金曜日, 6月 9, 2023
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つくばセンタービル -検索結果

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磯崎新さんの思考をめぐる 「作品」つくばセンタービルで追悼シンポジウム

建築家、磯崎新さんの業績を振り返るシンポジウムが19日、つくばセンタービル(つくば市吾妻)のノバホールで開かれた。つくば市民が中心となる「追悼 磯崎新つくば実行委員会」(委員長・鵜沢隆筑波大名誉教授)が主催した。同ビルをはじめ、水戸芸術館などを手掛け、昨年12月に91歳で亡くなった磯崎さんをしのんで、県内外から約350人が訪れた。会場では、磯崎さんの「思考」をめぐってパネリストの白熱した議論が繰り広げられた。 来場者を迎える磯崎新さんの写真=ノバホールロビーに 登壇したのは、磯崎さんのアトリエ勤務を経て、建築分野で多数の受賞経験を持つ法政大学名誉教授の渡辺真理さん、横浜国立大名誉教授の北山恒さん、神奈川大学教授の曽我部昌史さん、2010年ベネチア・ビエンナーレ建築展で金獅子賞を受賞した若手建築家、石上純也さんの4人。登壇者それぞれが磯崎さんとの想い出を振り返ることから始まった。 「広島の廃墟」にルーツ 「ノバホールの入り口の壁と天井のパターンを手がけた」という渡辺さんは、1980年から95年にかけて磯崎新アトリエに勤務し、センタービル建築にも携わった。入社当時、磯崎さんは「街の全てをデザインする意気込みで取り組んでいた」と振り返る。

建築家 磯崎新を追悼 3月19日 つくばセンタービルでシンポジウム

昨年12月に亡くなった建築家、磯崎新さんの業績を振り返るシンポジウムと、同氏の美術作品を展示する企画が3月19日、つくばセンタービル内のノバホール(つくば市吾妻)で開催される。つくば市民が中心となる「追悼 磯崎新つくば実行委員会」(実行委員長・鵜沢隆筑波大名誉教授)が主催する。 ポストモダン建築の代表作とされるつくばセンタービルを設計した磯崎さんは、水戸芸術館や群馬県立近代美術館、ロサンゼルス現代美術館など多数の作品を残し、英国王立建築家協会ゴールドメダルや、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞するなど、世界的に高く評価されてきた。今回の企画は建築だけでなく、美術作品や著作物など磯崎さんの多彩な活動を網羅的に振り返る。 激しい言葉が若者の刺激に きみの母を犯し、父を刺せ−。 実行委員会委員長で建築家の鵜沢隆さん(72)が20代のころに衝撃を受けた磯崎さんの言葉だ。「日常的な住宅のイメージを払拭する新しい世界を切り拓け」。そんなメッセージを激しい言葉で伝えようとする磯崎さんの存在は、国内外の若い建築家に強い刺激を与え続けたという。また数々のコンペや展覧会開催に関わり、若手の育成にも力を注いできた。

博物館群構想や中央広場活用提案など つくばセンタービル40周年を前に市民シンポジウム

建築家、磯崎新さんが設計したポストモダン建築の代表作、つくばセンタービル(つくば市吾妻)が来年40周年を迎えるのを前に、同ビルをアート拠点として活性化させようと、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)によるシンポジウムが3日、同ビル内のホテル日航つくばで開かれた。同ビルを核にした博物館群構想や、非日常的な場所である同ビル中央広場の活用などが提案された。 建築意匠が専門の鵜沢隆・筑波大学名誉教授は、25年前、つくばに20世紀を記録する博物館群をつくるという「つくばミュージアム・コンプレックス」構想を紹介した。養老孟司さんや鵜沢名誉教授など7人の識者によって提案された構想で、同ビルがコアとなり、市内の他の施設とネットワークをつくることで、新しい博物館群・美術館群を構築していけるのではないかなどと話した。 当時、いかにして新しい街つくばに文化を根付かせることができるか、つくばエクスプレス(TX)が開通するとつくばはベッドタウンになるという予測の下、開通前に文化的仕掛けを提案したいという思いが、発案者の住都公団つくば開発局長(当時)の三宮満男さんにあったなどと話した。 六角美瑠・神奈川大学建築学科教授は、同ビルを1階の中庭(中央広場)、2階のペデストリアンデッキ、3階以上の三層に分け、2階のペデストリアンデッキは日常、一歩下がった1階の中庭は非日常の特殊な場所だとし、非日常的なゾーンが使われると、外の人も呼べる発信力が増えてくるなどと話した。 ビル1階の改修に異論も さらに同ビルの建築の骨格や特徴について説明し、今春実施されたつくばまちなかデザインによる同ビル1階の改修に対し「(ぺデストリアデッキ部分から光を取り入れる)トップライトは重要なアイテム。トップライトの光の連続性を保つべきだったのではないか」などと話し、秋から市民活動拠点をつくるため市が改修を始める南側については「(1階部分は)細かく細分化されていろいろな部屋が入り、通路に学習机が並べられると聞いている。細かく細分化すると、どこにでもある施設になってしまう、通路は中庭とコンサートホールが連携して盛り上がりをつくろうというとき大事な軸になる」などと指摘した。

