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2023
筑波大生の指導受け 子どもたちがアート体験
2023年8月5日
筑波大学で芸術を学ぶ大学生に教わりながら、子どもたちがさまざまなアート体験をする夏休みの恒例イベント「夏のキッズアート体験」が5日、つくば市吾妻、つくばセンタービル内のコワーキングスペースco-en(コーエン)で催され、子どもたちが、オリジナルうちわ作りや粘土のストラップ作りなどに挑戦した。 関彰商事と筑波大学芸術系が主催し、2016年から毎年夏と冬に開催している。子どもたちが会場に集まり、その場で作品を完成させるスタイルだが、2020年夏から22年夏まではコロナ禍により対面での開催を控え、大学生が小学生向けの自由研究作品を展示したりオンラインで紹介するなどしていた。昨年冬から対面での開催に戻った。 5日は午前と午後の入れ替え制で各20人ずつ計40人の小学生が参加し、大学生10人が直接子どもたちに作品の作り方を指導した。和紙に絵の具をたらして仕上げるオリジナルうちわ作り、粘土に好きな色の絵の具を混ぜて型抜きをするストラップ作り、金網と歯ブラシを使ったはがきのぼかし染め、鳥獣戯画の動物たちの色塗りーの4つのテーブルが用意され、子どもたちは20~30分で作品を仕上げていった。 つくばみらい市から参加した小学生の母親は「子どもたちはとても楽しんでおり、大変良い企画だと思う。専門的なことを学ぶ大学生から直接教えてもらって、美術に興味を持てるようになれば」と話していた。 関彰商事は茨城県の文化芸術振興を共に推進していく県近代美術館のパートナー企業となっている。会場には同美術館企業パートナー制度事務局の田口克弥次長が視察に訪れ、「つくば美術館での開催も提案している。関彰商事とうまく連携をとり、美術館が手伝うことがあれば今後も喜んでやっていきたい」と述べた。 9日は「夏休み宿題応援」と題し、筑波大学で書と芸術を学ぶ大学生が習字、絵画のアドバイスをする特別企画がつくば市二の宮のギャラリースタジオ‘Sで催される。予約受付は終了している。(榎田智司)
日本語の大切さ 《続・気軽にSOS》138
2023年8月5日
【コラム・浅井和幸】支援の場では、日本語があまり得意でない外国の方に対応することもあります。私は日本語しか話せないので、日本語ができれば対応しますと伝えますが、困っている人が日本語を話せるとは限らないので、できるところまで対応することになります。 英語をちゃんと勉強していたら、こんなことにはならなかったのかなぁ―なんて愚痴を言っても前に進みません。簡単な日本語と翻訳アプリ、それから身振り手振りで対応します。時には知り合いの通訳を交え、必要な情報を聞き取っていきます。 英語さえできたらと考えていましたが、英語以外の言語の対応を迫られることもあります。翻訳アプリ・通訳者様々です。翻訳アプリも、簡潔に文章を組み立てて音声入力するコツがあるようで、まだ勉強中です。 そうは言っても、日本人の相談を受けることが圧倒的に多いのは確かです。ですが、悩みを聞いている間に主語が変わったり、「てにをは」が間違ったりということが起こります。 もちろん、全て正確な日本語を使って、何一つ間違わずに会話を進めることはできません。それを差し引いても、日本語の使い方が独特な人もいます。主語が変わっていくというのは、抑うつの時にも出ることがあります。特定の人との人間関係がうまくいかなくなったら、全ての人が自分とうまく人間関係が作れないと考えてしまいます。 抑うつの状況でなくても、物事の捉え方が大ざっぱであったり、日本語の表現がうまくなかったりするため、「みんなが自分を悪く言っている」と、「みんな」が口癖の人は多いでしょう。「自分にはいつも嫌なことばっかり起こる」という表現もそうですね。 右・左・真ん中の選択肢 Aさんの前には、右・左・真ん中の3つの選択肢があります。