水曜日, 8月 10, 2022
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つくばセンタービル -検索結果

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斎藤さだむさんのつくばセンタービル地肌空間など 3年ぶり「写真工房」写真展

つくば市を拠点に活動する写真サークル「写真工房」(太原雍彦会長)の「2022写真工房写真展vol.19+(プラス)」が、同市吾妻のつくば市民ギャラリーで開かれている。 顧問を務める同市在住の写真家、斎藤さだむさん(73)が、つくばセンタービル1階改修工事の過程で露わになった地肌空間を撮影した写真15点を展示するなど、会員ら11人が思い思いのテーマで撮影した写真計約110点が展示されている。新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった。 写真工房は、同市主催の写真講座に参加した有志が2002年に結成し、20年になる。会員は約15人で、毎月1回例会を開いているほか、年2回撮影会に出掛けるなどしている。 斎藤さんのつくばセンタービル地肌空間は「史(ふみ)のあかし」と題した作品だ。第3セクター「つくばまちなかデザイン」による改修過程で、骨組みの状態に戻ったつくばセンタービルの、曲線を描く天井のコンクリート地肌や、象形文字が記されているのかと見まごう太い円柱の柱の地肌などを撮影している。「地肌空間を行き来し、40年という時間に思いをはせながら撮影した」という。 写真工房の写真展の様子 会員の藤澤裕子さんは、自宅の庭に咲くヒルザキツキミソウの花や、セミの抜け殻、カブトムシの幼虫などを撮影し、写真を重ねたり、反転させたりした作品10点を展示している。「日常見る庭の植物や昆虫を、非日常的な植物や昆虫として作品化した」。

つくばセンタービルの改修について 藤岡洋保 東工大名誉教授

藤岡洋保・東京工業大学名誉教授   【寄稿・藤岡洋保】私は近代建築史の研究者で、長年にわたり近現代の歴史的建造物の保存を支援しつつ、その意義を考えてきた。 つくば市が計画した、「つくばセンタービル」(1983年竣工)の広場へのエスカレーター設置に対して、一部の市民が反対運動を組織し、人流のデータなどをもとに設置の必要がないことを指摘しつつ、それが実施されれば世界的建築家・磯崎新の作品の価値を損なうことになることをシンポジウムなどで訴え、市がそれを撤回したというニュースを最近耳にした。 この運動の前と後で、広場には何も変化が起きなかったことになるので一見ささやかなできごとだが、心ある市民の行動によってオリジナルの価値が守られたことは記憶されるべきだと思う。そして、この運動が、フェアなやり方で速やかに進められたことも注目される。建築の専門家ではない人たちが、広場をも含めた同ビルのデザインの価値を認識し、それを守ったことにも敬意を表したいし、その活動には研究学園都市ならではの民度の高さを感じる。 太平洋戦争後の名建築の保存・活用は、1990年代からはじまったといってよい。文化庁もそこに文化財的価値を認め、竣工後50年以上経った建物の有形文化財登録や重要文化財指定を進めている。かつて古社寺中心だった文化財指定の対象が広がったということであり、近現代の建物を生かしたユニークな環境形成が進められているということでもある。その近現代の建物の多くは、古建築よりも大規模で不特定多数の人が出入りするので、耐震性の確保や設備の更新、バリアフリーなどに対応しつつ、活用を図ることが求められる。

6つの機能で働く人を応援する「co-en」 つくばセンタービルに7日開業

つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻)の内山博文社長は6日記者会見を開き、つくばセンタービル1階東側に、働く人を応援する場「co-en(コーエン)」を7日開業すると発表した。つくばセンタービルのリニューアルの一環で実施した。 内山社長は、貸しオフィス、コワーキング(共同仕事場)、キッチン、イベント、ギャラリー、物販の6つの機能を備えるとし「つくばの中心部に多様性を享受できる場をつくりたい」などと話した。 あいさつするつくばまちなかデザインの内山博文社長 延床面積約2000平方メートルで、貸しオフィスは7区画、コワーキングスペース(約295平方メートル)50~60席、会議室5部屋、カフェ&バー(約60席)、シェアキッチンなどがある。 改修費は約3億2000万円。内山社長は「資材費の高騰で厳しかったとし、コストマネジメントの中で、小上がり(縁側)などは仮設性のものを設定した」とした。 当初「多様な働き方を支援する場」として目玉の一つだった子連れワーキングスペースは、事業者との調整を見直したことからオープンが遅れる。

