火曜日, 4月 7, 2026

新千円札の北里柴三郎《くずかごの唄》141

【コラム・奥井登美子】祖父の平沢有一郎(上の写真右)は慶應3年(1867)に生まれた。明治25年(1892)に行われた薬剤師国家試験で茨城県では初めて合格し、26号の合格証がある。その年に合格した全国28人が大事な実験器具の周りに集まって撮った集合写真(同左)も我が家に残っている。 北里柴三郎は明治25年、福沢諭吉の援助で日本初の伝染病研究所を設立した。次の年、芝白金三光町に結核患者の結核療養所をつくった。諭吉は日本で初めてのこのサナトリウムを「土筆ケ岡養生園(つくしがおか ようじょうえん)」と命名した。 柴三郎を尊敬した奧井有一郎 北里柴三郎の人と仕事を尊敬し、その仕事の手伝いをしたかった平沢有一郎は土筆ケ岡養生園に就職し、夢中で働いていたらしい。この養生園の便箋に書かれた手紙(本欄の写真)が我が家に残っている。彼は結婚して奥井家に入り、奥井有一郎になった。 有一郎の孫にあたる奥井勝二は、私からは義兄になる人。手先が超器用な優しい人で、おじい様をとても尊敬していた。義兄は千葉大学医学部の外科医で、働き盛りのころは考えられないほど忙しい毎日を送っていた。 医療用の機械にロボットなどない時代、医者の体力と技術だけが頼りの手術だったので、ものすごく多忙な毎日だった。胃がんの手術500回分のデータをまとめた資料を見せてもらったこともある。 「今日は有一郎おじい様の命日です。お参りに行きたいけれど、行かれない」 「手術を待っている人、たくさんいらっしゃるのだから仕方ないわよ」 「ごめんなさい。おじい様にお花を挙げておいてください」  新千円札の顔をなでながら 義兄も、96歳の天寿を全うして宇宙に飛び出してしまった。私は千円札になってしまった北里柴三郎の顔を指でなでながら、この人に痛烈にあこがれた2人の人間がこの家にいたという事実をかみしめている。(随筆家、薬剤師)

水道料金平均15%引き上げが妥当 つくば市の審議会が答申 来年4月から

4人世帯 22%増の月2900円から3550円に つくば市の水道料金について、同市上下水道審議会(会長・白川直樹筑波大准教授)は29日、来年度から平均15%引き上げることが妥当とする答申書を五十嵐立青市長に提出した。9月3日開会の市議会9月定例会議に提案し、答申通り来年4月からの引き上げを予定している。値上げされれば2018年度以来。 市の試算によるとモデルケース別では▷一人暮らし世帯(メーター口径13ミリ、月平均7立方メートルを使用)は現在の月額1200円から15%(180円)増の1380円▷2人暮らし世帯(口径20ミリ、月14立方メートル使用)は2060円から23%(470円)増の2530円▷ 4人暮らし世帯(口径20ミリ、月20立方メートル使用)は2900円から22%(650円)増の3550円になると試算されている。 期間は2029年度までの5年間で、5年後に再び改定を検討する。平均15%の引き上げは、23年3月策定の市水道事業経営戦略の財政シミュレーションと同率で、同戦略は5年後の2030年度にもさらに15%引き上げを見積もっている。ほかに下水道料金の改定についても現在、市下水道事業経営戦略を策定する審議会の中で審議されている。 基本水量を廃止、大口の引き上げ率低く 29日出された答申によると、上水道が普及していない地域の解消や、老朽化している施設や水道管の更新費の財源を確保するため水道料金を引き上げる。引き上げられれば、現在口径13ミリと20ミリを使用している一般家庭などは2022年度の実績で供給単価が給水原価を下回っている状態だが、赤字が解消される。 今回の引き上げにあたっては基本水量を廃止するのが特徴の一つ。基本水量は、口径13ミリ、20ミリ、25ミリの世帯などに対し、使用水量が月10立方メートル以下の場合、現在は使用量にかかわらず0円としている料金を、使用水量に応じて1立方メートル当たり40円とする。代わりに口径13ミリと20ミリの基本料金を50円から100円引き下げる。これにより口径13ミリで月2立方メートル以下しか使用しない世帯や、口径20ミリで月1立方メートル以下しか使用しない世帯などは改定により水道料金が月10円から100円下がる。具体的には、市内に家があるが常時居住していなかったり、空き家などを所有している世帯が引き下げの対象になるとみられる。 さらに2018年度の引き上げの際は、引き上げ率が平均21%、4人暮らし世帯は平均16%引き上げなど、一般家庭の引き上げ率を低くし、大口使用者の引き上げ率を高くした。今回は料金の公平性を高めるため、大口使用者の引き上げ率を、口径50ミリは14%、75ミリは10%、100ミリは9%引き上げなど一般家庭に比べ引き上げ率を低くする。市全体では平均15%、4人暮らし世帯は22%の引き上げになる。 答申を受け取った五十嵐市長は「(答申の)内容を重く受け止め、市民の負担と経営のバランスを考慮しながら計画的に事業を行っていきたい。議会にお示しした上でご意見を伺って、市民の皆さんにも丁寧に理解を得られるような説明を心掛けていきたい」としている。 市民への説明について市水道総務課は、議会で可決されれば、10月から市広報誌やホームページのほか、ちらしを各戸配布して周知したいとしている。(鈴木宏子)

