土曜日, 5月 4, 2024
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《吾妻カガミ》85 つくば市長選 2つの風景

【コラム・坂本栄】国や県のコロナ警戒レベルは下がりましたが、マスク着用とか対人距離など、まだ不自由な日々が続いています。コロナ問題を何度も取り上げてきた本コラム。今回は、「いま、つくば市政が面白い」(6月15日掲載)、「つくばの市長戦まで5カ月」(6月1日掲載)で扱った話をフォローアップします。 本コラムに市から抗議! 「いま、つくば市政が面白い」では、市が4月に発表したコロナ施策の目玉「市内事業者応援チケット事業」について、「(市は制度設計を)内々に変えました」と指摘したところ(詳しくは上の青字部をクリックしてご覧ください)、市の幹部から「変えていない」と抗議の電話が入りました。これに私は以下のように反論しました。 1点目は、事業の柱であるクラウドファンディング(CF)について。CFとは「リスク承知の投資資金をネットで集めること」です。したがって、応援者がおカネを払い込む際に受け取るチケットが紙クズになっても、おカネを集める側に払い戻し責任はありません。ところが市は、この事業を発表したあと、チケットに「払い戻し保証」を付けました。設計の基本を変更したわけです。 2点目は、応援チケット事業の事務局について。市議会への議案説明、そのあとの市長記者会見では、事務局として「つくば観光コンベンション協会」などの業界団体が例示されていました。ところが最終的には、事務局は業界団体=民ではなく、市役所=官に置かれることになりました。これも大きな変更です。 それなのに、市はなぜ「変えていない」と言い張るのでしょうか? どうやら、変更を認めるのは格好(かっこう)が悪いと思っているようです。でも、いま流行(はやり)のCFでおカネを集めてチケットを配るという事業の設計のうち、CFはリスクマネー(大損覚悟のおカネ)の受入口ではなく、払い戻し保証を付けることによって、単なる入金口座に機能が変更されました。こうしなければ、市はリスクのある投資事業(!)を運営していたことになりますから、賢明な変更といえるでしょう。 要は、入金先をCFでなく銀行口座の類にしておけば、迷走はなかったのです。秋の市長選挙を意識した現市長のパフォーマンスは、何かと手違いを引き起こすものです。 コロナは市長選の障害? もう一つのコラム「つくばの市長選まで5カ月」では、「(現市長のほかに)保守系の現職県議が着々と(立候補の)準備を進めています」と書きました。こちらも、詳しくは青字部をクリックしてください。ところが、先月、この挑戦者は出馬を断念してしまいました。 政治家も政策も選挙で鍛えられます。現県議と現市長との激戦と読んでいただけに、残念です。戦線離脱の理由について、コロナ禍が長引き思うように活動できないと話しているそうですが、いろいろあったようです。準備はかなり進んでいたと聞きますから、この県議にとっては大きな政治的失点になります。新しい挑戦者の登場を待ちましょう。(経済ジャーナリスト)

《吾妻カガミ》85 つくば市長選 2つの風景

【コラム・坂本栄】国や県のコロナ警戒レベルは下がりましたが、マスク着用とか対人距離など、まだ不自由な日々が続いています。コロナ問題を何度も取り上げてきた本コラム。今回は、「いま、つくば市政が面白い」(6月15日掲載)、「つくばの市長戦まで5カ月」(6月1日掲載)で扱った話をフォローアップします。 本コラムに市から抗議! 「いま、つくば市政が面白い」では、市が4月に発表したコロナ施策の目玉「市内事業者応援チケット事業」について、「(市は制度設計を)内々に変えました」と指摘したところ(詳しくは上の青字部をクリックしてご覧ください)、市の幹部から「変えていない」と抗議の電話が入りました。これに私は以下のように反論しました。 1点目は、事業の柱であるクラウドファンディング(CF)について。CFとは「リスク承知の投資資金をネットで集めること」です。したがって、応援者がおカネを払い込む際に受け取るチケットが紙クズになっても、おカネを集める側に払い戻し責任はありません。ところが市は、この事業を発表したあと、チケットに「払い戻し保証」を付けました。設計の基本を変更したわけです。 2点目は、応援チケット事業の事務局について。市議会への議案説明、そのあとの市長記者会見では、事務局として「つくば観光コンベンション協会」などの業界団体が例示されていました。ところが最終的には、事務局は業界団体=民ではなく、市役所=官に置かれることになりました。これも大きな変更です。 それなのに、市はなぜ「変えていない」と言い張るのでしょうか? どうやら、変更を認めるのは格好(かっこう)が悪いと思っているようです。でも、いま流行(はやり)のCFでおカネを集めてチケットを配るという事業の設計のうち、CFはリスクマネー(大損覚悟のおカネ)の受入口ではなく、払い戻し保証を付けることによって、単なる入金口座に機能が変更されました。こうしなければ、市はリスクのある投資事業(!)を運営していたことになりますから、賢明な変更といえるでしょう。 要は、入金先をCFでなく銀行口座の類にしておけば、迷走はなかったのです。秋の市長選挙を意識した現市長のパフォーマンスは、何かと手違いを引き起こすものです。 コロナは市長選の障害? もう一つのコラム「つくばの市長選まで5カ月」では、「(現市長のほかに)保守系の現職県議が着々と(立候補の)準備を進めています」と書きました。こちらも、詳しくは青字部をクリックしてください。ところが、先月、この挑戦者は出馬を断念してしまいました。 政治家も政策も選挙で鍛えられます。現県議と現市長との激戦と読んでいただけに、残念です。戦線離脱の理由について、コロナ禍が長引き思うように活動できないと話しているそうですが、いろいろあったようです。準備はかなり進んでいたと聞きますから、この県議にとっては大きな政治的失点になります。新しい挑戦者の登場を待ちましょう。(経済ジャーナリスト)

つくば市長選・市議選は10月25日投票

【鈴木宏子】つくば市選挙管理委員会は24日、第1回委員会を開き、11月に任期満了となるつくば市長選と市議選について、10月18日告示、25日投開票の日程で同日選挙を実施することを決めたと発表した。 同市長選には、すでに現職の五十嵐立青氏(41)が2期目を目指して立候補を表明している。 前回の市長選は3氏が立候補して激しい選挙戦が展開された。投票率は53.31%だった。今回も激しい選挙戦になるとみられる。 市議選は前回、定数28に対し10人オーバーの38人が立候補した。a

