火曜日, 4月 7, 2026

土浦市のいじめ回答拒否 個人情報保護が盾《吾妻カガミ》168

【コラム・坂本栄】土浦市立中学校でのいじめ問題に関する市教育委員会と市議会文教厚生委員会の対応に違和感を覚えています。教育委は本サイトの取材に回答を拒否してメールによるコメントで済ませ、文教厚生委はこの問題を取り上げないことを決めました。教育委の回答拒否と議会の審議回避の理由はなぜか同じであり、「関係生徒のプライバシー保護」でした。 不十分な教育委の対応 2019年春から22年春にかけて、車いすの生徒が受けたいじめがどんなものだったのか、学校と教育委は繰り返されるいじめにどう対応したのか―などは、保護者の証言に基づく記事「いじめをなぜ止められなかったのか 保護者が再調査求める…」(9月3日掲載)に詳しく出ています。 また、コラム166「高齢研究者と車いす生徒に冷たい土浦市」(9月4日掲載)では、教育委の市民にやさしくない対応に疑問を呈しました。 教育委がそれなりの対応をしたにもかかわらず、いじめが続いたということは、一連の生徒対応が不十分だったことを意味します。いじめられた生徒はすでに中学校を卒業しているのに、保護者が再調査を求めているのは、いじめた生徒への指導が不徹底だった原因を調べ、再発防止の教訓にしてほしいと思っているからです。 市議会も教育委に同調 この事案について本サイトの記者が取材を申し入れたところ、教育委はメールで「関係する生徒等の個人情報やプライバシーに関わることであり、回答を差し控えさせていただく」(指導課長)と、回答を拒否してきました。プライバシー保護を盾に、いじめの実態や教育委の対応などは話したくないということです。これでは、いじめの原因がわかりませんし、保護者が求めている教訓も得られません。 また、なぜ議会で取り上げないのか文教厚生委の某市議に聞いたところ、「決して無関心なわけではない。これは人権とプライバシーが絡むデリケートな内容であり、議会で取り上げると、話し合った内容が全て広く一般へ公開されることになる」といった返事でした。 教育委がプライバシー保護を理由に回答を拒否したのは、いじめた生徒に対する指導の詳細を知られたくないからでしょう。それはそれとして、教育行政のチェックを仕事にしているはずの文教厚生委は、結果として教育委のいじめ問題隠しに同調してしまっているのではないでしょうか。いじめた生徒は自分の行為を反省せずに大人になるでしょうから、教育委は児童生徒を正しく育てるという仕事を怠っていることになります。 個人の情報を守る方法 先の記事には、いじめられた生徒が誰なのか、いじめた複数生徒が誰なのか、固有名詞は書かれていません。それがこの種の記事作成の作法だからです。でも推測はできますから、いじめられた生徒と保護者はすでにある程度のプライバシーをさらしています。生徒と保護者はそういった覚悟を固めているということです。 文教厚生委がプライバシー保護を心配するのであれば、委員会を非公開の秘密会にし、固有名詞をA、B、C、D…にすればよいでしょう。 教育委と議会の逃げの姿勢を知った保護者は、いじめ問題に「無関心ではない」文教厚生委に対し、子ども生徒と連名で文書を提出し、審議を促すそうです。矢口勝雄(郁政会、委員長)、田中義法(新勇会、副委員長)、吉田千鶴子(公明党)、鈴木一彦(新勇会)、勝田達也(郁政会)、福田勝夫(共産党)、平岡房子(社民党)、根本法子(公明党)の各氏が市議の仕事をするのか、気になります。(経済ジャーナリスト)

