10月、11月に大規模自転車イベント 土浦駅拠点に茨城プレDC
プレイアトレ土浦(JR土浦駅ビル、土浦市有明町)を運営するアトレ(本社・東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)は10月~12月にかけて茨城県で開催される観光キャンペーン「茨城プレデスティネーションキャンペーン」(茨城プレDC)に合わせ、霞ケ浦一周のサイクリングが楽しめるライドイベント「いばらきK1ライド2022」や2020年以来となる人気イベント「BIKE&CAMP(バイク&キャンプ)」などを開催する。
本県で21年ぶり3回目となるデスティネーションキャンペーンは、23年10月から12月の開催が決定した。JR東日本、JR東海などJRグループ6社が地域と一体となって、魅力的な観光資源の紹介、イベント開催やおもてなしに取り組み、集中的な宣伝を全国で実施する。国内最大規模の観光キャンペーンは3カ年にわたり展開され、22年には「茨城プレDC」を、24年には「茨城アフターDC」を、共に秋季開催する。
茨城プレDCでは、県が誇るサイクリングやキャンプなどのオープンエアで楽しめるアクティビティーのほか、茨城の豊かな「食」をメーンコンテンツに全国各地からの観光誘客を図るよう計画された。アフターコロナを見据えた観光需要の回復や県内経済の活性化を目指すという。
「いばらきK1ライド2022」は霞ケ浦一周にチャレンジするファンライドイベント。主催はいばらきK1ライド大会事務局(東京)。開催日は10月16日。ナショナルサイクルルートにも選ばれた「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦エリアを走行しながら、途中のエイドステーションでは地元の名産品や名物グルメを楽しむ。
霞ケ浦1周コース(95キロ)のほか、土浦~潮来(霞ケ浦南岸を走行)をサイクリングし、復路はサイクルーズに乗船し、クルージングで土浦まで戻る55キロコース、土浦~かすみがうら市歩崎公園までの往復の初心者向け36キロコースが設けられる。
参加費は▽95キロ(大人6500円、中高生4000円)▽55キロ(大人7000円、中高生5000円)、36キロ(大人3500円、中高生2500円)=いずれも税込み。イベントサイトから申し込みできる。
「BIKE&CAMP」は20年10月の開催では、2日間で3500人が来場した自転車とキャンプをテーマにした旅イベント。今回は11月19日と20日、霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)を会場に開く。最新自転車の試乗、地元産品の販売、キッチンカーの出店、旅マルシェ(世界各国の雑貨など)トークショー、ワークショップ、チャリティオークション、ライドイベントなどが予定されている。入場は無料。キャンプ宿泊は別途。イベント特設サイトから申し込める。
10月9日、10日にはプレイアトレ土浦6階屋上で「食とお酒」のイベントを初開催。土浦市自慢のグルメやアトレ2階・佐藤酒店おすすめの茨城の地酒を堪能できる。イベントでは、地元の常陸秋そばを原料とするそば焼酎「土浦小町」の試飲やそば処の味などが楽しめる。県内のクラフトビールを豊富に用意しての「ビアフェス」も同時開催する。各イベントの詳細は、順次プレイアトレ土浦のホームページで公開する。
茨城デスティネーションキャンペーンの詳細はこちら。
アルコール検知器に効果なし!? 筑波大 トラック運転者事故調べ
アルコール検知器を用いた酒気帯び確認に飲酒運転を防ぐ効果はなかった-とする研究論文が発表され、注目されている。筑波大学の市川政雄教授(医学医療系)らの研究グループは「事業用トラック運転者における呼気アルコール検査の義務化の飲酒運転事故への影響」を調べ、8月の日本疫学会誌に掲載された。
アルコール検知器による運転者の酒気帯び確認は2011年5月、旅客(バス、タクシー)・貨物(トラック)自動車運送業を対象に義務化された。1995年から2020年までに全国で発生したトラック運転者による交通事故のデータを調べると、2011年時点で飲酒運転事故の割合は0.19%になっていた。しかし、その後の10年間はずっと0.2%前後で推移し(グラフの黒丸)、アルコール検知器による酒気帯び確認の効果はなかったと推察できたという。