2期目へ五十嵐市長が立候補表明 11月のつくば市長選

【鈴木宏子】11月に任期満了を迎えるのに伴って行われるつくば市長選について、現職の五十嵐立青氏(41)は27日開かれた市議会3月定例会で「2期目も引き続きつくば市長として市政運営を担っていくべく強い決意をもっている」と答弁し、再選に向け立候補を表明した。与党最大会派の小久保貴史氏(自民つくばクラブ・新しい風)の代表質問に答えた。 同市では今年、市長選・市議選の同日選挙が行われる。市長選の立候補表明は五十嵐氏が初めて。前回は五十嵐氏のほか、元市議の飯岡宏之氏、元衆院議員の大泉博子氏の新人3人が立候補し、激しい選挙戦が繰り広げられた。 五十嵐氏は「市長に就任する前、周辺地域からは中心部ばかり発展している、行政は何もしてくれないという声が多く、地域の活気が薄れていると感じていた」と前市政を改めて批判し、「周辺市街地振興に向けた取り組みを開始し、市民と行政が一緒に地域の将来に向けて動き始めたことで、地域の新たな未来がつくられ始めている」と実績を強調した。 さらに「処遇改善による保育士確保、公設民営児童クラブの公営化、特別支援教育支援員の大幅増員や、公共交通体系の大幅な改善など市民生活に直結する課題の解決に向けて様々な取り組みを進めてきた」と述べ「科学技術の活用などつくば市ならではの手法により世界が抱える課題への取り組みを進めてきた。官民協働によるRPAを活用した業務の自動化、ブロックチェーン技術とマイナンバーカードを活用したインターネット投票、大規模戸建て住宅街でのドローン配送など全国初となる試みを実施し積極的に進めるスタートアップ政策は、つくばでの多くの新規創業につながっており、全国的にも注目を集めている」などと話した。 一方で「中心市街地の活性化や未利用公有地の活用などまだ道半ばの課題も山積している」と、商業施設クレオやつくばセンタービルなど中心市街地の空き店舗問題や、旧総合運動公園用地問題など未解決の課題も指摘した上で「就任以来の取り組みは着実に身を結び始めており、つくば市は『世界のあしたがみえるまち』に向け歩み始めている。この動きを止めることなく加速させ、持続可能なまちづくりを進めていく」などと強調した。

明菜と聖子が市長選挙に出たら? 《映画探偵団》73

【コラム・冠木新市】「中森明菜と松田聖子がつくば市長選挙に出たら、どちらが選ばれるだろうか?」と考えた。2月4日、ホテルグランド東雲で開催した『新春つくこい祭ツアー/80年代の中森明菜を舞い歌う』第1景の本番中だった。 明菜の80年代のヒット曲に合わせ、フラメンコと日本舞踊を次々に披露。参加者の手拍子、足拍子、掛け声でグングン盛り上がった。圧巻は『二人静』の曲によるフラメンコと日本舞踊の競演。扇を短刀に見立て、2人がグサッと刺すしぐさにはどよめきが起きた。 第2景であいさつに立った来賓は「見ていて、青春時代を思い出し涙ウルウルになりました。現在では娘がカラオケで歌っています」と話されていた。明菜再ブ一ムが起きていると知ってはいたが、眼前の40代以上の女性の反応を見て、本当にそうなのだなと実感させられた。 80年代の明菜の曲とつくばの歴史を重ねた構成(映画探偵団72)を理解していただけるか心配だったが、第2景の民謡版『少女A』が終わったあと、長年つくばで暮らす人がわざわざ私のところにいらして、構成が良いとほめてくれた。どうやら分かってくれたようだ。 今回のイベントで明菜のことを調べると、明菜より2年前の80年にデビューし同時期に活躍した松田聖子の存在が浮き上がってきた。 何人かの女性に明菜と聖子のことを尋ねると、皆熱心に2人のことを語ってくれた。髪型、衣装、振付などにこだわりセルフプロデュースする明菜を支持する派とぶりっ子と揶揄されながらも海外での飛躍をめざしていた上昇志向の聖子支持派に分かれる。また、2人とも大好きだという女性も多くいた。 薬師丸ひろ子と原田知世は? 2024年2月はつくば史にとって特別な月になる。2月1日、洞峰公園が茨城県から無償譲渡された。2月12日には、つくばセンタービルに市民センターと消費生活センターと市国際交流協会が入った「コリドイオ」(イタリア語で回廊の意味)がオ一プンするからだ。 明菜派、聖子派がどんな反応を示すか興味がある。洞峰公園を無視しコリドイオのことを語るのか? コリドイオよりも洞峰公園の維持管理に関心を示すのか? 2つの出来事を分けて考えるのか? だが2つの場所は都市の中心軸として一つにつながっている。別のものではない。 つくばセンタービルができた年、筒井康隆原作、大林宣彦監督、原田知世主演の角川映画『時をかける少女』(1983)が公開された。未来から植物採集にやって来た若者に女子高校生が恋をしてしまうというお話。未来人は念波を用い関係者の記憶を書き換える。 この年、先に角川映画でデビューしていた薬師丸ひろ子と原田知世のアイドル競争が始まった。音楽業界の明菜と聖子、映画業界の薬師丸ひろ子と原田知世の活躍も同時期だったのだ。また明菜は角川映画のファンでアルバムを作っている。 今秋にはつくば市長選挙を控えている。鍵を握るのは80年代に明菜と聖子の歌声で育った女性たち、ひろ子と知世の映画を見ていた女性たちである。 だからであろうか、2人が市長選に出たら、どっちが勝つかなどと不埒(ふらち)な妄想が湧いてしまったのだろう。 次のイベントも80年代の女性を対象にするつもりである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