常総学院 4年ぶり秋大会制覇

第76回秋季関東地区高校野球県大会は1日、ひたちなか市民球場(同市新光町)で決勝戦が行われ、常総学院が8-0で鹿島学園に勝利し、4年ぶり10回目の優勝を決めた。両校は21日から栃木県で開催される関東大会に出場する。 第76回秋季関東地区高校野球茨城県大会(1日、ひたちなか市民球場)常総学院 100005200 8鹿島学園 000000000 0 常総学院は初回、2番の杉山陽大が内野安打と敵失で出塁、1死二塁から3番・片岡陸斗の右中間への二塁打で1点を先制。4球ともストレートのカウント2-2から、次はスライダーが来ると予想したが、投手の腕の振りからストレートが来ると瞬時に判断、外角真ん中の球を振り抜いた。「ここ最近で一番の手応え。思いきりの良さが出せた」と片岡。 投手陣は5回までに4人が投げたが、いずれも実戦経験の浅さからか計7つの四死球を与えてしまう。だが捕手・片岡のリードや声掛け、野手のカバーなどで失点はゼロ。2回には2死一・三塁からダブルスチールを仕掛けられるが、遊撃手・若林佑真の好返球で事なきを得た。 「追加点を取って展開を楽にしたかったが、相手の守備も良く、いやな流れになっていた」と島田直也監督。5回終了後のクーリングタイムに「もう一度初回と同じ気持ちで、立ち上がりしっかり行こう」と選手たちに声を掛けた。 すると6回は1死の後、四番・武田勇哉から九番代打・森田大翔まで怒涛の6連打。いずれも単打をつないで一挙5点を追加した。「相手投手は変化球が増えていたので狙い目だった。練習通り、センターへの強い打球を意識していた」と、この回最初の適時打を放った若林主将の振り返り。 常総学院は7回にも2点を追加した。投手は6回からエース・小林芯汰が登板、準決勝の疲れからかボールが先行する場面も多く、5安打を許したものの最後までホームは踏ませなかった。 「小林は予定より1イニング早かったがエースらしく投げてくれた。力を入れる場面と打たせてとる場面の使い分けを覚えてきた。打撃陣は地区大会では良くなかったが、県大会では本当に成長した。打撃は水物。小技もしっかりできた」と島田監督の評。地区予選の3試合はいずれも僅差での勝利だったが、県大会は1回戦から準決勝までの4試合をいずれもコールド勝ち。決勝も終わってみれば大差がついていた。 「本来は小技を使って1点ずつ取り、守り勝つチームだが、打撃の好調を維持してこのまま行きたい。まずは関東で2勝し、最終的に優勝することが目標。それに向けていい自信になった」と若林主将は笑顔をほころばせた。(池田充雄) 【訂正2日8時55分】見出しの常総学院「5年ぶり制覇」は「4年ぶり」の誤りです。訂正しました。

カエル姿で420人が駆け抜ける 4年ぶり 筑波山がまレース

鷹崎晃子さん クイーンの部で4連覇 第75回筑波山ガマまつりのメーンイベント「筑波山がまレース」が1日、中腹の筑波山神社近くで4年ぶりに催され、県内外から約420人の参加者がカエルのかぶり物をして門前通りを駆け抜けた。 筑波山ガマまつりは戦国時代、筑波山・中禅寺の住職で、ガマの油を作ったとされる光誉上人(こうよしょうにん)の供養と商売繁盛を祈願する祭りで、今年75回目。がまレースは2013年から始まり、コロナ禍で中止となった3年をはさんで今年で7回目となる。 保育園や幼稚園児らが150メートルを走る「おたまじゃくしの部」、小学生が3人1組になりおたまをもって各200メートルをリレーをする「筑波山がまアトラクションリレー」、カップルが二人三脚で250メートルを走る「ガップルの部」、中学生以上の女性が500メートルを走る「がまクイーンの部」、中学生以上の男女が500メートルを競う「がまキングの部」の7部門でレースが行われた。 このうち、ガップルの部で優勝したいずれもつくばみらい市に住む黒木章弘さん(28)と山田理紗子さん(26)は「参加は2回目。2人で息が合ったので優勝できた。とてもうれしい。もうすぐ結婚する予定。よいイベントだと思うので今後も続いてほしい」と話した。 がまクイーンの部で優勝した栃木県真岡市の鷹崎晃子さん(37)は2017年から4連覇を果たした。「楽しくレースをすることが出来た。普段からいろいろなレースに出て、それに向け練習をしている。今後も連覇を続けたい」と喜びを語った。がまキングの部は東京都日野市の井海雅之さん(23)が優勝した。「友達に誘われて参加した。今まで陸上競技をやっていたので、結果が出て満足。また出場したい」と語った。 レースではメーンスポンサーの外食チェーン、坂東太郎のゆるキャラ「ばんどう太郎」がスタート合図をしたり、司会者などスタッフがルパン三世のキャラクターにふんするなど、会場を盛り上げた。当日はレース以外にも、ガマや緑をテーマにしたコスプレイベントが開催された。 筑波山ガマまつりは、がまレースで始まり、少年漫画「ケロロ軍曹」とタイアップした周遊企画や、グルメ企画などが11月30日まで催される。(榎田智司)