研究グループは、警察庁の交通事故データを管理する公益財団法人交通事故総合分析センターから入手したデータを分析した。バス・タクシー運転者では飲酒運転事故の割合そのものが低く、統計的な分析ができないため、今回はトラック運転者が起こした交通事故について調べた。
事業用トラックと自家用トラックの運転者それぞれについて、各年の飲酒運転事故の割合を計算し、その年次推移を分析した。事業用トラック運転者には酒気帯び確認が義務付けられており、自家用トラック運転者にはその義務がない。
統計的手法で年変化率を割り出すと、事業用トラックでは 2001年から12年までで13.5%減、自家用トラックでは2001年から11年までで14.9%減だった。2000年代初頭に行われた飲酒運転に対する厳罰化には大きな効果があった。
しかし、その後は減少傾向が続かず、事業用・自家用トラックとも、飲酒運転事故の割合は、いずれも大きく増減することなく推移していた。アルコール検知器による酒気帯び確認に効果があれば、事業用トラック運転者による飲酒運転事故の割合は下がるはずだが、下降は見られず、自家用トラック運転者との比較でも明確な差は認められなかった。
適用拡大にも合理的根拠なし
今年4月からは道交法の施行規則改正で、運送事業者以外のいわゆる「白ナンバー」の使用事業者の一部にもアルコールチェックが義務化され、10月からはアルコール検知器による酒気帯び確認が行われる予定だった。対象になった土浦市内の教育関係事業者は「アルコール検知器が品薄で延期になったと聞いた。機器自体はそう高いものではなく作業の負担が大して増すわけではない。統計的にあまり効果がないと言われても法律ならば従うしかない。事業者としては飲酒運転はなくしたいだけ」という。
市川教授は「アルコール検知器による酒気帯び確認はもとより、その適用拡大に合理的根拠はなさそう。交通政策の立案者には合理的根拠(エビデンス)に基づく政策の重要性について理解を深めてもらいたいと思う」としている。
飲酒運転を防ぐには別の対策を講じる必要があると市川教授。飲酒運転違反者に対して、呼気中に⼀定濃度のアルコールを検知するとエンジンがかからないアルコールインターロック装置の装備を義務付けている海外の例などをあげた。乗務の前後だけでなく、運転開始のたびに酒気帯び確認を行うことが有効であると報告されているという。(相澤冬樹)
それを言っちゃあおしめえよ 《遊民通信》47
【コラム・田口哲郎】前略
「男はつらいよ」の寅さんの名セリフに「それを言っちゃあおしめえよ」があります。他人との会話のなかで物事の本質をズバッと言うと、それはそうなんだけど、話が続かないじゃないか、ということがありますよね。そういうときに使う言い回しです。
世間を道理だけをつらぬいて渡ることはむずかしい。人間には感情があるからです。道理と感情のバランスがうまくとれることが、「オトナ」であって、社会では「オトナ」であることが求められます。ただし、この道理も感情も人それぞれ基準が違うので、話はややこしくなります。世界中の紛争の原因はこうした行きちがいから生まれる対立でしょう。
世界規模の紛争も、個人それぞれの「違和感」がより集まって大きな不満になって起こりますから、結局、個人の「違和感」をどうにかしないと、世の中が平和にならないことになります。
近所を散歩していてふと街を見ると、本当にたくさんの家があるなあと思います。このひとつひとつの家に家庭があり、ひとりひとりに生活があって…と思うと、尊いと思うと同時に、無数の星がきらめく宇宙を眺めているようで、気が遠くなります。
さて、コロナ禍前、郊外の住宅地は東京のベッドタウンで、通勤者が寝に帰るだけの気だるい雰囲気でしたが、「移住」が推進されるようになり、と必ずしも東京に通う必要がなくなると余裕も生まれて、少し明るく活気が戻ってきた感じもします。20年くらい前に、作家の赤坂真理さんが郊外は絶望感に満ちていると、成熟社会の閉塞感を表現していました。
絶望の郊外から不安のユートピアへ?