明菜と聖子が市長選挙に出たら?《映画探偵団》73

【コラム・冠木新市】「中森明菜と松田聖子がつくば市長選挙に出たら、どちらが選ばれるだろうか?」と考えた。2月4日、ホテルグランド東雲で開催した『新春つくこい祭ツアー/80年代の中森明菜を舞い歌う』第1景の本番中だった。 明菜の80年代のヒット曲に合わせ、フラメンコと日本舞踊を次々に披露。参加者の手拍子、足拍子、掛け声でグングン盛り上がった。圧巻は『二人静』の曲によるフラメンコと日本舞踊の競演。扇を短刀に見立て、2人がグサッと刺すしぐさにはどよめきが起きた。 第2景であいさつに立った来賓は「見ていて、青春時代を思い出し涙ウルウルになりました。現在では娘がカラオケで歌っています」と話されていた。明菜再ブ一ムが起きていると知ってはいたが、眼前の40代以上の女性の反応を見て、本当にそうなのだなと実感させられた。 80年代の明菜の曲とつくばの歴史を重ねた構成(映画探偵団72)を理解していただけるか心配だったが、第2景の民謡版『少女A』が終わったあと、長年つくばで暮らす人がわざわざ私のところにいらして、構成が良いとほめてくれた。どうやら分かってくれたようだ。 今回のイベントで明菜のことを調べると、明菜より2年前の80年にデビューし同時期に活躍した松田聖子の存在が浮き上がってきた。 何人かの女性に明菜と聖子のことを尋ねると、皆熱心に2人のことを語ってくれた。髪型、衣装、振付などにこだわりセルフプロデュースする明菜を支持する派とぶりっ子と揶揄(やゆ)されながらも海外での飛躍をめざしていた上昇志向の聖子支持派に分かれる。また、2人とも大好きだという女性も多くいた。 薬師丸ひろ子と原田知世は? 2024年2月はつくば史にとって特別な月になる。2月1日、洞峰公園が茨城県から無償譲渡された。2月12日には、つくばセンタービルに市民センターと消費生活センターと市国際交流協会が入った「コリドイオ」(イタリア語で回廊の意味)がオ一プンするからだ。 明菜派、聖子派がどんな反応を示すか興味がある。洞峰公園を無視しコリドイオのことを語るのか? コリドイオよりも洞峰公園の維持管理に関心を示すのか? 2つの出来事を分けて考えるのか? だが2つの場所は都市の中心軸として一つにつながっている。別のものではない。 つくばセンタービルができた年、筒井康隆原作、大林宣彦監督、原田知世主演の角川映画『時をかける少女』(1983)が公開された。未来から植物採集にやって来た若者に女子高校生が恋をしてしまうというお話。未来人は念波を用い関係者の記憶を書き換える。 この年、先に角川映画でデビューしていた薬師丸ひろ子と原田知世のアイドル競争が始まった。音楽業界の明菜と聖子、映画業界の薬師丸ひろ子と原田知世の活躍も同時期だったのだ。また明菜は角川映画のファンでアルバムを作っている。 今秋にはつくば市長選挙を控えている。鍵を握るのは80年代に明菜と聖子の歌声で育った女性たち、ひろ子と知世の映画を見ていた女性たちである。 だからであろうか、2人が市長選に出たら、どっちが勝つかなどと不埒(ふらち)な妄想が湧いてしまったのだろう。 次のイベントも80年代の女性を対象にするつもりである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

30人の受理日を不適正記載 つくば市選管 20年の市長選・市議選収支報告

つくば市は25日、2020年10月25日投開票で実施されたつくば市長選・市議選の同日選挙で、選挙後に同選挙管理委員会が作成し公表した各候補者の選挙運動費用の収支報告書要旨について、候補者44人のうち30人の受理日に関し、実際とは異なる不適正な日付を記載し公表していたと発表した。 同市長選は3人、市議選は41人の計44人の立候補者があった。市選管事務局によると、そのうち市長選候補者1人と市議選候補者29人の計30人の収支報告書要旨について、市選管が、実際の受理日とは異なる誤った日付を記載していた。 選挙運動の収支は、選挙を明朗で信用あるものとし、公正を保つため、公職選挙法で事務処理の手順や手続きが細かく厳格に定められている。収支報告書は、選挙執行後15日以内に、各候補の出納責任者が選管に提出することが定められている。提出を受けた選管は、収支報告書の書類を元に、候補者一人ひとりについて①選挙運動の収入と支出②公費で負担した金額③受理日などを、簡潔に1ページにまとめた同要旨を作成し、公表することになっている。 20年のつくば市長選・市議選はいずれも、11月9日が選挙運動収支報告書の提出期限で、市選管は翌年2月15日付で同要旨を市役所正面玄関前の掲示板に掲示し公表していた。 一方、今年8月上旬、市民から収支報告書の情報開示請求があり、受理日の不適正記載が発覚した。発覚を受け市選管事務局が候補者全員の収支報告書要旨を調べたところ、候補者44人のうち30人について誤りがあったことが分かった。 30人のうち28人については、提出期限の11月9日より前に収支報告書の提出があり、実際の提出日の受理印が押されていたにも関わらず、その後、市選管が作成した同要旨は、受理日が11月9日と記載されていた。1人については実際は11月9日に提出があったにもかかわらず、同要旨の受理日は11月6日だった。残りの1人は、翌年1月13日に報告書が提出されたが、同要旨の受理日は提出期限の11月9日となっていた。 市選管事務局は、当時の職員に、公選法に基づく事務処理の認識が不足していたことが原因だとし、再発防止策として、職員の事務処理における文書取り扱いの内容や手順を再確認し、複数の職員による記載内容の確認を徹底するとしている。 今後の対応については、不適正記載があった30人の候補者の収支報告書要旨の受理日を正しい日付に訂正し、今後、改めて公表すると共に、事案発生の原因を検証するとしている。 発覚から公表まで2カ月以上かかった理由については、選挙管理委員会を開催して説明し、さらに当時の職員全員に聞き取り調査を実施し、弁護士や県選管に対応を相談などしたことから時間がかかったとしている。

福祉タクシー券制度を考える つくばの市民団体、21日にフォーラム開催

障害者やその家族、支援者などからなる市民団体「障害×提案=住みよいつくばの会」が、つくば市福祉タクシー券の制度見直しを考える市民フォーラムを21日にオンラインで開催する。同会は、障害とともに生活しているからこそ思いつくアイデアを、昨年行われたつくば市長選挙、市議会議員選挙の立候補者に、公開質問状の形で提案した。福祉タクシー券の制度見直しは提案したアイデアのうちの1つ。 利用申請したのは1割 つくば市は一定以上の身体障害・知的障害・精神障害がある人を対象に、タクシー運賃の一部を助成している。タクシー券1枚につき500円が助成され、障害者1人につき年間36枚、人工透析治療のために週3回程度通院している人には年間108枚が交付される。ただし、自動車税等の減免を受けている人は対象外。市によると、2020年度、制度対象者約6000人のうち、タクシー券を申請した人は約10%、申請により交付されたタクシー券のうち実際に利用されたのは約42%だった。 利用が進まないことについて、会の主宰者、斉藤新吾さん(46)は「福祉タクシー券は、障害者の社会参加の促進のためにあるが、電動車いすの利用者はタクシーに乗車できない、介護タクシーは台数が限られる、他の公共交通機関の方が便利な障害者もいる、などの理由から、対象なのに制度を利用できない人もいる」と話す。 斉藤さんは、普段はバスや電車で移動しているが、天候や体調によってはタクシーを利用する人もいると見ている。そのため、制度対象者にタクシー券の代わりにICカードを給付し、その時の状況によって、タクシーだけでなくバスや電車も利用できるようにすることをつくば市に提案している。 より多くが利用できる制度に 昨年の選挙終了後から市障害福祉課でも検討が進められ、同会も市と意見交換をしてきた。その中で、ICカードを給付した場合の精算方法や、電車やバスの利用時に障害者手帳の区分により障害者割引が適用される人と適用されない人が出てくるが、その違いを給付額に反映させるかどうかなど、様々な課題があることが分かってきた。 「私たちの会のメンバーには身体障害者が多く、知的障害や精神障害を持つ方がどのような希望を持っているか、把握できてない部分もある。私たちがまだ気づいていない課題もあるかもしれない。様々な障害を持つ方やその家族、タクシー券の制度に興味のある多くの市民の皆さんと意見交換をすることで、より多くの人が利用できる制度の仕組みを考える機会になれば」と斉藤さんは話す。 開催時間は午後1時30分から3時30分。参加費無料。申し込みは19日までに氏名とメールアドレスを、メールcil-tsukuba@cronos.ocn.ne.jpまたはファクス029-859-0594に送る。手話通訳などの合理的配慮が必要な場合は、早めに連絡する。詳しくはこちらまで。(川端舞)

