日曜日, 4月 5, 2026

延期半年 3月11日から開催へ つくばの街と山をつなぐ芸術祭

コロナ禍のため延期されていた「つくばの街と山をつなぐ芸術祭(つくばアートサイクルプロジェクト)」の開催が、3月11日から4月10日までと決定した。参加作家は国内外から35人以上、展示拠点は筑波山神社を含む全11カ所となり、仕切り直し前から共に増えた。プロジェクト実行委員会の野堀真哉委員長は「約半年の延期でつくばセンタービルが使えなくなるなどしたが、先行させる筑波山エリアでは1カ月のロングランとなり、色々楽しんでもらえるようになった」と企画の追い込みをかける。 テーマに「アントロポセン-分岐点を超えた景色」を掲げる。アントロポセン(人新世)は、新しい地質年代をさす造語。地質学的な意味づけは「人類の活動が地球規模で環境を激変させ、長期的な痕跡を残す時代」。この時代にアーティストは何を感じ表現するのかを問いかけた。 会場を筑波山周辺の山エリア、つくば駅周辺の街エリアの双方に複数箇所設定するのが特色。つくばでは、アートに関わる様々なイベントが散発的に開催されているが、“街でやっていること”“山でやっていること”と互いの距離感があるよう感じられたのがプロジェクトの立ち上げとなった。展示品のみが主役のイベントではなく、つくばの地域性を知りながら、その場所性を生かした現代アートを通し、芸術に触れ、地域に触れ、歴史に触れる機会を作るのがねらい。当初、昨年9月の13日間の開催が予定されたが、コロナ禍から延期となっていた。(21年9月8日付) 仕切り直し後は、山エリアが3月11日からと開催を先行させる。展示会場は、BASE877、筑波山神社、江戸屋、旧小林邸ひととき、神郡石蔵shiten:、北条川田邸を予定。野堀委員長は「登山道を使ったインスタレーションの計画もあり、会期中には筑波山神社の御座替わり(4月1日)も行われる。りんりんロードでは沿道の桜が見ごろを迎えるはず」と芸術鑑賞に留まらない楽しみ方をアピールしている。 センター地区の街エリアは4月2日から10日の開催。つくば美術館、桜民家園が中心になる。研究学園地区イーアス内のサイバーダインスタジオは3月11日~4月10日の会期。 鑑賞には共通パスポートが必要。各会場で取り扱い。昨年実施のクラウドファンディングで、リターンにパスポートを求めた応募者には郵送の予定という。(相澤冬樹) ◆つくばアートサイクルプロジェクト2021-22 ▽日程:山エリア・サイバーダインスタジオ 3月11日(金)~4月10日(日) センターエリア4月2日(土)~10日(日)▽会場時間:10:00–17:00 *最終日15:00まで▽休場日:毎週月曜日(桜民家園10:00–16:00 毎週水曜日休み)▽入場:共通パスポート(会期中何度でも入場可能)一般1500円 学生1100円 (税込み)会場や出展作家など詳しくはプロジェクトのホームページで