いまはどうでしょうか。20年前よりも社会格差が広がって世帯収入も減っていますから、絶望感は増しているかもしれません。でも、100円ショップやファストファッション店、ファストフード店がいたるところにあり、20年前に3000円したものが500円で買える時代になりました。
社会のインフラや行政サービスも遅れているところもあるけれど、昔よりはずいぶん整備されている。医療技術も進歩して、健康寿命ものびて超高齢社会になっている。絶望感のなかにあっても、生活自体は豊かになっていると言えると思います。
でも、人びとは浮かない顔をしている。絶望の郊外はいまや不安のユートピアになっているのではないのでしょうか。せっかくユートピアにいるのだから、しあわせそうに暮らしたいけれども、そう世の中は甘くない。自由で満ち足りた不安ほどやっかいなものはない。自由はすばらしいけれども、その分しばられないから迷いも多い。選択をせまられて、その責任を負わなければいけない。かといって管理されるのは御免です。
ぜいたくな悩みですが、切実です。寅さんに「いまの社会は不安のユートピアじゃないですかね?」なんて言ったら、「それを言っちゃあおしめえよ」と返ってきそうですね。ごきげんよう。
草々(散歩好きの文明批評家)
市民団体要望書に県、学級増を検討へ つくばの県立高不足問題
人口が急増するつくば市に県立高校の新設や既存校の定員増などを求めている市民団体、つくば市の小中学生の高校進学を考える会(片岡英明代表)は25日、大井川和彦知事と森作宜民県教育長宛てに、県立高校新設や既存の県立高校の定員増などを求める要望書を提出した。昨年11月に続いて2回目となる。
要望書を受け取った県教育庁高校教育課の高校教育改革推進室は、既設校の学級増の要望に対し「検討する」と回答した。代表の片岡さんは「1回目の回答は『定員増は難しい』というものだったが、今回は検討すると回答した。運動の成果」だと評価した。
片岡さんは、県立高校の募集定員が減ってきた中、人口が急増するつくば市では6人に1人しか市内の県立高校に入学できないのが実態だとし、県や市に対応を求めてきた。昨年12月と今年3月、6月は、県議会でも取り上げられ、県は、つくばエリア(つくば、牛久市など4市)の中学卒業生が、2030年には2021年よりもさらに1000人増えるという新たな推計を明らかにした。
土浦や牛久で進路の玉突き現象
片岡さんはさらに、つくば市に隣接する土浦市や牛久市などの県立高校入学者数を調べたところ、つくば市で生徒数が急増していることにより、土浦市や牛久市では、市内の県立高校に入学する生徒数が減り、隣接の石岡市や龍ケ崎市の県立高校に進路を求める生徒が増えている実態も明らかにした。
一方県は、つくばエリアでは今後、中学卒業生が増えるが、さらに周辺の隣接エリアを含めると、全体で生徒数は増えてないとする分析を示していたことから、片岡さんは、つくば市から小美玉市や結城市の県立高校に通っている生徒は一人もいないなどとして、危機感を強めて要望書提出に臨んだ。
つくば市で県立高校が不足しているとの指摘に対し、五十嵐立青市長も23日に大井川知事宛てに出した2023年度県予算編成要望項目の一つとして、交通利便性のある一定の地域への県立高校の早期設置と既設校の定員増などを要望している。市の推計では、県の推計値よりはるかに速いペースで児童生徒数が増加していること、隣接市と比較すると同市は、進学希望者に対する県立高校の定員が大幅に少ないことなどを根拠としている。(花島実枝子)
室内も磯崎新さんの意匠保持を 着工控え市民団体要望 つくばセンタービル
世界的な建築家、磯崎新さんによるポストモダン建築の代表作といわれるつくばセンタービル(つくば市吾妻)で、同市が南側の室内を改修し市民活動拠点を整備する工事が秋にも着手されるのを前に、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が25日、室内意匠の保持と広場活性化に関する要望書を五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長宛てに提出した。
同会は昨年、同ビルのセンター広場にエスカレーターなどを設置する計画を見直すよう求める要望書を2回出しており、今回、3回目となる。市による市民活動拠点の実施設計が終わり、9月6日にも工事の入札が実施されることから要望書提出に至った。