つくばセンタービルの価値を紹介 市民団体が「謎解きツアー」

つくばセンタービル(つくば市吾妻)の7カ所を巡りながら、建築デザインの意味や価値について解説する現地ツアー「つくばセンタービル謎解きツアー」を、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が開いている。 昨年11月3日から毎月3回開催し、これまで延べ83人が参加した。1月16日に7回目が開かれ、11人が参加した。同会代表でNEWSつくばコラムニストの冠木新市さんがガイドを務める。冠木さんは、つくばに移り住んで以来30年にわたり、センタービルについて独自に研究してきたという。 つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計した。ポストモダン建築の代表作として世界的な評価を受けている。2020年、つくば市は同ビルにエスカレーターを設置するなどの改修計画を発表したが、専門家や同会から建築物の価値を喪失するなどの指摘を受け、昨年12月、当初の計画を大幅に見直した経緯がある。 冠木さんによると、センタービルの建設に当たり磯崎さんは1978年、日本住宅公団(現在はUR都市機構)が実施した設計者を選ぶプロポーザルコンペで、筑波研究学園都市を批判するレポートを書き、7つの性質をセンタービルに与えることを提案した。劇場性、胎内性、両義性、迷路性、寓意性、逸脱性、対立性の7つだ。磯崎さんはつくばセンタービルが起死回生の役割を果たす象徴的な建築となることを目指し、その中核として同ビル中心に、くぼ地となるセンター広場を造ったという。 センタービルの中心にあるセンター広場の床面は、ルネサンス期のイタリアの建築家ミケランジェロが設計したローマのカンピドリオ広場を引用するデザインとなっている。ツアーで冠木さんは「床面の模様がカンピドリオ広場を反転した色合いになっている」と解説する。広場には霞ケ浦や桜川を反転した形が水の流れでデザインされており、冠木さんは「この反転は現実と虚構、日常と非日常を意味しているのではないか」と参加者に問いを投げ掛ける。 続いて、センタービル正面玄関の柱に引用されている18世紀のフランスの建築家、ルドゥーのアル・ケ・スナン王立製塩所のこぎり歯のモチーフ、ホテル日航つくば1階に設置されている、米女優マリリン・モンローの体のカーブを表現したいす「モンローチェア」などを見て回った。

1/16,30 新春つくばセンタービル謎解きツアー

<新春つくばセンタービル謎解きツアー> ▽内容:隠された建築の謎を解きながらビルを回る ▽日時:第6回=1 月16日(日) 、第7回=同30日(日)、13時から約1時間 ▽定員:10人(小中高生大歓迎)、参加費無料 ▽予約:090-5579-5726 (冠木)

まちづくり会社3億円調達にメド つくばセンタービル オフィス改修継続へ

つくば市が出資するまちづくり会社、つくばまちなかデザイン(同市吾妻、内山博文社長)の資金調達問題(10月16日付)で、内山社長は17日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)に出席し、前日の16日にファンド(投資信託)から資金調達の承認を受けることができ、3億1600万円を調達できると報告した。 同社は10月に、つくばセンタービル1階内部のアイアイモール解体工事を始めた。一方、貸しオフィスに改修する工事費用は10月時点でまだ調達できておらず、「資金調達ができない限り、改修工事に着手しない」としていた。16日に調達できたことから工事を継続して改修を実施する。 内山社長の議会での説明によると、国交省の「老朽ストック活用リノベーション推進型まちづくり事業」を活用し、政府系金融機関の民間都市開発推進機構(民都機構)が約2億円、地域金融機関の常陽銀行が約1億円を出資して、投資事業有限責任組合という形態のファンドを設立する。ファンドは、まちなかデザインが発行予定の3億1600万円の劣後社債を引き受ける。NECキャピタルソリューションの100%出資会社、オハナパナ(OHANAPANA、東京都港区)がファンドを運営する。 年利3%の社債で、まちなかデザインは10年間で返済する。10年目の2031年は未返済の残り1億4600万円を借り換えて、32年以降は約3000万円ずつをさらに4年間で返済していくという。 市内の飲食店などと協働運営 一方、改修後の貸しオフィスなど「働く人を支援する場」は来年4月オープン予定で、運営について、カフェは飲食店「フィンラガン」(つくば市天久保、松島壮志さん経営)、子連れワーキングスペースはNPO子連れスタイル推進協会(同市梅園、光畑由佳代表)とそれぞれ協働運営するほか、コワーキングスペースでのイベントは、市内で同様の施設を運営するしびっくぱわー(同市天久保、堀下恭平社長)と協働運営するとした。(鈴木宏子)

エスカレーター取り止め つくばセンタービル 改修計画を大幅見直し

専門家や市民団体から見直しを求める要望が出ていた、つくば市によるつくばセンタービル(同市吾妻)の改修計画について、市は17日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)で、エスカレーターの設置を取り止めるなど当初の改修計画を大幅に見直すことを明らかにした。 建築デザイン残す形に 見直し計画は、エスカレーターの設置を取り止めるほか、センター広場を囲む外壁、ノバホールと小ホールの間の1階大通路、ノバホール西側の外階段をいずれも取り壊さず、現在の建築デザインをそのまま残す。センター広場の床にテントを固定する床穴を開ける計画も取り止める。 今回の見直しについて五十嵐立青市長は「市民、(市議会)特別委員会、利用者からの意見を反映し、意匠にさらなる配慮をした」などと話した。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計したポストモダン建築の代表作だと世界的に評価されていることから、建築意匠が専門の筑波大学、鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、五十嵐市長や小久保貴史市議会議長に対し、計画の見直しを求める要望書を2度、提出していた。

