月曜日, 4月 6, 2026

自宅を開放 筑波山麓に子供の交流施設開設 ドイツ帰りの渋谷順子さん

  25日 プレ・オープン ドイツから帰国し、筑波山麓で暮らす元日本語教師の渋谷順子さん(65)が、自宅敷地内の母屋と納屋を地域に開放して子供たちを中心とした交流施設「じゅんばぁの家」(渋谷順子代表)を開設する。オープンデーとして25日、地元のお年寄りらが昔遊びを教えたり、ミニライブや楽器体験など盛りだくさんのイベントを開催する。 筑波山麓という自然環境の中で、いろいろな世代が助け合い、学び合いながら、家族のように過ごせる空間をつくり、子供たちを見守り育てたいと、渋谷さんと地域の有志が「山にかえろう」というコンセプトで運営する。来年1月4日から本格的な活動を開始し、将来は放課後児童クラブとして活動したい考えもある。 地元には、市が運営し地元の小学生たちが利用する「秀峰筑波児童クラブ」(つくば市北条)があるが、隣接の学校グラウンドが使用できず、子供たちは室内でゲームや読書などをして過ごしており、屋外で遊ぶことが難しい。 渋谷さんは元々、高齢者を中心とした交流施設をつくりたいと思っていたが、地域の子育て中の母親から、児童クラブの子供たちが外で思いっきり遊ぶことができないでいるという話を聞き、交流施設に児童クラブの役割も取り入れたいと考えた。 「じゅんばぁの家」は、もともと地元住民が居住していた築20年ほどの民家。老夫婦が亡くなった後10年間ほど空き家となっていた家を渋谷さんが購入した。近くには筑波山から流れる地蔵沢などもあり、自然豊かだ。 交流施設として、母屋の8畳間3部屋と台所を自由に利用できるようにする。敷地内にある納屋は音楽室とし、常時、ギター、ドラム、電子ピアノなどの楽器を置いて、子供たちが自由に演奏できるようにする。地域住民がボランティアで、子供たちと一緒に勉強したり、遊んだりして成長を見守っていく。 主宰する渋谷さんは神奈川県座間市出身。ドイツに16年間滞在し日本語教師を務めた。日本語を教えていた中、ドイツで知り合った移民のコソボ出身者から日本文化や日本人の素晴らしさについて聞かされたことがきっかけで、日本の自然豊かな地方に住みたいという気持ちが強くなっていたという。 2022年に帰国しつくばで暮らし始めた。帰国直後は同市谷田部、要の貸家などを移り住み、筑波山が間近に見える国松の民家を購入、現在、敷地内に新居を建築中で、元々あった母屋と納屋を交流施設として地域に開放する。 渋谷さんは「筑波山麓は本当に素晴らしいところで、お宝がたくさんある。地域的にも自然の息吹をこれほど感じ自然のサイクルや営みとともにあるのに、開発が進まない地域と思われているのが不思議でならない。私は筑波山に呼ばれてきたという思いがあり、地域に貢献したいという気持ちが強いので、購入した住宅をぜひとも、遊び場のない子供たちや自分探しをしている大人たちに開放したい」と述べる。(榎田智司) ◆「じゅんばぁの家」はつくば市国松1022-2。利用は会員制で会員登録が必要。年会費は個人2000円、1家族3000円。問い合わせは渋谷さん(メールjunko.shibuya@gmx.de、電話080-4713-3104。 ◆オープンデーは12月25日(月)午前11時から午後3時まで。