《吾妻カガミ》101 つくば市長の名誉毀損提訴を笑う

【コラム・坂本栄】つくば市長の五十嵐さんが、期間を限って発行されたミニ無料新聞に市長としての名誉を傷付けられたと、その発行人を名誉毀損(きそん)で裁判所に訴えました。1期目の市政を批判されて面白くなかったのでしょうが、五十嵐さんには、関連する記事に対し自分の後援会紙などで反論する機会があったのに、言論に対し言論で対抗しないで司法の場に持ち込むとは…と、思わず笑いました。 言論による名誉毀損には言論で対抗すべき 五十嵐さんの訴えは、昨秋の市長選挙の前(6月~8月)、ミニ新聞の記事(計3号中の22箇所)によって、市長としての評価を傷付けられたから、その損害(130万円)を賠償せよという内容です。訴えられたのは、元つくば市議で「つくば市民の声新聞」発行人の亀山大二郎さん。提訴の概要や亀山さんのコメントは、本サイトの記事(2月17日掲載)をご覧ください。 この無料紙第1号については、本コラム「紙爆弾戦開始 つくば市長選」(昨年7月20日掲載)でも取り上げ、「五十嵐市長の2大失政(運動公園問題の後処理の不手際、つくば駅前ビル再生計画の失敗)などのリポートを掲載、現市長にマイナス点を付けました」と紹介しました。「権力の監視」を編集方針の柱の一つに掲げる本サイトとしても、シンパシー(共感)を覚えたからです。 提訴の話が耳に入ったとき、知り合いの弁護士に名誉毀損のポイントを解説してもらいました。彼によると、「言論による名誉毀損にはまず言論で対抗すべき」という法理論があるそうです。これには「相手に対し対等で反論が可能であれば」との前提が付くそうですが、五十嵐さんは、後援会紙、SNS、記者説明などで反論できたわけですから、発信力は対等どころか、ミニ新聞よりも優位にありました。 そこで、五十嵐さん後援会紙「Activity Report」7~10月発行分(計4号)をチェックしたところ、内容は市長1期目の自慢話ばかりで、「つくば市民の声新聞」への反論は見当たりませんでした。選挙運動中は反論せず、選挙が終わってから裁判所に駆け込むとは、市長=政治家らしくない行動です。 公約は「返還」でなく「返還交渉」だった? 名誉を毀損されたという記事は、先に引用した2大失政のほか、五十嵐市政下で市職員が増え人件費が拡大している(行政改革が不十分)、県からもらえるはずの補助金なしで給食センターを建てた(市が全部負担)、地元業者優先の不自然な発注が目立つ(入札制度への疑問)―などの内容で、とても勉強になりました。 訴状を読むと、五十嵐さんは記事の表現を問題にしています。例えば運動公園問題については、ミニ新聞の記事では用地をURに返還すると公約したと書いているが、公約したのは「返還」でなく「返還交渉」だった、と。交渉がうまくいかなかったから返還できなかった、でも交渉はしたのだから公約は守った、だから記事は間違いであり名誉毀損に当たる―といった論理構成です。この理屈も笑えます。 逆に、笑って済まされない箇所もあります。「歪(ゆが)んだ情報により一旦結果(選挙結果)が生じれば、一時的とは言え地方自治体の体制を混乱に陥れることになりかねない重大な結果を招く…」とのくだりです。こういった表現の自由を封じるような論述は、どこかの非民主国の言論規制を想起させます。(経済ジャーナリスト)

《吾妻カガミ》101 つくば市長の名誉毀損提訴を笑う

【コラム・坂本栄】つくば市長の五十嵐さんが、期間を限って発行されたミニ無料新聞に市長としての名誉を傷付けられたと、その発行人を名誉毀損(きそん)で裁判所に訴えました。1期目の市政を批判されて面白くなかったのでしょうが、五十嵐さんには、関連する記事に対し自分の後援会紙などで反論する機会があったのに、言論に対し言論で対抗しないで司法の場に持ち込むとは…と、思わず笑いました。 言論による名誉毀損には言論で対抗すべき 五十嵐さんの訴えは、昨秋の市長選挙の前(6月~8月)、ミニ新聞の記事(計3号中の22箇所)によって、市長としての評価を傷付けられたから、その損害(130万円)を賠償せよという内容です。訴えられたのは、元つくば市議で「つくば市民の声新聞」発行人の亀山大二郎さん。提訴の概要や亀山さんのコメントは、本サイトの記事(2月17日掲載)をご覧ください。 この無料紙第1号については、本コラム「紙爆弾戦開始 つくば市長選」(昨年7月20日掲載)でも取り上げ、「五十嵐市長の2大失政(運動公園問題の後処理の不手際、つくば駅前ビル再生計画の失敗)などのリポートを掲載、現市長にマイナス点を付けました」と紹介しました。「権力の監視」を編集方針の柱の一つに掲げる本サイトとしても、シンパシー(共感)を覚えたからです。 提訴の話が耳に入ったとき、知り合いの弁護士に名誉毀損のポイントを解説してもらいました。彼によると、「言論による名誉毀損にはまず言論で対抗すべき」という法理論があるそうです。これには「相手に対し対等で反論が可能であれば」との前提が付くそうですが、五十嵐さんは、後援会紙、SNS、記者説明などで反論できたわけですから、発信力は対等どころか、ミニ新聞よりも優位にありました。 そこで、五十嵐さん後援会紙「Activity Report」7~10月発行分(計4号)をチェックしたところ、内容は市長1期目の自慢話ばかりで、「つくば市民の声新聞」への反論は見当たりませんでした。選挙運動中は反論せず、選挙が終わってから裁判所に駆け込むとは、市長=政治家らしくない行動です。 公約は「返還」でなく「返還交渉」だった? 名誉を毀損されたという記事は、先に引用した2大失政のほか、五十嵐市政下で市職員が増え人件費が拡大している(行政改革が不十分)、県からもらえるはずの補助金なしで給食センターを建てた(市が全部負担)、地元業者優先の不自然な発注が目立つ(入札制度への疑問)―などの内容で、とても勉強になりました。 訴状を読むと、五十嵐さんは記事の表現を問題にしています。例えば運動公園問題については、ミニ新聞の記事では用地をURに返還すると公約したと書いているが、公約したのは「返還」でなく「返還交渉」だった、と。交渉がうまくいかなかったから返還できなかった、でも交渉はしたのだから公約は守った、だから記事は間違いであり名誉毀損に当たる―といった論理構成です。この理屈も笑えます。 逆に、笑って済まされない箇所もあります。「歪(ゆが)んだ情報により一旦結果(選挙結果)が生じれば、一時的とは言え地方自治体の体制を混乱に陥れることになりかねない重大な結果を招く…」とのくだりです。こういった表現の自由を封じるような論述は、どこかの非民主国の言論規制を想起させます。(経済ジャーナリスト)

