月曜日, 4月 6, 2026

バス旅と食で地域の魅力発信 ホテル日航つくばが新プロジェクト

ホテルの中だけでなく、地域の魅力を知ってもらおうと、つくば駅前のホテル日航つくば(つくば市吾妻)が新規プロジェクト「つくたび」バスツアーを展開している。 ホテルの資源や周辺の地域資源を見直し、県南部の中心地にあるという立地を生かした新しい事業で、主旨に賛同した地域限定旅行業者「ラール・アワー」(同市大角豆)との協業で、昨年スタートした。 現在、第2弾として、筑波山梅まつりとつくばの地酒を楽しめるランチ付きの日帰りバスツアーを企画し、予約を受け付け中だ。開催日は3月8日。 バスツアーでは筑波山梅林を散策後、市内の酒蔵「浦里酒造店」(同市吉沼)で出来たての新酒や酒かすで作った甘酒などを味わう。いばらき地酒ソムリエS級の資格を持つ同ホテルのスタッフ林智一さんが同行し、魅力を解説しサポートする。ホテルに戻った後はホテル内のレストラン「日本料理つくば山水亭別亭」で同酒造の酒かすを使ったツアー限定のメニューを味わう。新しい日本酒の楽しみ方として、県産のドライフルーツ3種を使った「日本酒サングリア」を楽しむこともできる。参加費は1人1万9500円(税込み)。 林さんは主要銘柄「霧筑波」を造る浦里酒造について「つくばで開催されたG7科学技術大臣会合で提供されたり、新酒鑑評会で金賞を受賞したりと評価の高いお酒をかもす酒蔵」と解説する。「お酒が好きな人、地元の魅力を存分に味わいたい方たちにお薦め。出来立ての新酒の試飲やしぼりたての酒粕を使った手作りの甘酒など、普段は味わうことの出来ない特別な体験ができる」とツアーをアピールする。 昨年11月には、市内のさつまいも専門店「蔵出し焼き芋かいつか」(同市松野木)提供の焼き芋「紅天使」を使ったデザートとオードブルのランチ作りを親子で体験するプランや、ひとり時間を満喫する「ソロ活」企画として、「つくばワイナリー」(同市北条)のぶどう畑で剪定(せんてい)した蔓(つる)を使用したリース作り体験と県産食材を使ったフランス料理のフルコースなどつくばワインを生みだすブドウ畑の土壌や気候、職人の技術が楽しめるプランを企画。どちらも満員となり好評だったという。 林さんは「ホテルは、地域外のお客様との接点であり、地域がにぎわって初めてホテルにもたくさんのゲストが訪れてくれる。そんな地域活性化の一助になりたいと始めたプロジェクト。始まったばかりで試行錯誤中だが、つくばを訪れ、体験や旅を通して、つくばを第二の故郷のように感じてくれる人が増えていけば」と思いを語る。(田中めぐみ)

一生のうちに食べられるみかんの総量について《ことばのおはなし》54

【コラム・山口 絹記】昨年末からこっち、かなりの回数、みかんの大袋買ったはずなのだけど、私は全然食べていない。みかんたちは一体どこいったのか? 大袋といったら、12コくらいは入っているわけだ。うちは4人家族だから…7才娘と1才息子と妻と私だからね。単純に分けたら、ひとり3コ食べられる計算になる。1歳児とオトナが同じ量食べるのか、というとそれも違う気がするのだけど、今は深く考えない。いずれにせよ、一つも食べられないなら考えても仕方ない。 それでも、おかしいなぁ、なんかヘンだなぁと思ってはいて、何度か家族にみかんの行方を聞いたのだけど、毎回、「そうなの?」みたいな顔をしてごまかされていた。不穏である。 そしてつい最近、「お子さんが下痢してるのでお迎えに来てほしい」と保育園に呼び出され、早退して迎えに行ったときのことだ。お腹にくる風邪が流行しているっていうし、心配していたのだけど、帰ってきて便の状態を見て私は確信した。おまえさん、コレみかんの食べ過ぎだろう? 便というよりみかんだぞコレ。 私は、まだたいして話せない1歳児を問い詰めた。「パパだってみかんは食べたいのだ」と。「おまえさん、一体いくつみかん食べたんだ」と。「実はみんな、パパにナイショでみかん食べてるだろう」と。その時はしらを切っていた1歳児だったが、その日の夜、私が自室でひとり作業をしていると、静かに部屋に入ってきて、無言で机の上にみかんを置いた。健気(けなげ)である。 一瞬感動して抱きしめかけたのだが、息子はサッと部屋を出て、何かを持って戻ってきた。みかんの空袋である。そうか、次のみかんを買ってこいということか。一体どこでこういう主張の仕方を覚えてくるのだろう。 我が家に平和が戻りつつある とにかくその日以来、私はみかんの大袋の最後の1コを食べられるようになった。大団円なのかどうかは甚だ怪しい部分があるが、我が家に平和が戻りつつある。そんな感じである。 私は小さいころ、一人っ子だったこともあって、多くのみかんを摂取してきた。しかし今、家族が増えてほとんどみかんが食べられなくなったことを考えると、もしかしたら一生のうち自然と摂取できるみかんの総量は、おおむね一定の量に収束していくのではないかと思うようになったのだ。特に調査をしてみよう、というわけではないのだけど。(言語研究者)