私の中に潜む差別《電動車いすから見た景色》49

【コラム・川端舞】街に出れば、たちまち私は差別される。面白そうなお店の入り口に数段の段差があったとき。私が話しているのに、相手が私の後ろにいる介助者ばかり見るとき。車椅子ユーザーで言語障害のある自分は、社会から存在を想定されていない人間なのだと感じる。 日常の中で、私は差別者になる。言葉での説明抜きに、SNSに写真を載せるとき、視覚障害者も私のSNSを閲覧する可能性を忘れている。肌の色が自分と違うという理由で、初対面の人に「どこの国の出身?」と話しかけるのは、外国に何らかのルーツはあるが、日本人としてずっと生きてきた人の存在をないものにしている。 異性愛前提の恋愛トークをするとき、異性愛以外の恋愛をする人や、恋愛感情を持たない人をいないものにし、初対面の人の性別を外見から勝手に判断するとき、男女という枠に当てはめられることに違和感を持つ人の存在を無視している。 存在を無視される痛みはよく知っているはずなのに、私も誰かを差別する。 怒りは対等な関係へのラブコール 韓国の社会学者キム・ジヘにより書かれた「差別はたいてい悪意のない人がする」(大月書店)は、障害者、性的少数者、非正規労働者などに向けられる、日常に潜むあらゆる差別を挙げながら、私たちは皆、差別する側にもされる側にもなると指摘する。 人は誰だって、「自分は差別などしていない」と思いたい。しかし、1人の人間の思考力には限界がある。いくら気をつけても、何気ない言動が誰かに疎外感を与え、差別に加担してしまう時が出てくる。 気を抜けば、私もすぐに差別者になる。何気ない一言が、誰かに言い知れぬ孤独感を与えてしまうかもしれない。大切なのは、自分の中にある差別性を誰かに指摘されたときに、素直に反省し、言動を改める努力をすることではないか。 その指摘をすることで、その場の空気や人間関係を壊してしまう可能性もある。それでもなお、なぜ相手は、時に怒りに震えながら、私の中の差別性を指摘してくるのか。その怒りは「あなたと対等な関係を築きたい」という妥協なきラブコールかもしれない。私を信頼し、伝えてくれたラブコールを、素直に受け止められる人間に私はなりたい。(障害当事者)

給食に異物混入 つくば市の小学校

つくば市は13日、市内の小学校で12日出された学校給食に、金属製ファスナーの一部が混入していたと発表した。13日までに健康被害は報告されていないという。 市健康教育課によると、給食で児童に出されたワカメスープに、長さ8ミリ、幅6ミリの金属製ファスナーのスライダーの一部が混入していた。児童がスープを飲もうとして異物を発見し、すぐに担当教員に報告した。児童は異物を口の中に入れていない。 市はどの工程で異物が混入したか調査しているが、現時点で不明としている。 一方、学校からの報告が翌日になったことに対して同課は、市学校給食異物混入対応マニュアルでは当日報告することになっており、各校にマニュアルの徹底を改めて図りたいとしている。学校側は当初、異物が学校内で混入したのではないかと調べたが見当たらなかったことから翌日、学校給食センターに報告したという。 スープは、同市つくばほがらか給食センター谷田部が調理したもので、幼稚園4園、小学校5校、中学校2校に計3958食が提供された。他校から異物混入の報告などはない。

