木曜日, 5月 13, 2021
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《吾妻カガミ》93 つくば市のキーマン2人が続投

【コラム・坂本栄】選任の仕方は違いますが、つくば市のキーマン2人の続投が決まりました。1人は筑波大学学長の永田恭介さん、もう1人は市長の五十嵐立青さん。続投決定、おめでとうございます。今回はお2人の選任と実績の話にします。

筑波大学長 数々の実績>伝統的選び方

永田さんの続投決定までの経緯については、本サイトの「永田学長を再任 筑波大 選考プロセスの正統性問う声噴出」(10月21日掲載)をご覧ください。紛糾の背景には、<実績ある永田さんに続投してもらうために選任方法を変えよう>対<伝統的かつ民主的な従来の投票方式で選ぶべき>という、学長選びの考え方の違いがあったようです。

この動きを見ていて、6年前の永田学長インタビューを思い出しました。当時発行されていた常陽新聞の「キーパーソン」にQ&Aが載っていますが、私は取材後記で「永田さんは学長というよりも社長という感じがする(もっとも英語では学長も社長もプレジデント)。そこで、最近の国立大学長のタイプを聞いたところ、永田さんは『プラクティカルな方とフィロソフィカルな方がいるが、前者が多い』とコメント…」と書いています。

どうやら、「プラクティカル」な永田さんは「社長」として大学を「経営」、数々の実績(国立大学協会の会長に就任、防衛省の研究費を受け入れ、念願の『指定国立大』入りが確定など)を評価した先生方が続投を画策したところ、伝統的で「フィロソフィカル」な大学運営にこだわる先生方が反発した―といった構図だったようです。

結局、続投を狙った「プラクティカル」派が勝ったわけですが、学長の任期制限が外されたことで、筑波大がプーチン大統領のロシア、習近平主席の中国のようなイメージで見られるようになるかもしれません。また、「フィロソフィカル」派の怒りのマグマが大学に内包されることも考えられます。こういったリスクを承知して、永田「社長」がなぜ続投を受けたのか、どうして経営センスのある後継者を育てなかったのか、不思議です。

つくば市長 実績は不足?<現職の強み

つくば市長選の結果については、「現職の五十嵐氏再選」(10月25日掲載)をご覧ください。現職の強みを生かした五十嵐さんは、対抗馬の知名度・準備不足もあり、民主的な選挙で圧勝しました。ただ、永田さんと違い、「実績集」「経営力」では挑戦者2人の厳しい評価も受け、「?」の感を残しました。

この4年間、五十嵐市政はいろいろな話題を提供してくれました。本コラムでも取り上げた「看板公約・運動公園問題が未解決」(8月17日掲載)、「新型コロナ禍対応の不手際」(5月4日掲載)、「指定管理者選定で迷走」(2019年3月4日掲載)、「空振りに終わった駅前空きビル再開発」(2018年11月5日掲載)などです。引き続き面白いネタを期待しています。(経済ジャーナリスト)

参考】永田学長インタビュー(上)は2014年8月18日付常陽新聞、同(下)は同8月25日付。つくば市と土浦市の図書館で閲覧できます。

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9 コメント

9 Comments
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匿名
6 months ago

坂本氏の今回のコラムはすごく残念です。選挙と筑波大の話は分けるべきでした。
①【なぜ続投を受けたのか、後継者を育てなかったのか、不思議です。】
②【「?」の感を残しました。】
この次に何を取材するつもりですか?両者とも追跡しないのですか?
現職批判して、結果あの得票数見て、坂本氏と市民目線とは違うこと検証しないのですか?
富島氏だって勝つ計算し、行けると思って活動してたよ。1週間経ってこの文字数しか出せないのですか?
地元紙が無く、大手新聞紙の地方面の記事より、小さくともつくば市周辺の情報を知る手段としてニュースつくばを選ぶ。みんな見てますよ。『選挙開票速報します』と告知したくらい、あなた方は、みんな見てくれているのは気付いてる。なのにサーバーダウンし、ツイートの謝罪だけ。

もっと冷静で偏りの無い情報としっかりとした共感・納得できる内容をお願いします。

竹園住民
返信する  匿名
6 months ago

以前の記事のコメント欄で「コラムは一般記事と違い筆者の判断が優先される」とのことでしたから、報道やジャーナリズムとかけ離れてても問題ない、という事なのでしょう。

現職と事実上の一騎討ちと予想し最下位得票に終わった富島候補への肩入れ記事とか、「前回シングル・イシューで当選したのに解決できなかったから0点、落第」とか、筆者のお考えは市民感覚と必ずしも合致しませんので、個人のブログと思って参考程度にするのが吉かと。

そもそも市政を「面白いネタ」程度にお考えの様子なので、真面目に論評するのも馬鹿馬鹿しい話かもしれません。

Sakae.Sakamoto
返信する  匿名
6 months ago

匿名氏さんコメントありがとうございます。

1.市長選挙と学長選びは分けた方がよいとのご指摘について
 泥縄式の学長選定と永田さんの数々の実績
 確立された公職選と五十嵐さんの数々の失政
 ーこれを比較するため、字数制限内(1200字以内)でセットで取り上げました。