つくばセンタービルを情報発信基地に 11月3日、市民団体が40周年プレイベント

構想を提案、アート拠点として活性化へ 建築家、磯崎新さんによるポストモダン建築の代表作、つくばセンタービル(つくば市吾妻)が来年6月に40周年を迎えるのを前に、40周年プレイベントとなるシンポジウム「ポストモダンの殿堂 つくばセンター・アートミュージアム構想」が11月3日、同ビル内のホテル日航つくばで開かれる。 ホテル、コンサートホール、市民活動拠点、オフィスと、中央広場などで構成されるつくばセンタービル全体を、市の新たな情報発信基地と位置づけ、アート拠点として活性化させようという構想を提案する。 市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が主催する。同会は、つくば市が同ビルの中央広場にエスカレーターを設置するなどのリニューアル計画を発表したことをきっかけに昨年、発足した。昨年6月には「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題したシンポジウムを開催し、リニューアル計画の見直しを求めてきた。さらに市に要望書を提出し、リニューアル計画は大幅に見直された。今回は第2弾のシンポジウムになる。 磯崎さんが設計した同ビルは、ルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表的なカンピドリオ広場の空間造形が中央広場に埋め込まれ、傍らにギリシャ神話に登場する女神ダフネの彫像が立つ。18世紀を代表するフランス革命期の建築家ルドゥーが構想した理想都市への敬意が込められ、さらに20世紀のセックスシンボル、マリリン・モンローの肢体の緩やかなカーブが空間の輪郭やロビーの椅子に密かに仕込まれている。さまざまなアートの集積として誕生した建築であることから、ビル全体をアート拠点として活性化させ、新たな情報発信基地として再生させる提案をする。

11/3 つくばセンタービル40周年プレイベント

つくばセンタービル40周年プレイベント 「ポストモダンの殿堂/つくばセンター・ア一トミュージアム構想」 つくばセンター再起動 つくばセンタービルは2023年6月に40周年を迎える。この空間には、設計者の磯崎新氏によって、18世紀フランスを代表する建築家へのオマージュが、中央広場にはルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表的な「カンピドリオ」の空間造形が埋め込まれ、その傍らにはギリシャ神話のダフネの残り香が、はたまた20世紀の「セックスシンボル」マリリンの肢体の緩やかなカーブが空間の輪郭やロビーの椅子に密かに仕込まれている。さまざまなアートの集積として誕生したセンタービルは、空間自体がまさにアート。40周年を記念して、この空間全体をアートな空間として再び蘇生させ、つくば市の新たなアートの拠点として活性化させるいくつかのイベントを企画する。そして、つくば市に新たなアートのネットワークを構築し、常に新たな情報発信基地として「つくばセンタービル」を位置づけ、その再生(ルネッサンス)の提案を行う。 第1部 つくばセンター七不思議ツアー 2022年10月22日(土)午後1~2時 集合:13時、つくばイノベーションセンター前エレベー 定員116人 参加無料 要参加申込 第2部 セレモニー「幻のレリーフ”時の歩廊”が復活する」 シンポジウム「ポストモダンの殿堂/つくばセンター・ア一トミュージアム構想」 2022年11月3日(木・祝)午後0時30分~3時 場所:ホテル日航つくば 3階 ジュピターの間 定員:100人 参加無料 要参加申込 第3部 ワークショップ「センター広場で何する?」 2022年11~12月(予定) 詳細は当ホームページにて公募する 第2部 プログラム 【セレモニー】午後0~1時 挨拶 馬場清康 (ホテル日航つくば代表取締役) 【シンポジウム】午後1~3時 1,開会挨拶 冠木 新市 (つくばセンター研究会代表) 2,来賓挨拶 内山 博文(つくばまちなかデザイン代表取締役) 3,写真家の話「写真でみるセンタービルとつくば」 斎藤 さだむ (フリーランス・フォトグラファー) 4,祝賀の舞 竹千代(桜川芸者学校) 5,建築家の話「かつて”筑波サロン”で語られたこと」 鵜沢 隆 (建築家? 筑波大学名誉教授) 6,建築家からの提案「つくばvs水戸? /磯崎新の創造した”にわ”」 六角 美瑠 (建築家? 神奈川大学建築学科教授) 7,フリート一ク 司会 加藤 研(建築家、筑波大学芸術系助教) 8,閉会挨拶