Aさんは、右は絶対にうまくいかないから進みたくないと考えているとします。ですが、私は、とりあえず今は決めつけずに、3つの選択肢があり、それぞれにはメリットとデメリットがあるはずなので、決めつけずに考えていきましょうと説明します。 このとき、私は3つの選択肢が可能性としてあることを提示しているのに、Aさんは絶対に右に行かなければいけないと浅井が言っていると捉え、話が前に進まないことが実際に起こります。この場合、図で説明するとわかってもらえるのですが、言葉だけだとどうしてもニュアンスが伝わらず、相談につながらないこともあります。 Aさんが言っていることを総合的に考えると、右に進むことのメリットが大きく、左と真ん中の道のデメリットが全く想像できない状況で、右以外の道に進めば素晴らしい場所に行けるとさえ考えるようになります。ここで検討せずに進んでしまうと、こんなはずではなかったとなりやすいのです。 人は失敗から学ぶことも大切ですが、その失敗から「やっぱり私には悪いことしか起きない」という感想につながることが残念なことです。次に進むときには、現状の把握がとても大切な要素です。現状の把握と言語での正確な表現方法は密接に関わっていると感じる、今日この頃です。(精神保健福祉士)
「翻訳」のおくりもの《ことばのおはなし》60
2023年8月3日
【コラム・山口絹記】前回のコラムでは、文化や常識の違いによる翻訳の難しさについて書いた。今回はより込み入った話をしてみよう。 「役割語」ということばをご存じだろうか。例えば、「わしが若い頃はそうしたもんじゃ」「オイラにまかせとけよ」「あたしがそうって言ったらそうなのよ」といった、その話者の人物像を想起させるような言葉遣いだ。 英語にも役割語がないわけではないが、日本語ほどのインパクトはないことが多い。原文になかったニュアンスを、翻訳作業で入れるかどうかは翻訳者に託される部分である。また、ジョークやダジャレといった言葉遊びも、忠実な翻訳が困難な場合が多いだろう。 かといってジョークに注釈をいれるのも興ざめだ。なにげなく読んでいる分には意識することはないだろうが、実はこういった本筋に関係ない部分が最も難しいと私は考えている。 そして、今回は児童文学の翻訳だ。児童文学の特徴に、漢字の取り扱いがある。絵本であれば、その文章の多くがひらがなのみで書かれており、小学校低学年、中・高学年向きであれば、それぞれの学習年度に合わせた漢字が使用されることが一般的だろう。 とはいえ、これはあくまで一般的なおはなしであり、対象学年で習わない漢字でもルビを振って使用されることだってあるし、逆に習っていてもあえてひらがなで書かれることもある。 ひらがな表記か漢字表記か? 試しにミヒャエル・エンデの著書『モモ』(小学高学年向き)の表紙の文章を引用してみよう。“時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語”とある。“時間泥棒と盗まれた時間を人間に取り返してくれた女の子の不思議な物語”ではないのだ。 では、対象年齢に合わせた漢字にすべての文章をただ修正すればよいのかというと、そう簡単なおはなしでもない。例えば、「ただすべき」とひらがなで書かれると「只すべき」なのか「正すべき」なのか判断しかねる、といった問題が発生する。 漢字を使わないのあれば、句点を使ったり、あるいは表現自体を変えて誤解を招く表現を避ける工夫も必要になってくる。そして、児童文学に限らず、日本語においてひらがなで表記されるか漢字で表記されるか、というのは文章の雰囲気に大きな影響を与える。「美しい」と「うつくしい」、どちらの表記がより美しさを伝えられるか。あるいはどちらでも変わりがないのか。 これはもはや正解のない問いなのだが、翻訳をして文章に落とし込むのであれば、どちらかに決めなければならない。ルビを振ってでも漢字を使いたいと思うことだってあれば、どんなに簡単な語彙(ごい)でも、ひらがなを使いたいと思うことはあるのだ。 時間はかかったが何とか一冊の翻訳をやり切った。翻訳だけで満身創痍(まんしんそうい)になってしまったので、ルビをふるのはこれからだ。印刷できたら、今度は娘にプレゼントしようと思う。(言語研究者)
