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2022
高校生と被爆者の対話から生まれた一枚の絵 「あの夏の絵」つくば公演を前に
2022年10月31日
原爆被害の証言を聞き取り、一枚の絵にする-。広島の高校生による、被爆者の記憶を継承する取り組みをもとにした舞台劇「あの夏の絵」(福山啓子作・演出)が12月16日、つくばカピオホール(つくば市竹園)で開かれる。これを前に、同作品を手がけた福山啓子さんによるトークイベントが30日、つくば市内のせせらぎクリニックで行われた。会場では、つくば市出身のギタリスト、稗田隼人さんによる演奏と福山さんとの対談も行われ、市内外から約30人が足を運んだ。 福山さんは2014年、原爆の被害を描いた絵に圧倒された。その絵は、広島市立基町高校創造表現コースの生徒たちによる作品だった。2007年から同校は、広島平和資料館による原爆の記憶を継承するプロジェクトに参加し、毎年、約9カ月にわたり被爆者と生徒が対話を繰り返しながら、被爆の記憶を一枚の絵にすることを続けている。福山さんは、この絵画作品との出会いがきっかけとなり、何度も広島へ足を運び「あの夏の絵」を完成させた。作品は2015年に初演されている。30日は、描かれた絵をスクリーンに投影しながら、生徒と被爆者のやりとりなど、作品の背景を福山さんが解説した。 広島で出会ったある生徒は、それまで蓋をしていた自分の記憶を掘り起こす被爆者の話に耳を傾けながら、亡くなった一人ひとりの人生を想像する過程で「描いていた遺体が人間になっていった」と福山さんに語った。「残酷さが足りない」と言われた生徒は、平和教育ではわからない、想像を絶することが起きていたことを知った。別の生徒は「かわいそうだから」という言葉を聞き、大八車に乗せられた遺体の絵に、当初はなかった布団を描き入れた。こうした行為を福山さんは「それぞれの思いが重なってできた作品。供養の意味もある」と説明する。取材を通じて「(生徒と被爆者が)一緒になって作る絵」だと実感した。 「若い人に見てもらいたい」中高生100人を招待 「あの夏の絵」には、広島で出会った高校生をモチーフとした3人が登場する。異なる立場で被爆者と向き合い絵を描くなかで成長していく若者の姿を描いた。福山さんは「高校生の皆さんにも、色々なことを感じてもらえるんじゃないかと思っている」と呼びかける。 主催するのは、つくば市内で活動する複数の市民団体による「『あの夏の絵』を観る会」。代表の穂積妙子さん(73)は、「亡くなる方も増えている中で、戦争体験の継承は難しくなっている。思いもかけない形で戦争が始まったこういう時期だからこそ、若い人に見てもらいたい。伝わることがあるはず」と話す。 若者への参加を呼びかける同会では、先着100人の中学・高校生を無料で招待するために、15万円を目標に寄付を募っている。目標金額を超えた場合は、招待枠の拡大も検討している。(柴田大輔) ◆舞台劇「あの夏の絵」 12月16日(金)午後7時からつくばカピオホール。チケットは一般3000円、大学生以下1500円。問い合わせ、申し込みは、つくば子ども劇場(電話029-852-9134、メール:298kodomogekijo@gmail.com)へ。
土浦の写真文化を育てる プロ写真家のオダギさん【キーパーソン】
2022年10月31日
土浦市在住の写真家、オダギ秀さんが中心になって土浦写真家協会を立ち上げてから1年3カ月。先日、その会報「土浦写真家協会だより」第2号、「第17回土浦の写真コンテスト」募集チラシ、「オダギ秀写真展 旅の途中・2022秋」案内はがきが、一緒に送られてきた。そこで、土浦市観光協会主催の写真コンテストで審査員をしているオダギさんに、市の写真展のこと、写真家協会の現況、自分の写真展のことを聞いた。 写真コンテストはA4でもOK 「土浦で感動を撮ろう!!」