木曜日, 11月 5, 2026
ホームコラムにわかに浮上した 3つのお願い 《続・平熱日記》104

にわかに浮上した 3つのお願い 《続・平熱日記》104

【コラム・斉藤裕之】昔からお願いはなぜか3つと決まっている。今年で築20年になる我が家でも、にわかに浮上した「3つのお願い」。

1つ目は畳の入れ替え。洋風でもなく民家風でもない我が家にも、畳が7枚半ほど敷いてある場所がある。20年敷きっぱなし。昨年末、思い切って入れ替えることにした。若かりし頃に住んでいたアパートのかび臭い畳も懐かしいが、最近はほとんどがフローリング。

しかし、日本の風土に合ったサステイナボーなタタミフロアーはもっと見直されるべきだ。新しいイグサの色と香りで迎えた新年は、何ともすがすがしく感じられた。

2つ目は洗濯機。壊れたわけではないが、カミさんがそろそろ買い替えたいという。気が付けば、15年選手ということが分かった。ひとつ前のヤツはタッチパネルが作動せずに、いわば脳死状態となってしまったのを覚えている。

電気屋に行ってみると、乾燥機能もプラスされて、縦型やドラム式など、いろんなタイプのものがあって迷う。洗濯物も夫婦2人だとわずかな量だが、娘たちが孫を連れて帰って来ると、一気に増える。こういう場合は口を出さず、カミさんに任せるのがよい。

数日後にやって来た新しい洗濯機と入れ替わるように、古い洗濯機は引き取られていった。その時私は留守だったのだが、子供たちの重い柔道着なんかを一所懸命洗ってくれたことを思い出すと、引き取られていく洗濯機の後姿?に、カミさんは涙がこぼれそうだったとのこと。先代が脳死なら、今回は勇退というところか。

新洗濯機は「なんちゃら方式」が売り

新しい洗濯機は、洗濯槽にシャワー状の水流が自慢の「なんちゃら方式」が売りらしい。しかし前のヤツと比べてとても静かで、いや静か過ぎて、本当に洗っているのか不安にさえなる。カミさんは自慢の方式をその眼で見たいと思ったらしいが、シャワーのような音こそすれ、作動中はフタを開けることもできず、その仕事ぶりを確認することはかなわない。

「まるでツルの恩返しね。私の働いているところは決して見ないでくださいね、みたいな」とカミさんが言うので、私はこの洗濯機を密かに「おつう」と呼ぶことにした。

3つめは給湯器。留学時の経験から、風呂の追いたき不要論者である私だが、その理論が正しいのかどうかは分からない。ガス屋もビックリ! 20年もの間、故障もなく湯を沸かし続けてくれているのだが、壊れないうちに交換を決めた。ところが、例のコロナの影響で入荷が数カ月先らしい。そう聞くと人は不思議なもので、もしも給湯器が壊れたらどうしようと急に不安になる。

実際、テレビでは給湯器が壊れて、銭湯に通う家族の話が取り上げられていた。この寒い時期に、それは困るなあと思っていたら、3回目のワクチン接種の案内が来た。3つ目のお願いがかなう前に、3度目のワクチン接種のお願いとは。

おっと、あの電子音の優雅なメロディーは!おつうが仕事を終えたようだ。(画家)

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