TX研究学園駅に「駅ピアノ」を設置 《けんがくひろば》8

【コラム・髙野勝憲】7月1日、TX研究学園駅の構内(改札口外側コンコース)に「駅ピアノ」を設置させていただきました。今回のコラムでは、誰でも自由に弾ける駅ピアノをなぜ研究学園駅に寄贈したのか、私の思いを述べたいと思います。 一つは、駅利用者や近隣住民の皆さんに癒しや潤いを与えることができればと思っています。通勤や通学で研究学園駅を利用される方々は、気分のいい日もあれば気分が乗らない日もあるでしょう。そのとき、誰かが奏でる駅ピアノで前向きな気持ちになってもらえたらと思います。 二つ目は、この駅ピアノが地域のコミュニケーションの場になればということです。老若男女、市在住・在勤を問わず、この新しい街で生活する人たちに触れ合いが生まれる場所になればと思います。学校帰りの子供の演奏を通りがかった方が耳にして拍手を送る、といったように。 そういった思いを込め、ピアノのバックボードには、この地域で活動されている方々の団体名を記載させていただきました。 学園の思い出のシンボルに もう一つ、研究学園駅が駅利用者や近隣住民の愛される場所となることです。私は生まれも育ちも仕事もつくばで、そしてこの地を愛しています。先祖代々からの地元の方々、学園都市開発のために越して来られた方々、この街に魅力を感じて新たにお住いになられた方々―すべての方々に、この地を愛してもらえたらと思います。 特に子供たちに、です。価値観が多様化している現代社会において、子供たちには様々な経験をし、活躍をしてもらいたいと思います。その上で、この地に縁がある子供たちには、この地を忘れずに愛するふるさとと思ってもらえるよう、駅ピアノがこの地の思い出のシンボルになればと思います。 そういった願いを込め、茨城県出身のデザイナーに駅ピアノの企画を練ってもらい、つくば市出身のアーティストに学園都市にまつわる絵を描いてもらいました。また、1日の開設セレモニーでは、つくば市出身のピアニストに記念演奏をお願いしました。 このピアノが末永く愛され、皆さんの心に潤いを与え続けるとともに、研究学園の心のふるさにとなってくれることを願っています。(株式会社ホテルベストランド 代表取締役)

