土曜日, 4月 4, 2026

上郷高校跡地に陸上競技場整備へ つくば市 旧筑波西中に私立通信制高校

【鈴木宏子】住民投票で白紙撤回となった総合運動公園に代わって、陸上競技場の整備を検討している=2018年12月18日付=つくば市は9日、設置場所について県立上郷高校跡地(同市上郷)が総合的に最も評価が高いとする調査結果をまとめ、同日開いた市議会全員協議会に報告した。市内の廃校11校を対象に調査した。一方、市立筑波西中学校跡地(同市作谷)には、県外の私立学校が2021年4月開校を目指して広域通信制高校の開設を検討しているという。 陸上競技場は、8レーンの400メートルトラックと、内側にサッカーなどに使用できる人工芝のフィールドを整備する。観客席は1000席程度のメーンスタンドと、1000席程度の芝スタンドを設け、190台程度の駐車場を設けることを想定している。中止となった総合運動公園計画では地方の主要な大会が開催できる2種公認の競技場を整備するとしていたが、今回は中学生の記録会など市内大会が開催できる4種公認とする。ただし施設規模は8レーンを設けるなど3種公認相当にするという。 秀峰筑波義務学校の開設などに伴って廃校となった筑波地区の10校と上郷高校の計11校の跡地を比較検討した。上郷高校は、現在ある校舎を取り壊さず、運動場に競技場を整備できるためコストが抑えられること、隣接の農地を組み入れて拡張すれば200台程度の駐車場を確保できることなどから高い評価を得た。 一方、調査対象は11カ所のみで、同市大穂の旧総合運動公園用地は検討対象にしなかった。五十嵐市長は「(総合運動公園用地の一部に陸上競技場を整備するという)制限をつけると全体利用が難しくなるため」と説明している。旧総合運動公園用地は現在、購入を希望する民間業者からの事業提案を募集している=4月26日付、5月6日付。 陸上競技場整備に向けた今後のスケジュールは、今年度中に住民意見交換会などを開くほか、基本構想を策定する。10億円を超える事業費になることから、来年度以降、総合運動公園問題を教訓に策定された「大規模事業の進め方に関する基本方針」に従って、市民のニーズに即しているかや事業の効果、課題、影響、財政負担などを検証するという。建設費や整備時期などは現時点で未定。 市議からは「陸上競技場整備にはかなりのお金がかかる。つくば市は小中学校の過密化問題などがあり優先順位としてはどうなのか。総合運動公園用地を除いた理由についても市民に理解を得ることが必要」(山中真弓市議)、「(インフィールドの)サッカー場は人工芝ということだがつくば市は芝の産地。産地育成を図るために天然芝を十分に使うことが重要」(鈴木富士雄市議)などの意見が出た。 上郷高校は2011年3月末に廃校となり、12年に市が土地と建物を県から取得したが未利用のままとなっている。 年4500~6000人が宿泊し授業 筑波西中学校跡地への通信制高校新設は昨年、県外の学校法人から打診があったという。学校名などは現時点で明らかにできないとしているが、開校すれば、年1回5日間程度、150人から200人の生徒が市内に滞在しながら同校で授業を受ける。生徒は入れ替わりで延べ年30週程度来校し、7カ月半で年4500人から6000人の生徒が同校で授業を受けることが想定されているという。 市が校舎などを改修した上で、土地と建物を学校法人に賃貸借する予定。開校すれば、廃校となった筑波第1小学校跡地(同市筑波)に2008年に開校したつくば松実高校に次いで市内2カ所目の通信制高校となる。