故郷を思うウクライナの子どもたちの絵を展示 筑波学院大

ロシアの侵攻により避難生活を送る子どもたちが描いた絵、約40点を紹介する展覧会「ウクライナの子どもたちの絵画展」が17日まで、つくば市吾妻のつくば市民ギャラリーで開かれている。筑波学院大学が主催し、日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)と日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)が共催する。 紹介されている絵は、ウクライナ南部のドニプロなどから、同国西部のウジホロドや近隣国のポーランド、ブルガリアに避難した子どもたちが描いたもの。ミサイル爆撃の恐怖から逃れ、多少落ち着きを取り戻したものの先は見えない状況の中で、さまざまな思いを絵に託している。 明るく鮮やかな色彩でウクライナの暮らしや自然豊かな様子を描いた作品がある一方、モノトーンで暗い印象を与える作品も少なくない。母と子だけで故郷を離れる様子を描いた絵には、静けさが感じられる列車の車内とは裏腹に、窓の外には不吉なミサイルの影が描き込まれている。神や天使に平和への祈りを捧げたものも多い。 展覧会スタッフの一人で同大3年の矢治竜乃介さん(21)は「一つ一つの絵から、それぞれの子どもたちの思いが確かに伝わってくる。戦争を経験しながら、その中でただ生き抜くだけでなく、信念をもって生きていることが分かる。作品を通じ、現地の子どもたちの思いに触れてほしい」と話す。 支援のお礼に これらの絵はJCFに対し、避難民の子どもたちから支援のお礼として送られてきた。今年6月以降、日本全国を巡回している。 つくば展は、同大ビジネスデザイン学科の野田美波子講師および野田ゼミの学生らの呼び掛けにより実現した。同ゼミでは以前からJIM-NETと連携し、難民支援のためのポストカードのデザインに係わるなどの活動もしていた。 「戦争では、弱い立場の子どもたちが一番つらい思いをしていると思う。その彼らが、自分なりにできることはないかと考え、絵を描いて送ってくれた。そこには故郷を守りたいという思いがあふれており、ぜひ多くの人に見てもらわなくてはいけないと思った」と野田さん。 会場ではポストカードの販売や、募金の受付なども行っている。また最終日の17日は、トークイベントも開催され、午前10時からは「日本で暮らすウクライナ人学生の現在」と題し、同大に留学中のトロプチン・ニキタさんらが、祖国を離れて暮らす心境や、ウクライナの現状などについて話す。午後1時からは「ウクライナ/イラク/子どもたち」と題し、JCF理事長の神谷さだ子さんとJIM-NET海外事業担当の斉藤亮平さんが支援の様子について話し合う。(池田充雄) ◆会場はいずれもはつくば市吾妻2-7-5、つくば市民ギャラリー。入場無料。

大学生が利用する奨学金制度を考える 《ハチドリ暮らし》32

【コラム・山口京子】消費生活センターと関わるようになって2年がたちます。同センターとは、地方自治体に置かれる消費者サービス機関で、事業者に対する消費者の苦情や相談の対応をしています。両者の間には情報の量や質に格差が存在し、交渉力の格差も大きいため、契約トラブルなどから消費者を守るために設置されました。トラブルを防ぐための啓発活動やSDGsなど、消費生活にかかわる様々な活動に取り組んでいます。 センターには、消費者トラブルに関する注意喚起の冊子や書籍が数多く置かれています。たまたま手にした2冊の刊行物に奨学金制度の記事がありました。一つは「国民生活」(独立行政法人・国民生活センター刊)2022年12月号、「奨学金制度を利用する前に知っておきたいこと」(あんびるえつこ氏)です。 この記事によると、奨学金を利用する学生は大学生の約5割近くになる、代表的な奨学金制度である独立行政法人・日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には給付型と貸与型がある、給付型は9%程度で9割以上が貸与型である、貸与型には無利子の第1種と有利子の第2種がある、こういったことが書かれています。 奨学金は学生本人が卒業後返済していくもので、返済額によるものの、返済期間が長期にわたる傾向にあります。失業や減収などで滞納が続くと、延滞金発生や個人信用情報機関へ登録されるなど不利益が出るため、返済が難しい場合はJASSOの奨学金相談センターに連絡するよう呼びかけています。 奨学金を借りるとはどういうことか理解してもらうための金融教育の必要性や、奨学金制度のあるべき姿を大人も高校生自身も考えてほしい―というメッセージを読み取りました。 奨学金事業は貸金ビジネス? もう一つは「消費者法ニュース」(消費者法発行会議刊行)2023年10月号、「奨学金制度、会計年度任用職員制度 なぜ第二臨調を問うのか-日本社会疲弊の原点-」(柴田武男氏)です。2004年に発足したJASSOの前身である日本育英会の時代は、奨学金原資は国からの貸付金で、貸与は無利子であったが、第二臨調で有利子制度への提言がされ、家庭の責任が強調されたとありました。 第一種の原資は一般会計の貸付金ですが、第二種は日本学生支援債を発行し、市場から資金調達しているそうです。2023年5月の300億円の債券発行利率は0.08%、奨学金の貸付利率は7月時点で0.637%となっていて、奨学金事業が貸金ビジネスになっていると問題提起をされていました。 これからの在り方を考えるにあたって、今の制度を知ること、その歴史的経緯を知ることが必要なのですね。(消費生活アドバイザー)