つくばの防災科学技術研究所 《日本一の湖のほとりにある街の話》14
2023年8月2日
【コラム・若田部哲】毎年夏休み、つくば市内の各研究所で開催される様々な科学イベント。その中でも人気施設の一つに、防災科学技術研究所があります。 同研究所は、地震、津波、噴火、暴風、豪雪、地滑り、そして水害などの被害を抑えるべく、様々な実験施設により産学官民連携した研究を行い、社会に役立つ情報プロダクツを創出する機関。国内数カ所に拠点があり、そのうち、つくば本所には世界最大級の「大型降雨実験施設」などが設置されています。 そして、この大型降雨実験施設の人気体験イベントが「豪雨体験」。日本観測史上最大の降雨量、1時間換算300ミリという猛烈な雨を体験することができるというものです。 今回は、同研究所広報の入沢弘子さんに、この実験施設についてお話を伺いました。研究所入口の駐車場に車を止め、木々が豊かに茂る広大な敷地内をご案内頂くこと数分。木立の切れ間から目に飛び込んできたその施設は、とにかく巨大! 建屋の大きさは奥行49メートル×幅76メートル×高さ21メートルと、7階建てマンションが数棟並んだほどの大きさ。さすが世界最大級! それだけでも驚きですが、なんとこの建物、動くのだそう! 施設は様々な実験が可能なよう、A~Eの一直線上に並んだ5ブロックがレールでつなげられており、その上を巨大な建屋が移動するとのこと。これにより、それぞれの区画で、実物の家屋など制作に長い日数を要する実験模型を準備し、様々な実験を行うことができるのだそうです。 様々な実験に使われる降雨実験施設 実験にあたり、いで立ちはカッパに傘、長靴と、完全フル装備。どんな雨も大丈夫…なハズ。いざ実験が開始されると、床面から16メートル上に設置された544個のノズルから、自然な降雨を再現した雨が降り始めます。雨は段々と激しさを増していき、叩きつけるような雨に。そして1時間に300ミリという降水量に達すると、長靴は水で満ち、激しい雨で視界は不明瞭、音は雨音しか聞こえません。これが実験でなかったら、恐怖にすくんでその場から動けなくなってしまうでしょう。 降雨のために地下に設けられた貯水槽の容量は2500立方メートル、小学校のプールおよそ4個分はあろうかという量。1日に実験で使用できる水量は、2000立方メートルにもなるそうです。この施設は自治体の啓発動画の作成や、建設業界との協働による水害に強い建物の開発、ドローンや自動車の技術向上など、様々な実験に使用され、年間90パーセントという高い稼働率を誇っているとのこと。 ここ数年来、毎年のように繰り返される「数10年に一度」の自然災害。中でも深刻なものの一つが、集中豪雨による水害です。ただし、この災害が地震や火山の噴火と違うところは、予報からある程度事前の対策が可能な点。 子供の夏休みの自由研究にとどまらず、いざという時の準備のため、ぜひ皆様に体験いただきたい、非常に貴重な機会です。ぜひ足を運び頂き、ご家庭の防災力向上にお役立てください。(土浦市職員) <注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。 <防災科研 一般公開2023>▽日時:8月5日(土)午前10時~午後4時▽場所:国立開発研究法人 防災科学技術研究所 茨城県つくば市天王台3-1▽入場料:無料▽詳細はこちら ➡これまで紹介した場所はこちら
校舎新設や土浦一高の6学級維持など要望 牛久栄進高1学級増受け つくばの市民団体
2023年8月1日