要望書によると、室内意匠の保持について、秋から工事が始まる市民活動拠点の整備では、土浦学園線に面するつくばセンタービルの正面玄関の通路に、机やいすを約100席並べ中高生らの学習スペースにしようとしているが、この大通路は建築の顔であり、そこにおびただしい数の机やいすが並ぶのは場違いであり品位が疑われるなどとしている。
正面玄関の通路は、松見公園の展望台まで一直線に伸びる筑波研究学園都市の骨格を形成する都市軸としてつくられたとされ、磯崎さん自身が著書で「この軸線は、コンサートホールのエントランスに重なるが、ここも何ものでも受けずに、通り抜けさせる」(「建築のパフォーマンス」)と記している。
要望書はその上で、余裕あるノバホールのロビー空間でもあるのに机やいすが並べられれば、ノバホール1階のロビー空間は二度と活用できなくなるとしている。さらに1階の市民活動拠点室内について、壁で仕切られた部屋が大幅に増え、狭小な部屋が密集する設計となっており、文化的ゆとりがあった磯崎さんのオリジナルの空間からかけ離れ、公共空間に不可欠な空間的豊かさが無いなどと指摘している。室内に設置予定の机やいすの数からみて、当初想定の1日200人より多い300人以上が想定されており、玄関通路に机やいすを並べなくても足りるなどとしている。
広場の活性化に関しては、市がつくばセンタービルのリニューアルを2020年6月に公表した際、そもそもの目的としてセンター広場の活性化を謳っていたとし、センター広場でイベントを開催する際に荷物を搬入・搬出できるルートを確保するため、実施設計にある1階事務室などの壁の位置を1メートルほど変更するよう求めている。
さらに、市が筆頭株主の第3セクター、つくばまちなかデザイン(内山博文社長)が、1階東側を貸しオフィスやコワーキングスペース(共同仕事場)に改修した際、センター広場東側の出入口を閉鎖してしまったことから、市が同社に対し、東側出入口の開放を強く指導するよう求めた。要望書では、1階室内からセンター広場に行き来する7カ所の出入口のうち、2008年の筑波大芸術学系鵜沢研究室の調査で68%が東側出入口を利用していたこと、21年のつくばセンター研究会調査では58%が東側出入口を利用していたとして、一民間企業の独断で東側出入口が閉鎖されたことでセンター広場を自由に利用する市民の権利は大きく損なわれたとしている。
ほかに西側の既存のエレベーターについて、視認性を高めるため、磯崎さんの建築のオリジナリティーを損なわないで、外壁の一部を透明な壁に変更するよう求めている。
代表の冠木さんは「つくばセンタービルの40周年が来年に迫っており、会では、意匠を大切にセンタービルのイメージをアピールするイベントを計画しているので、室内の意匠も守ってほしい」と話している。
要望書提出に同席した、建築意匠に詳しい筑波大学の鵜沢隆名誉教授は「つくばセンター研究会の過去2回の要望書でエスカレーター新設などは無くなった。では室内は自由に変えて差し支えないのかというと、安易な改修をすると文化的価値を失うことにもなりかねない」と語っている。
南側の市民活動拠点は、今秋、室内改修工事に着工し、2024年4月に完成する予定。(鈴木宏子)
温暖化対策は生活の知恵で対応可能か? 《文京町便り》7
【コラム・原田博夫】今夏の暑さは、コロナ第7波も加わって、ひどかった。築140年・木造のわが家のクーラー対策も、20年前に比べて確実に増強している(設置エアコン数が増えている)が、寝苦しい夜が続いている。この酷暑・大雨は日本に止まらず、欧米でも40度Cにおよぶ熱波が各地を襲い、森林火災も多発しているようである。
ロンドンでも40度Cを超えているとの報に接し、かつてロンドンに居住していたころを思い出し、その深刻さに思いをはせている。
最初のロンドン滞在は1994年で、単身生活だった。生活の便を考えて、都心近くのNorthern & District線のEarls Court駅から5分のアパート1室に居を定めた。その当時の生活で印象的なのは、車にはクーラー未装備が標準だったことである。もちろん高級車は別だが、私の利用していた当時すでに20年以上の中古車「バンデンプラス・プリンセス」では当然、クーラーは未装着だった。
そもそも現地では、この地で車にクーラーをつけるのは過剰だ、という感覚だった。本当に避暑を求めるのであれば(その余裕のある階層は)、夏季休暇でロンドンを離れるのが当然、という意識だった。