狛犬さんのお導き《令和楽学ラボ》30

【コラム・川上美智子】つくばの保育園園長をこの3月に卒園し、4月からは人生で一番近い職場、関彰商事の水戸オフィスに勤務している。NHKの大河ドラマ「光る君へ」と朝の連続テレビ小説「虎に翼」を見る余裕も生まれた。いずれのドラマも時代に抗して突出した能力を発揮し活躍する女性が主役なので、応援しながら見ている。 「光る君へ」の中では、紫式部、清少納言の2人の才女が源氏物語と枕草子を記すさまも描かれるようであるが、高校時代に少しかじっただけで今まで関心をもつことはなかった。しかし、テレビが縁で頭の中が平安モードになり、がぜん興味が沸いた。筑波山が、常陸風土記や古事記、日本書紀に歌垣(うたがき)の山として描かれていることは見聞きしていたが、源氏物語の「東屋」の冒頭にも登場し、「浮舟」へとつながることを初めて知った。 また、枕草子第15段には、「峰は」として、私の生まれ故郷の淡路島の山がつづられていることを知った。 峰は、ゆづるはの峰。あみだの峰。いやたかの峰。 この「ゆづるはの峰」こそ、淡路島最高峰(と言っても607.9メートル)の諭鶴羽(ゆづるは)山であり、父の実家、現在の南あわじ市灘仁頃と母の実家、洲本の間にそびえ立つ険しい山だった。特に南斜面は、四国から紀伊水道にかけて走る中央構造線に続く断崖層となっており、歩いて登るのは大変である。そのため、古くから山岳信仰の修験道の霊場として発展し、急斜面には修行僧が行く細い古道がつくられ今も残されている。 私は、この年まで一度もこの山に関心がなく、400メートル地点に諭鶴羽神社があることも、この神社がその地域の守護神となっていて、祖父や父が大事にしてきたことも知らずにいた。 由緒ある諭鶴羽神社 ところが、「光る君へ」のご縁か、先日、神社行きがかなったのだ。昔の茶の研究者仲間で静岡在住の元伊藤園の方が淡路島出身で、SNSを通じて私が7月の墓参りの際に神社に行きたがっていることを知り、すぐに連絡をくれて、諭鶴羽神社への案内をかって出てくれた。険しい山道を車で登ると、深い森の中に鳥居が現れた。 諭鶴羽神社は、国生み神話(紀元前、第九代開化天皇の時代)のイザナギ、イザナミの二神が鶴に乗ってこの山に降り立ち権現となったのが始まりとされる由緒ある神社であった。熊野古道で有名な熊野の神は、この諭鶴羽神社から渡っていったという記述があり、平安期には28の大伽藍(がらん)がある大霊場だったという。豊臣秀吉もこの神社を参ったとの記録が残っている。 現在は、諭鶴羽神社と奥の院が残されているだけであるが、羽生結弦選手がオリンピック前後に訪れたこともあって、若い女性たちの人気パワースポットにもなっている。 この神社に関心をもったもう一つの理由が狛(こま)犬である。昭和56年に父と伯母が神社に狛犬を寄進したことが最近わかったのだ。その礎石には「昭和の初めに先代(祖父)が献進した青銅製狛犬が大戦中に供出献納され、改めて石造狛犬一軀を寄進する」と書かれていた。 参拝の折、狛犬のことをご存知の宮司さんにも偶然お会いでき、自分といろいろつながりのある神社に導いてくれたドラマと狛犬さんに感謝している。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)