来春の県立高校入試で、県教育庁が7月26日、牛久栄進高校(牛久市東東猯穴町)の募集定員を1学級(40人)増やすほか、筑波高校(つくば市北条)に進学対応コースを1学級(40人)を新設すると発表したのを受けて、市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)は31日、大井川和彦知事と森作宜民県教育長宛てに「ここを第一歩として、つくばの県立高校の入学枠を県平均レベルに合わせるため、学級増、校舎新設、県立高校新設を検討してほしい」など改めて要望した。 県教育庁は、つくば、つくばみらい、守谷、牛久市の一部などつくばエリアの中学卒業者数が増加傾向にあることから、牛久栄進高校(普通科)の募集学級数を来春、現在の8学級から9学級に増やすと発表した。県はつくばエリアの中学卒業者について今年3月は4229人だったのに対し30年3月には524人増えて4753人になるとしている。 定員割れが課題となっている筑波高校については、普通科3学級のうち1学級を、四年制大学進学を目指す「進学アドバンストコース」とするとした。 一方、これまでも学級増や高校新設などを要望してきた同考える会は、今回の県の発表について「一歩進んだ」としつつも、「(既存校に)校舎を新設しない、高校を新設しないという縛りがあるなら問題は解決しない」などとして、校舎新設、県立高校新設を検討してほしいと改めて要望した。 さらに来春は、中高一貫校になった土浦一高の募集が6学級から4学級になり、「牛久栄進が1学級増でも、土浦一高の募集が学級減では、全体としては県立高校入学が今年よりも困難になることは明らかだ」などとし、来春の土浦一高の募集定員について「せめて現在の6学級を維持してほしい」と求めた。
新世界秩序、読み解く鍵は「合従連衡」 《雑記録》50
2023年8月1日
【コラム・瀧田薫】世界の現状をどう捉えるか、さまざまな観点、論点がある中で、屋上屋を架すことになるが、「合従連衡」という言葉に即して現状把握を試みたいと思う。 5月10日、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は「台頭する中国に対応するため、東京にNATO連絡事務所を新設する」構想について日本政府と協議中であると発言した。日本政府も、先にNATO本部のあるブリュッセルに代表部を設置していて、東京事務所にも前向きであった。 ところが、マクロン・フランス大統領が強硬に反対したため、この構想は当面、沙汰やみとなった。マクロンは、NATOによる集団防衛の適用範囲は北大西洋に限られていることを反対の根拠としたが、これは表向きの理由であって、台湾有事においては米国主導の枠組みから自由でありたい、経済面では中国との関係を強化したい―といった思惑があると思われる。 いずれにしても、NATOとその参加国の一つであるフランスの間に、対ロシア、対中国の政策をめぐって齟齬(そご)があり、一枚岩ではない現状をさらけ出したと言えよう。ともあれ、NATOの策は国家連合を形成して強国の脅威に対抗しようとする「合従」に該当し、フランスの策は独自で強国との関係を構築することにこだわる「連衡」に該当すると言えよう。 ちなみに、こうした合従連衡をめぐる分裂、不一致の事例は歴史上珍しいことではない。古くはBC.475の頃、中国の黄河中下流域において、6つの国(魏・趙・韓・斉・楚・燕)と、その西側にあった秦の合計7国が覇権を争っていた。やがて秦が台頭すると、魏など6国は秦に協調する策と、連合して対抗する策との間で揺れ動いた。一方、秦は近隣の魏を侵略し、遠方の斉には和平政策を採り、これを「遠交近攻策」と呼んだ。 結局、BC.221に秦が6国を滅ぼして、中国を統一(始皇帝)した。結果論になるが、秦以外の6国による合従連衡は実を結ばなかったことになる。 