TX延伸に調査費1800万円 茨城県、22年度内に方向づけ

茨城県は2022年度当初予算案に、つくばエクスプレス(TX)の県内延伸の検討を初めて盛り込み、調査事業費1800万円を計上した。22年度内に、現在延伸ルートとして挙がっている①筑波山方面②水戸方面③茨城空港方面④土浦駅方面-の4方面案=図参照、茨城県提供=の中から1本に絞り込む。 4ルートは18年に発表された県政運営の指針、県総合計画(18~21年)の「2050年頃の茨城の姿」の中で示された。県を取り巻く環境の変化や発展可能性などを踏まえ、道路や鉄道、港湾、空港などの公共インフラ基盤の将来像を記す中で、県内のTX延伸ルートの構想として4つを示したものだ。 20年の第4回定例会で「基本調査を実施する状況にはない」と発言した大井川知事だが、今回の調査開始について予算発表後の記者会見で「TX沿線、つくばを中心として県南の経済圏、あるいは社会生活圏、これと常磐線沿線、特に県央から県北に向けた生活圏や経済圏を結びつけるためには非常に重要なプロジェクト」とし、どういう形でTXを延伸させるかという議論をするための調査を「このタイミングですべき時」との見解を示した。 4方面ごとに事業費や需要予測 調査は5月から12月に4方面ごとの延伸に必要な事業費、延伸後の事業予測や路線需要予測、費用対効果等を比較整理し、鉄道専門のコンサルタントなど民間の調査機関への委託を含め進める。調査結果に基づき12月から23年2月に、学識者、経済界、県議会、市町村、鉄道事業者らで構成した第三者委員会が絞り込みに向け検討。2月にはパブリックコメントを実施し、3月に決定する。 つくばエクスプレスは起点の秋葉原駅側でも、東京駅まで延伸する計画がある。さらに、臨海地下鉄へ乗り入れて、銀座から晴海を経て国際展示場まで直通運転する構想もある。2016年の国土交通省交通政策審議会答申に「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」として盛り込まれた。東京駅までの延伸開業に時期的な見通しはついていない。 TXのみならず、JR常磐線や地域の鉄道計画のネックとなっている地磁気観測所(石岡市柿岡)の移転の可否が再度クローズアップされそうだが、今回の調査検討の対象にはなっていない。35キロ圏内では直流電源が使用できないことから、県内延伸ばかりでなく、地下鉄線の乗り入れにもかかわってくる。25日開会の県議会で、議論の的になりそうだ。(花島実枝子)

つくば、日本、世界の諸行無常 街は変わる 《遊民通信》35

【コラム・田口哲郎】前略 先日、手代木公園から松代公園までの遊歩道を散歩していたら、公務員宿舎の建物を見つけました。つくば市内に点在する宿舎は順次売却されるそうです。つくば科学万博では明るい未来を描く舞台となったつくば市は、いま変化の過渡期といったところでしょうか。年季のはいった宿舎の建物は「公団住宅」を思い出させるので、私世代にはノスタルジーを感じさせます。 こうして人は街をつくりますが、時がたてば街は変わるのだな、諸行無常だなと思いました。いま、つくば市のみならず、日本、世界が変化の過渡期に直面しています。国の内外がここまで多方面で騒がしいのは、明治維新や先の大戦後のころに似ているのでしょうか。 英の名門パブリック校が「柏の葉」に そういえば、つくばエクスプレス(TX)沿線の話ですから、つくば市に無関係ではないと思うのですが、2023年9月、柏市・柏の葉に、英国の名門私立校・ラグビー校の分校が開校するそうです。ラグビー校はハロウ校やイートン校と並ぶパブリック・スクールです。 ちなみに、慶應義塾は福澤諭吉がパブリック・スクールを参考にして創設したと言われています。義塾というのがパブリック・スクールに当たるそうです。西洋文明を和魂洋才のスローガンのもとに取り入れてきた日本に、いよいよ西洋の本丸が乗り込んでくるというのは衝撃です。 慶應義塾には付属高校にニューヨーク校というのがあって、ニューヨークに住んでいる家庭の子弟がそこで学んで、日本に進学するというパターンはありました。ほかの大学でも海外校を持っているところはありますよね。 でも、ラグビー校は日本に住む英国人のための学校という感じではなさそうです。すでにシンガポールに分校をオープンさせているそうですから、ラグビー校の海外戦略はシンガポール校を見ればわかるでしょう。 価値観が気軽にやってくる時代 何年か前、常陽銀行が足利銀行と経営統合する際に、共同持ち株会社の本社を東京に移すという話があり、地元水戸の大反対に遭い、中止したというニュースがありました。銀行もいろいろと大変で、地銀同士のナワバリ、つまり県境を守っていては時代についていけないという事情が背景にあるようです。こうした状況は、コロナ禍以降、県境どころか国境にまで広がっていますね。 ICT(情報通信技術)によるネットワークが整備され、「リモート」が進むと、それを主導して推進しようとしている欧米の価値観が日本にも流入すると以前書きましたが、こんなかたちで最初の波が現れてくるとは思いませんでした。精神に関わる教育というものが、本格的なイギリス式になる。それも日本にいながらにして。 これは黒船の来航というよりも、フランシスコ・ザビエルの来日に近いかもしれません。当時は宣教師が命がけでやってきましたが、これからは価値観が通信網に乗って簡単に、いつも気軽にやってくる時代です。ごきげんよう。 草々(散歩好きの文明批評家)

