火曜日, 4月 7, 2026

「建物の輪郭や広場の形状維持を」市民団体が再要望 つくばセンタービル

つくばセンタービルリニューアル計画について、つくば市が実施設計の入札を7日に予定している問題で、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)は3日、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長に、建築物の輪郭や中央広場の形状を維持し、改修は室内に限定するよう求める2度目の要望書を提出した。西側エスカレーターの設置見直しや中央広場を囲う一部の壁の撤去見直しなどを求めている。 市のリニューアル計画の主な内容は▽西側(クレオ側)にエスカレーターを新設する▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動拠点をつくる▽ノバホール西側外階段の半分をスロープにする―など。これまで市は、市議会の意見を受けて、北側(ホテル側)のエスカレーターについては設置を取り止めた。 これに対し要望書は、つくばセンタービルはプリツカー賞を受賞した磯崎新氏のポストモダン建築の代表作であり、築50年の2033年には登録文化財となることが間違いないのに、市のリニューアル計画では貴重な申請資格が失われることになりかねないとしている。その上で、建物の歴史的、文化的意義を尊重し、建物や広場の空間的な輪郭はそのまま保持して、リニューアルは室内改修に限定すべきだとしている。 具体的には、西側エスカレーターについて、2基の計画のうち北側の1基を市議会の決断で撤回したことは評価するが、西側(クレオ側)エスカレーターについても見直すよう求め、10メートルも離れてない位置に既存のエレベーターがあること、既存エレベーターを改修する方が安全でコストが安いこと、エスカレーター設置に伴う中央広場を囲う壁の改変や屋根の設置は広場の価値を損なうなどと指摘している。 市民活動拠点の整備については、中央広場を囲う壁の4分の1を撤去し、開閉式の透明なガラス扉に置き換える計画に対して、中央広場の特徴であるメタリックな正方形とガラス窓、ガラス扉のバランスで構成された空間構成を台無しにし、世界的に価値が認められた広場の形状を壊すとしている。 さらに市民活動拠点などを整備するに際し、1階室内の幅4メートルの廊下を2メートル以下に狭めたり、廊下をふさぐなどの計画に対して、1階からの中央広場へのアクセスが狭められ、機材の搬入や搬出がほとんど不可能となってしまい、つくば市がエスカレーターを設置する目的にしている中央広場の活性化の弊害になると指摘している。 併せて、ノバホールと小ホールの間の幅4メートルの通路は、センタービルの正面玄関入り口となっているばかりか、中央広場の楕円の長軸に沿って筑波研究学園都市の南北の主要軸を形成しており、正面玄関入り口の堅牢な石造りの壁を壊すことは、筑波研究学園都市の骨格を破壊することになるとしている。 ほかにノバホール西側の外階段を改変し、車両用のスロープを新設する計画に対しては、スロープの傾斜角度が13度を超え、急な傾斜になるとみられることから、自転車などが加速し過ぎて停止できなかった場合、歩道と、交通量が多い土浦学園線の車道に行きつき、危険な事故の誘発要因となる恐れがある危険なスロープだとし、加えて、車両の通行に限定しないと建築基準法違反の勾配になるが、人や自転車の進入を24時間防ぐことは、かなり困難だなどと課題を指摘している。 要望書を提出した冠木代表は「6月1日にエスカレーター設置の見直しを求める要望書を出し、北側の1基はなくなったが、まだまだ大きな問題点があって市民に知らされないまま実施計画に入ろうとしている。つくば市の改造計画は磯崎新さんの設計ビジョンを無視したもので、プリツカー賞をとったことに対する敬意があるのか、疑問に思う」と話している。 再要望を受け取った小久保貴史市議会議長は「(議員全員で)要望書を共有し、中心市街地の特別委員会で協議していただくことになる」と述べ、飯野哲雄副市長は「(要望書を)読ませていただいてからの話になると思う」としている。(鈴木宏子)