リレー・フォー・ライフ・ジャパン茨城を引っ張る 現役医大生の田澤勝英さん 開催危機知り実行委員長志願

【高校生ライター・酒井明日香】がん患者を支援する「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2019茨城」が18、19日、つくば市学園南、研究学園駅前公園でチャリティーウオークイベントを開催する。主催は同イベント実行委員会。10周年を迎える今回は、土浦日本大学中等教育学校出身で現在、日本大学医学部2年の田澤勝英さん(20)が実行委員長を務め、大学生が中心となってイベントを引っ張る。後輩記者がお話を聞いた。 18、19日 つくばでイベント リレー・フォー・ライフ(RFL)は、がんの制圧、がん患者支援のためのボランティア機関で、世界24カ国で展開されている。RFL茨城は、年に一度チャリティーウオークイベントを行っている。患者さんを含めた参加者全員でたすきをつなぎ歩き切るリレーウオークを行うほか、ダンスや歌を楽しむステージイベント、フリーマーケットなどもある。 田澤さんは高校1年生の時、学校からのボランティア募集でRFLについて知り、活動に加わった。翌年以降も毎年RFLに参加している。前会長で現名誉実行委員長の宮本恭子さんから、「実行委員の人手不足で来年度からチャリティーウオークイベントの開催ができないかもしれない」と聞き、自分が力になれればと実行委員長に志願した。 毎年開催されるイベントは、がん患者にとって「来年も必ずここで会おう」と互いに約束し合いそれぞれの闘病生活に戻る場となっている。田澤さんは「来年のイベントに参加することを目標に生きようとする患者さんがいる。患者さんにとって必要不可欠なものになっている」と感じた。RFLイベントを生きがいにしている患者さんがいるということと、自分自身も毎年大切に参加していたので、どうしても開催させたかったというのが志願の理由だそうだ。 田澤さんが委員長になってからは大学などで実行委員やボランティアの参加を募り、大学生を中心としてRFLのイベント準備を行うようになった。医学部生だけに勉強との両立は容易でなく、周りから就任を止められたこともあったというが、その意思が揺らぐことはなかった。「自分から言い出し一度決めたことなので、本気で、全力でやり通すつもり」と話している。 患者さんから直接話を聞ける機会 田澤さんは将来、医師になって茨城県に戻り、社会貢献したいという夢を持っている。ボランティア活動の中で、患者さんから病院で嫌だった経験、うれしかった経験などの話を聞くという。患者さんの生の声を知ることで患者さんを一番に考えて行動できる医師になりたいそうだ。 田澤さんはこれから大学生が活動の中心となることで、TwitterなどのSNSを活かしてRLJの名を広めていきたいという。RFL活動は、参加した経験がある人以外にはあまり知られていない。そこでとりあえずたくさんの人の目に触れることで知名度を上げていきたいと考えているそうだ。「イベントに来たことがない人は一度でいいから参加してみてほしい。来てつまらなかったら30分で帰ってもいいし10分で帰ってもいいので一回足を運んでみてほしい」と語る。 18、19日のイベントではサバイバートークがあり、がんについて患者さんから生で話を聞くことができる。チャリティーイベントで集められた寄付金は、公益財団法人日本対がん協会を通じてがんの研究や治療や患者の支援のために使われる。記者もチャリティウォークに参加したことがあるが、会場にいるだけで人と触れ合える温かいイベントだ。(土浦日本大学中等教育学校5年) ➡リレーフォーライフジャパン茨城公式サイトはこちら ➡リレーフォーライフジャパン茨城 Twitterは → twitter.com/rfljibaraki ➡昨年の「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2018茨城」の記事はこちら

スイス女子陸上チーム 筑波大で事前合宿 横浜世界リレー出場へ

【鈴木宏子】筑波大学(つくば市天王台)で3日から、陸上競技のスイス女子リレーチームが大会前のトレーニングキャンプを張っている。来年の東京オリンピックで同大はスイスの事前キャンプ地になり、つくば市は同国のホストタウンになる。来年の本番を前に、スイスオリンピック協会と同大、つくば市、県の4者が昨年4月に締結した基本合意に基づいて初めて選手団を受け入れた。 チームは4×400メートルに出場するリレー選手6人と監督、コーチなど。9日までつくば市内のホテルに宿泊しながら同大陸上競技場などで調整を続け、11、12日に横浜で開催される「国際陸上競技連盟(JAAF)世界リレー2019横浜大会」に挑む。7日午前、同陸上競技場で公開練習が行われ、選手らは入念にストレッチをしたり、軽く走るなどして体を慣らした。 キャンプでは、同大の学生ボランティア11人が交代で選手らに付き添いサポートをしている。さらにスーパーカスミから食材の提供を受けて、同大体育科学系運動栄養学の学生らが、アスリートのための食事を手作りし、ふるまっているという。ホテルや移動手段の手配はつくば市が支援している。 7日、練習会場を訪れた同大の永田恭介学長は「大学には施設だけでなく、附属病院のスポーツ医学・健康科学センターや運動栄養を研究し食事をサポートするスタッフがそろっている。選手たちが本番で力を出せるよう支援していきたい。学生ボランティアにとっても世界トップレベルの選手の姿を間近で見ることができる機会になる」などと語り、五十嵐立青つくば市長は「選手が万全の状態で戦えるよう環境をつくっていきたい。いろいろな形の交流の機会が広がっていけば」と話した。 チームは現在、世界ランク26位(2018年)。横浜大会で10位以内に入り、さらに9、10月にドーハ(カタール)で開かれる世界陸上で8位以内に入れば、東京オリンピックの出場が決まるという。ピーター・ハース監督は「温かく迎えてくれ、数々のもてなしに感謝している。アスリートたちは来年の東京オリンピックを目指して頑張っている」などと語った。キャプテンのレア・スプンジャー選手は「チームはとてもいい雰囲気でコンディションもいい。スイスからの長いフライトから1、2日で体調を整えることができたのは温かい歓迎とサポートのおかげ。東京オリンピック出場を目指している。来年ここに戻ってきたい」と話していた。