ノスタルジア「八つ墓のたたりじゃ〜!」《訪問医は見た!》4

【コラム・平野国美】岡山県の山間部に吹屋(ふきや)という地区(高梁市)があります。ベンガラ(酸化第二鉄)の街並みで有名なのですが、私は15年ほど前、よく調べずにここを訪れました。街の外れから歩き出したのですが、なぜかデジャヴ(既視感)があるのです。しかし、私には縁もゆかりもない場所のはずです。 そのとき、私の背後に老女が忍び寄り、耳元で突然叫んだのです。「たたりじゃ〜! 八つ墓のたたりじゃ〜!」と。そこで、すべてを悟りました(この部分は作り話です)。 当時、この地域は高齢化が進み、住人の多くが80代の方々でした。そんな街の古民家を利用した喫茶店で、土地の皆さんと話しているうちに、この街の概要がわかってきました。江戸時代は鉱山として、明治時代はベンガラ生産地として、繁栄した街だったのです。 ベンガラは、神社などの建築物に使われる赤い塗料で、腐食を防ぐ目的もあって塗られていました。吹屋の街並みは、壁はベンガラ色、屋根は山陰の石州瓦(これも朱色)で、独特の風景が見られます。 なぜ、私がこの風景に既視感を持ったのか? 喫茶店にいたおばちゃん達と話しているうちに、わかってきました。上で書いた「たたりじゃ〜っ!」は、あながちウソでもないのです。ここは1977年に公開された角川映画「八つ墓村」のロケ地で、この映画の風景が目の前に浮かんだのです。 消えてゆく日本を残したかった ここがロケ地になったのは、特徴的な風景もあるでしょうが、原作者の横溝正史が岡山県に疎開したこともあり、岡山を舞台にした映画を作ることになったと思うのです。 彼は神戸で生まれ、一時就職した後に大阪で薬学を学び、実家の薬局を継ぎます。しかし、学生時代に応募した作品が認められ、江戸川乱歩の招きにより、東京の出版社に勤務。多くの探偵小説を手掛けますが、肺結核になり長野の病院に入院。結核薬ストレプトマイシンで生きながらえ、戦争中は母親の実家があった総社市(岡山県)に疎開。二度と探偵小説は書けないと失意に落ちます。 しかし彼は、岡山の生活の中で、村人たちと酒を酌み交わしながら、地元の伝統や因習について聞き出したのです。そこには、古い美しい日本がありました。横溝作品は小説も映画も怪奇的に捉えられますが、彼が書き残したかったのは、そこではなかったと思うのです。 「八つ墓村」監督の野村芳太郎も、あるインタビューの中で「化け物映画を作りたいのではなく、消えてゆく日本を残したかった」と言っていました。これらの作品の根底にはノスタルジアがあるのだと思います。(訪問診療医師)