西友つくば竹園店、3月31日閉店へ デイズタウン1階

つくば駅に近い、同市竹園、複合商業施設デイズタウンつくばの核店舗の一つ、食品スーパーの西友つくば竹園店が3月31日に閉店する。同店店頭に「3月31日 18時をもって閉店させていただきます」とするお知らせが掲示された。店長名で「11年間、ご愛顧いただきありがとうございました」「最終営業日まで変わることなく奉仕してゆく所存です」などと記されている。 西友本社(東京都北区)広報は、閉店の理由について「店舗戦略を見直す中で、営業のトレンドや競合店など周辺環境を検討し、今後の業績改善の見込みが低いと判断したため」としている。同店が閉店すると県内の西友は、ひたち野うしく店、守谷店、取手駅前店の3店舗になる。 つくば竹園店は2012年3月に開店した。店舗面積は約1860平方メートル。来店客数や売上額などは公表していないとしている。 同店の食料品や日用品は、楽天グループがつくば駅周辺で展開している無人運転の自動配送ロボットにより近隣住民らに配達されている。閉店後どうなるのかについては、西友としてはコメントできないとしている。 1日、友人とデイズタウンを訪れた市内に住む60代女性は「近くに来たので買い物に来た。お店が少なくなるのは残念」と話していた。自転車で買い物に来た近くに住む女性(74)は「西友に閉店の看板があったのでびっくりした。この近くには自転車でぐるっと回れる範囲にスーパーが3店舗あり競合が激しいのだと思う」とし「閉店後、あとが何になるか気になる。LALAガーデンが閉店し、近くに下着などの衣料品が買える店がないので、衣料品店があれば」などと話していた。 西友が入るデイズタウンは、つくば科学万博が開催された1985年に開店したダイエー筑波学園店が前身。ダイエーが2002年に閉店し、その後、広沢土地倉庫が施設を買収し、05年にデイズタウンがオープンした。店舗は地上1階と地下1階で、1階はほかにドラッグストアやパソコン修理店、飲食店などがあり、地下1階は飲食店やカラオケ店などがある。