12/4-12つくばセンタービル謎解きツアー参加者募集

<つくばセンタービル謎解きツアー参加者募集> ▽内容:つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新さんのポストモダンの代表作として世界的に評価されている。センタービルに隠された建築の謎を解きながらビルを回る ▽日時(12月の日程) 第4回=12月4日(土)午後1時~ 第5回=12月12日(日)午後1時~ 時間はいずれも午後1時から約1時間 ▽参加費無料 ▽定員:10名、小中高生大歓迎 ▽要予約:090-5579-5726(冠木さん) 2022年1月以降は追って案内する。

11/3,13,23つくばセンタービル謎解きツアー

つくばセンタービル謎解きツアー つくばセンタービルに隠された建築の謎を解きながらビルを回る 第1回 11月3日(水・祝)13時~約1時間 第2回 11月13日(土)13時~約1時間 第3回 11月23日(火・祝)13時~約1時間 各回定員10人、要予約 参加費無料 申し込みは電話090ー5579-5726(冠木さん) 12月以降の予定は11月中旬に決定。

「資金調達 現在進めている」改修工事費用でまちづくり会社 つくばセンタービル

つくば市が出資するまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が18日から工事を実施すると告知しているつくばセンタービル1階アイアイモールの解体と改修工事のうち、貸しオフィスなどにするための改修工事資金について、同社が現在も、資金調達を進めている最中であることが15日分かった。 同日開催された市議会全員協議会で、まちなかデザインの小林遼平専務が「資金調達を現在進めている」と答弁した。改修工事費がいくらになるかや資金調達の見通しなどについて複数の議員から質問が出たが、小林専務は「この場ではお答えを控えさせていただきたい。細かいデータがないのでお答えできない」「金融機関と守秘義務契約を結んでいる」などと繰り返した。 同社の工事スケジュールによると、アイアイモールの解体工事を18日から12月半ばまで実施し、貸しオフィスなどに改修する工事を12月初めから来年3月末まで続けて実施するとしている。解体工事の費用については「(元の借り主の)筑波都市整備からいただく」という。 小林専務は「(18日から)解体工事に着手する。新設(改修)工事は着手してない」とし、改修工事は「資金調達ができない限り着手しない」「資金調達が決定したらつくば市と協議しながら報告したい」などと答弁した。 同社の現在の資本金は当初の想定より2900万円少ない1億2100円。一方、市は昨年12月と今年3月に市議会に示した資料で、初期投資として改修費などに約2億7300円かかるとする見通しを示している。同じ資料の事業収支見通しでは、資本金を2億万円とし7000万円を借り入れる収支計画を示している。新たな収支見通しに対する質問も出たが、小林専務の答弁はなかった。 議会や市民に説明なしに工事を拙速に進めないよう求める決議を臨時議会に提案する山中真弓市議(壇上)=同

1階アイアイモール解体・改修工事、18日着工 つくばセンタービル

まちづくり会社が貸しオフィスに つくばセンタービルのリニューアルの一環で、1階アイアイモールの解体と改修工事が18日着工する。つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が貸しオフィスなどに改修する。 解体と改修工事が実施されるのは1階アイアイモールの約2000平方メートル。1983年のつくばセンタービルオープン当初からあったレストラン街(飲食店は2018年6月に撤退)と廊下の一部は解体される。 まちなかデザインの小林遼平専務によると、改修後は、コワーキングスペース(共同オフィス)、カフェ、貸しオフィスなどとする。コワーキングスペースは個室、テレビ会議ブース、子連れで働ける場、会議室、イベントスペースなどを設け、登録会員のほか一時利用もできるようにする。カフェは朝から夜まで営業し、新規で飲食店を始めたい人のチャレンジショップやアンテナショップとしても利用できるシェアキッチンを設ける。オフィスのほぼ半分の約750平方メートルは9~10区画に区切り、地域の事業者やベンチャー企業などに賃貸する。オフィスは24時間利用できるようにし、運営については一部を業務委託することも検討している。 廊下の幅は、現在のレストラン街と比べオフィス面積を広げるため、狭くなる。現在と同様だれでも行き来でき、廊下の壁沿いに縁側のような長椅子を設置する予定だという。 一方、働き方を支援する場の整備計画約2500平方メートルのうち、残りの4階吾妻交流センター約500平方メートルの工事については、交流センターが1階に移転した後となる。