「面の皮」の薄い人、厚い人 《くずかごの唄》93

【コラム・奥井登美子】 「肌の荒れないマスクありますか?」 「顔のお肌に何か炎症でも…」。 客は若い女の人。マスクを外して肌を見せてくれた。 「ほら、こんなに赤くなってしまって」 目の下、頬のあたりが赤くなってしまっている。ここ2~3日の蒸し暑さは普通ではない。マスクでふたをされて、顔にいわゆるアセモができてしまっている。 「あら、赤くなってしまっていますね」 「皮膚科で診てもらいたいと思っても、お医者に行くのにもマスクが必要なので困っているの」 世の中には、私みたいに精神的にも肉体的にも面の皮の厚い人と、薄い人がいる。薄い人は敏感で、ちょっとした刺激でも皮膚に炎症を起こすので、暑さの中、マスクと顔の皮膚炎の心配もしなければならない。 自分の「精神安定剤」を自分でつくる コロナ禍のなか、友達からの電話相談も多い。 「もしもし、家族がコロナになったらどうしよう。心配で、心配で、夜、眠れないのよ」 「体を動かしていたら、疲れて、夜、ぐっすりよく眠れるわよ。体を動かせばいいのよ」 「外へ出たりしたら、コロナが大変だから、どこにも出たくないの」 「私は家庭菜園をやって、体を鍛えているの。今日も、ナス3本とキュウリがとれたわよ。どうやって料理して亭主に食べさせようか、料理を考えるのも楽しいし」 「そんなの、私には無理だわ、明日、医者に行く日なの。先生に頼んで、よく効く眠り薬を入れてもらいたいの。名前教えて…」 「睡眠薬? それだけはやめた方がいいわ。副作用で認知症が進むというデータもあるし、認知症にだけはなりたくないでしょ」 「父の認知症で苦労したの。絶対なりたくないわよ」 「自分の精神安定剤を自分でつくりなさいよ」 「薬? 薬なんか、つくれないでしょうよ」 「何か一つ、創造的なものを目標にして、それにまい進してみるの。絵でも、俳句でも、料理でも…」 友達だから面の顔の厚さで、ずけずけと、精神安定剤の怖さも言えるけれど、薬局のお客には言えない。(随筆家、薬剤師)

常総線の未来は?《茨城鉄道物語》15

【コラム・塚本一也】茨城県内で乗車できる鉄道は11路線あります。古河駅から乗車できる東北線、下館駅から乗車できる真岡線、鹿島神宮駅から乗車できるJR鹿島線などもカウントしておりますが、県内を通過しているものの、乗車できない東北新幹線などは含んでおりません。これまで取り上げた路線は8路線となっており、残りが少なくなってきました。 今回は身近に存在し、歴史もあるのですが、話題として取り上げづらかった常総線について少し触れたいと思います。 常総線は取手駅から下館駅まで、関東鉄道が経営する非電化の私鉄です。営業距離は51.1キロですが、取手駅から水海道駅までの17.5キロは1984年に複線化が完了し、首都圏へ通勤客を輸送する役割も果たしています。平日の7時台は上下線とも6~7分間隔でダイヤを編成しており、取手駅ではJR常磐線、守谷駅ではTX(つくばエクスプレス)と接続しています。 常総線沿線は、東京23区の過密対策として、1970年代に入ると常総ニュータウンの開発が始まりました。当時の住宅公団による、計画人口9万人の大規模な開発です。開発当初、常総ニュータウンから東京駅へ直通電車が通るという触れ込みに引かれ、多くの方が住宅を購入したといわれています。 そのため、丸の内の大手企業に勤務するエリートサラリーマンが多く住んでいるといううわさを聞いたことがあります。しかし、およそ35年後にTXが開通したときには、そういった方々は定年を迎えていたという「ブラックジョーク」もささやかれているそうです。 非電化でも複線区間を持つローカル線 非電化でありながら複線区間を持つ営業線は全国でも珍しいですが、鉄道貨物輸送が華やかだったころには、こういった路線は結構ありました。その後、貨物輸送が衰退したために、電化に至らずにそのまま営業線として残っているようです。 その点で常総線の場合は特異であり、非電化の原因は本コラムでも以前取り上げたこともある気象庁地磁気観測所(石岡市)の影響です。東京近郊の通勤電車としての機能を期待されながら、「非電化のローカル線」というレッテルを貼られてしまう常総線は、将来構想が大変描きづらい路線と思われます。 私たちが子供のころ、県西地区の田園地帯を走る常総線は「まぼろしの常総線」と言われていました。特に2両編成で走る姿を見られたときには、何か良いことがあると言われたものでした。今、常総線は、通勤時2両編成、イベント時4両で走っています。 コロナ禍により、在宅勤務という新しいライフスタイルが注目されていますが、TXや常磐線と接続している常総線は、そのポテンシャルをどう活かしていけばいいのか、関係者のご尽力に期待したいと思います。(一級建築士)