「大学改革の旗手に」永田学長 筑波大が開学50周年記念式典

マハティール元首相が祝辞 筑波大学(つくば市天王台)が10月1日、開学50周年を迎えるのを記念した式典が30日、同市竹園、つくば国際会議場で催された。永田恭介学長は「世界中の大学との間で頭脳循環を加速させ、知の十字路としてのキャンパスを充実させていきたい。大学改革の旗手として、固定化された社会を再構築する原動力でありたい」などと、次の50年に向けた式辞を述べた。 式典には大学関係者のほか、つくば市長、県内選出の国会議員、協定などを締結している海外の大学学長など計約1200人が参加した。文科省の安江伸夫政務官のほか、マレーシアのマハティール元首相らが祝辞を述べた。 同大は来年10月、日本の大学で初めて日本の学位を授与する海外分校をマレーシアの首都クアラルンプールにあるマラヤ大学に開設する。2019年、安倍晋三首相とマハティール首相(当時)が取り決めをし海外分校を開設することから、今回来日に至ったという。 白川名誉教授が記念講演 続いて2000年にノーベル化学賞を受賞した同大の白川英樹名誉教授が「私の研究とつくばー東京工業大学・ペンシルベニア大学・筑波大学」と題して記念講演した。開学間もない筑波大に着任した当時の思い出について「つくばの街は発展途上で、息抜きをしたり、くつろいだりできる喫茶店や赤ちょうちんの店も無くて、過ごしづらいと感じた人が多かったが、私は酒も飲まなし、喫茶店に入ってコーヒーを飲みくつろぐという経験をしたことがないので、かえってすっきりして、いい街だなあと思った」などユーモアを交えながら振り返った。 国立大学が直面している課題についても触れ「2004年の国立大学法人化以降、政府から交付される国立大学への運営交付金は毎年1割削減され、2022年は87%まで減少している。不足分を補うため企業との共同研究や技術移転などで寄付を仰いで研究費などを調達しなければならないが、いきおい大学で研究は短期的に成果が上がる、役に立つ研究ばかりが目立っている」などと話し、現在の国の政策に苦言を呈した。 学生に向けては「体育専門学群の学生が国内外の競技やオリンピックで輝かしい成果を上げて、メディアが大きく取り上げて、筑波大学の名声を高めているが、それ以外の大部分の学生は、社会に向けて何ができるか」と切り出し、自身の助手時代の体験を振り返って「一コマの講義を託され、教えるということは、裾を広く学ばなければ教えることはできないということを痛感し、教えることは学ぶことだということを学んだ」と述べ「時に教える機会をつくってほしい、そういうことによって学ぶことの意義ができてくる」などと話した。 10月1日は大学で記念イベント 50周年記念イベントは10月1日も大学キャンパスで催され、2050年の生活と社会を考えるフォーラムや元Jリーガーがプレーするサッカーの記念試合など、さまざまなイベントが開催される。 筑波大学は1872(明治5)年に日本初の教員養成機関として創設された師範学校が始まり。1973年10月1日、東京教育大学を移転する形で筑波研究学園都市に開学した。同大は今年、開学50周年イヤーとして各種イベントを展開している。

朗読列車 今年は紅葉仕立てで運行 筑波山ケーブルカー

山頂駅展望台に新アクティビティ 紅葉シーズンを前に、筑波山ケーブルカー(筑波観光鉄道運行)で10月1日から、車内に色付いたモミジやイチョウを飾り立て、声優らによる朗読劇が体験できる秋のイベント列車「ストーリーテラーズ・レールウェイ」が運行される。昨年に続いて2回目。 8分間の乗車時間の間に、つくばエリアで語り継がれる民話「しっぺいたろう」、宮沢賢治の「注文の多い料理店」、筑波山名物「ガマの油口上」を声優や劇団員らが朗読する。さらに今年から、標高約800メートルの御幸ケ原の筑波山頂駅隣りにあるレストランの展望台屋上に、絶景に浮かぶ的に向かってウォーターガンを発射させるアクティビティが導入される。「天空のガマスプラッシュ」と名付けられたストレス発散系アクティビティだ。 企画会社の担当者は「今年は朗読に女性声優も参加するなど、昨年よりグレードアップした形となる。また新しいメニューを加え、筑波山観光をグレードアップさせたい」と語り、筑波観光鉄道営業本部の須藤淳さんは「昨年から朗読列車を運行し、大変評判が良く、乗客数も増した。今年は企画がバージョンアップしたので、乗客数がさらに増加することを期待したい」とし、「筑波山ロープウェイの方も、10月から土日祝日に夜間運行がはじまるので楽しみにしてほしい」と話す。 29日、メディア向け内覧会が開かれ、筑波観光鉄道の枝村誠社長、つくば市の飯野哲雄副市長、筑波山神社の上野貞茂宮司、つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道の渡辺良社長がそれぞれあいさつした。飯野副市長は「11月3日に筑波山ゲートウエイのオープンもあり筑波山を中心とした地域がさらに盛り上がることを期待したい」と話した。 3人の声優、上原悠希さん(22)、菊池将司さん(22)、水野谷泰我さん(22)も参加し、ケーブルカーの車内で上原さんが「しっぺいたろう」を朗読、山頂駅到着と同時に終わらせるという職人芸を見せた。この日、山頂駅近くの展望台の屋上では、強い風の中、筑波山ガマ向上保存会の筑波和弘さんが「ガマの油」のショートヴァージョンを披露したほか、3人の声優が「天空のガマスプラッシュ」のパフォーマンスをした。 筑波山ケーブルカーは筑波山頂駅と宮脇駅間の全長1634メートル、標高差495メートルを「もみじ号」と「わかば号」と名付けられた2つの車両が結ぶ。今回の企画は「もみじ号」の車両を朗読列車として使用する。(榎田智司) ◆朗読列車は10月1日(日)~29日(日)の土日祝日の午前11時台から午後2時台に出発する便で運行する。車内の装飾は12月3日(日)まで。乗車料金は往復で大人1070円▷「天空のガマスプラッシュ」は10月1日(日)~29日(日)の土日祝日の午前11時~午後3時。料金は1回700円▷山頂駅近くのコマ展望台レストランで10月1日(日)~12月3日(日)、名物の筑波山の形をした「つくば山カレー紅葉仕立て」(1100円)を販売する。