「無償譲渡を前向きに調整」ツイッターでつくば市長 洞峰公園問題

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)について、1月31日に行われた大井川和彦知事の定例記者会見を受けて、五十嵐立青つくば市長は同日夕方、ツイッターで「現在市として県から無償譲渡を受ける方向で前向きに調整している」などと発信した。 ツイッターはさらに「維持管理の詳細等もう少し詰めていく内容があるが、これまで県が適切に管理し魅力的な環境を維持してくれて今の洞峰公園があり、今回も県の関係者に様々なご配慮をいただいている。その環境をいい形で引き継げればと考えている」などとしている。 市公園・施設課によると、県から無償譲渡を受けるか否かの回答については、30日に電話で、市担当者が県担当者に「無償譲渡を受ける方向で検討していきたい」などと回答したという。同課は「県が求める正式な回答が文書での回答なのか分からないが、30日の電話での回答が(回答期限内の)市の回答だと思っている」などとし、「議会や市民に説明をしないと正式な回答は出せないと思う」としている。 無償譲渡を受ける時期がいつになるかは未定で、正式に決まっていない中、新年度予算案に市が同公園の維持管理費を計上することはないとしている。 無償譲渡は、公園内の野球場にグランピング施設とバーベキュー施設を建設するパークPFI事業者の計画に対し、五十嵐市長が昨年11月、計画撤回と利用料値上げを県に要望。それに対し大井川知事が12月「つくば市が自ら公園を管理するのであれば、県としては洞峰公園を無償で市に移管したい」と発言し、つくば市が「選択肢の一つ」だとして検討していた。 洞峰公園の維持管理費は年間約1億8000万円という。温水プールやアリーナがある体育館の大規模修繕については県が2017年度から27年度までの計画で現在修繕を実施中で、費用は総額8億6100万円。県は23年度から27年度までにあと3億5600万円かかると発表している。 体育館は築43年。28年度以降さらにどれくらいの修繕費がかかるかについて市は「分からないことは随時、県に確認している」などとしている。 公園内の筑波新都市記念館と体育館は著名建築家の故・大高正人が設計した。つくばの名建築の一つで、記念館は1976年、体育館は1980年に竣工した。 県、事前協議へ準備 【1日午後3時55分・追加】一方、県公園緑地課は1日、つくば市に求めているのは正式な回答だとし、1月31日までにつくば市から(文書による)正式な回答が無かったので、公園内の野球場にグランピング施設を建設する建築基準法の手続きのための事前協議の準備に入るとした。(鈴木宏子)

貴婦人に自転車で会いに行く《ポタリング日記》12

【コラム・入沢弘子】「こんにちはー!」とあいさつすると、彼女は細い首を物憂げに傾け一瞥(いちべつ)をくれました。すぐに近づいてくるのは、お供(?)のマガモとオオバン。ユリカモメはホバリングしながら私を観察しているもよう。最近はバリケンガモの姿は見えませんが、樹木の上をすみかにするニワトリは健在です。 ここは白鳥の飛来する水辺、土浦市の乙戸沼公園。周囲2キロ弱の細長い沼とその周辺では、さまざまな野鳥が見られます。冬のこの時期の楽しみは、何といっても白鳥たちの優雅な姿。白く美しい羽、ゆったりとした動きは、まるで貴婦人のよう。今日も自宅から愛車BROMOTOM(ブロンプトン)でやってきました。 公園に着いたら自転車を降り、沼沿いの遊歩道を散歩します。ジョギングコースとは別に造られた水辺の遊歩道は、自然を生かした土の道。春には約400本の桜の花が、初夏には隣接する乙戸水生植物園の花ショウブやスイレンが迎えてくれます。 児童公園のスペースには小山の形の大型遊具があり、子ども達に大人気。傾斜のある滑り台はスリル満点。週末は家族連れで賑わいます。 「写真撮ってるの?」 3周ほどしたら、沼の南西側の住宅地にある「オズワルド珈琲店」に立ち寄ります。テイクアウト専門ですが、注文の都度淹れるコーヒーと手作りお菓子はとても美味。今日は、写真を撮りながらベンチでティータイムを過ごしていたら、年配のグループが通りかかりました。 「写真撮ってるの?」と高齢男性。「はい、でもなかなか近づいてくれなくて」「いい方法教えてやるよ。こうやるんだよ」と、足元の枯れ草をつかみパーッと宙に放ちます。すると、どうでしょう。ユリカモメ、マガモとオオバンが猛スピードで接近、白鳥もこちらを注視しています。 「ほら、いま写真撮るんだよ。だましたのは鳥には悪いんだけどな」。仲間と争うように近づきながら、「グアー!グアー!」と絶叫する白鳥。白鳥のイメージが大きく変わった朝でした。(広報コンサルタント)◆乙戸沼公園の白鳥飛来数は、土浦市公式ホームページ乙戸沼公園白鳥だよりへ。