アニメ「パトレイバー」の聖地 土浦に巨大ロボット出現へ 8月3日夕

キララまつり会場 アニメ「機動警察パトレイバー」の聖地、土浦に8月3日夕、同アニメに登場する高さ10メートルの巨大ロボットが出現する。3日と4日、同市中心市街地で開催の夏祭り「土浦キララまつり」の開催に合わせて、まつり会場の一つ、同市中央、亀城公園前に登場する。ロボット立ち上げイベントに先立って7月26日から、同公園前の亀城プラザで、同ロボットをデザインした4回目となるマンホールカードの配布と、同ロボットの模型などの展示が始まった。 3日登場する巨大ロボットは、実写版映画に登場した実物大の機動警察のロボット「イングラム」で、高さ10メートル、幅4.5メートル。同日午後5時から8時まで、歩行者天国になる亀城公園前のバス停近くで、トレーラーの荷台から立ち上がる。同アニメに登場する土浦研究所で製造された「グリフォン」は、イングラムの敵役という設定になっている。 ロボットの立ち上げイベントを盛り上げるため、同日午後3時30分から4時30分まで亀城プラザで、アニメファンでタレントの喜屋武ちあきさん、ワンピースなどのアニメ作品に出演している声優の千葉繁さん、機動戦士ガンダムなどに関わったメカニックデザイナーの出渕裕さんらのトークイベントやコスプレイベントも予定されている。 立ち上げイベントは、東京・吉祥寺や新宿など各地で開催されており、土浦では初めて。立ち上げやトークイベントなどの事業費は約270万円。 26日からカード配布やフィギア展示 26日から亀城プラザ1Fエントランスホールで配布が始まった新しいマンホールカードは「霞ケ浦総合公園☓バド」と題し、同公園にあるオランド風車を背景に、パトレイバーに登場するイングラム1号機が描かれている。併せて同会場で、イングラムの模型と操縦席、劇場版で登場する建造物「方舟」の模型のほか、歴代のマンホールカードの展示が8月3日まで1週間行われる。 マンホールカードは2016年に配布が始まり、今回が23弾となる。23年の第20弾からはデザインをパトレイバーとしている。今回のマンホールカード配布などについては59万円を計上している。 聖地巡礼を 同市はアニメファンの聖地巡礼など、にぎわい創出に向けて、2022年1月に同アニメ30周年記念企画展を開催した(22年1月13日付)。続いてマンホールのふたをパトレイバーのデザインに変えるデザインマンホールの作成(22年5月28日付、23年3月24日付)、土浦で誕生したという設定のグリフォン像の設置(23年12月15日付)など、アニメを活用した取り組みを実施している。 同市の市長公室政策企画課の栄貴尋さんは「パトレイバーを通じて、土浦市の良さをもっと多くの人に知ってもらえれば」と話す。 機動警察パトレイバーは、ロボット技術による歩行式の作業機械「パトレイバー」が普及する近未来が舞台となり、新設されたレイバーの活躍を描く漫画やアニメ。作品には「土浦研究所」が登場している。1988年から劇場版やテレビシリーズが制作され、今も根強いファンがいる。(榎田智司) ◆マンホールカードの配布は7月26日(金)から亀城プラザで。配布時間は午前9時から午後4時。ロボット模型などの展示は、同プラザで7月26日から8月3日まで。 ◆巨大ロボットの立ち上げ(デッキアップ)イベントは8月3日(土)午後5時から8時まで、亀城公園前のバス停「亀城公園前」付近で、数回に分けて立ち上げる。トークイベントは予約多数によりすでに満席。 ◆土浦キララまつり2024は8月3日(土)と4日(日)の2日間、土浦駅西口前から亀城公園前までの駅前通りを歩行者天国にして開催。3日は市内などの高校10校の高校生による「学祭TSUCHIURA」や「七夕おどり」が実施され、参加者が土浦駅前通りを練り踊る。夜には霞ケ浦湖岸で花火を打ち上げる。4日は山車の競演が行われる。

霞ケ浦が優勝、つくば秀英は涙のむ【高校野球茨城’24】

第106回全国高校野球茨城大会は最終日の27日、ノーブルホームスタジアム水戸で決勝戦が行われ、霞ケ浦がつくば秀英を9-3で破り、5年ぶり3回目の優勝を飾った。8月7日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される全国大会に出場する。 霞ケ浦は終盤、緊張と疲れからミスが出たつくば秀英を攻め立て、突き放した。つくば秀英の櫻井健監督は「夏を勝ち切る力が残っていなかった。技術面や精神面のほか体の疲れも大きく、選手の100パーセントの力を発揮させてあげられなかった」と悔やんだ。 準優勝のつくば秀英の選手たち 序盤は霞ケ浦の市村才樹、つくば秀英の羽富玲央の両2年生エースが好投し、3回までともに無失点。試合が動いたのは4回裏、きっかけは霞ケ浦の4番・羽成朔太郎の右前単打を二塁打にする好走塁だった。「当たりは良くなかったが、ライトの守備が深いのを見て、打った瞬間から2つ行こうと思った」と羽成。これには相手投手の羽富も「ただのライトゴロと思って打球から目を切り、気付いたら走者が二塁にいたので、なぜそこにと驚いた」と動揺を隠せなかった。 5番・大石健斗は「羽成の執念を無駄にできない、返さなくてはという使命感で、来た球を余計な感情なくフルスイングした」。と、これが左前への適時打となり1点先制。その後7番・片見優太朗と8番・鹿又嵩翔の連続内野安打などで2点を追加、つくば秀英の羽富をノックアウトした。 つくば秀英は7回表に反撃、6番・稲葉煌亮の左中間二塁打と、7番・知久耀の左前適時打で1点を返す。さらに代打攻勢に出たが、これが次の回に影響する。羽富の後は中郷泰臣が登板し6回まで無失点に抑えていたが、代打を出したことで彼を下げざるを得なくなり、7回裏のマウンドには三塁手の大石隼也が登った。 大石隼はこれまでに何度もチームの窮地を救ってきたが、打・守・投の3役を一人で引き受けるのは荷が重い。本来の投球内容ではなく、またチームにエラーやミスが続出しこの回3失点。6-1とされる。 8回表は、それまで好投を続けてきた霞ケ浦の市村が捕まり、4安打を浴び2失点。ここで眞仲唯歩がマウンドへ。1死一・二塁の場面で大石隼をスライダーで三ゴロ、代打・石井清太郎は見逃し三振で抑えた。眞仲は「大石には打たれてもいいつもりで戦う気持ちを前面に出した。石井にはまっすぐがアウトローに決まり、相手も手を出せなかった」と振り返った。 これで立ち直った霞ケ浦は8回裏にも3点を追加、9回表も眞仲が抑えて試合終了。「8回の守りでは去年の悪夢も頭によぎったが、前半の得点が生きた」と高橋祐二監督。大石隼との対決では「ホームランを打たれても同点止まり。負けないんだから恐れずに行け」と眞仲にアドバイスしたという。 「甲子園で校歌を歌うためにこの1年間頑張ってきた。みんなで力を合わせて目標を達成したい」(高橋監督)との思いで、霞ケ浦ナインは次のステージに挑む。(池田充雄)