市村すみいさん・典子さん 《菜園の輪》1

【コラム・古家晴美】新タイトルの「菜園の輪」では、人の緩やかなつながりに注目したい。ここでいう「菜園」は、家庭菜園から直売所に品物を出荷する自家用畑まで含む大まかなくくりだ。 そこで主な生計を立てているわけではないが、食生活の一部に深く組み込まれている「菜園」は、様々な形で「人のつながり」をもたらしている。家族で食べきれない野菜をおすそ分けする友人知人。育て方のコツを教えてくれる畑の隣人。土地を貸してくれる地主さん。そして、家族もつながりの中に入る。 初回は3町歩(3ヘクタール)の稲作を行いながら、トマトやキュウリなど栽培している、市村すみいさん(92)と市村典子さん(65)の菜園を紹介したい。 つくば市にある市村さん宅の菜園は、母屋裏手の長さ50メート、幅5メートル弱の長細い畑と、自宅から少し離れた1畝(せ、1アール)の畑の2カ所に分かれている。筆者は30年近く、様々な菜園のあり方を見てきたが、このように、家の敷地内や近くで、日常よく使う葉菜類や果菜類を育て、少し離れた畑で根菜類を育てる自家用畑は多い。 食卓を鮮やかに彩る野菜 家裏手の畑は、土起こしや果樹の剪定(せんてい)以外は、基本的にすみいさんが、種まきから草取り、収穫までを健康維持のために管理している。ほうれん草や小松菜などの菜っ葉類や小豆、えんどう豆などの豆類、聖護院(しょうごいん)大根が中心だ。 聖護院大根の栽培は「普通の大根が霜に当たったときに備えて…」と言う、すみいさんの配慮によるものだ。もう1つの畑は、典子さんが管理している。こちらでは、夫とともにトラクラーを使用して、自家用の大根と白菜を中心に育てている。 これまで菜園のお話をうかがった方は、70代までの方がほとんどで、1人あるいはご夫婦で複数の自家用畑を面倒見ている方が多かった。70代とはいえ、青年に近いほどの気概と迫力をもって、様々なことに取り組んでいる。 では、80~90代の方はどうか。市村さん宅では、2つの畑の運営管理については、お互いに口を出さず、自分のやり方で野菜を栽培している。無論、何10年もなさってきた畑仕事に違いないが、年を重ねれば、それなりの苦労もおありだろう。 陰で家族を支えながら、信頼され任されることにより生まれる、「やりがい」と「心の張り」が、お年を感じさせぬ肌の艶をもたらしているのだと思う。お互いを見守りながら、2つの菜園、そしてご家族が、緩やかにつながり支え合う。 2つの菜園から収穫された野菜が、市村家の毎日の食卓を鮮やかに彩っている。(筑波学院大学教授)