回答無ければ事前協議準備 洞峰公園問題で知事 「つくば市は無償譲渡を前向き検討」

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)について、大井川和彦知事は31日の定例記者会見で「今日いっぱい、つくば市側の反応、答えがあるかどうかを見極めた上で、もし仮に無償譲渡の申し込み希望が無かった場合、粛々と事前協議の準備に入るよう企業にお願いする」などと述べ、31日までにつくば市から無償譲渡を受けるか否かの回答が無い場合、2月1日以降、パークPFI事業者が、公園内の野球場にグランピング施設を建設する特例許可を受ける行政手続きのための事前協議の準備に入るとした。 一方で大井川知事は「(つくば市から30日)事務的に、無償譲渡を受ける方向で検討していきたいという話があったと聞いている」と述べ、市が無償譲渡を選ぶ方向で前向きに検討していると明らかにした。 その上で「まだ(市から)最終的な答えは現時点でいただいてない」とし、つくば市の検討が期限の31日に間に合わなかった場合は、市の検討と県の事前協議の準備が両方、並行して行われることになり、その際は「事前協議にかかった費用や補償をどうするか、つくば市と話し合いたい」とした。 洞峰公園をめぐっては、昨年12月の知事会見で大井川知事が「つくば市が自ら管理するのであれば洞峰公園を無償で市に移管したい」などと述べた(22年12月2日付)。これを受けて五十嵐立青つくば市長は市長会見で「(無償移管を受けて)市が管理することも選択肢の一つ」だなどと応じた(22年12月8日付)。大井川知事は今月13日の定例会見でさらに「今月いっぱいをめどにつくば市の方から何らかの回答をいただけるようにお願いをしている」と、市の回答期限を1月31日に設定していた(1月16日付)。

田舎の仁王像 《写真だいすき》16

【コラム・オダギ秀】今回は、県指定重要文化財の金剛力士像を撮影した時のことを話そうと思う。田舎の、いわゆる仁王像だ。 その像は、室町時代後期の作と推定されているようだが、今は廃寺となっている寺の山門に安置されているということだったので、その寺跡を訪ねた。地図をたよりに、田舎道をしばらく走った。ほぼ、ここだ、という地点周辺で、道を行く方に、それは何処かと、何度か尋ねた。 ところが、みんな、「さあ?」と、首をかしげる。重要文化財なのに、100メートルぐらいの近所の人でも、それが何処なのか知らないのだった。通りから数十メートル入ったところに崩れかけた山門があり、探していた金剛力士像が、壁に寄りかかるようにしておった。 壁は崩れていたから、像高2メートル以上の吹きさらされた木像は、彩色ははげ落ち、素地があらわになっていたが、かえって木目の表現の巧みさが強調されていた。彩色がはげ、欅(けやき)の地肌をあらわにしたこの金剛力士像は、阿形(あぎょう)、吽形(うぎょう)ともに、全身を覆う紋様状の木目を見せていた。 その木目は、胸から手指の先に至るまで、信じられぬほど計算尽くされていて、震えがくるほど美しい表現となっていた。筋肉は、忿怒(ふんぬ)の形象そのものであり、そのはち切れんばかりの隆起は、この仁王を生んだ仏師の、確信と自信にあふれた意志の強さを表していると思えた。 見えぬところにこそ精を尽くす もともと当初は彩色を前提としていたものなのだから、この木目の表現は、人に見られることなど想定していなかったはずなのだ。それにもかかわらずに、見えぬところにこだわり抜いた仏師のすごさが、数百年の歳月を経てなお伝わってきた。 目先の見映えにこだわるのではなく、見えぬところにこそ精を尽くす、という職人の心根に、ボクはまいった。首をひねり、足を踏ん張り、力のこもった金剛力士像は筋骨たくましく、ひるがえる裙(すそ)とともに、ボクらの薄っぺらな心を凝視している気がした。 文化財として指定すればそれでよしとする、今の人々の安易さと、それを取り巻いているボク自身、忿怒の面貌は反省を促した。この像は、名もない仏師のこだわりと自信と確信なのだ。山門の羽目板の隙間から、遠く街道を行く車の音とともに、午後遅い風が吹き込んでいた。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