霞ケ浦から2020年東京パラリンピックへ カヌー代表を目指す2選手

【田中めぐみ】パラリンピックのカヌー競技(パラカヌー)の普及や選手発掘、育成のための拠点となっている土浦市川口のヨットハーバー、ラクスマリーナで6日、「パラマウントチャレンジカヌー」イベントが開催され、2020年東京パラリンピックへの出場を目指す強化育成選手の小山真さん(38)と我妻進之さん(48)が参加した。 イベントは、水上のバリアフリーを体験して欲しいと日本障害者カヌー協会(東京都港区、吉田義朗会長)が一般向けに開いた。パラカヌーは2016年リオデジャネイロ大会からパラリンピックの正式競技に採用されている。 パラカヌーは、パドル(櫂)を使ってカヌーを漕ぎ、200メートルのタイムを競う短距離競争。公平に競うため、障がいの程度や運動機能によりL1からL3の3つのクラスに分けられている。小山さんと我妻さんは同じL3クラスの選手だ。 小山さんは10歳からカヌーを始め、昨年のパラカヌー海外派遣選手選考会で優勝。今年3月の同選考会2位入賞。昨年ラクスマリーナにパラカヌーの拠点ができてから、主に霞ケ浦で練習をしているという。 我妻さんは、元々はパラバドミントンの選手で、カヌーを始めて1年。東京パラリンピックへはカヌーとバドミントン2種目での出場を目指す。主に宮城県の鳴瀬川で練習しており、この日は同イベントのためにラクスマリーナを訪れた。「国内は天候が安定せず、風と波が立ってしまうと練習が難しい。天候が悪いと記録にも結び付かない」とカヌー競技の苦労を話す。 同種目の東京大会での出場枠等は未定だが、「クラスの同じライバル同士、お互いを沈めてしまいたい」と笑いながら冗談を言い合う2人。小山さんは「今年3月の大会で準優勝だったので、9月の日本パラカヌー選手権大会では必ず優勝してパラリンピック出場の枠を勝ち取りたい」と意気込みを語った。

「県民投票で判断を」 東海第2原発再稼働問題 市民団体がつくばで署名協力を呼び掛け

【鈴木宏子】日本原電が今年2月、再稼働を目指す方針を示した東海第2原発(東海村)について、県民投票を実施して再稼働の是非を判断するよう求める市民の取り組みが始まっている。6日つくば市で催されたのは市民団体「いばらき原発県民投票の会」(鵜沢恵一共同代表)による県内5カ所目の「県民投票カフェ」。県民投票を直接請求するため、まずは署名を集める受任者になってほしいと同会のメンバーらが呼び掛けた。12日には土浦市で6カ所目のカフェが開かれる。 つくばのカフェは、同市吾妻のつくばイノベーションプラザで開かれ、約60人が参加した。ひたちなか市在住の鵜沢共同代表のほか、世話人の北口ひとみつくば市議(つくば・市民ネット)、事務局の宇野信子同市議(同)らが、東海第2原発の現在の状況や再稼働の課題、県民投票の目的や方法などを説明した。 宇野市議は「直接請求の署名が集まっても、県議会を通ること自体、大変ハードルが高いと言われることが多いが、直接請求自体に大きな意味がある。多くの人が原発について考える機会になり、署名を通じて、政治を政治家に任せるのではなく、県民に政治のかじ取りを取り戻すことになる」などと話し理解を求めた。 受任者は「署名収集受任者」のこと、法定署名を自分でしたり、他の人から集めることができる人を指す。参加者からは「(東海村や常陸大宮市など)受任者がいない市町村がまだあるようだが、原発周辺市町村の住民(の動き)はどうなのか」「大井川知事は(県民投票について)どういう立場なのか」「直接請求には生年月日も書かなくてはならないが、自分の生年月日を知られたくない人はどうすればいいのか」などさまざまな質問が出て、世話人らが一つひとつ丁寧に答えていった。 県民投票に向けて同会は、有権者の50分の1以上の署名を集めて、知事に県民投票条例の制定を直接請求する計画だ。9月までに県内全体で約7000人の受任者を募り、今年秋に14万人以上の署名を集めることを目標に掲げる。つくば市の場合、525人以上の受任者を集めて約1万人以上の署名をとる、土浦市では340人以上の受任者で約6800人以上の署名を集めることが目標という。 県民投票カフェは9月までに県内全44市町村で開いて、受任者登録を呼び掛ける。北口市議は「幅広い人たちに参加を呼び掛けていきたい」と話す。