「脱炭素先行地域」共同提案6者が協定 つくば駅周辺で75億円規模の事業

地産地消の小規模電力網敷設など つくば駅周辺の半径500メートル地域が環境省の脱炭素先行地域に選定され、共同提案者の同市と、市中心市街地に冷暖房を供給するミライデザインパワーなど民間企業5社が12日、相互に連携・協働して脱炭素社会を実現していくための連携協定に調印した。 同地域には、筑波研究学園都市建設時に地下に敷設された電気、水道、冷暖房などのケーブルやパイプラインを収容する共同溝があることから、共同溝を活用して、新たに地産地消の小規模電力網を構築する。化石燃料で発電した電力を使用せずに、太陽光発電やバイオマス発電で電気を供給するなどして、2030年までに地域全体で二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す。国から最大50億円の交付金を得て、地域内に立地する企業やマンション、学校、公共施設などがそれぞれ、来年度から2028年度まで5年間で総額75億円規模の事業を実施する計画だ。 脱炭素先行地域は、国が2050年に達成を目指しているカーボンニュートラル(二酸化炭素排出実質ゼロ)に先立って、地域特性に応じ、道筋を付けるため先行して実施する取り組みで、環境省が30年までに先行地域を募集し全国で100カ所以上を選定するもの。つくば駅周辺は今年8月に実施された4回目の募集で選ばれた。これまでにつくばを含め36道府県95市町村の74の提案が選定されている。県内では初めて。 つくば駅周辺の対象地域は、同駅から半径約500メートルに立地する、民間施設21カ所、公共施設14カ所、マンション3棟(計656戸)の計38施設で、来年度から計13の取り組みを実施する。 具体的には、各施設の照明をLEDに交換したり、空調を省エネ型に変えたり、施設の断熱性を高めるなどして使用電力量を全体で3分の1削減する。 さらに民間や公共施設に各事業者が太陽光発電施設や蓄電池を整備したり、ミライデザインパワーが、市内の健康食品製造工場で廃棄される魚油や、市が市全域で回収している食用油の廃油を燃料に、駅近くの冷暖房供給施設でバイオマス発電を実施したり、再生可能エネルギーで水を電気分解して製造したクリーン水素を混焼して発電する。同社は発電した電力を、計2.6キロにわたって新たに敷設する小規模電力網で地域に供給する。 ほかに市が、市内の各農家が特産品の芝生を刈った葉や、公園や公共施設で剪定(せんてい)した枝葉を乾燥させて固めてバイオマス燃料をつくり、同市水守のごみ焼却施設で焼却し、発電した一部を同地域に供給する。 同地域では現在3800万キロワット時の電力量を消費し、年間約1万6000トンの二酸化炭素を排出していることから、13の取り組みを実施して2030年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す。取り組み実施後の電気料金については通常の電気代と同等に抑えることができる見込みだという。 環境省が脱炭素先行地域を募集していることを知った同市が、公募の上、共同提案した。共同提案の6者はほかに、電気やガスを販売する中部電力ミライズ、同地域に立地する常陽銀行と、現在、同地域に複合施設を建設中の大和ハウス工業茨城支店、EPAやDHAなどの健康食品を生産しバイオマス発電の燃料として魚油を提供するニッスイつくば工場。 12日の協定締結式で五十嵐立青市長は「脱炭素の取り組みは今すぐ取り組まなくてはならない課題、これから共同提案者と一緒に、ここで掲げられた事業を一つ一つ確実に実現していくことで目標を達成していけるように努力していきたい」と話し、ミライデザインパワーの山田高裕社長は「総力を挙げて全国的にも注目されるような先進的な取り組みを実施していきたい」などと話した。(鈴木宏子)