外国語を学ぶコツ③ 《ことばのおはなし》37

【コラム・山口絹記】「あいつのこと、好きなの?」というセリフがあったとする。特に違和感はない。しかし「トマトのこと、好きなの?」とは言わないだろう。 理由を説明できるだろうか? 説明できなくてもよいのだ。経験上おかしいと感じられるのが多くの日本人の言語感覚であり、これこそが大量の文章を丸暗記する価値だ。 今回は、語彙(ごい)力をつけるための、次のステップについて述べていこうと思う。 あなたが仮に「鯔」という漢字が読めなくても、魚だろうと推測ができるように、英語にも知らない単語を推測する手がかりが存在する。 それは、ラテン語由来の接頭辞+語幹+接尾辞で構成される「語源」というものだ。英単語は日本語訳で多くの意味を持つことが多い。詳しい解説は割愛するが、これは英語がラテン語、ギリシャ語を語源とする語が数多く存在することによるものだ。 例えばastronaut「宇宙飛行士」、astronomy「天文学」、disaster「天災」。これらはast(e)r-「星」という語幹によるものである。 語源の知識が付くと、気持ちの良い和訳が見つからなくとも大体の意味がつかめるようになることが多い。 また、そろそろ洋書の単語帳を用いた学習を始めてもよいかもしれない。英語ネイティブが語彙力を伸ばすために使用するものだ。今ではネット通販で簡単に手に入るものも多いため、ペーパー版で手に入れてみるとよいだろう(書き込み式が多いため、電子版はおすすめしない)。 語彙の知識にこだわる さて、どうしてここまで語彙の知識にこだわるのか。 私たちは日常的に多くのことばに出会う。もはや無意識に、注意深く読むべきか、耳を傾けるべきか取捨選択をし、誤字脱字はある程度補完し、たとえ知らない単語でも大体の意味が分かれば調べなくてもよいと判断している。例えば、 「私は昨日、織田信長と桃太郎と釣りに行き、鯔(ぼら)を食べて復をこわした」 この文章を一蹴するには、実は日本の歴史や童話の基礎知識を前提に、「復」という誤字を自然と「腹」に置き換えなければならないのだが、さらっと読み飛ばすことができるだろう。 しかし、人物がConfucius「孔子」とLittle Red Riding Hood「赤ずきん」に入れ替わり、その後の文章に知らない名詞や誤字脱字があったら? 単語帳の語彙だけでは太刀打ちできず、辞書を引いても該当する単語が無い。 テストでは高得点が取れても、英語の児童文学すら読めなかったりするのは、こういったところにも原因があるのだ。 日本人の多くは『ハックルベリー・フィンの冒険』も、『聖書』も読んだことがない。恥ずべきことではなく、そういうものだ。 言語とは、その使用者が積み重ねてきた歴史と文化の上に形成される。広く前提とされているような知識に欠落があるということがいかに苦しいことか。しかし、そういった発見が苦しさから楽しさに変わる瞬間というのが必ず訪れる。 その瞬間というのが、ある程度の語彙を身に着けた状態、つまり、一定の語彙力を手に入れた瞬間なのだ。(言語研究者)

つくば市職員が新型コロナ

つくば市は30日、市立中央図書館に勤務する職員が29日、新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。 職場に濃厚接触者がいるため、保健所から指定された濃厚接触者を対象に、PCR行政検査を実施する。 図書館は現在、県の非常事態宣言及び国の緊急事態宣言を受け、9月13日まで休館している。職員が勤務している部署は消毒作業を行い、一部のサービスを引き続き実施する。

少女にみだらな行為 20代男性教諭を懲戒解雇 筑波大

SNSで知り合った当時18歳未満の少女2人にみだらな行為をしたり、わいせつ自撮り画像を送らせたなどとして、筑波大学は30日、産休代替教諭の20代の男を同日付けで懲戒解雇処分にしたと発表した。 同大によると教諭は、同大に採用前の2019年2月、SNSで知り合った当時18歳未満の少女とみだらな行為をし、携帯電話で撮影した。 さらに採用後の今年2月、SNSで知り合った別の18歳未満の少女に、わいせつな画像を自撮りさせ、教諭の携帯電話に送らせたとされる。 今年6月、教諭が愛知県警に逮捕され、発覚した。同大の調べに対し教諭は事実関係を認めているという。 教諭の勤務先や採用期間などは被害者のプライバシー保護などの観点から公表しないとしている。 永田恭介学長は「児童・生徒を教育・指導する立場にある教諭がこのような事態を起こしたことは極めて遺憾であり、被害者並びに関係者の皆様に心からお詫び申し上げます。今回の事態を真摯に受け止め、学内教職員に対し、再発防止に向けたさらなる啓発活動を行い、児童・生徒及び学生の修学環境の整備、大学の社会的信頼の維持・向上に努める所存です」などとするコメントを発表した。