と呼び掛ける写真コンテストの後援者には、土浦市、市教育委員会、土浦商工会議所、JA水郷つくばなどが名を連ねているが、今回から写真家協会も後援者に加わった。募集期間は24日~11月23日。審査を経て、土浦まちかど蔵「野村」(来年1月29日~3月3日)と小町の館(3月4日~3月31日)で展示される。 第1回からオダギさんは審査員を務めている。ほかのメンバーは、商工会議所副会頭、JA水郷つくば理事、市産業経済部長といった顔ぶれで、写真のプロはオダギさん1人。「コンテストの趣旨を踏まえ、土浦の魅力をPRできるものを選びたい。同時に、写真としての良さもポイントになる」と、審査基準を語る。 17回展の要項で新しくなったのは、家庭用プリンターで印刷できる「A4判(210ミリ✕297ミリ)」での応募も可能になったこと。従来は「ワイド4切(366ミリ✕254ミリ)」といった写真の規格が応募条件になっていた。「まちの写真屋が減り、写真のプリントを頼めるところが少なくなっている。スマホで撮る人にも参加しやすいように、一般的なA4サイズでも受け付けることにした」という。 「10年前を撮った写真展」? 本サイトの記事「土浦写真家協会が発足…」(2021年7月4日掲載)にもあるように、オダギさんは写真家協会の事業として、「市などが主催する写真展の後援」のほか、「街なかで開ける小規模な写真展」や「昔の写真の保存(アーカイブ)」などを計画している。 「写真展はまだ実現していないが、『たった10年前のことを撮った写真展』といった企画を議論している。10年後の写真展に向け、日常の生活風景などを、今、撮っておこうというものだ」「アーカイブの方は範囲が広く、苦労している。災害とか催事の写真は残っているが、ごく日常のものは意外と少ない。学校の制服とか、新聞配達のバイクとか…。50~100年先を考えると、そういった民俗資料的な写真を保存したい」 まだまだ続く「旅の途中」展 個人展「旅の途中・2022秋」は、11月20~27日、つくば市高野台のカフェギャラリー・ロダンで開く。「これまで、石仏の写真は古民家の文庫蔵ギャラリーで、日常を切り取った写真はカフェギャラリーで、展示してきた。ところが、好きだった文庫蔵が使えなくなってしまった。これからは、カフェの方でまとめて展示する」 「ボクの人生=旅の途中で、いろいろなシーンを見てきた。これからも、年1回のペースで『旅の途中』展を開いていきたい」 【おだぎ・しゅう】本名は小田木秀一。土浦一高、早大政経各卒。写真家。技術に裏付けられた写真に定評があり、県内写真界の指導的立場。専門はコマーシャルフォト全般およびエディトリアル。日本写真家協会(JPS)、日本広告写真家協会(APA)各会員。土浦写真家協会会長。1944年、水戸市生まれ。土浦市在住。 【インタビュー・後記】オダギさんは中高の2年先輩。中学の文化祭に出展された墓石群のモノクロ写真は今でも覚えている。放送部では米国の原爆実験を扱った番組を製作。バックに使ったムソルグスキーの「禿(はげ)山の一夜」は効果的だった。写真も音楽も表現のセンスはそのころから。(経済ジャーナリスト・坂本栄)
「イマジン ロータリー」を推進 つくばでRC大会 県内会員約1100人集まる
2022年10月30日
国際的な社会奉仕団体、ロータリークラブ(RC)の茨城大会に相当する国際ロータリー第2820地区の2022-23年度地区大会が29、30日、つくば市吾妻のノバホールで催された。今年度の地区長を務めるつくば学園RCの大野治夫ガバナーは「大いに楽しみながら奉仕活動をしましょう」などと呼び掛けた。 2820地区は県内60のRC(会員総数1872人)で構成され、今年度はつくば学園ロータリークラブ(大堀健二会長)がホスト役を務める。例年、年度後半の春や年度末に地区大会を開催してきたが、今年は年度前半の10月開催となった。 国際ロータリー会長の代理として、甲府RCの高野孫左ヱ門さんが出席したほか、茨城地区の友好国であるフィリピンとネパールのRC会員らが参加した。来賓として五十嵐立青つくば市長らがあいさつした。 