市長、磯崎さんに面会熱望「改修着手前に意向の確認を」 つくばセンタービル

つくば市によるつくばセンタービルのリニューアル計画について、五十嵐立青市長が「私どもは(設計者の)磯崎先生と直接お話している」「磯崎先生の意向は今後も大切にしながら計画を進めていきたい」と9月議会で答弁する一方、市担当課が答弁と同じ日に磯崎新事務所関係者に「市としてもつくば市のシンボルともいえるつくばセンタービルの改修工事に直接着手する前には、是非(磯崎)先生にお会いし、ご意向の確認をと、市長は熱望しております」とメールを送っていたことが情報開示請求で分かった。 市長が磯崎さんに面会を申し入れたメールは、今年8月と9月に計4回、担当課が送っている。磯崎事務所関係者からは現在までに「コロナの状況がますますひどくなっています」「ご報告に関しましては引き続きメール等で」などとする返信がきている。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんのポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。つくば市のリニューアル計画をめぐっては、建築意匠に詳しい筑波大学の鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、エスカレーター設置の見直しなど市のリニューアル計画の見直しを求め、建物や広場の輪郭は保持すべきだなどとする要望書を出している。 情報開示資料によると、市のリニューアル案に対し磯崎さんの意向が示されたのは、2020年12月の事務所からの「改修案への磯崎の意見は特にございません。最初に屋根を架ける案を聞いたときはぎょっとしましたが、見送りになって安心いたしました」とするメールのやりとりだけだった。 その際、市担当者が事務所関係者に示したメールの内容は「基本的に外観については既存のままとし、建物内部をリニューアルする予定ですが、1階と2階の動線を改善するために、センター広場にエスカレーターを2基設置するとともに、一部階段を拡幅したいと考えています。以前懸念をいただいていおりました屋根については、今回、見送ることといたしました」などリニューアルの方向性の資料で、リニューアルによって建物や広場の輪郭のどの部分を改変するかは、当時、磯崎さんに具体的に説明してなかった。 つくば市職員が磯崎さんと直接面会したのは2019年3月の1回のみだった。(鈴木宏子)

つくばセンタービルの保存すべき価値示す 市民団体が報告書作成

市のリニューアル計画に対峙 つくばセンタービルの価値はどこにあり、何を未来に残すべきなのかーつくば市がつくばセンタービルのリニューアル計画を進めようとしている中、見直しを求めている市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、「緊急討論!つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題した報告書(A4版、64ページ)を作成した。 6月27日に研究会が開催した「ーエスカレーターは必要か」と題したシンポジウムの講演や討議の内容、参加者から寄せられたアンケート結果などを掲載し、リニューアル計画の問題点やつくばセンタービルの何を保存すべきかを示している。 報告書で鵜沢隆筑波大学名誉教授はつくばセンタービルの価値について「センタービルと不可分な存在としてのセンター広場が最も特筆すべき点として世界的に評価されている」とし、さらに広場の特徴について「広場に行くことを目的とした人でないと通らない、動線的に全く分離された広場」と解説している、磯崎さんの設計意図については「1階の広場と2階のペデストリアンデッキとの間で交わされる視線の交差、視線を介したある種の劇場広場のようなものとして理解できる」とし、市によるセンター広場へのエスカレーター設置計画に対して「エスカレーターのような設備がつくことで解決できる問題ではない」と指摘している。 その上で「広場に降りる動機をつくりだす」ための活性化方法を提案し、「広場を活性化させる新たな主役は当然、市民」だとして、市民が提案し、つくば市やまちづくり会社が市民の提案を実践して、出来上がったものを市民が享受する仕組みづくりや、具体的なアイデアを提案している。 筑波大学の加藤研助教は、つくばセンタービル建築当時を振り返り、磯崎さんが筑波研究学園都市建設をどのように見て、つくばセンタービルがどうして現在の設計になったのかを解説している。

「建物の輪郭や広場の形状維持を」市民団体が再要望 つくばセンタービル

つくばセンタービルリニューアル計画について、つくば市が実施設計の入札を7日に予定している問題で、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)は3日、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長に、建築物の輪郭や中央広場の形状を維持し、改修は室内に限定するよう求める2度目の要望書を提出した。西側エスカレーターの設置見直しや中央広場を囲う一部の壁の撤去見直しなどを求めている。 市のリニューアル計画の主な内容は▽西側(クレオ側)にエスカレーターを新設する▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動拠点をつくる▽ノバホール西側外階段の半分をスロープにする―など。これまで市は、市議会の意見を受けて、北側(ホテル側)のエスカレーターについては設置を取り止めた。 これに対し要望書は、つくばセンタービルはプリツカー賞を受賞した磯崎新氏のポストモダン建築の代表作であり、築50年の2033年には登録文化財となることが間違いないのに、市のリニューアル計画では貴重な申請資格が失われることになりかねないとしている。その上で、建物の歴史的、文化的意義を尊重し、建物や広場の空間的な輪郭はそのまま保持して、リニューアルは室内改修に限定すべきだとしている。 具体的には、西側エスカレーターについて、2基の計画のうち北側の1基を市議会の決断で撤回したことは評価するが、西側(クレオ側)エスカレーターについても見直すよう求め、10メートルも離れてない位置に既存のエレベーターがあること、既存エレベーターを改修する方が安全でコストが安いこと、エスカレーター設置に伴う中央広場を囲う壁の改変や屋根の設置は広場の価値を損なうなどと指摘している。 市民活動拠点の整備については、中央広場を囲う壁の4分の1を撤去し、開閉式の透明なガラス扉に置き換える計画に対して、中央広場の特徴であるメタリックな正方形とガラス窓、ガラス扉のバランスで構成された空間構成を台無しにし、世界的に価値が認められた広場の形状を壊すとしている。 さらに市民活動拠点などを整備するに際し、1階室内の幅4メートルの廊下を2メートル以下に狭めたり、廊下をふさぐなどの計画に対して、1階からの中央広場へのアクセスが狭められ、機材の搬入や搬出がほとんど不可能となってしまい、つくば市がエスカレーターを設置する目的にしている中央広場の活性化の弊害になると指摘している。

