の地震国で、方針の大転換は決して許されない。一刻も早く自然エネルギーに切り替えるべき」などと話した。 集会では、原発をなくし、憲法を守って、平和で安心できる社会をつくろうなどと訴えるアピールを全会一致で採択した。(鈴木宏子)

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