月曜日, 4月 6, 2026

【茨城国体】水球女子 石川に不覚、決勝逃す

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の水球競技は3日目の15日、土浦市の県立土浦二高プールで少年男子の準々決勝と準決勝、女子の準決勝が行われた。女子の茨城県チームは石川県と対戦、前半リードするも後半追い上げられ、8-9の1点差で逆転負けを喫した。大会最終日の16日は3位決定戦で山形県と戦う。 試合は、前日とは打って変わってロースコアの展開となった。序盤からシュートは打てるものの、枠に弾かれることが多く、なかなかゴールが生まれない。1-1で第1ピリオドを終え、第2ピリオドには栗原舞の右サイド深くからの2ゴールと、野呂美咲季のペナルティーゴールを含む2得点で優位に立ち、第3ピリオドには最大4点のリードを作るが、その後の展開がよくなかった。 「4点差のままなら大丈夫だったが、わざわざ難しい攻撃をして、残り2分で2失点してしまった。ドライブからの速いパスを失敗し、ターンオーバーからカウンターでつながれてしまった」と、木村文明監督は沈痛な表情。第4ピリオドに入っても悪い流れは続く。石川に先に2得点を許し、ついに同点。茨城は野呂のゴールで一度は勝ち越すが、さらに2点を奪われ逆転を許す。野呂は試合終了間際にもシュートを放つが、この不屈の精神も実らず、敗退が決まった。 「最後のシュートを自分が決めていれば流れが変わると思ったが、決められなかった。今日はうまくいかない部分が多く、いつもはしないミスや連携の悪さなどが出て、最後まで修正できなかった」と野呂。「後半追い付かれそうになってあわてた感じもあった。基本的に我慢が必要なゲームだった」と池田茉里主将。後半は風下のサイドに立ち、相手がループ気味に放ったシュートが風で伸びて入るという不運もあった。また、この試合はファウルの多さが目立ち、相手とのコンタクトプレーを避けるため、シュートを打ち急いだ部分もあったかもしれない。 3位決定戦に向けて、野呂は「明日(16日)は切り替えて、最初から最後までしっかりと自分たちの水球を貫きたい」と、池田は「どのチームが来ても今日と同じくらい拮抗した試合になる。冷静にしかし気持ちは熱く、1点1点しっかりと取ってメダルを手にしたい」と、それぞれ精一杯の気持ちで前を向く。

【どう考える?免許返納】4 もう年だからにノー 運転は死活問題

【橋立多美】「高齢者は運転免許を返納すべき」の風潮はおかしいと話す人がいる。自家用車に頼らざるを得ない地域の高齢者は、返納したら生活が成り立たなくなると訴える人もいる。切実な声や地域の状況に耳を傾けた。 高齢者をひとくくりにした自主返納の動きに「待った」をかけるのは、つくば市南部に位置する住宅団地あしび野に住む稲川誠一さん(75)。茎崎地区民生委員の傍ら「通学路の安全を守る会」の代表で、市立茎崎第二小学校に通学する児童たちの登下校を見守っている。 「運転能力は年齢差ではなく個人差だと思う。そこに目を向けず、もう年だから返納したほうがいいという動きや、75歳以上の高齢者を対象にした認知機能検査で片づけようとするのは納得がいかない。実際の運転技能で判断してもらいたい」 同会の会員で富士見台在住の中村房好さん(67)は「認知機能検査の効果はどうなのか。認知症になった高齢者が免許を返納したことを忘れて無免許で運転したり、車で徘徊(はいかい)する例もあると聞く」と疑問をぶつけた。 自転車切り替えにもリスク 井上文治さん(70)も富士見台在住の会員。井上さんは「牛久沼に突き出た稲敷台地に広がる富士見台やあしび野には、これまでバスが走っていなかった。市の新規路線バス実証実験で4月から1日8便が牛久駅まで運行しているが、実証実験が終わる3年後は分からない」と不安げ。「この辺りでは体を壊さなければ80歳を過ぎても運転するのは珍しくない。自主返納は公共交通が充実している都市部の場合で、代わりとなる生活の足のない地域の高齢者は車がなかったらどうやって生きていけばいいのか」と話した。 交通事故を心配する息子や娘に「買い物は一緒に行くから」と返納を促されるケースが多くなったと稲川さんは言う。しかし返納後は若い世代だけで出かけて高齢者は取り残される。それを予測するのか、かたくなに免許を手放さない人がいるとも。 稲川さんの気がかりは移動手段を自転車に切り替えた人だ。バランスを崩しやすく、側溝に落ちてけがをした人が少なからずいる。同地区細見の70歳の男性は「家族は本人のために免許返納と言うが、替わりの自転車はフラフラして車の運転より危ない。転倒して下手すりゃ骨折して寝たきりになる」。 ◇ ◇ ◇ 県内の交通事故死者数は2018年 122人で、前年から21人減じた。うち65歳以上の高齢者が65人(前年80人)で、死者全体の過半数を占める。内訳は歩行者が最も多く44%の29人(横断が19人、その他が10人)、前年は36人(横断中27人)だった。次いで四輪車運転18人(前年19人)、自転車11人(同13人)、四輪車同乗4人(同8人)、二輪車運転3人(同3人)の順で推移した(県警「いばらきの交通事故」2017年版・18年版)。 歩いての道路横断や、気軽に乗れる自転車にも事故の危険やリスクは潜んでいる。県警はドライバーに高齢者の自転車利用者を見かけたら、思わぬ動きに対応できる速度で走行するよう呼び掛けている。 つくば中央警察署交通課によれば、市内で65歳以上の高齢者による自転車事故は一昨年10件、昨年は14件、今年は7月末までで6件。死亡事故はゼロで件数は増えていないが、免許返納に合わせて増加する懸念はあるという。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【茨城国体】水球女子、予選全勝で準決勝へ