没後5年を前に蔵書など整理 土浦の専門学校に西谷隆義記念室

土浦市上高津の筑波研究学園専門学校(TIST、佐久芳夫理事長)に2月、「西谷隆義記念室」が設けられた。理事長を務めていた西谷さんが2017年4月7日、76歳で亡くなってから、5年が経とうとしている。 同校のほか、霞ケ浦高校(阿見町)、総合科学研究機構(CROSS、土浦市)の理事長職にあり、アジア学生文化協会やつくばインターナショナルスクールをはじめとする教育や国際交流、福祉分野の諸団体の理事・評議員を務めていた。没後、勲五等旭日双光章を追贈されており、その保管場所を兼ねて蔵書などをまとめた資料庫の整備が進められた。 記念室は学校1号館2階に約35平方メートルの広さで設けられた。生前の西谷さんが毎年開花を楽しみにしていた校庭の桜を望む小部屋に、理事長室にあった蔵書類が書架ごと整理され、愛用のデスク、筆記具などと共に移された。 蔵書は、郷土史はじめ歴史資料、地誌や民俗学関係の文献や図録、字典・辞書類など1000点を超える。学校関係者によれば、「中央省庁への折衝などで出張した際、神田神保町の古書店に立ち寄るのを楽しみにしていて、大事に持ち帰っては書架に並べていた」という。 土浦市選出の元県会議員だった西谷さんは、筑波研究学園都市の建設事業に初期から関わり、晩年まで教育に携わりながら、航空機産業創出や新大学システムを企図する地域振興に取り組んだ。その一方で、古代・中世の仏教が東国にどう伝わったかなどをたどる郷土史研究を精力的にこなした。古希記念の70歳で著した『霊峰筑波山と徳一大師―知足院中禅寺と筑波山神社』(茨城県郷土文化顕彰会、2012年)は地域社会の関心を集め、ちょっとした徳一(とくいつ、奈良時代の宗教家)ブームを巻き起こしている。 徳一関連の著作のほか、『21世紀筑波の軌跡』(STEP社、1998年)、『愚禿釈親鸞の行実(ぐとくしゃくしんらんのぎょうじつ)』(‎茨城新聞社、2017年)などに関わる手書きの原稿や出版時の校正紙なども保管。専門学校がマスコットにしているフクロウの彫刻や置物など、西谷さんが個人的に集めたコレクションも数百体、コーナーにまとめられている。 図書資料は現在閉架状態だが、専門学校では学生・教職員向けに貸し出すほか、研修室などに活用する考え。佐久理事長は「探求心のかたまりみたいな西谷さんは貴重な資料を膨大に残していかれた。その薫陶に触れられる、これらの資料を学校・学業の発展に役立てたいと考えている。記念室の開設が桜の季節に間に合ってよかった」と語っている。(相澤冬樹)

にわかに浮上した 3つのお願い 《続・平熱日記》104

【コラム・斉藤裕之】昔からお願いはなぜか3つと決まっている。今年で築20年になる我が家でも、にわかに浮上した「3つのお願い」。 1つ目は畳の入れ替え。洋風でもなく民家風でもない我が家にも、畳が7枚半ほど敷いてある場所がある。20年敷きっぱなし。昨年末、思い切って入れ替えることにした。若かりし頃に住んでいたアパートのかび臭い畳も懐かしいが、最近はほとんどがフローリング。 しかし、日本の風土に合ったサステイナボーなタタミフロアーはもっと見直されるべきだ。新しいイグサの色と香りで迎えた新年は、何ともすがすがしく感じられた。 2つ目は洗濯機。壊れたわけではないが、カミさんがそろそろ買い替えたいという。気が付けば、15年選手ということが分かった。ひとつ前のヤツはタッチパネルが作動せずに、いわば脳死状態となってしまったのを覚えている。 電気屋に行ってみると、乾燥機能もプラスされて、縦型やドラム式など、いろんなタイプのものがあって迷う。洗濯物も夫婦2人だとわずかな量だが、娘たちが孫を連れて帰って来ると、一気に増える。こういう場合は口を出さず、カミさんに任せるのがよい。 数日後にやって来た新しい洗濯機と入れ替わるように、古い洗濯機は引き取られていった。その時私は留守だったのだが、子供たちの重い柔道着なんかを一所懸命洗ってくれたことを思い出すと、引き取られていく洗濯機の後姿?に、カミさんは涙がこぼれそうだったとのこと。先代が脳死なら、今回は勇退というところか。 新洗濯機は「なんちゃら方式」が売り 新しい洗濯機は、洗濯槽にシャワー状の水流が自慢の「なんちゃら方式」が売りらしい。しかし前のヤツと比べてとても静かで、いや静か過ぎて、本当に洗っているのか不安にさえなる。カミさんは自慢の方式をその眼で見たいと思ったらしいが、シャワーのような音こそすれ、作動中はフタを開けることもできず、その仕事ぶりを確認することはかなわない。 「まるでツルの恩返しね。私の働いているところは決して見ないでくださいね、みたいな」とカミさんが言うので、私はこの洗濯機を密かに「おつう」と呼ぶことにした。 3つめは給湯器。留学時の経験から、風呂の追いたき不要論者である私だが、その理論が正しいのかどうかは分からない。ガス屋もビックリ! 20年もの間、故障もなく湯を沸かし続けてくれているのだが、壊れないうちに交換を決めた。ところが、例のコロナの影響で入荷が数カ月先らしい。そう聞くと人は不思議なもので、もしも給湯器が壊れたらどうしようと急に不安になる。 実際、テレビでは給湯器が壊れて、銭湯に通う家族の話が取り上げられていた。この寒い時期に、それは困るなあと思っていたら、3回目のワクチン接種の案内が来た。3つ目のお願いがかなう前に、3度目のワクチン接種のお願いとは。 おっと、あの電子音の優雅なメロディーは!おつうが仕事を終えたようだ。(画家)