改修へ設計を発注 つくばセンタービル 専門家懸念「文化財の資格手放す」

つくば市が計画しているつくばセンタービル(つくば駅前)のリニューアル事業について、同市は、改修に向けた実施設計の入札を9月7日に実施する。 センタービルは、プリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新さんが設計し、ポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。市の改修計画に対しては、市民団体から見直しを求める要望書が出され、専門家からも「大がかりな改修をしてしまうと登録文化財の資格すら手放すことになる」など懸念の声が出ている。 リニューアルに向けた実施設計の一般競争入札は、5日に市ホームページで告示された。開札は9月7日に実施する。予定価格は4742万円(消費税抜き)、設計書などの作成期間は来年3月まで。 エスカレーター2基を設置するなどのリニューアル計画のうち、センター広場北側(ホテル側)のエスカレーター1基とV字型階段の改修は、市議会の意見を受けて取り止める。(4月27日付 6月3日付 6月22日付) 一方、西側(クレオ側)のエスカレーターは当初の計画通り新設する。 リニューアル計画の主な内容は、ほかに▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動総合センターや交流センター、市民窓口をつくる▽ノバホール西側の外階段の半分をスロープにして土浦学園線から車両が出入りできるようにする▽現在の吾妻交流センターの内装を解体するーなど。

ナノスケールが魅せるアートな世界 20日からつくばセンタービルで展示イベント

つくば市は20日から、つくばセンター地区活性化協議会(茂木貴志会長)、つくばまちなかデザイン(内山博文社長)と共に、つくばセンタービル(同市吾妻)で「つくまちアート」を開催する。まちなかの公共空間を活用して、アートやサイエンスを感じてもらうための取り組みで、第1弾として物質・材料研究機構(NIMS)の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA、つくば市並木)によるマテリアルズナノアートの展示とイベントを行う。 会期は8月19日まで。展示会場はつくばセンタービル1階通路に設けられる。 マテリアルズナノアート(MA-NanoArt、マナノアート)は、電子顕微鏡などでしか見えないナノスケール(髪の毛の太さの10万分の1の大きさ)の物質が織りなす形象をとらえアート作品としたもの。WPI-MANAの研究者が普段見ている世界を切り取った。 電子顕微鏡は構造上、単色でしか観察できない装置だが、画像処理技術を駆使してカラー表示を実現している。そのビジュアルがおもしろく、作品として目にする機会が増えているそうだ。 深田直樹さん(MANA主任研究者)の作品はシリコン基板上に成長したゲルマニウムナノワイヤの走査型電子顕微鏡像で、タイトルは「花ひらく Efflorescence」。ナノワイヤと呼ばれる構造を基板垂直方向に一面に形成した際、試料を観察していて撮影できたという。 共に研究グループリーダーを務める川上亘作さん、ヒル・ジョナサンさんは、大豆成分からできた粒子の走査型電子顕微鏡像から「ナノ手毬(てまり)」、「ナノ花」を作品化した。