長者と金持ち《ひょうたんの眼》61

【コラム・高橋恵一】岸田首相は就任以来、基本的な経済政策として、これまでの新自由主義的経済から、「新しい」資本主義を掲げ、「成長と分配の好循環」「コロナ後の新しい社会の開拓」を目指すとし、新たな経済対策として、物価高対策、賃上げ、国内投資促進、人口減少対策、国民の安心・安全確保を掲げている。 首相に有言実行してほしいのは、賃上げだ。それも、教師と看護師、介護職員の賃上げと働く環境の改善だ。経営者にお願いしなくても、配置基準と給与額は、政府が決められる。下からの「トリクルアップ」で、非正規雇用と人手不足を解消できる。 バブル期に至る前の日本経済は、高度成長期。国全体の経済力の拡大とともに、個人所得も豊かになったが、まさにバブルの言葉通り、安易な浪費を行い、将来の高齢化社会に備えた社会保障の仕組みや産業基盤、安定的な生活基盤の整備をおろそかにしてしまった。 当時、高度成長は、西欧諸国も同じであり、特に北欧は、堅実に社会保障基盤を固め、ジェンダーフリーの条件を整え、女性の社会進出を実現した。日本は、それを横目で見ていたが、21世紀の今日、両翼飛行の北欧諸国の1人当りのGDPと1.5翼飛行の日本の1人当り所得には、大差がついてしまった。 バブル崩壊後の日本経済は、停滞し、アメリカを習って、新自由主義経済に傾倒した。いわゆる小泉改革であり、経済の効率化、極限のコストカットであった。 アベノミクスの失敗 人助けが巡り巡って自分を救うという落語の枕で、「長者」と「金持ち」の違いについて、長者は周りのみんなも豊かにする人、金持ちは自分だけが豊かになる人と仕分けした。時代の寵児(ちょうじ)の投機家が「お金を儲けることは悪いことですか?」と発言したとき、私と友人の陶芸家は、同時にテレビに向かって「悪い!」と叫んだことを覚えている。一方が得することは、他方から搾取することだ。 日本のコストカットは、人件費。職場での人員削減で、女性や外国人、再雇用の高齢(?)労働者などを、安月給の非正規職員として置き換えた。これらの雇用形態をより定着させたアベノミクス政策は、格差社会を拡大し、日本の個人消費を30年以上停滞させているのだ。さらに、年金の値切り、社会保険料の値上げなど、弱者の収入を抑制した。 政府は、企業経営者に賃上げを要請しているが、株主の最大利益の確保を使命とする企業経営者に賃上げはできない。ノーベル経済学賞のジョセフ・スティグリッツは、新自由主義経済を批判し、公共部門が人々の真の需要を満たすサービスの提供を担うべきと主張している。 スティグリッツは「子どもや親をケアすることは、私達の人生で最も大切なことだから、子どもや親の面倒を見る人々、教師や看護師に、労働に見合った賃金を支払うべきです」と言う。その公共が実施できる賃上げは、労働力の需給を通じて、賃金水準を引き上げ、格差解消にもつながる。 真に人々が求める需要、賃上げで労働力を確保すべき課題は、人権問題、地球環境の回復など多様であり、大多数の人々の幸福実現に対応する支出は、応能負担の税で賄う公共部門の役割であろう。(地図好きの土浦人)

