【コラム・冠木新市】5月16日、詩劇コンサート・つくばシルクロード2026「憎しみは愛によって止む」に、スリランカ大使とスリランカ仏教界を代表する僧侶を迎え、出席者128人(出演者も含む)の「満員御礼」で終了した。
2部構成の第1部「終わりの始まり」では、1951年に締結されたサンフランシスコ講和条約の背景と内容、その後のスリランカと日本の交流を映像と舞踊で表現した。第2部「平和の里を訪ねて」では、筑波山、桜川、北条大池を歌ったクリシャンタさんの新曲など6曲、大川晴加さんの「憎しみは愛によって止む」など2曲を披露した(コラム99)。
寄せられた感想では「歴史や社会に詳しい主人ですが、この事実(日本分割統治)を初めて知り、衝撃を受けていました」「始めから涙流しっぱなしでした。ジャヤワルダナさんに日本人として感謝です」など、たくさんの感動メールが届いた。
だが、内実は大変だった。ジャヤワルダナ氏の演説を日本語にし、AIで作成したのだが、リアルにできなくて13回やり直した。完成したのは開演2時間前で、やっと6分の演説を流すことができた。また、日本人の音響担当とスリランカ人の映像担当のやり取りが言葉の問題もあり伝わらず、映像と舞踊合わせはぶっつけ本番だった。
木下恵介監督「スリランカの愛と別れ」
翌日、疲れが残るなか、木下恵介監督「スリランカの愛と別れ」(1976年)を見直した。昨年、公開49年後に初めて見たが、あまり印象に残らなかった。ところが、今回のイベントを終えて見ると、まるで違って見えてきた。
時は1976年。舞台はスリランカ。4組の男女が出てくる。水産会社で働く青年(北大路欣也)と宝石商の女性(栗原小巻)の恋。国連の仕事をする松永(小林桂樹)とその妻(津島恵子)の夫婦愛。現地の娘ライラと結婚しようとする若者の恋。満月の夜、ホテルで過ごす謎の大富豪ジャカランタ夫人(高峰秀子)と身の回りの世話をする老僕。
この4組の愛が描かれるのだが、昨年見た時と印象がまるで違うのだ。26年間続く内戦前のスリランカの美しい景色と人々の貧しいが穏やかな生活が描かれる。物語の軸はジャカランタ夫人だ。インド人と結婚して何不自由はないが、がんを患っていて、日本に残した息子のことが気になる。インド人の夫は何者かに殺された。
昨年は日本人の視点で見ていた。今回はスリランカ人の視点で見ていたようだ。スリランカ人の日本人に対する反応がよくわかる。
国際交流とは一緒に活動すること
イベントを通じて気づいたが、スリランカ人は控えめで、あまり意見を言わない。しかし意見は持っている。先に言ってくれたら対処できたことが幾つもあった。スリランカは450年間も植民地だった国。そのような歴史からきているのかもしれない。
3か月間、スリランカの方とイベントに取り組み、学ぶことが多かった。以前から感じていたが、国際交流とは、集まりに参加するだけではなく、一緒に活動することが大事と思う。同じ映画が違って見えたのは、体験がそうさせたのだ。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)
<つくつくつくばの七不思議の映画とお話>
・日時:5月30日(土)午後1〜3時
・場所:カビオ小会議室2、参加費無料
・対象:次回作のイベント参加希望者
・主催:一般社団法人スマイルアップ推進委員会






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