高エネ研南の森林伐採、つくば市は差し止めよ!《投稿・酒井泉》

グッドマンJが森林伐採を開始 市民の声を無視し、議会の議決を経ることなく、つくば市がグッドマンジャパンに売却した高エネ研南側に位置する用地(46ヘクタール)について、この物流倉庫開発企業の関連会社から地元住民に対し、取得用地の森林伐採を行う旨の通知があり、12月上旬から実際に伐採工事が開始されました。 私たちは、グッドマンへの市有地売却を差し止めるよう、住民訴訟を起こしています。11月30日に東京高裁で第1回控訴審が行なわれ、来年1月25日には高裁の判決が出る予定です。それが期待外れであれば、最高裁で闘うつもりです。しかし、裁判で訴えが通り、高エネ研南用地が市に返還されても、樹齢70年以上の自然林が伐採されてしまえば、市民は貴重な自然資源を失うことになります。 市長に文書で差し止めを要請 以上の経過を踏まえ、森林伐採を差し止めるよう要請する文書(11月8日付)を五十嵐市長に提出しました。 その中で、「高エネ研南用地の売買契約が未定な状態での工事着工は契約違反」「議会の議決を経ない契約について住民訴訟が進行中」「日本が民主主義国家であれば、つくば市は敗訴して高エネ研南用地は市に返還される」「市による市民無視の施策が覆され、高エネ研南用地が返還された場合、つくば市民に取り返しのつかない損失になる」と指摘しました。 伐採差し止め要請に対し、市の担当課から「現在係争中の事案に関する要望であることから回答は差し控える」旨の回答メール(11月25日付)がありました。 これに対し、市長に「自然林の伐採は、当該地の自然環境に回復不可能なダメージを与えます。係争の結果が出るまで当該地の自然環境を保全することは、売却の契約者(つくば市とグッドマンジャパン)のいずれか、あるいは双方の、市民に対する責務のはずです」(11月27日付文書)と、森林伐採について市民に説明するよう要求しています。 用地は副市長や市長のモノ? ここで、進行中の「高エネルギー研究所南側未利用地売却差止等請求住民訴訟」について、私たちが主張する論点を簡単に整理しておきます。 つくば市は議会の採決を回避した理由について「土地は土地開発公社の所有でつくば市の所有ではない」と言い張っています。しかし、この公社の理事長は飯野副市長であり、理事には五十嵐市長や市幹部職員が名を連ねています。彼らの言い分は「土地開発公社が市(民)の債務保証で買った土地は市民のモノではなく、俺たち(市長と副市長)のモノだ」と言っているのと同じです。 市は「土地開発公社とつくば市は別組織である」と言って、高エネ研南用地はUR都市機構から買った市有地であるにもかかわらず、実態を無視した暴論(裁判のための形式論)を主張しているのです。市民の常識からは考えられません。 ところが、水戸地裁は「土地開発公社はつくば市であると見ることは相当ではない」と、実態無視の判決を出しました。権威主義的な政治は形式論で市民を統治しますが、民主主義国は実質論で議論して政策を決めます。市が主張しているような詭弁(きべん)と形式論が司法の場で認められ、法の網の目をかいくぐって、地方公共団体の財務会計行為が民主的なコントロールからすり抜けるなら、日本は民主国家ではありません。 訴訟結果に備える市民のリスク対策 五十嵐市長への森林伐採差し止め要請は、裁判の結果、土地売却が差し止めになった場合に市民が必要とする自然環境保全のためです。裁判の結果に備える市民のリスク対策であって、裁判中の事案に対する要請ではありません。(元高エネルギー加速器研究機構准教授、元福井大学教授、つくば市在住) <参考>この問題についての報告書(PDF版3ページ)はこちら