大会では県内のRC会員約1100人が一堂に会して、今年度の国際ロータリーのテーマ「イマジン ロータリー」を推進していくことなどを全会一致で決議し、地区目標に「エンジョイ・ライフ(人生を楽しむ)」を掲げて活動していくことなどを確認し合った。 大野ガバナーは「イマジン ロータリー」の意味について、国際ロータリーのジェニファー・ジョーンズ会長が「想像してください。私たちがベストを尽くせる世界を。私たちは毎朝目覚める時、その世界に変化をもたらせると知っています」と呼び掛けていることなどを話した。 高野会長代理は「117年前の創設時のRCは、信頼できる仲間づくり、仲間の中で仕事の紹介などが行われていた。社会環境の変化の中で、個の利益より社会や地域の豊かさをどうつくり出すかが求められている」などと話し、テーマを推し進めるため、多様性、公正さ、インクルージョン(包摂性)の強化などが重要だなどと説明した。 県国際交流協会やつくば市への寄付金贈呈なども行われた。 大会後、ホテル日航つくばで催された大懇親会ではマグロの解体ショーなども披露され、参加者を沸かせた。
土浦初の介護医療院 協同病院跡地に1日開院 計138床
2022年10月30日
土浦市真鍋新町の土浦協同病院跡地に、つくばセントラル病院(牛久市)などを運営する社会医療法人若竹会(竹島徹理事長)が11月1日、合計138床の医療・介護の複合施設を開院させる。「土浦リハビリテーション病院 介護医療院」(岩﨑信明院長)で、要介護者に対し、同一施設内で医療と介護を一体的に提供する介護医療院は、つくば・土浦地域で初の開設となる。 若竹会運営、都和病院は廃院 新病院は29日、土浦市長ら関係者を招いての竣工式の後、30日まで医療・介護関係者に施設を公開する内覧会を行った。ケアマネジャーなど多数が参加した。同法人は、同市西並木町で運営する都和病院を31日で廃止、1日朝に入院患者35人を転院させ、開院を迎える。 救急医療協力病院として外来診療に当たるほか、入院は回復期リハビリテーション病棟(34床)と地域包括ケア病床(8床)で受け入れる。介護医療院は96床とし、要介護高齢者の長期療養と生活の施設になる。 介護医療院は、2018年4月の介護保険法などの改正法施行で新たに法定化された。これまで県内に7施設できたが、いずれも介護療養病床・医療療養型病床などから転換したもので、新設は初めてという。医療保険ではなく介護保険の適用を受けるため、市町村は財政圧迫の懸念から容易に取り組めなかった。 土浦市は、第8次老人福祉計画と介護保険事業計画で、介護医療院の整備を位置付け、事業者を募集していた。老朽化した都和病院の移転先に協同病院の跡地利用を目論んでいた同法人が応募し、検討委を経て市が認めた。 要介護者に対し適宜、医師と看護師らの医療介入が施されるのが介護医療院。「いつまでも入っていられる施設とも言える。在宅生活復帰をめざしじっくりリハビリテーションに取り組める一方、ここを終の棲家(ついのすみか)とするターミナルケア(終末期医療)機能も果たすことになり、実際の利用は二極化したものになるのではないか。いずれにしても快適な環境を提供したい」(岩﨑院長)としている。 土浦協同病院は、2016年3月に土浦市おおつ野に新築移転。若竹会は今回の土地に隣接する協同病院がんセンター跡の建物を先に取得し、18年2月から「介護老人保健施設セントラル土浦」(100床)を運営している。今回は敷地面積1万553平方メートルの跡地と、16年の移転以降残っていた旧救急センターの建物を取得。昨年10月から増改築工事を行っていた。 同法人によれば、1989年竣工の同建物は「基礎や耐震構造などしっかりしており、駆体をそっくり利活用する形で、短期間で工事できた」という。鉄筋鉄骨コンクリート造(地下1階、地上6階建て、延床面積6940平方メートル)の建物は、1階に外来受付と人工透析(30台)が置かれ、2階には都和病院が引っ越しする形で入り、42床の回復期リハ病床となる。3階にリハビリテーションセンター、4~6階に介護医療院が配置された。先行の老健施設とは地下通路で結ばれる。 外来診療は11月7日から開始。診療科目は内科、泌尿器科、整形外科、小児科、リハビリテーション科。医師やスタッフ約180人の陣容を整え、春からつくばセントラル病院、都和病院などで経験を積み、開院に備えてきた。院長には、県立医療大学付属病院で院長を務めた岩﨑信明さん(63)が就いた。小児神経科とリハビリテーション科の専門医で自ら診察に当たる。(相澤冬樹)