2大リスク:全面核戦争、地球環境問題 ところで、現代国家の合従連衡は、過去には存在しなかった2つの巨大リスクを前提条件として押さえておかねばならない。すなわち、「全面核戦争」と「地球環境問題」のリスクである。 これら2つのリスクは人類の滅亡にもつながる。過去の合従連衡は国家の存亡に特化していればよかったのに対して、現代国家の合従連衡は、もともと国家にビルトインされている国益優先の価値体系に徹すれば、2つの巨大リスクについてヘッジ機能を果たせないジレンマに陥る。つまり、われわれは人類史上初めて「人類の存亡にかかわる合従連衡の時代」を生きているということだ。 核兵器をふりかざす独裁者がなりふり構わず強権国家連合を押し出してくる現状に対してどう対応するのか。彼らを抑え込んでこの世の平和と新たな世界秩序を維持するとして、そのための合従連衡のあり方はどのようなものになるのか。そのおぼろげな姿さえまだ見えてこない。それが世界の現状である。(茨城キリスト教大学名誉教授)
入浴施設で盗撮 事務職員を懲戒解雇 高エネ機構
2023年7月31日
高エネルギー加速器研究機構(KEK、つくば市大穂、山内正則機構長)は31日、30代の事務職員を29日付で懲戒解雇処分としたと発表した。同機構によれば、同職員は昨年4月、同僚の男性職員とつくば市内の温浴施設を利用した際、スマートフォンを使い、更衣室で更衣中の様子を本人に無断で動画撮影した。事務職員はその場で他の利用者に取り押さえられ、つくば警察署で県迷惑行為防止条例違反の容疑事案(卑わいな行為の禁止)として事情聴取を受けたあと帰宅した。この日は2人共、勤務日ではなかった。その後、同年6月、事務職員は同署により書類送検され、23年4月、土浦簡易裁判所から罰金30万円の略式命令を受けた。この対応のため、同機構は調査委員会を立ち上げ、事務職員を聴取したところ、新たな事案が判明した。同じ温浴施設で児童買春・ポルノ禁止法の違反容疑事案(盗撮による児童ポルノの製造)があった。被害者は機構外の未成年で、家族と示談が成立しており、送検・起訴には至っていないという。さらに昨年4月の段階で、同機構は事務職員に対し、後輩職員と接触をしないよう指導を行ったが、事務職員は応じず、後輩職員は精神的苦痛を訴えた。機構では「パワハラに類する行為があった」とみている。同機構は外部委員3人を含む懲戒審査委員会を開催し、今年6月14日までに山内機構長が「諭旨免職」とする内容の処分を決定した。この処分には、本人による退職届けの提出が条件だったが期日までに提出がなかったことから29日、「懲戒免職」として本人に通知した。山内機構長は「加害職員が行った一連の行為は、職員として、また、社会の一員としてあってはならないことです。被害者及び関係の皆さまに深くお詫び申し上げます。機構として、このことを厳粛に受け止め、改めてコンプライアンスの周知徹底を図るとともに、今後、このようなことが起こらないよう、再発防止に努めます」とのコメントを発表した。
洞峰公園も調査対象に 県議会が調査特別委設置
2023年7月31日
県施設の処分や売却などの方針が次々に打ち出される中、県議会に31日、「県有施設・県出資団体等調査特別委員会」(田山東湖委員長)が設置され、つくば市に無償譲渡が予定されている洞峰公園(同市二の宮)も重点的な調査の対象施設の一つになることが分かった。 田山委員長によると「議会として議決してつくった施設を、売るのに知事の裁量だよというのはおかしいという議論があり」、設置に至った。 重点的に調査を行う施設は、10月にもつくば市に無償譲渡が予定されている洞峰公園のほか、県出資の第3セクターが運営し、県が民間に売却する方針を打ち出した鹿島セントラルホテル(神栖市)、民間譲渡が予定されている白浜少年自然の家(行方市)、里美野外活動センター(常陸太田市)と、県立青少年会館(水戸市)の5施設。 