2.両者とも追跡しないのかとのご質問について
 つくば地区の皆さんは両テーマに強い関心があると思います。
 したがって、筑波大や市政の動きについては引き続きウォッチします。

3.市民目線との違いについて
 必ずしも同じではないと思います。
 経済・政治・軍事の専門家の目線で市政をウォッチしていますので、
 市民には新しい(あるいは別の)視点を提供したいと思っています。

4.地域メディア・NEWSつくばへの期待について
 過大なご期待いただき、ありがとうございます。
 当サイトは、つくば市を核とする地域情報の提供を定款にうたっております。

5.サーバーの不具合について
 21時半ごろから30~40分アクセス不可になり、申しわけありませんでした。
 21時半に1回目の開票速報をすると事前告知したため、同時刻にアクセスが集中しました。
 データ解析ではある瞬間に数万のアクセスがあり、当サイトへの期待を実感した次第です。

 当サイトでは、特定極短時間にこのレベルのアクセスがあるとは想定しておらず、
 読者の皆さまにご迷惑をかけたこと、大変申し訳なく思っております。
 今後このようなときには、情報提供の分散あるいはサーバー能力向上ーで対処します。

6.偏りのない情報をとのご指摘について
 当ネット媒体は編集方針として「行政の監視」を掲げています。
 当サイトの取材・分析の結果、行政に厳しい報道をするのが我々の仕事であると思います。
 つくば市政に対し厳しいのは、こういった編集方針の結果であり偏向ではありません。
 「かなりごじゃっぺ」なつくば市政には、引き続き厳しい目で当たりたいと思います。
 ご理解いただければと思います。
 
 

 

匿名
返信する  Sakae.Sakamoto
6 months ago

この6年間に筑波大学の学長選考会議で起きたこと:
永田学長が河田議長を任命する
河田議長は自らを終身職とする
河田議長は独断で安部副学長と稲垣副学長を選任する
学長選考会議は学長の任期上限撤廃をした上で永田学長を指名する

すべては永田学長の独裁のための工作です。「不思議です」な要素は一個もない。

匿名
6 months ago

『学長選びの考え方の違い』とありますが、間違いです。国の大学改革の弊害と考えるべき。

国は2004年に国立大を法人化した際、学内外を問わず経営能力のある(プラクティカルな)人が学長に就くべきとし、選考会議で決める制度を導入した。
2014年には、投票が行われても会議がそのまま結果に従うのは「不適切」とする通知を出した。
こうして、「プラクティカル」派が選考会議を私物化し、「フィロソフィカル」派を排除する基礎が出来た。さらに、この仕組みには長期独裁を誘導するという弊害もあり、それが具現化した。

つくつく
6 months ago

①筑波大の学生の間では今回の再選にあたって、わざわざ再選を可能にするように学内規則を改定してることから仰る通りやってることがプーチンみたいだと言われていますね。

②いつも通りの現市長に冷や水を浴びせるだけのコラム。特に感想はありません。いくら坂本氏の評価が低かろうが市民は万博だの公演問題の解決だのを最優先にして欲しくないというジャッジを下してるんですよ。まさかとは思いますが「現職の強み」が分析結果、なんてことはないですよね…?落選候補に足りなかったもの、当選候補にあったものがあった筈では。(市原氏から五十嵐氏に代わった際は市原氏立候補してなかったので、比較検証できませんが…)

つくば市の内々をスクープするメディアは現状ここが1番主要であり、頑張って欲しいです。公正に。

yamaguchi kazu
6 months ago

 永田学長の所信表明に「授業料収入の確保」という文言を見つけました。授業料収入に「確保」も何もないと思うのですが、何が表現されているのでしょうか。
 もしや「確保」には一般的な意味とは異なる用法があるのではないかと思い、辞書で引きますとやはり「自分のものとして、しっかり保ち手放さないこと。」とキチンと書いてあります。そうしますと、なおさら「授業料収入の確保」という意味が分かりかねるところです。もしかして、私が知らないだけで「授業料収入」を奪いにやってくる賊というのがいたりするんでしょうか。
 筑波大学ではなくて、永田プレジデントが主語ということならば、その是非は置いておくとしても、意味は通るかもしれませんが、それはないですし。あるいは、授業料を支払っていない学生に対して取り立てを強化するみたいなことでしょうか。

2019年度学長所信表明 独自性を発揮するために
https://www.tsukuba.ac.jp/president/statement/2019/index.html
「運営費交付金の安定的な将来像を描くことは現時点では大変に困難です。したがって、財源を多様化して、運営費交付金への依存度を下げていくしかありません。授業料収入の確保と科研費の確実な獲得はもとより、受託・共同研究などの外部資金、病院収入、各種の寄附金を増やしていかなければなりません。」

名無しの市民
6 months ago

相変わらず時事問題をネタに面白がっているだけの、3流コラム。
当事者感覚の欠如が甚だしいですな。
NEWSつくばは、このコラム以外はとても良いのに、残念。

Sakae.Sakamoto
返信する  名無しの市民
6 months ago

匿名氏さん、厳しいコメントありがとうございます。
3流コラムから脱出すべく精進したいと思います。
引き続きつくば市政を厳しくチェックしていきます。

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