飯泉あやめさんが個展 生きている禍福、文字列ドローイングを進化

つくば市在住のアーティスト、飯泉あやめさん(32)がきょう30日まで、同市古来の喫茶店、珈琲倶楽部なかやまに併設されたギャラリーJINで個展を開いている。飯泉さんがこれまで描いてきた抽象画の画風と異なり、文字列に色彩を加えたドローイングが新たな試みとして並ぶ。飯泉さんがアーティストとして走り出すきっかけとなった「心の衝動の表現」を基にした進化の一コマだ。 「子供のころから数式を解く文字列に魅入られていました。それと一緒で、思い立つと何度でも繰り返して、そのとき心に留まった言葉や文字を繰り返してドローイングしていました。書き取りの宿題は大好きだったのです」 ギャラリーにはカレンダーの裏側に書き記した様々な数と大きさの文字列が張り出され、ある意味異様な迫力を醸し出していた。この裏書ドローイングは、飯泉さんの創作原点。20代以前の書き取り遊びだったものが、ある日を境に異なる次元に彼女をいざなうこととなった。 「東日本大震災が発災した日、祖母と青森県に旅行に出ていました。大きな被災は受けませんでしたが、ライフラインの停まってしまった宿泊先で、災害の状況がわかるにつれ、何かとても恐ろしいことに引き込まれたと感じ、聞いたこともない被害や犠牲者の数を耳にして、私自身がパニックに陥ってしまいました」 戦争を経験でもしなければ、あり得ない数の「死」を突き付けられた飯泉さんは、それを受け止める自分自身の「生」をもって対峙することとなり、自身が「死」へと引きずられないために、書き取りに没頭し、「□」を繰り返し、繰り返し、54万3000回繰り返した。 「最初は形の定まらないぐりぐりだったのですが、それでは心の平たん線を保てないと、〇にしたり渦にしたり、これだなと感じたのが、角を正確に書くという手段としての □ にたどり着きました」 その後の時間をどのように過ごしてきたかは彼女の胸のうちにとどめられているが、書き取りドローイングは続けられ、創作家という道を切り拓き、文字列とは異なる抽象画に、胸の内から聞こえる叫びを描くようになる。 飯泉さんには失礼だが、それらの画風は、説明を受けなければ理解できない領域にある。だからこそ、個展に登場した文字列のドローイングは、ストレートに見る者の心にも伝わってくる。新たなドローイングは「光」「風」「大地」「水」などのエレメントをモチーフに、アルファベットつづり化されたそれらをアクリル画材で描いた。筆では描けない繊細なつづりは、個展の1週間前に「ケーキ装飾用のクリーム絞り出しが使えるのではないか」とひらめいた。 「それぞれのエレメントは、それらに触れることによって、そこに自分が存在し生きていることを教えてくれます。私自身、時折、人生を投げ出してしまいたくなる負の激流にのまれることがあります。そうなってはならないという克己の叫びが、私を突き動かす。ドローイングは原点に返ったというのではなく、基本と土台であって、私の背中を押すものも、生きているという禍福であることは変わっていません」 飯泉さんは震災を機に創作の道を走り続けているが、スタートラインから10年を経て、衝動や狂気とともに、やさしさをも見出したのかもしれない。 つくば市出身。武蔵野美術大学造形学部卒。2018年より作家・芸術家として創作活動を本格化。「生きているとは何か」をテーマとした絵画、壁画やアートパフォーマンスを手掛ける。(鴨志田隆之)

