木曜日, 8月 5, 2021
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《吾妻カガミ》101 つくば市長の名誉毀損提訴を笑う

【コラム・坂本栄】つくば市長の五十嵐さんが、期間を限って発行されたミニ無料新聞に市長としての名誉を傷付けられたと、その発行人を名誉毀損(きそん)で裁判所に訴えました。1期目の市政を批判されて面白くなかったのでしょうが、五十嵐さんには、関連する記事に対し自分の後援会紙などで反論する機会があったのに、言論に対し言論で対抗しないで司法の場に持ち込むとは…と、思わず笑いました。

言論による名誉毀損には言論で対抗すべき

五十嵐さんの訴えは、昨秋の市長選挙の前(6月~8月)、ミニ新聞の記事(計3号中の22箇所)によって、市長としての評価を傷付けられたから、その損害(130万円)を賠償せよという内容です。訴えられたのは、元つくば市議で「つくば市民の声新聞」発行人の亀山大二郎さん。提訴の概要や亀山さんのコメントは、本サイトの記事(2月17日掲載)をご覧ください。

この無料紙第1号については、本コラム「紙爆弾戦開始 つくば市長選」(昨年7月20日掲載)でも取り上げ、「五十嵐市長の2大失政(運動公園問題の後処理の不手際、つくば駅前ビル再生計画の失敗)などのリポートを掲載、現市長にマイナス点を付けました」と紹介しました。「権力の監視」を編集方針の柱の一つに掲げる本サイトとしても、シンパシー(共感)を覚えたからです。

提訴の話が耳に入ったとき、知り合いの弁護士に名誉毀損のポイントを解説してもらいました。彼によると、「言論による名誉毀損にはまず言論で対抗すべき」という法理論があるそうです。これには「相手に対し対等で反論が可能であれば」との前提が付くそうですが、五十嵐さんは、後援会紙、SNS、記者説明などで反論できたわけですから、発信力は対等どころか、ミニ新聞よりも優位にありました。

そこで、五十嵐さん後援会紙「Activity Report」7~10月発行分(計4号)をチェックしたところ、内容は市長1期目の自慢話ばかりで、「つくば市民の声新聞」への反論は見当たりませんでした。選挙運動中は反論せず、選挙が終わってから裁判所に駆け込むとは、市長=政治家らしくない行動です。

公約は「返還」でなく「返還交渉」だった?

名誉を毀損されたという記事は、先に引用した2大失政のほか、五十嵐市政下で市職員が増え人件費が拡大している(行政改革が不十分)、県からもらえるはずの補助金なしで給食センターを建てた(市が全部負担)、地元業者優先の不自然な発注が目立つ(入札制度への疑問)―などの内容で、とても勉強になりました。

訴状を読むと、五十嵐さんは記事の表現を問題にしています。例えば運動公園問題については、ミニ新聞の記事では用地をURに返還すると公約したと書いているが、公約したのは「返還」でなく「返還交渉」だった、と。交渉がうまくいかなかったから返還できなかった、でも交渉はしたのだから公約は守った、だから記事は間違いであり名誉毀損に当たる―といった論理構成です。この理屈も笑えます。

逆に、笑って済まされない箇所もあります。「歪(ゆが)んだ情報により一旦結果(選挙結果)が生じれば、一時的とは言え地方自治体の体制を混乱に陥れることになりかねない重大な結果を招く…」とのくだりです。こういった表現の自由を封じるような論述は、どこかの非民主国の言論規制を想起させます。(経済ジャーナリスト)

20 コメント

20 Comments
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名無しの市民
5 months ago

つくば市長の提訴内容って、このコラムも十分該当するくらい突っ込みどころ満載の提訴内容だったと思う。

いっそコラム主も提訴されて法廷の場にて「市長アンタおかしいよ」って戦ってもらいたいね。

単なる誹謗中傷じゃなく、市民として疑問を感じたことに対して自費による広告という形にて市民に呈したのにね。

内容が正しくないことが問題?いやいや、正しくないように理解させてるのが現市政じゃないのかな?むしろ「本当はこうなんです。誤解させてごめんなさい」が市政の役割だよね?

誤解・誤認した市民を即提訴とか、そんなことやってるから共産党云々言われちゃうんだよ。

市政ウォッチャー
5 months ago

政治家なんだから言葉には言葉で返せということですね。これを法曹界ではmore speech=対抗言論と言うそうです。市長は立場の弱い一市民ではなく権力を持つ政治家ですから、堂々と言論で対抗すべきでしょう。それに公約は返還でなく返還交渉だったと言うのは明らかに詭弁の世界ですね。多くの市民は返還交渉によって返還してくれると思って投票したわけですから。最後の民主主義の危機というのは大袈裟な気もしますが。

新人の市民
返信する  市政ウォッチャー
5 months ago

いや、対抗言論やトリック公約の問題よりも、民主主義の危機の方が問題です。今の市長さんは自分が一番賢くて偉いと思っているようで、この思い込みが市民民主主義を壊します。自分のやっていること以外、「歪んでいる」と切り捨てる市長は危険です。やはり、別の所に引っ越そうかな。市政に異議を唱えられないような市に住みたくありませんし。