つくば市役所敷地で初の譲渡会 愛護団体の保護猫約30匹

つくば市の動物愛護団体「Team.ホーリーキャット」(重松聖子代表)が保護した猫の里親になってくれる人を探す譲渡会が10月1日、同市役所敷地内で開催される。 同会は6年前に発足。県南地域を中心に、捨てられたり、野良猫が出産するなど、飼育が困難な猫を保護して譲渡会を催したり、増え続ける野良猫を一時捕獲して不妊・去勢手術後に元の場所に戻す地域猫活動などを7人のメンバーがチームとなって続けている。 これまで、活動拠点のつくばでの譲渡会は借りられる場所が見つからず、牛久などで毎月2、3回の譲渡会を開催してきた。なんとかつくばで譲渡会が開けないかと、動物愛護の啓発や犬猫の不妊・去勢手術の補助事業を行っている、つくば市環境保全課との話し合いを重ねて初の譲渡会開催となる。同課の沼尻輝夫課長は「庁舎敷地内での譲渡会が犬猫の殺処分減少の第一歩になれば」と話す。 猫は春と秋が出産期といわれるが、栄養状態がよい、人工光も含め1日12時間以上明るいーなどの条件がそろえば一年中いつでも出産するといわれる。道端に生後間もない数匹が捨てられている、空き家で野良猫が出産したなどの連絡が入り、保護活動にはいとまがないそうだ。手の平に乗るほどの小さな命は同市栗原に同会が設けた保護部屋に収容し、ミルクボランティアの経験があるメンバー、村上由里子さんが猫用の粉ミルクを用いて人工哺乳で育てている。 保護猫を迎えるには条件がある。①責任と愛情を持って最期まで飼育する②脱走防止を常に心掛ける③災害時など避難の必要がある場合は同伴避難をするーなどだ。 譲渡費用必要 ほかに譲渡費用がかかる。譲渡費用は、譲渡までにかかった食費、避妊・去勢手術やワクチン、健康診断、病気の治療費などで、同会は一律2万5000円、体重が足りず避妊・去勢手術が済んでいない子猫は1万8000円と決めている。 民間の保護団体の多くが寄付金をメーンに運営しているが、寄付は保証のない不安定な収入で、譲渡会の運営や備品購入などの資金はギリギリだという。一方、保護猫に対する認知度は上がってきたものの譲渡数は少なく、里親を待っている猫が絶えないのが現状。保護活動でかかったお金を里親に譲渡費用として負担してもらうことで継続的な運営につなげたい考えだ。 保護猫の里親になるにはトライアル(保護猫と実際に暮らしてみるお試し期間)が必須で、後日ホーリーキャットのメンバーが里親宅まで選んだ猫を届ける。 そのため、譲渡会会場から猫を連れて帰ることはできない。また、飼えなくなった動物の引き取りは行わない。 重松さんは「留守にすることが多いから飼うのをためらうという声があるが、世話をしている私たちは留守番がストレスでない猫を紹介できる。留守番に限らず、ライフスタイルに添った猫を紹介できるのでお気軽にお立ち寄りください」と参加を呼びかける。(橋立多美) ◆譲渡会の日時は10月1日(日)正午から午後3時、会場はつくば市役所敷地内の庁舎西側ビルトインガレージ、案内看板あり。参加無料。駐車場はお客様駐車場1、2を無料で利用できる。譲渡会にお目見えする猫たちがホーリーキャットのブログで紹介されている。ブログはこちら。