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の水球競技は2日目の14日、土浦市の県立土浦二高プールで女子の予選リーグが行われた。茨城県チームは第1試合で鳥取県に31-1、第2試合で鹿児島県に15-5で勝ち、通算成績2勝で予選Bリーグを勝ち抜けた。15日の準決勝でAリーグ首位の石川県と決勝進出を懸けて戦う。 茨城は第1試合、高校生主体の鳥取を相手に31-1と圧勝。GK以外の登録選手全員が得点を記録し、最高の立ち上がりとなった。「安易にファールせず、相手にとって攻めづらい状況を作り、パスミスを誘うディフェンスができた」と木村文明監督。攻撃に転じたときも、パスカットのタイミングで選手が一斉にゴール前へ迫るスピードと泳力、遠い距離でもボールを水に落とさず選手の手から手へスピーディーに渡るパス回しなど、優勝候補の実力を存分に発揮。「最初は緊張したが、水に入ったら全員がいつも通り生き生きとプレーできた。ノーマークを作り、きっちりと決めて高得点につながった」と主将の池田茉里(ジョイフルアスレティッククラブ)。 第2試合の相手の鹿児島は、日本代表のポイントゲッター有馬優美がいる難敵。個々の選手もパワーやテクニックに優れ、ここを乗り切ることが予選突破のカギになると見られた。茨城は立ち上がりからタイトなマンツーマンディフェンスを敷き、相手の前線の動きを封じて、失点を最小限に抑える。試合を通して失ったのはわずか5点だが、そのうち4点は有馬によるもの。今回のチームではセンターバックとして自陣ゴール前に構えていたが、機を見て切り込んできては得点を重ねられた。主に攻め込んだときに有馬と対面した齊藤葵(筑波大院)は「何でもできる印象。体が大きくパワーがあるので、つかまれないよう間合いを取り、先に動くことを意識した」と感想を話す。 齊藤は第1試合で6点、第2試合でも5点を奪い、この日の最多得点者。基本的に左サイドのトップ下を務める。「右利きの左サイドなので得点を狙いやすい。シュートは得意ではないがGKをしっかり見て、相手が飛ばない方のコースへ打つことを心掛けている」という。翌日の試合に向けては「優勝のために大事な一戦。チームとしてプレスのディフェンスで失点しないことを意識し、自分は1対1の仕掛けや得点で貢献したい。チームの勝利が第一なので勝つために最適なプレーを自分で選んでいきたい」と意気込んだ。