つくば市長の五十嵐氏 名誉棄損で元市議を提訴 「市民の声新聞」で

【鈴木宏子】つくば市長選が行われた昨年、市民団体「つくば市民オンブズマン」(代表・亀山大二郎元市議)が市内に配布したチラシ「つくば市民の声新聞」の記載内容について、名誉や社会的評価が著しく棄損されたなどとして、つくば市長の五十嵐立青氏(42)が、亀山元市議(79)を相手取って、130万円の慰謝料や謝罪文の住民全員への郵送などを求める訴えを、土浦簡易裁判所に起こしていたことが17日までに分かった。 公約は「返還」か「返還交渉」かなど争いに 市民の声新聞は昨年、新聞折り込みで複数回、市内に配布された。五十嵐市長の1期4年間を振り返り、総合運動公園問題やクレオ買い取り問題など市政の課題を、批判的に検証している。 五十嵐氏はこのうち、6月から8月に発行された計3回の同新聞に記載された内容のうち、22カ所について「公人としての信頼を根本的に揺るがし、社会的評価を低下せしめ名誉を棄損するもの」だと指摘している。 訴えによると、総合運動公園問題については「(同用地の元の所有者であるUR都市機構への)『返還』を公約としたことは無いにもかかわらず、(市民の声新聞は)『返還』が公約であったと表現した」、「実際に公約として掲げたのは『返還』することではなく『返還交渉』であった」などとしている。 さらに「(同新聞は)都市再生機構とわずか一度交渉しただけ」などと記載しているが、「実際には都市再生機構と複数回の交渉を行っている」などとしている。 クレオの買い取り問題に関しては「(同新聞は)五十嵐市長は、自分が当選したら『クレオを買い取り中心市街地の活性化を図る』ということを重要な公約として訴えてきた」などと記したが、「クレオを買い取り中心市街地の活性化を図るということを公約としたことはない」などとしている。 その上で五十嵐氏は訴状で「ゆがんだ情報によりいったん選挙結果が生じれば、一時的とはいえ、地方自治体の体制を混乱に陥れることにもなりかねない重大な結果を招く」などとしている。 「批判許さない圧力」 五十嵐氏は17日、自身のフェイスブックで「名誉毀損の訴訟を提起した」と発表し、「(同市民の声新聞は)数多くの虚偽の内容を記載し、市民に正しい情報を伝える機会であるべき選挙において重大な影響を与えた」「常に誹謗中傷や虚偽が多く出てしまうつくば市の選挙で、これ以上同じ行為が行われないために訴訟という措置を取った」などと投稿した。 一方、亀山元市議は「市民の声新聞は五十嵐市政がどういう4年間だったか、総合運動公園や中心市街地活性化など、重要な政策と実績を検証したもので、基本的に事実に基づいて書いている。五十嵐市長は、言葉使いや枝葉末節を取り上げて名誉棄損だと言っているが、有権者に選ばれた市長が、有権者に監視され、評価されるのは当然の話。些末(さまつ)なことを名誉棄損だと訴えるのは明らかに表現の自由の侵害であり、自らに対する批判を一切許さない圧力だ」などと話し、全面的に争うとしている。 口頭弁論は3月1日開かれる予定という。 【20日追加】裁判は土浦簡易裁判所から土浦地方裁判所に移され、第1回口頭弁論の期日は20日時点で未定という。

《吾妻カガミ》94 「NEWSつくば」は今秋で3周年

【コラム・坂本栄】本サイトはスタートから今秋で3年経ちました。スマホからのアクセスが多いことを踏まえ、今春、新しいデザインを導入して今の画面に一新。型にはまらない記事が多いこともあってか、アクセス数は大きく増えました。でも喜んでばかりはいられません、思わぬ事故が10月25日に起きました。 「有事」にはサーバー能力を強化 つくば市長選挙の最初の開票状況(21時30分)を伝えるタイミングで、サイトが動かなくなってしまったのです。ハッカーから悪さをされたかと思いましたが、技術担当者がチェックしたところ、21時半前後にアクセスが殺到、サーバーが閲覧を拒んだことが分かりました。短時間に数万のアクセスがあり、危険を察知してゲートを閉じてしまったようです。 本サイトはこの3年、平均1日3本の記事とコラムを朝昼晩に分けて発信してきたこともあり、特定の時刻にアクセスが集中することはありませんでした。ところが25日夜には、「21時半から開票速報します」と事前告知したことが効いたのか、ほぼ同時刻に想定外の読者が押し寄せました。 画面は30~40分で元に戻ったものの、この間多くの方々の期待に応えることができず、お詫び申し上げます。選挙後の編集制作会議では、「平時」は分散型の発信を維持しながら、今回のような「有事」にはサーバーの増強で対応することを確認しました。次の「有事」は大丈夫です。 「権力監視」の対象を拡大します スタート後1~2年と比べると、発信のルートも拡がりました。当初は本サイトだけでしたが、「Yahoo!ニュース」「Googleニュース」といった大手サイト経由での発信のほか、FM放送、ケーブルTV、フリーペーパーなどにニュース素材を提供するようになったからです。図らずも、「地域通信社」の機能も備えることになりました。 参加するライターも増えています。現在登録されている書き手は、常陽新聞の記者を経験したプロが5人、地域の問題に関心を持つ市民ライターが15人、一家言あるコラムニストが24人―です。こういったサイトを面白いと思ったのでしょうか、この1カ月の間に3人のライター希望者が来られました。 昨夏には朝日新聞、今春には毎日新聞から取材されました。朝日さんの記事の要点は「…全国紙が注目」(2019年8月5日掲載)、毎日さんの要点は「…また全国紙の話題に」(2020年2月3日掲載)をご覧ください。両紙とも本サイトの編集の柱の一つ「権力の監視」に注目しています。この方針に基づき、これまでは主につくば市の行政施策を監視してきましたが、これからは「市権力」の政治基盤や調達構造にも目配りしていきます。(NEWSつくば理事長)