里山子ども探偵団《宍塚の里山》115

【コラム・阿部きよ子】私たち「宍塚の自然と歴史の会」は、将来に向け里山を保全していくためには、若い世代が里山の魅力を体験することが欠かせないと考え「環境教育」に力を注いできました。 1989年の会発足時からテーマのある月例観察会を行いましたが、小さな子どもは参加しても、専門の先生の話に集中することは困難でした。そこで2001年から、子ども中心の遊びと観察の会「子ども探偵団」を始めました。以来、雨天以外、毎月第4土曜午前10~12時に実施しています。生物多様性の宝庫、美しい里山景観の中での体験が、成長していく彼らの「ふるさと」体験となってほしいと願って活動しています。 毎回、下見をして主な内容とコースを計画していますが、集まった子どもたちの様子、天気などで変更もします。今年の様子を一部紹介します。 7月は短距離日陰コース 1月:メインは落ち葉のプール作りと「小屋」作り。 2月:前半は梅の花見とアカガエルの卵塊観察。後半は「アスレチック広場」で体を動かす遊び。木登り、ターザンロープ、スラックライン、ゲンコ、ブランコなどなど。ゲンコは地元のお年寄りから教わった昔ながらの遊びです。木の枝の枝分かれしたY字の部分を削って尖らせた「ゲンコ」を地面に投げて突き刺し、さらに倒し合います。 3月:雨天で中止 4月:池に浮かぶ水草のヒシ、雑木林の春の草花の観察。保全活動を兼ねた孟宗竹のタケノコ倒し。 5月:ドングリから育ち始めたコナラの芽と根の観察。ヒバカリ(無毒の蛇)、鮮やかな色のフクラスズメ(蛾の幼虫)の観察。多くの子が怖がらずに触ることができました。 6月:ネムの花の観察、朽ち木の間の甲虫捜し、保全活動を兼ねた真竹のタケノコ倒し。採集した生き物は、毎回観察後、元に戻しています。 7月:猛暑だったので短距離日陰コース。宍塚大池で、ブルーギルが水に落ちたバッタを食べる様子を観察し、水面に広がるヒシが水に浮く仕組みや、葉っぱを食い荒らすハムシの幼虫と卵を観察。セミの抜け殻を拾い集めながら林の中を進む途中、コケに包まれた小鳥の巣が落ちていたのを発見。 思いがけないものを発見 初めて参加する子の中には、とても物知りだけれど、実際の生き物を見つけたり、触れることのできない子がいます。でも、経験ある子どもと接する中で、積極的に生き物に接していく姿がしばしば見られます。また、参加した子が次には友達を誘ってきてくれることもあります。 毎回、子どもたちは思いがけないものを発見してくれるので、スタッフの私もわくわくします。この里山が、将来も、子どもたちの育つ場として生かされることを願っています。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