名無しの市民
返信する  新人の市民
5 months ago

トリック公約というあだ名がついているんですか笑笑

名無しの市民
返信する  名無しの市民
5 months ago

「総合運動公園問題の完全解決へ!」とA4縦書き1/3もの大フォントで書き、小さく「解決へ向けて交渉を進めます」とアリバイ工作。

「市長特権の退職金3期分廃止!」と言いながら「制度上出来ないので22円にして実質公約達成!」・・・・・いやいや、減額しただけで廃止してないでしょ。

というすり替えをトリックと呼んでもおかしくないねw

クレオ跡地に科学のキッザニア・・・・もはやトリックでもなく有限不実行をそっと無かったことにしてたりもするよね。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
5 months ago

「クレオ跡地に科学版キッザニア」、あれも「キッザニア構想を検討し」が公約であって「キッザニアを作る」とは言っていない。どこまで検討したのか知らんけど、2期目公約でそっと消したのはご指摘の通り。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
5 months ago

ミスターマリックみたいですね。ミスタートラック公約。

名無しの市民
5 months ago

しかし事実と異なるデマや中傷は「報道の自由」「言論の自由」の範囲に入らないのでは?そのあたりも司法が判断してくれるでしょう

名無しの市民
返信する  名無しの市民
5 months ago

亀山さんは、紙面で事実と異なるデマや中傷をされていたのですか?
件のトリックの件は中傷ですか?

名無しの市民
返信する  名無しの市民
5 months ago

あのビラの内容が全くの事実と異なるとは見えなかったんですよねー。。違うなら公人としてここの指摘はこうです!とか反論したほうが良いとは思うんですがね。今後も五十嵐市長は自分が事実と異なると思ったら札束が必要な司法に提出して反論を封じる行動をとるの?の印象のほうが強いです
実際運動公園反対してるのに作るの!?とか退職金0といったのに結局税金支出は出て公庫にもどってないじゃん?とか思いますし。ただ今この状況下で長を変えるまでの失策はしてないとは思ってますけどね

名無しの市民
5 months ago

公約は「返還」でなく「返還交渉」だった?

一期目の市長選挙の候補者公開討論で対立候補からさんざん突っ込まれてましたよね。
「いくら交渉したってURが返還に応じる訳がない。実現性のないことをあたかも交渉次第で出来るかのように錯覚させる公約は詐欺的だ」って。五十嵐氏は「やってみなければ分からない」と強弁してましたが、「最初から返還出来るとは思ってないけど交渉だけは一応しますよ」が本音で本意だったと思います。

最初から「交渉」と言ってたのに勝手に拡大解釈して「公約がー」とか言ってる方が失笑ものです。

名無しの匿名
5 months ago

五十嵐氏は17日、自身のフェイスブックで「名誉毀損の訴訟を提起した」と発表したとのこと。しかも当初は簡易裁判所に訴え、目立たないように相手を威圧していたのではないだろうか。
のちに「NEWSつくば」で記事として取り上げられ、あわてて地方裁判所の扱いとして、公然と争う姿勢をとらざるようになったというのは邪推だろうか。
そもそもフェイスブックでの訴訟の紹介で、市長の定例記者会見ではなかったということがビックリ。

名無しの市民
5 months ago

坂本氏のコラムは訴えられないんですかね

名無しの市民
返信する  名無しの市民
5 months ago

事実無根の誹謗中傷を記事にしてたら訴えられるでしょうが、事実に即した政治批評の範囲内なら訴えられません。

ただのつくば市民
5 months ago

言いたいことはわからないでもない。
ただ、NEWSつくばがメディアならば、コラムとは言え嘲笑するような記事はどうかと思う。メディアとして褒められたものではないと思うが、NEWSつくばのスタンスを知りたい。

コラムニスト
返信する  ただのつくば市民
5 months ago

ご指摘ありがとうございます。上の方の「新人の市民」さんがコメントしているように、五十嵐さんが対抗言論を避け、トリック公約を掲げたことを、大市長らしくないと素直に笑ってしまいました。嘲笑といった大げさなものではありません。ただ、見出しを「…笑う」としたことは、少し品がなかったかなと反省しております。五十嵐さんも、全国の読者に笑われないように、頑張ってください。

名無しの市民
返信する  コラムニスト
5 months ago

トリック公約というよりは、トリック言い訳だと思います。
そもそもはトリックじゃなかったはずが、あとあとトリック的になったということに過ぎないからです。

さすらいの市民
4 months ago

もし、URが返還交渉に応じてたら

公約は返還交渉ではなく
返還させるところまでが 公約です!って
言いそう

返還させました!
公約を守りました!

ってなるんだろうな

事実の後づけしそう

返還できたのに
交渉するだけが公約ですとは言わないよな

名無しの市民
4 months ago

「市職員が増え人件費が拡大している(行政改革が不十分)」
首切り=行政改革か…維新みたいな考え方の人がつくばにもいるんですね!

つくば市長の名誉毀損提訴 近く裁判開始《吾妻カガミ》105
3 months ago

[…] 先のコラム「名誉毀損提訴を笑う」(3月1日掲載)と「名誉毀損提訴を検証する」(4月5日掲載)では、記事と訴状を読み込んで、▼総合運動公園用地返還「公約」は、返還の実現(記事 […]

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