《吾妻カガミ》94 「NEWSつくば」は今秋で3周年

【コラム・坂本栄】本サイトはスタートから今秋で3年経ちました。スマホからのアクセスが多いことを踏まえ、今春、新しいデザインを導入して今の画面に一新。型にはまらない記事が多いこともあってか、アクセス数は大きく増えました。でも喜んでばかりはいられません、思わぬ事故が10月25日に起きました。 「有事」にはサーバー能力を強化 つくば市長選挙の最初の開票状況(21時30分)を伝えるタイミングで、サイトが動かなくなってしまったのです。ハッカーから悪さをされたかと思いましたが、技術担当者がチェックしたところ、21時半前後にアクセスが殺到、サーバーが閲覧を拒んだことが分かりました。短時間に数万のアクセスがあり、危険を察知してゲートを閉じてしまったようです。 本サイトはこの3年、平均1日3本の記事とコラムを朝昼晩に分けて発信してきたこともあり、特定の時刻にアクセスが集中することはありませんでした。ところが25日夜には、「21時半から開票速報します」と事前告知したことが効いたのか、ほぼ同時刻に想定外の読者が押し寄せました。 画面は30~40分で元に戻ったものの、この間多くの方々の期待に応えることができず、お詫び申し上げます。選挙後の編集制作会議では、「平時」は分散型の発信を維持しながら、今回のような「有事」にはサーバーの増強で対応することを確認しました。次の「有事」は大丈夫です。 「権力監視」の対象を拡大します スタート後1~2年と比べると、発信のルートも拡がりました。当初は本サイトだけでしたが、「Yahoo!ニュース」「Googleニュース」といった大手サイト経由での発信のほか、FM放送、ケーブルTV、フリーペーパーなどにニュース素材を提供するようになったからです。図らずも、「地域通信社」の機能も備えることになりました。 参加するライターも増えています。現在登録されている書き手は、常陽新聞の記者を経験したプロが5人、地域の問題に関心を持つ市民ライターが15人、一家言あるコラムニストが24人―です。こういったサイトを面白いと思ったのでしょうか、この1カ月の間に3人のライター希望者が来られました。 昨夏には朝日新聞、今春には毎日新聞から取材されました。朝日さんの記事の要点は「…全国紙が注目」(2019年8月5日掲載)、毎日さんの要点は「…また全国紙の話題に」(2020年2月3日掲載)をご覧ください。両紙とも本サイトの編集の柱の一つ「権力の監視」に注目しています。この方針に基づき、これまでは主につくば市の行政施策を監視してきましたが、これからは「市権力」の政治基盤や調達構造にも目配りしていきます。(NEWSつくば理事長)

《映画探偵団》37 中心市街地活性化 変わる議論の方向

【コラム・冠木新市】『つくつくつくばの七不思議』と題して、2014年、筑波学院大学コミュニティ講座で話をした。テーマは「伝説と文化を活用したまちづくり」である。「中心市街地つくばセンタービル吾妻篇」では、イタリア人映画監督フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1960)を例に取り上げた。 『甘い生活』の「ヴェネト通り」 この作品は、作家志望のジャーナリスト・マルチェロ(マルチェロ・マストロヤンニ)が、取材対象を追ってローマをさ迷う話で、街が主役ともいえる3時間の大作だ。深夜、トレビの泉にマルチェロがグラマー・スター(アニタ・エクバーグ)と一緒に入るシーンは、流れ落ちる水の音と相まって神秘的なまでに美しい。 また、ローマの高級レストランやホテルが並ぶヴェネト通りが魅惑的に描かれる。道路には車が駐車、カフェには美女や文化人がたむろし、深夜までにぎやかな場面が映る。誰でも一度は行ってみたいと思わせるような場所に見えてくるのだ。 事実、映画が公開されると、フェリーニに何人もの外国人から電話がかかり、ヴェネト通りに連れていってほしいと懇願されたという。だがフェリーニ自身もめったに行かない場所だった。実は、ヴェネト通りは一部分を除き映画のセットとして建てられたもので、現実とはまるで異なる通りだった。架空の場所に近いといってもよい。 ところが、「映画の『甘い生活』に応じて本物のヴェネト通りが一変してしまい、私が映画のなかで与えたヴェネト通りに迫ろうと猛烈な努力をしたのである」(フェリーニ著『私は映画だ』)。つまり映画のイメージが現実のヴェネト通りに影響を与え、映画のような光景になってしまったわけだ。 つくば市の中心市街地活性化とは何を意味するのだろうか。ある場所に多くの人が集まり、楽しく過ごすことであろうか。これまで中心市街地活性化のイメージは、映画のヴェネト通りのような街を目指していたのではなかったか。昭和生まれで映画探偵の私には、強くこの思いが染み付いている。 市長・市議選の「争点」にならず 10月のつくば市長選挙では、新聞各社が「中心市街地活性化が争点」と報じた。しかし、五十嵐市長は簡単な公約を載せただけだし、他の2人には中心市街地への言及がなかった。市議候補者は、41名中4人がちょっと触れただけだった。つまり、「争点」にはならなかったわけだ。 何も批判しているのではない。新型コロナウィルスによって「三密」が否定されたことにより、「中心部と周辺部の活性化」の考え方に変容を迫られているように思えるからだ。これから、中心市街地活性化を目指して「まちづくり会社」が創られるようだが、その前に活性化の意味をもう一度考え直す必要があるのではないだろうか。 10年以上も続く「つくばセンター地区活性化協議会」のメンバー、2年半前に「つくば中心市街地まちづくりヴィジョン」を作成したアドバイザーの意見を聞いてみたいと思っているのは、私1人だけであろうか。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

《映画探偵団》37 中心市街地活性化 変わる議論の方向

【コラム・冠木新市】『つくつくつくばの七不思議』と題して、2014年、筑波学院大学コミュニティ講座で話をした。テーマは「伝説と文化を活用したまちづくり」である。「中心市街地つくばセンタービル吾妻篇」では、イタリア人映画監督フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1960)を例に取り上げた。 『甘い生活』の「ヴェネト通り」 この作品は、作家志望のジャーナリスト・マルチェロ(マルチェロ・マストロヤンニ)が、取材対象を追ってローマをさ迷う話で、街が主役ともいえる3時間の大作だ。深夜、トレビの泉にマルチェロがグラマー・スター(アニタ・エクバーグ)と一緒に入るシーンは、流れ落ちる水の音と相まって神秘的なまでに美しい。 また、ローマの高級レストランやホテルが並ぶヴェネト通りが魅惑的に描かれる。道路には車が駐車、カフェには美女や文化人がたむろし、深夜までにぎやかな場面が映る。誰でも一度は行ってみたいと思わせるような場所に見えてくるのだ。 事実、映画が公開されると、フェリーニに何人もの外国人から電話がかかり、ヴェネト通りに連れていってほしいと懇願されたという。だがフェリーニ自身もめったに行かない場所だった。実は、ヴェネト通りは一部分を除き映画のセットとして建てられたもので、現実とはまるで異なる通りだった。架空の場所に近いといってもよい。 ところが、「映画の『甘い生活』に応じて本物のヴェネト通りが一変してしまい、私が映画のなかで与えたヴェネト通りに迫ろうと猛烈な努力をしたのである」(フェリーニ著『私は映画だ』)。つまり映画のイメージが現実のヴェネト通りに影響を与え、映画のような光景になってしまったわけだ。 つくば市の中心市街地活性化とは何を意味するのだろうか。ある場所に多くの人が集まり、楽しく過ごすことであろうか。これまで中心市街地活性化のイメージは、映画のヴェネト通りのような街を目指していたのではなかったか。昭和生まれで映画探偵の私には、強くこの思いが染み付いている。 市長・市議選の「争点」にならず 10月のつくば市長選挙では、新聞各社が「中心市街地活性化が争点」と報じた。しかし、五十嵐市長は簡単な公約を載せただけだし、他の2人には中心市街地への言及がなかった。市議候補者は、41名中4人がちょっと触れただけだった。つまり、「争点」にはならなかったわけだ。 何も批判しているのではない。新型コロナウィルスによって「三密」が否定されたことにより、「中心部と周辺部の活性化」の考え方に変容を迫られているように思えるからだ。これから、中心市街地活性化を目指して「まちづくり会社」が創られるようだが、その前に活性化の意味をもう一度考え直す必要があるのではないだろうか。 10年以上も続く「つくばセンター地区活性化協議会」のメンバー、2年半前に「つくば中心市街地まちづくりヴィジョン」を作成したアドバイザーの意見を聞いてみたいと思っているのは、私1人だけであろうか。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