400人規模の市職員対象に睡眠の質調査へ 筑波大とつくば市が実証研究

つくば市と筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(柳沢正史機構長)は26日、睡眠の課題発見と解決に向けた連携協定を締結した。400人規模の同市職員を対象に、今年秋ごろから睡眠の質を調査し、さらに改善策を検証する実証研究を共同で実施する。 おでこなどにシールを貼って、自宅で眠っている時に脳波を測ることができる機器を対象者に貸し出し、個々の職員の睡眠の質と量を測定し解析する。さらに睡眠に関する個々の問題点をそれぞれ洗い出して、改善策をアドバイスなどして、再び脳波を測定してもらい、改善できたかどうかを検証する。 脳波の測定は一人に付き眠っている間の5日間ほど。改善策やアドバイスを受けて再び5日間ほど脳波を測定し検証する。 実証研究の対象者や方法など詳細は今後決めるが、一つの職場で400人規模で実施することにより、働く世代の睡眠に関する有病率がどれくらいか分かることが期待されるほか、例えば、測定結果や改善策をすぐにアドバイスするグループとそうでないグループに分けて、自分の睡眠を知ることがどれだけ行動変容につながるのか、本人が自分の睡眠を自覚するだけでどのような変化があるかなどの検証も期待できるという。実証研究の対象職員からは併せて、飲酒など普段の生活習慣や生活パターンなどを聞き取り、睡眠の質や量と突き合わせる。 柳沢機構長が、功績の大きい研究者に贈られる2023年の国際的な学術賞「ブレイクスルー賞」を受賞し、受賞記念講演を聞いた五十嵐立青市長が柳沢機構長に働き掛けたことがきっかけという。実証研究の費用は約970万円で市が負担する。9月議会に提案し、可決されれば、10月か11月ごろから来年3月まで実施する計画。 柳沢機構長は「健康の3要素は食、運動、睡眠といわれるが、睡眠だけは自分で自覚できない。企業の従業員や自治体の職員などが問題を抱えている時の生産性の低下は、睡眠による影響が食、運動に比べて10倍大きいという調査もある。睡眠が悪ければ病気になりやすくなるのに加えて、睡眠不足を含めた睡眠障害は直接に頭や体のパフォーマンスに影響してきて生産性が下がる。感情のコントロールもできにくくなるので人間関係や信頼関係が悪くなりがちということもあって、その辺りを職域で改善することは極めて大事になる」とし「在宅で脳波を測れるデバイスを用いて、客観的に職員の睡眠を測り、高解像度で睡眠を見える化した上で、個人の問題点を洗い出して、改善策をアドバイスするなり、探っていき、さらに改善できたことを検証したい。この手の実証研究は数十人でやるなど、ともするとスケールが小さくなりがちだが、職域を一つのフィールドとして400人規模で自治体が率先して行っていくことに敬意を表したい」と話した。 五十嵐立青市長は「ノーベル賞につながるといわれるブレークスルー賞を受賞した柳沢先生が率いられる機構とご一緒できることはひじょうに価値がある。共同研究の成果は直接的に市民の健康に資する。睡眠が幸福度の大きなカギだと確信しているので、協定をきっかけに市民の幸福度を高める取り組みを進めていきたい」と話す。