つくばセンタービルで「ダイ・ハード」 《映画探偵団》45

【コラム・冠木新市】ジョン・マクティアナン監督の「ダイ・ハード」(1988)が無性に見たくなった。ニューヨーク市警のマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、クリスマスにロサンゼルスの超高層ビルで働く妻のもとにやって来る。そこで左翼テロリストを装う強盗チームと遭遇し、妻と人質を助けるため、ビル内を這いずり回り、時々ぼやきながらも敵を1人ずつ倒していく。犯人の銃弾で粉々になった窓ガラスを裸足で踏み血だらけになったり、白のランニングシャツが黒くなるまでしぶとく戦う。 そして私は「ダイ・ハード」を見ると、なぜかジョン・フランケンハイマー監督の「大列車作戦」(1964)を思い出してしまう。 パリを占領していたナチスドイツが本国に撤退するにあたり、美術愛好家の将校が、美術館にあるルノワール、ゴーギヤン、ゴッホ、マネ、ピカソなどの名画を列車に積み持ち帰ろうとする。それをフランスの鉄道員ラビッシュ(バート・ランカスター)らは、「たかが絵を守るために」と一度は疑問に思うが、結局は「フランスの誇りのために」と命を賭け、取り戻す行動を開始する。仲間は倒されていくが、ラビッシュは油と汗まみれになりながらも最後まで戦い、絵を取り戻す。 「ダイ・ハード」と「大列車作戦」の主人公はよく似ている。 センター広場にエスカレーターは必要か 6月12日。つくばセンター研究会は講演&シンポジウムを27日に開催することを決めた。テーマは「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」。開催まで2週間しかない。翌日からゲストの交渉とチラシ制作(デザイン・三浦一憲、写真・斎藤さだむ)が始まる。 6月17日。1500枚のチラシが印刷所から届く。早速、メンバーに手分けして配布。 6月18日。私は市役所関係(秘書課、広報戦略課、都市計画課、文化芸術課、文化財課、生涯学習課)にチラシを配布。その後、つくばセンター地区活性化協議会関係者に配布しながら会話を交わし、数々の情報を得た。15時半、研究交流センター内の記者クラブで共同代表の三浦氏と会見(5社が集まる)。 6月19日。各地の地域交流センターを回り、チラシ配布。締めくくりは「まちなかデザイン」。専務に「ぜひ出席を」と参加要請した。 6月27日。台風の進路が変わり、雨の予報ははずれた。参加者は60名(市議8名、県議2名を含む)。エスカレーター賛成派にも呼び掛けたが、参加は少なかった。鵜沢隆先生の講演、加藤研先生と六角美瑠先生の話は好評だった。 参加者の発言から教えられたこともあった。「リニューアルのパブリックコメントは実施されていない」「昨年末のオープンハウスは途中で打ち切られた」などだ。 今回はあえてエスカレーターに焦点を当てたのだが、市の改造計画では、ノバホール横の階段は半分削られてスロープになり、広場の窓ガラスは取り替えられてしまう。さらに、ノバホールの正面玄関の通路は変形し、狭くなる。それらを考えると、イベントの反応がよかったなどと安心してはいられないのだ。 最後まで諦めないしぶとさを学ぶ だからなのか、「ダイ・ハード」の、ビルを占領する金目当ての犯人たちをやっつけるマクレーンを見て、最後まで諦めないしぶとさを思い起こそうとしたわけだ。 7月3日。つくばセンター研究会に新しく参加した方から「文化財を守ることを訴えるだけでは、文化財とも思っていない人たちとの溝は埋まらないのでは」との問題提起があり、次の企画が検討された。 7月5日。ノバホール前。人々の密集する中で、東京オリンピック聖火リレーが行われた。今後、市も予算を使い、センタービル改造計画のイメージアップをはかっていくことだろう。こちらは、泥くさく地道にセンタービルでの「ダイ・ハード」を続けるつもりである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

つくばセンタービルで「ダイ・ハード」 《映画探偵団》45

【コラム・冠木新市】ジョン・マクティアナン監督の「ダイ・ハード」(1988)が無性に見たくなった。ニューヨーク市警のマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、クリスマスにロサンゼルスの超高層ビルで働く妻のもとにやって来る。そこで左翼テロリストを装う強盗チームと遭遇し、妻と人質を助けるため、ビル内を這いずり回り、時々ぼやきながらも敵を1人ずつ倒していく。犯人の銃弾で粉々になった窓ガラスを裸足で踏み血だらけになったり、白のランニングシャツが黒くなるまでしぶとく戦う。 そして私は「ダイ・ハード」を見ると、なぜかジョン・フランケンハイマー監督の「大列車作戦」(1964)を思い出してしまう。 パリを占領していたナチスドイツが本国に撤退するにあたり、美術愛好家の将校が、美術館にあるルノワール、ゴーギヤン、ゴッホ、マネ、ピカソなどの名画を列車に積み持ち帰ろうとする。それをフランスの鉄道員ラビッシュ(バート・ランカスター)らは、「たかが絵を守るために」と一度は疑問に思うが、結局は「フランスの誇りのために」と命を賭け、取り戻す行動を開始する。仲間は倒されていくが、ラビッシュは油と汗まみれになりながらも最後まで戦い、絵を取り戻す。 「ダイ・ハード」と「大列車作戦」の主人公はよく似ている。 センター広場にエスカレーターは必要か 6月12日。つくばセンター研究会は講演&シンポジウムを27日に開催することを決めた。テーマは「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」。開催まで2週間しかない。翌日からゲストの交渉とチラシ制作(デザイン・三浦一憲、写真・斎藤さだむ)が始まる。