ブラブラ歩きで発見 古い城下町の新しい魅力 11日に第5回「つちうら亀の市」

【田中めぐみ】土浦の旧城下町の由緒ある史跡や老舗の魅力を再発見して欲しい――と「つちうら亀の市」が11日、土浦市中央の中城山不動院・琴平神社の参道・境内や、中城通り商店街で開催される。「亀の市」は2017年4月から年2回開催されており、今回で5回目。中城通り商店街にも開催エリアを拡大し、これまでで最も広い範囲での開催となるという。 土浦には旧跡や建物、伝統の技術や社寺の行事など、有形無形の貴重な歴史的文化遺産が数多く残っている。「亀の市」では、文化遺産を活かし「温故創新(古きをたずね、新しきを作る)」の理念のもと、リメーク、リユース、スローライフ、手作りといったキーワードに沿った出店やイベントを企画。毎回多くの人でにぎわい、好評を博しているという。 参道、境内から中城通りには30を超える出店が並ぶ予定で、古本屋アンティーク、古布バッグなどはじめとする手作り品や、有機野菜、スイーツや軽食、コーヒーなどを販売する。「双六(すごろく)商店街」というゲームも企画。サイコロを振り、会場エリアの商店や出店を双六形式で回るまち遊びゲームで、参加者にはもれなくプレゼントを用意している。 落語会「中城寄席」を初開催 不動院の階段には音楽ステージを設置し、和太鼓やお箏(こと)、二胡(にこ)、昭和歌謡やギターの弾き語りなどのコンサートが楽しめるという。 今回初のイベントとして、落語会「中城寄席」も開催。演じるのは三遊亭圓窓(えんそう)師匠の指導を受け、県内各地で活躍している社会人噺家(はなしか)グループで、古典から新作落語、手品など披露する。 つちうら亀の市実行委員のひとり、石原之壽(いしはらのことぶき)さんは会社勤めのかたわらちんどん屋の活動を始めて18年、壽ちんどん宣伝社座長の肩書きを持つ。笑顔のやり取りをしたいとこれまで病院などでボランティア活動を行ってきた。今回は「体験型の企画を多く用意している。親子3代で楽しめる内容なので、みんなで来て楽しんでほしい。土浦の歴史ある街でちんどん屋として笑顔を届けたい。『ツェッペリンが舞い降りた日』の紙芝居も披露する予定。漫画チックな絵柄の新しい紙芝居を楽しんでほしい」と話す。 同実行委員で、当日お箏のコンサートに出演する髙梨美香子さん(生田流筝曲家)は、お箏歴25年の演奏家。仕事のかたわらお箏の活動を行い、参道沿いにある井戸端庵2階で教室も開いているという。「目的を決めず、ぶらぶらするのも楽しいイベントになっている。お箏のコンサートでは新しい曲も披露する」と話した。 ◆つちうら亀の市 11日(土)午前9時~午後3時。雨天の場合は12日に順延。ただし落語会は雨天の場合も開催予定。当日は無料駐車場が会場周辺に用意される。問い合わせは「土浦界隈まちづくり研究会」伊藤春樹さん(電話090・4059・4860)