都市計画変更を可決 旧総合運動公園用地と吾妻70街区 つくば市都計審

つくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)と吾妻70(ななまる)街区 国家公務員宿舎跡地(同市吾妻、約6.4ヘクタール)の都市計画変更について審議する市都市計画審議会(会長・大村謙二郎筑波大名誉教授)が30日、同市役所で開かれ、いずれも異議無く可決した。2月上旬に県と協議し、同中旬に都市計画変更を決定する予定という(22年11月11日付、10月11日付)。 旧総合運動公園用地は2015年、住民投票で計画が白紙撤回され、昨年、市土地開発公社が外資系物流不動産会社グッドマンジャパンつくば特定目的会社に約110億円で一括売却した。データセンターや物流拠点が建設される計画。吾妻70街区は土地所有者の財務省と市が、イノベーション拠点と中高層住宅などのスマート街区を誘導する計画。 都市計画審議会では、旧総合運動公園用地を、現在の第2種住居地域から倉庫などが建設できる準工業地域に変更する用途地域変更に対して、市民4人から意見書の提出があり、「売却先の企業の便宜のために都市計画変更をすることは、事実上の利益供与に当たる。これが許されるなら市民からの同様の要求の場合でも都市計画変更が可能になる。都市計画変更はマスタープランに合致している必要がある。当該地は研究拠点都市の研究・教育施設用地として規定されており、準工業地域にすることは趣旨に反する」などの反対意見が出されたことなどが報告された。 委員からは「環境アセスメントはどうなっているか」「第三者に譲渡された時、防災拠点施設が維持される担保はあるか」「(データセンターや物流拠点の配置等の)レイアウトはどの程度進んでいるのか」などの質問が出て、市担当者は「環境アセスの対象ではない」「仮に事業者が変わっても協議の中で継承的なものを定めていく」などと答えた。 現在の進ちょくについて市は「グッドマンジャパンと日々連絡をとっている」とし「(配置は)基本的にプロポーザル提案の計画案がベース。北側2棟が物流拠点で、データーセンターが全部で7棟、南側の1割が防災拠点」になると説明し、現在、事業者のグッドマンは(用地の整備、開発方針など)マスタープランの作成、実施測量、エンドユーザー(入居企業)の意向確認などを進めていることを明らかにした。マスタープランは早ければ年度内か年度初めに出来上がるとし、開発行為の手続き後に、樹木の伐採や伐根を進めていくと認識しているとの見通しを示した。 一方、吾妻70街区 国家公務員宿舎跡地の都市計画変更に対しては市民から意見書の提出は無かった。委員からは、今後のスケジュールなどについて質問が出て、市担当者は「二段階一般競争入札(22年3月22日付)を行う時期などは確定してない」などと答えていた。(鈴木宏子)

障害者との対話から社会変革へ つくばの理系女子、障害平等研修を開催

総合研究大学院大学 高エネルギー加速器科学研究科(つくば市大穂)の修了生で、現在つくば市内の企業に勤める青木優美さん(29)が主催する「障害者と考える“障害”ー障害平等研修@つくば」が、来月1日、つくば駅前のつくばセンタービル(つくば市吾妻)で開催される。障害者が進行役(ファシリテーター)となり、参加者と対話しながら、共生社会をつくるためにどう行動するかを考える。 青木さんは、視覚言語である手話を使って、科学をイメージとして理解しやすくする実験教室など、障害のある学生が科学を学ぶハードルを低くする取り組みを計画している。まずは、どうすれば障害のある人とない人が共に暮らしやすい街になるのかを、障害当事者や地域住民と一緒に考えたいと、今回の研修を企画した。 健常者を前提にした社会を変えたい 3年前、青木さんは、つくばで研究する大学生・大学院生の交流を目的とした「つくば院生ネットワーク」のメンバーだった。聴覚障害の学生は学会発表をするために手話通訳を自分で手配する必要があるなど、他の学生なら必要のない苦労をしなければならないと知った。 そこで、2020年3月、最初から手話通訳や文字通訳がついている「みんなの学会」を企画した。その後も、聴覚や視覚に障害のある学生と関わり、「みんなが等しく学べる環境をつくりたい」と思っていたところ、障害平等研修=メモ=の存在を知った。「地域の人たちと一緒に、研修を受け、今後の活動につなげたい」と、今年1月「つくばインクルーシブプロジェクト」を立ち上げ、最初の企画として、障害平等研修を開催する。 寝たきりの障害者も病室から参加 同研修当日、会場で中心となって研修を進めるのは、自身も車椅子ユーザーである都内に住む石川明代さん(56)。障害平等研修を通して社会変革を目指し、国内外で多くの研修を実施している。その功績が認められ、昨年には、国連が掲げるSDGsの17の分野で著しい貢献をした個人や団体などを顕彰する「岩佐教育文化財団」(東京都豊島区)の第1回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞を個人で受賞。その賞金をもとに、現在、各地を回り、障害平等研修を実施している。 研修では、NPO法人「障害平等研修フォーラム」(東京都大田区)のファシリテーター養成講座を修了した寝たきりの障害者も、全国各地の病室などから分身ロボット「オリヒメ」(オリィ研究所開発)を通して参加する。「今後、寝たきりの障害者もファシリテーターとして活躍できるようにしたい」と石川さんは話す。 研修を主催する青木さんは「障害のない自分が普段、不便を感じずに生活できているのは、この社会が障害のない人を前提につくられているから。このことに気づかないと、誰かを傷つけてしまう可能性もある。障害のある人もない人も住みやすい社会に変えるために、お互いを知るきっかけになれば」と話す。(川端舞) ◆「障害者と考える“障害”―障害平等研@つくば」は2月1日(水)午前9時~正午、つくばセンタービル1階co-en(コーエン)で開催。参加費は一般1000円、学生500円。申し込みは当日まで可能。申し込みはhttps://tsukuba-det.peatix.com/から。 ※メモ【障害平等研修】障害者自身がファシリテーターとなり、障害者を排除しない組織づくりを考える研修。英国で障害者差別禁止法を推進するための研修として実施され、現在、世界39カ国で実施されている。日本では、障害平等研修フォーラムがファシリテーターを養成し、ユニバーサルデザインの社会づくりに向け、企業や自治体などで展開されている。オリンピック・パラリンピック東京2020大会ではボランティアの事前研修に取り入れられた。