1年ほどかけて調査し県議会としての調査結果をまとめる予定だが、9月議会に条例改正案の提案が予定されている洞峰公園については、委員会として早めに考え方をまとめたいとしている。 洞峰公園について田山委員長は「県の都合で、採算性という点から、地元に相談なく(県は)パークPFIやグランピングを提案した。地元の反対があり、最終的にはつくば市に移譲するというが、そうなると本当の(パークPFIや無償譲渡の)理由は何なのか、グランピングをやろうとしたなら無償譲渡の条件にグランピングを付けないのか、などを審査したい」などと話した。 同調査特別委は、人口減少社会における県有施設の今後の方向性や売却等の処分などの妥当性、県出資団体の事業の在り方、経営改善方策などについて重点的に調査するのが目的。 県有施設については、設置目的や利用状況を再確認の上、売却や譲渡などの処分の妥当性や影響、それへの対応のほか、管理の在り方や今後の対応などについて調査する。 同調査特別委の副委員長は星田弘司氏(いばらき自民党)、メンバ―は15人。第1回委員会は8月2日開催予定。(鈴木宏子)
土浦博物館の論争拒絶 市民研究者が猛反発 《吾妻カガミ》163
2023年7月31日
【コラム・坂本栄】この欄では、158「土浦市立博物館が郷土史論争を拒絶」(5月29日掲載)、159「…市法務が助言」(6月5日掲載)、160「…議論沸騰」(6月19日掲載)で、市民の歴史研究者に対する博物館のおかしな対応について取り上げました。その後、市教育委員会も博物館の「論争拒絶」をかばう姿勢を示したため、この研究者は強く反発しています。 館長面談2回、質問書手交5回 郷土史論争の概要や博物館の対応については、上記3コラムの青字部をクリックして読んでください。整理するとこういうことです。 ▼誰と誰?:市立博物館の学芸員(主役は中世史家の糸賀茂男館長)VS.郷土史研究者の本堂清氏(広報課長兼市民相談室長や社会教育センター所長も務めた元土浦市職員) ▼主な争点:筑波山系の市北部は古くから「山の荘」と呼ばれていた(本堂氏)VS.そう呼ばれるようになったのは中世以降である(博物館)、「山の荘」は桜川南岸の現つくば市北部を中心とした「方穂荘(かたほのしょう)」の一部だった(博物館)VS.いや「方穂荘」は「山の荘」まで延びていない(本堂氏) ▼接触回数:本堂氏は2年の間に11回も来館し学芸員の業務に支障が生じた(博物館)VS.質問書への文書回答がなく回数が増えたが、この中には館長面談(2回)、単なる質問書手交(5回)も含まれる(本堂氏) ▼論争拒絶:2023年1月30日付最終回答書で「口頭・文書いかなる形式でも今後一切回答しない」と論争拒絶を通告(博物館)VS.市民研究者に対するは博物館の対応は許せない(本堂氏) 「市教育委の課長に脅された」 つまり、博物館は本堂氏の論争スタンスに圧倒され、最終回答書(メモ書きに続く2回目)の中で論争打ち切りを伝えたということです。158では「アカデミックディスビュート(学術論争)を挑む市民をクレーマー(苦情を言う人)と混同するかのような対応」と書きましたが、市民にオープンであるべき博物館の在り方に逆行する対応といえます。 本堂氏によると、7月20日、博物館を監督する教育委員会の担当課長が本堂宅を訪れ、博物館との直接論争を止めるよう説得してきたそうです。「このまま続けたら、私の市職員時代の業績に傷が付くと、脅すような口ぶりだった」。その場で、1月30日付回答書への反論の書を入野浩美教育長に渡すよう頼んだところ、受け取りを拒否されたそうです。 本堂氏は博物館と教育委の姿勢に怒り、掲載写真のような書(清空は雅号)をしたためました。「目は二つ 耳も二つ 口は一つ 反対意見は二度聞くがいい 敵意よりも好意をもって もう一度」と書かれています。市の現文化行政に対するメッセージです。 次は市民窓口と議会文教厚生委 博物館の対応の問題と論争の中味の問題は分けて考えるべきでしょう。