2度目のロンドン滞在は2000年で、この時は家内と一緒だったので、同じくNorthern & District線でもやや郊外のEaling Common駅から5分の、樹木で囲まれたコンプレックス1室に居を構えた。ここで印象的なのは、天井近くにためる温水タンクの容量制約のため、使用量次第では、バスタブを満杯にできないことだった(温水使用量には制約があった)。
この装置の改善を、中間オーナーのスリランカ人にリクエストすると、バスタブは家族全員が使用時に1回満杯にすれば十分で、1人ずつ温水を使い切るような設備投資は無駄とのことで、却下された。
ロンドン市民の夏の暑さ対策
そうしたロンドン生活で、大方の庶民にとっての夏の息抜き・気分転換は、週末、郊外に出向くことだった。
Richmond Parkでの夕刻・野外コンサートでは、自治体国際化協会CLAIRロンドン事務所に赴任していた小川淳也氏(その後衆議議員になり、映画「なぜ君は総理大臣になれないか」のモデルを経て、昨秋の立憲民主党党首選のあと、政調会長に就任)の家族とご一緒し、彼我の市民生活の来し方を話題にした記憶がある。
緩やかなスロープ状の芝生で、それぞれの家族が三々五々集っている様子は、ストレス一杯の金融都市ロンドンでの緊張を癒し、明日への活力と英気を養っていたように思われた。つまり、夏の暑さ対策のために、物理的にクーラーを設置するのではなく、コンサートや花火大会のような社会的な工夫でやり繰りしていた気配がある。
もっとも、今夏のような酷暑は、人々のこうした社会的知恵で対応可能な範囲を超えている気味もある。長期的・多角的な視点に立った政策的対応を、積み上げる必要があるだろう。(専修大学名誉教授)
男子トイレにサニタリーボックス 土浦市役所など12施設に
ぼうこうがんや加齢などによる尿漏れで吸水パットを使用する男性の精神的負担を減らそう、と土浦市はこのほど、市役所本庁舎(同市大和町)など市内12施設の男子トイレの個室41カ所に衛生用品を捨てるごみ箱「サニタリーボックス」を設置した。
吸水パットなどを使用する男性は、外出先で持ち帰らざるを得なかった。同市は、だれもが生活しやすい地域づくりを進めようと設置を開始した。男子トイレに設置する動きは全国で広がっている。
設置されたのは、土浦市役所本庁舎のほか、公民館、老人福祉センター、保健センターなど。トイレの入り口と個室のドアには「サニタリーボックスを設置しています」などと書かれた貼り紙が貼られている。
設置されたサニタリーボックスはステンレス製で、直径20.5センチ、高さ29センチ、容量は5リットルある。ペダル式なので、ふたを開けるときに手が汚れない。
市健康増進課によると、市民から「土浦市は男性トイレにサニタリーボックスを設置しないのか」と問い合わせがあったことがきっかけ。担当者が調べたところ、尿漏れパッドを使用する男性が外出先で捨てる場所に困り、持ち帰っていることがわかった。
尿漏れに悩む男性は高齢者だけでなく、働き盛りの男性にもいる。ぼうこうがんや前立腺がんの手術をした人の中には、尿意が感じられなかったり排せつがコントロールできなかったりして尿漏れパッドが手放せなくなるケースも多く、外出が精神的な負担になっている人もいるという。
同市は「誰もがトイレを快適に使えるように」と設置を決めた。設置については、市のホームページやSNSで周知する。今後の利用状況によっては、設置場所を増やす予定だという。(伊藤悦子)
サニタリーボックスが設置された土浦市の施設は次の通り。▽市本庁舎来庁者用トイレ:13カ所▽市保健センター(下高津):6カ所▽老人福祉センター「つわぶき」(中都町):3カ所▽老人福祉センター「湖畔荘」(手野町):3カ所▽一中地区公民館(大手町):2カ所▽二中地区公民館(木田余):2カ所▽三中地区公民館(中村南):2カ所▽四中地区公民館(国分町):2カ所▽上大津公民館(手野町):2カ所▽六中地区公民館(烏山):2カ所▽都和地区公民館(並木):2カ所▽新治地区公民館(藤沢):2カ所
「マナー」を無視する世の中になった 《写真だいすき》11
【コラム・オダギ秀】写真の世界にも、人を傷つけないためのマナーがある。年寄りのたわ言と思わずに、聞いてくれ。だって、写真の世界だけでなく、マナーを無視する世の中になったからなあ。
昔は、ということになるのだろうか。写真家やカメラマンが撮影のためにカメラを用意していると、絶対にその前には立たなかった。プロだけの世界なのかも知れないが、何かを狙う時、ベストの位置を撮るために、写真家やカメラマンは、何時間も前にその位置を確保することがある。すると、次に来た者は、必ずその後ろに位置を取った。前に来た者の前に出ようものなら、三脚でぶん殴られた。三脚は、そんな時の、立ち回りの道具でもあった。先に来た者の熱意が最優先されたのだ。