泉秀樹研究② あなたはなぜ神など信じるのか?《遊民通信》51
2022年10月30日
【コラム・田口哲郎】 前略 泉秀樹さんは1983年に『率直にきこう あなたはなぜ神など信ずるか』という本を、遠藤周作の愛弟子の加藤宗哉さんと共著で、女子パウロ会という出版社から出しています。同会はカトリックの女子修道会が運営する出版社です。この本で出てくる神とは、キリスト教の神です。内容はインタビュー形式で、対談相手はカトリック関係者です。 その中で目に留まるのは、矢代静一、遠藤周作、曽野綾子、三浦朱門といった当時一線で活躍していたカトリック作家です。そしてマザー・テレサも登場していて、往年のカトリックの勢いを感じます。 面白いのは、泉さんも加藤さんもカトリック信者ではないことです。信者ではない人が、信者に「なぜ神を信じるのか」と問う。なかなか鋭い質問を投げかけるコンセプトです。すべての対談者がそれぞれの個性を出しながら、信仰を語ります。それぞれの味があり、凄(すご)みもあり、なるほどと思わせます。 圧巻は遠藤周作へのインタビュー 泉さんと加藤さんは「三田文学」という慶應義塾の文芸誌で、遠藤周作が編集長をしていたときに、スタッフとして関わっていたそうです。遠藤周作といわば師弟関係にあったわけで、対談も親密さが手伝って、結構深いところまで踏み込んでいるので、読み応えがあります。 泉さんは聞きます。神というものは結局人間がつくったものではないのですか? 遠藤周作は答えます。若いころはそう思うこともあった。でも、もし神が人間の創造物ならば、もうとっくに信仰を捨てていただろう、と。人間生きている間に、罪も犯すし、どうしようもない苦しみに遭遇するときがある。人に言えないけど、心に残って苦しむ罪や不治の病などです。それは人間自身ではどうしようもない。 そのときに、神の方から人間に寄ってきて、苦しみや悲しみを背負ってくれるときがある。「神さまが出てくる時」が人生にはあって、人それぞれだというのです。 神と人間がそうやって関わるときに、人間は救われることがある。それが何なのか、わからない。遠藤はそれを数式の「X」にたとえます。このXは解明し尽くされることはないけれど、自分なりに理解してゆくことが信仰なのだそうです。 こうした信仰というとても個人的な問題に、ためらいなく、軽妙に、しかし真剣に切り込んでゆく才覚を、泉さん、加藤さんはお持ちなのでしょう。この本は日本人のキリスト教信仰についての貴重な証言になっていると思います。 J:COMテレビで「泉秀樹の歴史を歩く」で、神奈川の旧跡を巡って、人間の悲哀を語る泉さん。若いころから人間をじっくり観察しているからこそ、できることなのかもしれません。知れば知るほど魅力的な人物だと思います。ごきげんよう。 草々(散歩好きの文明批評家)
3年ぶり「わんわんランド」で学園祭 つくば国際ペット専門学校
2022年10月29日
つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田)が29日、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして、学園祭「第13回犬友祭(けんゆうさい)」を開催した。新型コロナの影響で2019年以来3年ぶりの開催となり、晴天の下、多くの来場者でにぎわった。 犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちは、クイズ大会やドッグレース、トリミングコンテストなどのイベントを企画し、これまで学んだ成果を披露した。愛犬も入場が可能で、愛犬と一緒にイベントを楽しむ親子連れが多く見られた。 ペットケア総合コースで学ぶ学生たちはドッグレースを企画。勉強のために毎日一緒に過ごしている「パートナードッグ」の中から10匹を選んで2レースを行った。同コース2年の仲林優希さん(19)と白岩優衣さん(19)によると、速く走れそうな犬、レースの途中で遊んでしまわない犬を選んで出場させたという。犬同士の相性を考慮して組み合わせるのに試行錯誤し、「犬友祭」直前になって組み合わせが決まったと苦労を語った。同校では昨年から、飼い主がいないなどの理由で一時的に保護されている保護犬を「パートナードッグ」に採用している。レースに出場した10匹のうち2匹も保護犬で、仲林さんと白岩さんは保護犬にかかわる仕事に興味を持っているという。 ドッグトリマーコースで学ぶ学生たちは、毛をカットする前と後の犬の写真を並べ、同じ犬を選んでもらうビフォーアフタークイズや、トリミングの実演などを行った。クイズに参加した来場者は写真を何度も見比べ、悩みながら答えを紙に記入していた。同コース2年の神永優翔さん(19)は、「トリミングする時には犬にけがをさせるといけないので気をつけている。学校ではわんわんランドにいる犬たちをカットさせてもらっているので練習がたくさんできる」と話した。 ひたちなか市から家族8人で訪れたという三村武夫さん(83)は「きょうだいの孫が学校に通っていて、トリミングを勉強している。自分も犬が好きで来た。にぎわいに驚いた」と感想を語った。(田中めぐみ)
生理用品を無料配布 31日から つくば市
2022年10月29日
物価上昇が続く中、経済的理由で生活に困っている人を支援しようと、つくば市は31日から、生理用品の購入に困っている人を対象に、生理用ナプキンを無料で配布すると発表した。 市役所2階の社会福祉課、大穂保健センター、桜保健センター、谷田部保健センターの4カ所で、計1200セットを先着順で原則1人1セット配布する。1セットには昼用と夜用が各1パック、およそ1カ月分入っている。 コロナ禍で生理用品を購入することが困難な「生理の貧困」が言われる中、同市では昨年6月から順次、市内の小学4~6年生と中学校の女子トイレの個室に生理用品を配置するなどしてきた。 個人に無料配布するのは今回が初めて。事業費は約130万円。
旧統一教会関連団体を広報誌で紹介 つくば市市民活動センター
2022年10月28日
旧統一教会の関連団体、世界平和女性連合の地域組織「WFWP世界平和女性連合つくば支部」の団体情報が、つくば市市民活動センター(同市吾妻)が9月に発行した「広報71号(2022年9・10月号)」に国際協力団体として掲載されていることが分かった。 紙面では、今年7月までに使用団体情報提供書を同センターに提出した、市内で活動する158の市民団体の一つとして紹介されている。 同センターの担当者は「紙面を編集した7月の時点で(同連合が)旧統一教会の関連団体であることは認知していなかった」と説明する。使用団体情報提供書は、センターの運営が指定管理者から市に移った2021年4月、施設を利用する市民団体に対してセンターが提出を勧めていた。世界平和女性連合つくば支部は、団体冊子をセンターに置いていたことから、団体活動を国際協力団体として提出し、今回の掲載につながった。 茨城県内には世界平和女性連合の地域組織が二つあり、つくば支部は土浦市に拠点を置く茨城第2連合会に属し、同連合主催の女子留学生日本語弁論大会(10月20日付)や、エチオピアの里親支援などをボランティアで会員が行ってきたと、支部担当者は説明する。同連合の公式サイトによると、全国47の各都道府県に156の連合会を置いている。 被害者救済と実態解明求める意見書可決 つくば市議会は9月議会最終日の10月6日、旧統一教会と関連団体による被害者救済と実態解明を国に求める意見書を賛成多数で可決した=メモ=。