「筑波大に入ってよかった」。無料配布の食料を受け取った筑波大の新1年生たちから歓喜の声が上がった。つくば市天久保の松見公園で18日、食料の無料提供会(学生応援プロジェクト@つくばーPEACE(ピース)主催)が開かれ、入学したばかりの筑波大学1年生をはじめ、大学生や家族連れなど約240人が食料を求めて集まった。
無料配布会の情報をツイッターで入手した新入生らは、入学後に新しくできた友人らと一緒に並び、米(1袋2キロ)やカップラーメン、レトルト食品などの保存食、ネギなどの生鮮野菜、日用品などを受け取った。新入生らは仲間内で「こんなにたくさんもらえた」「筑波大に入って良かった」など喜びあった。
食料無料配布会を告知する主催団体の公式ツイッターは在学生や新入生の間では広く共有されており、多くの大学生らが「ツイッターで(無料配布を)知った」と口をそろえた。会場では、生理用品への出費が負担となる「生理の貧困」に悩む女子学生に向けた無料配布も行われた。
特に他県からつくばに転入した新入生の間では、食料無料配布は非常に喜ばれた。栃木県出身の筑波大1年生男子(18)は「主食から何までもらえた」と感謝した。「来たばっかりなのでお金も大変。引っ越しにあたって家具も揃えないと」と、つくばでの新生活を始める際の経済的な負担を訴えた。
愛知県出身の筑波大1年生男子(18)は「入学したばかりなのでうれしい。愛知県だと(食料無料配布会が)中々ない。お米もいただけたので助かった」と語った。「こんなに(食料を)もらえるとは思ってなかった」という群馬県出身の筑波大1年生男子(18)はと驚きを隠せない様子。「もう少し生活が安定してゴールデンウイーク過ぎからアルバイトを始めようと思っていた」という。
主催団体によると、今回来られなかった大学生のために、19日午前11時と午後4時の2回に分けて、追加の食料配布(各回先着20人、要事前申し込み)を行い、5月にも同公園で食料無料配布会を再度実施する。
「市長も視察に来てほしい」
食料無料配布会は昨年12月6日から始まり今回で6回目。回を重ねるごとに市民有志からの寄付も集まっている。常総市内の会社経営者からコメ600キロが寄付されたほか、土浦市内で家庭菜園を営む市民からネギの寄付を受けたという。
一方で生活に困窮する大学生らは後を絶たず、主催団体では「18歳以上の市内在住の学生に現金か商品券を配布する」生活支援を求める陳情の署名活動を進めている。
主催団体代表の冨山香織さん(40)=同市天久保=は「市議会に請願を届けたいし、学生を連れて市長に面談して、生の声を直接届けたい」と五十嵐立青市長に、食料無料配布会の視察に来てほしい旨要望した。(崎山勝功)