子どもの学びの現場から《令和楽学ラボ》25

【コラム・川上美智子】子どもたちが秘めている力、伸びていこうとする力は無限である。また、観察力も大人が考えているより鋭く、繊細で感受性も豊かである。そのような子どもたちを100名もお預かりしている保育園の責任は重大である。 子どもたちが自ら伸びる力が発揮できるよう、保育園は多様な遊びや学びの環境を準備し、それに手をそっと差し伸べる人的環境を整えることが理想である。一人ひとりの子どもにとっては、毎日が経験を積む大事な一日である。しかし、保育者の一日は想像以上に過酷で忙しく、養護と保育に追われる毎日である。保育士の人員をもう少し増やせる国家的施策が必須である。 国は2017年に、保育所・保育園を、幼稚園、認定こども園と同等の子育ち環境を有する施設と位置づけて、「保育所保育指針」を全面改正した。その中で、保育内容の基本原則を示し、各園は子どもの最善の利益を考慮し創意工夫を図り、保育所の機能および質の向上に努めなければならないとした。 国も、保育所が、生涯にわたる人間形成にとり、極めて重要な時期を過ごす場であり、現在を最も良く生き、子どもの望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う場とした。 指針では、基本的な生活習慣や態度、人に対する愛情と信頼感、人権を大切にする心、自主・自立および協調の態度などの非認知能力の育み、生命・自然・社会の事象に興味や関心をもち、豊かな心情や思考力を育て、話す、聞く、相手の話を理解するなど言葉の豊かさを養い、豊かな感性や表現力、創造性を育むなどの認知能力の育みなど、てんこ盛りの役割を求めている。 すなわち、保育所には、保護者がいない日中の間、保育士などがそれに代わり、愛情豊かな受容の下で、生理的・心理的欲求を満たし、心地よく、楽しい生活ができるよう、また、健やかな発達・発育を促す環境を提供するよう指針は求める。保育者の数が少ない園ではとてもカバーできるものでない。 健やかな育ちのスタートを応援 みらいのもり保育園では、保育理念に「自分らしさと自ら伸びるチカラで未来を生きる自信と意欲を育てます」を掲げ、「子どものやりたいを引き出す」「非認知能力を育てる」「健やかな育ちのスタートを応援」「発達を促す環境構成を大切に」の目標を設定し、保育士の十分な確保や、研修による職員の質の向上に力を入れてきた。 また、ネイティブ講師による英語で遊ぼう、専門家による体操指導、リトミック、保小接続のためのワークによる学び、管理栄養士などによる食育、筑波大学と連携したアート鑑賞などのカリキュラムを導入して、幅広く力が伸ばせるよう努めてきた。また、希望者はヒップホップダンスやピアノの個人レッスンも受講ができるようにしている。 これだけ並べるととても忙しそうに聞こえるが、子どもたちは、どのプログラムにもとても楽しく参加して難なく力を付けていくのである。吸収できる適切な時期に体験や学びを積むことが、いかに大切かが確認できるすてきな場である。(茨城キリスト教大学名誉教授、みらいのもり保育園園長)

第16代つくば観光大使が表敬訪問

つくば市の観光PRを担う「第16代つくば観光大使」6人が27日、五十嵐立青市長を表敬訪問し、市役所内で意気込みを語った。観光大使は今年新たに選ばれた3人と、15代から継続の3人の計6人になる。 つくば観光コンベンション協会が公募し、51人の応募があった。書類審査の後、32人が面接審査を実施し、3人が選ばれた。コロナ禍の影響で2年ぶりの公募になった。 新大使は、いずれもつくば市在住の友部穂乃歌さん(22)、宮本真里さん(31)、仲条祐佳さん(29)。継続は、つくば市の井上魅空さん(36)、宮崎絵美さん(40)と、牛久市の吉澤綺音さん(23)。 6人は市のイメージアップや観光客誘致を図るため、市内のイベントや県外での観光キャンペーン、メディア出演、SNSによる情報発信などを行い、市の魅力をPRする。 新たに選ばれた友部さんは「現在大学生だが、就職が決まり、来年社会人になる。学生時代はチアリーディングや乃木坂46のパフォーマンスなどを経験した。先輩大使を見習いながら、つくばの成長に携わりたい」と話す。宮本さんは「プロ野球のチアリーディングチームで5年間活動し、現在、市内のチアリーディングクラブでコーチをしている。踊れる大使として、つくばを元気にしたい」とし、仲条さんは「つくばチャレンジショップに参加して、カフェ店出店の経験があり、ビジネスにも興味を持っている。チャレンジショップでは吉沼の皆さまにお世話になった。これからはつくば市全体に貢献したい」とそれぞれ抱負を語った。 新大使の任期は9月から2025年8月末までの2年間。継続大使は来年8月末までのあと1年。今年度は10月1日の筑波山ガマまつり、来春の筑波山梅まつりなどに参加し観光PRに取り組む。 五十嵐市長は「今年は(ジオパーク拠点と自転車BMXコースがある)つくばゲートパークのオープンなどもあり、出番は多い。今後はイベントだけではなく、市の施策を紹介するなど、行動範囲を広げていただけたらありがたい」と述べた。(榎田智司)

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