来春開設サイエンス専科高に整備費計上 つくば工科改編で県

県立高校改革プランを進める茨城県は22年度当初予算案に、サイエンス専科高校へ改編するつくば工科高校(つくば市谷田部、久松政信校長)の実習室や実習機器の整備費として4憶9900万円を計上した。IT専科高校に改編する友部高校と共に、整備や民間委託を進めるなどして23年春の開設を目指している。 つくば工科高の改編は「科学技術科」の新設が特徴で、AI時代をリードする研究者や高度技術者の育成を目指す。県教育委員会、つくば市教育委員会、同校の関係者が21年に「開設準備委員会」を設置し、実務作業を重ねてきた。 改編に伴う課題の一つ、施設整備には4憶9900万円を投じる。既存教室の改修を進め、機器分析室、バイオ実習室、プレゼンルームなど実習室の整備、無菌作業を行うクリーンベンチ、3Dプリンターなど先端技術を学ぶことができる実習機器の整備を進める。 入試は学科試験だけではなく、部活動や生徒会活動などを通じ、科学技術に対する探究活動を評価する特色選抜制度の利用を含め実施する方向。大井川知事は中高協働研究への発展を意図、昨年には「中学の時から課題実践を通して、サイエンス分野に関心のある生徒に興味をもってもらうような努力をしながら生徒を募集していく」と発言している。 校名については、久松校長を議長とし、県と市の教育委員会関係者や地元有識者による「校名候補選定会議」を設置し検討をスタート、6月にも案が示される見通し。高校教育改革推進室は「校名は地元の方々にはそれぞれ思い入れがあるので、慎重に協議を進めたい」としている。 科学技術科の募集は23年度から 22年度の県立高校志願者枠は既に発表され、同校は機械、ロボット工学、電気電子、建設技術の4学科でそれぞれ40人の定員で募集しているが、既存の学科の募集は22年度が最後。23年度からの募集枠は科学技術科の240人となる。(花島実枝子)