地元生徒に厳しい水海道一高受験《竹林亭日乗》11

【コラム・片岡英明】私は霞ケ浦高校で卒業生を10回送り出したが、常総市に住む6回目の卒業生からもらった年賀状に、子どもが中学受験で苦労していると書かれていたので、先日、常総市の受験事情を聞いた。 常総市は人口6万人弱。市内には、水海道一高という伝統校も含め、県立高校が3校ある。つくば市は人口25万人なのにたった3校なので、常総市の中学生の県立高受験環境は恵まれていると思っていたが、どうも違うようだ。そこで、今回はつくばエリア内の常総市の県立高入試を考えたい。 地元の水海道一高入学は37人 2023年春の常総市の中学卒業生は521人。県立高の定員は、水海道一高6学級、水海道二高6学級、石下紫峰高4学級―合計16学級で640人。常総は卒業生より県立高入学枠が大きい市といえる。 では、なぜ常総の受験生が苦労しているのか? その指標として水海道一高への入学数を見ると、2023年入試で常総市から水海道一高に入学した生徒は37人と少ない。 市別の入学者を調べると、①守谷78人、②つくばみらい48人、③常総37人、④坂東30人、⑤つくば29人―である。生徒が増えているTX沿線からの入学が多く、地元中学生が水海道一高への入学に苦戦している。 試験で合否を決めるので、成績上位者が入るのは当然。また、上位者に遠くからでも入学してほしいとの意見もあるが、「地域の伝統校」とは何だろう? 伝統校には、〇〇大学何名合格だけでなく、大卒後の豊かな社会人を視野に入れ、「ノブレス・オブリージユ」をめざす面がある。ともに学び、青春し、進路で花を咲かせる―学習のノウハウもある。さらに、卒業生のネットワークが地元の産業や文化をしっかり支える。 高校はある意味、「港」である。出港し、地元の卒業生は港に戻ってくる。それが地域になくてはならない伝統校の価値をさらに高める。 中高一貫でますます狭き門に 水海道一高に注目して、常総市の中学生の進学先を並べてみる。 ▽21年入試:①水海道二98、②石下紫峰78、③水海道一52(7学級) ▽22年入試:①水海道二99、②石下紫峰69、③守谷56、④水海道一49(6学級) ▽23年入試:①水海道二84、②石下紫峰71、③守谷41、④下妻二38、⑤水海道一37 21年は市内3校が上位を占めたが、22年は水海道一が4位、23年は5位となった。常総の中学生が市外の県立高にかなり入学している。水海道一は付属中設置に伴い、22年から7学級募集が6学級、25年からは5学級となる。地元中学生の水海道一高への入学はますます困難になる。 付属中に入って高校に進級する生徒もいるので、高校の減少分は相殺されるという意見がある。しかし、常総から付属中に入学した生徒は少なく、22年の付属中1期生は4名であった。 つくばエリア内の常総の高校入試でも、TX沿線の県立高校不足のため、このような激震が起きている。つくばエリア全体の小中学生にとって、県立高新設が焦眉の課題であることを示している。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