もちろん怪我(けが)もしたが、殴る方もちゃんと心得ていて、それなりの殴りになった。そんな時代だったのだ。殴られた者は、殴られた重大性を知り、ああこれは厳しいマナーなのだなと納得し、次からは絶対守らねばならないマナーとして身に着けた。それがなんだ、なんだなんだ。今はスマホ片手に平気で先に来たカメラの前に伸び上がる。周りを見ろ、前に出るな、コンチキショウ、と思うのはボクだけなのだろうか。
写真展をしていると、来場していながら芳名帳に署名しない奴(やつ)もいる。写真でも絵でもどのような作品展でも、作者は心を見せ、心の中を晒(さら)している。その会場に入るということは、いわば家の中に踏み込み、心の中を覗(のぞ)くのと同じなのだ。
だから、何処の何々と申します、拝見します、と名乗るために、芳名帳に記名するのは、当然のマナーだと思う。ボクは、ボールペンで署名するのも失礼だと思って、そのような時の記名のためだけの万年筆を用意しているが、古い人間なのだろうか。もっとも、ゴム印を持って来て、ペタンと名前住所と宣伝文句を押したのがいた。こんなのに二度と来てほしくないと、しみじみ思った。
「えぬえちけえけえ?」
名乗ると言えば、撮影を始めると、そこにいる人々から「えぬえちけえけえ?」と声を掛けられることが時折ある。むかし、地方新聞の名前や撮影依頼先の名前を言ったら説明が面倒になったので、それからは簡単に「そんなもんだあ」と答えるようになった。すると相手はそれだけで納得し、何も言わない。後で、落ち着いてからちゃんと名乗るのだ。名乗るマナーの大切さは心に沁(し)みていたが、その放送局の名前の、そこのけそこのけの強さには、恐れ入ったものだった。
石仏など撮影するために寺院の境内に入らせていただくことが多い。寺院などは撮影のための施設なのではなく宗教施設なのだから、先ず本堂に伺い、ご本尊にご挨拶することがマナーだと思い、写真教室ではそのように教えている。般若心経の数行を唱えるだけでもいいではないか、と思うのだ。ボクのような年寄りは、言うこと、やることが面倒かなあ。だがちゃんとご挨拶すると、ご住職がお茶淹(い)れてくれたりスイカ切ってくれていたりした。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)
eモータースポーツ体験と熱戦の舞台 26日つくばにオープン
コンピューターゲームやビデオゲームによる「e モータースポーツ」を体験できる施設「AREA298(エリア・ツクバ)」が26日、つくばにオープンする。会員登録すれば無料で利用できる。施設を地域に開放することで、世界で約1億人の利用者がいるとされるeスポーツを通じた街づくりと、車好きの裾野を広げる試みだ。
手掛けるのは茨城トヨペット(本社・水戸市)で、スポーツカーブランド店、GR Garageつくば(つくば市学園の森)内に展開する。常設施設としては県内2例目となる。
施設には、ドライビングシミュレーションゲーム「グランツーリスモ」に対応した6台の機器が設置され、国体予選などのeスポーツ大会参加に向けたトレーニングやプロレーサーによるドライビングレッスン、子どもや高齢者を対象とした運転体験など、さまざまな目的に応じた利用ができる。
本県では2019年の「いきいき茨城ゆめ国体」で、国体史上初めてeスポーツ大会が開催された。これをきっかけに県は2020年、新たな産業創造を目指し、産学官による「いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト」(会長・幡谷俊一郎茨城トヨペット社長)を発足させている。
28日には予選大会
県内では、アプリシエイト(水戸市、和田幸哉社長)が今年2月、水戸駅前にe モータースポーツ体験施設「AREA310(エリア・ミト)」を開設。今後はAREA298とタイアップした大会が、毎年1月に開催される予定だ。28日には、全国都道府県対抗eスポーツ選手権2022 TOCHIGIの予選会場にAREA298が使用され、来場者は場内のモニターを通じて熱戦を観戦できる。
GR Garageつくばの石川一郎店長(48)は「事故の心配をすることなく、本格的なドライビング体験を子どもから年配の方まで楽しめる」とアピール。「多くの方に競技の楽しさとともに、車の魅力を知っていただくことで、将来はeスポーツを通じた地域活性化につなげたい」と思いを語った。(柴田大輔)