室内も磯崎新さんの意匠保持を 着工控え市民団体要望 つくばセンタービル

世界的な建築家、磯崎新さんによるポストモダン建築の代表作といわれるつくばセンタービル(つくば市吾妻)で、同市が南側の室内を改修し市民活動拠点を整備する工事が秋にも着手されるのを前に、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が25日、室内意匠の保持と広場活性化に関する要望書を五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長宛てに提出した。 同会は昨年、同ビルのセンター広場にエスカレーターなどを設置する計画を見直すよう求める要望書を2回出しており、今回、3回目となる。市による市民活動拠点の実施設計が終わり、9月6日にも工事の入札が実施されることから要望書提出に至った。 要望書によると、室内意匠の保持について、秋から工事が始まる市民活動拠点の整備では、土浦学園線に面するつくばセンタービルの正面玄関の通路に、机やいすを約100席並べ中高生らの学習スペースにしようとしているが、この大通路は建築の顔であり、そこにおびただしい数の机やいすが並ぶのは場違いであり品位が疑われるなどとしている。 土浦学園線に面したつくばセンター(ノバホール側)正面玄関通路 正面玄関の通路は、松見公園の展望台まで一直線に伸びる筑波研究学園都市の骨格を形成する都市軸としてつくられたとされ、磯崎さん自身が著書で「この軸線は、コンサートホールのエントランスに重なるが、ここも何ものでも受けずに、通り抜けさせる」(「建築のパフォーマンス」)と記している。 要望書はその上で、余裕あるノバホールのロビー空間でもあるのに机やいすが並べられれば、ノバホール1階のロビー空間は二度と活用できなくなるとしている。さらに1階の市民活動拠点室内について、壁で仕切られた部屋が大幅に増え、狭小な部屋が密集する設計となっており、文化的ゆとりがあった磯崎さんのオリジナルの空間からかけ離れ、公共空間に不可欠な空間的豊かさが無いなどと指摘している。室内に設置予定の机やいすの数からみて、当初想定の1日200人より多い300人以上が想定されており、玄関通路に机やいすを並べなくても足りるなどとしている。

斎藤さだむさんのつくばセンタービル地肌空間など 3年ぶり「写真工房」写真展

つくば市を拠点に活動する写真サークル「写真工房」(太原雍彦会長)の「2022写真工房写真展vol.19+(プラス)」が、同市吾妻のつくば市民ギャラリーで開かれている。 顧問を務める同市在住の写真家、斎藤さだむさん(73)が、つくばセンタービル1階改修工事の過程で露わになった地肌空間を撮影した写真15点を展示するなど、会員ら11人が思い思いのテーマで撮影した写真計約110点が展示されている。新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった。 写真工房は、同市主催の写真講座に参加した有志が2002年に結成し、20年になる。会員は約15人で、毎月1回例会を開いているほか、年2回撮影会に出掛けるなどしている。 斎藤さんのつくばセンタービル地肌空間は「史(ふみ)のあかし」と題した作品だ。第3セクター「つくばまちなかデザイン」による改修過程で、骨組みの状態に戻ったつくばセンタービルの、曲線を描く天井のコンクリート地肌や、象形文字が記されているのかと見まごう太い円柱の柱の地肌などを撮影している。「地肌空間を行き来し、40年という時間に思いをはせながら撮影した」という。 写真工房の写真展の様子 会員の藤澤裕子さんは、自宅の庭に咲くヒルザキツキミソウの花や、セミの抜け殻、カブトムシの幼虫などを撮影し、写真を重ねたり、反転させたりした作品10点を展示している。「日常見る庭の植物や昆虫を、非日常的な植物や昆虫として作品化した」。

つくばセンタービルの改修について 藤岡洋保 東工大名誉教授

藤岡洋保・東京工業大学名誉教授   【寄稿・藤岡洋保】私は近代建築史の研究者で、長年にわたり近現代の歴史的建造物の保存を支援しつつ、その意義を考えてきた。 つくば市が計画した、「つくばセンタービル」(1983年竣工)の広場へのエスカレーター設置に対して、一部の市民が反対運動を組織し、人流のデータなどをもとに設置の必要がないことを指摘しつつ、それが実施されれば世界的建築家・磯崎新の作品の価値を損なうことになることをシンポジウムなどで訴え、市がそれを撤回したというニュースを最近耳にした。 この運動の前と後で、広場には何も変化が起きなかったことになるので一見ささやかなできごとだが、心ある市民の行動によってオリジナルの価値が守られたことは記憶されるべきだと思う。そして、この運動が、フェアなやり方で速やかに進められたことも注目される。建築の専門家ではない人たちが、広場をも含めた同ビルのデザインの価値を認識し、それを守ったことにも敬意を表したいし、その活動には研究学園都市ならではの民度の高さを感じる。 太平洋戦争後の名建築の保存・活用は、1990年代からはじまったといってよい。文化庁もそこに文化財的価値を認め、竣工後50年以上経った建物の有形文化財登録や重要文化財指定を進めている。かつて古社寺中心だった文化財指定の対象が広がったということであり、近現代の建物を生かしたユニークな環境形成が進められているということでもある。その近現代の建物の多くは、古建築よりも大規模で不特定多数の人が出入りするので、耐震性の確保や設備の更新、バリアフリーなどに対応しつつ、活用を図ることが求められる。