【シルバー団地の挑戦】16 「つながり結び直したい」 つくばのまぐろ自治会長インタビュー㊦

【橋立多美】シリーズ企画「シルバー団地の挑戦」の舞台、つくば市の森の里団地は、住民の2人に1人が高齢者で、運営を担っていた役員が高齢化し、役員のなり手不足にあえぐ。負担が大きい、活動がマンネリ化しているなどマイナス面を指摘する声もあるという。こうした中、自治会では、シニア世代が平穏な生活を送れるよう、高齢者の引きこもり防止や生活支援事業など高齢化対策事業を推進している。インタビュー2回目は、森の里自治会長の倉本茂樹さん(77)に今後の展望を聞いた。 ―高齢化が進み、近年、自治会ではどのようなことが課題になっていますか。 3年前から急に1人暮らしと認知症者を抱える世帯が多くなり、その対策が喫緊の課題です。1人暮らしで雨戸を閉めて引きこもっているというご近所からの通報や、認知症による徘徊で行方不明になり、警察と民生委員が捜索して保護されるなどの事態は毎月起きています。 私は自治会長のほかに、防災・防犯自警団の団長と市社会福祉協議会のふれあい相談員を兼務しており、1日に3回の巡回パトロール時に、1人暮らしや、同居の家族が仕事で昼間1人になる人に異変がないかなど、見守りをしています。ふれあい相談員には守秘義務があり、約60人の自警団員に個人情報は伝えませんが、さりげない見守り要員として活動してもらっています。力及ばず、私が自治会に関与してから孤独死が2件ありました。この方々は、戸が開かないことを不審に思った訪問介護員と近所の人の通報で発見されました。 ―さまざまな相談に応じて多忙な日々を送っておられますが、結局、だれかが奮闘しないと自治会は成り立たないというのが実情でしょうか。 私は自治会事務所のある森の里公会堂に毎日出向いています。私に付けられたあだ名が「まぐろ会長」。夜でも泳ぎ続ける回遊魚まぐろに例えたそうです。私が会長を7年続けているのは、故郷島根の恩師の教え「社会に貢献しなさい」が染みついているからでしょう。私で役に立つなら…と引き受けています。 高齢化が進む中で国は介護政策を施設から在宅へと転換しました。在宅介護が当たり前となり、高齢化率49.25(2018年の市行政区別人口統計)の森の里は要介護者が激増する可能性がある。家族に頼れない人が増える中、地域の助け合いが重要になります。その要になるのが自治会で、弱まりつつあるつながりを結び直すことが必要です。そのために、もう一肌脱ぐつもりです。 (シリーズ「シルバー団地の挑戦」終わり) ➡「シルバー団地の挑戦」の過去記事はこちら

【シルバー団地の挑戦】15 「マンネリで何が悪い」 つくばのまぐろ自治会長インタビュー㊤

【橋立多美】超高齢社会における自治会運営のあり方や存在意義とは何なのか。入居者が一斉に高齢化しているつくば市内最大の住宅団地「森の里」を舞台に2018年4月から1年間、自治会の動きを追ってきた。シリーズ企画「シルバー団地の挑戦」最終回にあたって、森の里自治会長の倉本茂樹さん(77)に2回にわたり、自治会運営の課題を聞いた。 ―役員のなり手不足が深刻と言われます。 1980年の自治会設立以来、会長と副会長5人は立候補制です。定員に達しない副会長や部長、会計などの役員は、各街区から選ばれる新しい街区委員の中から決めることになっていました。 私が初めて自治会に関わったのは定年退職後です。女房に代わり、初めて街区委員として新街区委員会に出席しました。しかし夜になっても終わらない。役を押し付け合っていたからです。私はこの席で副会長を引き受け、選挙管理規則を改正して新街区委員から役員を推薦してもらうようになりました。もちろん当事者に承諾をとります。 その後3年の副会長時代を経て、会長職7年目の今年は、60代の女性4人が副会長と部長を引き受けてくれました。白髪頭の会長に同情してくれたのでしょうか。役員がシニア世代の男性に偏ると、女性のニーズや声が反映しにくくなるので喜ばしいことです。 ―高齢を理由に自治会を退会する人が多いと聞きます。 99の街区が輪番制で街区委員を決め、広報紙の配布や回覧、会費徴収をしていますが、骨が折れるとか、病気がちであることを理由に自治会を辞めていく人がいます。徘徊など緊急時には自治会員の有無を問わず支援していますが、こうした人ほど地域とつながっていてほしいと思います。 今年度から街区委員の負担を減らすために、これまで3カ月分ごとの徴収だった会費を、半年または1年分まとめて納入できるようにしました。足腰が弱くなり子どもに数日に一度食料を運んでもらう世帯が増えています。一括で納めたら近所と顔を会わせることもなくなります。個人的には、1人暮らしの世帯には3カ月に一度は行って安否確認をしつつ世間話をしてほしいと思っています。 ―外出が難しくなった高齢者が自治会を退会する一方で、若い人たちは自治会に関心がないと聞きます。 自治会に対し、子育て中の若い世代を呼び込む取り組みをしたらどうかという意見がありますが、約3000人の住民中20~30代はわずか412人(14%)。若い世代は夫婦で仕事を持っている人がほとんどで、自治会には参加していない。呼び込むためのアイデアを出してくれても誰が担うのか、という問題があります。 現実として、自治会役員だけでは開催できない夏祭りなどの行事を、高齢者が多い自治会サークルが支えています。文化部に属するスポーツや趣味のクラブ員たちです。気持ちを一つにしたグループの力を借りないと新たな事業の永続性は望めない。行事がマンネリ化していると言う声もあるが「マンネリで何が悪い」という思いがあります。(続く) ➡「シルバー団地の挑戦」の過去記事はこちら