◆AREA298(つくば市学園の森3の2、電話029-859-5586)、営業時間は午前10時~午後6時。ホームページはこちら
土浦の旧村部に住む 先端企業会長の権右衛門さん【キーパーソン】
研究機関向けの電子顕微鏡や計測機器では世界有数の日本電子(JEOL)。その会長兼取締役会議長、栗原権右衛門さんの自宅は土浦市の旧村部にある。お盆休みに時間を取ってもらい、同社の製品や土浦・つくば地区との関わりについて聞いた。築170年の古民家(当主は代々権右衛門を名乗る)は栗林などで囲まれ、涼しい風が通る。
JEOLは一般向けの商品を作っている会社ではないので、どんな会社なのかあまり知られていない。しかし、国や民間の研究機関には必須の理科学・計測機器を製造していることもあり、研究者で知らない人はいない。代表的なものは高性能の電子顕微鏡だが、最近は高度な半導体製造装置も手掛け、この分野では世界トップクラス。
ノーベル賞学者にも解析装置を納入
最新の電子顕微鏡としては、タンパク質などの生体試料を凍らせたまま観察できる『クライオ(CRYO)顕微鏡』がある。その機能などは、本サイトの「創薬研究に産学拠点 筑波大 クライオ電子顕微鏡お披露目」(3月16日掲載)に詳しい。筑波大、東京大、大阪大、東北大、九州大などの有力大学のほか、国の主要な研究機関で使われている。気になる価格だが、1セット数億円するという。
「JEOLの看板は電子顕微鏡だが、営業担当の駆け出しのころ、私は有機化学構造を解析する『核磁気共鳴装置(NMR)』を売っていた。ノーベル賞をもらった野依良治先生(2001年化学賞)や大村智先生(2015年生物学賞)にも購入いただいた」「野依先生がある会合で『日本の化学が世界の上位にあるのは、日本には優れたNMRメーカーがあるからだ』と言われたときは、うれしかった。その会社はJEOLを指すからだ」
学園都市・筑波支店の重要度は高い
JEOLは国内に9支店、海外に23オフィスを配している。筑波支店(つくば市東新井)の場所は「とんかつとんQつくば本店」の東隣。「私も4年ほど支店長として研究機関営業をやった。営業活動と機器保守のため、今は30人ほどの所帯。取扱高は9支店の真ん中ぐらいだが、レベルの高い研究者とのお付き合いもあり、支店としての重要度は高い」
権右衛門さんが土浦生まれということもあり、JEOLは地域の学校に電子顕微鏡を持ち込み、生徒に使ってもらっている。本サイトの「電子顕微鏡でミクロの世界を体験 土浦一高で科学実験講座」(2021年12月4日掲載)で紹介した理科支援は、土浦一高では3回目。土浦市内の都和小学校や中村小学校でも体験教室を開いた。
ちなみに、理科支援用の『走査電子顕微鏡』でも1000万円ぐらいするというから、小中高が理科教室に常備するのは難しい。
今の稼ぎ頭は高度な半導体製造装置
JOELの製品案内冊子には、計測機器、産業機器、医療機器が記載されているが、今一番の稼ぎ頭は、産業機器の一つ、半導体製造装置。「半導体はシリコンウェハーに回路を焼き付けて作る。そのネガフィルムに当たるものを製造する『電子ビーム描画装置』では世界市場をほぼ独占している。九州・熊本に工場を建設中のTSMC(台湾積体電路製造)、米国のインテル、韓国のサムソンから、矢の催促を受けている」
ロジックIC(論理素子)製造にはこの装置が必要で、経済安全保障の観点からも注目されている。「政府も気になるらしく、関係省庁や与党の関係議員から、いろいろ声が掛かる」という。
【くりはら・ごんえもん】1948年、土浦市小山崎生まれ。土浦一高、明治大商学部各卒。1971年、日本電子(本社・東京都昭島市)入社。筑波支店長などを経て、2008~2019年、社長。2019年~2022年6月、会長兼最高経営責任者。現在は会長兼取締役会議長。自宅は「ペリー来航の前年に焼け、建て直した」という生家。蔵にあった小田家15代・氏治の150回忌(1750年ごろ)文書には権右衛門の名がある。
【インタビュー後記】権右衛門さんが面白いのは、技術出身でなく営業出身であること。現役のころ、自動車、航空機・武器、造船・海洋機器などの産業を担当したが、トップは一様に技術者の出身。ある高名な社長に「もっと勉強してから来い」と怒られたことも。このインタビューは話がわかりやすくて助かった。(経済ジャーナリスト・坂本栄)