6つの機能で働く人を応援する「co-en」 つくばセンタービルに7日開業

つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻)の内山博文社長は6日記者会見を開き、つくばセンタービル1階東側に、働く人を応援する場「co-en(コーエン)」を7日開業すると発表した。つくばセンタービルのリニューアルの一環で実施した。 内山社長は、貸しオフィス、コワーキング(共同仕事場)、キッチン、イベント、ギャラリー、物販の6つの機能を備えるとし「つくばの中心部に多様性を享受できる場をつくりたい」などと話した。 あいさつするつくばまちなかデザインの内山博文社長 延床面積約2000平方メートルで、貸しオフィスは7区画、コワーキングスペース(約295平方メートル)50~60席、会議室5部屋、カフェ&バー(約60席)、シェアキッチンなどがある。 改修費は約3億2000万円。内山社長は「資材費の高騰で厳しかったとし、コストマネジメントの中で、小上がり(縁側)などは仮設性のものを設定した」とした。 当初「多様な働き方を支援する場」として目玉の一つだった子連れワーキングスペースは、事業者との調整を見直したことからオープンが遅れる。

つくばセンタービルの価値を紹介 市民団体が「謎解きツアー」

つくばセンタービル(つくば市吾妻)の7カ所を巡りながら、建築デザインの意味や価値について解説する現地ツアー「つくばセンタービル謎解きツアー」を、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が開いている。 昨年11月3日から毎月3回開催し、これまで延べ83人が参加した。1月16日に7回目が開かれ、11人が参加した。同会代表でNEWSつくばコラムニストの冠木新市さんがガイドを務める。冠木さんは、つくばに移り住んで以来30年にわたり、センタービルについて独自に研究してきたという。 つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計した。ポストモダン建築の代表作として世界的な評価を受けている。2020年、つくば市は同ビルにエスカレーターを設置するなどの改修計画を発表したが、専門家や同会から建築物の価値を喪失するなどの指摘を受け、昨年12月、当初の計画を大幅に見直した経緯がある。 冠木さんによると、センタービルの建設に当たり磯崎さんは1978年、日本住宅公団(現在はUR都市機構)が実施した設計者を選ぶプロポーザルコンペで、筑波研究学園都市を批判するレポートを書き、7つの性質をセンタービルに与えることを提案した。劇場性、胎内性、両義性、迷路性、寓意性、逸脱性、対立性の7つだ。磯崎さんはつくばセンタービルが起死回生の役割を果たす象徴的な建築となることを目指し、その中核として同ビル中心に、くぼ地となるセンター広場を造ったという。 センタービルの中心にあるセンター広場の床面は、ルネサンス期のイタリアの建築家ミケランジェロが設計したローマのカンピドリオ広場を引用するデザインとなっている。ツアーで冠木さんは「床面の模様がカンピドリオ広場を反転した色合いになっている」と解説する。広場には霞ケ浦や桜川を反転した形が水の流れでデザインされており、冠木さんは「この反転は現実と虚構、日常と非日常を意味しているのではないか」と参加者に問いを投げ掛ける。 続いて、センタービル正面玄関の柱に引用されている18世紀のフランスの建築家、ルドゥーのアル・ケ・スナン王立製塩所のこぎり歯のモチーフ、ホテル日航つくば1階に設置されている、米女優マリリン・モンローの体のカーブを表現したいす「モンローチェア」などを見て回った。

1/16,30 新春つくばセンタービル謎解きツアー

<新春つくばセンタービル謎解きツアー> ▽内容:隠された建築の謎を解きながらビルを回る ▽日時:第6回=1 月16日(日) 、第7回=同30日(日)、13時から約1時間 ▽定員:10人(小中高生大歓迎)、参加費無料 ▽予約:090-5579-5726 (冠木)