コロナ医療崩壊 つくば市の誤判断 《吾妻カガミ》114

【コラム・坂本栄】コロナ感染者が急激に増え、首都圏で医療崩壊が起きています。陽性者を含む医療が必要な人の数と、これらの人を受け入れる病床数の需給が崩れ、コロナ患者が医療システムの外に置かれるという非常事態です。昨春、日本財団が打診してきた軽症者収容施設をつくば市が受け入れていたら、こういった惨状はかなり緩和されたのではないかと、残念でなりません。 「戦争ができない国」になった日本 本欄ではコロナ禍を有事と捉え、何回か、国や自治体が実施すべき(あるいはやってはいけない)対コロナ策(作戦)を取り上げました。初回「…つくば市のコロナ対応」(昨年4月6日掲載)では、ワクチン(武器)入手や接種所(前線)への配送(後方支援)はもちろん、対コロナ(敵)の基本は国境・県境で阻止する、それに失敗したら密空間(戦域)での拡散(戦闘行動)を抑える―ことが大事と指摘しました。 こういった枠組みで考えると、県境を越えるGO・TOトラベル、国境を越える東京五輪は間違った対応でした。ワクチンの自国開発不調は後日検証するとしても、河野太郎氏をワクチン担当相(兵站司令官)に就けたのは人事ミスでした。目立ちたがりの彼は、次々と場当たり策を打ち出し、ワクチン配送と接種所を混乱させたからです。米国では軍の兵站(へいたん)部門が配送を担当したと聞きます。 また、政府が私権制限を可能にする法整備を怠ったのは失態でした。これでは、国民が密になる場所に集まることを放置、コロナの犠牲になる(効果的な機銃掃射の標的になる)のを許すようなものです。菅首相は有事と平時の違いを理解できないのでしょうか。誤解を恐れずに言えば、日本は「戦争ができない国」になってしまいました。 残念だった「コロナ野戦病院」拒否 小粒ですが、つくば市にも似たような対応がありました。コラム「…コロナ対応を点検」(昨年5月4日掲載)で、2つの事例(小中学校の密状態容認、人の市境越え誘導)を挙げておきましたので、詳しくはリンク先をご覧ください。それよりも、9000もの病床を備える軽症者施設の市内設置を断ったことは、大局観に欠ける失態でした。 競艇の収益で公益活動をしている日本財団が、つくば市にある1万7300坪の同財団研究所跡に、軽症コロナ患者(戦傷者)を収容する大テント病棟群を設置したいと、市に同意を求めてきたところ、五十嵐市長は市民の同意を得るのが難しいとの理由で拒否した、というのがその経緯です。秋の市長選を前にして、「迷惑施設」は政治的にマズイと判断したようです。詳しくはコラム「『大型コロナ病床の是非』の是非」(昨年4月20日掲載)に出ています。 このテント病棟(野戦病院)が実現していれば、首都圏の重症者(治療は集中治療室)、中症者(同病院か在宅)、軽症者(同原則在宅)のうち、軽症者と中症者の相当数を収容でき、首都圏の病床需給は劇的に改善されたでしょう。コロナ禍を有事と考え、施設を受け入れていれば、五十嵐さんはその見識が評価され、将来の首相候補になっていたしょう。残念。 (経済ジャーナリスト)

歴代最高のB1初昇格チーム目指す 茨城ロボッツが開幕前イベント

男子プロバスケットボールB1リーグに昇格した茨城ロボッツは、2021-22シーズンのスタートアップイベント「ブートアップ!ロボッツ!!(BOOT UP!ROBOTS!!)」を29日、水戸市南町のまちなか・スポーツ・にぎわい広場(M-SPO)で開催。昇格して最初のシーズンを迎えるにあたっての、クラブや選手の意気込みをファンに向けて披露した。 今季のシーズンスローガンは「ビルドアップ(BUILD UP)」。ロゴデザインには3段のステップが組み込まれた。西村大介社長によると、3つの成長への思いが込められているという。1つはクラブとブースター、スポンサーが一体となって成長すること。2つ目はアップテンポ、アンセルフィッシュ、メンタルタフネスというチーム文化のさらなる定着を図ること、3つ目は2026年からの新B1基準へ向けて売り上げ、観客数、ホームアリーナの3要素を充実させていくこと。 今季の勝利数では20勝を目標に置いた。これは歴代最高の昇格チームを目指すということ。過去のB1初昇格チームの中での最高勝利数は、昨季の信州ブレイブウォリアーズの20勝なので、これを超えようという意味だ。「少ないと思う方もいるかもしれないが、20勝はミニマムターゲットで、さらにその上を目指していく」と西村社長。 選手は全13人のうち、まだチームに合流していないハビエル・ゴメス・デ・リアノ選手(フィリピン代表経験者)を除く12人が出席。新加入はリアノのほか、西川貴之(三遠ネオフェニックス)、多嶋朝飛(レバンガ北海道)、エリック・ジェイコブセン(仙台89ERS)、谷口大智(広島ドラゴンフライズ)の4人。すでにチームは開幕に向けて、激しい練習に取り組んでいるという。「ロボッツの練習は時間は短いがハード。ペースが速く、次から次へとメニューをこなす」と多嶋選手。2年目の中村功平選手は「昨季よりだいぶ体が絞れている。良いパフォーマンスをお見せできると思う」と話す。 今季開幕戦は10月2日、秋田ノーザンハピネッツとアウェーで対戦する。ホーム開幕戦は10月16日、相手は昨季ファイナリストの宇都宮ブレックスだ。ホームアリーナのアダストリアみとアリーナも、今季はB1仕様になった。天井からは5×15mの大型LEDビジョンを吊り下げ、壁にはビッグユニフォームや懸垂幕などが掲げられ、アリーナ全体をチームカラーのブルーに染め上げる。 堀義人オーナーは「B1ではどんな景色が見られるのか、この5年間ずっと楽しみにしてきた。来月からの開幕を前にわくわくが止まらない。今季は成長がテーマだが、今のままでは足りない。みんなで一歩一歩確実にステップアップしていきたい」と期待を語った。(池田充雄)