国に提出された意見書では、霊感商法など教団によるこれまでの違法行為や政治家への働き掛けなどの問題点を指摘した上で、国民の信頼回復のために被害実態の解明、被害者やその家族の救済に向け関係機関が連携して取り組むこと、教団と政治家の関係を究明・公表し決別することを求めている。 意見書を議員提案したつくば・市民ネットワーク代表の永井悦子さんは、関連団体が市民活動センターの広報誌で市民団体として紹介されたことについて「旧統一教会自体は、反社会的なことを行っていることが民事訴訟等で明らか」との認識を示し、「関連団体は市民への入り口となっていると理解している。(団体の動きを)注意しなければならない」と見解を述べた。 市民活動センターは今後の対応について「センターの施設規約では、政治・宗教活動を目的とするものについては、施設使用を許可できないことになっている」としつつ、「国の指針等が出ていない現段階では、市民団体と宗教団体との関連は、それが虚偽かどうかを含めて明確な対応基準はなく、公平性の観点からも判断はしかねる」との見解を示した。(柴田大輔) 【メモ】旧統一教会及び関連団体による被害者の救済と実態解明を求める意見書に▷賛成した市議19人=ヘイズ・ジョン、宮本達也、塚本洋二、飯岡宏之、鈴木富士雄、川村直子、あさのえくこ、小森谷さやか、皆川幸枝、山本美和、浜中勝美、小野泰宏、高野文男、山中真弓、橋本佳子、川久保皆実、木村清隆、塩田尚、金子和雄▷反対した市議8人=長塚俊宏、黒田健祐、神谷大蔵、五頭泰誠、久保谷孝夫、木村修寿、小村政文、中村重雄(敬称略)
結婚したい《短いおはなし》8
2022年10月28日
【ノベル・伊東葎花】 秋晴れの日曜日。 バラの花とハートの風船で飾られた、素敵なウエディングパーティ。 新郎新婦はとびきりの笑顔で、世界で一番幸せそう。 職場の先輩は、宣言通り30歳の誕生日前に結婚式を挙げた。 白いドレスがまぶしくて、思わずうっとりしてしまう。 フィナーレは、独身女性が目の色を変えて挑むブーケトス。 私は居並ぶアラサーたちを押しのけて、最前列を陣取った。 そして若さと得意の運動神経で、ブーケをこの手にキャッチした。 「はっ? 何でいちばん若いあんたが取るのよ」 先輩たちの冷たい視線を感じながら、私はブーケを空に掲げた。 「次は私の番だー」 ごめんね、先輩方。 若くても、私は焦っているんです。 結婚したいんです。できれば春までに。 2次会を断って、大好きな卓也が待つ家に帰る。 今日こそ、結婚の話をちゃんとしよう。 「ただいま、卓也」 ちらかった部屋でゲームをしていた卓也がちらりと私を見た。 「おかえり。きれいな花だね」 「ブーケトスでね、私のところにブーケが飛んできたの。すごいでしょ。これって運命よ」 「ふうん。よかったね」 「花嫁さんからブーケを受け取るとね、次に結婚できるのよ」 「ふうん。そうなんだ」 卓也は、たいして興味がなさそうに言った。 彼は、ブーケよりも引き出物のケーキに興味があるみたい。 私は卓也のためにケーキを切り分けて、となりに座った。 「ねえ、卓也。10月ももう終わりだね」 残り少ないカレンダーを眺めながら言ってみた。 「11月22日って、いい夫婦の日なんだって」 「へえ」 「いい夫婦って、何だろうね」 「知らないよ。オレに聞くなよ」 「そうだよね」 「ねえ卓也。私が、結婚したいって言ったらどうする?」 「結婚? 誰と?」 「誰って…それは…」 「うん。別にいいよ。結婚したかったらしなよ」 「いいの? だって、卓也、私と結婚したいって言ってたじゃない」 「いつの話だよ。それ、2年くらい前でしょ。オレ、もう違うから」 「そうか。そうだよね。うん。わかった」 私は、一抹の寂しさを感じながら、卓也をそっと抱きしめた。 「卓也、春までに、絶対ステキなパパを見つけるからね」 「うん。オレ、一緒にサッカーしてくれるイケメンのパパがいい」 口の端にクリームをつけた卓也が、元気いっぱいに笑った。 17歳で子供を産んで、ひとりで育てて来た。 卓也は6歳。生意気だけど可愛いの。 卓也が小学校に上がるまでに、収入が安定したパパを見つけなきゃ。 ねっ、卓也。ママ、頑張るね。(作家)