無償譲渡は来年2月1日目標 洞峰公園めぐりつくば市が追加議案

つくば市が県から無償譲渡を受ける方針を示している洞峰公園(つくば市二の宮、約20ヘクタール)について、五十嵐立青市長は11日、市が譲渡を受ける時期は来年2月1日を目標とし、市に移管後、来年3月までに協議会を設置して公園の管理運営方法や施設の使用料などを改めて検討していくことを明らかにした。新たな方針をいつまでに決めるかについては、現時点で期限を設けていないとしている。 同日開かれた12月議会本会議に、洞峰公園を市の公園にする市都市公園条例の改正案や補正予算案などを追加提案し、説明した。 条例改正案や補正予算案は14日の市議会都市建設委員会、19日の予算決算委員会で審議された後、12月議会最終日の22日、採決が行われる。一方、県議会には同様の議案が6日提案され、つくば市と同じ22日の最終日に採決が行われる。 7日から11日に開かれた市議会一般質問では、無償譲渡を受けた後に市が負担する体育館、プール、新都市記念館など公園施設の大規模改修費や長寿命化対策費などについて質問が出たが、市は、移管を受けた後、施設の健全度調査をするなどと答弁するにとどまった。 市によると、無償譲渡を受ける来年2月からの管理運営については、現在、県の指定管理者となっている「洞峰わくわく創造グループ」の構成企業で、現在、施設などを管理運営している東京アスレチッククラブに23年度と24年度は引き続き業務委託する方針。委託料は2023年度の2カ月間が約5980万円、24年度1年間は約3億7900万円。プールや体育館、テニスコート、多目的広場、会議室、駐車場などの使用料、スポーツ教室の会費などは、協議会で新たな方針が決まるまでは当面、現状のまま。使用料収入は市の収入になる。 協議会の構成は、市、県、公園管理事業者のほか、同公園で花壇づくりや清掃などのボランティア活動を実施している活動団体、公園利用者、地域住民、学識経験者など計20人を選定する予定で、23年度の補正予算案として1回分20万円を提案した。 アンケート回答1338人、74%が無償譲渡に賛成 一方、洞峰公園の無償譲渡をめぐって市が11月10日から30日まで実施したアンケート結果について市は8日、速報を市ホームページで公表した。速報によると、回答者は計1338人で、無償譲渡を受けることに「賛成」「どちらかといえば賛成」は合わせて995人(74%)、「どちらでもない」が139人(10%)、「反対」「どちらかといえば反対」が計173人(13%)だった。記述部分については現在、集計中という。(鈴木宏子)

74件の提言まとめる 気候市民会議つくば

水素中心のまちづくり、レンタサイクル増やすなど 2050年までに「ゼロカーボン(二酸化炭素排出量 実質ゼロ)で住みよいつくば市」を実現するため、つくば市役所で10日、抽選で選ばれたつくば市民が主体となり、「気候市民会議つくば2023」が開催された。最終回となった今回は、参加市民らがこれまで議論した気候変動対策への提言を最終検討し、提言書としてまとめ、五十嵐立青つくば市長に提出した。 「次世代エネルギーとして水素を中心としたまちづくりの推進」や「自転車移動を増やすためレンタルサイクルを増やす」など計74件の提言がまとめられた。 気候市民会議は、無作為抽出で選ばれた市民が気候変動対策について話し合う場で、欧州各国で広がった。日本では札幌市を皮切りに全国各地で開催されてきた。つくば市では今年9月から12月まで計6回にわたり開催された。 同会議に参加したつくば市民は43人で、同市の人口比率を参考に、年齢、性別、地区などに偏りがないよう抽選が行われた。参加者は4〜5人のグループに分かれ、「移動・まちづくり」、「住まい・建物」、「消費・生活」など気候変動対策に対するテーマと掲げ、それぞれアイデアを検討し、議論を重ねてきた。第5回会議までに、それぞれ31件、30件、26件のアイデアが提案された。最終回となる今回は、これまで出されたアイデアを修正し、再検討した。参加者の最終投票により、全87件のうち74件が提言として採択された。 参加した市内に住む会社員女性(32)は「一人ひとりがゼロカーボンを意識した行動をとり、できることから始めることが重要。2050年までに目標達成できることを信じて、子どもにも学んだ知識を教えたい」と話した。 傍聴した東京都八王子市在住で現在、都内の大学に通い政治学を学ぶ皆川果南さん(22)は、自身の研究のため、同会議をこれまで3回傍聴した。他自治体で開催されてきた会議と比較して「6回にわたって細かく本格的な政策立案をしていたのが印象的。市民と行政がつながる場の重要性を再認識し、継続的に開催がなされれば」と話した。 市民から提言書を受け取った五十嵐市長は、参加した市民や助言した専門家らに感謝を述べた後、「地球温暖化をはじめとする気候変動という危機的な地球の状況に対して、実践をすることに意味がある」などと話した。 同市は今後、提言の全ての項目に対して、目標数値の設定と1年ごとに達成度を計るロードマップを作成し、市の政策に反映するとした。(上田侑子)

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