つくば元市議の市政批判はウソだった? 《吾妻カガミ》127

【コラム・坂本栄】前回「つくば市長の市民提訴…を検証する」(2月7日掲載)では、五十嵐市長による<元市議提訴~和解取り下げ>の経緯をチェック。市長の振る舞いについて、その適格性に問題がある、大人の常識が足りない、広報理念に反する動きがあった、「言論の自由」が分かっていない―と指摘しました。 しかし五十嵐さんは、提訴の誤りは認めながらも、元市議の亀山さんが発行したミニ紙の市政批判記事にはウソが多いと、相変わらず主張しています。提訴時(2020年11月)は22カ所、取り下げ時(2022年1月)には8カ所を挙げていますが、今回は運動公園用地問題に絞って、五十嵐さんの言い分を検証してみます。 「返還交渉」という訴訟テクニック 2016年の市長選挙で五十嵐さんが掲げた目玉公約は運動公園用地関連でした。2020年の市長選の前に、ミニ紙はこの問題について「都市機構(UR)への返還 あれは一体どうなった」(写真右)と、用地返還が実現していないことを批判。これに怒った五十嵐さんは、公約は「返還」ではなく「返還交渉」だったのだから、記事はウソだと指摘。今でも同じことを言っています。 市長選で配られた討議資料(写真左)を調べたところ、大字タテ見出しは「総合運動公園問題の完全解決へ」、「運動公園用地返還交渉を進めます」は中字ヨコ見出しでした。「完全解決」とは、用地UR返還+陸上競技場建設のことですから、公約の主眼は「返還」でした。 つまり、運動公園問題の公約(政策目標)は「返還」であり、「返還交渉」はその手段という位置付けです。「返還交渉」が公約だったとする主張は、ミニ紙の記事がウソだと言い張るための「問題のすりかえ」です。そこで判定。記事は的を突いていました。 五十嵐さんが訴状で「返還交渉」を据えたのは、訴訟テクニックだったといえます。返還は実現しなかったものの、交渉はありましたから、訴状の組み立てに「返還交渉」は便利だったのでしょう。 目玉公約は「フィクション」だった でもその実態は、UR都市機構の地域支社を訪れ、「市の意向を伝え」(1回目)、「文書による回答を求めた」(2回目)という、「返還交渉」の証拠準備のようなものでした。目玉公約だったのですから、国会議員を動員する政治工作、理屈をこねた訴訟戦術―など、あの手この手を繰り出すべきなのに、形を整えただけでした。 どうして返還交渉がお座なりだったのでしょうか? 五十嵐さんは、市長就任後、用地売買契約書に瑕疵(かし)がない限り、URは買い戻しに応じなくてよい―という条項があることを知ったようです。土地処分を急ぐ「国策不動産会社」URにミスがあるはずがありませんから、熱い交渉をしても返還は無理と判断したのでしょう。 ここで疑問が浮かびます。公約「返還交渉」を作るとき、五十嵐さんはURとの契約書を調べなかったのでしょうか? だとすれば、いい加減な公約作りです。実現ほぼ不可能な、公約になり得ない「返還交渉」を公約に掲げたわけですから、公約はフィクション(虚構)だったといえます。(経済ジャーナリスト) ※参考(青字部をクリックするとご覧になれます)▽五十嵐市長の提訴取り下げ声明(1月20日)▽亀山元市議の記者会見リリース(1月21日)

サンガイア、つくば連戦 東京Vに1勝1敗で7位

バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地・つくば市)は19、20日、つくば市竹園のつくばカピオアリーナで東京ヴェルディ(同・東京都稲城市)とのホームゲーム2試合を開催。19日はセットカウント3-0で快勝したが、20日は1-3で敗れた。これでつくばは9勝9敗、勝ち点26で15チーム中7位。 2021-22 Vリーグ2部男子(2月20日、つくばカピオアリーナ) 総得点335点でリーグ2位(19日現在)の鎌田敏弥、同じく271点で9位の小松一哉という両エースの打ち合いが注目されたが、小松を擁する東京Vに軍配が上がった。 つくばは第1セット、鎌田や瀧澤陽紀、濱田英寿らにトスを送るが思うように攻撃が機能せず、シーソーゲームから徐々に点差を付けられ、セット終盤は激しい追い上げを見せるものの届かず。第2セットは序盤リードするものの14-14からの7連続失点が響き、このセットも落とした。第3セットはつくばらしさを見せ終始リードを保つが、第4セットは波に乗った相手を止めることができなかった。 「相手の攻撃力に昨日は我慢できたが、今日は自分たちから崩れてしまった。スパイクミスが連続し、簡単なボールでも小さいミスが目立った。自分は後半乗ってくるタイプだが、前半から決定率を出せていれば、こういう結果にはならなかったと思う」と鎌田。 「ホームなので2連勝したかった。チームパフォーマンスは先週より良かったが、今日は相手が対策を立ててきた。ブロック&レシーブが機能せず、内を締める相手の守りを突破できなかった」と瀧澤。 東京Vは前日とはメンバーを入れ替え、特に小松をライトに回したことで、滞空時間と高さのある攻撃が生き、ブロックやサーブも含め29得点を許すなど、調子に乗せてしまった。 連敗から脱出も正念場へ つくばは、コロナの影響もあってチームのパフォーマンスがかみ合わず、直近1カ月で4連敗を喫していた。19日は久々の連敗ストップとなったが、そこで安心感が出てしまったという見方もある。「先週まで苦しい状況だったが、敗戦を機に選手が現状をしっかりと受け止め、質の高い練習を積むことができた。それで昨日はうまく行ったが、今日は相手の変化に対応できず、思うように攻撃を組み立てられなかった」と五十嵐元監督は分析する。 レギュラーシーズンは残り7試合。来月には最後のホームゲーム、千葉ゼルバ戦(3月12日、つくば市桜総合体育館)を控え、踏んばりどころを迎えている。(池田充雄)