なぜ秋の開催なのか 「土浦の花火」を博物館が解説する

【相澤冬樹】「秋の夜空を彩る花火――土浦全国花火競技大会の歴史」展が14日、土浦市立博物館(同市中央、糸賀茂男館長)で始まった。88回目となる同大会の開催を10月26日に控えて、「土浦の花火」は、なぜ夏ではなく秋に行われるのか、歴史的にたどる企画意図で構成された。会期は11月10日まで。 テーマ展となる今回は1階の展示室を中心にした開催。一発勝負で夜空に大輪の花を咲かす10号玉(尺玉)とその断面を示す模造品、業者提供の打上筒などを並べた。第2回大会のプログラムはじめ、古いパンフレットやポスターなども展示された。 花火大会の第1回は1925(大正14)年、9月5、6日に、霞ケ浦湖畔を会場に行われている。市内の神龍寺住職、秋元梅峯師が組織した大日本仏教護国団の主催で、22年、阿見村(現在の阿見町)に開設された霞ケ浦海軍航空隊の殉職者の慰霊などを目的にしていた。当時、秋元師がお手本にしたのは、17年から9月に笠間市で開かれていた笠間稲荷神社全国煙火競技会で、同大会との競合を避けるため第2回大会以降、開催時期を10月にずらしたということだ。 以来、秋の収穫を終えた時期の恒例行事となり、夏場に全国の花火大会を回った花火師が一堂に会し、技術を競う競技大会として定着したのである。土浦の花火は10月最初の土曜日開催が通例となったが、今回は「いきいき茨城ゆめ国体」の会期と重なるため、10月26日開催に調整された。歴史的にみると、戦後最も遅い日程となる。同館は大会当日を無料開館日に設定した(11月3日も)。 会期中、10月5日と14日に秋元梅峯師の足跡を神龍寺に訪ねる「歴史散歩」、10月26日にミュージアムシアター「土浦の二つの花火」、11月3日に県立土浦二高茶道部による呈茶「花火によせた茶会」などのイベントも開催される。 ◆テーマ展「秋の夜空を彩る花火――土浦全国花火競技大会の歴史」▽会期:9月14日(土)から11月10日(日)まで(毎週月曜日休館=国民の祝日の場合は翌火曜日が休館)▽開館時間:午前9時~午後4時30分▽入館料:(一般)105円、小中高生50円▽問い合わせ:同博物館(電話029-824-2928) ◆第88回土浦全国花火競技大会 詳細は土浦市役所商工観光課内の実行委員会事務局(電話029-826-1111)まで。公式ホームページはこちら

【どう考える?免許返納】3 同乗させない、遠方に行かない…土浦の母がルール作り

【戸田さつき】今年4月、東京・東池袋で起きた高齢者の多重衝突事故から、「高齢者は運転免許返納を」と機運が一気に高まった。車社会であるつくば、土浦エリアの住民にとって、代替の公共交通や支援など問題は山積している。 シニア世代を親に持つ子ども世代の私(40)は、不安に駆られ「家族への説得」を試みた。その中で、私の母(76)が取り組んできた「運転のルールづくりと暮らし方」を事例として紹介したい。 母は土浦市で1人暮らし。最寄りのバス停は約2キロ先で、たどり着くまで長い坂道がある。スーパーやドラッグストアがあるのはバス路線がない場所で3キロ先である。公共交通機関を活用して生活必需品の買い出しは難しい。 こうした環境の中で母の免許返納は可能なのだろうか?と思いながらも、池袋の事故後、母に免許返納の話を持ち掛けた。 まず母から、家族同士の確執が話題に上った。母の友人らは、子供たちから免許返納を迫られるも、代わりの交通手段がなく、けんかになってしまうのだという。母の友人には免許返納を決意した友人もいたが「タクシー代分の生活費を援助する」と言われたケースだったという。結局は子供のサポートや財力が鍵という話の流れになり、娘の私は言葉に詰まる。 私は、12キロ離れた阿見町に住んでいる。母も私も引っ越しは難しい。仕事があるから週に1度、会いに行くのが限界である。日々、母の足代わりになることはできない。 そこで免許返納に向けて少しずつ暮らし方を考えてみてはどうかと母に提案した。今すぐ免許返納はできなくても、周囲の人を巻き込まない工夫はできる。 理由を説明し周囲も理解 しばらくして、母から返ってきた答えの一つが「自分以外を同乗させない」だ。これまでは友人や姉妹たちを車に同乗させて、買い物や食事に行っていた。周囲からも頼りにされていたのだろう。しかし、事故のニュースを受けて、もし運転トラブルを起こしてしまったとき、巻き込んではいけないと思うようになったという。周囲に誤解を招かないように母は、友人らの家族と一緒に、もう車に乗せてあげられない理由を説明する機会を設けた。同乗すれば、おしゃべりに花が咲くが、一人なら運転に集中できるメリットもある。安全運転のためでもあると周囲は理解してくれた。 もう一つ、母が考えたルールが、遠方や初めて行く場所は自分の運転では行かないというもの。これまでは運転が趣味と言わんばかりに30キロ以上離れた野菜直売所まで買い物に行っていた。今は、片道10キロまでにおさめている。どうしてもそれより遠い場所に行きたいときは、事前に娘である私に相談すると母は決めたそうだ。最近、「連れてってほしい」という私へのリクエストが増えている。疲れている時間帯は運転をしないというルールも母はつくった。午前中のうちに用事を済ませ、午後は疲れを癒すようにしている。 母と話してみて、運転の不安を抱えているのは、運転する本人であることに気づいた。「免許返納を」と頭ごなしに説得しようとしていたことが申し訳なく思えた。 母にとって、マイカーを失う不安は生活の糧を失う不安と同意義であった。どうやったら運転の頻度や距離を段階的に縮めていくかを一緒に考えて行くことが、高齢者にとって必要なことなのではなかろうか。しばらくは車に運転補助のパーツを取り付け、母の主治医に健康相談したり意見を聞きながら、母のマイカーライフを見守りたい。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【茨城国体】水球少年男子 岐阜に初戦敗退も一矢報いる 土浦