2期目の課題「発信の在り方 根本から検討」五十嵐つくば市長

【鈴木宏子】つくば市長選で再選を果たした五十嵐立青市長が4日、選挙後初の定例記者会見に臨み。2期目の課題について「広報面」だと述べ「発信の在り方を根本から考えなくてはいけない」などと話した。 五十嵐市長は選挙戦を振り返り「(1期4年間で)かなりの取り組みを行ってきたが知らない方が多かった」「市民から『こういう制度がほしい』と言われ、『そういうのはもうありますよ』という会話を数多くした」などと話した。 さらに、市長選の公開討論会の際も「ほかの候補者の方たちが(市の)基本的な取り組みすらご存知なかった」として、「先方の無知が問題ということではなくて、こちらの周知の仕方に課題があった」と述べた。「選挙前になると多くのデマが飛ぶ。個人でも相当いい加減なことを書く人もいる」とも話した。 その上で「市民が必要としている情報をどうやって届けられるかをあらゆる手段を考えて検討していきたい。従来の市報やホームぺージだけでは不十分というのが問題意識。アドバイザーのアドバイスをいただきながらいい形の発信を考えたい。いろいろなものを組み合わせるなど、相当、本格的にやらないと届けたい人には届かないと思っている」と述べ、「かなりテコ入れをしていく必要があると思っている」と話した。 2期目の退職金「まだ決めてない」 一方、1期目に「市長特権の退職金廃止」を公約に掲げ、22円に減額した退職金を、2期目は受け取るのか否かについては「まだ決めてない」とした。 五十嵐市長は「選挙期間中『(公約を守り22円にして)立派だったね』と言う意見もあったが、数としてはそれ以上に『いい仕事をしたのにもらわないのは逆におかしい』というお叱りも相当数いただいた」と話した。 1期4年ごとに約2000万円が支給される退職金の金額に対しては「4年で2000万は多いと思っている」とする一方、「(22円にして)お叱りの方が多いというのが私の印象」「今の段階で、もらう、もらわないは決めてない」と明言を避けた。

《吾妻カガミ》93 つくば市のキーマン2人が続投

【コラム・坂本栄】選任の仕方は違いますが、つくば市のキーマン2人の続投が決まりました。1人は筑波大学学長の永田恭介さん、もう1人は市長の五十嵐立青さん。続投決定、おめでとうございます。今回はお2人の選任と実績の話にします。 筑波大学長 数々の実績>伝統的選び方 永田さんの続投決定までの経緯については、本サイトの「永田学長を再任 筑波大 選考プロセスの正統性問う声噴出」(10月21日掲載)をご覧ください。紛糾の背景には、<実績ある永田さんに続投してもらうために選任方法を変えよう>対<伝統的かつ民主的な従来の投票方式で選ぶべき>という、学長選びの考え方の違いがあったようです。 この動きを見ていて、6年前の永田学長インタビューを思い出しました。当時発行されていた常陽新聞の「キーパーソン」にQ&Aが載っていますが、私は取材後記で「永田さんは学長というよりも社長という感じがする(もっとも英語では学長も社長もプレジデント)。そこで、最近の国立大学長のタイプを聞いたところ、永田さんは『プラクティカルな方とフィロソフィカルな方がいるが、前者が多い』とコメント…」と書いています。 どうやら、「プラクティカル」な永田さんは「社長」として大学を「経営」、数々の実績(国立大学協会の会長に就任、防衛省の研究費を受け入れ、念願の『指定国立大』入りが確定など)を評価した先生方が続投を画策したところ、伝統的で「フィロソフィカル」な大学運営にこだわる先生方が反発した―といった構図だったようです。 結局、続投を狙った「プラクティカル」派が勝ったわけですが、学長の任期制限が外されたことで、筑波大がプーチン大統領のロシア、習近平主席の中国のようなイメージで見られるようになるかもしれません。また、「フィロソフィカル」派の怒りのマグマが大学に内包されることも考えられます。こういったリスクを承知して、永田「社長」がなぜ続投を受けたのか、どうして経営センスのある後継者を育てなかったのか、不思議です。 つくば市長 実績は不足?<現職の強み つくば市長選の結果については、「現職の五十嵐氏再選」(10月25日掲載)をご覧ください。現職の強みを生かした五十嵐さんは、対抗馬の知名度・準備不足もあり、民主的な選挙で圧勝しました。ただ、永田さんと違い、「実績集」「経営力」では挑戦者2人の厳しい評価も受け、「?」の感を残しました。 この4年間、五十嵐市政はいろいろな話題を提供してくれました。本コラムでも取り上げた「看板公約・運動公園問題が未解決」(8月17日掲載)、「新型コロナ禍対応の不手際」(5月4日掲載)、「指定管理者選定で迷走」(2019年3月4日掲載)、「空振りに終わった駅前空きビル再開発」(2018年11月5日掲載)などです。引き続き面白いネタを期待しています。(経済ジャーナリスト) 【参考】永田学長インタビュー(上)は2014年8月18日付常陽新聞、同(下)は同8月25日付。つくば市と土浦市の図書館で閲覧できます。