「活性化はエスカレーターでは解決できない」 つくばセンタービル改修めぐり市民団体討論

プリツカー賞を受賞した磯崎新氏の代表作といわれるつくばセンタービルに、つくば市がエスカレーターを設置するなどの改修を計画している問題で、「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題した市民団体による講演とシンポジウムが27日、同ビル内のつくばイノベーションプラザで開かれた。講演した鵜沢隆筑波大学名誉教授は「広場の活性化はエスカレーターでは解決できない」などと指摘した。 市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)主催し、約50人が参加した。センター広場にエスカレーターを2基つくる計画をめぐっては、市が22日、2基のうち1基をとりやめる方針を議会に示したばかり。 鵜沢名誉教授は、つくば市が計画しているリニューアルに対して「磯崎新氏の意匠を評価するとうたいながら、十分に評価したものになっていない」と批判した。 ポストモダン建築の代表作と世界的に評価されているつくばセンタービルの特徴を示した上で、センター広場について「広場に降りる目的がない人はあえて通る必要がない設計になっている」とし、「広場の活性化はエスカレーターをつくるかつくらないかの問題ではない」と指摘した。 磯崎氏の設計の意図については「1階の広場と2階のペデストリアンデッキの視線の交差、劇場広場のようなものとしてつくったと理解できる」とし、建設当初は、広場に引用されているミケランジェロ設計のカンピドリオ広場の床のパターンや流れる水、噴水などが、ペデストリアンデッキから見られる対象だったが、時間が経つと新鮮さがなくなって、主役が不在になっているという。 シンポジウムの様子=同

エスカレーター1基は取り止め つくばセンタービルリニューアル

つくばセンタービルのリニューアルで、つくば市が、エスカレーター2基の設置を計画していた問題で、市議会中心市街地調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)が22日開かれ、市は、2基のうち北側(ホテル日航つくば側)の1基の建設を取り止めることを明らかにした。 一方、特別委では「エスカレーターは1基で了解した」(皆川幸枝氏)という意見と、「(1基であっても)磯崎新氏の建築物の全体イメージを壊す」(飯岡宏之氏)という相反する意見が出された。 エスカレーターをめぐっては、今月3日開かれた同特別委で「1基はなくてもよい」という方向性が出された(同3日付)。市議会の意向を受け市は、改めてどうするか検討していた。 22日の市の説明によると、2基のうち、西側(旧ライトオンビル側)の1基のみを設置する方向で、近く実施設計を発注する。 北側の1基を取り止める理由として市は①北側に計画していたエスカレーターは、1階のセンター広場まで降りることができず、途中から階段を下りなくてはならなくなること②議会から磯崎新氏の建築意匠に与える影響について指摘が出ていることなどから「慎重に対処する必要があるため」だと説明した。 もともとエスカレーターを設置する理由について、動線と視認性の向上が目的だと説明していたことから、1基を取り止めることによる動線や視認性の確保について、案内表示を工夫したり、まちづくり会社のつくばまちなかデザインと連携して情報発信を充実させるなどとした。

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つくば市から3人目のロータリー茨城代表、大野さん【キーパーソン】

茨城県にはロータリークラブ(RC)が55ある。つくば学園RCの大野治夫さんが、これらクラブを代表するガバナーに就任した。任期は7月から来年6月までの1年間。つくば市東光台で不動産管理業を営む大野さんはRC歴18年。業務区と住宅区から成る開発地域・東光台(合併前の豊里町と谷田部町の一部)の土地持ちでもある。ガバナーとしてやりたいこと、つくばの最新土地事情について聞いた。 つくば学園RC会員、目標100人超え RCは地域の名士が参加する奉仕組織だが、週1回の例会を通じ、会員たちが親睦を図り、いろいろな情報を交換する場でもある。つくば学園RCの会員は現在89人。土浦市では最多の土浦南RC(85人)を上回り、つくば・土浦地区では一番の会員数になった。大野さんによると、来年6月までに100人超えを目指す。 つくば学園RCがガバナーを送り出すのは、約20年前の吉岡昭文さん(筑波山神社前の旅館「江戸屋」現会長)、約10年前の野堀喜作さん(東光台の不動産管理会社「ツクバ企画」現会長)に次いで、3人目になる。 10月末、つくば市内で茨城大会開催

シンプル イズ ベスト? 《続・平熱日記》115

【コラム・斉藤裕之】わけあってこの猛暑の中、アトリエの大掃除をすることになった。学生時代からの習作や、いつか出番があるだろうと思って集めたガラクタなどを思い切って処分することにした。市の焼却場に軽トラで何度か往復して、捨てるに忍びないものは知り合いの骨董(こっとう)店にトラックで持っていってもらった。 ちょうどこの7月でこの家に住み始めて20年になる。20年間、家族の足の裏でこすられた1階の杉の床は、夏目と呼ばれる年輪の柔らかいところが削られて冬目の硬いところだけが残って、凸凹になっていて妙に足触りが心地よい。夏涼しく冬暖かいとても住みよい家だと思うのだが、それには少しコツがあって、戸の開け閉めやエアコンの入れ方、ストーブのことなど、大げさに言えば家の中の環境への理解と手間が必要なのである。 2人の娘も家を出てこの家には帰って来るまい。だから将来は人に貸すなり売るなりしなければと思うのだが、少し変わった家なので、この際「斉藤邸取説」でも、を書き残しておこうか。 さて20年分のホコリを払って、広々としたアトリエの床に布団を敷いて寝てみることにした。見上げると、20年前に故郷山口で弟が刻んだ梁(はり)や柱がたくましく見える。昔ながらの複雑な継手も、20年の間にやっとしっかりと組み合わさって落ち着いたように見える。特に2階の柱を支えくれている地松(じまつ)の梁は、自然な曲線が力強くカッコいい。 それから、2階の床になっている踏み天井。こちらは200枚だか300枚だか忘れてしまったが、ホームセンターで買ってきたツーバイ材全てに、「やといざね」といういわば連結するための溝を電動工具で彫ったことを今でも思い出す。酷使した右手は、朝起きると硬直して箸も握れなかったっけ。 「いい景色だなあ。木の色がきれいだなあ。このぐらいの広さの住まいがちょうどいいのかもなあ」。20年目にして改めて見入ってしまった。