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」(9月28日~10月8日)の会期前実施競技として13日、水球が土浦市の県立土浦二高プールで始まった。初日は少年男子のトーナメント1回戦が行われ、茨城県チームは岐阜県チームと対戦した。1-11で敗れ準々決勝進出を逃した。 県内で水球部がある高校は土浦二高(土浦市)、並木中等(つくば市)、水城(水戸市)の3校のみ。今大会には土浦二、並木、霞ケ浦スイミングクラブ(土浦市)のメンバーが選抜チームを組んで出場した。普段から合同練習をしている仲の良さに加え、夏休み中の厳しい練習でチームプレーを磨いてきた。ホームプールは大会会場でもある土浦二高。「本番では立派な観客席が設営され、大勢の観客が来てくれてめちゃくちゃ盛り上がった」と、主将の岡哲也(土浦二3年)。 対戦相手はユース日本代表もいる強豪・岐阜。「1対1では劣る相手にチーム全体で守り、カウンターで勝機を作る」と、岩佐弘之監督は狙いを語る。序盤はその守備が機能した。シュートは打たれながらもゴール前をしっかりと封じ、狙い通りのロースコアの試合に持ち込む。だが攻撃の部分では緊張もあり、仕掛けきれずシュートを打ちそびれる場面もあった。 第1ピリオド終盤に先制を許すと、第2ピリオド以降は徐々に点差を広げられ、後半には地力の差が出て突き放された。だが第4ピリオド、茨城がついに念願の初得点を挙げる。右サイドの岡が起点となり、左サイドの安田龍志(土浦工3年)を経て、中央の佐藤直輝(土浦二3年)へ。 これは練習でもずっと磨いてきた形。安田がシュートを打つと見せかけてパスを出し、相手GKが釣られたところを佐藤が決める。狙ったのはわずかに空いたゴール左下。「めちゃくちゃ強い相手だったが、このときは強いと感じず、思いきり腕を振り抜いた。地元開催なので絶対に1点は取ろうと思っていた」と佐藤。 チームは惜しくも敗れたが、全国を目指した経験は次にも生かされる。「来年は後輩が後を引き継ぎ、自分たちの悔しさを晴らしてくれればいい」と岡。「夏のつらい練習をみんなで乗り越えてきた。この経験を思い出して今後の活力にしたい」と佐藤は話した。