「お迎え写真」の撮り方・撮られ方 《写真だいすき》5

【コラム・オダギ秀】写真講座の講師を長くしていると、たいていは、マンネリと言うか、ダレてくると言うか、飽きがくる状態になる。ところが、そんな時に講義すると、がぜん盛り上がるテーマがある。受講生皆がこれ以上夢中になるテーマはない。必ず、大変な盛り上がりを見せる。それが「お迎え写真の撮り方・撮られ方」だ。 なぜ皆がこんなに喜々として、お迎え写真の撮り方・撮られ方を学びたいのだろうか。 もちろん、お迎え時の写真というのは、その人のお葬式や仏壇に飾る顔写真、つまりポートレイトのことだ。自分が居なくなった後に、最良の顔で見られていたいという願望があるのだろうが、そんな写真を大抵の者は持っていないことに、最大の理由があるのだろう。 撮って、撮って、撮りまくる そこで今回は、私の講座でやっている、お迎え時に使う写真の撮り方・撮られ方の話をしたい。撮られ方が分かれば、撮り方は自然に分かる。撮られるようにやってもらって、撮ればいいだけだ。 カメラは、コンパクトデジタルだろうが、スマホだろうが、一眼レフだろうが、何でもいい。アクションカメラは、広角過ぎるので、ちょっと撮りづらい。で、なるべくアップに撮ること。ウェストから上だ。 小道具として白い板(アゴレフと言うが)、これを使う。大きなカレンダーの裏の白い紙でもいい。このアゴレフを、身体の前、ウェストあたりに広げておく。前にテーブルがあれば、その上でもいい。すると、アゴの下が明るくなり、しわも目立たなくなる。 そして表情。口が「への字」にならぬよう、両口角を上げる。目は少し開き気味に。少し上を向いたり、下を向いたり。鏡を見ながら、何度も何度も何度もやってみると、いい表情ができるのが分かる。ああ、この顔で撮られればいいのか、と。誰でもいい顔ができるのに、どうすればいいか知らないだけだ。 そして、いろいろな表情を作りながら、何十枚も撮る。撮って、撮って、撮りまくるのだ。数枚でなく、何十枚も。いまはデジタル時代だから、すぐ見直せる。そして、気に入ったものを選び、プリントしてもらう。以上。 「万一の時はこれを使ってほしい」 余談になるが、そのようなお迎え写真がない場合、かつては、葬儀屋さんが作ってくれた。生前の記念写真か何かから顔を取り出し、紋付、背広、礼服などのボディと組み合わせて作っていた。 その土台になるボディの部分のモデルをやれと、写真会社の社長が部下に命じたが、誰も嫌がってやらない。仕方なく、社長自身がモデルをやったが、彼は若くして亡くなった。彼の体は、生きている時から拝まれていたわけだが、早死にしたのは、あの写真のせいだなんて陰口をたたく者もいて、気分は微妙だった。 ボクは、仕事でポートレイトをずいぶん撮影したので、「万一の時はこれを使ってほしい」と言われているのが、たくさんたまっている。だが幸い、使う羽目になった写真はあまりない。人生100年時代だものなあ~。(写真家、土浦写真家協会会長)

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