言葉の壁を越え患者と医師の信頼関係築く つくばの医療通訳士 松永悠さん【ひと】

つくば市で暮らす外国人は、2022年度の統計で137カ国9457人。医療機関を受診する外国人患者も増えているが、病名や器官の名称などの専門用語が飛び交う診察で、患者が内容を理解するのは難しい。タブレット端末による通訳サービスを導入する病院もあるが、個別の質問や細かいニュアンスの伝達に対応するのは依然として困難だという。市内の病院を中心に、中国語の医療通訳士として働いている松永悠さん(48)は、30代後半から医療通訳の世界に飛び込み、やりがいを見出している。 一人の女性患者との出会い 松永さんは1974年生まれ、中国北京市の出身。松永さんが医療通訳のボランティアを始めた38歳の時、最初に担当したのは、同じ30代の末期がんの女性患者だった。中国の地方出身者で、お見合いで国際結婚して日本の農家に嫁いだが、がんを原因に離婚を切り出され、日本語も分からず頼る人がいない状況だった。 女性の境遇に衝撃を受け、「同じ女性、自分の力で助けられるのなら」と感情移入してしまったそう。女性も辛い闘病の中、「お姉さん、お姉さん」と松永さんを慕った。この女性との出会いから苦しんでいる在日中国人がいることを知り、興味で始めた医療通訳の仕事に使命感を持つようになった。 医療通訳士は国家資格ではない。医療通訳として働くには、民間が主催する養成講座を受講し、選考試験に合格後、ボランティアや医療通訳の派遣会社に登録して依頼を待つ。養成講座では通訳の技術のほか、守秘義務などの倫理規定、医療専門用語などを学ぶ。医師の説明に通訳者が勝手に補足することはしてはならず、治療法について患者が本当に理解しているかの確認をその都度行っていく。患者は文化や宗教、思想、持っている在留資格などの社会的背景が個々で異なり、その理解と医療機関への仲介の役割も医療通訳士に求められる。重い病気を抱える人への告知の場に立ち会うこともあり、精神的な重圧も大きいという。

「真実が知りたい!」 赤木雅子さんが水戸で訴え 《邑から日本を見る》117

【コラム・先﨑千尋】森友学園問題に関する公文書改ざんを強いられ、それを苦に自死した元財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻、雅子さんらの講演会が7月30日、水戸駅前の駿優教育会館で開かれた。この講演会は、旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現日本原子力研究開発機構)の元職員6人が同機構に損害賠償を求めている訴訟で、原告を支援する団体が主催したもの。 雅子さんは、夫が自死した真相解明を求めて、国と、改ざんを指示したとされる元財務省理財局長の佐川宣寿氏を訴えてきた。この日は、雅子さんの裁判などを支援してきているジャーナリストで元NHK記者の相澤冬樹さんと対話する形で、別室からのオンラインで登壇した。私はそれを会場で聞いた。 雅子さんが起こした2つの裁判のうち、国は、昨年12月に雅子さんの賠償請求を全面的に認める「認諾」の手続を取り、改ざんが行われた経過などは不明のまま、いわば「肩透かし」の手法で国に対する請求を終結させた。残る佐川氏への訴訟は、氏への尋問は行わずに7月27日に大阪地裁で結審し、11月25日に判決が下される。 雅子さんはこの日、佐川氏に2度手紙を書いたが返事はなく、法廷にも姿を見せなかったことを非難し、「私は、夫がなぜ改ざんさせられたのかを知りたいから裁判を起こした。法廷で佐川さんにそのことを証言してもらいたかった。しかし佐川さんは姿を見せなかった。あまりにも悔しい。夫は日頃、公務員は権力を握っている人のためにではなく、国民のために仕事をするのだと言っていた。佐川さんは誇りを持って仕事をしてきたのか。佐川さんが本当のことをしゃべらない限り、私は幸せになれない」と怒りをあらわにした。 国、無慈悲、無機質な組織 この雅子さんの話を聞いて、相澤さんは「佐川さんはこの事件に関わったので、もうエラくなれない。ホントのことを話した方が、気持ちが楽になれるはずだ。ホントのことを話せない佐川さんはかわいそう。哀れだ」と語った。