広域レンタサイクル割引中 茨城国体に合わせ 9-10月

【山崎実】9月28日からの茨城国体と、10月12日からの障害者スポーツ大会開催に合わせて、「つくば霞ケ浦りんりんロード利用促進協議会」(会長・大井川和彦知事)は、9、10月の平日限定で、広域レンタサイクルの利用料金割引を行っている。 県外からたくさんの来場者が見込まれることから、国体開催に合わせて茨城県の魅力を多くの人に体感してもらおうと実施する。県内・県外を問わず割引を利用できる。 実施期間は、9月2日から10月31日までの平日で、利用時間は午前9時~午後4時。車種別の通常料金と割引後の料金は次の通り。 クロスバイク1500円→1000円▽ミニベロ1500円→1000円▽ロードバイク2000円→1500円▽Eバイク(電動アシスト付きクロスバイク)3000円→2500円▽タンデム自転車4000円→3500円。 10月からは広域レンタサイクルの貸出拠点施設として新たに鹿島セントラルホテル(神栖市大野原、電話0299-95-5511)が追加され、合計11カ所での貸出・返却が可能になる。 レンタサイクルの予約は、利用日の3日前までにラクスマリーナに電話(029-822-2437)またはファックス(029-826-2839)またはメール(rental-bicycle@ibaraki-cycletourism.com)で予約する。問い合わせはラクスマリーナ(電話029-822-2437)。 ➡つくば霞ケ浦りんりんロードに関する過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】2 家族の運転に依存する生活にストレス つくばの返納者

【橋立多美】現在の高齢者は自動車が大衆化し、遊びや買い物にマイカーの恩恵を受けてきた世代。それを絶たれると生活はどうなるか。返納した当事者たちに話を聞いた。 つくば市茎崎地区の森の里は住民の約半数を高齢者が占め、最近は自宅の駐車スペースに車がない家が多くなったという。 森の里の福本稔さん(81)は今年1月15日に運転免許を返納した。80歳になった頃から視野が狭くなったと感じたり、よく知っている道でも迷うようになった。運転に不安を覚えるようになり、5歳年下の妻の「80歳過ぎたし、そろそろ運転は止めたら」の言葉が背中を押した。 琴の講師の妻は指導のために車を運転し、買い物などに不便はない。夫の稔さんに進言したように「今はまだぼんやりだけど、私も80歳で運転免許を返納すると思う」と話す。「森の里は牛久駅とつくばセンター行きのバスはあるし、生活するには困らない」とも。 楽しみが一つ減った レストランや映画館が併設されたショッピングモールに行けなくなったと話すのは同団地の村上琢磨さん(83)。一時停止違反をきっかけに昨年4月免許を返納して車を手放した。 高齢ドライバーによる悲惨な事故のニュースを見て「自分はいつまで運転できるか」と迷っていた時期に、取り締まりを受けて反則金を払った。いつも交通ルールを守っていただけにショックを受け、気持ちの整理がついたという。 「(自宅近くに)スーパーの移動販売車が来るし市内に住む息子が食材を届けてくれる。妻の通院は路線バスで牛久駅まで行き、駅から病院の巡回バスを利用している」。そして「困ってはいないが」と前置きした上で「運転していた頃はドア・ツー・ドアでショッピングモールに行ったが、今はバスを乗り継ぐしかない。楽しみが1つなくなった」と村上さんは話した。 夫の都合に左右 判断力が鈍りこのまま運転を続けては危険だと、2年前に自主返納した76歳の女性は、夫の運転に依存する生活にストレスを抱えることになった。 外出は2歳上の夫が運転するマイカーを当てにしていたが、あらかじめ約束を取り付けておいても夫の都合で左右される。夫は交友関係が広く不意に訪問客があれば時間が押され、「今日は無理、明日だ」とキャンセルされることも少なくない。 次第に買いだめするようになり、冷凍室は肉と魚のストックで常にパンパン。洋服選びは「まだかい」と催促されてゆっくり楽しむ時間はない。腰痛対策のプール通いも足が遠のいた。 便利さと事故を起こすかもという不安をはかりにかけ、人様を傷つけるほうが重いと判断したから仕方ないと言いつつ、「返さなきゃ良かったと思う時がある」と漏らす。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