まちづくり会社3億円調達にメド つくばセンタービル オフィス改修継続へ

つくば市が出資するまちづくり会社、つくばまちなかデザイン(同市吾妻、内山博文社長)の資金調達問題(10月16日付)で、内山社長は17日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)に出席し、前日の16日にファンド(投資信託)から資金調達の承認を受けることができ、3億1600万円を調達できると報告した。 同社は10月に、つくばセンタービル1階内部のアイアイモール解体工事を始めた。一方、貸しオフィスに改修する工事費用は10月時点でまだ調達できておらず、「資金調達ができない限り、改修工事に着手しない」としていた。16日に調達できたことから工事を継続して改修を実施する。 内山社長の議会での説明によると、国交省の「老朽ストック活用リノベーション推進型まちづくり事業」を活用し、政府系金融機関の民間都市開発推進機構(民都機構)が約2億円、地域金融機関の常陽銀行が約1億円を出資して、投資事業有限責任組合という形態のファンドを設立する。ファンドは、まちなかデザインが発行予定の3億1600万円の劣後社債を引き受ける。NECキャピタルソリューションの100%出資会社、オハナパナ(OHANAPANA、東京都港区)がファンドを運営する。 年利3%の社債で、まちなかデザインは10年間で返済する。10年目の2031年は未返済の残り1億4600万円を借り換えて、32年以降は約3000万円ずつをさらに4年間で返済していくという。 市内の飲食店などと協働運営 一方、改修後の貸しオフィスなど「働く人を支援する場」は来年4月オープン予定で、運営について、カフェは飲食店「フィンラガン」(つくば市天久保、松島壮志さん経営)、子連れワーキングスペースはNPO子連れスタイル推進協会(同市梅園、光畑由佳代表)とそれぞれ協働運営するほか、コワーキングスペースでのイベントは、市内で同様の施設を運営するしびっくぱわー(同市天久保、堀下恭平社長)と協働運営するとした。(鈴木宏子)

エスカレーター取り止め つくばセンタービル 改修計画を大幅見直し

専門家や市民団体から見直しを求める要望が出ていた、つくば市によるつくばセンタービル(同市吾妻)の改修計画について、市は17日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)で、エスカレーターの設置を取り止めるなど当初の改修計画を大幅に見直すことを明らかにした。 建築デザイン残す形に 見直し計画は、エスカレーターの設置を取り止めるほか、センター広場を囲む外壁、ノバホールと小ホールの間の1階大通路、ノバホール西側の外階段をいずれも取り壊さず、現在の建築デザインをそのまま残す。センター広場の床にテントを固定する床穴を開ける計画も取り止める。 今回の見直しについて五十嵐立青市長は「市民、(市議会)特別委員会、利用者からの意見を反映し、意匠にさらなる配慮をした」などと話した。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計したポストモダン建築の代表作だと世界的に評価されていることから、建築意匠が専門の筑波大学、鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、五十嵐市長や小久保貴史市議会議長に対し、計画の見直しを求める要望書を2度、提出していた。

12/4-12つくばセンタービル謎解きツアー参加者募集

<つくばセンタービル謎解きツアー参加者募集> ▽内容:つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新さんのポストモダンの代表作として世界的に評価されている。センタービルに隠された建築の謎を解きながらビルを回る ▽日時(12月の日程) 第4回=12月4日(土)午後1時~ 第5回=12月12日(日)午後1時~ 時間はいずれも午後1時から約1時間 ▽参加費無料 ▽定員:10名、小中高生大歓迎 ▽要予約:090-5579-5726(冠木さん) 2022年1月以降は追って案内する。

11/3,13,23つくばセンタービル謎解きツアー

つくばセンタービル謎解きツアー つくばセンタービルに隠された建築の謎を解きながらビルを回る 第1回 11月3日(水・祝)13時~約1時間 第2回 11月13日(土)13時~約1時間 第3回 11月23日(火・祝)13時~約1時間 各回定員10人、要予約 参加費無料 申し込みは電話090ー5579-5726(冠木さん) 12月以降の予定は11月中旬に決定。

「資金調達 現在進めている」改修工事費用でまちづくり会社 つくばセンタービル

つくば市が出資するまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が18日から工事を実施すると告知しているつくばセンタービル1階アイアイモールの解体と改修工事のうち、貸しオフィスなどにするための改修工事資金について、同社が現在も、資金調達を進めている最中であることが15日分かった。 同日開催された市議会全員協議会で、まちなかデザインの小林遼平専務が「資金調達を現在進めている」と答弁した。改修工事費がいくらになるかや資金調達の見通しなどについて複数の議員から質問が出たが、小林専務は「この場ではお答えを控えさせていただきたい。細かいデータがないのでお答えできない」「金融機関と守秘義務契約を結んでいる」などと繰り返した。 同社の工事スケジュールによると、アイアイモールの解体工事を18日から12月半ばまで実施し、貸しオフィスなどに改修する工事を12月初めから来年3月末まで続けて実施するとしている。解体工事の費用については「(元の借り主の)筑波都市整備からいただく」という。 小林専務は「(18日から)解体工事に着手する。新設(改修)工事は着手してない」とし、改修工事は「資金調達ができない限り着手しない」「資金調達が決定したらつくば市と協議しながら報告したい」などと答弁した。 同社の現在の資本金は当初の想定より2900万円少ない1億2100円。一方、市は昨年12月と今年3月に市議会に示した資料で、初期投資として改修費などに約2億7300円かかるとする見通しを示している。同じ資料の事業収支見通しでは、資本金を2億万円とし7000万円を借り入れる収支計画を示している。新たな収支見通しに対する質問も出たが、小林専務の答弁はなかった。 議会や市民に説明なしに工事を拙速に進めないよう求める決議を臨時議会に提案する山中真弓市議(壇上)=同