前者は対話型論争から博物館と教育委が逃げるという市民サービスの低下に関わる問題であり、後者は歴史解釈の内容に関わる問題(本堂氏は糸賀氏の説は間違いと繰り返し主張)ですから。この際、論争を学術誌の場にも広げ、対話型と紙上型を併走させるのも一案です。 本堂氏は「市民相談窓口を通じて博物館の市民軽視を改めさせ、議会の文教厚生委員会には博物館の市民対応の是非を審議するよう求める」と言っています。この問題、文化施設/文化行政の場から一般行政/市議会の場にエスカレートする?(経済ジャーナリスト)
市民会館の開館で水戸の魅力が倍増《令和楽学ラボ》24
2023年7月30日
【コラム・川上美智子】7月2日、水戸市民会館が開館した。東日本大震災により、旧市民会館が被災し、2年7カ月をかけて水戸のど真ん中に建て替えられた。設計は建築家の伊東豊雄氏で、彼の設計の特徴である国内産の杉材を使ったやぐら広場など木造部分が主体となる日本らしさを盛り込んだ現代建築である。 県内唯一のデパートである京成百貨店と磯崎新が設計した水戸芸術館の間の一等地を区画整理して、3つの建物がそれぞれ道路を挟み一体化した形で配置され、辺りの風景は一新した。 県南では、つくば市の人口増加率が全国一と報じられ、若い世代の人口流入が顕著であるが、県都の水戸市は、歴史や文化、千波湖などの自然に恵まれ、買い物などの利便性も高く、とても住みやすいまちである。毎日、水戸と職場のあるつくばを往復して感じるのであるが、どんどん外に広がりまとまりなく膨張するつくばに対し、水戸は集約型のコンパクト・シティーへと発展し続けていて、子どもにも、高齢者にもやさしいまちだということである。 そういうまちの中心に今回、市民会館が建てられたことで、町の魅力が倍増したと思う。特に感心するのは利用料金が驚くほど安いことである。その理由は、市民に手軽に使ってもらえる市民会館でありたいというポリシーが根底にあるからだ。 県内最大の大ホール、500名ほど入る中ホールなどは大人気で、コンサートや公演など土日は来年3月まで空きがない状況である。中でも圧巻なのは、3階まで2000席が設置された大ホールで、舞台空間も驚くほど大きく、オーケストラビットの設置が可能で、音響反射板が水戸の梅を模したカラフルな洒落(しゃれ)たデザインで目を奪われる。 楽器をそろえた音楽室、調理室、工作室、茶室、展示室のほか、誰でも自由に使えるラウンジなど、中学生や高校生が勉強できるスペースも其処此処(そこここ)にある。調理室でお料理を教えたいとか、工作室で陶芸教室が出来るのではないかと夢が広がる。 市民をまちの真ん中に連れ出すことで、市民会館が文化交流やにぎわいの核となり、北関東第一の質の高い文化拠点になること間違いなしである。当初の理念を忘れず、市民中心の市民会館として発展することを期待する。 都市公園の面積は世界第2位 水戸の魅力のもう一つは、都市公園の面積がボストンに次ぎ、世界第2位であるという点である。水戸駅からそう遠くない千波湖や逆川周辺に広大な自然が広がり、それらを利用した多くのイベントが年間を通じ行われている。早朝や夜間の千波湖はランニングや散歩する人で大にぎわいである。 毎月配布される水戸の広報誌には様々な市民参加型のイベントが紹介されていて、大会やフェスタなどが目白押しである。また、文化、教養、スポーツの欄には、無料の講座、学習会、映画上映会などの情報がしっかり掲載されている。このような仕掛けを市や団体が活発に行っており、小さな子どもから高齢者まで日々楽しみ、生活できる環境がつくられているのである。 研究機関が集積する科学都市つくばの発展も素晴らしいが、私にとって住み続けたいまちは、やはり水戸である。(みらいのもり保育園長、茨城キリスト教大学名誉教授)
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