つくばセンタービルを情報発信基地に 11月3日、市民団体が40周年プレイベント
2022年10月27日
構想を提案、アート拠点として活性化へ 建築家、磯崎新さんによるポストモダン建築の代表作、つくばセンタービル(つくば市吾妻)が来年6月に40周年を迎えるのを前に、40周年プレイベントとなるシンポジウム「ポストモダンの殿堂 つくばセンター・アートミュージアム構想」が11月3日、同ビル内のホテル日航つくばで開かれる。 ホテル、コンサートホール、市民活動拠点、オフィスと、中央広場などで構成されるつくばセンタービル全体を、市の新たな情報発信基地と位置づけ、アート拠点として活性化させようという構想を提案する。 市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が主催する。同会は、つくば市が同ビルの中央広場にエスカレーターを設置するなどのリニューアル計画を発表したことをきっかけに昨年、発足した。昨年6月には「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題したシンポジウムを開催し、リニューアル計画の見直しを求めてきた。さらに市に要望書を提出し、リニューアル計画は大幅に見直された。今回は第2弾のシンポジウムになる。 磯崎さんが設計した同ビルは、ルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表的なカンピドリオ広場の空間造形が中央広場に埋め込まれ、傍らにギリシャ神話に登場する女神ダフネの彫像が立つ。18世紀を代表するフランス革命期の建築家ルドゥーが構想した理想都市への敬意が込められ、さらに20世紀のセックスシンボル、マリリン・モンローの肢体の緩やかなカーブが空間の輪郭やロビーの椅子に密かに仕込まれている。さまざまなアートの集積として誕生した建築であることから、ビル全体をアート拠点として活性化させ、新たな情報発信基地として再生させる提案をする。 シンポジウムでは、筑波研究学園都市の建設当初から都市の成り立ちと変遷の写真を撮り続けてきた、つくば市在住の写真家、斎藤さだむさんが「写真でみるセンタービルとつくば」と題して話すほか、筑波大学の鵜沢隆名誉教授が「かつて筑波サロンで語られたこと」、神奈川大学の六角美留教授が「つくばvs水戸 磯崎新の創造した“にわ”」をテーマに話す。続いて筑波大学の加藤研助教の司会で、今後どのようにセンタービルを活性化するかについて、参加者と一緒に議論する。 会場となる同ホテル3階宴会場「ジュピターの間」に続くロビーの大理石の壁には、「時の歩廊」と呼ばれる、パルテノン神殿のような柱が等間隔で並んだ列柱廊のレリーフが描かれている。これまではカーテンで覆われていて見ることができなかったが、ホテルがイベントを機にカーテンをはずし、レリーフを見ることができるという。 代表の冠木さんは「(つくば市によるリニューアル)計画の見直しで建物の意匠を守るという目的が達成できた。今後はどのように活性化するかに踏み込んでいく。(センタービルで)こんなことをやりたい、あんなことをやりたいという人が1人でも2人でも出てきてくれたら。また、やりたくてもどう実現したらいいのか分からないということがある。市民の意見を吸い上げるシステムの構築も必要」と話す。(田中めぐみ) ◆つくばセンタービル40周年プレイベントは11月3日(木・祝)午後0時30分から3時。つくば市吾妻のホテル日航つくば本館3階、ジュピターの間で開催。参加費無料。定員100人。参加申し込み・問い合わせは「つくばセンター研究会」ホームページへ。
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