1階アイアイモール解体・改修工事、18日着工 つくばセンタービル

まちづくり会社が貸しオフィスに つくばセンタービルのリニューアルの一環で、1階アイアイモールの解体と改修工事が18日着工する。つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が貸しオフィスなどに改修する。 解体と改修工事が実施されるのは1階アイアイモールの約2000平方メートル。1983年のつくばセンタービルオープン当初からあったレストラン街(飲食店は2018年6月に撤退)と廊下の一部は解体される。 まちなかデザインの小林遼平専務によると、改修後は、コワーキングスペース(共同オフィス)、カフェ、貸しオフィスなどとする。コワーキングスペースは個室、テレビ会議ブース、子連れで働ける場、会議室、イベントスペースなどを設け、登録会員のほか一時利用もできるようにする。カフェは朝から夜まで営業し、新規で飲食店を始めたい人のチャレンジショップやアンテナショップとしても利用できるシェアキッチンを設ける。オフィスのほぼ半分の約750平方メートルは9~10区画に区切り、地域の事業者やベンチャー企業などに賃貸する。オフィスは24時間利用できるようにし、運営については一部を業務委託することも検討している。 廊下の幅は、現在のレストラン街と比べオフィス面積を広げるため、狭くなる。現在と同様だれでも行き来でき、廊下の壁沿いに縁側のような長椅子を設置する予定だという。 一方、働き方を支援する場の整備計画約2500平方メートルのうち、残りの4階吾妻交流センター約500平方メートルの工事については、交流センターが1階に移転した後となる。

市長、磯崎さんに面会熱望「改修着手前に意向の確認を」 つくばセンタービル

つくば市によるつくばセンタービルのリニューアル計画について、五十嵐立青市長が「私どもは(設計者の)磯崎先生と直接お話している」「磯崎先生の意向は今後も大切にしながら計画を進めていきたい」と9月議会で答弁する一方、市担当課が答弁と同じ日に磯崎新事務所関係者に「市としてもつくば市のシンボルともいえるつくばセンタービルの改修工事に直接着手する前には、是非(磯崎)先生にお会いし、ご意向の確認をと、市長は熱望しております」とメールを送っていたことが情報開示請求で分かった。 市長が磯崎さんに面会を申し入れたメールは、今年8月と9月に計4回、担当課が送っている。磯崎事務所関係者からは現在までに「コロナの状況がますますひどくなっています」「ご報告に関しましては引き続きメール等で」などとする返信がきている。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんのポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。つくば市のリニューアル計画をめぐっては、建築意匠に詳しい筑波大学の鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、エスカレーター設置の見直しなど市のリニューアル計画の見直しを求め、建物や広場の輪郭は保持すべきだなどとする要望書を出している。 情報開示資料によると、市のリニューアル案に対し磯崎さんの意向が示されたのは、2020年12月の事務所からの「改修案への磯崎の意見は特にございません。最初に屋根を架ける案を聞いたときはぎょっとしましたが、見送りになって安心いたしました」とするメールのやりとりだけだった。 その際、市担当者が事務所関係者に示したメールの内容は「基本的に外観については既存のままとし、建物内部をリニューアルする予定ですが、1階と2階の動線を改善するために、センター広場にエスカレーターを2基設置するとともに、一部階段を拡幅したいと考えています。以前懸念をいただいていおりました屋根については、今回、見送ることといたしました」などリニューアルの方向性の資料で、リニューアルによって建物や広場の輪郭のどの部分を改変するかは、当時、磯崎さんに具体的に説明してなかった。 つくば市職員が磯崎さんと直接面会したのは2019年3月の1回のみだった。(鈴木宏子)