飛行機が苦手だけれど《遊民通信》93

【コラム・田口哲郎】 前略 私は航空機移動が苦手なので、国内は鉄道で旅することにしています。先日、長崎に行かねばならない用事があったのですが、スケジュールの関係でどうしても飛行機を選択せざるを得なくなりました。 飛行機のチケットをとったときから不安になり、それが着陸まで続きます。新幹線があるのに、なぜわざわざ上空1万メートルを飛んでゆく必要があるのかとか、旅客機はまったく近代の産物で、おかげで人類は進歩できたけれども、それは多くの犠牲のうえに成り立っているなどと、余計な思考が頻繁に頭をよぎるようになりました。 軽い鬱(うつ)状態で、機内で離陸時、着陸時にはパニックに陥ってしまうかもしれないと、いま思えば大げさなことを考えて不安をどんどん大きくしていました。 快適な天空の旅 さて、実際に搭乗し、着席し、飛行機が動き出しました。猛スピードが出て、浮揚し、ぐんぐん高度を上げてゆく機体の中で湧いてきたのは、不安というよりワクワク感でした。あの高揚感は技術のフロンティアを築いてきた人々への憧れと尊敬なのでしょうか。とにかく、説明のつかない気持ちでした。 高度1万メートル辺りになるとシートベルト着用サインが消えて、機体は水平になります。窓の外を見やると、雲上の世界。青と白、遠く霞む水平線。陽の光に照らされた明るい、澄んだ景色が目に入りました。不安はどこかに飛び去り、美しい光景に感動し、神の目をもったような気分になりました。 天空の航行を楽しんでいると、キャビンアテンダントが飲み物はいかがですかと笑顔で話しかけてくれます。天女のやさしさを思わせます。リンゴジュースを飲むと、エデンの園のりんごはこんな味だったかと想像するほどに、フライトを心地よく思っている自分がいました。 時速900キロほどの速度ですから、羽田から長崎まで2時間弱で着いてしまいました。無事着陸した時の衝撃音で地上の現実に戻ったことを悟ったときには、天が恋しいとさえ感じました。異国情緒漂う長崎で所用を済ませて、帰るときにも、行きのような心境の変化がありました。多少の不安、離陸の高揚感、天空の夢心地、そして地上の覚醒、着陸した後のひと安心。 成田空港が近い茨城県南では、航空機が飛行するのをよく見かけます。いままでは他人事で気にもかけていませんでしたが、このごろは人類の英知を結集した航空機がクルーの皆さんのたゆまぬ努力で多くの人に快適な翼の旅を提供していることに想いを馳(は)せることができるようになりました。 空の旅は非日常に誘ってくれますね。ごきげんよう。 草々 (散歩好きの文明批評家)

霞ケ浦が守谷破る、決勝はつくば秀英と【高校野球茨城’24】

第106回全国高校野球茨城大会は15日目の25日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝が行われ、第2試合では、霞ケ浦が守谷を6-2で破った。これで決勝戦の組み合わせはつくば秀英-霞ケ浦に決定した。 霞ケ浦と守谷の試合は序盤の点の取り合いから、中盤以降は締まった展開になった。結局、霞ケ浦が3回に奪った4点のリードを守って試合を決めた。 3回裏の霞ケ浦の攻撃は2番・森田瑞貴の右前打から始まった。3番・雲井脩斗の三ゴロと4番・羽成朔太郎の右前打で1死一・三塁、打席には5番・大石健斗。勝ち越しがかかる緊張する場面で「初球からフルスイングし、自分の良さを出すことができた」という。インコースのスライダーを中堅へ運び、「外野フライには十分」と思ったところで野手が落球。自分も塁に生きた。続いて2死一・二塁の場面から、7番・鹿又嵩翔の中前適時打と8番・乾健斗の中堅への2点三塁打で3点を積み重ねた。 乾は先発投手としては立ち上がりが良くなかったため、この打席では「取られた分は自分で取り返そう」と臨んだ。打ったのは真ん中のまっすぐ。「打撃ではタイミングの取り方や打つポイントなど、監督に教わったことを意識しながらやっている」という。「今のボールはフライを上げると飛ばないが、乾のように低めに打つとライナーで入っていく。ああいう打球を目指してほしい」と高橋祐二監督は賞賛する。 投手としての乾は3回以降立ち直り、スライダーとチェンジアップが要所要所で決まり、結局8回途中までマウンドを守った。後を継いだのは眞仲唯歩。1死一・二塁の場面で登板し、1人目は一ゴロで打ち取り、2人目はストライクからボールに逃げるスライダーで空振り三振に切って取った。「今日もまっすぐが走り、最速を142キロに更新した。投げるごとに状態が良くなっている」と眞仲の感想。 「今日は乾が持ち味を出してくれたのが勝因。眞仲も試合ごとに安定感が増し、マウンド上で余裕が出てきた。打線も投手に助けられながら力をつけてきた。ここへ来て選手たちに勝ちたい気持ちが出て、チームがまとまってきている」と高橋監督。 決勝戦の相手はつくば秀英。春大会は1-4で敗れた相手だ。選手たちは口々に「鹿島学園戦に続いてリベンジを果たしたい」と話す。特に大石は「自分たちは今大会、初戦から挑戦者の気持ちで戦ってきた。ぜひ最後まで勝ちきって、(昨年の決勝で逆転負けを喫した)去年の3年生の屈辱を晴らしたい」と意気込みを見せる。 決勝は27日午前10時からノーブルホームスタジアム水戸で開催される。(池田充雄)

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