【直売所めぐり】6 タケノコ、ワラビ、ウド…春野菜が続々 JA水郷つくば「さんふれ霞ヶ浦店」

【田中めぐみ】丸い外観が特徴的なJA水郷つくば(本店土浦市)の直売所、サンフレッシュ霞ヶ浦店(かすみがうら市深谷)。朝8時、スタッフの酒井貴さん(65)が店を開けながら迎えてくれた。酒井さんは主に移動販売を担当し、かすみがうら地区の下大津、牛渡、佐賀、美並、安飾、志士庫のそれぞれの地域を隔週ごとに車で回り移動販売を行っている。元設計士、定年退職してからもう少し働きたいとJA直売所のスタッフとして再就職した。直売所で働いて4年。移動販売では主におやつのお菓子の売れ行きが好調で、お客さんは買い物を楽しみにしてくれているのがうれしいという。酒井さんのお勧めは今が旬の春野菜だ。 話していると「朝掘りのタケノコだよー」とたくさんのタケノコが運ばれてきた。「ああ、重い」。ずっしりとした大きなタケノコ。値段はなんと250円から400円ほどだ。「わあ、大きいね」「安いねえ」、スタッフやお客さんから次々に声が上がる。「あくはどうしたらいいの」、「ぬかをサービスで付けるよ」、「縦に切ると皮が向きやすいよ。味噌汁とてんぷらはあく抜きしなくてもいいよ」、「穂先が黄色いのがいいのよ」と生産者。直売所のスタッフ、お客さん、春の恵みを囲んでみんなが笑顔だ。 「ワラビもきたよー」と声が掛かり、見ると穂先のくるくるぴんとした新鮮なワラビ。この日はお客さんの試食会があるとのことで、「もっとワラビ持ってこないと売れちゃうよ」、「もっと持ってこようか」と生産者同士でやりとりする。ワラビの生産者小泉たか子さんのお勧めは、あく抜きしたワラビを3センチほどに切ってめんつゆに漬けた漬物風。粘りがあるのでニンジンやするめなどを合わせて松前漬けにするのもいいという。なるほど確かにおいしそうだ。 桜井信雄さんは葉玉ネギとニラの生産者。葉玉ネギも今が旬。短い時期だけ食べられる野菜だ。食べ方を聞くと「葉玉ネギは葉から玉ネギの部分まで全部食べられるよ。油味噌炒めがお勧め」と話してくれた。食べやすく切った葉玉ネギを油で炒め、砂糖、味噌、醤油などで味付けする調理法だそう。知らなかった。買って帰って作ってみたところ、これがおいしい。新玉ネギのみずみずしい甘みと青い葉のよい香りが、油と味噌によく合う。 カブを品出ししていたのは生産者の石島貞良さん(82)。「いいカブができたと思いますよ。ちょっと寒かったかなと思ったけど育ちがいい」と明るい笑顔がこぼれる。「生涯現役。毎日一生懸命働いて、また明日、また明日と一日一日頑張っています」 春野菜のコーナーをじっくり真剣に見ていた押野清さん(67)は家族のためにウドを買いに来たという。妻の好物だそうだ。「ここには週に1回ほど買い物に来る。葉っぱはてんぷらに、茎は酢味噌にするとおいしい。なんといっても新鮮なものがそろっています」と、話してくれた。 サンフレッシュ霞ヶ浦店 住所▽かすみがうら市深谷3467-4 電話▽029‐897-0682 営業時間▽午前9時~午後6時(4月~9月)、午前9時~午後5時30分(10月~3月) 定休日▽なし(お盆・年末年始は休み) ➡直売所めぐりの過去記事はこちら

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