つくばセンタービルの保存すべき価値示す 市民団体が報告書作成

市のリニューアル計画に対峙 つくばセンタービルの価値はどこにあり、何を未来に残すべきなのかーつくば市がつくばセンタービルのリニューアル計画を進めようとしている中、見直しを求めている市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、「緊急討論!つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題した報告書(A4版、64ページ)を作成した。 6月27日に研究会が開催した「ーエスカレーターは必要か」と題したシンポジウムの講演や討議の内容、参加者から寄せられたアンケート結果などを掲載し、リニューアル計画の問題点やつくばセンタービルの何を保存すべきかを示している。 報告書で鵜沢隆筑波大学名誉教授はつくばセンタービルの価値について「センタービルと不可分な存在としてのセンター広場が最も特筆すべき点として世界的に評価されている」とし、さらに広場の特徴について「広場に行くことを目的とした人でないと通らない、動線的に全く分離された広場」と解説している、磯崎さんの設計意図については「1階の広場と2階のペデストリアンデッキとの間で交わされる視線の交差、視線を介したある種の劇場広場のようなものとして理解できる」とし、市によるセンター広場へのエスカレーター設置計画に対して「エスカレーターのような設備がつくことで解決できる問題ではない」と指摘している。 その上で「広場に降りる動機をつくりだす」ための活性化方法を提案し、「広場を活性化させる新たな主役は当然、市民」だとして、市民が提案し、つくば市やまちづくり会社が市民の提案を実践して、出来上がったものを市民が享受する仕組みづくりや、具体的なアイデアを提案している。 筑波大学の加藤研助教は、つくばセンタービル建築当時を振り返り、磯崎さんが筑波研究学園都市建設をどのように見て、つくばセンタービルがどうして現在の設計になったのかを解説している。

「建物の輪郭や広場の形状維持を」市民団体が再要望 つくばセンタービル

つくばセンタービルリニューアル計画について、つくば市が実施設計の入札を7日に予定している問題で、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)は3日、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長に、建築物の輪郭や中央広場の形状を維持し、改修は室内に限定するよう求める2度目の要望書を提出した。西側エスカレーターの設置見直しや中央広場を囲う一部の壁の撤去見直しなどを求めている。 市のリニューアル計画の主な内容は▽西側(クレオ側)にエスカレーターを新設する▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動拠点をつくる▽ノバホール西側外階段の半分をスロープにする―など。これまで市は、市議会の意見を受けて、北側(ホテル側)のエスカレーターについては設置を取り止めた。 これに対し要望書は、つくばセンタービルはプリツカー賞を受賞した磯崎新氏のポストモダン建築の代表作であり、築50年の2033年には登録文化財となることが間違いないのに、市のリニューアル計画では貴重な申請資格が失われることになりかねないとしている。その上で、建物の歴史的、文化的意義を尊重し、建物や広場の空間的な輪郭はそのまま保持して、リニューアルは室内改修に限定すべきだとしている。 具体的には、西側エスカレーターについて、2基の計画のうち北側の1基を市議会の決断で撤回したことは評価するが、西側(クレオ側)エスカレーターについても見直すよう求め、10メートルも離れてない位置に既存のエレベーターがあること、既存エレベーターを改修する方が安全でコストが安いこと、エスカレーター設置に伴う中央広場を囲う壁の改変や屋根の設置は広場の価値を損なうなどと指摘している。 市民活動拠点の整備については、中央広場を囲う壁の4分の1を撤去し、開閉式の透明なガラス扉に置き換える計画に対して、中央広場の特徴であるメタリックな正方形とガラス窓、ガラス扉のバランスで構成された空間構成を台無しにし、世界的に価値が認められた広場の形状を壊すとしている。 さらに市民活動拠点などを整備するに際し、1階室内の幅4メートルの廊下を2メートル以下に狭めたり、廊下をふさぐなどの計画に対して、1階からの中央広場へのアクセスが狭められ、機材の搬入や搬出がほとんど不可能となってしまい、つくば市がエスカレーターを設置する目的にしている中央広場の活性化の弊害になると指摘している。

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音楽朗読劇「ヒロシマ」 7月、土浦公演 市民団体が主催

紙芝居やチンドン屋の練り歩きなどを行っている土浦の市民団体「つちうら駄菓子屋楽校」(石原之壽=のことぶき=代表)が主催し、音楽朗読劇「ヒロシマ」の公演が7月22日、土浦市大和町の県県南生涯学習センターで催される。2021年から毎年、土浦で開催し3回目となる。 「ヒロシマ」は、78年前に広島で被爆した路面電車を擬人化し、当時の記憶を語っていく物語。作中には被爆者たちの様々な証言を、できるだけ表現を変えずに用いているという。俳優で演出家の嶋崎靖さん(67)が平和への思いを込めて制作・演出した。今回の公演では、広島市の劇団で活動する原洋子さんと、俳優の保可南さん、地脇慎也さんが出演し、武蔵野音楽大学大学院の青山絵海さんがマリンバを演奏する。音楽は嶋崎さんが制作を手がけた。 音楽劇「ヒロシマ」の一場面(石原さん提供) チンドン屋の先輩と後輩 主催する「つちうら駄菓子屋楽校」は石原さん(64)が3年前に立ち上げた。飛行船「ツェッペリン伯号物語」や「土浦花火物語」など、土浦を中心に地域の歴史や物語を題材にした紙芝居を制作し上演している。