《吾妻カガミ》93 つくば市のキーマン2人が続投

【コラム・坂本栄】選任の仕方は違いますが、つくば市のキーマン2人の続投が決まりました。1人は筑波大学学長の永田恭介さん、もう1人は市長の五十嵐立青さん。続投決定、おめでとうございます。今回はお2人の選任と実績の話にします。 筑波大学長 数々の実績>伝統的選び方 永田さんの続投決定までの経緯については、本サイトの「永田学長を再任 筑波大 選考プロセスの正統性問う声噴出」(10月21日掲載)をご覧ください。紛糾の背景には、<実績ある永田さんに続投してもらうために選任方法を変えよう>対<伝統的かつ民主的な従来の投票方式で選ぶべき>という、学長選びの考え方の違いがあったようです。 この動きを見ていて、6年前の永田学長インタビューを思い出しました。当時発行されていた常陽新聞の「キーパーソン」にQ&Aが載っていますが、私は取材後記で「永田さんは学長というよりも社長という感じがする(もっとも英語では学長も社長もプレジデント)。そこで、最近の国立大学長のタイプを聞いたところ、永田さんは『プラクティカルな方とフィロソフィカルな方がいるが、前者が多い』とコメント…」と書いています。 どうやら、「プラクティカル」な永田さんは「社長」として大学を「経営」、数々の実績(国立大学協会の会長に就任、防衛省の研究費を受け入れ、念願の『指定国立大』入りが確定など)を評価した先生方が続投を画策したところ、伝統的で「フィロソフィカル」な大学運営にこだわる先生方が反発した―といった構図だったようです。 結局、続投を狙った「プラクティカル」派が勝ったわけですが、学長の任期制限が外されたことで、筑波大がプーチン大統領のロシア、習近平主席の中国のようなイメージで見られるようになるかもしれません。また、「フィロソフィカル」派の怒りのマグマが大学に内包されることも考えられます。こういったリスクを承知して、永田「社長」がなぜ続投を受けたのか、どうして経営センスのある後継者を育てなかったのか、不思議です。 つくば市長 実績は不足?<現職の強み つくば市長選の結果については、「現職の五十嵐氏再選」(10月25日掲載)をご覧ください。現職の強みを生かした五十嵐さんは、対抗馬の知名度・準備不足もあり、民主的な選挙で圧勝しました。ただ、永田さんと違い、「実績集」「経営力」では挑戦者2人の厳しい評価も受け、「?」の感を残しました。 この4年間、五十嵐市政はいろいろな話題を提供してくれました。本コラムでも取り上げた「看板公約・運動公園問題が未解決」(8月17日掲載)、「新型コロナ禍対応の不手際」(5月4日掲載)、「指定管理者選定で迷走」(2019年3月4日掲載)、「空振りに終わった駅前空きビル再開発」(2018年11月5日掲載)などです。引き続き面白いネタを期待しています。(経済ジャーナリスト) 【参考】永田学長インタビュー(上)は2014年8月18日付常陽新聞、同(下)は同8月25日付。つくば市と土浦市の図書館で閲覧できます。

【つくばの選挙2020】市長選は現職の五十嵐氏再選

任期満了に伴うつくば市長選は25日即日開票され、現職で2期目を目指した五十嵐立青氏(42)=無所属=が、自動車販売会社経営の富島純一氏(37)=同=、元研究者の酒井泉氏(71)=同=の新人2氏を破り、再選を果たした。当日有権者数は18万7565人。投票率は51.6%。 ◆つくば市長選開票結果(選管確定) 当 67,933 五十嵐立青 42 無現  13,439 酒井  泉 71 無新  10,918 富島 純一 37 無新 五十嵐立青 42 市長 無現① 【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。元いがらしコーチングオフィス代表。元NPOつくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住。【公約】①市民無視から市民第一のつくば②こどもとママパパにもっとやさしい子育て環境③すべての人が自分らしく生きる社会 五十嵐氏は1期4年間の成果を強調し「誰一人とり残さないつくばを、共につくる」などと訴えた。選挙戦は、現職の強みを生かして市議会最大会派の応援や、主な業界団体の推薦を得て強固な体制を敷き、知名度で新人2氏を突き放した。 酒井氏は、告示の1週間前に急きょ出馬を表明。五十嵐氏の4年前の最大公約だった総合運動公園問題に的を絞って現職を真っ向から批判し「URに買い戻させて66億円を取り戻す」などと訴えた。地元の上境地区などの応援を得て浸透を図ったが、及ばなかった。 富島氏は、五十嵐氏の行政手腕を「結果を出していない」と批判し、自らの経営手腕を強調した。若手経営者グループなどの応援を得て後半、追い上げたが、出馬表明が2カ月前と出遅れたことが響き、知名度が浸透しきれなかった。 マニフェスト135項目を必ず実現 【五十嵐陣営】同市上横場の選挙事務所には午後8時過ぎから支持者が集まり、開票を待った。午後9時30分過ぎ、五十嵐氏が投票総数の過半数を超える5万票超を獲得した速報が伝えられると、大きな拍手と歓声がわき起こった。地元の国会議員や近隣首長らが祝福に駆け付けた。 五十嵐氏は「ここまで多くの票をいただけたことに責任の重さを痛感している」と述べ「約束した135項目の公約を前に進めるためロードマップをつくり、市民との対話を深め確実に政策を実現したい」と話した。課題となっている旧総合運動公園用地問題とつくばセンタービル改修問題については「新しい議員と協議し、市民との対話を通し進めていきたい」とし、特に総合運動公園問題を訴えて告示日の1週間前に出馬した酒井氏に1万3000票超が集まったことについて「酒井さんに投票した皆さんにもいい解決になったなと思えるようにしていきたい」と話した。 突き一本で勝つつもりだった 【酒井陣営】支援者は終始和やかな雰囲気で談笑していた酒井氏の元へ午後9時30分過ぎ、現職再選確実の報が飛び込む。事務局では支援者から「『負けは負け』だが、ギリギリで立候補をしてこれだけ得票できた」との声が飛んだ。酒井氏は、支援者に頭を深く下げ敗戦の弁を述べた。「最後まであきらめず突き一本で勝つつもりだった。勝ち負けは度外視だったが負けは負けだ。今回、出馬しなければよかったとは一切考えていない。もし出馬をしていなければ、死ぬまで悔いが残ったに違いない。研究学園都市をこれまで作ってきた先人が見守ってくれていたという実感がある」と語り、これからもつくば市のブランドを成長させるための貢献をしていくと抱負を語った。 これから自分の生き方で恩返し 【富島陣営】午後8時過ぎ、同市稲荷前の選挙事務所には支持者が集まったが、1回目の開票で大差がついた。 富島氏は「短い期間でしたが応援してくれた皆様への感謝は忘れない。商売においても日本を良くしたいという気持ちでやっている。これからの自分の生き方で恩返ししていければと思っている。ただ、得票数においては、正直受け止めきれない。今後、この数字と向き合っていきたい」と敗戦の弁を語った。

つくばの選挙を開票速報します

NEWSつくばは、つくば市長選と市議選の開票状況を25日午後9時30分から開票速報します。 任期満了に伴う同市長選と市議選は25日午前7時から午後7時まで、市内75カ所で投票が行われ、同日午後8時15分から、同市流星台、桜総合体育館で即日開票されます。 当日有権者数は18万7565人。市長選、市議選とも投票率は51.6%でした。 市長選は午後10時過ぎ、市議選は翌26日午前0時ごろ、大勢が判明する見通しです。 ツイッターでも、#つくば選挙2020というタグを付けてツイートします。

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