村上茉奈も金メダリストも観たかった《ひょうたんの眼》40

【コラム・高橋恵一】東京オリンピックが終わり、24日からパラリンピックが始まった。多くの課題を抱えたままのオリンピック開催だった。日本選手団は、金メダル27個を含め計58個のメダルを獲得し、史上最多になった。 日本メディアの報道は、日本人選手のメダル、特に金メダル獲得が主題で、私たちがオリンピックに託している期待、理想を踏まえた報道とは、かけ離れていた。メディアが、国民の好みに合わせて報道しているのであれば、日本人の品格、感性はこれほどまでに低下してしまったのだろうかと情けなくなってしまい、やはり日本は、オリンピックを開催する資格の無い国だと思えて仕方がない。 体操競技では、内村航平選手の最後の挑戦があり、19歳の橋本大樹選手が個人総合と鉄棒で金メダルに輝いて、日本体操を引き継いだ。女子体操では村上茉奈選手が床運動で銅メダルを獲得し、その素晴らしい演技は何回も繰り返し放映された。 ところで、女子床運動の金メダルはジェード・キャリー選手(米国)、銀メダルはフェラーリ選手(イタリア)なのだが、中継時に視聴していなかったので、どのような演技だったのかわからない。世界一の演技も観たい。金メダリストのインタビューもプロフィールも知りたい。銀メダリストについても同じだ。 体操競技だけではなく、日本のオリンピック報道の偏狭さが目立ちすぎる。前評判の高い日本人選手の情報は、有り余るほど披露されるが、外国人選手の情報は乏しい。それどころか、格闘技のテレビ中継中に「(日本の)〇〇選手が相手の選手の……」という表現があった。外国人選手の名前も、所属国地域もとっさに言えないのだ。 甲子園の中継で、対抗チームの学校名が言えないアナウンサーがいるだろうか? オリンピック報道なのに、日本の対戦相手選手の名前も所属も紹介されず、日本の弱い種目の金メダルを獲得しても、競技の放映もプロフィールの紹介もされなければ、大変失礼な扱いなのではないか。主催国の報道姿勢が問われる。 メディアは日本選手の金メダルだけに集中? 日本の金メダルへのこだわりは、メディアの一角を成す解説者にもあり、元々口数の多い元アスリートは、日本の酷暑と感染症の蔓延を、外国からの参加が少なくなるので、日本人選手に有利だと解説していた。開催する以上、外国選手に良い環境を用意しなくてはならない側としては、許せない、というよりあまりにも情けない発言だった。日本の選手が金メダルを取ると、重要な政治課題の番組中でも、臨時のスーパー字幕が流される。外国人選手のオリンピック新記録はニュースにもならない。 我々は56年前、柔道のヘーシンクやエチオピアのアベベなどの活躍で、世界のアスリートの偉大さを実感し、それまで知らなかったアフリカや東南アジア、中南米の小さな国からの参加選手に親しみを持ち、応援もした。 開催中のパラリンピックは、障害者アスリートたちが、持てる能力と存在のたくましさ、すばらしさを主張して、参加している。しかし、日本のメディアは、相変わらず、日本選手の金メダルだけに集中するのだろうか? 日本の品格が問われている。(地図好きの土浦人)

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