アストロプラネッツ、巨人との交流戦に敗れる

ラミレスさんの障害児野球教室も プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは7日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で、NPB(日本野球機構)との交流戦として読売ジャイアンツ3軍と対戦し、1-5で敗れた。試合に先立って、横浜DeNAベイスターズ前監督のアレックス・ラミレスさんによる障害児向けの野球教室も開かれ、約20人の子どもたちが直接指導を受けた。 茨城アストロプラネッツ-巨人3軍(6月7日、J:COMスタジアム土浦)巨人 003100001 5茨城 000010000 1 茨城は要所で守備にほころびが出て、要らぬ失点を重ねた。3回表、ショート寺嶋祐太の捕球ミスなどで2死一・三塁とされ、中堅への適時打で1点を先制される。次打者の右前打では、土田佳武が処理に手間取るうちに2者が生還、0-3と引き離される。4回にも2死からエラーがらみで走者を出し、さらに1点を追加された。 先発の二宮衣沙貴は「エラーでランナーを出しても、自分が踏ん張って抑えていれば結果は変わっていた。そこが今日の反省点。自分の能力を高め、三振で切り抜けられる力をつけたい」と悔やむ。

オカルト、エリファス・レヴィ《遊民通信》66

【コラム・田口哲郎】 前略 ずいぶん前からオカルトに興味があります。オカルトといえば、学研の月刊誌「ムー」です。UFOやツチノコ、心霊現象など、科学で解明できない現象について扱っています。オカルトはちょっとゾクゾクしますし、謎が解けそうで解けないところが魅力だと思います。 オカルトについて調べてみると、オカルトの元となった思想があることがわかりました。それはオカルティズムと呼ばれるもので、19世紀フランス最大の魔術師といわれるエリファス・レヴィ(1810-1875)が大成したとされています。オカルトはヨーロッパのキリスト教文化圏で生まれ、発展したものであるのは確実なようです。 少しその背景を説明すると、18世紀末のフランス革命でカトリック教会の一強支配が崩れて、聖職者ではない俗世の作家たちが、キリスト教会が担っていた精神的役割を肩代わりするようになりました。そのとき、いわゆる「宗教」には収まらない「宗教的なもの」が次々に生み出されてゆきました。その「宗教」の枠をはみ出した「宗教的なもの」の中の一つが、オカルティズムです。 オカルティズムの大成者レヴィはなにを隠そう、元カトリック修道士であり、詩人でもありました。そのレヴィがキリスト教会と絶交して、しかし人類を救いたいという一心で、つくりあげたのがオカルティズムなのです。

阿見大空襲、むなしさこみ上げた【元予科練生からのバトン】下 

石岡市 萩原藤之助さん(94) 石岡市在住の萩原藤之助さん(94)は、土浦海軍航空隊甲種第13期飛行予科練習生だった。第14期生だった戸張礼記さん(94)=6日付=に回想録執筆を勧められ、去年2月、予科練の生活をまとめた「雛鷲の残像―そのままの予科練回想録」を自費出版した。「等身大の予科練―戦時下の青春と、戦後」(常陽新聞社)などの参考文献を元に、当時の記憶と照らし合わせてつづり、戸張さんが監修を務めた。萩原さんは長年、戦争の資料を集めており、3カ月ほどで書き上げた。多くの人に読んでほしいと700部制作し、200部を阿見町の予科練平和記念館に寄贈した。 『雛鷲の残像』表紙 萩原さんは中学3年の時、校内に貼りだされた「予科練習生募集」のポスターを見て応募を決めた。1943(昭和18)年のことだった。「戦局が悪化の一途をたどる中、13期は、もっと搭乗員教育を進めて飛行機搭乗員を大量に養成せよということで、入隊者数を大幅に増やした年だった」と、回想録に付した資料を示して説明する。 予科練では精神教育が行われた。「陸海軍軍人に賜はりたる敕諭(軍人勅諭)」に由来する五ケ条を暗唱。集会に遅れたり、訓練にやる気がなかったりすると罰を受けた。「アゴ」はこぶしで練習生のあごを殴る罰で、殴られた時には自分の至らなさを恥じたという。厳しい訓練に耐えていたが、卒業直前に体調不良に陥り、しばらくの間療養した。卒業前日になり、班長から卒業できることを告げられ、土浦海軍航空隊の分隊に所属して訓練を継続することとなった。所属した分隊で、44年9月には滑空訓練を行うようになった。