凍った滝《短いおはなし》11

【ノベル・伊東葎花】 朝ご飯を食べていたら、タケちゃんがやってきた。 「よう、みっちゃん、朝めしか?」 「見たらわかるでしょ」 「滝を見に行くべ。すっかり凍ってる。あんな滝はなかなか見られねえ」 「これだけ寒けりゃ滝も凍るでしょ」 「なあ、早く行くべよ。昼になったら溶けちまう」 タケちゃんがあんまり急かすものだから、箸を置いてタケちゃんの軽トラに乗り込んだ。 タケちゃんは幼なじみ。 2年前に夫を亡くしてから、何かと理由をつけてやってくる。 心配してくれるのはありがたい。 子どもたちは都会にいるから頼れないし、男手が必要な時もある。 だけど幼なじみとはいえ男。ご近所の目も気になる。 そう思いつつも、気心知れたタケちゃんに、つい甘えてしまう。 朝の空気は、寒さを通り越して痛いほどの冷たさだ。 滝は見事に凍っている。 豪快に流れる音もなく、全ての時間が止まったように白く固まっていた。 「すごいべ」 「そうね。だけどさ、滝はどんな気持ちだろうね」 「はあ? 滝の気持ち?」 「だってさ、ドドドと落ちるのが滝の醍醐味(だいごみ)でしょ。それをあんな形で凍っちゃってさ、動きたくても動けないんだよ」 「ははは、みっちゃんは相変わらず面白いな」 私は凍った滝と自分を重ねた。 夫がいたころはあんなに活動的だったのに、今じゃ庭に出るのも億劫(おっくう)になっている。 見事に凍った滝を見ても、以前ほど心は動かない。 「なあ、みっちゃん、ずっと前、俺たちが若いころ、一緒に滝を見たよな」 「ああ、そんなこともあったね」 「俺さ、あのとき、みっちゃんにプロポーズしたんだ。だけど滝の音がうるさくて、俺の声は届かなかった。何度も聞き返されて、しらけちまった」 「そう。じゃあ、あのとき滝が凍っていたら、人生変わっていたかもね」 「よく言うよ。都会から来た二枚目と、さっさと結婚したくせに」 「あはは、しょうがないよ。一目ぼれだったもん」 本当は聞こえていた。タケちゃんの声は滝より大きかったから。 だけど聞こえないふりをした。この人を、友達以上には思えなかった。 タケちゃんは結局、誰とも結婚しなかった。 「なあ、みっちゃん、俺たち一緒にならないか? お互いひとりだし、年も取ったし、支え合って生きて行こうよ」 突然、タケちゃんが大真面目な顔で言った。 困った。滝は凍って静かな朝だ。聞こえないふりができない。 「じゃあ、お友達から始めましょう」 「もう友達だべ。みっちゃん、相変わらず面白いなあ」 タケちゃんが大笑いしてくれて、ちょっと救われた。 私たちは一生涯の茶飲み友達。それがいい。 日が射して、滝がひとすじ流れ出した。 私も止まってばかりいられない。 「タケちゃん、私歩いて帰る。滝を見たら無性に歩きたくなった」 「はは。みっちゃんはやっぱり面白い」 (作家)

Most Read