洋服もリサイクル! 14~16日回収キャンペーン あみアウトレット

【山崎実】あみプレミアム・アウトレット(阿見町)は14日から16日までの3日間、「衣料品回収キャンペーン Recycling(リサイクリング)!!」を開催する。 衣料品を始め、様々なものをリサイクルする仕組みをつくるベンチャー企業、日本環境設計(東京都千代田区)などが取り組むプロジェクト「BRING(ブリング)」に初参加し、キャンペーンを実施する。 「BRING」は、不要になった衣料品を顧客から回収し、服の原料などになる再生ポリエステル樹脂や自動車内装材などにリサイクルすることで、石油資源の使用削減や焼却処分に関わる二酸化炭素排出量の削減など、環境負荷の軽減に貢献する。 国内では、不要衣料品が年間100万トン以上廃棄され、その9割はごみとして焼却されている。この点に注目し”もったいない”精神で地球の資源に戻し、循環型社会の形成に貢献したいと今回企画した。 開催期間は、14日(土)~16日(月・祝)までの午前10時から午後6時まで。回収場所はあみプレミアム・アウトレットのフードギャラリー前。顧客は不要衣料品を同特設カウンターに届ける。1回に付き1人5点まで。同店以外で購入した衣料品でも受け付ける。ただし靴下、下着、革小物、手袋、帽子などは受け付けない。 期間中、衣料品1アイテムごとにアウトレット内の協力店舗で利用できる「10%OFFチケット」(税込み5400円以上買い物をした場合、飲食店特典は一部異なる)が1枚プレゼントされる。 同アウトレットは「資源循環の実現に参加しながら、お客様はお得なショッピングができるリサイクル活動」と、意義を強調している。

【どう考える?免許返納】1 返納した私 つくば市内で引っ越し 不便さ実感しつつ安堵

【橋立多美】NEWSつくば記者の私は2017年12月、68歳で車を手放した。記者にとって取材は原稿書きの根幹で、車は取材と生活に欠かせぬ大切な足だが、60代の半ばから運転中にヒヤッとすることが多くなった。 ある日、スーパーに入ろうと走行する道路を左折して駐車場に乗り入れようとした時、左手から来ていた自転車を見落とし衝突寸前で急ブレーキを踏んだ。幸い自転車に乗っていた女子中学生にけがはなかった。 運転に必要な判断力と反射神経の衰えを自覚するようになったことで自主返納を考え始めた。返納したら仕事と日々の生活に影響が出るが、受け入れるという覚悟もできた。少しでも暮らしをカバーできるよう路線バスの停留所に近いつくば市内の住宅地に引っ越し、仕事も区切りをつけようと思った。 計画通りに引っ越しを終えて車を手放したが、やり残した仕事にケリをつけて退くつもりが未練がましく今も取材を続けている。移動手段はバスと自らの足だ。 そもそも私は車の運転が好きでも、得意でもなかった。ではなぜ運転したかと問われれば、2人の子どもとの生活の糧を稼ぐために必要だったからだ。大黒柱の私が交通事故を起こしたら、金銭的に窮地に追い込まれるという思いをずっと抱いていた。 子ども2人は独立し、私なりに親の役目は果たした。公共交通網が十分でない地方では自主返納になかなか踏み切れないが、すんなり返納できたのは、安全運転への重責から解放されたいという意識が働いたと今になって思う。 月3万円が5000円に 車を手放して良かったと思う事が2つある。1つは歩行スピードが速まったこと。ハンドルを握らなくなった直後、街中で私より年上の女性に先を越されてショックを受けた。それからは歩行姿勢に注意して歩く距離を伸ばすことを心掛けている。私の場合、車に乗り続けていたら歩行機能の衰えはもっと進んでいた可能性が高い。 もう1つが車の維持費がかからなくなったことだ。車に乗っていた頃は車検費用や保険、税金、駐車場代、ガソリン代などで年間約36万円。月割りすると約3万円かかっていた。 今は行き先によって路線バスか市のコミュニティバス「つくバス」を利用。つくバスは高齢者運賃割引証の提示で運賃が半額になる制度を活用している。交通系ICカードに月5000円チャージすれば事足りている。 良いことばかりではない。公共交通が市内全域を網羅できるはずもなく、おのずと行動範囲が狭くなった上に取材に時間がかかる。「老い」に伴う不便さを実感しつつ、交通事故の加害者にはならないことに安堵(あんど)しながら毎日を送っている。 ◇   ◇   ◇ NEWSつくば編集部は8月「あなたはどう考える? 高齢ドライバーの免許返納」と題して、シニアの運転免許証の自主返納についてツイッターなどで読者の皆さんの意見を募集しました=8月9日付。 自主返納については世論が分れるところですが、当事者や老親の運転に不安を持つ娘や息子などの思いを我が身に引き寄せて考えてみよう―という企画です。 ツイッターで募集した免許返納に対する意識の集計と、加齢に伴う身体機能の変化を自覚して免許を返納した人、返納することによるリスク、暴走事故を未然に防ぐための装置の研究など、つくば・土浦エリアの高齢ドライバーを取り巻く状況をシリーズで報告します。

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